JPH07138219A - トラネキサム酸と直鎖アミノカルボン酸とのアミド体およびその塩ならびにこれらを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

トラネキサム酸と直鎖アミノカルボン酸とのアミド体およびその塩ならびにこれらを含有する皮膚外用剤

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JPH07138219A
JPH07138219A JP30722193A JP30722193A JPH07138219A JP H07138219 A JPH07138219 A JP H07138219A JP 30722193 A JP30722193 A JP 30722193A JP 30722193 A JP30722193 A JP 30722193A JP H07138219 A JPH07138219 A JP H07138219A
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Masaru Suetsugu
勝 末継
Masami Onuma
真美 大沼
Yoshihiro Morikawa
良広 森川
Yuki Shibata
由記 芝田
Rumiko Kako
留美子 加来
Kanemoto Kitamura
謙始 北村
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1で表されるトラネキサム酸と
直鎖アミノカルボン酸とのアミド体およびその塩、なら
びにそれらを含有する皮膚外用剤。 【化1】 【効果】 優れた美白効果および肌荒れ防止、改善効果
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚美白効果および肌荒
れ防止、改善効果を有する新規なトラネキサム酸と直鎖
アミノカルボン酸とのアミド体およびその塩ならびにこ
れらの化合物を有効成分として含有する皮膚美白効果お
よび肌荒れ防止、改善効果に優れた皮膚外用剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】皮膚のしみなどの発生機序については一
部不明な点もあるが、一般には、ホルモンの異常や日光
からの紫外線の刺激が原因となってメラニン色素が形成
され、これが皮膚内に異常沈着するものと考えられてい
る。この様なしみやあざの治療法にはメラニンの生成を
抑制する物質、例えば、ビタミンCを大量に投与する方
法、グルタチオン等を注射する方法あるいはコウジ酸、
システイン等を軟膏、クリ−ム、ロ−ションなどの形態
にして、局所に塗布するなどの方法がとられている。ま
た、欧米ではハイドロキノン製剤が医薬品として用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の化合物はハイドロキノンを除いてはその効果の発現が
きわめて緩慢であるため、美白効果が十分でなく、一方
ハイドロキノンは効果は一応認められているが、感作性
があるため一般には使用が制限されている。
【0004】このような事情に鑑み、本発明者らは鋭意
研究を重ねた結果、新規なトラネキサム酸と直鎖アミノ
カルボン酸とのアミド体およびその塩がハイドロキノン
以上に美白効果を発揮すること、さらに、肌荒れ防止、
改善効果を有することを認め、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は下記
一般式化2で表されるトラネキサム酸と直鎖アミノカル
ボン酸とのアミド体およびその塩ならびにこれらを含有
することを特徴とする皮膚外用剤である。
【0006】
【化2】
【0007】以下、本発明の構成について詳述する。本
発明に係るトラネキサム酸と直鎖アミノカルボン酸との
アミド体およびその塩は新規化合物であり、例えば、次
の方法により合成することができる。
【0008】すなわちトラネキサム酸またはその反応性
誘導体に直鎖アミノカルボン酸を反応させることにより
トラネキサム酸の直鎖アミノカルボン酸アミドが製造さ
れる。トラネキサム酸の反応性誘導体としては酸クロラ
イド、酸ブロマイドのような酸ハライド、p−ニトロフ
ェニルエステル、N−ヒドロキシスクシイミドエステル
のような活性エステル、混合酸無水物等が好ましい。反
応は反応に関与しない溶媒、例えば、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、ベン
ゼン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中で、1〜8
時間、室温〜溶媒の沸点で反応させるのが好ましい。ト
ラネキサム酸をそのまま反応させる場合にはジシクロヘ
キシルカルボジイミド等の縮合剤を共存させるのが好ま
しい。また、トラネキサム酸のアミノ基を適当な保護
基、例えば、ベンジルオキシカルボニル基等によって保
護しておき、アミド化後に該保護基を接触還元等により
脱離してもよい。また、直鎖アミノカルボン酸のカルボ
キシル基を適当な保護基、例えば、ベンジル基等によっ
て保護しておき、アミド化後に該保護基を接触還元等に
より脱離してもよい。
【0009】上記の如くして製造された本発明化合物は
所望により塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸
塩、あるいは酢酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、酒石
酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸等の有機酸塩、あるいはナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等
の無機塩あるいはモノエタノ−ルアミン、ジエタノ−ル
アミン、トリエタノ−ルアミン等の有機塩とすることが
できる。
【0010】具体的に物質名を例示すれば、N−(トラ
ンス−4−アミノメチル−1−シクロヘキシルカルボニ
ル)グリシン、N−(トランス−4−アミノメチル−1
−シクロヘキシルカルボニル)グリシン塩酸塩、3−
