JPH07140221A - 測角装置 - Google Patents

測角装置

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JPH07140221A
JPH07140221A JP28952493A JP28952493A JPH07140221A JP H07140221 A JPH07140221 A JP H07140221A JP 28952493 A JP28952493 A JP 28952493A JP 28952493 A JP28952493 A JP 28952493A JP H07140221 A JPH07140221 A JP H07140221A
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敦 岡村
Tetsuo Kirimoto
哲郎 桐本
Toshiyuki Yamada
敏之 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 推定測角誤差の小さい到来波の測角装置を得
ることを目的とする。 【構成】 本発明の測角装置の信号処理装置は、相関行
列算出手段の入力する受信信号チャネルの組合せを切替
えることによってステアリングベクトルaj (θ)が互
いに異なるように上記受波器を配置し、受信信号チャネ
ルの組合せを切り替える毎に独立に求める方位評価関数
j (θ)の平均または最小値または中央値で与えられ
る角度関数を求め、この角度関数のピークに対応する角
度を到来波の入射角度とすることにより、方位評価関数
のスプリアスを抑圧して、より正確に到来波の入射角度
を推定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アンテナ、ソナー、
光ディテクタ等のアレー信号処理を用いる到来波の到来
角度の測定、及び信号のスペクトル、時間遅れの測定に
関する。
【0002】
【従来の技術】アンテナの解像限界は波長/アンテナ開
口径とされていたが、近年、複数のアンテナと信号処理
を用いることによって、上記解像限界を越える角度分解
能を得るアルゴリズムが提案されている。このようなア
ルゴリズムとして、例えば、R.O.Schmidt:■Multiple E
mitter Location and Signal Parameter Estimation■,
IEEE Trans. ,AP-34, 3, pp.276-280(1986)に示される
ようなMUSICアルゴリズムがある。先ず、MUSI
Cアルゴリズムを用いた従来の測角装置(以下、従来の
測角装置と呼ぶ)について図1、図2を参照して説明す
る。図1は、従来、及び本発明の測角装置の全体構成図
であり、1は受信アンテナ、2は受信機、3はアナログ
/ディジタル変換器、4はMUSICアルゴリズムに基
づく信号処理装置、5は角度表示装置である。図中、x
m は受信信号を示し、mはチャネルの番号を示す添字で
ある。図2は、上記図1の従来の信号処理装置4の内部
構成図で、201は受信信号xm に対するバッファメモ
リ、202は相関行列R計算手段、203はRの固有値
及び固有ベクトル算出手段、204は方位評価関数F
(θ)算出手段、205はピーク検出手段である。
【0003】以下、動作を説明する。受信信号ベクトル
Xを次式で定義する。 X(i)=[x1 (i),x2 (i),‥,xM (i)] ここで、iは時刻を示す添字、Tはベクトル行列の転
置、Mはチャネル数、即ちアレーのアンテナ数である。
バッファメモリ201は時刻1からIまでの受信信号ベ
クトルX(1) 〜X(I) を蓄える。相関行列計算手段
202は相関行列Rを次式のように算出する。 ここで、Hは行列ベクトルの複素共役転置を表す。従っ
てRはM×Mの正方行列である。203はRの固有値λ
1 〜λM 、及び固有ベクトルe1 〜eM を算出する。方
位評価関数F算出手段204は固有値λ1 〜λM の中の
最小固有値に対応する固有ベクトルeN を用いて方位評
価関数Fを次式のように算出する。 F(θ)=1/a(θ)H N (2) ここで、(θ)は角度θの関数であることを示し、F
(θ)はすべてのθについて算出する。a(θ)はステ
アリングベクトルと呼ばれ、到来角θで入射する電波s
が1波存在する場合の受信信号ベクトルXが次式で与え
られるような係数ベクトルで、各アンテナ1の位置、θ
方向の指向特性で決定される。 X=a(θ)s+n (3) ここで、nはノイズベクトルであり、次式に示すように
各チャネルの受信機2,A/D変換器3で発生もしくは
アンテナ1から漏れ込むノイズnm を要素とする。 ピーク検出手段405はF(θ)の最も値の大きいK個
のピークを与える角度θ捜索しこの値を到来角推定値と
して出力する。Kの値は固有値λ1 〜λM の分布から決
定される。
【0004】以下、MUSICアルゴリズムの測角原理
を説明する。チャネル総数Mに比べて入射波の数Kは少
ないもの(M>K)と仮定する。複数の電波が上記アレ
ーアンテナに入射する際には、受信信号ベクトルXは式
(3)に変わり、次式で与えられる。 ここで、kは入射信号の番号を示す添字で、Aはステア
リングベクトルaで次式のように構成されるM×Kの行
列である。 Sは入射信号を要素とする次式で与えられるK×1のベ
クトルである。 s=[s1 ,s2 ,‥,sK T (7) 式(5)を用いて、式(1)に定義される相関行列Rを
次式のように展開できる。 R=ASAH +σ2 I (8) ここで、Sは次式のように構成されるK×Kの正方行列
である。 ここで、σ2 はノイズの電力であり、IはM×Mの単位
行列である。各ノイズnm (m=1,2,‥,M)は互
いに無相関で電力は等しいと仮定した。相関行列Rはエ
ルミート行列であるからその固有値λ1 〜λM はすべて
正の実数で、その中で最も小さなM−K個の固有値は式
(8)よりノイズ電力σ2 に等しいことがわかる。この
ような最小固有値λ=σ2 に対応する固有ベクトルをe
N で表すと、固有値固有ベクトルの関係から次式が成り
立つ。 (R−σ2 I)eN =0 (10) 上式左辺を式(8)を用いて変形すれば次式が得られ
る。 ASAH N =0 (11) ここで、行列Sがフルランク、即ち入射信号の相互相関
係数が100%より小さいならば、(11)は次式に変
形できる。 AH N =0 (12) これをステアリングベクトルを用いて表すとMUSIC
アルゴリズムの原理上重要な次式を得る。 一方、方位評価関数F(θ)を変数θについてサーチす
る際、変数θが電波入射角θkのいづれかと一致すると
き、式(13)より式(2)の分母は0となり方位評価
関数Fの値は非常に大きな値となる。このときの方位評
価関数F(θ)を図3に例示する。従ってピーク検出手
段205の動作により入射角の推定ができる。
【0005】ところが、上記測角装置では、(アレーア
ンテナの素子間隔d)/(入射波の波長λ)が1に近い
場合もしくは1を越える場合、方位評価関数F(θ)に
真の到来角とは全く異なった角度にスプリアスが発生す
る。例えば、素子間隔dの2素子のリニアアレーを考え
ると、ステアリングベクトルa(θ)は、 a(θ) =[1,exp{j2πsin(θ)(d/λ)}]T で与えられるが、d/λ=2である場合には、a(θ+
ξ)=a(θ)を満足するξが存在する。今、θk 方向
から電波が入射したとすると、方位評価関数F(θ)に
はθ=θkにピークがあると同時にθ=θk +ξにもピ
ークが生じる。後者のピークがスプリアスで、測角結果
にはξのアンビギュイティもしくは誤差が生じる。同様
に、0.5<<(d/λ)<1の場合でもアンテナ配置
如何ではa(θ+ξ)〜a(θ)となるξが存在するた
めに、スプリアスを生じる場合がある。また、相関行列
Rを計算する際の受信信号データサンプル数I(式
(1)参照)が有限であることから、実際のRのノイズ
寄与分は式(8)右辺の第2項に示したσ2 Iのような
完全な対角行列にはならない。すると、上記固有ベクト
