JPH07139561A - 自動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキ - Google Patents
自動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキInfo
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- JPH07139561A JPH07139561A JP5290936A JP29093693A JPH07139561A JP H07139561 A JPH07139561 A JP H07139561A JP 5290936 A JP5290936 A JP 5290936A JP 29093693 A JP29093693 A JP 29093693A JP H07139561 A JPH07139561 A JP H07139561A
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Landscapes
- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
- Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 摩擦板の接触状態を均一に保持し得る自動変
速機用湿式多板クラッチまたはブレーキを提供する。 【構成】 同心状に保持されて相対回転可能な一対のス
プライン筒33およびスプライン部14と、相互に対向
するこれらスプライン筒33の外周とスプライン部14
の内周とに交互に差し込まれ、かつそれぞれ回転軸心と
平行な方向に摺動可能な複数対の摩擦板15, 34と、
スプライン筒33の一端側の外周に突設されて摩擦板3
4に当接し得る受圧フランジ31と、摩擦板15, 34
を挟んでこの受圧フランジ31と対向する押圧部16が
一端に形成され、かつスプライン部14の他端側に摺動
自在に嵌合されたピストン17と、このピストン17の
他端側とスプライン部14との間に形成されて内部に圧
油が給排される油圧室23とを具える。
速機用湿式多板クラッチまたはブレーキを提供する。 【構成】 同心状に保持されて相対回転可能な一対のス
プライン筒33およびスプライン部14と、相互に対向
するこれらスプライン筒33の外周とスプライン部14
の内周とに交互に差し込まれ、かつそれぞれ回転軸心と
平行な方向に摺動可能な複数対の摩擦板15, 34と、
スプライン筒33の一端側の外周に突設されて摩擦板3
4に当接し得る受圧フランジ31と、摩擦板15, 34
を挟んでこの受圧フランジ31と対向する押圧部16が
一端に形成され、かつスプライン部14の他端側に摺動
自在に嵌合されたピストン17と、このピストン17の
他端側とスプライン部14との間に形成されて内部に圧
油が給排される油圧室23とを具える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機用湿式多板
クラッチまたはブレーキに関する。
クラッチまたはブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】遊星歯車装置を用いた自動変速機におい
ては、遊星歯車装置を構成する3つの回転要素のうちの
任意の一つの回転要素の回転を拘束することにより、所
望の変速段を達成するようにしている。このため、各回
転要素にはそれぞれクラッチやブレーキ等の摩擦係合要
素が付設されており、これら摩擦係合要素の係合状態を
車両の運転状態に応じて切り換えることにより、所望の
変速段が自動的に達成されるようになっている。
ては、遊星歯車装置を構成する3つの回転要素のうちの
任意の一つの回転要素の回転を拘束することにより、所
望の変速段を達成するようにしている。このため、各回
転要素にはそれぞれクラッチやブレーキ等の摩擦係合要
素が付設されており、これら摩擦係合要素の係合状態を
車両の運転状態に応じて切り換えることにより、所望の
変速段が自動的に達成されるようになっている。
【0003】従来、摩擦係合要素として一般的に用いら
れているのは、湿式多板クラッチあるいは湿式多板ブレ
ーキが最も多く、このような従来の自動変速機用湿式多
板クラッチまたはブレーキの一例を図2に示す。
れているのは、湿式多板クラッチあるいは湿式多板ブレ
ーキが最も多く、このような従来の自動変速機用湿式多
板クラッチまたはブレーキの一例を図2に示す。
