JPH07139297A - インバートコンクリート覆工方法とそれに使用されるコーナーフォーム及び覆工装置 - Google Patents

インバートコンクリート覆工方法とそれに使用されるコーナーフォーム及び覆工装置

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JPH07139297A
JPH07139297A JP5307539A JP30753993A JPH07139297A JP H07139297 A JPH07139297 A JP H07139297A JP 5307539 A JP5307539 A JP 5307539A JP 30753993 A JP30753993 A JP 30753993A JP H07139297 A JPH07139297 A JP H07139297A
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corner
concrete
bottom floor
invert
foam
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Shigeharu Handa
繁晴 伴田
Tatsunori Fujita
龍範 藤田
Shinji Kataoka
真治 片岡
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SAGA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の平滑性が高い高品質のインバートコン
クリートを効率よく、低コストで完成させること。 【構成】 底床部2の幅方向両側のコーナー立ち上がり
部3、4にコーナーフォーム5、6をセットしてコーナ
ーコンクリートを打設し、同コンクリートの流動性が低
下した時点でコーナーフォームの底床部側の下部フォー
ム7、8を移動させてコーナーコンクリートの底床部を
露出させ、その後にコーナーフォーム間の底床部2にイ
ンバートコンクリートを打設し、それをインバートフィ
ニッシャー9で平滑に均す。コーナフォームは、コーナ
ー立ち上がり部に対向させる固定部10、11の下部に
下部フォーム7、8を回動自在に取り付けてなり、下部
フォーム7、8はコーナーコンクリートの底床部側上面
12を支持する上面支持部13と、その底床部側面14
を支持する側面支持部15とがL字状に形成されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル内の底床部に
インバートコンクリートを覆工するインバートコンクリ
ート覆工方法とそれに使用されるコーナフォーム及びイ
ンバートフィニッシャー等の覆工装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】掘削されたトンネル内の底床部にインバ
ートコンクリートを覆工する方法には種々の方法がある
が、図6に示すような、底床部Aの左右両側のコーナー
立ち上がり部Bが急角度で立ち上がっているアーチ型の
トンネルCでは、前記底床部Aに打設するインバートコ
ンクリートEの左右両側を急角度に立ち上げなければな
らない。
【0003】流動性のあるコンクリートを前記のような
形状に形成するには、インバートフォームと呼ばれる型
枠を使用して底床部Aとコーナー立ち上がり部Bに一括
してコンクリートを打設すると良いが、前記インバート
フォームを使用すると、同フォームのフラットな部分
(底床部A)に気泡、水等によるあばたが発生し、それ
がコンクリート硬化後に凹みとなって残り、コンクリー
ト表面の平滑性が低下してしまう。このため、導水路等
のような高い平滑性を要求されるトンネルでは、後から
インバートコンクリートEの表面に補修仕上げを施さな
ければならない。しかしそれでは工期が長くなるとか、
工事費がかさむとかいった問題がでてくるため、従来は
次に記載する3つのインバートコンクリート覆工方法が
利用されている。
【0004】.第一の方法は、底床部Aにインバート
コンクリートEを流し込み、同コンクリートEをトンボ
のような治具を備えたインバートフィニッシャーで平滑
に均し、しばらくして同インバートコンクリートEが硬
化した後、底床部Aの左右両側のコーナー立ち上がり部
Bにコーナーフォームと呼ばれる専用の型枠をセット
し、そこにコーナーコンクリートFを打設するものであ
る。
【0005】なお、インバートフィニッシャーではイン
バートコンクリートEの両端部(コーナーコンクリート
F側)を所定の形状に成型することができないため、そ
のままの状態でコーナーコンクリートFの打設を行った
