JPH07138800A - 熱間圧延普通鋼帯の製造法、脱スケール方法およびその設備 - Google Patents
熱間圧延普通鋼帯の製造法、脱スケール方法およびその設備Info
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- JPH07138800A JPH07138800A JP17230994A JP17230994A JPH07138800A JP H07138800 A JPH07138800 A JP H07138800A JP 17230994 A JP17230994 A JP 17230994A JP 17230994 A JP17230994 A JP 17230994A JP H07138800 A JPH07138800 A JP H07138800A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、高速酸化物スケール除去方法
および装置並びに平滑性の優れた酸化物スケールを除去
した普通鋼を提供することにある。 【構成】熱間圧延普通鋼鋼帯の酸洗設備において、複数
存在する酸洗槽のうちに少なくとも一つ以上の酸洗槽に
おいて連続して流れる普通鋼熱間圧延鋼帯に電流を流す
手段を具備することを特徴とした熱間圧延普通鋼板の製
造方法。 【効果】本発明によれば、熱間圧延普通鋼の酸化物スケ
ールを迅速に除去できるだけでなく、美麗でかつ極めて
表面状態の良好な普通鋼板が得られる効果がある。
および装置並びに平滑性の優れた酸化物スケールを除去
した普通鋼を提供することにある。 【構成】熱間圧延普通鋼鋼帯の酸洗設備において、複数
存在する酸洗槽のうちに少なくとも一つ以上の酸洗槽に
おいて連続して流れる普通鋼熱間圧延鋼帯に電流を流す
手段を具備することを特徴とした熱間圧延普通鋼板の製
造方法。 【効果】本発明によれば、熱間圧延普通鋼の酸化物スケ
ールを迅速に除去できるだけでなく、美麗でかつ極めて
表面状態の良好な普通鋼板が得られる効果がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、普通鋼板の製造方法に
係り、特に熱間圧延鋼帯の表面に生成した酸化スケール
を高速に除去するのに好適な脱スケール方法及びその設
備に関する。
係り、特に熱間圧延鋼帯の表面に生成した酸化スケール
を高速に除去するのに好適な脱スケール方法及びその設
備に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に普通鋼板(炭素鋼)は、800〜
900℃で圧延されるために表面にFe3O4を主体とし
た黒色の酸化物スケールが生成する。このスケールは、
後続の冷間圧延時のスケール巻き込みによる鋼板表面の
損傷の原因となるためにスケール除去が不可欠となる。
現在、自動車用薄鋼板の需要に伴いこのスケール除去の
高速化が重要となっている。
900℃で圧延されるために表面にFe3O4を主体とし
た黒色の酸化物スケールが生成する。このスケールは、
後続の冷間圧延時のスケール巻き込みによる鋼板表面の
損傷の原因となるためにスケール除去が不可欠となる。
現在、自動車用薄鋼板の需要に伴いこのスケール除去の
高速化が重要となっている。
【0003】従来の普通鋼帯のスケールの除去法に関し
ては主にケミカルな方法とメカニカルな方法に大別され
る。ケミカルな方法としては、酸溶液の層に鋼板を浸漬
して連続通板させ、化学反応によりスケールを除去する
カテナリ方式酸洗法が主流である。酸液中への浸漬によ
る酸化物スケール除去の効率を高めた方法としては、ボ
ックス(Box)せき方式および噴流方式がある。ボッ
クスせき方式は、直方体の容器内に酸液を満たし、その
中を鋼板を通過させて酸洗するもので、直方体の容器の
上面と下面にせきが設置されている。噴流方式は、三菱
重工技法vol.29 No.1(1992−1)に記載さ
れているように、ボックスせき構造の中に噴流ノズルを
設置して酸を鋼板に吹き付けることにより更に酸化物ス
ケール除去効果を高めた構造となっている。
ては主にケミカルな方法とメカニカルな方法に大別され
る。ケミカルな方法としては、酸溶液の層に鋼板を浸漬
して連続通板させ、化学反応によりスケールを除去する
カテナリ方式酸洗法が主流である。酸液中への浸漬によ
る酸化物スケール除去の効率を高めた方法としては、ボ
ックス(Box)せき方式および噴流方式がある。ボッ
クスせき方式は、直方体の容器内に酸液を満たし、その
中を鋼板を通過させて酸洗するもので、直方体の容器の
上面と下面にせきが設置されている。噴流方式は、三菱
重工技法vol.29 No.1(1992−1)に記載さ
れているように、ボックスせき構造の中に噴流ノズルを
設置して酸を鋼板に吹き付けることにより更に酸化物ス
ケール除去効果を高めた構造となっている。
【0004】機械的な除去方法としては、日立評論Vo
l.67 No.4(1985−4)の高速デスケーリン
グ設備の新技術に記載されているように圧延法,研磨
法,ショットブラスト法および繰返し曲げ法がある。ま
た高圧水スプレー,メカニカルな方法と酸洗とを組み合
わせた方法や三菱重工技法vol.2 No.3 p.289
(1965)に記載されているように超音波酸洗があ
る。
l.67 No.4(1985−4)の高速デスケーリン
グ設備の新技術に記載されているように圧延法,研磨
法,ショットブラスト法および繰返し曲げ法がある。ま
た高圧水スプレー,メカニカルな方法と酸洗とを組み合
わせた方法や三菱重工技法vol.2 No.3 p.289
(1965)に記載されているように超音波酸洗があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の普通鋼
の酸洗には鉄酸化物の溶解性が高いという理由から希塩
酸溶液(HCl)が使用されている。生じる反応は
の酸洗には鉄酸化物の溶解性が高いという理由から希塩
酸溶液(HCl)が使用されている。生じる反応は
【0006】
【化1】 Fe2O3+6HCl→2FeCl3+3H2O …(化1)
【0007】
【化2】 Fe3O4+8HCl→FeCl2+2FeCl3+4H2O …(化2) である。酸化物スケールの除去のスピードアップを図る
には(1),(2)の反応を促進させればよい。この方法
は酸化物スケールの化学的溶解反応を利用したものであ
るため、一般には酸濃度及び温度を上げることにより反
応を促進させることが考えられる。しかし、酸濃度や温
度の上昇の増加は、実用上廃酸処理のコストや環境や設
備上の問題および表面品質の問題から制約を受け、現状
より上げることは困難である。酸洗の場合鋼帯を複数の
酸洗槽に連続浸漬させるが、その第1層めは、普通鋼帯
の充分な昇温が困難であるとともに、酸の濃度が各層の
中で一番低いことおよびスケール溶解が始まるまでのタ
イムラグを考えた場合、極端に酸洗効率が低くなるとい
う問題点がある。
には(1),(2)の反応を促進させればよい。この方法
は酸化物スケールの化学的溶解反応を利用したものであ
るため、一般には酸濃度及び温度を上げることにより反
応を促進させることが考えられる。しかし、酸濃度や温
度の上昇の増加は、実用上廃酸処理のコストや環境や設
備上の問題および表面品質の問題から制約を受け、現状
より上げることは困難である。酸洗の場合鋼帯を複数の
酸洗槽に連続浸漬させるが、その第1層めは、普通鋼帯
の充分な昇温が困難であるとともに、酸の濃度が各層の
中で一番低いことおよびスケール溶解が始まるまでのタ
イムラグを考えた場合、極端に酸洗効率が低くなるとい
う問題点がある。
【0008】酸洗速度を向上させるために、上記従来技
術に撹拌により温度境界層を縮少させ鋼板への熱伝達を
加速するとともに鋼板表面の液を効率良く入れ替えるB
oxせき方式や噴流方式があるが、これらの方法でも酸
洗初期の酸化物スケール除去効率を上げることができな
い問題点があり、酸化物スケール除去の速度向上が困難
である。いずれの場合においても、通板速度が遅い場合
は酸化物スケールは除去されるが、通板速度を速くする
と酸化物スケールの完全除去はできなくなる。また従来
技術において、ステンレス鋼に関して溶解速度を上げる