(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシ
ルカルボニルアミノ)プロピオン酸、3−(トランス−
4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニル
アミノ)プロピオン酸塩酸塩、3−(トランス−4’−
アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミ
ノ)プロピオン酸ナトリウム、4−(トランス−4’−
アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミ
ノ)ブタン酸、4−(トランス−4’−アミノメチル−
1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)ブタン酸塩酸
塩、4−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シク
ロヘキシルカルボニルアミノ)ブタン酸カリウム、5−
(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシ
ルカルボニルアミノ)ペンタン酸、5−(トランス−
4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニル
アミノ)ペンタン酸塩酸塩、5−(トランス−4’−ア
ミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)
ペンタン酸ナトリウム、6−(トランス−4’−アミノ
メチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)ヘキ
サン酸、6−(トランス−4’−アミノメチル−1’−
シクロヘキシルカルボニルアミノ)ヘキサン酸塩酸塩、
6−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘ
キシルカルボニルアミノ)ヘキサン酸カリウム、7−
(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシ
ルカルボニルアミノ)ヘプタン酸、7−(トランス−
4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニル
アミノ)ヘプタン酸塩酸塩、7−(トランス−4’−ア
ミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)
ヘプタン酸ナトリウム、8−(トランス−4’−アミノ
メチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)オク
タン酸、8−(トランス−4’−アミノメチル−1’−
シクロヘキシルカルボニルアミノ)オクタン酸塩酸塩、
8−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘ
キシルカルボニルアミノ)オクタン酸カリウム、9−
(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシ
ルカルボニルアミノ)ノナン酸、9−(トランス−4’
−アミノメチル−1′−シクロヘキシルカルボニルアミ
ノ)ノナン酸塩酸塩、9−(トランス−4’−アミノメ
チル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)ノナン
酸ナトリウム、10−(トランス−4’−アミノメチル−
1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)デカン酸、10
−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキ
シルカルボニルアミノ)デカン酸塩酸塩、10−(トラン
ス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボ
ニルアミノ)デカン酸カリウム、12−(トランス−4’
−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミ
ノ)ラウリン酸、12−(トランス−4’−アミノメチル
−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)ラウリン酸
塩酸塩、12−(トランス−4’−アミノメチル−1’−
シクロヘキシルカルボニルアミノ)ラウリン酸ナトリウ
ム、14−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シク
ロヘキシルカルボニルアミノ)ミリスチン酸、14−(ト
ランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカ
ルボニルアミノ)ミリスチン酸塩酸塩、14−(トランス
−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニ
ルアミノ)ミリスチン酸カリウム、16−(トランス−
4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニル
アミノ)パルミチン酸、16−(トランス−4’−アミノ
メチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)パル
ミチン酸塩酸塩、16−(トランス−4’−アミノメチル
−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)パルミチン
酸ナトリウム、18−(トランス−4’−アミノメチル−
1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)ステアリン
酸、18−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シク
ロヘキシルカルボニルアミノ)ステアリン酸塩酸塩、18
−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキ
シルカルボニルアミノ)ステアリン酸カリウム等があげ
