JPH07140524A - カメラのファインダー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カメラ本体から離れた独立ファインダー有す
るカメラの独立ファインダーを撮影者が装着して撮影す
る場合にファインダーパララックスの除去を可能にす
る。 【構成】 カメラ１の眼鏡型独立ファインダー１０に設
けたメニスカスハーフミラーレンズ１５の下部に配設し
た接眼レンズ２０に接合部１９を介して光ファイバー１
７を接続し、この光ファイバー１７によりカメラ本体１
のファインダー系で結像されたファインダー視野像を接
眼レンズ２０で観察できるようにし、カメラ１の撮影レ
ンズ２の光軸に近い位置からの画像として下部サブ画面
に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラを構えることな
く撮影できるカメラから独立したファインダー装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】カメラのファインダー装置には、第１の
従来例としてカメラから離れた位置のファインダーでパ
ララックスが発生しないものには特開昭６１−２９６３
３４号公報に記載されているようにカメラのビューファ
インダーの画像をクランク型の光ファイバーで目の位置
まで導き、光ファイバーの他端の画像を目で確認できる
ようにして、被写体を見られるように構成されている。

【０００３】さらに、第２の従来例として特開昭６３−
５３５２８号公報に記載されているようにファインダー
装置の視野像を光ファイバーを利用して伝達することに
より、カメラ等のファインダー装置の像を見る視線方
向、視点の位置を自由に変えることができるように構成
されている。

【０００４】また、第３の従来例として特開昭６３−２
８４５２９号公報に記載されているように頭に装着する
バンドにカメラ本体を取り付け、カメラ本体に設けられ
る光学ビューファインダーの光路に光ファイバーを用い
るように構成されている。

【０００５】また、第４の従来例として特開平１−２７
６９７３号公報、特開平３−１５９４８１号公報及び特
開平２−２５０５６７号公報などに記載されているよう
に撮像状態認識手段とこの認識手段を本体に接続させる
連結手段と使用者に支持させる支持手段を設け、電子式
ビューファインダーのみを目に固定したまま撮像できる
ように構成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述第１及
び第２の従来例ではカメラの撮影アングルを自由に変え
られるようにカメラから離れた位置にてファイバースコ
ープでカメラファインダーから導かれた像のみを観察す
るため、次のような欠点があった。すなわち、ファイバ
ースコープで導かれた像を観察中には肉眼で見える外界
視野から分離されるため、歩行が困難となり、被写体を
見つけるまではファイバースコープの接眼部を目から外
さなければならない。従って、被写体を肉眼で見つけて
から撮影動作（ファイバースコープの接眼部を目にあて
がい覗く動作＋カメラを構える動作）に入ることが必要
とあり、速写性に劣り、シャッタチャンスを逃してしま
う。

【０００７】また、前述第３の従来例ではヘッドバンド
に装着したカメラをファイバースコープで導かれた撮像
を見ながら目の高さに調節固定し、その後ファイバース
コープを目から外して撮影したい方向に頭を向ければ目
で見たままの撮影ができるということであるが、目の前
に何の目印もないため、次のような欠点があった。 （１）頭に対して視線を固定するのは困難であり、意識
して固定しようとすると、非常な疲労感を覚える。 （２）撮影者が意図していたフレーミングと実際に撮影
されたフレーミングとの間のずれが大きい。 （３）ファイバースコープの接眼部を目から外さないで
撮影すれば前述第２，第３従来例の欠点と同様な欠点を
生じる（ただし、カメラを構える動作は不要となる
が）。

【０００８】また、前述第４の従来例ではカメラの撮影
アングルを自由に変えられるようカメラから離れた位置
にて電子式ビューファインダーでカメラファインダーか
ら導かれた像のみを観察するため、前述第１，第２従来
例の欠点と同様な欠点を生じる。

【０００９】本発明は、前述各従来例の欠点を除去し、
速写性に優れかつ快適に装着できるカメラのファインダ
ー装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明はカメラ本体から離れて独立したファイン
ダーを有するカメラにおいて、該独立したファインダー
の画面の一部に、該独立したファインダーよりもカメラ
の撮影レンズ光軸に近い位置から見た画像を表示する別
画面を設けたものである。