【0004】すなわち、回転駆動される入力軸101 に
は、複数枚のドライブプレート102 を内周にスプライン
嵌合したクラッチドラム103 が一体的に接合されてい
る。また、入力軸101 に対して相対回転自在に嵌合され
た中空の出力軸104 には、ドライブプレート102 と交互
に重なり合うドリブンプレート105 を外周にスプライン
嵌合したクラッチハブ106 が一体的に接合されている。
前記クラッチドラム103 の基端側(図中、右端側)に
は、図中、右端に位置するドライブプレート102 に当接
し得る押圧部107 を突設したピストン108 が摺動自在に
嵌合されている。さらに、当該クラッチドラム103 の先
端部には、止め環109 が一体的に嵌着されており、この
止め環109 と図中、左端に位置するドリブンプレート10
5 との間のクラッチドラム103 の内周には、環状のリテ
ーニングプレート110 が装着されている。
は、複数枚のドライブプレート102 を内周にスプライン
嵌合したクラッチドラム103 が一体的に接合されてい
る。また、入力軸101 に対して相対回転自在に嵌合され
た中空の出力軸104 には、ドライブプレート102 と交互
に重なり合うドリブンプレート105 を外周にスプライン
嵌合したクラッチハブ106 が一体的に接合されている。
前記クラッチドラム103 の基端側(図中、右端側)に
は、図中、右端に位置するドライブプレート102 に当接
し得る押圧部107 を突設したピストン108 が摺動自在に
嵌合されている。さらに、当該クラッチドラム103 の先
端部には、止め環109 が一体的に嵌着されており、この
止め環109 と図中、左端に位置するドリブンプレート10
5 との間のクラッチドラム103 の内周には、環状のリテ
ーニングプレート110 が装着されている。
【0005】なお、入力軸101 にはピストン108 をクラ
ッチハブ106 と逆側に付勢する戻しばね111 の一端側を
受ける環状のばね受け板112 が装着されている。
ッチハブ106 と逆側に付勢する戻しばね111 の一端側を
受ける環状のばね受け板112 が装着されている。
【0006】従って、入力軸101 に形成された油路113
から、クラッチドラム103 とピストン108 との間に形成
された油圧室114 に圧油を供給すると、戻しばね111 の
ばね力に抗してピストン108 がクラッチハブ103 側に押
し出される。そして、止め環109 により図中、左側への
移動が拘束されたリテーニングプレート110 にドライブ
プレート102 とドリブンプレート105 とが押し付けら
れ、これらドライブプレート102 とドリブンプレート10
5 とが摩擦力を介して一体化される結果、入力軸101 の
回転力が出力軸104 に伝達される。
から、クラッチドラム103 とピストン108 との間に形成
された油圧室114 に圧油を供給すると、戻しばね111 の
ばね力に抗してピストン108 がクラッチハブ103 側に押
し出される。そして、止め環109 により図中、左側への
移動が拘束されたリテーニングプレート110 にドライブ
プレート102 とドリブンプレート105 とが押し付けら
れ、これらドライブプレート102 とドリブンプレート10
5 とが摩擦力を介して一体化される結果、入力軸101 の
回転力が出力軸104 に伝達される。
【0007】逆に、油圧室114 の圧油の圧力が低下する
と、戻しばね111 のばね力によってピストン108 がクラ
ッチドラム103 の基端側に押し戻される。そして、ドラ
イブプレート102 とドリブンプレート105 との間の摩擦
力が低下する結果、入力軸101 の回転力が出力軸104 に
は伝達されず、クラッチドラム103 が空回り状態とな
る。
と、戻しばね111 のばね力によってピストン108 がクラ
ッチドラム103 の基端側に押し戻される。そして、ドラ
イブプレート102 とドリブンプレート105 との間の摩擦
力が低下する結果、入力軸101 の回転力が出力軸104 に
は伝達されず、クラッチドラム103 が空回り状態とな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図2に示した従来の自
動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキにおいて
は、摩擦板であるドライブプレート102 およびドリブン
プレート105 に対するピストン108 の押圧部107 の押圧
位置と、このピストン108 の押圧力を受ける止め環109
