JPH07138688A - アルミニウム合金鍛造部材 - Google Patents

アルミニウム合金鍛造部材

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JPH07138688A
JPH07138688A JP30476593A JP30476593A JPH07138688A JP H07138688 A JPH07138688 A JP H07138688A JP 30476593 A JP30476593 A JP 30476593A JP 30476593 A JP30476593 A JP 30476593A JP H07138688 A JPH07138688 A JP H07138688A
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cutting
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JP30476593A
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Shinji Teruda
伸二 照田
Yuichi Ozawa
雄一 小沢
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 VTRのドラム用に使用される熱処理型アル
ミニウム合金が鋳造後冷間鍛造までの間に時効しないよ
うにして鍛造性を高め、鍛造後の熱処理により十分硬化
するようにし、かつ切削性を良好にする。 【構成】 Si:0.1〜3.0%、Cu:1〜5%、
Mg:0.3〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%とN
i:0.1〜3.0%の1種又は2種、Fe:0.1〜
1.0%及びTi0.005〜0.20%を含有し、F
e,Mn及びNiの含有量(%)が1≦Fe(%)+M
n(%)+Ni(%)≦5の関係式を満足し、かつM
g,Si,Fe及びMnの含有量(%)が[Mg(%)
−1.73{Si(%)−0.5(Fe(%)+Mn
(%))}]≦0.4を満足し、残部がAl及び不可避
的不純物からなり、ネットワーク状金属間化合物組織を
有するアルミニウム合金鍛造部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷間鍛造アルミニウ
ム合金に関するものであり、さらに詳しく述べるなら
ば、冷間鍛造性にすぐれ、鍛造後の熱処理による硬化が
大きく、切削性にも優れたアルミニウム合金鍛造部材に
関するものである。この発明の合金部材は、磁気テープ
の接触部品である例えばVTRシリンダーすなわちテー
プ案内用固定又は回転ドラム、あるいはOA機器のコネ
クテティングロッドなどの冷間鍛造により製造される部
品に用いられ、冷間鍛造性及び耐摩耗性さらに好ましく
は切削性が優れたアルミニウム合金部材である。
【0002】
【従来の技術】従来、VTRのドラムなど磁気テープ接
触部品は鍛造により製造され、またその素材であるアル
ミニウム合金としては2218合金(Si:0.9%,
Cu:3.5〜4.5%,Mg:1.2〜1.8%,F
e:1%,Mn:0.2%)が典型的なものであった。
この合金は、磁気テープに対する耐摩耗性、テープ走行
性、機械的強度及び切削性が良好であるのでVTRシリ
ンダーとして適しているとされていた。
【0003】冷間鍛造用アルミニウム合金としては特公
平2−56416号で提案されている如き非熱処理型合
金、すなわち焼入及び焼戻を行わない合金と、特開平3
−39453号、特開平3−39454号で提案されて
いる熱処理型合金に分けられる。本発明は後者に属する
ものである。冷間鍛造性を改良した熱処理型アルミニウ
ム合金は、特開平3−39454号にて提案されてお
り、その組成は、Mg:0.3〜1.8%、Si:0.