ルeN に誤差が生じる。このこともスプリアスの発生を
助長し、測角誤差が増大する。さらに、方位評価関数算
出手段204で算出するF(θ)は、原理的にはすべて
のθについて算出する必要があるが、θを連続的に変化
させることは難しいため、実際にはθを離散的に変化さ
せてそれぞれのθに対して計算する。このときこのθの
刻み幅Δθが(ステアリングベクトルa(θ)の角度変
化率にくらべて)大きい場合、一般に方位評価関数F
(θ)のピークは鋭いため、ピーク検出手段205では
このピークを検出できない恐れがある。一方、θの刻み
幅を小さくするに従ってθの変化は連続変化に近づく
が、すべてのθに対して方位評価関数F(θ)を算出す
る方位評価関数算出手段204や、すべてのθに対して
F(θ)の値を参照するピーク検出手段205で、演算
量は著しく増大する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の測角装置は以上
のように構成されていて、(アレーアンテナの素子間
隔)/(入射波の波長)が1に近い場合、もしくは1を
越える場合、方位評価関数F(θ)にスプリアスが発生
し到来波の入射角度を正確に推定できない場合があると
いう課題があった。また、測角に要する演算量が増大す
るという課題があった。この発明は上記のような課題を
解決するためになされたもので、方位評価関数F(θ)
に発生するスプリアスを抑圧して到来波の入射角度を正
確に推定できる測角装置を得ることを目的とする。ま
た、測角に要する演算量の少なくした測角装置を得るこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明の測角装置は、M個の受波器と、
この受波器出力であるMチャネルの受信信号の中で幾本
かの受信信号の相関行列を算出する相関行列算出手段
と、上記相関行列算出手段の出力行列の固有値と固有ベ
クトルを求め最小ないし最小に近い固有値に対応する固
有ベクトルを抽出する固有値及び固有ベクトル算出手段
と、上記相関行列算出手段のm番目入力に対応する受波
器の角度θ方向に対する位相遅れや指向特性をm番目の
要素とするベクトルをaj (θ)として、θ毎に上記固
有値及び固有ベクトル算出手段が抽出した固有ベクトル
と上記aj (θ)の内積を求めこの内積の逆数を方位評
価関数Fj (θ)として出力する方位評価関数算出手段
とを備え、上記相関行列算出手段の入力する受信信号チ
ャネルの組み合わせを切り替えることによって上記aj
(θ)が互いに異なるように上記受波器を配置し、受信
信号チャネルの組み合わせを切り替える毎に独立に方位
評価関数Fj (θ)を求め、 の関係式で得られる関数G(θ)を求め、上記G(θ)
のピークを捜索しこのピークに対応する角度を到来波の
到来角度として出力するピーク検出手段を備えるもので
ある。
【0008】請求項2の発明の測角装置は、請求項1記
載の測角装置の関数G(θ)を求める際の角度θにおけ
るG(θ)の値をFj (θ)の最小値で与えるよう構成
したものである。
【0009】請求項3の発明の測角装置は、請求項1記
載の測角装置の関数G(θ)を求める際の角度θにおけ
るG(θ)の値をFj (θ)の中央値で与えるよう構成
したものである。
【0010】請求項4の発明の測角装置は、M個の受波
器と、この受波器出力であるMチャネルの受信信号の相
関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列算
出手段の出力行列の固有値と固有ベクトルを求め最小な
いし最小に近い固有値に対応する固有ベクトルを抽出す
る固有値及び固有ベクトル算出手段と、上記相関行列算
出手段のm番目入力に対応する受波器の角度θ方向に対
する位相遅れや指向特性をm番目の要素とするベクトル
をa(θ)として、θ毎に上記固有値及び固有ベクトル
算出手段が抽出した固有ベクトルと上記a(θ)の内積
を求めこの内積の逆数を方位評価関数Fj (θ)として
出力する方位評価関数算出手段とを備え、上記相関行列
算出手段が相関計算に用いる受信信号の対応する時刻の
組み合わせを切り替えることによって関数形が互いに異
なるよう求めたJ個の独立な方位評価関数Fj (θ)を
求め、 の関係式で得られる関数H(θ)を求め、上記H(θ)
のピークを捜索しこのピークに対応する角度を到来波の
入射角度として出力するピーク検出手段を備えるもので
ある。
【0011】請求項5の発明の測角装置は、請求項4記
載の測角装置の関数G(θ)を求める際の角度θにおけ
るG(θ)の値をFj (θ)の最小値で与えるよう構成
したものである。
【0012】請求項6の発明の測角装置は、請求項4記
載の測角装置の関数G(θ)を求める際の角度θにおけ
るG(θ)の値をFj (θ)の中央値で与えるよう構成
したものである。
【0013】請求項7の発明の測角装置は、M個の受波
器と、この受波器出力であるMチャネルの受信信号の相
関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列算
出手段の出力行列の固有値と固有ベクトルを求め最小な
いし最小に近い固有値に対応する固有ベクトルを抽出す
る固有値及び固有ベクトル算出手段と、上記相関行列算
出手段のm番目入力に対応する受波器の角度θ方向に対
する位相遅れや指向特性をm番目の要素とするベクトル
をa(θ)として、θ毎に上記固有値及び固有ベクトル
算出手段が抽出した固有ベクトルと上記a(θ)の内積
を求めこの内積の逆数を方位評価関数F(θ)として出
力する方位評価関数算出手段と、上記F(θ)のピーク
を捜索しこのピークに対応する角度を到来波の入射角度
として出力するピーク検出手段と、上記受波器出力であ
るMチャネルの受信信号を入力し到来波の到来角度を粗
測角する粗測角手段とを備え、この粗測角手段の測角結
果をθest として、上記方位評価関数算出手段が上記θ
est の近傍の角度範囲に限りF(θ)を算出し、上記ピ
ーク検出手段が上記θest の近傍の角度範囲に限りF
(θ)のピークを捜索するよう構成したものである。
【0014】請求項8の発明の測角装置は、M個の受波
器と、この受波器出力であるMチャネルの受信信号の相
関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列算
出手段の出力行列の固有値と固有ベクトルを求め最小な
いし最小に近い固有値に対応する固有ベクトルを抽出す
る固有値及び固有ベクトル算出手段と、上記相関行列算
出手段のm番目入力に対応する受波器の角度θ方向に対
する位相遅れや指向特性をm番目の要素とするベクトル
をa(θ)として、θ毎に上記固有値及び固有ベクトル
算出手段が抽出した固有ベクトルと上記a(θ)の内積
を求めこの内積の逆数を方位評価関数F(θ)として出
力する方位評価関数算出手段と、上記F(θ)のピーク
を捜索しこのピークに対応する角度を出力するピーク検
出手段と、上記受波器出力であるMチャネルの受信信号
を入力し到来波の到来角度を粗測角する粗測角手段とを
備え、この粗測角手段の測角結果をθest として、上記
ピーク検出手段が出力するF(θ)の複数のピークに対
応する複数の角度の中で最もθest に近接した角度を到
来波の入射角度として出力するよう構成したものであ
る。
【0015】
【作用】上記のように構成された請求項1,2,3の発
明の測角装置では、相関行列算出手段の入力する受信信
号チャネルの組み合わせを切り替えることによって上記
j (θ)が互いに異なるように上記受波器を配置し、
受信信号チャネルの組み合わせを切り替える毎に独立に
求める方位評価関数Fj (θ)の平均または最小値また
は中央値で与えられる角度関数を求め、この角度関数の
ピークに対応する角度を到来波の入射角度とすることに
より、方位評価関数のスプリアスを抑圧して、より正確
に到来波の入射角度を推定することができる。
【0016】また、請求項4,5,6の発明の測角装置
では、相関行列算出手段が相関計算に用いる受信信号の