場合、インバートコンクリートEとコーナーコンクリー
トFとの繋ぎ目に構造上の欠陥が残ってしまい問題とな
る。そこでこの方法では、コーナーコンクリートFを打
設する前に、インバートコンクリートEの両端部を、応
力の伝達に不具合が生じないような正規の形状に修正す
る補修作業を行う。
【0006】.第二の方法は、底床部Aの脇のコーナ
ー立ち上がり部Bに、専用のコーナーフォームをセット
し、同部分BにコーナーコンクリートFを打設し(ここ
で使用されるコーナーフォームは、底床部A側の下端部
が塞がっており、流し込まれたコンクリートが底床部A
に流れ出さないようになっている)、コーナーコンクリ
ートFが硬化したら、前記コーナーフォームを脱型する
と共に、底床部AにインバートコンクリートEを流し、
同コンクリートEをインバートフィニッシャーで平滑に
均して整えるものである。
【0007】.第三の方法は、底床部Aの脇のコーナ
ー立ち上がり部Bに、専用のコーナーフォームをセット
し、同部分Bにスランプ値の小さい(流動性が低く硬
い)コーナーコンクリートFを打設し(ここで使用され
るコーナーフォームは、底床部A側の下端部が開口して
おり、スランプ値の小さいコンクリートでないと、同コ
ンクリートFが底床部Aへと流出してしまう)、これと
同時に底床部AにインバートコンクリートEを流し、同
コンクリートEをインバートフィニッシャーで平滑に均
して整えるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のイ
ンバートコンクリート覆工方法には夫々次のような問題
があった。
【0009】.前記の方法では、底床部Aのインバ
ートコンクリートEと、コーナー立ち上がり部Bのコー
ナーコンクリートFの打設が別々に行われるため、手間
と時間がかかるという問題がある。しかもコーナーコン
クリートFを打設する前に、先に打設したインバートコ
ンクリートEの端部を補修しなければならないので非常
に手間がかかる。
【0010】.前記の方法でも、底床部Aのインバ
ートコンクリートEと、コーナー立ち上がり部Bのコー
ナーコンクリートFの打設が別々に行われるため、手間
と時間がかかるという問題がある(打設する順番は違
う)。なお、この方法ではインバートコンクリートEの
端部の補修は必要ない。
【0011】.前記の方法では、底床部Aのインバ
ートコンクリートEと、コーナー立ち上がり部Bのコー
ナーコンクリートFの打設がほぼ同時に行えるが、スラ
ンプ値の小さい(流動性が低く硬い)コンクリートを使
用しなければならない。スランプ値の小さいコンクリー
トは、コーナーフォームへの充填性があまりよくないた
め作業しずらく、表面の仕上がりもあまり良くないとい
う問題がある。この他、コーナーフォームをセットした
状態では、インバートフィニッシャーをコーナーフォー
ム側に寄せることができないので、インバートコンクリ
ートEの端をきれいに仕上げられない。従って、その部
分は手作業で補修しなければならない。
【0012】本発明の目的は、表面の平滑性が高い高品
質のインバートコンクリートを短期間に、しかも低コス
トで完成させるインバートコンクリート覆工方法と、そ
れに使用されるコーナーフォーム及びインバートコンク
リート覆工装置を提供することである。
【0013】本発明のうち請求項1のインバートコンク
リート覆工方法は図1に示されるように、トンネル1内
の底床部2にインバートコンクリートを覆工するインバ
ートコンクリート覆工方法において、前記底床部2の幅
方向両側のコーナー立ち上がり部3、4にコーナーフォ
ーム5、6をセットして同フォーム5、6の裏側にコー
ナーコンクリートを打設し、同コーナーコンクリートの
流動性が低下してから同コーナーフォーム5、6の底床
部側端部に取り付けられている下部フォーム7、8を回
動させてコーナーコンクリートの下端部を露出させ、そ
の後に前記両コーナーフォーム5、6の間の底床部2に
インバートコンクリートを流しむと共に、同インバート
コンクリートをインバートフィニッシャー9で平滑に均
すようにしたものである。
【0014】本発明のうち請求項2のインバートコンク
リート覆工方法に使用されるコーナーフォームは、図
1、4に示されるようにトンネル1内の底床部2の幅方
向両側のコーナー立ち上がり部3、4にコーナーコンク
リートを打設するコーナーフォーム5、6であり、同コ
ーナーフォーム5、6は前記底床部2のコーナー立ち上
がり部3、4に所定の位置に対向させる固定部10、1
1の底床部側に下部フォーム7、8が回動自在に取り付
けられてなり、同下部フォーム7、8はコーナーコンク
リートの底床部側上面12を支持する上面支持部13