ために硫酸,硝酸,中性塩,溶融塩中で電解する方法が
ある。しかし普通鋼の酸化物スケールの厚さはステンレ
ス鋼のそれと比較して2桁程厚いために、ステンレス鋼
の技術をそのまま普通鋼に適用しても酸化物スケールの
完全除去はできない。またステンレス鋼ではクロム酸化
物の溶解を促進するために、間接通電法ではステンレス
鋼帯の大部分をアノードになるように制御し、溶解反応
を促進しないカソードの部分を少なくしている。これは
カソード反応においてはクロム酸化物が再析出してしま
うからである。しかしながらアノードにおいては下地の
溶出もおこる。これらの方法を普通鋼の酸化物スケール
の除去に適用した場合、ストリップ表面の平滑性を保つ
ことができず、高品質の製品を作れないという問題点が
ある。
術に撹拌により温度境界層を縮少させ鋼板への熱伝達を
加速するとともに鋼板表面の液を効率良く入れ替えるB
oxせき方式や噴流方式があるが、これらの方法でも酸
洗初期の酸化物スケール除去効率を上げることができな
い問題点があり、酸化物スケール除去の速度向上が困難
である。いずれの場合においても、通板速度が遅い場合
は酸化物スケールは除去されるが、通板速度を速くする
と酸化物スケールの完全除去はできなくなる。また従来
技術において、ステンレス鋼に関して溶解速度を上げる
ために硫酸,硝酸,中性塩,溶融塩中で電解する方法が
ある。しかし普通鋼の酸化物スケールの厚さはステンレ
ス鋼のそれと比較して2桁程厚いために、ステンレス鋼
の技術をそのまま普通鋼に適用しても酸化物スケールの
完全除去はできない。またステンレス鋼ではクロム酸化
物の溶解を促進するために、間接通電法ではステンレス
鋼帯の大部分をアノードになるように制御し、溶解反応
を促進しないカソードの部分を少なくしている。これは
カソード反応においてはクロム酸化物が再析出してしま
うからである。しかしながらアノードにおいては下地の
溶出もおこる。これらの方法を普通鋼の酸化物スケール
の除去に適用した場合、ストリップ表面の平滑性を保つ
ことができず、高品質の製品を作れないという問題点が
ある。
【0009】本発明の目的は、酸化物スケールの高速除
去方法および装置並びに平滑性の優れた酸化物スケール
を除去した普通鋼を提供することにある。
去方法および装置並びに平滑性の優れた酸化物スケール
を除去した普通鋼を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、60℃以上
特に70℃以上に加温された希塩酸溶液を収納する複数
の酸洗タンクのうち最も温度の低い希塩酸溶液(普通鋼
帯が最初にHClに浸漬される酸洗タンク)内の普通鋼
帯のスケールの溶解速度をあげることによって達成する
ことができる。本発明は、スケール除去のために60℃
以上特に70℃から95℃に加温された希塩酸溶液を用
いること、この希塩酸溶液を普通鋼帯の通板方向を基準
としてその下流側から上流側に移動させ、上流側の最も
温度の低い希塩酸溶液に浸漬される普通鋼帯のスケール
溶解速度を高める手段を講じた点に特徴がある。酸液を
下流から上流に流すことにより酸液と普通鋼帯との接触
速度を高める。
特に70℃以上に加温された希塩酸溶液を収納する複数
の酸洗タンクのうち最も温度の低い希塩酸溶液(普通鋼
帯が最初にHClに浸漬される酸洗タンク)内の普通鋼
帯のスケールの溶解速度をあげることによって達成する
ことができる。本発明は、スケール除去のために60℃
以上特に70℃から95℃に加温された希塩酸溶液を用
いること、この希塩酸溶液を普通鋼帯の通板方向を基準
としてその下流側から上流側に移動させ、上流側の最も
温度の低い希塩酸溶液に浸漬される普通鋼帯のスケール
溶解速度を高める手段を講じた点に特徴がある。酸液を
下流から上流に流すことにより酸液と普通鋼帯との接触
速度を高める。
【0011】具体的には酸化物スケールの生成した普通
鋼をHCl溶液中で酸洗する工程において、連続する酸
洗槽に電極板を設け普通鋼帯に電流を流す方法と、この
方法を実施するための陽極電極及びまたは負極電極を有
する電解酸洗槽を具備した普通鋼の酸化物スケール除去
装置から達成される。電流を普通鋼帯に流す方法とし
て、普通鋼帯自身を電極とし、普通鋼帯に設置した電極
間に電流を流す直接通電方法と、普通鋼帯に複数設置し
た電極間に電流を流す間接通電法のいずれの方法におい
ても達成される。この場合、酸溶液が電気分解してガス
が多量に発生しないように、かつ普通鋼帯がジュール熱
で過剰に加熱されないように、電流密度を1ないし20
A/dm2、特に5ないし10A/dm2程度に制御する
のが好ましい。電圧は約1.2V 程度である。
鋼をHCl溶液中で酸洗する工程において、連続する酸
洗槽に電極板を設け普通鋼帯に電流を流す方法と、この
方法を実施するための陽極電極及びまたは負極電極を有
する電解酸洗槽を具備した普通鋼の酸化物スケール除去
装置から達成される。電流を普通鋼帯に流す方法とし
て、普通鋼帯自身を電極とし、普通鋼帯に設置した電極
間に電流を流す直接通電方法と、普通鋼帯に複数設置し
た電極間に電流を流す間接通電法のいずれの方法におい
ても達成される。この場合、酸溶液が電気分解してガス
が多量に発生しないように、かつ普通鋼帯がジュール熱
で過剰に加熱されないように、電流密度を1ないし20
A/dm2、特に5ないし10A/dm2程度に制御する
のが好ましい。電圧は約1.2V 程度である。
【0012】上記熱間圧延普通鋼の酸化物スケール除去
装置において、酸化物スケール除去効率をあげかつ平滑
性の優れた普通鋼帯を得るためには、普通鋼帯の極性が
その大部分を、初期においてはアノード、後期において
はカソードにすることにより達成される。
装置において、酸化物スケール除去効率をあげかつ平滑
性の優れた普通鋼帯を得るためには、普通鋼帯の極性が
その大部分を、初期においてはアノード、後期において
はカソードにすることにより達成される。
【0013】さらに上記熱間圧延普通鋼の酸化物スケー
ル除去装置において電流を流すのに使用される電極は連
続して移動する普通鋼帯に対向して配置された不溶性電
極を使用することによって達成される。
ル除去装置において電流を流すのに使用される電極は連
続して移動する普通鋼帯に対向して配置された不溶性電
極を使用することによって達成される。
【0014】そして、該方法を該装置で実施することに
より、実質的に酸化物スケールが完全に除去され、かつ
優れた表面平滑性を有する普通鋼が取り扱いよく高速で
得ることが可能となる。
より、実質的に酸化物スケールが完全に除去され、かつ
優れた表面平滑性を有する普通鋼が取り扱いよく高速で
得ることが可能となる。
【0015】本発明により、普通鋼を熱間圧延機で圧延
し普通鋼帯を得、普通鋼帯を酸溶液と接触して普通鋼帯
の表面に生成したスケールを除去することを含む熱間圧
延普通鋼帯の製造法において、圧延機から出た普通鋼帯
を複数の酸洗タンク内の希塩酸溶液を60℃以上に保
ち、該希塩酸溶液を通板の下流から上流側へ移動させ該
普通鋼帯に電流を供給しかつ該普通鋼帯をタンクの上流
側から下流側へ移動させながら該普通鋼帯を酸洗する熱
間圧延普通鋼帯の製造方法が提供される。上記製造方法
において、上流側の酸洗タンクに位置する普通鋼帯に電
流を流すことが望ましい。また、温度が最も低い希塩酸
溶液を入れた酸洗タンクを通板する普通鋼帯に電流を流
すことが望ましい。さらに、通板する普通鋼帯の両面に
酸を強制流動させるとともに電流を流すことが望まし
い。
し普通鋼帯を得、普通鋼帯を酸溶液と接触して普通鋼帯
の表面に生成したスケールを除去することを含む熱間圧
延普通鋼帯の製造法において、圧延機から出た普通鋼帯
を複数の酸洗タンク内の希塩酸溶液を60℃以上に保
ち、該希塩酸溶液を通板の下流から上流側へ移動させ該
普通鋼帯に電流を供給しかつ該普通鋼帯をタンクの上流
側から下流側へ移動させながら該普通鋼帯を酸洗する熱
間圧延普通鋼帯の製造方法が提供される。上記製造方法
において、上流側の酸洗タンクに位置する普通鋼帯に電
流を流すことが望ましい。また、温度が最も低い希塩酸
溶液を入れた酸洗タンクを通板する普通鋼帯に電流を流
すことが望ましい。さらに、通板する普通鋼帯の両面に
酸を強制流動させるとともに電流を流すことが望まし