1〜0.9%,Cu:3〜4.5%を含有するもの、及
び特開平3−39441号にて提案されているように、
さらに,Cr:0.02〜0.18%,Zr:0.02
〜0.18%を含有するものである。前者のアルミニウ
ム合金は、鍛造前にO処理を施し、その後の冷却速度を
制御して組織調整を行い、鍛造時の硬度を低くして冷間
鍛造性を向上させ、また時効硬化を利用して耐摩耗性を
付与している。また、後者の合金はCr,Zrを使用し
て結晶の微細化を図り以て鍛造性を改良している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように2218
合金は優れた性能を示しまた冷間鍛造が可能であるが、
6061合金等より硬いために、VTRシリンダーを多
数個連続鍛造すると金型の寿命が短くなる。さらに、鋳
造された2218合金は均熱処理後徐冷、面削、切断、
潤滑剤塗布の処理を順次経た後に鍛造に供されるが、均
熱処理後短時間で鍛造を施さないと常温時効が起こって
冷間鍛造ができなくなるために、通常切断後O処理を行
って冷間鍛造に供される。
【0005】しかしながらO処理を施された2218合
金はCu含有量が高いため、鍛造まで例えば数10日あ
るいは1カ月以上放置すると時効が起こって冷間加工性
が劣化する。これに対して、本発明は、鋳造材料を均熱
処理後にほとんど常温時効しない状態で鍛造し、かつ強
度や耐摩耗性は従来と同等レベルのアルミニウム合金鍛
造部材を提供することを第一の目的とする。
【0006】また、前述のように従来遅時効性アルミニ
ウム合金が提案されているが、これらの成分系は基本的
にはAl−Mg−Si系であり、Cu含有量が低くく、
時効性がさほど高くはなく、また基本系に重金属元素で
あるMnを強化元素として添加しているが、冷間鍛造性
を確保するためにその上限を0.3%又は0.6%に制
限している。このような組成のアルミニウム合金を冷間
鍛造後切削すると切り粉の処理性が悪く、切削性が優れ
ない。これに対して、本発明は、ほとんど常温時効しな
いために鍛造時には柔らかく、強度や耐摩耗性は従来と
同等レベルであり、かつ特定の晶出物を生成させること
により機械加工時の切削性に優れたアルミニウム合金鍛
造部材を提供することを第二の目的とする。
【0007】一般に、アルミニウム合金では晶出物を特
定のものとして切り粉を分断させると、工具の寿命が短
くなることがあると言われる。よって本発明は、第二の
目的を達成するとともに切削工具に構成刃先を生ぜず切
削工具の寿命を長く保つことができるアルミニウム合金
鍛造部材を提供することを第三の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
冷間鍛造アルミニウム合金部材は、重量百分率で、S
i:0.1〜3.0%、Cu:1〜5%、Mg:0.3
〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%とNi:0.1〜
3.0%のうち1種又は2種、Fe:0.1〜1.0%
及びTi0.005〜0.20%を含有し、Fe,Mn
及びNiの含有量(%)が1≦Fe(%)+Mn(%)
+Ni(%)の関係式を満足し、かつMg,Si,Fe
及びMnの含有量(%)が[Mg(%)−1.73{S
i(%)−0.5(Fe(%)+Mn(%))}]≦
0.4を満足し、残部がAl及び不可避的不純物からな
り、Fe,Mn,Ni等を多量に添加しネットワーク状
金属間化合物晶出物を含むものを基本とする。本発明の
合金部材は、冷間鍛造性と切削性が優れ、鍛造後の熱処
理による硬化が大きいことを特徴とする。
【0009】
【作用】以下本発明における合金組成の限定理由を説明
する。SiはMgとともにMg2 Siとして時効析出し
合金強度を高めかつ耐摩耗性を向上する。Siの含有量
が0.1%未満ではこれらの効果がなく、3%を超える
と時効析出硬化は飽和しまた切削時バイト摩耗を促進し
てその寿命を縮める。したがってSiの含有量は0.1
〜3%の範囲内とする必要がある。
【0010】Cuは、Al,MgとともにAl−Cu−
Mg系金属間化合物として析出し、合金強度を高める。
Cuの含有量が1%未満では時効硬化の効果が発揮され
ず、5%を超えると時効硬化が飽和しまた耐食性が悪化
するようになる。したがって、Cuの含有量は1〜5%
の範囲内とする必要がある。
【0011】Mgは,Siとともに時効によりMg2 S