と、同コーナーコンクリートの底床部側面14を支持す
る側面支持部15とがL字状に形成されてなるものであ
る。
【0015】本発明のうち請求項3のインバートコンク
リート覆工方法に使用されるコーナーフォームは、図5
に示されるように前記コーナーフォーム5、6の下部フ
ォーム7、8がトンネル1の軸線方向に2以上に分割さ
れ、且つそれらを個々に回動可能としたものである。
【0016】本発明のうち請求項4のインバートコンク
リート覆工方法に使用される覆工装置は、図1、2に示
されるようにトンネル1内の底床部2の幅方向両側のコ
ーナー立ち上がり部3、4にコーナーコンクリートを打
設するコーナーフォーム5、6と、同コーナーフォーム
5、6間の底床部2に流し込まれたインバートコンクリ
ートを平滑に均すインバートフィニッシャー9とが、ト
ンネル1内をその軸線方向に沿って移動する移動体17
に取り付けられ、前記コーナーフォーム5、6の底床部
側には、同コーナーフォーム5、6に打設したコーナー
コンクリートの底床部側上面12を支持する上面支持部
13と、同コンクリートが底床部2側へ流出しないよう
に支持する側面支持部15とから構成される下部フォー
ム7、8が回動可能に取り付けられてなるものである。
【0017】
【作用】本発明のうち請求項1のインバートコンクリー
ト覆工方法では、トンネル内底床部2のコーナー立ち上
がり部3、4に打設したコーナーコンクリートの流動性
が低下してから底床部2へインバートコンクリートを打
設するため、コーナーコンクリートが完全に硬化してか
らインバートコンクリートを打設する場合よりも作業時
間を大幅に短縮することができる。しかも、底床部2へ
のインバートコンクリートの打設はコーナーコンクリー
トの流動性が低下した状態で行われるため、その際に、
下部フォーム7、8を開放させて露出させたコーナーコ
ンクリートが変形したり、崩れしたりせず、コーナーコ
ンクリートとインバートコンクリートとの接合角度(下
部フォーム7、8により設定されている)が所望の角度
に保持される。従ってコーナーコンクリートとインバー
トコンクリートとの接合箇所に応力の伝達に不具合をき
たすような構造上の欠陥が発生しない。
【0018】また、コーナーコンクリートの流動性が完
全に失なわれていないうちにインバートコンクリートが
打設されるので、コーナーコンクリートとインバートコ
ンクリートが連続して接合され、両コンクリート間が断
絶しない。また、底床部2のインバートコンクリートは
インバートフィニッシャー9により均らされるので仕上
がり面も平滑性の高い良質なものとなり、導水路等のよ
うに高い平滑性が要求されるトンネルでも、補修仕上げ
を必要としない。
【0019】本発明のうち請求項2のコーナーフォーム
では、トンネル1のコーナー立ち上がり部3、4に所定
の位置に対向させる固定部10、11の下部に下部フォ
ーム7、8が回動自在に取り付けられており、しかも同
下部フォーム7、8はコーナーコンクリートの底床部側
上面12を支持する上面支持部13と、同コーナーコン
クリートの底床部側面14を支持する側面支持部15と
がL字状に形成されてなるため、このコーナーフォーム
をコーナー立ち上がり部3、4にセットし、フォームと
地面との間にコーナーコンクリートを打設し、同コンク
リートの流動性が低下してから下部フォーム7、8を上
方に回動させると、コーナーコンクリートの底床部側だ
けが露出させることができる。そしてコーナーコンクリ
ートの底床部側を露出させた状態でその内側の底床部に
インバートコンクリートを打設し、それをインバートフ
ィニッシャー9等で平滑に均せばインバートコンクリー
トを覆工することができる。
【0020】本発明のうち請求項3のコーナーフォーム
では、コーナーフォーム5、6の下部フォーム7、8
が、トンネル1の軸線方向に2以上に分割され、且つそ
れらが個別に開閉可能になっているため、コーナーフォ
ーム5、6の裏面にトンネル1の軸線方向に沿って順次
コンクリートを打ち込んだ場合に、全てのコンクリート
の流動性が低下するまで待つことなく、流動性が低下し
た部分(先に打設した部分)から順に下部フォーム7、
8を開放させ、同下部フォーム7、8が開放された部分
から順番にインバートコンクリートの打設と、インバー
トフィニッシャー9による均し作業を行うことができ
る。従って作業効率が格段に向上する。
【0021】本発明のうち請求項4の覆工装置では、コ
ーナー立ち上がり部3、4にコーナーコンクリートを打
設するコーナーフォーム5、6と、底床部2に打設され
たインバートコンクリートを平滑に均して整えるインバ
ートフィニッシャー9とが、トンネル1内をその軸線方