い。
【0016】そして、前記普通鋼帯の両面に酸を強制流
動させた後あるいはさせる前に普通鋼帯に電流を流すこ
とができる。前記普通鋼帯の両面に5−10A/dm2
の電流密度の電流を流すことが望ましい。
動させた後あるいはさせる前に普通鋼帯に電流を流すこ
とができる。前記普通鋼帯の両面に5−10A/dm2
の電流密度の電流を流すことが望ましい。
【0017】本発明により、熱間圧延普通鋼帯の酸洗に
よる脱スケール方法において、複数の酸洗タンク内の希
塩酸溶液を60℃以上に保ち、該希塩酸溶液を通板の下
流から上流側へ移動させ該普通鋼帯に電流を供給しかつ
該普通鋼帯をタンクの上流側から下流側へ移動させなが
ら該普通鋼帯を酸洗する熱間圧延普通鋼帯の脱スケール
方法が提供される。この方法において、上流側の酸洗タ
ンクに位置する普通鋼帯に電流を流すことが望ましい。
また、温度が最も低い希塩酸溶液を入れた酸洗タンクを
通板する普通鋼帯に電流を流すことが望ましい。通板す
る普通鋼帯の両面に酸を強制流動させるとともに電流を
流すことが効果的である。
よる脱スケール方法において、複数の酸洗タンク内の希
塩酸溶液を60℃以上に保ち、該希塩酸溶液を通板の下
流から上流側へ移動させ該普通鋼帯に電流を供給しかつ
該普通鋼帯をタンクの上流側から下流側へ移動させなが
ら該普通鋼帯を酸洗する熱間圧延普通鋼帯の脱スケール
方法が提供される。この方法において、上流側の酸洗タ
ンクに位置する普通鋼帯に電流を流すことが望ましい。
また、温度が最も低い希塩酸溶液を入れた酸洗タンクを
通板する普通鋼帯に電流を流すことが望ましい。通板す
る普通鋼帯の両面に酸を強制流動させるとともに電流を
流すことが効果的である。
【0018】本発明により、熱間圧延普通鋼帯の酸洗に
よる脱スケール設備において、60℃以上に保たれた希
塩酸溶液を入れた複数の酸洗タンクと,該希塩酸溶液を
通板の下流から上流側へ移動させる手段と,該普通鋼帯
をタンクの上流側から下流側へ移動させる手段と,該普
通鋼帯に電流を供給する手段を有する熱間圧延普通鋼帯
の脱スケール設備が提供される。この発明において、熱
間圧延普通鋼帯の連続酸洗設備において、通板する普通
鋼帯に電流を流す手段を設けることができる。酸洗タン
クに陰電極及び陽電極を具備し、通板する普通鋼帯に間
接的に電流を流す手段を設けたことができることは当然
である。また、普通鋼帯に対向して陰電極または陽電極
を設置するとともに、普通鋼帯を陽電極または陰電極と
し、通板する普通鋼帯に直接的に電流を流す手段を設け
ることができる。鋼帯が通過する各槽の最後の電極が陽
電極とすることが望ましい。鋼帯が通過する電極におけ
るアノード電極の面積,長さ及び数の少なくとも1つが
酸洗の流れの下流側で増加することができる。
よる脱スケール設備において、60℃以上に保たれた希
塩酸溶液を入れた複数の酸洗タンクと,該希塩酸溶液を
通板の下流から上流側へ移動させる手段と,該普通鋼帯
をタンクの上流側から下流側へ移動させる手段と,該普
通鋼帯に電流を供給する手段を有する熱間圧延普通鋼帯
の脱スケール設備が提供される。この発明において、熱
間圧延普通鋼帯の連続酸洗設備において、通板する普通
鋼帯に電流を流す手段を設けることができる。酸洗タン
クに陰電極及び陽電極を具備し、通板する普通鋼帯に間
接的に電流を流す手段を設けたことができることは当然
である。また、普通鋼帯に対向して陰電極または陽電極
を設置するとともに、普通鋼帯を陽電極または陰電極と
し、通板する普通鋼帯に直接的に電流を流す手段を設け
ることができる。鋼帯が通過する各槽の最後の電極が陽
電極とすることが望ましい。鋼帯が通過する電極におけ
るアノード電極の面積,長さ及び数の少なくとも1つが
酸洗の流れの下流側で増加することができる。
【0019】本発明により、熱間圧延機で圧延した普通
鋼帯を供給する手段,該普通鋼帯を任意の長さに切断す
る手段,該普通鋼帯に生成したスケールに対し機械的応
力を与える手段,該普通鋼帯と接触する酸溶液を貯蔵す
る複数のタンク,該普通鋼帯を該複数のタンクの該酸溶
液に浸漬しながら通板する手段,該酸溶液を60℃以上
に加熱する手段,該酸溶液を通板の下流から上流側へ移
動させる手段,該普通鋼帯に電流を供給する手段,該タ
ンクから出た処理済み普通鋼帯を水洗する手段及び該水
洗された普通鋼帯を乾燥する手段を具備する熱間圧延普
通鋼帯の脱スケール設備が提供される。この発明におい
て、該電流供給手段は該鋼帯の通板の上流側に設けられ
ることができる。また、該加熱手段と該酸液移動手段は
該タンク群からバイパスした系統に設けらることができ
る。
鋼帯を供給する手段,該普通鋼帯を任意の長さに切断す
る手段,該普通鋼帯に生成したスケールに対し機械的応
力を与える手段,該普通鋼帯と接触する酸溶液を貯蔵す
る複数のタンク,該普通鋼帯を該複数のタンクの該酸溶
液に浸漬しながら通板する手段,該酸溶液を60℃以上
に加熱する手段,該酸溶液を通板の下流から上流側へ移
動させる手段,該普通鋼帯に電流を供給する手段,該タ
ンクから出た処理済み普通鋼帯を水洗する手段及び該水
洗された普通鋼帯を乾燥する手段を具備する熱間圧延普
通鋼帯の脱スケール設備が提供される。この発明におい
て、該電流供給手段は該鋼帯の通板の上流側に設けられ
ることができる。また、該加熱手段と該酸液移動手段は
該タンク群からバイパスした系統に設けらることができ
る。
【0020】更に、本発明においては、酸洗によって脱
スケールされた普通鋼を冷間圧延する酸洗−冷間圧延連
続一貫製造法とその装置にある。また、熱間圧延鋼帯は
連続鋳造によって薄板とすることができることから熱間
圧延を直接行うことができるとともにその後の脱スケー
ルを行うことができる。そして、この一貫製造方法又は
装置はその後の冷間圧延するのに必要なものである。
スケールされた普通鋼を冷間圧延する酸洗−冷間圧延連
続一貫製造法とその装置にある。また、熱間圧延鋼帯は
連続鋳造によって薄板とすることができることから熱間
圧延を直接行うことができるとともにその後の脱スケー
ルを行うことができる。そして、この一貫製造方法又は
装置はその後の冷間圧延するのに必要なものである。
【0021】
【作用】高温に加熱された普通鋼材が熱間圧延機で圧延
される過程において表面に生成する酸化物スケールは、
FeO(ウスタイト),Fe2O3(ヘマタイト),Fe3O4
(マグネタイト)の相からなるが、冷却過程においてウ
スタイトは、大部分はマグネタイトに分解する。この酸
化物スケールの塩酸中における溶解反応は、(化1)お
よび(化2)式で表される。この反応を促進するため
に、普通鋼帯に電流を流す電解を併用した。カソード領
域においてはクロム酸化物とは異なり、鉄酸化物は(化
3)および(化4)式で表される電気化学的な溶解反応
が生じ、(化1)および(化2)式による鉄酸化物の化
学反応による溶解反応が促進される。すなわち外部回路
によって電子が酸化物スケールに供給されて、酸化物ス
ケールの溶解反応が生じる。
される過程において表面に生成する酸化物スケールは、
FeO(ウスタイト),Fe2O3(ヘマタイト),Fe3O4
(マグネタイト)の相からなるが、冷却過程においてウ
スタイトは、大部分はマグネタイトに分解する。この酸
化物スケールの塩酸中における溶解反応は、(化1)お
よび(化2)式で表される。この反応を促進するため
に、普通鋼帯に電流を流す電解を併用した。カソード領
域においてはクロム酸化物とは異なり、鉄酸化物は(化
3)および(化4)式で表される電気化学的な溶解反応
が生じ、(化1)および(化2)式による鉄酸化物の化
学反応による溶解反応が促進される。すなわち外部回路
によって電子が酸化物スケールに供給されて、酸化物ス
ケールの溶解反応が生じる。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】普通鋼帯の下地はカソードであるために鉄
の溶出は全くおこらず普通鋼帯の肌あれを防止すること
ができる。アノード領域においては(化5)式で表され
る鉄の溶解反応が生じる。
の溶出は全くおこらず普通鋼帯の肌あれを防止すること
ができる。アノード領域においては(化5)式で表され
る鉄の溶解反応が生じる。
【0025】