【００１１】

【作用】以上の構成のカメラのファインダー装置は通常
のファインダー像とともに別画面で撮影レンズ光軸に近
い位置からの画像も見えるので、独立ファインダー使用
時のカメラの速写性がよく、適切にフレーミングを行う
ことができ、ファインダーパララックスを小さくする撮
影もできる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の第１実施例を図１ないし図６
に基づいて説明する。図１は本実施例のファインダー装
置を有するカメラシステムの斜視図、図２はこのカメラ
システムの撮影者装着図、図３は同じくその上面図、図
４はファインダー装置のファインダーサブ画面用光学系
の構成図、図５及び図６はその独立ファインダーのファ
インダー視野像の状態図である。図において、１はカメ
ラ、２はカメラ１の撮影レンズ、３及び４はそれぞれカ
メラ１の自動焦点調節装置の投光系及び受光系、５はカ
メラ１のリモコン受信部、６は撮影レンズ２の周辺に均
等に４個配置されたカメラ視野指標照明部であり、撮影
レンズ光軸に垂直な面にカメラの撮影視野に対応した４
隅の位置を投射するようになっている。７はファインダ
ー対物窓である。８ａ，８ｂ，８ｃはカメラ１の上面に
一列に配置され、かつそれぞれ後記する独立ファインダ
ー１０の送信用発音体１８ａ，１８ｂ，１８ｃに対応し
た受信用ピックアップである。

【００１３】１０は独立ファインダーで、図２に示すよ
うに撮影者の右目に装着できるように眼鏡の右半分の形
態をしている。１１は独立ファインダー１０内に配設さ
れ、後記する視野フレーム１３の像を明るく見せるため
のＬＥＤ等のファインダー照明体、１２はファインダー
照明体１１の光を均一に拡散するための拡散板、１３は
視野フレームで、図５及び図６で１３ａは撮影者から見
える視野フレーム像、１３ｂは同じく撮影者から見える
ＡＦ測距マーク像である。１４はフィールドレンズ、１
５は目の直前に設けたメニスカスハーフミラーレンズ
で、目に近い内側面にハーフミラーとなる反射材質を蒸
着している。また、ハーフミラーレンズ１５は両面が同
一半径のメニスカスレンズであり、透過系としてはパワ
ーがないので、被写体側からの光は５０％暗くなるが、
性能劣化はない。そして、前記視野フレーム１３の像を
目に導くための反射光学系としてはフィールドレンズ１
４とメニスカスハーフミラーレンズ１５のハーフミラー
面（内側面）の合成焦点距離を持つ。さらに、メニスカ
スハーフミラーレンズ１５の平行偏心、フィールドレン
ズ１４の平行偏心・傾き偏心を組み合わせ、偏心ディス
トーションの補正を視野フレーム１３に加えることによ
り、正常な視野フレーム虚像が得られるようにする。

【００１４】１６はカメラ１と独立ファインダー１０と
の間でやり取りする信号ラインやカメラ側電源（不図
示）からのファインダーへの電源供給ライン及び独立フ
ァインダーサブ画面表示用光ファイバー１７（破線で示
す）を含んだケーブル、１８ａ，１８ｂ，１８ｃは独立
ファインダー１０のつるに沿って一列に配置された送信
用発音体で、各々対応したカメラ１の上面に配置された
受信用ピックアップ８ａ，８ｂ，８ｃに向けて音波を送
る。

【００１５】２１はリモコンで、カメラ１の撮影視野と
独立ファインダー１０の視野を一致させてカメラに記憶
させる（以後、視野キャリブレーションという）ための
セット信号と、カメラに測距・測光をおこなわせるＳＷ
１信号と、露光動作を行わせるＳＷ２信号をカメラに送
信する機能を持つ。２２はレリーズボタンで、第１スト
ロークでＳＷ１信号を、第２ストロークでＳＷ２信号を
発生させる。２３は視野キャブレーションスイッチで、
オンすることにより前述の視野キャブレーションのセッ
ト信号を発生する。２４は前記信号送信用ＩＲＥＤであ
る。

【００１６】２５は電動雲台ユニットで、カメラ１を支
持し、所定の制御信号に基づいてカメラの上下左右の首
振り、水平出しを行う。２６はショルダーベルトで、電
動雲台ユニット２５を肩の上に装着することができる。