向に沿って移動する移動体17に取り付けられ、しかも
前記コーナーフォーム5、6の底床部側には、同コーナ
ーフォーム5、6に打設したコーナーコンクリートの底
床部側上面12を支持する上面支持部13と、同コンク
リートが底床部2側へ流出しないように支持する側面支
持部15とから構成される下部フォーム7、8が回動可
能に取り付けられてなるので、請求項1のインバートコ
ンクリート覆工方法によるコンクリートの覆工をトンネ
ル1の軸線方向に沿って連続して行うことができる。
【0022】
【実施例】図1、2は本発明のインバートコンクリート
覆工方法とそれに使用されるコーナーフォーム及び覆工
装置の一実施例であり、両図に示す1は施工中のアーチ
型のトンネル、2は同トンネル1の底床部、3、4は底
床部2の左右両側の急角度で立ち上がったコーナー立ち
上がり部である。このトンネル1の底床部2上には複数
の電動ジャッキ20によって支持された桟橋(移動体)
17が架設されている。同桟橋17は、電動の自走装置
21や横送り装置(図示されていない)により、トンネ
ル1の前後方向へ移動したり、左右方向へ移動したりす
ることができるようになっている。
【0023】前記桟橋17の長手方向中央よりの左右両
側には、複数のターンバックル22を介してコーナーフ
ォーム5、6が可動可能にセットされている(各ターン
バックル22を操作すればコーナフォーム5、6の位置
や傾き等を自在に調整することができる)。このコーナ
ーフォーム5、6は、底床部2の幅方向両側のコーナー
立ち上がり部3、4にコンクリートを打設するための金
属製の型枠である。このコーナーフォーム5、6は図
1、5に示されるように、コーナー立ち上がり部3、4
の壁面に沿ってカーブする固定部10、11と、同固定
部10、11の底床部側に取り付けられている下部フォ
ーム7、8とに分かれており、それらがヒンジ23によ
って回動可能に連結されている。
【0024】前記下部フォーム7、8は、コーナーフォ
ーム5、6に流したコーナーコンクリートを底床部2側
へ流出しないように保持し、また同コーナーコンクリー
トの端部を所望の形状(応力の伝達に望ましいとされる
形状)に保持するためのもので、図1、4に示すように
コーナーコンクリートの底床部側上面12を支持する上
面支持部13と、同コーナーコンクリートの底床部側面
14を支持する側面支持部15とで略L字型に構成され
ている。
【0025】前記上面支持部13の上部には係止部25
が形成されており、同係止部25に係止させたピン26
を図示されていない駆動装置で動かすことにより、下部
フォーム7、8を図1中に実線及び仮想線で示すように
回動させることができる。また側面支持部15のうちコ
ンクリートが当る面には、化粧合板、ベニヤ、金網等で
作製した妻板27が取り付けられており、同妻板27は
金属製の妻板受け材28で受けられるように構成されて
いる。
【0026】この下部フォーム7、8はトンネル1の前
後方向に2つ以上に分割されており(何枚に分割するか
は自由であるが、一般的にはその長さが75cm〜15
0cm程度になるようにすると良い)、各々が独立して
回動可能になっている。このコーナーフォーム5、6の
トンネル先端部側の端部には、同端部よりコンクリート
が流出するのを防止する妻板37が着脱自在にセットさ
れている。
【0027】前記桟橋17の長手方向中央の下部には、
底床部2に流し込んだインバートコンクリートを平滑に
均して打設するインバートフィニッシャー9が2機セッ
トされている。同インバートフィニッシャー9は、桟橋
17の下部にその長手方向に沿って走行自在に吊り下げ
られたフレーム30に昇降装置31を介して取り付けら
れている。このインバートフィニッシャー9は、桟橋1
7に設けられているフレーム走行装置32によってフレ
ーム30と共に桟橋17の前後方向に往復移動し、また
昇降装置31により上下昇降可能になっている。
【0028】このインバートフィニッシャー9は図1に
示されるように、インバートコンクリートを均して整え
る掻揚板33と、同掻揚板33を底床部2に沿って(ト
ンネルの幅方向に沿って)スライド可能に支持するガイ
ドレール34と、掻揚板33に取り付けたチェーン35
を引っ張って掻揚板33を前記ガイドレール34に沿っ
て移動させる駆動装置36より構成されている。なお、
2つあるインバートフィニッシャー9のうち、1つはイ
ンバートコンクリートを大まかに均す掻き揚げ用のも
の、もう1つはインバートコンクリートをより平滑に均
して仕上げる仕上げ用のものである。
【0029】このインバートフィニッシャー9は、底床
部2にインバートコンクリートが流し込まれると、掻揚
板33をトンネル1の左右方向に往復移動させて同イン