られる。
【0011】本発明の皮膚外用剤は、このようにして得
られたトラネキサム酸と直鎖アミノカルボン酸とのアミ
ド体およびその塩を少なくとも1種以上含有し、その配
合量は皮膚外用剤全量中0.001 〜20重量%、好ましくは
0.01〜7重量%である。0.001 重量%未満では皮膚美白
効果および肌荒れ防止、改善効果に乏しく、20重量%を
越えて配合しても効果の増加は望めない。
【0012】本発明の皮膚外用剤には上記した必須構成
成分の他に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いら
れる他の成分、例えば、油分、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコ−ル、増粘
剤、色材、皮膚栄養剤(酢酸トコフェロ−ル、パントテ
ニ−ルエチルエ−テル、グリチルリチン酸塩)等を必要
に応じて適宜配合することができる。
【0013】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説
明する。本発明はこれによって限定されるものではな
い。先ず、本発明に係るトラネキサム酸と直鎖アミノカ
ルボン酸とのアミド体およびその塩の合成例について詳
述する。
【0014】合成例1 トラネキサム酸のベンジルオキ
シカルボニル保護体 [トランス−4−ベンジルオキシカルボニルアミノメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸] トラネキサム酸 (6.3g,40mmol)の10%水酸化ナトリウム
水溶液(16ml) にベンジルオキシカルボニルクロライド
(8.2g,48mmol)、10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)
を氷冷攪拌下、順次滴下した。氷冷下1時間攪拌後、塩
酸を加え反応系内を酸性にした後、結晶をろ取した。ベ
ンゼン−石油エ−テルより再結晶し、トラネキサム酸の
ベンジルオキシカルボニル保護体 (10.7g,収率92%)を
得た。 融点 114〜116 ℃
【0015】合成例2 トラネキサム酸保護体のN−ヒ
ドロキシスクシイミドエステル [トランス−4−ベンジルオキシカルボニルアミノメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸N−ヒドロキシスクシイミ
ドエステル] トランス−4−ベンジルオキシカルボニルアミノメチル
シクロヘキサンカルボン酸(29.2g,100mmol)とN−ヒド
ロキシスクシイミド(11.8g,100mmol)をジメチルホルム
アミド(50ml)に溶解し、氷冷攪拌下、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(25.0g,115mmol )を加え、さらに5
℃にて2時間攪拌した。不溶物をろ去、ろ液を減圧濃縮
し、残査をイソプロピルアルコ−ルより結晶化し、トラ
ネキサム酸保護体のN−ヒドロキシスクシイミドエステ
ル(32.4g,収率83%)を得た。 融点 129〜132 ℃
【0016】合成例3 3−アミノプロピオン酸ベンジ
ルエステルp−トルエンスルホン酸塩 3−アミノプロピオン酸(8.91g,100mmol)、p−トルエ
ンスルホン酸一水和物(22.9g,120mmol),ベンジルアル
コ−ル(56.4g,506mmol )およびベンゼン(100 ml)を
丸底フラスコに入れ、還流冷却器をつけたDean-Stark水
分受器装置を用いて油浴(100 〜110 ℃)にて4時間加
熱した。丸底フラスコを放冷し、エ−テル(100ml)と石
油エ−テル(50ml) とを加えて結晶化させ、ろ取した。
エタノ−ル−エ−テルより再結晶し、3−アミノプロピ
オン酸ベンジルエステルp−トルエンスルホン酸塩(3
4.4g,収率97%)を得た。 融点 137.5〜139.5 ℃
【0017】合成例4 トラネキサム酸と3−アミノプ
ロピオン酸のアミド体の保護体 [3−(トランス−4’−ベンジルオキシカルボニルア
ミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)
プロピオン酸ベンジルエステル] 3−アミノプロピオン酸ベンジルエステルp−トルエン
スルホン酸塩(7.03g,20.0mmol) およびトリエチルアミ
ン(2.43g,24.0mmol) を1,2-ジメトキシエタン(100ml)
に加え、さらに、トランス−4−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸N−ヒドロ
キシスクシイミドエステル(7.77g,20.0mmol) を加え、
室温にて1時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、水
洗、エタノ−ルより再結晶し、トラネキサム酸と3−ア
ミノプロピオン酸のアミド体の保護体(6.62g,収率73
%)を得た。 融点 166〜168 ℃
【0018】合成例5 トラネキサム酸と3−アミノプ
ロピオン酸のアミド体 [3−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロ
ヘキシルカルボニルアミノ)プロピオン酸] 3−(トランス−4’−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)プ
ロピオン酸ベンジルエステル(3.00g,6.62mmol) を酢酸
(150ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(300mg)を加
え、室温、常圧にて接触還元を行った。理論量の水素が
吸収された後、触媒をろ去、反応液を減圧濃縮し、残査
をエーテルより結晶化し、3−(トランス−4’−アミ
ノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)プ
ロピオン酸を白色結晶(1.51g ,収率100 %)として得
た。 融点 300℃以上
【0019】合成例6 トラネキサム酸と3−アミノプ