の受圧位置とが入力軸101 の回転軸心に沿って径方向内
側と外側とにずれた状態となっている。このため、偶力
が発生して摩擦板102,105 の内周側が弾性変形し、これ
ら摩擦板102,105 の内周側が皿ばねのように傾いてしま
う。
動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキにおいて
は、摩擦板であるドライブプレート102 およびドリブン
プレート105 に対するピストン108 の押圧部107 の押圧
位置と、このピストン108 の押圧力を受ける止め環109
の受圧位置とが入力軸101 の回転軸心に沿って径方向内
側と外側とにずれた状態となっている。このため、偶力
が発生して摩擦板102,105 の内周側が弾性変形し、これ
ら摩擦板102,105 の内周側が皿ばねのように傾いてしま
う。
【0009】この結果、ドライブプレート102 とドリブ
ンプレート105 との接触状態が均一とならず、クラッチ
としてのトルク伝達効率が悪化するばかりか、ドリブン
プレート105 に貼着されている図示しないフェーシング
の外周側が部分的に損耗し、その耐久性を損なう虞があ
った。
ンプレート105 との接触状態が均一とならず、クラッチ
としてのトルク伝達効率が悪化するばかりか、ドリブン
プレート105 に貼着されている図示しないフェーシング
の外周側が部分的に損耗し、その耐久性を損なう虞があ
った。
【0010】このような不具合は、クラッチハブ106 を
変速機ケースに置き換えた状態となる湿式多板ブレーキ
においても全く同様であり、変速機ケースに対するブレ
ーキハブの拘束力が低下する上、摩擦板に貼着されてい
るフェーシングが部分的に損耗し、その耐久性を損なう
虞があった。
変速機ケースに置き換えた状態となる湿式多板ブレーキ
においても全く同様であり、変速機ケースに対するブレ
ーキハブの拘束力が低下する上、摩擦板に貼着されてい
るフェーシングが部分的に損耗し、その耐久性を損なう
虞があった。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、摩擦板の接触状態を均
一に保持し得る自動変速機用湿式多板クラッチまたはブ
レーキを提供することにある。
一に保持し得る自動変速機用湿式多板クラッチまたはブ
レーキを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による自動変速機
用湿式多板クラッチまたはブレーキは、同心状に保持さ
れて相対回転可能な一対の内筒および外筒と、相互に対
向するこれら内筒の外周と外筒の内周とに交互に差し込
まれ、かつそれぞれ回転軸心と平行な方向に摺動可能な
複数対の摩擦板と、前記内筒の一端側の外周に突設され
て前記摩擦板に当接し得る受圧フランジと、前記摩擦板
を挟んでこの受圧フランジと対向する押圧部が一端に形
成され、かつ前記外筒の他端側に摺動自在に嵌合された
ピストンと、このピストンの他端側と前記外筒との間に
形成されて内部に加圧流体が給排される流体室とを具え
たことを特徴とするものである。
用湿式多板クラッチまたはブレーキは、同心状に保持さ
れて相対回転可能な一対の内筒および外筒と、相互に対
向するこれら内筒の外周と外筒の内周とに交互に差し込
まれ、かつそれぞれ回転軸心と平行な方向に摺動可能な
複数対の摩擦板と、前記内筒の一端側の外周に突設され
て前記摩擦板に当接し得る受圧フランジと、前記摩擦板
を挟んでこの受圧フランジと対向する押圧部が一端に形
成され、かつ前記外筒の他端側に摺動自在に嵌合された
ピストンと、このピストンの他端側と前記外筒との間に
形成されて内部に加圧流体が給排される流体室とを具え
たことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】流体室に加圧流体を供給すると、ピストンが押
し出されて摩擦板が受圧フランジに押し付けられ、これ
ら摩擦板が摩擦力を介して一体化される結果、内筒と外
筒とが一体的に結合される。
し出されて摩擦板が受圧フランジに押し付けられ、これ
ら摩擦板が摩擦力を介して一体化される結果、内筒と外
筒とが一体的に結合される。
【0014】この時、ピストンの押圧部の押圧位置と、
摩擦板からの受圧フランジの受圧位置とは、回転軸心に
沿って一直線状に並んでいるため、これら摩擦板は均一
な接触状態となる。
摩擦板からの受圧フランジの受圧位置とは、回転軸心に
沿って一直線状に並んでいるため、これら摩擦板は均一
な接触状態となる。