【化5】
【0026】ここで放出された電子は酸化物スケールに
供給されて、(化3)および(化4)式で表される反応に
よって酸化物スケールの溶解が生じる。この場合、普通
鋼帯の下地はアノードであるために鉄の溶出が生じるた
めストリップの肌あれを生じる。
供給されて、(化3)および(化4)式で表される反応に
よって酸化物スケールの溶解が生じる。この場合、普通
鋼帯の下地はアノードであるために鉄の溶出が生じるた
めストリップの肌あれを生じる。
【0027】通常の塩酸中への浸漬による酸化物スケー
ルの溶解時間は、カソード電解を併用した場合の方が併
用しない場合と比較して数倍早くなる。またアノード領
域とカソード領域における酸化物スケールの溶解反応を
比較すると、酸化物スケールが多く残存する浸漬初期に
おいてはアノード領域の方が酸化物スケールの溶解反応
が速いが、酸化物スケールが少なくなる浸漬後期におい
てはその関係は逆転する。従って酸化物スケールの生成
した普通鋼をHCl溶液中で酸洗する工程において、連
続する酸洗槽のうち初期の酸洗槽において普通鋼帯を電
解によってアノードにし、連続する酸洗槽のうち後期の
酸洗槽において普通鋼帯を電解によってカソードにする
ことにより酸化物スケールの除去効率を向上させること
ができるが、本発明ではなるべくエネルギーを節約する
ため、普通鋼帯の酸洗装置の入り口で普通鋼帯の温度を
上げるか酸洗液の温度をあげることにより除去効率を向
上するものである。
ルの溶解時間は、カソード電解を併用した場合の方が併
用しない場合と比較して数倍早くなる。またアノード領
域とカソード領域における酸化物スケールの溶解反応を
比較すると、酸化物スケールが多く残存する浸漬初期に
おいてはアノード領域の方が酸化物スケールの溶解反応
が速いが、酸化物スケールが少なくなる浸漬後期におい
てはその関係は逆転する。従って酸化物スケールの生成
した普通鋼をHCl溶液中で酸洗する工程において、連
続する酸洗槽のうち初期の酸洗槽において普通鋼帯を電
解によってアノードにし、連続する酸洗槽のうち後期の
酸洗槽において普通鋼帯を電解によってカソードにする
ことにより酸化物スケールの除去効率を向上させること
ができるが、本発明ではなるべくエネルギーを節約する
ため、普通鋼帯の酸洗装置の入り口で普通鋼帯の温度を
上げるか酸洗液の温度をあげることにより除去効率を向
上するものである。
【0028】間接通電の場合、連続する酸洗槽のうちの
第1槽目だけを電解する場合は、その前半に陰極電極を
配置し、その後半に陽極電極を配置する。連続する酸洗
槽のうちの複数の槽に電解をする場合は、酸洗工程の後
期に成るに従って槽内の陰極電極の数を減らし陽極電極
の数を増す。
第1槽目だけを電解する場合は、その前半に陰極電極を
配置し、その後半に陽極電極を配置する。連続する酸洗
槽のうちの複数の槽に電解をする場合は、酸洗工程の後
期に成るに従って槽内の陰極電極の数を減らし陽極電極
の数を増す。
【0029】本発明では、従来の酸洗のような低酸洗速
度を改善することができ、また従来のメカニカルな酸化
物スケールの除去のような除去の不完全さを改善するこ
とができ、酸化物スケールの除去速度,効率および酸化
物スケールの除去性能を格段に向上させることができ
る。
度を改善することができ、また従来のメカニカルな酸化
物スケールの除去のような除去の不完全さを改善するこ
とができ、酸化物スケールの除去速度,効率および酸化
物スケールの除去性能を格段に向上させることができ
る。
【0030】
(実施例1)以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1は、本発明になる熱間圧延普通鋼帯1の酸化物
スケール除去法の一実施例を示す。
る。図1は、本発明になる熱間圧延普通鋼帯1の酸化物
スケール除去法の一実施例を示す。
【0031】熱間圧延工程により表面に酸化物スケール
が生成した熱間圧延普通鋼帯1は、シャー2およびスケ
ールブレイカー3を経た後、4槽からなる希塩酸溶液を
有する酸洗槽4に導入される。1槽目の塩酸濃度は1.
5% 、で温度は70℃、以下2槽目は3%,95℃、
3槽目は5%,95℃、4槽目は7%,95℃になるよ
うに設定されている。希塩酸溶液はリザーブタンク14
で濃度調整され、ポンプ12で送り出される。この際ヒ
ーター13で塩酸溶液は95℃程度に加熱される。塩酸
溶液は第4槽から順次第1槽に脱スケールを行いながら
移動し、第1槽からヒーター15により引き出される。
が生成した熱間圧延普通鋼帯1は、シャー2およびスケ
ールブレイカー3を経た後、4槽からなる希塩酸溶液を
有する酸洗槽4に導入される。1槽目の塩酸濃度は1.
5% 、で温度は70℃、以下2槽目は3%,95℃、
3槽目は5%,95℃、4槽目は7%,95℃になるよ
うに設定されている。希塩酸溶液はリザーブタンク14
で濃度調整され、ポンプ12で送り出される。この際ヒ
ーター13で塩酸溶液は95℃程度に加熱される。塩酸
溶液は第4槽から順次第1槽に脱スケールを行いながら
移動し、第1槽からヒーター15により引き出される。
【0032】この様に第1槽目は、温度及び酸濃度とも
に低く単純な浸漬のみでは4つの酸洗槽4のうち一番酸
洗効率が低いために、電解を併用している。普通鋼帯1
に対向して複数の電極が設置され、その電極間に直流電
流が流される。直流電流は、直流電源9によって供給さ
れる。これにより普通鋼帯1に間接的に電流が流れる。
酸洗効率を上げるために前半においては普通鋼帯1がア
ノードになるように陰極電極7を設置し、後半において
は普通鋼帯1の素地の肌あれを防止するために普通鋼帯
1がカソードになるように陽極電極8を設置している。
ついで普通鋼帯1は第2槽,第3槽,第4槽の順に酸洗
槽を通過し、酸化物スケールが除去される。第2槽,第
3槽および第4槽は、第1槽と比較して温度および酸濃
度が高いために、第1槽めと同程度以上の酸洗効率が得
られている。第1槽目に使用する電極の構造の例を図2
に示した。電極の材料は、酸溶液中で使用することか
ら、チタンパラジウム被覆板あるいはチタン白金被覆板
などの不溶性電極が用いられるが、電解に使用する陰極
はカソード防食されるためパラジウムや白金等の貴金属
被覆を施さなくてもよい。電極の普通鋼帯に対する面に
は、電解によって発生する酸素または水素ガスを効率良
く逃がすために、複数の穴が開けられている。またこれ
により、対向する普通鋼帯を電解する面積を広くしたま
ま実質電極面積を小さくし電流密度をあげることが可能
となる。
に低く単純な浸漬のみでは4つの酸洗槽4のうち一番酸
洗効率が低いために、電解を併用している。普通鋼帯1
に対向して複数の電極が設置され、その電極間に直流電
流が流される。直流電流は、直流電源9によって供給さ
れる。これにより普通鋼帯1に間接的に電流が流れる。
酸洗効率を上げるために前半においては普通鋼帯1がア
ノードになるように陰極電極7を設置し、後半において
は普通鋼帯1の素地の肌あれを防止するために普通鋼帯
1がカソードになるように陽極電極8を設置している。
ついで普通鋼帯1は第2槽,第3槽,第4槽の順に酸洗
槽を通過し、酸化物スケールが除去される。第2槽,第
3槽および第4槽は、第1槽と比較して温度および酸濃
度が高いために、第1槽めと同程度以上の酸洗効率が得
られている。第1槽目に使用する電極の構造の例を図2
に示した。電極の材料は、酸溶液中で使用することか
ら、チタンパラジウム被覆板あるいはチタン白金被覆板
などの不溶性電極が用いられるが、電解に使用する陰極
はカソード防食されるためパラジウムや白金等の貴金属
被覆を施さなくてもよい。電極の普通鋼帯に対する面に
は、電解によって発生する酸素または水素ガスを効率良
く逃がすために、複数の穴が開けられている。またこれ
により、対向する普通鋼帯を電解する面積を広くしたま
ま実質電極面積を小さくし電流密度をあげることが可能
となる。
【0033】さらに普通鋼帯を経由しないで陰極と陽極
間に直接流れる損失電流を極力防ぐために、普通鋼帯に
対向しない面はテフロン等の絶縁物10で被覆されてい
る。この処理によって、熱間圧延によって生じた酸化物
スケールは、高効率且つ高速で除去される。さらに普通
