JPH07139170A - コンクリートの乾燥方法および乾燥装置 - Google Patents

コンクリートの乾燥方法および乾燥装置

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JPH07139170A
JPH07139170A JP30735293A JP30735293A JPH07139170A JP H07139170 A JPH07139170 A JP H07139170A JP 30735293 A JP30735293 A JP 30735293A JP 30735293 A JP30735293 A JP 30735293A JP H07139170 A JPH07139170 A JP H07139170A
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concrete
heating element
far infrared
infrared rays
drying
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JP30735293A
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Sachiko Hayashi
幸子 林
Isao Tanaka
勲 田中
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Dairin Shoji KK
Original Assignee
Dairin Shoji KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートの表面に収縮クラックが生じる
ことなく、コンクリートを短時間で乾燥させることがで
きる型枠パネルを提供することである。 【構成】 型枠パネルPの面板1の裏面に炭素繊維混抄
紙からなる面状発熱体2を貼着する。この型枠パネルP
を用いて型枠を組み立て、その型枠内に混練されたコン
クリートを打設し、面状発熱体2に通電することによ
り、型枠内のコンクリートを短期間で乾燥させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコンクリートの乾燥方
法、型枠パネル、コンクリート乾燥装置およびプレキャ
ストコンクリート部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋コンクリート構造の建物
を建築する際には、まず、主筋、あばら筋等の鉄筋を設
置し、その周囲に複数の型枠パネルを用いて型枠を組み
立てた後、その型枠内に混練されたコンクリートを打設
する。そして、その型枠を所定の期間存置し、自然乾燥
によりコンクリートを硬化させた後、型枠を取り外す。
【0003】一方、鉄筋コンクリート建物を建築する際
に、予め工場で製造されたコンクリート部材を用いるこ
とがある。このコンクリート部材をプレキャストコンク
リート部材と呼ぶ。このプレキャストコンクリート部材
には、柱、梁、壁板、スラブ、屋根板等があり、次のよ
うにして製造される。
【0004】所定の形状に型枠を構成し、その型枠内に
混練されたコンクリートを注入する。そして、その型枠
内のコンクリートを蒸気を用いて乾燥させた後、型枠を
取り外す。プレキャストコンクリート部材の乾燥に蒸気
による乾燥設備を用いるのは次の理由からである。ニク
ロム線等からなるヒータでコンクリートを強制的に乾燥
させると、コンクリートの表面から水分が抜け出し、コ
ンクリートの内部が乾燥するまでにコンクリートの表面
に収縮クラックが入るという問題がある。そのため、常
時水分を補給しながらコンクリートを乾燥させるために
蒸気による乾燥が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の鉄筋コン
クリート建物の建築方法では、型枠内のコンクリートが
所定の強度になるまで相当な日数を要するため、その