対応する時刻の組み合わせを切り替える毎に独立に求め
る方位評価関数Fj (θ)の平均または最小値または中
央値で与えられる角度関数を求め、この角度関数のピー
クに対応する角度を到来波の入射角度とすることによ
り、方位評価関数のスプリアスを抑圧して、より正確に
到来波の入射角度を推定することができる。
【0017】また、請求項7の発明の測角装置では、粗
測角手段の測角結果をθest として、方位評価関数算出
手段が上記θest の近傍の角度範囲に限り方位評価関数
F(θ)を算出し、ピーク検出手段が上記θest の近傍
の角度範囲に限りF(θ)のピークを捜索するよう構成
したことにより、測角に要する演算量が低減することが
できる。また、方位評価関数のスプリアスを抑圧して、
より正確に到来波の入射角度を推定することができる。
【0018】また、請求項8の発明の測角装置では、粗
測角手段の測角結果をθest として、方位評価関数F
(θ)の複数のピークに対応する複数の角度の中で最も
θestに近接した角度を到来波の入射角度として出力す
るよう構成したことにより、方位評価関数のスプリアス
を抑圧して、より正確に到来波の入射角度を推定するこ
とができる。
【0019】
【実施例】
実施例1.請求項1に係わる発明の実施例1を図1、図
4を参照して説明する。図1は本実施例1の全体構成図
で、信号処理装置4以外は従来例と同様であり、説明を
省略する。だだしアンテナ素子1は、リニアアレーにな
らないよう配列する。図4は本実施例1の信号処理装置
4の内部構成を示す図で、401aはアンテナ#1〜#
Lの受信信号x1 〜xL に対するバッファメモリ、40
1bはアンテナ#(L+1)〜#Mの受信信号xL+1
M に対するバッファメモリ、202a,202bは相
関行列R計算手段、203a,203bは固有値及び固
有ベクトル算出手段、204a,204bは方位評価関
数算出手段、406は融合方位評価関数算出手段、20
5はピーク算出手段である。各バッファメモリ401
a、401bが入力する受信信号チャネル数はそれぞれ
L,(M−L)であるが、入射電波数Kに対し、 L>K,且つ(M−L)>K を満足するようにチャネル数を設定する。以下、動作に
ついて説明する。図4において、202a〜204a,
202b〜204bはそれぞれ図2に示した従来例の2
02〜204と同様であり説明を省略する。2つの方位
評価関数算出手段204a,204bの算出するそれぞ
れの方位評価関数をF1 (θ)、F2 (θ)とすると、
1 (θ)はアンテナ#1〜#Lの受信信号x1 〜xL
のデータから決定される方位評価関数で、アンテナ#
(L+1)〜#Mの受信信号xL+1 〜xM のデータから
与えられる決定される方位評価関数である。融合方位評
価関数406は融合方位評価関数G(θ)を、すべての
角度θについて次式のように算出する。 ピーク検出手段205は融合方位評価関数G(θ)の最
も大きいK個のピークを捜索し、到来角推定値を出力す
る。ここで、Kは入射電波数で、固有値及び固有ベクト
ル算出手段203で算出される固有値の分布から決定さ
れる。固有値及び固有ベクトル算出手段203aで決定
される入射電波数K1 と、固有値及び固有ベクトル算出
手段203bで決定される入射電波数K2 とは、原理上
同じ値となる。しかし、実際にK1 、K2 の値が異なる
場合には、両者の小さい方の値を入射電波数Kとする。
【0020】(アレーアンテナの素子間隔d)/(入射
波の波長λ)が1に近い場合、もしくは1を越える場
合、図5(A)に示すように、方位評価関数F1 (θ)
には真の到来角θt とは全く異なった角度にスプリアス
が発生する。F1 (θ)の一つのスプリアス発生する角
度をθs とする。この角度にスプリアスが生じる理由
は、従来例で説明したように、スプリアス発生角度θs
におけるステアリングベクトルa1 (θs )が真の到来
角θt におけるステアリングベクトルa1 (θt )と同
値もしくは近接した値となるためである。即ち、 a1 (θs )=a1 (θt ) (102) となるためである。なお、ステアリングベクトルa
1 (θ)はアンテナ#1〜#Lの位置、指向性で決定さ
れるθの関数である。固有値及び固有ベクトル算出手段
203aが算出する最小固有値に対応する固有ベクトル
をeN1で表せば、方位評価関数F1 (θ)は、 F1 (θ)=1/a1 (θ)H N1 (103) で与えられ、式(102)の成立によりF1 (θs )=
1 (θt )となる。a1 (θt )がeN1と直交してF
1 (θt )の値が大きくなれば、F1 (θs )の値も大
きくなりθs にスプリアスが生じるのである。方位評価
関数F2 (θ)にも,図5(B)に示すようにスプリア
スが発生する。しかし、一般には、F2 のスプリアス発
生角度は、F1 のスプリアス発生角度θs と異なる。こ
の理由を説明するため、F1 のスプリアス発生角度θs
に着目してF2 (θs )を考える。方位評価関数F
2 (θ)は、 F2 (θ)=1/a2 (θ)H N2 (104) で与えられ、a2 (θt )がeN2と直交してF
2 (θt )が大きな値となっても、一般に、 a2 (θs )≠a2 (θt ) (105) であるから、F2 (θs )は大きな値とならずスプリア
スとならない。式(102)が成立しても式(105)
の等式が成立しない理由は、ステアリングベクトルa1
(θ)を決定するアンテナ#1〜#Lの配列とa
2 (θ)を決定するアンテナ#(L+1)〜#Mの配列
の配列が異なるために、a1 (θ)とa2 (θ)の関数
形が互いに異なるところにある。融合方位評価関数G
(θ)では、図5(C)に示すように、上記スプリアス
が抑圧されることを以下に説明する。G(θ)を与える
式(101)は、式(103),(104)を用いて次
式のように変形される。 真の到来角θtでは、a1 (θ)H N1+a2 (θ)H
N2ともに小さな値となるため、θt における融合方位
評価関数G(θt )は大きな値を取りピークとなる。一
方、F1 のスプリアス発生角度θs では、a1 (θ)H
N1は小さな値となっても、上記説明のようにa
2 (θ)H N2は小さな値を取らない。従って、式(1
06)の分母はさほど小さな値とはならないため、G
(θs )は大きな値を取らず、θs におけるスプリアス
は抑圧される。θs 以外の角度のスプリアスも同様に抑
圧され、融合方位評価関数G(θt )は、図5(C)に
示すように真の到来角θt のみでピークを形成する。
【0021】従来例の測角装置における方位評価関数F
(θ)は図5(A)又は図5(B)のような関数形とな
るため、スプリアス発生角度から電波到来角を推定し、
表示する到来角推定値が真の到来角から大きく異なるこ
とがしばしば起こる。一方、本発明の測角装置は、スプ
リアスが抑圧された融合方位評価関数G(θ)のピーク
から到来角を推定するため、従来例のように方位評価関
数のスプリアスの発生角度を誤って到来角として表示す
ることが極めて少なくなり、従来例に比べ正確に到来角
を推定できる。なお、上記実施例の説明では、到来電波
数は1である場合について説明したが、到来電波数は複
数であっても問題ない。また、アンテナ素子1はリニア
アレーにならないよう配置された場合について説明した
が、リニアアレーに配置された場合であっても、ステア
リングベクトルa1 (θ)とa2 (θ)の関数形が互い
に異なるよう、アンテナを配置するか、バッファメモリ
401とアンテナ受信信号の接続すれば問題ない。
【0022】上記実施例では、バッファメモリ401a
にアンテナ#1〜#Lの受信信号を接続し、バッファメ
モリ401bにアンテナ#(L+1)〜#Mの受信信号
を接続しているが、バッファメモリ401bに例えばア
ンテナ#(L−10)〜#Mの受信信号を接続する場合
のように、2個のバッファメモリで受信信号チャネルを
一部分共有して接続しても、同様な効果を得ることがで
きる。また、上記実施例では、バッファメモリ401、
相関行列計算手段202、固有値及び固有ベクトル算出