鋼帯は水洗槽5で表面の塩酸が除去されたのち、ドライ
ヤー6で乾燥される。
間に直接流れる損失電流を極力防ぐために、普通鋼帯に
対向しない面はテフロン等の絶縁物10で被覆されてい
る。この処理によって、熱間圧延によって生じた酸化物
スケールは、高効率且つ高速で除去される。さらに普通
鋼帯は水洗槽5で表面の塩酸が除去されたのち、ドライ
ヤー6で乾燥される。
【0034】図3に従来法と本発明との比較を示す。本
発明による酸化物スケールの除去速度が11秒と一番早
い。酸洗層の長さを各酸洗方法で一律トータル93mと
した場合の酸洗処理速度を求めると、本発明では500
m/分という高速を達成している。酸洗層の長さを長く
することによって(すなわち酸に浸漬されている時間を
長くすることに対応する)従来の方法でも500m/分
を達成でき、従来法の中で一番酸洗速度の早い噴流方式
で酸洗槽の長さは108m、カテナリ方式においては1
66mとなる。このような長い酸洗槽は、酸処理設備や
そのコストおよび作業環境の悪化等で問題となる。
発明による酸化物スケールの除去速度が11秒と一番早
い。酸洗層の長さを各酸洗方法で一律トータル93mと
した場合の酸洗処理速度を求めると、本発明では500
m/分という高速を達成している。酸洗層の長さを長く
することによって(すなわち酸に浸漬されている時間を
長くすることに対応する)従来の方法でも500m/分
を達成でき、従来法の中で一番酸洗速度の早い噴流方式
で酸洗槽の長さは108m、カテナリ方式においては1
66mとなる。このような長い酸洗槽は、酸処理設備や
そのコストおよび作業環境の悪化等で問題となる。
【0035】図4には酸洗槽の長さが95m、酸洗処理
速度(通板速度)を500m/分とした場合の従来法と
本発明による酸化物スケール除去率を、表1には同一条
件での本発明による酸化物スケール除去状況および普通
帯の表面状態を示した。従来法では、このような高速通
板速度では、酸化物スケールの除去が不完全あるいは除
去後の普通鋼帯のくもり、表面あれが生じた。それに対
して本発明では酸洗処理速度を500m/分の高速にお
いての酸化物スケールの完全除去、平滑面の確保が可能
となった。なお、電解条件は電流密度が10A/dm2
である。
速度(通板速度)を500m/分とした場合の従来法と
本発明による酸化物スケール除去率を、表1には同一条
件での本発明による酸化物スケール除去状況および普通
帯の表面状態を示した。従来法では、このような高速通
板速度では、酸化物スケールの除去が不完全あるいは除
去後の普通鋼帯のくもり、表面あれが生じた。それに対
して本発明では酸洗処理速度を500m/分の高速にお
いての酸化物スケールの完全除去、平滑面の確保が可能
となった。なお、電解条件は電流密度が10A/dm2
である。
【0036】本発明の電解方式は、従来の酸洗槽に電極
等を取り付けるだけであるために、低コストで酸洗の性
能を向上させることが可能である。
等を取り付けるだけであるために、低コストで酸洗の性
能を向上させることが可能である。
【0037】表1は、第1槽目の酸洗槽に10本の電極
を設置し、うち陰極電極数5,陽極電極数を5とし、そ
の順序を入れ替えた場合の酸化物スケール除去状況およ
び普通鋼帯の表面状態を示したものである。電解条件は
電流密度が10A/dm2 、酸洗処理速度は500m/
分である。いずれの場合においても、表2に示すよう
に、酸化物スケール除去状況は良好であり、肌あれもな
く、速度の遅い場合のカテナリ方式での表面粗さと同等
の平滑面を呈していた。
を設置し、うち陰極電極数5,陽極電極数を5とし、そ
の順序を入れ替えた場合の酸化物スケール除去状況およ
び普通鋼帯の表面状態を示したものである。電解条件は
電流密度が10A/dm2 、酸洗処理速度は500m/
分である。いずれの場合においても、表2に示すよう
に、酸化物スケール除去状況は良好であり、肌あれもな
く、速度の遅い場合のカテナリ方式での表面粗さと同等
の平滑面を呈していた。
【0038】
【表1】
【0039】また、表1に示すように本実施例のNo.1
〜4における電極配置のようにアノード電極を下流側,
カソード電極を上流側にした場合にくらべ逆に入れ替え
た場合のNo.5〜8は、スケールは完全除去されるもの
の、若干の肌あれが生じ、カテナリ方式での表面粗さよ
り悪い。従って本実施例のNo.1〜4で示すように電極
は下流へ行くに従ってアノード電極の数を増した方が良
い品質の物が得られる。アノード電極の面積を増した場
合や長さを長くした場合についても同様の結果が得られ
る。上流側で鉄溶出を促し、下流側でスケールの溶出を
促すようにするのが良い。
〜4における電極配置のようにアノード電極を下流側,
カソード電極を上流側にした場合にくらべ逆に入れ替え
た場合のNo.5〜8は、スケールは完全除去されるもの
の、若干の肌あれが生じ、カテナリ方式での表面粗さよ
り悪い。従って本実施例のNo.1〜4で示すように電極
は下流へ行くに従ってアノード電極の数を増した方が良
い品質の物が得られる。アノード電極の面積を増した場
合や長さを長くした場合についても同様の結果が得られ
る。上流側で鉄溶出を促し、下流側でスケールの溶出を
促すようにするのが良い。
【0040】(実施例2)図5は、本発明になる熱間圧
延普通鋼帯の酸化物スケール除去法の他の実施例を示
す。本実施例は実施例1とは異なり、電解において普通
鋼帯1を電極とした直接通電法による酸化物スケール除
去法に関して示したものである。熱間圧延工程により表
面に酸化物スケールが生成した熱間圧延普通鋼帯1は、
4槽からなる塩酸を有する酸洗槽に導入される。実施例
1と同様に1槽目の塩酸濃度は1.5%、で温度は70
℃、以下2槽目は3%,95℃、3槽目は5%,95
℃、4槽目は7%,95℃になるように設定されてい
る。普通鋼帯1が第1槽目に入る際には、通電ロール1
1を介する。この通電ローラ11と酸洗槽4との間に直
流電流が印加される。普通鋼帯がアノードになるように
電流の向きを設定した場合、酸洗槽4が陰極となる。こ
の場合、第1槽目の酸洗槽はゴムライニング等の絶縁処
理を施さないが、1槽目の酸洗槽はカソードなるため
に、酸によって腐食することから防止することが可能と
なる。直接通電の場合、酸洗槽4の防食の観点から酸洗
槽4を陽極にすることはできない。普通鋼帯に直接電流
を流すために、電極間を直接電流が流れることはなく電
流効率が著しく向上するとともに、ジュール熱によって
液温が上昇するために、溶液を加熱するための熱源が不
要となる。本実施例では、表2に示すように、実施例1
で述べた装置と同程度の性能が示された。また図6に示
すように酸洗後期において、酸洗槽に陽電極を設置し
て、普通鋼帯と陽極間に電流を流し、普通鋼帯1をカソ
ードにすることにより、酸洗後期における酸化物スケー
ルの除去効率のアップおよび肌あれ防止も可能である。
延普通鋼帯の酸化物スケール除去法の他の実施例を示
す。本実施例は実施例1とは異なり、電解において普通
鋼帯1を電極とした直接通電法による酸化物スケール除
去法に関して示したものである。熱間圧延工程により表
面に酸化物スケールが生成した熱間圧延普通鋼帯1は、
4槽からなる塩酸を有する酸洗槽に導入される。実施例
1と同様に1槽目の塩酸濃度は1.5%、で温度は70
℃、以下2槽目は3%,95℃、3槽目は5%,95
℃、4槽目は7%,95℃になるように設定されてい
る。普通鋼帯1が第1槽目に入る際には、通電ロール1
1を介する。この通電ローラ11と酸洗槽4との間に直
流電流が印加される。普通鋼帯がアノードになるように
電流の向きを設定した場合、酸洗槽4が陰極となる。こ
の場合、第1槽目の酸洗槽はゴムライニング等の絶縁処
理を施さないが、1槽目の酸洗槽はカソードなるため
に、酸によって腐食することから防止することが可能と
なる。直接通電の場合、酸洗槽4の防食の観点から酸洗
槽4を陽極にすることはできない。普通鋼帯に直接電流
を流すために、電極間を直接電流が流れることはなく電
流効率が著しく向上するとともに、ジュール熱によって
液温が上昇するために、溶液を加熱するための熱源が不
要となる。本実施例では、表2に示すように、実施例1
で述べた装置と同程度の性能が示された。また図6に示