iとして析出し、さらにCu−AlとともにAl−Cu
−Mg系金属間化合物として析出し、合金強度を高め
る。Mgの含有量が0.3%未満では時効硬化の効果が
発揮されない。一方Mgが2.0%を超えるとMg2 S
iは完全に固溶せず、粗大な化合物相として合金中に存
在し、冷間鍛造部材を切削する時にバイトに接触して容
易に破壊され、表面欠陥となる。したがって、Mgの含
有量は0.3〜2.0%の範囲内とする必要がある。
【0012】Mnは熱処理過程で再結晶の核として働
き、結晶粒の微細化をもたらす。また、MnとFe,S
iとの共存下で生じる晶出化合物が本発明において重要
である。通常の鋳造においてデンドライト間にネットワ
ーク状に晶出する化合物の存在により、切削加工時の切
り粉の処理性が良くなる。さらに数μm程度の微細な晶
出物が多く存在することにより、バイトのクリーニング
効果が期待でき、構成刃先の形成を抑えられる。さら
に、T6処理時の再結晶粒の微細化、耐摩耗性の向上も
期待できる。Mnを単独使用する場合、その添加量は
0.1%以下ではその効果も少なく、逆に1%を超える
と巨大晶出物が発生する可能性があり、Mn単独使用す
る場合その添加量では切削加工表面の欠陥となる。
【0013】NiはAl中への固溶量が少なく、Cu,
Feとの共存下で生じる晶出物は耐摩耗性の向上に寄与
する。Mnと同様デンドライト間にネットワーク状に晶
出するNiの化合物は切削性の向上に寄与する。Ni添
加量は0.1%未満では耐摩耗性への寄与が認められ
ず、またネットワークも晶出しないので切削性も改善さ
れない。Ni量が3.0%を超えるとネットワーク組織
は認められるが、耐食性が著しく悪くなる。よってNi
添加量は単独使用の場合は0.1〜3.0%が適当であ
る。
【0014】FeはMn,Niと同様Si,Mgの共存
下で金属間化合物として晶出し、耐摩耗性の向上に寄与
する。FeはAl地金から0.8%を上限として、不可
避的不純物として混入してくるが、耐摩耗性、切削性の
観点から不純物を加味して0.1〜1.0%の範囲にと
どめるべきである。1.0%を超えると鋳造の際に割れ
の原因となる。
【0015】以上説明したとおり、Fe,Mn,Niは
Si,Mgの共存下で金属間化合物として晶出し、耐摩
耗性の向上や切削性の向上に寄与する。これらのうち、
FeはAl地金から必ず入ってくるが、その他にMn又
はNiの内少なくとも1種を使用して鋳造性や鍛造性を
損なうことなく切削性を改善することができる。Fe,
Mn,Niを含む微細な金属間化合物のネットワーク組
織を得るには(Fe+Mn+Ni)の合量を1%以上に
する必要がある。切削性を重視する場合はMnのみを使
用し、好ましくはMn:0.7〜1.0%を使用するの
が好ましい。耐摩耗性を重視する場合はMnよりもむし
ろNiを使用するのが良い。耐摩耗性と切削性をバラン
ス良く具備させるにはMnとNiの双方を共用するのが
よい。
【0016】耐摩耗性や切削性向上に寄与するFe,M
n,Niを含む金属間化合物はSi,Mnとの共存下で
晶出する。Mg及びSiはインゴットの均熱・徐冷中に
最も結合し易く、結合してMg2Si化合物相となる。
その量比はMg:Si=1.73:1であるので、下記
(1)式は均熱・徐冷中に結合しない残存Mg量を表
す。 残存Mg量=Mg(%)−1.73×有効Si(%) ・・・・・(1) ここで、Fe,Mnを含む場合有効Si(%)とは、F
e,Mnが晶出する時もしくは均熱時にこれらの化合物
生成に消費されるSi量を差し引いたものであり、
(2)式で計算される。 有効Si(%)=Si(%)−0.5{(Fe(%)+Mn(%)} ・・・・・(2) Niのみを添加した場合はNi量は(2)式の計算には
影響せずFe量のみを考慮すればよい。
【0017】(1)式で表される量関係にあるMgとS
i量は均熱・徐冷中に結合するために、鋳造後冷間鍛造
までの時効硬化には関係しないと考えてよい。これに対
して、残存Mg量で表されるMgは鋳造後冷間鍛造まで
に常温でCuと結合してAl−Cu−Mg系G.P.ゾ
ーンを形成して硬化する。すなわち、残存Mg量>0は
G.P.ゾーン形成の駆動力に相当する。残存Mg量>
0であるAl−Cu−Mg−Si系合金でAl−Cu−
Mgの析出を終了させるためには無限長の徐冷時間が必
要であり、通常10℃/h程度の冷却速度で行われる冷
却ではCu,Mgの固溶量が下がり切らない、すなわち
析出が遅れる。残存Mg量が0.4%を超えると、G.