手段203、方位評価関数F(θ)算出手段204を2
セット用意して、2個の方位評価関数F1 、F2 を算出
し、式(101)より融合方位評価関数G(θ)を算出
したが、バッファメモリ401、相関行列計算手段20
2、固有値及び固有ベクトル算出手段203、方位評価
関数F(θ)算出手段204をJセット用意して(J>
3)、J個の方位評価関数F1 〜FJ を算出し、次式に
示す融合方位評価関数G(θ)をもちいて到来角を推定
しても、同様な効果を得ることができる。 また、上記実施例では、電波の到来角を測定する測角装
置を例に説明したが、音波、光波の到来角を測定する場
合にもそのまま適用できる。
【0023】実施例2.請求項2に係わる発明の実施例
2を図1、図4を参照して説明する。図1は本実施例2
の全体構成図で、信号処理装置4以外は従来例と同様で
あり説明を省略する。図4は本実施例2の信号処理装置
4の内部構成を示す図で、融合方位評価関数算出手段4
06は、融合方位評価関数G(θ)を、すべての角度θ
について次式のように算出する。 ここで、min[*]は要素*の中の最小値を意味す
る。F1 (θ),F2 (θ)はそれぞれアンテナ#1〜
#Lの受信信号x1 〜xL のデータから決定される方位
評価関数、アンテナ#(L+1)〜#Mの受信信号x
L+1 〜xM のデータから与えられる決定される方位評価
関数である。図4の他の手段については実施例1と同様
であるから説明を省略する。
【0024】方位評価関数F1 (θ),F2 (θ)は、
図5(A),図5(B)に示されるようにスプリアスを
生じることがある。実施例1で説明したように、F1
2上のスプリアス発生角度は互いに異なるため、融合
方位評価関数算出手段406における式(201)の演
算によってスプリアスは抑圧される。一方、真の到来角
θt では、F1 ,F2 共にピークとなるため、G
(θt )もピークとなる。従って、融合方位評価関数G
(θ)は図5(C)に示すように真の到来角θt のみで
ピークを形成する結果となる。以上、本発明の測角装置
でも、スプリアスが抑圧された融合方位評価関数G
(θ)のピークから到来角を推定するため、従来例のよ
うに方位評価関数のスプリアスの発生角度を誤って到来
角として表示することが極めて少なくなり、従来例に比
べ正確に到来角を推定できる。
【0025】実施例3.請求項3に係わる実施例3を図
1、図6を参照して説明する。図1は本実施例3の全体
構成図で、信号処理装置4以外は従来例と同様であり説
明を省略する。図6は本実施例3の信号処理装置4の内
部構成を示す図で、融合方位評価関数算出手段606
は、融合方位評価関数G(θ)を、すべての角度θにつ
いて次式のように算出する。 ここで、med[*]は要素*の中の中央値を意味す
る。F1 (θ),F2 (θ),‥,FJ (θ)はそれぞ
れアンテナ#1〜#L1の受信信号、アンテナ#(L1
+1)〜#L2の受信信号、アンテナ#(LJ+1)〜
#Mの受信信号データから与えられる決定される方位評
価関数である。図6の他の手段については実施例1と同
様であるから説明を省略する。
【0026】方位評価関数F1 (θ),F2 (θ),
‥,FJ (θ)は、図5(A),図5(B)に示される
ようにスプリアスを生じることがある。実施例1で説明
したように、F1 ,F2 上のスプリアス発生角度は互い
に異なるため、融合方位評価関数算出手段606におけ
る式(301)の演算によってスプリアスは抑圧され
る。今、J=5とし、F1 のスプリアス発生角度の一つ
をθsとする。例えば、J=5とし、この角度における
各方位評価関数F1 〜F5 の値が、 F1 (θs )=60dB F2 (θs )= 5dB F3 (θs )= 2dB F4 (θs )= 6dB F5 (θs )= 5dB と算出されたとする。このとき、この角度θs における
融合方位評価関数G(θs )はF1 〜F5 の中央値であ
るから、G(θs )=5dBと算出され、大きな値とは
ならない。一方、真の到来角θt では、F1 〜F5 共に
高い値となるため、中央値も高い値のままである。即
ち、G(θt )もピークとなる。従って、融合方位評価
関数G(θ)は図5(C)に示すように真の到来角θt
のみでピークを形成する結果となる。以上、本発明の測
角装置でも、スプリアスが抑圧された融合方位評価関数
G(θ)のピークから到来角を推定するため、従来例の
ように方位評価関数のスプリアスの発生角度を誤って到
来角として表示することが極めて少なくなり、従来例に
比べ正確に到来角を推定できる。
【0027】実施例4.請求項4に係わる発明の実施例
4を図1、図7を参照して説明する。図1は本実施例4
の全体構成図で、信号処理装置4以外は従来と同様であ
り説明を省略する。図7は本実施例4の信号処理装置4
の内部構成を示す図で、701はアンテナ#1〜#Mの
受信信号x1 〜xM を接続されたバッファメモリ、70
2a〜702zは相関行列R計算手段、203a〜20
3zはRの固有値及び固有ベクトル算出手段、204a
〜204zは方位評価関数算出手段、706は融合方位
評価関数算出手段、205はピーク算出手段である。R
1 〜RJ はそれぞれ各相関行列計算手段702a〜70
2zの算出する相関行列を示し、F1 〜FJ はそれぞれ
各方位評価関数算出手段204a〜204zの算出する
方位評価関数を示し、Hは融合方位評価関数算出手段7
06の算出する融合方位評価関数を示す。また、iは離
散時間を示す添字で、θは角度を示し、θ1 〜θK は各
電波到来角を示す記号である。バッファメモリ701が
入力する受信信号チャネル数Lj は、入射電波数Kに対
し、 Lj >K (j=1,‥,J) を満足するように設定する。
【0028】以下、動作について説明する。バッファメ
モリ701は従来例と同様に全入力チャネルの受信信号
を要素とするベクトルX(i)を時刻1からIまで、X
(1)〜X(I)を蓄える。相関行列計算手段702a
は時刻1からI/Jまでの受信信号X(1)〜X(I/
J)を用いて次式より相関行列R1 を計算する。 相関行列計算手段702bは受信信号X(I/J+1)
〜X(2I/J)を用いて次式より相関行列R2 を計算
する。 相関行列計算手段702zも受信信号の時刻が異なるだ
けで、同様な計算によって相関行列RJ を算出する。図
8(A)は受信信号データと従来例の相関行列Rとの対
応を示したもので、図8(B)は受信信号データと本発
明における相関行列R1 〜RJ との対応を示したもので
ある。図中、黒点が受信データを示し、黒点の間隔Δt
はアナログ/ディジタル変換器3のサンプリング周期を
意味する。また横軸が時間軸に対応する。203a〜2
03z、204a〜204zは図2に示した従来例の2
03,204と同様であるから説明を省略する。複数の
方位評価関数算出手段204a〜204zの算出する各
方位評価関数F1 (θ)からFJ (θ)は、それぞれ相
関行列R1 〜RJ から決定される方位評価関数である。
融合方位評価関数算出手段706は融合方位評価関数H
(θ)を、すべての角度θについて次式のように算出す
る。 ピーク検出手段205は融合方位評価関数G(θ)の最
も大きいK個のピークを捜索し、到来角推定値を出力す
る。ここで、入射電波数Kは固有値及び固有ベクトル算
出手段203a〜203zで算出される固有値の分布か
ら決定される。各固有値及び固有ベクトル算出手段20
3a〜203zで決定される入射電波数Kj (j=1,
‥,J)の値が異なる場合には、最小のKj を入射電波
数Kとする。
【0029】従来例で説明したように、相関行列Rは式
(8)のように展開されることがMUSICアルゴリズ
ム成立の条件である。ところが、実際には観測時間は無
限でなく相関演算の平均に使用できる入力信号データ数
Iが有限であることから、各ノイズ系列nm (m=1,
2,‥,M)は互いに完全に無相関ではなく、完全に等
電力はではない。即ち、実際算出される相関行列Rは次
式のように与えられる。 R=R0 +Rd (704) R0 は観測時間無限大のときの真値、Rd はRの誤差を