間、型枠パネルを他の工事に用いることができなかっ
た。また、鉄筋コンクリート建物の建築工事に相当な期
間を要し、かなりの人件費がかかっていた。
【0006】一方、プレキャストコンクリート部材を用
いると、コンクリートの硬化のための日数を節約するこ
とができ、工期が短縮される。しかしながら、プレキャ
ストコンクリート部材の製造には蒸気を用いた大がかり
な乾燥設備が必要であり、ランニングコストが高くなる
という問題がある。
【0007】この発明の目的は、簡単な設備でしかも短
期間でコンクリートを乾燥させる方法を提供することで
ある。この発明の他の目的は、鉄筋コンクリート工事に
おいて型枠の存置期間を短縮することができる型枠パネ
ルを提供することである。この発明のさらに他の目的
は、簡単な設備でしかも短期間でコンクリートを乾燥さ
せることができる装置を提供することである。この発明
のさらに他の目的は、簡単な設備でしかも短期間でプレ
キャストコンクリート部材を製造する方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るコンク
リートの乾燥方法は、遠赤外線輻射体から輻射される遠
赤外線によりコンクリートを乾燥させるものである。
【0009】第2の発明に係る型枠パネルは、面板に炭
素繊維混抄紙からなる面状発熱体を取り付けたものであ
る。
【0010】第3の発明に係るコンクリートの乾燥方法
は、炭素繊維混抄紙からなる面状発熱体が取り付けられ
た型枠パネルを用いて型枠を構成し、その型枠内にコン
クリートを打設し、面状発熱体から輻射される遠赤外線
により型枠内のコンクリートを乾燥させるものである。
【0011】第4の発明に係るコンクリート乾燥装置
は、乾燥させるべきコンクリートに遠赤外線を輻射する
面状発熱体と、面状発熱体に通電する通電手段とを備え
る。
【0012】第5の発明に係るプレキャストコンクリー
ト部材の製造方法は、型枠内にコンクリートを注入し、
その型枠内のコンクリートを遠赤外線輻射体から輻射さ
れる遠赤外線により乾燥させるものである。
【0013】
【作用】遠赤外線輻射体または面状発熱体から輻射され
る遠赤外線を混練されたコンクリートに照射すると、遠
赤外線は直進してコンクリート内部に到達し、ほとんど
がそこで吸収される。それにより、コンクリート内の分
子運動が活発化され、温度上昇が生じる。その結果、表
面にある程度の水分を残しつつコンクリートの内部およ
び表面が一様に乾燥される。したがって、コンクリート
の表面に収縮クラックが生じることなく、コンクリート
全体が短期間で硬化する。
【0014】炭素繊維混抄紙からなる型枠パネルを用い
て型枠を構成し、その型枠内に混練されたコンクリート
を打設した後、面状発熱体に通電すると、その発熱面か
ら前方に遠赤外線が輻射される。それにより、型枠内の
コンクリートを短期間で硬化させることができる。ま
た、遠赤外線を輻射する面状発熱体を備えたコンクリー
ト乾燥装置を用いると、混練されたコンクリートを短期
間で硬化させることができる。さらに、所望の形状の型
枠内に混練されたコンクリートを注入し、そのコンクリ
ートに遠赤外線を輻射することにより、プレキャストコ
ンクリート部材を簡単な設備で短期間に製造することが
できる。
【0015】
【実施例】図1はこの発明の第1の実施例による型枠パ
ネルの斜視図であり、図2は同実施例の型枠パネルの側
面図である。
【0016】図1の型枠パネルPは、長方形の面板1、
およびその面板1の裏面に貼着された2枚の面状発熱体
2から構成されている。面板1は、例えば硬質の合成樹
脂、ベニヤ板等の一般的な仮枠材からなり、2つの長辺
側の縁部が裏面側に直角に屈曲され、あるいは屈曲形状
に成型されている。面状発熱体2は、後述するように、
遠赤外線を輻射する炭素繊維混抄紙からなる。図示して
いないが、この面状発熱体2は導線および温度コントロ
ーラを介して電源用コンセントに接続される。面状発熱
体2に供給される電源のオン・オフおよび温度調節は、
この温度コントローラにより行われる。