すように酸洗後期において、酸洗槽に陽電極を設置し
て、普通鋼帯と陽極間に電流を流し、普通鋼帯1をカソ
ードにすることにより、酸洗後期における酸化物スケー
ルの除去効率のアップおよび肌あれ防止も可能である。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例3)図7〜図10は熱間圧延普通
鋼帯を酸洗後冷間圧延する一貫製造装置の構成図であ
る。
鋼帯を酸洗後冷間圧延する一貫製造装置の構成図であ
る。
【0043】図7は入側コイルカーに巻回された鋼帯を
ウェルダーによって接合しながら連続的に送り出すよう
になっており、次いでブライドルローラによって鋼帯に
形成されているスケールに割れを形成させ、次いで曲率
半径の小さなロールを通してスケールを鋼帯より剥離す
るメカニカルスケールブレーカを通し、更に表面に付着
しているスケールをメカニカルブラシでこすり取った
後、図8の酸洗装置に送られる。
ウェルダーによって接合しながら連続的に送り出すよう
になっており、次いでブライドルローラによって鋼帯に
形成されているスケールに割れを形成させ、次いで曲率
半径の小さなロールを通してスケールを鋼帯より剥離す
るメカニカルスケールブレーカを通し、更に表面に付着
しているスケールをメカニカルブラシでこすり取った
後、図8の酸洗装置に送られる。
【0044】図8の酸洗装置は実施例1又は2に記載の
装置からなるものである。前述の如く、本実施例におけ
る酸洗速度は500m/分以上と高速で脱スケールが可
能となることから図9に示す冷間圧延を直接行うことが
できる。
装置からなるものである。前述の如く、本実施例におけ
る酸洗速度は500m/分以上と高速で脱スケールが可
能となることから図9に示す冷間圧延を直接行うことが
できる。
【0045】図9は酸洗された鋼帯をセンタリング装置
を経てタンデムに4スタンドに配列したHCミルによっ
て薄板が製造される。HCミルはバックアップロールと
ワークロールとの間に中間ロールが配置されたもので、
中間ロールの軸方向へ左右反対の移動によって被圧延材
の板厚の均一なものが得られるものである。本実施例で
用いる冷間圧延機には他UCミル,CVCミル,クロス
ミルなどが用いられ、これを組合せて用いることが出来
る。一例として、HCミルを前スタント,UCミルを後
列スタンドにした組合せ、CVCミルを前スタンド,H
Cミルを後列スタンドにした組合せ、クロスミルを前ス
タンド,HCミルを後列スタンドにした組合せがある。
を経てタンデムに4スタンドに配列したHCミルによっ
て薄板が製造される。HCミルはバックアップロールと
ワークロールとの間に中間ロールが配置されたもので、
中間ロールの軸方向へ左右反対の移動によって被圧延材
の板厚の均一なものが得られるものである。本実施例で
用いる冷間圧延機には他UCミル,CVCミル,クロス
ミルなどが用いられ、これを組合せて用いることが出来
る。一例として、HCミルを前スタント,UCミルを後
列スタンドにした組合せ、CVCミルを前スタンド,H
Cミルを後列スタンドにした組合せ、クロスミルを前ス
タンド,HCミルを後列スタンドにした組合せがある。
【0046】本実施例におけるワークロール,中間ロー
ル及びバックアップロールに複合ロールを用いることに
より、より一層高速の圧延が可能である。複合ロールは
軸材表面に軸材より高耐摩耗性を有する高合金鋼をエレ
クトロスラグ肉盛溶接によって微細炭化物を有する外層
材を形成したものである。軸材は重量でC0.2〜1.5
%,Si3%以下,Mn2%以下,Cr5%以下、又は
これにNi0.5% 以下,Mo1%以下を含む合金鋼が
用いられる。外層材は重量でC0.5〜1.5%,Si3
%以下,Mn2%以下,Cr2〜10%,Mo1〜10
%,W20%以下,V1〜5%,Co13%以下を含む
高合金鋼よりなり、HS硬さが80以上を有するように
低周波表面加熱焼入れ後強制的に急冷する焼入れ及び焼
戻しが施されたものである。
ル及びバックアップロールに複合ロールを用いることに
より、より一層高速の圧延が可能である。複合ロールは
軸材表面に軸材より高耐摩耗性を有する高合金鋼をエレ
クトロスラグ肉盛溶接によって微細炭化物を有する外層
材を形成したものである。軸材は重量でC0.2〜1.5
%,Si3%以下,Mn2%以下,Cr5%以下、又は
これにNi0.5% 以下,Mo1%以下を含む合金鋼が
用いられる。外層材は重量でC0.5〜1.5%,Si3
%以下,Mn2%以下,Cr2〜10%,Mo1〜10
%,W20%以下,V1〜5%,Co13%以下を含む
高合金鋼よりなり、HS硬さが80以上を有するように
低周波表面加熱焼入れ後強制的に急冷する焼入れ及び焼
戻しが施されたものである。
【0047】HSが80以上のものはワークロールとし
て使用され、中間ロールはそれより硬さが小さく、バッ
クアップロールは中間ロールより硬さを小さくするよう
に合金元素量が調整される。いずれもHS硬さで5〜1
0小さくするとよい。いずれのミルも4又は6段のロー
ルによって構成される。ワークロール及び中間ロール径
は同等であるが、バックアップロールはそれらより大き
い径のものが用いられる。
て使用され、中間ロールはそれより硬さが小さく、バッ
クアップロールは中間ロールより硬さを小さくするよう
に合金元素量が調整される。いずれもHS硬さで5〜1
0小さくするとよい。いずれのミルも4又は6段のロー
ルによって構成される。ワークロール及び中間ロール径
は同等であるが、バックアップロールはそれらより大き
い径のものが用いられる。
【0048】図10は冷間圧延された鋼帯を出側コイル
カーで巻取る構成図である。鋼帯はロータリー式スクラ
ッチチョッパによって適宜切断され、オイラを通ってカ
ローゼルテンションリールによって巻回される。
カーで巻取る構成図である。鋼帯はロータリー式スクラ
ッチチョッパによって適宜切断され、オイラを通ってカ
ローゼルテンションリールによって巻回される。
【0049】本実施例においても実施例と同様にスケー
ルが完全に除去されるとともに肌あれのないものが得ら
れる。
ルが完全に除去されるとともに肌あれのないものが得ら
れる。
【0050】(実施例4)図11は連続鋳造後続いて、
熱間圧延する一貫製造装置を示す構成図である。2台の
連続鋳造装置を交互に用いて20〜40mm厚さの薄板を
連続的に製造するので、その薄板を冷やさずに直接熱間
圧延するものである。連続鋳造された薄板はトランスフ
ァ装置を通して交互に圧延機に送られる。送られた薄板
はエッジャを通し、次いでエッジヒータで加熱され、シ
ャーで適宜切断され、HCミル熱間圧延される。熱間圧
延されたものは冷間装置を通して冷却され、図12に示
すブライドルローラ,メカニカルスケールブレーカ及び
メカニカルブラシを通って図8以降の酸洗装置に送られ
る。連続鋳造装置におけるスピードが酸洗スピードに達
しない場合には熱間圧延後冷却装置を通してカローゼル
テンションリールによって巻回され、その後に実施例3
に示す工程で酸洗される。
熱間圧延する一貫製造装置を示す構成図である。2台の
連続鋳造装置を交互に用いて20〜40mm厚さの薄板を
連続的に製造するので、その薄板を冷やさずに直接熱間
圧延するものである。連続鋳造された薄板はトランスフ
ァ装置を通して交互に圧延機に送られる。送られた薄板
はエッジャを通し、次いでエッジヒータで加熱され、シ
ャーで適宜切断され、HCミル熱間圧延される。熱間圧
延されたものは冷間装置を通して冷却され、図12に示
すブライドルローラ,メカニカルスケールブレーカ及び
メカニカルブラシを通って図8以降の酸洗装置に送られ
る。連続鋳造装置におけるスピードが酸洗スピードに達
しない場合には熱間圧延後冷却装置を通してカローゼル
テンションリールによって巻回され、その後に実施例3
に示す工程で酸洗される。
【0051】本実施例においても実施例1と同様にスケ
ールが完全に除去されるとともに肌あれの生じないもの
が得られる。
ールが完全に除去されるとともに肌あれの生じないもの
が得られる。
【0052】本実施例における連続鋳造機は冷却された
鋼板ベルト間に側端鋳型を設けた鋳型中に溶湯を注湯す
るゆり方、幅広の鋳型間に側端鋳型を設け、鋳造方向に
振動させて薄板を高速で鋳造するやり方等用いられる。