P.ゾーンが容易に形成されるために、冷間鍛造の前に
硬化が起こり易い。これに対して残存Mg量を0.4%
以下とすることによりG.P.ゾーンが形成されても硬
化の程度は小さく、冷間鍛造までに軟質状態を保つこと
ができる。本発明による有効Si含有量とMg含有量と
の関係を図1に示す。
【0018】MnとNiの何れか一方又は両方とFe
を,Mg及びSiとともに合金中に含有させることによ
り晶出化合物が生成する。これらの晶出化合物は冷間鍛
造後も存在し、耐摩耗性を向上させまた結晶粒子を微細
に保つことにより強度を向上させる。これらの元素は下
限0.1%未満、Niを含めた合計量で1%未満ではネ
ットワーク状に晶出しないためにこれらの効果がなく、
一方Fe,Mnが1.0%を超えると晶出物が粗大化し
て、合金が脆くなる。
【0019】MnとNiの何れか一方又は両方とFe
が,Mg及びSiとともに合金中に含有されることによ
り生成する晶出化合物は、α- Alのデンドライトの間
特にデンドライト境界に晶出してネットワーク状形態を
呈する。すなわち合金断面視で表れる晶出物のうち近接
するものを順次つないだ曲線が網目状になる。またこれ
ら晶出化合物は均熱処理によってもほとんど固溶せず、
鋳造時の形態を維持し、また押出しなどの方向性が強い
加工を経なければ冷間鍛造後の素材にも残存している。
このようなネットワーク状晶出化合物の存在により切削
加工時切り粉が被加工材から離れ易くなり、また切り粉
どうしも分断され切削性が向上する。ネットワーク状晶
出物は上述のようにFe,Mn及びNi含有量を限定す
ることにより通常の鋳造条件で生成されるが、好ましく
は冷却速度が早い連続鋳造を行うことによりネットワー
ク構造が顕著になる。
【0020】Tiは、微量の添加により鋳造組織を粒状
・微細化して冷間鍛造性を高める。Tiの含有量が0.
005%未満であるとその効果が得られず、また0.2
%を超えると初晶TiAl3 が晶出して切削表面欠陥と
なる。したがって、Tiの含有量は0.005〜0.2
%の範囲内とする必要がある。
【0021】本発明は上記組成を基本成分とするが、こ
れに0.0001〜0.05%のBを添加してもよい。
Bは、微量の添加により鋳造組織を粒状・微細化して冷
間鍛造性を高める。Bの添加量が1ppm未満ではその
効果がなく、500ppmを超えるとTiB2 の粗大粒
子が混入して切削加工表面の欠陥となる。したがって、
Bの添加量は1〜500ppmである必要がある。
【0022】上記成分以外は本発明においては不純物元
素であり、その中にはCr,Zr,Sn,Pb,Biの
ように本発明の合金成分の効果を実質的に劣化させるこ
となく公知の作用を発揮するものも含まれる。すなわ
ち、0.3%以下のCr,Zrは耐摩耗性の向上と再結
晶粒の微細化にある程度有効であり、初晶化合物を生成
しない。2%未満のPb,Sn,Bi切削時の切り粉の
分断性を若干向上させる。
【0023】
【作用】本発明は、Fe,Mn,Niを含む金属間化合
物のネットワークを利用して切削性を改善するものであ
る。MnとNiの何れか一方又は両方とFeを含む上記
のネットワーク晶出物とは別にかつこれより平均寸法で
微細に多数存在させることにより、微細晶出化合物がバ
イトをクリーニングして構成刃先の形成を抑える効果が
期待できる。さらに、これら微細晶出化合物がT6 処理
時に形成される再結晶組織を微細化する効果及び製品の
耐摩耗性向上効果も期待することができる。これらの微
細化合物はインゴットを均熱処理することに鋳造時に晶
出する化合物より平均寸法で小さく形成することができ
る。微細化合物の寸法は典型的には数μm〜サブμmで
ある。以下、実施例により本発明を説明する。
【0024】
【実施例】表1に組成を示す合金を溶製し、直径67m
mのインゴットに連続鋳造したもの及び直径8インチの
ビレットに鋳造して直径62.5mmの丸棒に熱間押出
したものを素材とし、厚さ9.5mmに切断し、切断素
材をO処理し後VTRドラム用に冷間鍛造し、T6 処理
を施した後目標仕上粗さ(Ra =0.5μm以下)の表
面に切削してVTRドラムを得た。詳細な工程を図2に
示す。
【0025】