【0017】図3に面状発熱体2の模式的な平面図を示
し、図4にその面状発熱体2の端部の断面図を示す。こ
の面状発熱体2は、炭素繊維混抄紙100およびその炭
素繊維混抄紙100の両面にラミネートされた樹脂層1
01,102からなる。樹脂層101,102は、例え
ばガラス繊維強化エポキシ樹脂(以下、ガラスエポキシ
樹脂と呼ぶ)により形成される。なお、樹脂層101,
102の材料として、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、
その他の樹脂を用いてもよい。この面状発熱体2は次の
ようにして製造される。
【0018】和紙の原料となるコウゾ、ミツマタ、また
はガンピ等の靱皮繊維に水を加えてパルプ液を作るとと
もに、所定の寸法、例えば5mm程度にカッテングされ
た炭素繊維をその中に混入し、分散させる。そのパルプ
液を抄紙用の網上に流し、ウエットシートを形成する。
そのウエットシートを搾水用のロールを用いて機械的に
搾水し乾燥させた後、所定の寸法に裁断する。このよう
にして、厚さ0.2mm前後の炭素繊維混抄紙100が
形成される。
【0019】そして、この炭素繊維混抄紙100の表面
に、対向する2辺に沿って約1cmの帯状に銀ペースト
104を印刷し、導電性の接着剤が塗布された銅箔テー
プ103を銀ペースト4上に貼着する。このようにして
炭素繊維混抄紙100の表面の縁部に一対の電極が形成
される。
【0020】さらに、例えば、生乾き状態(未硬化状
態)のガラスエポキシ樹脂で炭素繊維混抄紙100を挟
み、ホットプレスすることにより、ガラスエポキシ樹脂
層を熱硬化させる。この際、図4に示すように、各銅箔
テープ103の端部の領域においてガラスエポキシ樹脂
層に導線取り付け用の穴を形成しておく。このようにし
て、炭素繊維混抄紙100の両面に樹脂層101,10
2がラミネートされる。最後に各銅箔テープ103の一
端部にはんだ付け等により導線105を接続する。この
ようにして、厚さ0.5mm前後の面状発熱体2が製造
される。
【0021】導線105を介して面状発熱体2の一対の
銅箔テープ103に電圧を印加すると、炭素繊維混抄紙
100内に分散された炭素繊維に電流が流れ、それらの
炭素繊維が発熱して炭素繊維混抄紙100の表面から前
方に遠赤外線が放射される。
【0022】なお、面状発熱体2の発熱量および設定温
度は、炭素繊維混抄紙100に混入する炭素繊維の量お
よび印加電圧により調整される。通常、面状発熱体2の
発熱量は数十Wから数百Wの範囲で適宜調整され、面状
発熱体2の温度は数十℃から100℃程度の範囲で適宜
調整される。
【0023】次に、図5および図6を参照しながら上記
実施例の型枠パネルPを用いて鉄筋コンクリートの基礎
梁を形成する方法を説明する。
【0024】まず、図5に示すように、所定の鉄筋3を
配置し、複数の型枠パネルPを用いて型枠を構成した
後、混練されたコンクリート4を型枠内に打設する。次
に、各型枠パネルPの面状発熱体2に電圧を印加する
と、各面状発熱体2の表面から遠赤外線が輻射される。
その輻射エネルギーは直進して型枠内のコンクリート4
の内部に到達し、ほとんどがそこで吸収される。それに
より、コンクリート4の内部の分子運動が活発化され、
温度上昇が生じる。型枠内のコンクリート4が所定の強
度まで硬化すると、型枠パネルPを取り外す。それによ
り、図6に示すように、鉄筋コンクリートの基礎梁5が
形成される。
【0025】遠赤外線はほとんど空気を暖めることな
く、直接的にコンクリート4の内部に熱エネルギーを与
えるので、表面にある程度の湿気を残しつつコンクリー
ト4の内部および表面を一様に乾燥させることができ
る。したがって、コンクリート4の表面のみから水分が
抜け出してその表面に収縮クラックが生じることはな
い。この型枠パネルPを用いることにより、型枠の存置
期間を短縮し、鉄筋コンクリート建物の工期を短縮する
ことができる。また、寒冷地において、コンクリート内
の水分を凍結させることなく、そのコンクリートを短期