バートコンクリートを左右方向に掻き均すと共に、往復
する度に掻揚板33をトンネル1の前後方向に少しずつ
移動させて、最終的にインバートコンクリート全体を平
滑に均していく。
【0030】なお、底床部2に流し込んだインバートコ
ンクリートがトンネル1の先端部側へ流れ出さないよう
にするため、インバートフィニッシャー9の先方部分に
妻板37がセットされている(図2、5)。この妻板3
7には前記桟橋17に設けられたウインチのチェーン
(図示されていない)を接続させることができるように
なっており、チェーンブロックの操作で妻板37を上方
に引上げて退避させたり、底床部2へ降ろしてセットし
たりすることができる。
【0031】前記桟橋17の長手方向中央の上部には、
底床部2及びコーナー立ち上がり部3、4へコンクリー
トを流し込むためのホッパー40がセットされている。
このホッパー40からは4本のシュート41が放射状に
伸びており、所望のシュート41からコーナー立ち上が
り部3、4へとコンクリートを送り出すことができる。
【0032】また底床部2へのコンクリート送出は、図
4に示す流し込み装置45により行う。この装置は、桟
橋17の下部に円錐形のホッパー46を回転自在、且つ
桟橋17の長手方向に走行自在に取り付け、さらに同ホ
ッパー46をモータ47により図中の矢印方向に回転で
きるようにしたものである。そして桟橋17の下部に設
けたコンクリート投入口48からホッパー46にコンク
リートを投入すると、それがホッパー46の伸縮可能な
先端部49から底床部2上へまんべんなく流されるよう
になっている。
【0033】
【使用例】以上説明したコーナーフォーム及び覆工装置
を使用してトンネル1内の底床部2にインバートコンク
リートを打設するには次のようにすれば良い。
【0034】トンネル1の入口から入れた桟橋17を移
動させて、同桟橋17のコーナーフォーム5、6及びイ
ンバートフィニッシャー9を図2に示すようにコンクリ
ートの打設位置にセットする。そしてコーナフォーム
5、6のターンバックル22を操作し、同コーナフォー
ム5、6をトンネル内壁面のコーナー立ち上がり部3、
4に所定の間隔が空くように対向させてセットする。こ
のとき、コーナフォーム5、6の下部フォーム7、8は
回動しない閉じた状態にし、また底床部2に妻板37を
降ろしてセットする。
【0035】続いてホッパー40からコーナーフォーム
5、6へとコーナーコンクリート(施工上充填し易い程
度の流動性を持ったコンクリート)流し込みを行う(こ
の流し込みはトンネルの奥側から入口側へ向かって行
い、入口側のコーナーコンクリートから先に硬化するよ
うにする)。そして硬化が始まり流動性を喪失した部分
から順次下部フォーム7、8を回動させ開放し、同部分
の底床部2へ前記流し込み装置45からインバートコン
クリートを流し込む。続いてインバートコンクリートが
流し込まれた部分からインバートフィニッシャー9によ
る掻き均しを行い、底床部2全面にインバートコンクリ
ートを打設していく。
【0036】コーナーコンクリートとインバートコンク
リートが硬化したら、コーナーフォーム3、4、インバ
ートフィニッシャー9、妻板37を所定の位置へ退避さ
せる。そして桟橋17を次のコンクリート打設位置まで
前進させ、同位置で再びコーナーコンクリートとインバ
ートコンクリートの打設を行う。以後この動作を繰り返
して底床部2へコンクリートを打設していく。
【0037】本発明では先に説明した装置を次のように
改良しても良い。前記実施例では桟橋17を、コーナー
フォーム5、6やインバートフィニッシャー9の移動体
として使用したが、その場合、コンクリート打設中は桟
橋17に車両を通行させることはできない(桟橋17を
車両が通行するとその振動がコーナーフォーム5、6や
インバートフィニッシャー9に伝わって仕上がりの品質
に悪影響を及ぼす)。そこで、コーナーフォーム5、6
やインバートフィニッシャー9を取り付ける移動体を桟
橋と独立させて設け、桟橋からの振動がその移動体に伝
わらないようにすれば常時桟橋を使用することができる
ようになる。
【0038】
【発明の効果】本発明のインバートコンクリート覆工方
法とそれに使用されるコーナーフォーム及び覆工装置に
よれば下記のような効果がある。 .コーナーコンクリートの打設後、同コンクリートの
流動性が低下してからインバートコンクリートを打設す
るので施工スピードが速くなり、コンクリートの流動性
低下時間の設定と、コンクリートの供給が適切であれば
1日当たり数ロット(L≒10m〜12m×N)の施工
が可能となる。 .打設作業に不具合を来すような極端にスランプ値の
小さいコンクリートを使用しなくても良いので作業性が