【0015】逆に、ピストンが押し戻されると、複数対
の摩擦板の間の摩擦力が低下する結果、内筒と外筒とが
相対回転可能な状態に切り離される。
の摩擦板の間の摩擦力が低下する結果、内筒と外筒とが
相対回転可能な状態に切り離される。
【0016】
【実施例】以下、本発明による自動変速機用湿式多板ク
ラッチまたはブレーキをクラッチとして応用した一実施
例について、その断面構造を表す図1を参照しながら詳
細に説明する。
ラッチまたはブレーキをクラッチとして応用した一実施
例について、その断面構造を表す図1を参照しながら詳
細に説明する。
【0017】図示しないトルクコンバータを介して機関
に接続する変速機入力軸11のドラム取付段部12に
は、筒状をなすクラッチドラム13が電子ビーム溶接等
により一体的に接合されている。このクラッチドラム1
3の先端部内周には、スプライン部14が形成されてお
り、このスプライン部14には複数枚の環状をなすドラ
イブプレート15の外周側が摺動自在にスプライン嵌合
されている。
に接続する変速機入力軸11のドラム取付段部12に
は、筒状をなすクラッチドラム13が電子ビーム溶接等
により一体的に接合されている。このクラッチドラム1
3の先端部内周には、スプライン部14が形成されてお
り、このスプライン部14には複数枚の環状をなすドラ
イブプレート15の外周側が摺動自在にスプライン嵌合
されている。
【0018】図中、右端に位置するドライブプレート1
5の端面と対向する押圧部16を突設したピストン17
は、その外周側がクラッチドラム13の基端側に形成さ
れたピストン嵌合部18の内周にシールリング19を介
して摺動自在に嵌合されると共にその内周側が変速機入
力軸11の外周面にシールリング20を介して摺動自在
に嵌合されている。また、クラッチドラム13の底板部
21には、ピストン17の一端面に当接し得るストッパ
22が突設され、このストッパ22によってクラッチド
ラム13とピストン17との間に油圧室23が形成され
る。
5の端面と対向する押圧部16を突設したピストン17
は、その外周側がクラッチドラム13の基端側に形成さ
れたピストン嵌合部18の内周にシールリング19を介
して摺動自在に嵌合されると共にその内周側が変速機入
力軸11の外周面にシールリング20を介して摺動自在
に嵌合されている。また、クラッチドラム13の底板部
21には、ピストン17の一端面に当接し得るストッパ
22が突設され、このストッパ22によってクラッチド
ラム13とピストン17との間に油圧室23が形成され
る。
【0019】また、この油圧室23に臨む連通穴24を
穿設した変速機入力軸11には、図示しない油圧源から
の圧油が給排される油穴25が当該変速機入力軸11の
軸心に沿って形成されている。上述したピストン17を
間に挟んで前記ストッパ22と反対側の変速機入力軸1
1の外周には、止め環26を介して環状のばね受け板2
7が装着されており、このばね受け板27と前記ピスト
ン17との間には、ピストン17をストッパ22側に付
勢する戻しばね28が介装されている。
穿設した変速機入力軸11には、図示しない油圧源から
の圧油が給排される油穴25が当該変速機入力軸11の
軸心に沿って形成されている。上述したピストン17を
間に挟んで前記ストッパ22と反対側の変速機入力軸1
1の外周には、止め環26を介して環状のばね受け板2
7が装着されており、このばね受け板27と前記ピスト
ン17との間には、ピストン17をストッパ22側に付
勢する戻しばね28が介装されている。
【0020】一方、変速機入力軸11に軸受29を介し
て回転自在に保持された中空の出力軸30には、ピスト
ン17の押圧部16と正対する受圧フランジ31が電子
ビーム溶接等により一体的に接合されている。本実施例
における受圧フランジ31には、クラッチドラム13の
スプライン部14と対向するスプライン部32を外周に
有するスプライン筒33がプレス加工等によって一体的
に形成されている。
て回転自在に保持された中空の出力軸30には、ピスト
ン17の押圧部16と正対する受圧フランジ31が電子
ビーム溶接等により一体的に接合されている。本実施例
における受圧フランジ31には、クラッチドラム13の
スプライン部14と対向するスプライン部32を外周に
有するスプライン筒33がプレス加工等によって一体的
に形成されている。
【0021】なお、本実施例では受圧フランジ31を出
力軸30に接合するようにしたが、この受圧フランジ3
1を出力軸30と一体に形成し、上述したスプライン筒
33のみ電子ビーム等によって出力軸30に後付けする