示すM×M行列である。すると最小固有値に対応する固
有ベクトルeN も誤差を含み、従って方位評価関数F
(θ)も誤差が生じ、F(θ)のピーク角度が真の電波
到来角からずれたり、図5(A)に示すように、真の到
来角から全く異なった角度にピーク(スプリアス)を生
じたりする場合がある。本発明の測角装置では、上記の
ようにI個の観測データをJ分割して、J個の相関行列
j (j=1,2,‥,J)を求めている。Rj を式
(704)のように示せば、 Rj =R0 +Rdj (705) となる。誤差行列Rdjの影響で、方位評価関数算出手段
204a〜204zの算出する各方位評価関数F
j (θ)は従来例同様に、図5(A)に示すようにスプ
リアスを生じたりする場合がある。ところが、スプリア
ス発生角度は各Fj (θ)毎に異なる。それは、受信信
号中のノイズ系列がj毎に異なり、それゆえ式(70
5)の誤差行列Rdjがj毎に異なるからである。従っ
て、融合方位評価関数算出手段706は、式(703)
に示した融合評価関数H(θ)の演算により、実施例1
で説明したように上記スプリアス等を抑圧する。ピーク
検出手段205はスプリアスが抑圧された融合評価関数
H(θ)のピークから到来角を推定するため、従来例の
ように方位評価関数のスプリアスの発生角度を誤って到
来角として表示する。
【0030】上記実施例では、相関行列計算手段702
aは時刻1からI/Jまでの受信信号X(1) 〜X(I
/J)を用いて相関行列R1 を計算し、相関行列計算手
段702bは受信信号X(I/J+1)〜X(2I/
J)を用いて相関行列R2を計算しているが、相関行列
計算手段702bが用いる受信信号をX(I/J−1
0)〜X(2I/J)とする場合のように、複数個の相
関行列計算手段で受信信号データを一部分共有したり、
受信信号データ数が互いに多少異なって相関行列を計算
しても、同様な効果を得ることができる。また上記実施
例では、相関行列計算手段702aは時刻1からI/J
までの受信信号X(1)〜X(I/J)を用いて相関行
列R1 を計算しているように、順番に並んだ受信信号デ
ータを用いているが、データの順番は飛び飛びでも構わ
ない。
【0031】実施例5.請求項5に係わる発明の実施例
5を図1、図7を参照して説明する。図1は本実施例5
の全体構成図で、信号処理装置4以外は従来例と同様で
あり説明を省略する。図7は本実施例5の信号処理装置
4の内部構成を示す図で、融合方位評価関数算出手段7
06は、融合方位評価関数H(θ)を、すべての角度θ
について次式のように算出する。 ここで、min[*]は要素*の中の最小値を意味す
る。Fj (θ)は相関行列Rj から決定される方位評価
関数である。Rj は受信信号X((j−1)I/J+
1)〜X(jI/J)より決定される相関行列である。
図7の他の手段については実施例4と同様であるから説
明を省略する。Fj 上のスプリアス発生角度は互いに異
なるため、融合方位評価関数算出手段706における式
(501)の演算によってスプリアスは抑圧される。以
上、本発明の測角装置でも、スプリアスが抑圧された融
合方位評価関数H(θ)のピークから到来角を推定する
ため、従来例のように方位評価関数のスプリアスの発生
角度を誤って到来角として表示することが極めて少なく
なり、従来例に比べ正確に到来角を推定できる。
【0032】実施例6.請求項6に係わる発明の実施例
6を図1、図7を参照して説明する。図1は本実施例6
の全体構成図で、信号処理装置4以外は従来例と同様で
あり説明を省略する。図7は本実施例6の信号処理装置
4の内部構成を示す図で、融合方位評価関数算出手段7
06は、融合方位評価関数H(θ)を、すべての角度θ
について次式のように算出する。 ここで、med[*]は要素*の中の中央値を意味す
る。図7の他の手段については実施例4と同様であるか
ら説明を省略する。実施例4で説明したように、F1
2 上のスプリアス発生角度は互いに異なるため、融合
方位評価関数算出手段706における式(601)の演
算によってスプリアスは抑圧される。式(601)の演
算の具体例は実施例3の説明に示した。以上、本発明の
測角装置でも、スプリアスが抑圧された融合方位評価関
数H(θ)のピークから到来角を推定するため、従来例
のように方位評価関数のスプリアスの発生角度を誤って
到来角として表示することが極めて少なくなり、従来例
に比べ正確に到来角を推定できる。
【0033】実施例7.請求項7に係わる発明の実施例
7を図1、図9を参照して説明する。図1は本実施例7
の全体構成図で、信号処理装置4以外は従来例と同様で
あり説明を省略する。図9は本実施例7の信号処理装置
4の内部構成を示す図で、910は各アンテナの受信信
号xm (m=1,‥,M)を入力するモノパルス測角処
理手段、911はサーチ範囲決定手段である。θ1 は電
波到来角真値を示し、θest はモノパルス測角処理手段
910の推定角度を示し、θmin 、θmax はサーチ範囲
決定手段が決定するサーチ角度範囲のそれぞれ下限、上
限を示す記号である。
【0034】以下、動作について説明する。図9におい
て201〜205は従来例と同様である。モノパルス測
角処理手段910は受信信号xm (m=1,‥,M)に
適当な荷重を乗じて和ビームおよび差ビームを作りモノ
パルス測角を行うことによって、粗測角結果としてθ
est を出力する。サーチ範囲決定手段911は、例え
ば、次のようにθmin 、θmax を決定する。 方位評価関数算出手段204は、従来例と同様、式
(2)より方位評価関数F(θ)を算出するが、サーチ
範囲決定手段911の出力を参照し、次式で与えられる
角度θ範囲のみF(θ)を算出する。 θmin <θ<θmax (702) ピーク検出手段205も従来例同様であるが、方位評価
関数F(θ)のピーク捜索範囲を、図10に示すよう
に、式(702)で与えられる範囲に絞る。図10中、
点線は従来例の方位評価関数算出手段204が求める方
位評価関数F(θ)で、実線が本発明の方位評価関数算
出手段204が求めるF(θ)である。以上、本発明の
測角装置では、方位評価関数F(θ)、ステアリングベ
クトルa(θ)の算出、F(θ)の捜索角度範囲が真の
到来角近傍に限定されるために、従来例に比べ演算量が
著しく減少する。また、方位評価関数のスプリアス発生
角度をサーチする確率が減少するため、誤ってスプリア
ス発生角度を到来角として表示することが少なくなり、
従来例に比べ正確に到来角を推定できる。上記実施例で
は、モノパルス測角処理手段910で粗測角を行ってい
るが、他の粗測角手段を用いても構わないし、アナログ
の粗測角手段を用いても同様な結果を得ることができ
る。また、モノパルス測角処理手段910はすべての受
信チャネルに接続しなくてもよい。また、アジマス角θ
だけでなくエレベーション角φについて捜索する場合に
も、上記同様にφmin 、φmax を算出しておけば同様の
効果が得られる。
【0035】実施例8.請求項8に係わる発明の実施例
8を図1、図11を参照して説明する。図1は本実施例
8の全体構成図で、信号処理装置4以外は従来例と同様
であり説明を省略する。図11は本実施例8の信号処理
装置4の内部構成を示す図で、206は角度照合手段で
ある。θ1 〜θK はピーク検出手段205の出力結果で
K個のMUSICアルゴリズムによる測角推定値を示
し、θest はモノパルス測角処理手段910の推定角度
を示し、θout は角度照合手段が決定する測角推定値を
示す記号である。
【0036】以下、動作について説明する。図11にお
いて201〜205は従来例と同様である。モノパルス
測角処理手段910は実施例7と同様の動作によって、
粗測角結果としてθest を出力する。角度照合手段20
6はθ1 〜θK の中から最もθest に近接したものをθ
out として出力する。例えば、K=4で、方位評価関数
F(θ)、およびそのピークであるθ1 〜θ4 、そして
θest が、図12に示されるように与えられたとしよ