【表1】 試験に供した合金組成(重量%) No. Si Cu Mg Fe Ni Mn Ti B 残存Mg 備考 1 0.4 3.6 0.6 0.2 1.7 − 0.01 0.0005 0.1 発明例 2 1.0 3.6 1.3 0.2 1.7 − 0.01 − 0 発明例 3 1.0 3.6 0.6 0.4 − 0.8 0.01 0.0005 0 発明例 4 1.0 3.6 0.6 0.4 1.0 0.8 0.01 0.0005 0.1 発明例 5 0.5 3.6 1.3 0.2 1.7 − 0.01 0.0005 0.6 比較例 6 0.4 3.6 0.6 0.2 1.7 − − − 0.1 比較例 7 0.4 3.6 0.2 0.2 1.7 − 0.01 0.0005 0.1 比較例 8 0.4 0.4 0.6 0.2 1.7 − 0.01 0.0005 0.1 比較例 9 0.4 3.6 2.5 0.2 1.7 − 0.01 0.0005 2.0 比較例 10 5.0 3.6 0.6 0.2 1.7 − 0.01 0.0005 0 比較例 11 0.4 3.6 0.6 0.4 − 0.8 0.01 0.0005 0.6 比較例 12 0.4 3.6 0.6 0.2 − − 0.01 0.0005 0.1 比較例
【0026】表1において、No.5は2218合金で
あり、残存Mg量が多く本発明の範囲外のものである。
No.6はTi,Bがなく、鋳造組織が柱状組織であっ
た。No.7はMg含有量が少なく、No.8はCu含
有量が少ない。No.9はMg含有量が多いために粗大
Mg2 Siが発生した。No.10はSi含有量が多
い。No.11は残存Mgが本発明の範囲外である。N
o.12はMn,Niが含有されていない。表2に試験
に供した試料が連続鋳造か押出かの区分及び性能の評価
を示す。
【0027】
【表2】 製法 net 硬度(Hf) 鍛造 T6硬度 切削性 表面 備考 No. 区分 work O処理後 1月後 性 HRB 欠陥 1A 連鋳 ○ 28 32 ○ 75 ○ ○ 発明例 1B 押出 × 28 28 ○ 70 × ○ 比較例 2 連鋳 ○ 35 35 ○ 75 ○ ○ 発明例 3 連鋳 ○ 35 37 ○ 70 ○ ○ 発明例 4 連鋳 ○ 37 37 ○ 70 ○ ○ 比較例 5 連鋳 ○ 50 65 × 70 ○ ○ 比較例 6 連鋳 ○ 30 32 △ 75 ○ ○ 比較例 7 連鋳 ○ 28 28 ○ 60 × × 比較例 8 連鋳 ○ 28 28 ○ 65 × × 比較例 9 連鋳 ○ 55 70 × 70 ○ × 比較例 10 連鋳 ○ 40 40 ○ 75 × ○ 比較例 11 連鋳 ○ 35 50 △ 70 ○ ○ 比較例 12 連鋳 △ 30 32 ○ 75 × × 比較例
【0028】ネットワーク組織が存在する(○)、不存
在である(×)、あるいは明瞭でない(△)のいずれか
の状態はT6 処理後の観察により確定した。2218合
金に相当するNo.5およびNo.9はO処理後の硬度
が高すぎるために、VTRドラムとして所定の寸法、形
状が得られなかった。No.6は冷間鍛造による成形は
可能であったが、割れが起こった。No.11は冷間鍛
造による成形は可能であったが、金型寿命が短かった。
No.1Bは冷間鍛造性は良好であったが切り粉の処理
性が不良であった。No.7,8はCu,Mgの量が少
ないためにT6 処理の強度が低くくまた構成刃先が形成
されバイトの寿命が短くなった。さらに構成刃先により
切削表面に筋が発生し、表面性状が不良であった。N
o.10はSi量が多く、切削時のバイト摩耗が大きく
バイト寿命が短かった。No.12は晶出物の源である
Fe,Ni,Mnの合計量が少ないためにネットワーク
構造が顕著でなく切り粉の処理性が不良であり、晶出物
が少ないためにクリーニング効果が得られず構成刃先が
形成されバイトの寿命が短くなり、切削表面に筋が発生
した。No.1A,2,3,4は本発明の実施例であ
り、すべての性能が良好であった。
【0029】図3及び4はそれぞれNo.1B(押出状
態)及びNo.1A(鍛造状態)の顕微鏡組織を示す
(倍率150倍)。図3では、晶出物は押出方向に配列
されている。このような組織の晶出物は切り粉の処理性