ようにしても良い。
力軸30に接合するようにしたが、この受圧フランジ3
1を出力軸30と一体に形成し、上述したスプライン筒
33のみ電子ビーム等によって出力軸30に後付けする
ようにしても良い。
【0022】前記スプライン筒33のスプライン部32
には、上述したドライブプレート15と交互に重なり合
う複数枚の環状をなすドリブンプレート34の内周側が
摺動自在にスプライン嵌合され、図中、左端に位置する
ドリブンプレート34の端面が受圧フランジ31に当接
し得るようになっている。これらドリブンプレート34
の両端面には、それぞれセルロースを主体とするフェー
シング35が貼着されている。
には、上述したドライブプレート15と交互に重なり合
う複数枚の環状をなすドリブンプレート34の内周側が
摺動自在にスプライン嵌合され、図中、左端に位置する
ドリブンプレート34の端面が受圧フランジ31に当接
し得るようになっている。これらドリブンプレート34
の両端面には、それぞれセルロースを主体とするフェー
シング35が貼着されている。
【0023】従って、変速機入力軸11に形成された油
穴25から連通穴24を介して油圧室23に圧油を供給
すると、戻しばね28のばね力に抗してピストン17が
受圧フランジ31側に押し出される。そして、この受圧
フランジ31にドライブプレート15とドリブンプレー
ト34とが押し付けられ、これらドライブプレート15
とドリブンプレート34とが摩擦力を介して一体化され
る結果、変速機入力軸11の回転力がクラッチドラム1
3からドライブプレート15およびドリブンプレート3
4を介して受圧フランジ31と一体の出力軸30に伝達
される。
穴25から連通穴24を介して油圧室23に圧油を供給
すると、戻しばね28のばね力に抗してピストン17が
受圧フランジ31側に押し出される。そして、この受圧
フランジ31にドライブプレート15とドリブンプレー
ト34とが押し付けられ、これらドライブプレート15
とドリブンプレート34とが摩擦力を介して一体化され
る結果、変速機入力軸11の回転力がクラッチドラム1
3からドライブプレート15およびドリブンプレート3
4を介して受圧フランジ31と一体の出力軸30に伝達
される。
【0024】この時、ピストン17の押圧部16の押圧
位置と、ドライブプレート15およびドリブンプレート
34からの受圧フランジ31の受圧位置とは、変速機入
力軸11の回転軸心に沿って一直線状に並んでいるた
め、これらドライブプレート15およびドリブンプレー
ト34が傾くことなく、均一な接触状態となる。
位置と、ドライブプレート15およびドリブンプレート
34からの受圧フランジ31の受圧位置とは、変速機入
力軸11の回転軸心に沿って一直線状に並んでいるた
め、これらドライブプレート15およびドリブンプレー
ト34が傾くことなく、均一な接触状態となる。
【0025】逆に、油圧室23の圧油の圧力が低下する
と、戻しばね28のばね力によってピストン17がクラ
ッチドラム13の底板部21側に押し戻される。そし
て、ドライブプレート15とドリブンプレート34との
間の摩擦力が低下する結果、変速機入力軸11の回転力
が出力軸30には伝達されず、ドライブプレート15と
共にクラッチドラム13が空回り状態となる。
と、戻しばね28のばね力によってピストン17がクラ
ッチドラム13の底板部21側に押し戻される。そし
て、ドライブプレート15とドリブンプレート34との
間の摩擦力が低下する結果、変速機入力軸11の回転力
が出力軸30には伝達されず、ドライブプレート15と
共にクラッチドラム13が空回り状態となる。
【0026】なお、本実施例ではクラッチについて説明
したが、スプライン筒33を変速機ケースに置き換える
ことによって、湿式多板ブレーキにも転用できることは
言うまでもない。
したが、スプライン筒33を変速機ケースに置き換える
ことによって、湿式多板ブレーキにも転用できることは
言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】本発明の自動変速機用湿式多板クラッチ
またはブレーキによると、ピストンの押圧部に対して摩
擦板を隔てて正対する受圧フランジを内筒の一端側の外
周に形成したので、これら受圧フランジとピストンの押
圧部との間に介在する摩擦板の接触状態が均一となり、
クラッチとしてのトルク伝達効率やブレーキとしての拘
束力を充分確保することができる上、フェーシングの偏
摩耗がなくなるため、その耐久性を向上させることがで
きる。