う。θ1 、θ2 、θ4 はスプリアス発生角度である。角
度照合手段206は最もθest に近接したθ3 をθout
として出力する。以上、本発明の測角装置では、粗測角
結果を参照して、MUSICアルゴリズムによる測角推
定値の中から最も確からしい測角推定値を選択して表示
するので、従来例のように誤ってスプリアス発生角度を
到来角として表示することが極めて少なくなり、従来例
に比べ正確に到来角を推定できる。上記実施例では、モ
ノパルス測角処理手段910で粗測角を行っているが、
他の粗測角手段を用いても構わないし、アナログの粗測
角手段を用いても同様な結果を得ることができる。ま
た、モノパルス測角処理手段910はすべての受信チャ
ネルに接続しなくてもよい。また、アジマス角θだけで
なくエレベーション角φについて捜索する場合でも、角
度照合手段206が出力する(θest ,φest )に最近
接のピーク角度のペア(θK ,φK )を出力することに
よって同様な効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上のようにこの請求項1,2,3に係
わる発明によれば、相関行列算出手段の入力する受信信
号チャネルの組合せを切替えることによってステアリン
グベクトルaj (θ)が互いに異なるように上記受波器
を配置し、受信信号チャネルの組合せを切替える毎に独
立に求める方位評価関数Fj (θ)の平均または最小値
または中央値のいずれかで与えられる角度関数を求め、
この角度関数のピークに対応する角度を到来波の入射角
度とすることにより、方位評価関数のスプリアスを抑圧
して、従来より正確に到来波の入射角度を推定できる測
角装置を得ることができる。
【0038】また、請求項4,5,6に係わる発明によ
れば、相関行列算出手段が相関計算に用いる受信信号の
対応する時刻の組合せを切替える毎に独立に求める方位
評価関数Fj (θ)の平均または最小値または中央値の
いずれかで与えられる角度関数を求め、この角度関数の
ピークに対応する角度を到来波の入射角度とすることに
より、方位評価関数のスプリアスを抑圧して、従来より
正確に到来波の入射角度を推定できる測角装置を得るこ
とができる。
【0039】また、請求項7に係わる発明によれば、粗
測角手段の測角結果をθest として、方位評価関数算出
手段が上記θest の近傍の角度範囲に限り方位評価関数
F(θ)を算出し、ピーク検出手段が上記θest の近傍
の角度範囲に限りF(θ)のピークを捜索するよう構成
したことにより、測角に要する演算量を低減した測角装
置を得ることができる。また、方位評価関数のスプリア
スを抑圧して、従来より正確に到来波の入射角度を推定
できる測角装置を得ることができる。
【0040】また、請求項8に係わる発明によれば、粗
測角手段の測角結果をθest として、方位評価関数F
(θ)の複数のピークに対応する複数の角度の中で最も
θestに近接した角度を到来波の入射角度として出力す
るよう構成したことにより、方位評価関数のスプリアス
を抑圧して、従来より正確に到来波の入射角度を推定で
きる測角装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来、及び本発明の測角装置の基本構成図であ
る。
【図2】図1の測角装置の従来の信号処理装置の内部構
成図である。
【図3】図2の方位評価関数算出手段の動作を説明する
図である。
【図4】請求項1,2の発明に係わるそれぞれ実施例
1,2を示す図1の測角装置の信号処理装置の内部構成
図である。
【図5】図4の方位評価関数算出手段と融合方位評価関
数算出手段の動作を説明する図である。
【図6】請求項3に係わる発明の実施例3を示す図1の
測角装置の信号処理装置の内部構成図である。
【図7】請求項4,5,6に係わる発明のそれぞれ実施
例4,5,6を示す図1の測角装置の信号処理装置の内
部構成図である。
【図8】図7の受信信号データの時刻と相関行列計算手
段の動作を説明する図である。
【図9】請求項7に係わる発明の実施例7を示す図1の
測角装置の信号処理装置の内部構成図である。
【図10】図9の方位評価関数算出手段と粗測角処理手
段とサーチ範囲決定手段の動作を説明する図である。
【図11】請求項8に係わる発明の実施例8を示す図1
の測角装置の信号処理装置の内部構成図である。
【図12】図11の方位評価関数算出手段と粗測角処理
手段とピーク検出手段の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ 2 受信機 3 アナログ/ディジタル変換器 4 信号処理装置 5 表示装置 201 バッファメモリ 202,202a〜202z 相関行列計算手段 203,203a〜203z 固有値及び固有ベクトル
算出手段 204,204a〜204z 方位評価関数算出手段 205 ピーク算出手段 206 角度照合手段 401a〜401z バッファメモリ 406 融合方位評価関数算出手段 606 融合方位評価関数算出手段 701 バッファメモリ 702a〜702z 相関行列計算手段 706 融合方位評価関数算出手段 910 モノパルス測角処理手段 911 サーチ範囲決定手段
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】以下、動作を説明する。受信信号ベクトル
Xを次式で定義する。 X(i)=[x1 (i),x2 (i),‥,xM (i)]T ここで、iは時刻を示す添字、Tはベクトル行列の転
置、Mはチャネル数、即ちアレーのアンテナ数である。
バッファメモリ201は時刻1からIまでの受信信号ベ
クトルX(1) 〜X(I) を蓄える。相関行列計算手段20
2は相関行列Rを次式のように算出する。 ここで、Hは行列ベクトルの複素共役転置を表す。従っ
てRはM×Mの正方行列である。203はRの固有値λ
1 〜λM 、及び固有ベクトルe1 〜eM を算出する。方
位評価関数F算出手段204は固有値λ1 〜λM の中の
最小固有値に対応する固有ベクトルeN を用いて方位評
価関数Fを次式のように算出する。 F(θ)=1/|a(θ)H N | (2) ここで、(θ)は角度θの関数であることを示し、F
(θ)はすべてのθについて算出する。a(θ)はステ
アリングベクトルと呼ばれ、到来角θで入射する電波s
が1波存在する場合の受信信号ベクトルXが次式で与え
られるような係数ベクトルで、各アンテナ1の位置、θ
方向の指向特性で決定される。 X=a(θ)s+n (3) ここで、nはノイズベクトルであり、次式に示すように
各チャネルの受信機2,A/D変換器3で発生もしくは
アンテナ1から漏れ込むノイズnm を要素とする。 ピーク検出手段405はF(θ)の最も値の大きいK個
のピークを与える角度θ捜索しこの値を到来角推定値と
して出力する。Kの値は固有値λ1 〜λM の分布から決
定される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】以下、MUSICアルゴリズムの測角原理
を説明する。チャネル総数Mに比べて入射波の数Kは少
ないもの(M>K)と仮定する。複数の電波が上記アレ
ーアンテナに入射する際には、受信信号ベクトルXは式
(3)に変わり、次式で与えられる。 ここで、kは入射信号の番号を示す添字で、Aはステア
リングベクトルaで次式のように構成されるM×Kの行
列である。 Sは入射信号を要素とする次式で与えられるK×1のベ
クトルである。 s=[s1 ,s2 ,‥,sK T (7) 式(5)を用いて、式(1)に定義される相関行列Rを
次式のように展開できる。 R=ASAH +σ2 I (8) ここで、Sは次式のように構成されるK×Kの正方行列
である。 ここで、σ2 はノイズの電力であり、IはM×Mの単位
行列である。各ノイズnm (m=1,2,‥,M)は互
いに無相関で電力は等しいと仮定した。相関行列Rはエ
ルミート行列であるからその固有値λ1 〜λM はすべて
正の実数で、その中で最も小さなM−K個の固有値は式