を改善する効果をもたない。図4では、ネットワーク状
晶出物が見られる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、冷
間鍛造前の室温長期放置においても時効による硬度上昇
が全くないか、あるいはあっても極めて少ない。このた
めに本発明のアルミニウム合金は柔らかい状態で冷間鍛
造することができ、鍛造の効率が良く、成形形状が自在
でありかつ金型寿命も長い。さらに、冷間鍛造後T6 処
理をすることによりAl−Cu−Mg系金属間化合物及
びMg2 Si系金属間化合物を析出させ、強度を従来の
合金と同等にあるいは同等以上に高めることができる。
加えてFe,Mn,Niなどの晶出物をネットワーク状
に保つことによっても強度を高め、耐摩耗性を高めると
ともに、切削性を改良することができる。
【0031】さらに、本発明によると、切り粉の処理性
が良好になるので、VTR等の部品の切削能率を高める
ともに表面の仕上げ粗さを小さくし、画像の再生・録画
性能の向上が期待される。また、VTR等の部品の表面
欠陥が少なくなるので、部品の仕上面が極めて平滑にな
り、この結果画像の再生・録画性能の一層の向上が期待
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における有効Si含有量とMg含有量の
範囲を示すグラフである。
【図2】本発明において試験に供した材料の加工及び処
理工程を示すフローチャートである。
【図3】比較例にかかるアルミニウム合金の実施例の金
属組織を示す写真である(倍率150倍)。
【図4】本発明にかかるアルミニウム合金の金属組織を
示す写真である(倍率150倍)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量百分率で、Si:0.1〜3.0
    %、Cu:1〜5%、Mg:0.3〜2.0%、Mn:
    0.1〜1.0%とNi:0.1〜3.0%のうち1種
    又は2種、Fe:0.1〜1.0%及びTi:0.00
    5〜0.20%を含有し、Fe,Mn及びNiの含有量
    (%)が1≦Fe(%)+Mn(%)+Ni(%)の関
    係式を満足し、かつMg,Si,Fe及びMnの含有量
    (%)が[Mg(%)−1.73{Si(%)−0.5
    (Fe(%)+Mn(%))}]≦0.4の関係式を満
    足し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、ネット
    ワーク状金属間化合物晶出物を含むことを特徴とするア
    ルミニウム合金鍛造部材。
  2. 【請求項2】 重量百分率で、Si:0.1〜3.0
    %、Cu:1〜5%、Mg:0.3〜2.0%、Mn:
    0.1〜1.0%とNi:0.1〜3.0%のうち1種
    又は2種、Fe:0.1〜1.0%、Ti:0.005
    〜0.20%、及びB:0.0001〜0.05%を含
    有し、Fe,Mn及びNiの含有量(%)が1≦Fe
    (%)+Mn(%)+Ni(%)の関係式を満足し、か
    つMg,Si,Fe及びMnの含有量(%)が[Mg
    (%)−1.73{Si(%)−0.5(Fe(%)+
    Mn(%))}]≦0.4の関係式を満足し、残部がA
    l及び不可避的不純物からなり、ネットワーク状金属間
    化合物晶出物を含むことを特徴とするアルミニウム合金
    鍛造部材。
JP30476593A 1993-11-10 1993-11-10 アルミニウム合金鍛造部材 Pending JPH07138688A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110139926A (ko) * 2010-06-24 2011-12-30 현대자동차주식회사 실린더 헤드용 알루미늄 합금 조성물
KR101356162B1 (ko) * 2011-10-13 2014-01-24 기아자동차주식회사 고온강도가 향상된 알루미늄합금

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