またはブレーキによると、ピストンの押圧部に対して摩
擦板を隔てて正対する受圧フランジを内筒の一端側の外
周に形成したので、これら受圧フランジとピストンの押
圧部との間に介在する摩擦板の接触状態が均一となり、
クラッチとしてのトルク伝達効率やブレーキとしての拘
束力を充分確保することができる上、フェーシングの偏
摩耗がなくなるため、その耐久性を向上させることがで
きる。
【0028】また、リテーニングプレートが不要になる
ので、部品点数が少なくなることに加え、回転軸心に沿
った方向のクラッチまたはブレーキの厚みを薄くするこ
とができ、自動変速機をコンパクト化することも可能と
なる。
ので、部品点数が少なくなることに加え、回転軸心に沿
った方向のクラッチまたはブレーキの厚みを薄くするこ
とができ、自動変速機をコンパクト化することも可能と
なる。
【図1】本発明による自動変速機用湿式多板クラッチま
たはブレーキを自動変速機のクラッチとして応用した一
実施例の断面図である。
たはブレーキを自動変速機のクラッチとして応用した一
実施例の断面図である。
【図2】従来の自動変速機に組み込まれた湿式多板クラ
ッチの一例を表す断面図である。
ッチの一例を表す断面図である。
11 変速機入力軸 12 ドラム取付段部 13 クラッチドラム 14 スプライン部 15 ドライブプレート 16 押圧部 17 ピストン 18 ピストン嵌合部 19, 20 シールリング 21 底板部 22 ストッパ 23 油圧室 24 連通穴 25 油穴 26 止め環 27 ばね受け板 28 戻しばね 29 軸受 30 出力軸 31 受圧フランジ 32 スプライン部 33 スプライン筒 34 ドリブンプレート 35 フェーシング
Claims (1)
- 【請求項1】 同心状に保持されて相対回転可能な一対
の内筒および外筒と、 相互に対向するこれら内筒の外周と外筒の内周とに交互
に差し込まれ、かつそれぞれ回転軸心と平行な方向に摺
動可能な複数対の摩擦板と、 前記内筒の一端側の外周に突設されて前記摩擦板に当接
し得る受圧フランジと、 前記摩擦板を挟んでこの受圧フランジと対向する押圧部
が一端に形成され、かつ前記外筒の他端側に摺動自在に
嵌合されたピストンと、 このピストンの他端側と前記外筒との間に形成されて内
部に加圧流体が給排される流体室とを具えたことを特徴
とする自動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5290936A JPH07139561A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 自動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5290936A JPH07139561A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 自動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07139561A true JPH07139561A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17762422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5290936A Pending JPH07139561A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 自動変速機用湿式多板クラッチまたはブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07139561A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102900783A (zh) * | 2012-11-09 | 2013-01-30 | 王云高 | 基于自动档变速箱的自动液压离合器 |
-
1993
- 1993-11-19 JP JP5290936A patent/JPH07139561A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102900783A (zh) * | 2012-11-09 | 2013-01-30 | 王云高 | 基于自动档变速箱的自动液压离合器 |
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