【００１７】前記独立ファインダーサブ画面表示用光フ
ァイバー１７は図４に示すように入力側端面１７ａと出
力側端面１７ｂを有し、該入力側端面１７ａはカメラ１
のファインダー接眼レンズ９の後部に取り付けた接合部
３０に接続され、該接合部３０内のファインダー系のア
イポイントの位置に設けた結像レンズ３１によりカメラ
のファインダーの像を該入力側端面１７ａに結像させる
ようになっており、該出力側端面１７ｂは独立ファイン
ダー１０のメニスカスハーフミラーレンズ１５の下部に
設けた接合部１９に接続され、該接合部１９に設けた独
立ファインダー接眼レンズ２０により該出力側端面１７
ｂに導かれたカメラのファインダー像を撮影者の目Ａで
サブ画面３２の位置で観察できるようになっている。

【００１８】以上の構成の本実施例における独立ファイ
ンダーのサブ画面利用時の動作について説明する。撮影
者がカメラ１を装着し、子供と公園を散歩している場合
を想定すると、例えば子供が花壇の向こうでとてもよい
表情で笑いかけてきたならば、撮影者は独立ファインダ
ー１０の視野フレーム像１３ａ及び測距マーク像１３ｂ
を通してその瞬間を見ているので、独立ファインダー１
０に追従してカメラ１も子供の方を向いている。そし
て、とっさにリモコン２１のレリーズボタン２２を押せ
ば、思った通りの表情を撮影できる。

【００１９】ところが、図５に示すように撮影者と被写
体である子供との間に花がかなりの高さまで存在した場
合、撮影者の肩に装着したカメラ１と撮影者の目Ａに装
着した眼鏡形状の独立ファインダー１０との間にかなり
の距離（高低差）が生じるため、ファインダーパララッ
クスが大きく発生し、視野フレーム像１３ａの中に見え
るフレーミングのまま子供が花の上に顔を出している状
態で撮影すると、実際はサブ画面３２で見えるように子
供の顔下半分が花に隠れ、ピントも花に合ってしまう失
敗写真となる場合が多い。従って、撮影者は目をほんの
少し下に向けて視野フレーム像１３ａの下にあるサブ画
面３２を見てカメラ１の撮影レンズに非常に近い位置か
ら見た被写体像を確認し、図６に示すようにフレーミン
グとして撮影すれば子供の顔と花がバランス良く画面を
形成する写真となる。また、マクロ等の近距離撮影時に
はファインダーパララックスが非常に大きくなるため、
特にサブ画面３２を確認しながら撮影する必要が生じ
る。さらに、被写体が近景、中景、遠景と各距離毎にポ
イントを持った奥行きのある場合、近・中・遠の各被写
体の配置や重なり具合をバランスを考えて厳密にフレー
ミングしたい時もサブ画面３２をじっくり確認して撮影
する。

【００２０】図７及び図８は本発明の第２実施例を示す
ものである。説明を簡単にするために前述第１実施例と
同一部分には同一符号を付し、相違する点のみを説明す
る。本実施例ではカメラ本体１内にファインダー（前述
第１実施例のファインダー対物窓７を含むファインダー
部）を設ける代わりに、撮影レンズ２の真上のカメラ上
面に光ファイバーホルダー１ａを光軸方向に設け、該光
ファイバーホルダー１は中央で分割されかつ内壁で光フ
ァイバー１７の入力側端接合部４０を挟持しうるように
弾性を有して突出しており、該接合部４０の前端にはフ
ァインダーユニット５０が一体的に結合されている。そ
して、該ファインダーユニット５０はその接眼レンズ５
０ａの後端のアイポイントから覗くと正立像が見えるよ
うに構成され、該接合部４０内には撮影レンズ２とほぼ
同じ画角を有しかつファインダーユニット５０のアイポ
イント付近に結像レンズ４１を設けてファインダーユニ
ット５０による外界像を光ファイバー１７の入力側端面
１７ａに結像するようになっている。また、ケーブル１
６はカメラ１と独立ファインダー１０との間でやり取り
する信号ラインやカメラ側電源（不図示）からのファイ
ンダーへの電源供給ライン及び独立ファインダーサブ画
面表示用光ファイバー１７を含んでいるが、途中で信号
ライン・電源供給ライン１６ａと光ファイバー１７に別
れてカメラ１に接続されている。その他の構成及び動作
は前述第１実施例と同様である。