また、圧延用ロールは実施例3に示す複合ロールを用い
ることができる。
鋼板ベルト間に側端鋳型を設けた鋳型中に溶湯を注湯す
るゆり方、幅広の鋳型間に側端鋳型を設け、鋳造方向に
振動させて薄板を高速で鋳造するやり方等用いられる。
また、圧延用ロールは実施例3に示す複合ロールを用い
ることができる。
【0053】本実施例においては、熱間圧延後酸洗によ
って脱スケールして巻取るものであるが、巻取らずに実
施例3の図9及び図10と冷間圧延して巻取る連続鋳造
−熱間圧延−メカニカル脱スケール−酸洗−冷間圧延−
巻取りの連続一貫製造装置が可能となる。これにより効
率的な製造ができる。
って脱スケールして巻取るものであるが、巻取らずに実
施例3の図9及び図10と冷間圧延して巻取る連続鋳造
−熱間圧延−メカニカル脱スケール−酸洗−冷間圧延−
巻取りの連続一貫製造装置が可能となる。これにより効
率的な製造ができる。
【0054】もちろん酸洗初期において、酸洗槽に陰電
極を設置して、普通鋼帯と陰極間に電流を流し、普通鋼
帯1をアノードにしても良い。なお、図5において、第
1槽に間接通電のための電極を設けても良いし、図6に
おいて第1槽と第4槽に間接通電のための電極を設けて
も良い。
極を設置して、普通鋼帯と陰極間に電流を流し、普通鋼
帯1をアノードにしても良い。なお、図5において、第
1槽に間接通電のための電極を設けても良いし、図6に
おいて第1槽と第4槽に間接通電のための電極を設けて
も良い。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、熱間圧延普通鋼の酸化
物スケールを迅速に除去できるだけでなく、美麗でかつ
極めて表面状態の良好な普通鋼板が得られる効果があ
る。
物スケールを迅速に除去できるだけでなく、美麗でかつ
極めて表面状態の良好な普通鋼板が得られる効果があ
る。
【図1】本発明の一実施例になる脱スケールプロセスの
工程を示す概略図。
工程を示す概略図。
【図2】本発明の脱スケールプロセスに使用する電極構
造図を示す斜視図。
造図を示す斜視図。
【図3】本発明と従来法による酸洗時間の比較を示すグ
ラフ。
ラフ。
【図4】本発明と従来法による高速脱スケール率の比較
を示すグラフ。
を示すグラフ。
【図5】本発明の他の実施例になる脱スケールプロセス
の工程を示す概略図。
の工程を示す概略図。
【図6】本発明の一実施例になる脱スケールプロセスの
工程を示す。
工程を示す。
【図7】本発明の一実施例を示す脱スケール−冷間圧延
一貫製造装置の構成図。
一貫製造装置の構成図。
【図8】本発明の一実施例を示す脱スケール−冷間圧延
一貫製造装置の構成図。
一貫製造装置の構成図。
【図9】本発明の一実施例を示す脱スケール−冷間圧延
一貫製造装置の構成図。
一貫製造装置の構成図。
【図10】本発明の一実施例を示す脱スケール−冷間圧
延一貫製造装置の構成図。
延一貫製造装置の構成図。
【図11】本発明の一実施例を示す連続鋳造−熱間圧延
一貫製造装置の構成図。
一貫製造装置の構成図。
【図12】本発明の一実施例を示すメカニカル脱スケー
ル設備の構成図。
ル設備の構成図。
1…普通鋼帯、2…シャー、3…スケールブレイカー、
4…酸洗槽、5…水洗槽、6…ドライヤ、7…陰電極、
8…陽電極、9…直流電源、10…絶縁物、11…通電
ロール、12…ポンプ、13,15…ヒーター、14…
リザーブタンク。
4…酸洗槽、5…水洗槽、6…ドライヤ、7…陰電極、
8…陽電極、9…直流電源、10…絶縁物、11…通電
ロール、12…ポンプ、13,15…ヒーター、14…
リザーブタンク。
フロントページの続き (72)発明者 中村 恒雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (28)
- 【請求項1】普通鋼を熱間圧延機で圧延し、該圧延され
た普通鋼帯を酸溶液と接触して普通鋼帯の表面に生成し
たスケールを除去することを含む熱間圧延普通鋼帯の製
造法において、圧延機から出た普通鋼帯を複数の酸洗タ
ンク内の希塩酸溶液を60℃以上に保ち、該希塩酸溶液
を通板の下流から上流側へ移動させ該普通鋼帯に電流を
供給しかつ該普通鋼帯をタンクの上流側から下流側へ移
動させながら該普通鋼帯を酸洗することを特徴とする熱
間圧延普通鋼帯の製造方法。 - 【請求項2】請求項1において、上流側の酸洗タンクに
位置する普通鋼帯に電流を流すことを特徴とする熱間圧
延普通鋼帯の製造方法。 - 【請求項3】請求項1又は2において、温度が最も低い
前記希塩酸溶液を入れた酸洗タンクを通板する普通鋼帯
に電流を流すことを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の製造
方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記希
塩酸溶液を強制流動させるとともに通板する普通鋼帯の
両面に電流を流すことを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の
製造方法。 - 【請求項5】請求項1において、前記普通鋼帯の両面に
酸を強制流動させた後あるいはさせる前に普通鋼帯に電
流を流すことを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の製造方
法。 - 【請求項6】請求項4において、前記普通鋼帯の両面に
5−10A/dm2 の電流密度で電流を流すことを特徴
とする熱間圧延普通鋼帯の製造方法。 - 【請求項7】熱間圧延普通鋼帯の酸洗による脱スケール
方法において、複数の酸洗タンク内の希塩酸溶液を60
℃以上に保ち、該希塩酸溶液を通板の下流から上流側へ
移動させ該普通鋼帯に電流を供給しかつ該普通鋼帯をタ
ンクの上流側から下流側へ移動させながら該普通鋼帯を
酸洗することを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の脱スケー
ル方法。 - 【請求項8】請求項7において、上流側の酸洗タンクに
位置する普通鋼帯に電流を流すことを特徴とする脱スケ
ール方法。 - 【請求項9】請求項7又は8において、温度が最も低い
前記希塩酸溶液を入れた酸洗タンクを通板する普通鋼帯
に電流を流すことを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の脱ス
ケール方法。 - 【請求項10】請求項7〜9のいずれかにおいて、前記
希塩酸溶液を強制流動させるとともに通板する普通鋼帯
の両面に電流を流すことを特徴とする脱スケール方法。 - 【請求項11】請求項7において、前記普通鋼帯の両面
に酸を強制流動させた後あるいはさせる前に普通鋼帯に
電流を流すことを特徴とする脱スケール方法。 - 【請求項12】請求項10において、前記普通鋼帯の両
面に5−10A/dm2 の電流密度で電流を流すことを
特徴とする脱スケール方法。 - 【請求項13】熱間圧延普通鋼帯の酸洗による脱スケー
ル設備において、60℃以上に保たれた希塩酸溶液を入
れた複数の酸洗タンクと,該希塩酸溶液を通板の下流か
ら上流側へ移動させる手段と,該普通鋼帯をタンクの上
流側から下流側へ移動させる手段と,該普通鋼帯に電流
を供給する手段を有することを特徴とした熱間圧延普通
鋼帯の脱スケール設備。 - 【請求項14】請求項13において、熱間圧延普通鋼帯
の連続酸洗設備において、通板する普通鋼帯に電流を流
す手段を設けることを特徴とした熱間圧延普通鋼帯の脱
スケール設備。 - 【請求項15】請求項13又は14において、前記酸洗
タンクに陰電極及び陽電極を具備し、通板する普通鋼帯
に間接的に電流を流す手段を設けたことを特徴とする熱
間圧延普通鋼の脱スケール設備。 - 【請求項16】請求項13〜15のいずれかにおいて、
普通鋼帯に対向して陰電極または陽電極を設置するとと
もに、普通鋼帯を陽電極または陰電極とし、通板する普
通鋼帯に直接的に電流を流す手段を設けることを特徴と
する熱間圧延普通鋼の脱スケール設備。 - 【請求項17】請求項16において、鋼帯が通過する各
槽の最後の電極が陽電極であることを特徴とした熱間圧
延普通鋼帯の脱スケール設備。 - 【請求項18】請求項16において、鋼帯が通過する電