間で養生することができる。
【0026】この実施例の型枠パネルPでは面状発熱体
2が極めて薄く形成され、かつ面板1の裏側に貼着され
ているので、型枠パネルP全体が軽量でコンパクトであ
る。なお、面板1の材料として、鉄等の金属、その他の
種々の材料を用いることができるが、好ましくは、遠赤
外線を十分に透過し、あるいは遠赤外線を吸収および輻
射する材料を用いる。遠赤外線を型枠内のコンクリート
に効率良く照射するために、面状発熱体2の裏面に鏡面
仕上げされたアルミニウム等の反射板を取り付けてもよ
い。
【0027】図7および図8はこの発明の第2の実施例
によるコンクリート乾燥装置の構成を示す断面図であ
る。図7のコンクリート乾燥装置は遠赤外線を上から下
へ照射する方式を用いており、図8のコンクリート乾燥
装置は遠赤外線を下から上へ照射する方式を用いてい
る。
【0028】図7および図8のコンクリート乾燥装置6
は、対向する2つの側板62およびこれらの側板62の
上端に取り付けられた天板61を有する。2つの側板6
2の内側の下部には一対の支持部材63が取り付けられ
ており、これらの支持部材63の間に支持板64が水平
に取り付けられている。また、2つの側板62の間の所
定の高さの位置に中間板65が水平に取り付けられてい
る。
【0029】図7のコンクリート乾燥装置6において
は、中間板65の下面に鏡面仕上げされたアルミニウム
等の金属板からなる反射板66が取り付けられ、反射板
66の下面に面状発熱体2が貼着されている。一方、図
8のコンクリート乾燥装置6においては、支持板64の
下面に面状発熱体2が貼着され、面状発熱体2の下面に
反射板66が取り付けられている。
【0030】図7および図8のコンクリート乾燥装置6
の支持板64上に乾燥すべきコンクリートを載置し、面
状発熱体2に通電すると、その面状発熱体2の両面から
それぞれ前方に遠赤外線が輻射される。図7のコンクリ
ート乾燥装置6では、面状発熱体2の下面から輻射され
た遠赤外線はそのまま下方へ直進し、面状発熱体2の上
面から輻射された遠赤外線は反射板66により反射され
て下方に直進し、支持板64上のコンクリートに到達す
る。
【0031】一方、図8のコンクリート乾燥装置6で
は、面状発熱体2の上面から輻射された遠赤外線はその
まま上方へ直進し、面状発熱体2の下面から輻射された
遠赤外線は反射板66により反射されて上方へ直進す
る。その輻射エネルギーのほとんどは支持板64を透過
して支持板64上のコンクリートに到達する。また、輻
射エネルギーの残りは支持板64により吸収され、支持
板64の温度を上昇させる。それにより、支持板64自
体からも遠赤外線エネルギーが輻射され、支持板64上
のコンクリートに到達する。
【0032】図7および図8のコンクリート乾燥装置6
を用いてコンクリートの乾燥実験を行った。型枠にコン
クリートを打設し、支持板64の上に載置する。乾燥時
間は17.5時間とし、その乾燥時間の終了時に積算消
費電力を測定する。コンクリートの温度制御は、コンク
リートの温度を測定しつつ面状発熱体2の温度を制御す
ることにより行う。前養生2時間の後、温度上昇速度1
5℃/hで、最高温度60℃となるように温度制御を行
う。
【0033】まず、コンクリートの初期の温度が約20
℃、外気温度が約9℃という条件で実験を行った。図7
のコンクリート乾燥装置6による乾燥では、脱型時の圧
縮強度が222kg/cm2 となり、消費電力が5.2
5kWとなり、図8のコンクリート乾燥装置6による乾
燥では、脱型時の圧縮強度が235kg/cm2 とな
り、消費電力が2.59kWとなった。また、4週強度
は480〜520kg/cm2 であった。
【0034】次に、寒中コンクリートを想定して、コン
クリートの初期の温度が約9〜11℃、外気温度が約6
℃という条件で実験を行った。図7のコンクリート乾燥
装置6による乾燥では、脱型時の圧縮強度が176kg
/cm2 、4週強度が478kg/cm2 となり、消費
電力が3.60kWとなった。図8のコンクリート乾燥