(8)よりノイズ電力σ2 に等しいことがわかる。この
ような最小固有値λ=σ2 に対応する固有ベクトルをe
N で表すと、固有値固有ベクトルの関係から次式が成り
立つ。 (R−σ2 I)eN =0 (10) 上式左辺を式(8)を用いて変形すれば次式が得られ
る。 ASAH N =0 (11) ここで、行列Sがフルランク、即ち入射信号の相互相関
係数が100%より小さいならば、(11)は次式に変
形できる。 AH N =0 (12) これをステアリングベクトルを用いて表すとMUSIC
アルゴリズムの原理上重要な次式を得る。 一方、方位評価関数F(θ)を変数θについてサーチす
る際、変数θが電波入射角θkのいづれかと一致すると
き、式(13)より式(2)の分母は0となり方位評価
関数Fの値は非常に大きな値となる。このときの方位評
価関数F(θ)を図3に例示する。従ってピーク検出手
段205の動作により入射角の推定ができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明の測角装置は、M個の受波器と、
この受波器出力であるMチャネルの受信信号の中で幾本
かの受信信号の相関行列を算出する相関行列算出手段
と、上記相関行列算出手段の出力行列の固有値と固有ベ
クトルを求め最小ないし最小に近い固有値に対応する固
有ベクトルを抽出する固有値及び固有ベクトル算出手段
と、上記相関行列算出手段のm番目入力に対応する受波
器の角度θ方向に対する位相遅れや指向特性をm番目の
要素とするベクトルをaj (θ)として、θ毎に上記固
有値及び固有ベクトル算出手段が抽出した固有ベクトル
と上記aj (θ)の内積を求めこの内積の逆数を方位評
価関数Fj (θ)として出力する方位評価関数算出手段
とを備え、上記相関行列算出手段の入力する受信信号チ
ャネルの組み合わせを切り替えることによって上記aj
(θ)が互いに異なるように上記受波器を配置し、受信
信号チャネルの組み合わせを切り替える毎に独立に方位
評価関数Fj (θ)を求め、 の関係式で得られる関数G(θ)を求め、上記G(θ)
のピークを捜索しこのピークに対応する角度を到来波の
到来角度として出力するピーク検出手段を備えるもので
ある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項4の発明の測角装置は、M個の受波
器と、この受波器出力であるMチャネルの受信信号の相
関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列算
出手段の出力行列の固有値と固有ベクトルを求め最小な
いし最小に近い固有値に対応する固有ベクトルを抽出す
る固有値及び固有ベクトル算出手段と、上記相関行列算
出手段のm番目入力に対応する受波器の角度θ方向に対
する位相遅れや指向特性をm番目の要素とするベクトル
をa(θ)として、θ毎に上記固有値及び固有ベクトル
算出手段が抽出した固有ベクトルと上記a(θ)の内積
を求めこの内積の逆数を方位評価関数Fj (θ)として
出力する方位評価関数算出手段とを備え、上記相関行列
算出手段が相関計算に用いる受信信号の対応する時刻の
組み合わせを切り替えることによって関数形が互いに異
なるよう求めたJ個の独立な方位評価関数Fj (θ)を
求め、 の関係式で得られる関数H(θ)を求め、上記H(θ)
のピークを捜索しこのピークに対応する角度を到来波の
入射角度として出力するピーク検出手段を備えるもので
ある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】(アレーアンテナの素子間隔d)/(入射
波の波長λ)が1に近い場合、もしくは1を越える場
合、図5(A)に示すように、方位評価関数F1 (θ)
には真の到来角θt とは全く異なった角度にスプリアス
が発生する。F1 (θ)の一つのスプリアス発生する角
度をθs とする。この角度にスプリアスが生じる理由
は、従来例で説明したように、スプリアス発生角度θs
におけるステアリングベクトルa1 (θs )が真の到来
角θt におけるステアリングベクトルa1 (θt )と同
値もしくは近接した値となるためである。即ち、 a1 (θs )=a1 (θt ) (102) となるためである。なお、ステアリングベクトルa
1 (θ)はアンテナ#1〜#Lの位置、指向性で決定さ
れるθの関数である。固有値及び固有ベクトル算出手段
203aが算出する最小固有値に対応する固有ベクトル
をeN1で表せば、方位評価関数F1 (θ)は、 F1 (θ)=1/|a1 (θ)H N 1 (103) で与えられ、式(102)の成立によりF1 (θs )=
1 (θt )となる。a1 (θt )がeN1と直交してF
1 (θt )の値が大きくなれば、F1 (θs )の値も大
きくなりθs にスプリアスが生じるのである。方位評価
関数F2 (θ)にも,図5(B)に示すようにスプリア
スが発生する。しかし、一般には、F2 のスプリアス発
生角度は、F1 のスプリアス発生角度θs と異なる。こ
の理由を説明するため、F1 のスプリアス発生角度θs
に着目してF2 (θs )を考える。方位評価関数F
2 (θ)は、 F2 (θ)=1/|a2 (θ)H N 2 (104) で与えられ、a2 (θt )がeN2と直交してF
2 (θt )が大きな値となっても、一般に、 a2 (θs )≠a2 (θt ) (105) であるから、F2 (θs )は大きな値とならずスプリア
スとならない。式(102)が成立しても式(105)
の等式が成立しない理由は、ステアリングベクトルa1
(θ)を決定するアンテナ#1〜#Lの配列とa
2 (θ)を決定するアンテナ#(L+1)〜#Mの配列
の配列が異なるために、a1 (θ)とa2 (θ)の関数
形が互いに異なるところにある。融合方位評価関数G
(θ)では、図5(C)に示すように、上記スプリアス
が抑圧されることを以下に説明する。G(θ)を与える
式(101)は、式(103),(104)を用いて次
式のように変形される。 真の到来角θt では、a1 (θ)H N1 2 (θ)H
N2ともに小さな値となるため、θt における融合方位
評価関数G(θt )は大きな値を取りピークとなる。一
方、F1 のスプリアス発生角度θs では、a1 (θ)H
N1は小さな値となっても、上記説明のようにa
2 (θ)H N2は小さな値を取らない。従って、式(1
06)の分母はさほど小さな値とはならないため、G
(θs )は大きな値を取らず、θs におけるスプリアス
は抑圧される。θs 以外の角度のスプリアスも同様に抑
圧され、融合方位評価関数G(θt )は、図5(C)に
示すように真の到来角θt のみでピークを形成する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記実施例では、バッファメモリ401a
にアンテナ#1〜#Lの受信信号を接続し、バッファメ
モリ401bにアンテナ#(L+1)〜#Mの受信信号
を接続しているが、バッファメモリ401bに例えばア
ンテナ#(L−10)〜#Mの受信信号を接続する場合
のように、2個のバッファメモリで受信信号チャネルを
一部分共有して接続しても、同様な効果を得ることがで
きる。また、上記実施例では、バッファメモリ401、
相関行列計算手段202、固有値及び固有ベクトル算出
手段203、方位評価関数F(θ)算出手段204を2
セット用意して、2個の方位評価関数F1 、F2 を算出
し、式(101)より融合方位評価関数G(θ)を算出
したが、バッファメモリ401、相関行列計算手段20
2、固有値及び固有ベクトル算出手段203、方位評価
関数F(θ)算出手段204をJセット用意して(J>
3)、J個の方位評価関数F1 〜FJ を算出し、次式に
示す融合方位評価関数G(θ)をもちいて到来角を推定
しても、同様な効果を得ることができる。 また、上記実施例では、電波の到来角を測定する測角装
置を例に説明したが、音波、光波の到来角を測定する場