極におけるアノード電極の面積,長さ及び数の少なくと
も1つが酸洗の流れの下流側で増加することを特徴とす
る熱間圧延普通鋼帯の脱スケール設備。 - 【請求項19】熱間圧延機で圧延した普通鋼帯を供給す
る手段,該普通鋼帯を任意の長さに切断する手段,該普
通鋼帯に生成したスケールに対し機械的応力を与える手
段、該普通鋼帯と接触する酸溶液を貯蔵する複数のタン
ク,該普通鋼帯を該複数のタンクの該酸溶液に浸漬しな
がら通板する手段,該酸溶液を60℃以上に加熱する加
熱手段,該酸溶液を通板の下流から上流側へ移動させる
酸溶液移動手段,該普通鋼帯に電流を供給する手段,該
タンクから出た処理済み普通鋼帯を水洗する手段及び該
水洗された普通鋼帯を乾燥する手段を具備することを特
徴とする熱間圧延普通鋼帯の脱スケール設備。 - 【請求項20】請求項19において、該電流供給手段は
該鋼帯の通板の上流側に設けられていることを特徴とす
る熱間圧延普通鋼帯の脱スケール設備。 - 【請求項21】請求項19又は20において、該加熱手
段と該酸液移動手段は該タンク群からバイパスした系統
に設けられていることを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の
脱スケール設備。 - 【請求項22】普通鋼を熱間圧延機で圧延し、該圧延さ
れた普通鋼帯を酸溶液と接触して普通鋼帯の表面に生成
したスケールを除去することを含む熱間圧延普通鋼帯の
製造法において、前記圧延機から出た普通鋼帯表面のス
ケールを機械的に除去された後、該鋼帯を希塩酸溶液を
有する複数の酸洗タンク内に浸漬し、該希塩酸溶液を通
板の下流から上流側へ移動させ該普通鋼帯に電流を供給
しかつ該普通鋼帯をタンクの上流側から下流側へ移動さ
せながら該普通鋼帯を酸洗することを特徴とする熱間圧
延普通鋼帯の製造方法。 - 【請求項23】熱間圧延普通鋼帯の酸洗による脱スケー
ル方法において、前記熱間圧延普通鋼帯表面のスケール
を機械的に除去した後、該鋼帯を希塩酸溶液を有する複
数の酸洗タンク内に浸漬し、該希塩酸溶液を通板の下流
から上流側へ移動させ該普通鋼帯に電流を供給しかつ該
普通鋼帯をタンクの上流側から下流側へ移動させながら
該普通鋼帯を酸洗し、次いで該酸洗された普通鋼帯を冷
間圧延することを特徴とする熱間圧延普通鋼帯の脱スケ
ール冷間圧延連続一貫製造方法。 - 【請求項24】普通鋼薄板鋳物を連続鋳造機によって製
造し、該薄板を熱間圧延機で圧延し、該圧延によって得
られた熱間圧延普通鋼帯表面のスケールを機械的に除去
した後、該鋼帯を希塩酸溶液を有する複数の酸洗タンク
内に浸漬し、該希塩酸溶液を通板の下流から上流側へ移
動させ該普通鋼帯に電流を供給しかつ該普通鋼帯をタン
クの上流側から下流側へ移動させながら該普通鋼帯を酸
洗し、次いで該酸洗された普通鋼帯を冷間圧延すること
を特徴とする普通鋼帯の脱スケール圧延連続一貫製造方
法。 - 【請求項25】熱間圧延普通鋼帯の酸洗による脱スケー
ル設備において、前記熱間圧延普通鋼帯表面のスケール
を機械的に除去するメカニカルスケールブレーカと,希
塩酸溶液を入れた複数の酸洗タンクと,該希塩酸溶液を
通板の下流から上流側へ移動させる手段と,該普通鋼帯
をタンクの上流側から下流側へ移動させる手段と,該普
通鋼帯に電流を供給する手段と,該酸洗された普通綱帯
を冷間圧延する冷間圧延機を有することを特徴とした熱
間圧延普通鋼帯の脱スケール冷間圧延連続一貫製造設
備。 - 【請求項26】熱間圧延機と,該圧延された普通鋼帯表
面のスケールを機械的に除去するメカニカルスケールブ
レーカと,該希塩酸溶液を貯蔵する複数のタンク,前記
脱スケール後の普通鋼帯を該複数のタンクの該酸溶液に
浸漬しながら通板する手段,該酸溶液を加熱する手段,
該酸溶液を通板の下流から上流側へ移動させる手段,該
普通鋼帯に電流を供給する手段,該タンクから出た処理
済み普通鋼帯を水洗する手段及び該水洗された普通鋼帯
を乾燥する手段を具備することを特徴とする熱間圧延普
通鋼帯の圧延脱スケール連続一貫製造設備。 - 【請求項27】普通鋼薄板鋳物を製造する連続鋳造機
と,前記薄板鋳物を熱間圧延する熱間圧延機と,該圧延
された普通鋼帯表面のスケールを機械的に除去するメカ
ニカルスケールブレーカと,該希塩酸溶液を貯蔵する複
数のタンク,前記脱スケール後の普通鋼帯を該複数のタ
ンクの該酸溶液に浸漬しながら通板する手段,該酸溶液
を加熱する加熱手段,該酸溶液を通板の下流から上流側
へ移動させる手段,該普通鋼帯に電流を供給する手段,
該タンクから出た処理済み普通鋼帯を水洗する手段及び
該水洗された普通鋼帯を乾燥する手段,該乾燥した普通
鋼帯を冷間圧延する冷間圧延機を具備することを特徴と
する普通鋼帯の圧延脱スケール連続一貫製造設備。 - 【請求項28】前記冷間圧延機又は熱間圧延機は一対の
ワークロールを備えており、該ワークロールは軸受表面
に該軸材より硬さの大きい外層材が形成されている複合
ロールからなる請求項24又は25に記載の熱間圧延普
通鋼帯の脱スケール冷間圧延連続一貫製造設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06172309A JP3123353B2 (ja) | 1993-09-17 | 1994-07-25 | 熱間圧延普通鋼帯の製造法、脱スケール方法およびその設備 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-231255 | 1993-09-17 | ||
JP23125593 | 1993-09-17 | ||
JP06172309A JP3123353B2 (ja) | 1993-09-17 | 1994-07-25 | 熱間圧延普通鋼帯の製造法、脱スケール方法およびその設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138800A true JPH07138800A (ja) | 1995-05-30 |
JP3123353B2 JP3123353B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=26494705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06172309A Expired - Fee Related JP3123353B2 (ja) | 1993-09-17 | 1994-07-25 | 熱間圧延普通鋼帯の製造法、脱スケール方法およびその設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3123353B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101277234B1 (ko) * | 2006-11-02 | 2013-06-26 | 주식회사 포스코 | 냉연 소둔산세 설비의 전극 마모 방지장치 |
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---|---|---|---|---|
CN109877097A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-06-14 | 瓮福达州化工有限责任公司 | 湿法磷酸净化工艺用浓缩系统的清洗方法 |
-
1994
- 1994-07-25 JP JP06172309A patent/JP3123353B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101277234B1 (ko) * | 2006-11-02 | 2013-06-26 | 주식회사 포스코 | 냉연 소둔산세 설비의 전극 마모 방지장치 |
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---|---|
JP3123353B2 (ja) | 2001-01-09 |
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