装置6による乾燥では、脱型時の圧縮強度が168kg
/cm2 、4週強度が484kg/cm2 となり、消費
電力が3.52kWとなった。
【0035】このように、外気温度が低い場合でも脱型
時の圧縮強度が150kg/cm2を越えており、強度
は十分であると考えられる。また、消費電力もさほど大
きくなく、比較的安いコストでコンクリートを養生でき
ると考えられる。なお、遠赤外線によれば、コンクリー
トの表面にある程度の水分が残った状態でコンクリート
を乾燥させることができる。上記の実験で乾燥されたコ
ンクリートの表面には、実際、湿気が残っており、かつ
コンクリートのしまりが良かった。
【0036】なお、天板61、側板62および中間板6
5の材料は、例えば発砲スチロール等の断熱材であるこ
とが好ましいが、合成樹脂、木材、金属等の種々の材料
を用いることもできる。また、支持板64の材料は、合
成樹脂のように遠赤外線を透過、あるいは吸収および輻
射する材料が好ましいが、木材、金属等の材料を用いる
こともできる。
【0037】コンクリート乾燥装置6の構造は図7およ
び図8の構造に限定されず、乾燥させるべきコンクリー
トに遠赤外線を照射することができる構造であれば、他
の構造でもよい。また、コンクリートの上部および下部
の両方から遠赤外線を照射する構造でもよく、コンクリ
ートの側方から遠赤外線を照射する構造でもよい。
【0038】次に、図7または図8のコンクリート乾燥
装置6を用いてプレキャストコンクリート部材を製造す
る方法を図9および図10を参照しながら説明する。
【0039】図9に示すように、台板7の上に枠材8,
9を設置し、混練されたコンクリート10をその中に注
入する。台板7上のコンクリート10をその台板7とと
もに図7または図8のコンクリート乾燥装置6の支持板
64上に載せる。そして、面状発熱体2に通電すること
により、面状発熱体2から輻射される遠赤外線をコンク
リート10に照射する。コンクリート10が所定の強度
に硬化した後、そのコンクリート10を台板7ともにコ
ンクリート乾燥装置6から取り出し、枠材8,9を取り
外す。このようにして、図10に示すようなプレキャス
トコンクリート部材11が製造される。
【0040】なお、図7および図8のコンクリート乾燥
装置6を用いて製造されるプレキャストコンクリート部
材は、図10に示すような形状に限らず、型枠を種々の
形状に設計することにより、種々の形状の柱、梁、壁
板、スラブ、屋根板等の部材を製造することができる。
【0041】図7および図8のコンクリート乾燥装置6
を用いると、遠赤外線が空気を介することなく直接コン
クリートの内部に熱エネルギーを与えるので、表面にあ
る程度の湿気を残しつつコンクリートの内部および表面
を一様に乾燥させることができる。したがって、簡単な
設備で、短時間でプレキャストコンクリート部材を製造
することができる。
【0042】図11および図12はこの発明の第3の実
施例による基礎梁の製造方法を示す図である。図11に
おいて、台板13の両端部にはヒンジ部15により型枠
材14が矢印の方向に回動可能に取り付けられている。
型枠材14の所定箇所には面状発熱体2が貼着されてい
る。型枠材14の材料としては、図1の型枠パネルPの
面板1と同様の材料を用いる。
【0043】この型枠材14および台板13により構成
される型枠に混練されたコンクリート16を注入し、面
状発熱体2に通電すると、面状発熱体2の表面から遠赤
外線が輻射され、その輻射エネルギーのほとんどが型枠
材14を透過してコンクリート16に到達する。また、
輻射エネルギーの残りは型枠材14により吸収され、型
枠材14の温度を上昇させる。それにより、型枠材14
自体からも遠赤外線が輻射される。コンクリート16に
到達した遠赤外線の輻射エネルギーのほとんどがコンク
リート16の内部で吸収され、コンクリート16の内部
の分子運動を活発化させる。それにより、コンクリート
16の内部で温度上昇が生じ、表面にある程度の湿気を
残しつつその内部および表面が一様に乾燥される。