良い。 .コーナーコンクリートとインバートコンクリートと
の接合部が滑らかに連続するので同接合部に構造的な欠
陥が生ぜず、完成したトンネルの安全性が高い。また、
表面の平滑性が高い高品質のインバートコンクリートが
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインバートコンクリート覆工方法に使
用される覆工装置の一実施例を示した正面図。
【図2】本発明のインバートコンクリート覆工方法に使
用される覆工装置の全体図であり、(a)はその平面
図、(b)はその側面図。
【図3】図2の覆工装置に取り付けられているコーナー
コンクリート流し込み装置の正面図。
【図4】図2の覆工装置に取り付けるインバートコンク
リート流し込み装置の正面図。
【図5】図2の覆工装置に取り付けられているコーナー
フォームの斜視図。
【図6】アーチ型トンネルの底床部に打設されるインバ
ートコンクリートの断面図。
【符号の説明】
1 トンネル 2 底床部 3、4 コーナー立ち上がり部 5、6 コーナーフォーム 7、8 下部フォーム 9 インバートフィニッシャー 10、11 固定部 12 コーナーコンクリートの底床部側上面 13 上面支持部 14 コーナーコンクリートの底床部側面 15 側面支持部 17 移動体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 真治 富山県高岡市荻布209 佐賀工業株式会社 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル(1)内の底床部(2)にイン
    バートコンクリートを覆工するインバートコンクリート
    覆工方法において、前記底床部(2)の幅方向両側のコ
    ーナー立ち上がり部(3、4)にコーナーフォーム
    (5、6)をセットして同フォーム(5、6)の裏側に
    コーナーコンクリートを打設し、同コーナーコンクリー
    トの流動性が低下してから同コーナーフォーム(5、
    6)の底床部側端部に取り付けられている下部フォーム
    (7、8)を移動させてコーナーコンクリートの下端部
    を露出させ、その後に前記両コーナーフォーム(5、
    6)の間の底床部(2)にインバートコンクリートを流
    しむと共に、同インバートコンクリートをインバートフ
    ィニッシャー(9)で平滑に均すことを特徴とするイン
    バートコンクリート覆工方法。
  2. 【請求項2】 トンネル(1)内の底床部(2)の幅方
    向両側のコーナー立ち上がり部(3、4)にコーナーコ
    ンクリートを打設するコーナーフォーム(5、6)であ
    り、同コーナーフォーム(5、6)は前記底床部(2)
    のコーナー立ち上がり部(3、4)に適宜間隔離して対
    向させる固定部(10、11)の底床部側に下部フォー
    ム(7、8)が回動自在に取り付けられてなり、同下部
    フォーム(7、8)はコーナーコンクリートの底床部側
    上面(12)を支持する上面支持部(13)と、同コー
    ナーコンクリートの底床部側面(14)を支持する側面
    支持部(15)とがL字状に形成されてなることを特徴
    とするコーナーフォーム。
  3. 【請求項3】 前記コーナーフォーム(5、6)の下部
    フォーム(7、8)がトンネル(1)の軸線方向に2以
    上に分割され、且つそれらが個々に回動可能であること
    を特徴とする請求項2のコーナーフォーム。
  4. 【請求項4】 トンネル(1)内の底床部(2)の幅方
    向両側のコーナー立ち上がり部(3、4)にコーナーコ
    ンクリートを打設するコーナーフォーム(5、6)と、
    同コーナーフォーム(5、6)間の底床部(2)に流し
    込まれたインバートコンクリートを平滑に均すインバー
    トフィニッシャー(9)とが、トンネル(1)内をその
    軸線方向に沿って移動する移動体(17)に取り付けら
    れ、前記コーナーフォーム(5、6)の底床部側には、
    同コーナーフォーム(5、6)に打設したコーナーコン
    クリートの底床部側上面(12)を支持する上面支持部
    (13)と、同コンクリートが底床部(2)側へ流出し
    ないように支持する側面支持部(15)とから構成され
    る下部フォーム(7、8)が回動可能に取り付けられて
    なることを特徴とするインバートコンクリート覆工装
    置。
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