【００２１】図９及び図１０は本発明の第３実施例を示
すものである。本実施例はカメラ本体１内にファインダ
ー（前述第１実施例のファインダー対物窓７を含むファ
インダー部）を設ける代わりに、撮影レンズ２の真上の
カメラ上面に超小型ビデオカメラホルダー１ａ′を光軸
方向に設け、該超小型ビデオカメラホルダー１は中央で
分割されかつ内壁で超小型ビデオカメラ５１のレンズ鏡
筒５２を挟持しうるように弾性を有して突出しており、
該超小型ビデオカメラ５１はその本体内にＣＣＤ５３と
画像信号処理回路（不図示）が設けられている。そし
て、該レンズ鏡筒５２の光学系は撮影レンズ２と同方向
を向きかつほぼ同じ画角を有し、ＣＣＤ５３上に外界像
を結像させるようになっている。

【００２２】また、ケーブル１６はカメラ１と独立ファ
インダー１０との間でやり取りする信号ラインやカメラ
側電源（不図示）からのファインダーへの電源供給ライ
ン及び独立ファインダーサブ画面表示用画像信号ライン
５４を含んでいるが、途中で信号ライン・電源供給ライ
ン１６ａとサブ画面表示用画像信号ライン５４に別れて
カメラ１に接続され、一方、サブ画面表示用画像信号ラ
イン５４はメニスカスハーフミラーレンズ１５の下部に
設けたサブ画面表示用ビューファインダー５５に接続さ
れている。そして、該サブ画面表示用ビューファインダ
ー５５は液晶ドライバーを持った液晶表示部５６、液晶
表示部５６のバックライトを均一の明るさにするための
拡散板５７、液晶表示部照明用バックライト５８、バッ
クライトの光を効率よく液晶表示部５６へ照明するため
の反射笠５９から構成されている。その他の構成及び動
作は前述第１実施例と同様である。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、以上説明したようにカメラ本
体から離れて独立したファインダーを有するカメラにお
いて、該独立したファインダーの画面の一部に、該独立
したファインダーよりもカメラの撮影レンズ光軸に近い
位置から見た画像を表示する別画面を設けることによ
り、眼鏡形状の独立ファインダーの速写性、フレーミン
グの適度な正確さ及び装着の快適性などのシャッタチャ
ンスに必要な性能を損なうことなく、正確なフレーミン
グを要求される撮影に対してもファインダーパララック
スをより小さくして対応できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施例の独立ファインダーを
備えたカメラシステムの斜視図である。

【図２】そのカメラシステムを撮影者に装着した正面図
である。

【図３】同じく上面図である。

【図４】そのファインダーサブ画面用光学系の構成を示
す要部断面図である。

【図５】その独立ファインダーのサブ画面を見ずに視野
フレームでフレーミングしたパララックスのある被写体
像の状態図である。

【図６】その独立ファインダーのサブ画面を見てフレー
ミングした被写体像の状態図である。

【図７】本発明の第２実施例の独立ファインダーを備え
たカメラシステムの斜視図である。

【図８】そのファインダーサブ画面用光学系の構成を示
す要部断面図である。

【図９】本発明の第３実施例の独立ファインダーを備え
たカメラシステムの斜視図である。

【図１０】そのファインダーサブ画面用光学系の構成を
示す要部断面図である。

【符号の説明】

１・・カメラ、１ａ・・光ファイバーホルダー、１ａ′
・・超小型ビデオカメラホルダー、２・・撮影レンズ、
７・・ファインダー対物窓、９・・ファインダー接眼レ
ンズ、１０・・独立ファインダー、１３ａ・・視野フレ
ーム、１５・・メニスカスハーフミラーレンズ、１６ケ
ーブル、１７・・サブ画面表示用光ファイバー、１９・
・出力側の接合部、２０・・サブ画面用接眼レンズ、２
１・・リモコン、２６・・ショルダーベルト、３１・・
結像レンズ、３２・・サブ画面、５０・・ファインダー
ユニット、５１・・超小型ビデオカメラ、５５・・サブ
画面表示用ビューファインダー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カメラ本体から離れて独立したファインダ
   ーを有するカメラにおいて、該独立したファインダーの
   画面の一部に、該独立したファインダーよりもカメラの
   撮影レンズ光軸に近い位置から見た画像を表示する別画
   面を設けたことを特徴とするカメラのファインダー装
   置。