【0044】コンクリート16が所定に強度に硬化した
後、型枠材14を矢印14の方向に回動させてコンクリ
ート16から取り外すと、図12に示すような基礎梁1
7が製造される。このようにして製造された基礎梁17
をプレハブ住宅に用いると、その組み立てに要する時間
を大幅に短縮することができる。また、この基礎梁17
は、プレハブ住宅に限らず、木造、鉄筋等の建物に使用
することができる。
【0045】
【発明の効果】第1の発明によれば、簡単な設備でしか
も短期間でコンクリートを乾燥させることができる。し
たがって、鉄筋コンクリート工事の期間が短縮され、工
事費も削減することができる。
【0046】第2および第3の発明によれば、鉄筋コン
クリート工事において型枠の存置期間を短縮することが
できる。したがって、鉄筋コンクリート工事の期間が短
縮され、工事費も削減することができる。
【0047】第4の発明によれば、簡単な設備でしかも
短期間でコンクリートを乾燥させることができる。した
がって、コンクリート部材を安いコストで短期間に製造
することができる。
【0048】第5の発明によれば、安いコストで短期間
にプレキャストコンクリート部材を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による型枠パネルを示
す斜視図である。
【図2】図1の型枠パネルの側面図である。
【図3】この発明の実施例に用いられる面状発熱体の模
式的な平面図である。
【図4】図3の面状発熱体の端部の断面図である。
【図5】図1の型枠パネルを用いて基礎梁を形成する方
法を説明するための断面図である。
【図6】図5の方法により形成された基礎梁の斜視図で
ある。
【図7】この発明の第2の実施例によるコンクリート乾
燥装置の一例を示す断面図である。
【図8】この発明の第2の実施例によるコンクリート乾
燥装置の他の例を示す断面図である。
【図9】図7または図8のコンクリート乾燥装置を用い
てプレキャストコンクリート部材を製造する方法を示す
斜視図である。
【図10】図9の方法により製造されたプレキャストコ
ンクリート部材の斜視図である。
【図11】この発明の第3の実施例による基礎梁の製造
方法を示す断面図である。
【図12】図11の方法により製造された基礎梁の斜視
図である。
【符号の説明】
1 面板 2 面状発熱体 4,10,16 コンクリート 5 基礎梁 6 コンクリート乾燥装置 7 台板 8,9 枠材 11 プレキャストコンクリート部材 17 基礎梁 100 炭素繊維混抄紙 101,102 樹脂層 103 銅箔テープ 104 銀ペースト 105 導線 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠赤外線輻射体から輻射される遠赤外線
    によりコンクリートを乾燥させることを特徴とするコン
    クリートの乾燥方法。
  2. 【請求項2】 混練されたコンクリートを成形して固化
    させるために用いる型枠パネルにおいて、面板に炭素繊
    維混抄紙からなる面状発熱体を取り付けたことを特徴と
    する型枠パネル。
  3. 【請求項3】 炭素繊維混抄紙からなる面状発熱体が取
    り付けられた型枠パネルを用いて型枠を構成し、前記型
    枠内にコンクリートを打設し、前記面状発熱体から輻射
    される遠赤外線により前記型枠内のコンクリートを乾燥
    させることを特徴とするコンクリートの乾燥方法。
  4. 【請求項4】 乾燥させるべきコンクリートに遠赤外線
    を照射する面状発熱体と、前記面状発熱体に通電する通
    電手段とを備えてなるコンクリート乾燥装置。
  5. 【請求項5】 型枠内にコンクリートを注入し、前記型
    枠内のコンクリートを遠赤外線輻射体から輻射される遠
    赤外線により乾燥させることを特徴とするプレキャスト
    コンクリート部材の製造方法。
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