合にもそのまま適用できる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】以下、動作について説明する。バッファメ
モリ701は従来例と同様に全入力チャネルの受信信号
を要素とするベクトルX(i)を時刻1からIまで、X
(1)〜X(I)を蓄える。相関行列計算手段702a
は時刻1からI/Jまでの受信信号X(1)〜X(I/
J)を用いて次式より相関行列R1 を計算する。 相関行列計算手段702bは受信信号X(I/J+1)
〜X(2I/J)を用いて次式より相関行列R2 を計算
する。 相関行列計算手段702zも受信信号の時刻が異なるだ
けで、同様な計算によって相関行列RJ を算出する。図
8(A)は受信信号データと従来例の相関行列Rとの対
応を示したもので、図8(B)は受信信号データと本発
明における相関行列R1 〜RJ との対応を示したもので
ある。図中、黒点が受信データを示し、黒点の間隔Δt
はアナログ/ディジタル変換器3のサンプリング周期を
意味する。また横軸が時間軸に対応する。203a〜2
03z、204a〜204zは図2に示した従来例の2
03,204と同様であるから説明を省略する。複数の
方位評価関数算出手段204a〜204zの算出する各
方位評価関数F1 (θ)からFJ (θ)は、それぞれ相
関行列R1 〜RJ から決定される方位評価関数である。
融合方位評価関数算出手段706は融合方位評価関数H
(θ)を、すべての角度θについて次式のように算出す
る。 ピーク検出手段205は融合方位評価関数G(θ)の最
も大きいK個のピークを捜索し、到来角推定値を出力す
る。ここで、入射電波数Kは固有値及び固有ベクトル算
出手段203a〜203zで算出される固有値の分布か
ら決定される。各固有値及び固有ベクトル算出手段20
3a〜203zで決定される入射電波数Kj (j=1,
‥,J)の値が異なる場合には、最小のKj を入射電波
数Kとする。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M個の受波器と、 この受波器出力であるMチャネルの受信信号を複数のグ
    ループに分け各グループの受信信号について相関行列を
    算出する相関行列算出手段と、 上記相関行列算出手段の出力行列の固有値と固有ベクト
    ルを求め最小ないし最小に近い固有値に対応する固有ベ
    クトルを抽出する固有値及び固有ベクトル算出手段と、 上記相関行列算出手段のm番目入力に対応する受波器の
    角度θ方向に対する位相遅れや指向特性をm番目の要素
    とするベクトルをaj (θ)として、θ毎に上記固有値
    及び固有ベクトル算出手段が抽出した固有ベクトルと上
    記aj (θ)の内積を求めこの内積の逆数を方位評価関
    数Fj (θ)として出力する方位評価関数算出手段とを
    備え、 上記相関行列算出手段の入力する受信信号チャネルの組
    み合わせを切り替えることによって上記aj (θ)が互
    いに異なるように上記受波器を配置し、受信信号チャネ
    ルの組み合わせを切り替える毎に独立に方位評価関数F
    j (θ)を求め、 の関係式で得られる関数G(θ)を求め、上記G(θ)
    のピークを捜索しこのピークに対応する角度を到来波の
    入射角度として出力するピーク検出手段を備えることを
    特徴とする測角装置。
  2. 【請求項2】 関数G(θ)が角度θにおけるF
    j (θ)の最小値で与えられることを特徴とする請求項
    1の測角装置。
  3. 【請求項3】 関数G(θ)が角度θにおけるF
    j (θ)の中央値で与えられることを特徴とする請求項
    1の測角装置。
  4. 【請求項4】 M個の受波器と、 この受波器出力であるMチャネルの受信信号を所定の時
    刻にバッファメモリから読み出して上記受信信号につい
    て相関行列を算出する相関行列算出手段と、 上記相関行列算出手段の出力行列の固有値と固有ベクト
    ルを求め最小ないし最小に近い固有値に対応する固有ベ
    クトルを抽出する固有値及び固有ベクトル算出手段と、 上記相関行列算出手段のm番目入力に対応する受波器の
    角度θ方向に対する位相遅れや指向特性をm番目の要素
    とするベクトルをaj (θ)として、θ毎に上記固有値
    及び固有ベクトル算出手段が抽出した固有ベクトルと上
    記aj (θ)の内積を求めこの内積の逆数を方位評価関
    数Fj (θ)として出力する方位評価関数算出手段とを
    備え、 上記相関行列算出手段が相関計算に用いる受信信号の対
    応する時刻の組み合わせを切り替えることによって関数
    形が互いに異なるよう求めたJ個の独立な方位評価関数
    j (θ)を求め、 の関係式で得られる関数H(θ)を求め、上記H(θ)
    のピークを捜索しこのピークに対応する角度を到来波の
    入射角度として出力するピーク検出手段を備えることを
    特徴とする測角装置。
  5. 【請求項5】 関数H(θ)が角度θにおけるF
    j (θ)の最小値で与えられることを特徴とする請求項
    4の測角装置。
  6. 【請求項6】 関数H(θ)が角度θにおけるF
    j (θ)の中央値で与えられることを特徴とする請求項
    4の測角装置。
  7. 【請求項7】 M個の受波器と、 この受波器出力であるMチャネルの受信信号の相関行列
    を算出する相関行列算出手段と、 上記相関行列算出手段の出力行列の固有値と固有ベクト
    ルを求め最小ないし最小に近い固有値に対応する固有ベ
    クトルを抽出する固有値及び固有ベクトル算出手段と、 上記相関行列算出手段のm番目入力に対応する受波器の
    角度θ方向に対する位相遅れや指向特性をm番目の要素
    とするベクトルをa(θ)として、θ毎に上記固有値及
    び固有ベクトル算出手段が抽出した固有ベクトルと上記
    a(θ)の内積を求めこの内積の逆数を方位評価関数F
    (θ)として出力する方位評価関数算出手段と、 上記F(θ)のピークを捜索しこのピークに対応する角
    度を到来波の到来角度として出力するピーク検出手段
    と、 上記受波器出力であるMチャネルの受信信号を入力し到
    来波の入射角度を粗測角する粗測角手段とを備え、 この粗測角手段の測角結果をθest として、上記方位評
    価関数算出手段が上記θest の近傍に限定された角度範
    囲についてF(θ)を算出し、上記ピーク検出手段が上
    記θest の近傍に限定された角度範囲についてF(θ)
    のピークを捜索することを特徴とする測角装置。
  8. 【請求項8】 M個の受波器と、 この受波器出力であるMチャネルの受信信号の相関行列
    を算出する相関行列算出手段と、 上記相関行列算出手段の出力行列の固有値と固有ベクト
    ルを求め最小ないし最小に近い固有値に対応する固有ベ
    クトルを抽出する固有値及び固有ベクトル算出手段と、 上記相関行列算出手段のm番目入力に対応する受波器の
    角度θ方向に対する位相遅れや指向特性をm番目の要素
    とするベクトルをa(θ)として、θ毎に上記固有値及
    び固有ベクトル算出手段が抽出した固有ベクトルと上記
    a(θ)の内積を求めこの内積の逆数を方位評価関数F
    (θ)として出力する方位評価関数算出手段と、 上記F(θ)のピークを捜索しこのピークに対応する角
    度を出力するピーク検出手段と、 上記受波器出力であるMチャネルの受信信号を入力し到
    来波の到来角度を粗測角する粗測角手段とを備え、 この粗測角手段の測角結果をθest として、上記ピーク
    検出手段が出力するF(θ)の複数のピークに対応する
    複数の角度の中で最もθest に近接した角度を到来波の
    入射角度として出力することを特徴とする測角装置。
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