ロピオン酸のアミド体塩酸塩 [3−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロ
ヘキシルカルボニルアミノ)プロピオン酸塩酸塩] 3−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘ
キシルカルボニルアミノ)プロピオン酸(500mg)を希塩
酸にて処理し、3−(トランス−4’−アミノメチル−
1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)プロピオン酸
塩酸塩を白色結晶(400 mg, 収率69%)として得た。 融点 219〜222 ℃1 H−NMR(DMSO−d6,TMS,ppm) δ0.84〜2.10(m,10H,シクロヘキサン
環) δ2.36(t,2H,J=6.8Hz,−NHCH2
2 COOH) δ2.55〜2.70(m,2H,−C2 NH3 +
- ) δ3.12〜3.28(m,2H,−NHC2 CH2
COOH) δ7.86(t,1H,J=5.4Hz,−NCH2
CH2 COOH) δ8.08(bs,3H,−N3 + Cl- ) δ12.18(bs,1H,−COO13 C−NMR(DMSO−d6,TMS,ppm) δ28.3(シクロヘキサン環C−3’,C−5’) δ29.0(シクロヘキサン環C−2’,C−6’) δ33.9,δ34.6,δ35.0(C−2,C−
3,シクロヘキサン環C−4’) δ43.4(シクロヘキサン環C−1’) δ44.2(−2 NH3 + Cl- ) δ172.8,δ174.9(アミド=O,−OO
H) 元素分析値 C11202 3 ・HClとして 計算値(%) C:49.90 ,H:7.99 ,N:10.58 ,
Cl:13.39 実測値(%) C:49.72 ,H:8.01 ,N:10.62 ,
Cl:13.52
【0020】合成例7〜9 合成例3〜6の方法に準じて以下の化合物を合成した。
【0021】合成例7 6−アミノヘキサン酸ベンジル
エステルp−トルエンスルホン酸塩 融点 102〜104 ℃
【0022】合成例8 トラネキサム酸と6−アミノヘ
キサン酸のアミド体の保護体 [6−(トランス−4’−ベンジルオキシカルボニルア
ミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)
ヘキサン酸ベンジルエステル] 融点 134〜136 ℃
【0023】合成例9 トラネキサム酸と6−アミノヘ
キサン酸のアミド体塩酸塩 [6−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロ
ヘキシルカルボニルアミノ)ヘキサン酸塩酸塩] 融点 172〜174 ℃1 H−NMR(DMSO−d6,TMS,ppm) δ0.85〜2.09(m,16H,シクロヘキサン
環,−NHCH2 2 2 2 CH2 COOH) δ2.19(t,2H,J=7.3Hz,−NHCH2
CH2 CH2 CH2 2 COOH) δ2.57〜2.67(m,2H,−C2 NH3 +
- ) δ2.94〜3.03(m,2H,−NHC2 CH2
CH2 CH2 CH2 COOH) δ7.66(bs,1H,−NCH2 CH2 CH2
2 CH2 COOH) δ8.08(bs,3H,−N3 + Cl- 13 C−NMR(DMSO−d6,TMS,ppm) δ28.4(シクロヘキサン環C−3’,C−5’) δ29.0(シクロヘキサン環C−2’,C−6’) δ24.2,δ25.9,δ28.8,δ33.6,δ
34.9(C−2,C−3,C−4,C−5,C−6) δ38.1(シクロヘキサン環C−4’) δ43.6(シクロヘキサン環C−1’) δ44.1(−2 NH3 + Cl- ) δ174.3,δ174.7(アミド=O,−OO
H) 元素分析値 C14262 3 ・HClとして 計算値(%) C:54.80 ,H:8.87 ,N:9.13,C
l:11.55 実測値(%) C:54.92 ,H:8.81 ,N:9.12,C
l:11.62
【0024】次に、皮膚外用剤の実施例について詳述す
る。配合量は重量%である。実施例に先立ち、本発明の
効果試験方法および評価方法について説明する。
【0025】(1)美白効果試験試験方法 夏期の太陽光に4時間(1日2時間で2日間)晒された
被験者50名の上腕内側部皮膚を対象として太陽光に晒さ
れた日の5日後より各試料を朝夕1回ずつ8週間塗布し
た。パネルを1群10名に分けて、5群とし下記に示す処
方で試験を行った。
【0026】 実施例1〜3,比較例1,2の試料 (アルコール相) 重量% 95%エチルアルコール 25.0 ポリオキシエチレン(25モル)硬化ヒマシ油エーテル 2.0 酸化防止剤・防腐剤 適量 香料 適量 薬剤(表1記載) 1.0 (水相) グリセリン 5.0 ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量 イオン交換水 残余 (製法)水相、アルコール相を調製後可溶化する。
【0027】(評価方法)使用後の淡色化効果を下記の
判定基準に基づいて判定した。 (判定) ◎:被験者のうち著効および有効の示す割合が80%以
上の場合 ○:被験者のうち著効および有効の示す割合が50〜8
0%の場合 △:被験者のうち著効および有効の示す割合が30〜5
0%の場合 ×:被験者のうち著効および有効の示す割合が30%以
下の場合
【0028】
【表1】
【0029】表1より明らかな様に、太陽光に晒された
後の効果は比較例に比べて実施例の方が過剰のメラニン
色素の沈着を防ぎ、色黒になることを予防することが認
められた。
【0030】(2)肌荒れ防止、改善効果試験試験方法 朝と夜の2回、洗顔後、実施例1〜3の化粧料を適量顔
面左側に、比較例1の化粧料を適量顔面右側に、2週間
にわたって塗布することにより行った。30名の女性パネ
ルを1群10名に分けて3群とし試験を行った。 (評価方法)3項目(肌のうるおい、肌のハリ、翌朝の
うるおい)の有効性について下記の判定基準に基づいて
判定した。 (判定) ◎:被験者のうち著効および有効の示す割合が80%以
上の場合 ○:被験者のうち著効および有効の示す割合が50〜8
0%の場合 △:被験者のうち著効および有効の示す割合が30〜5
0%の場合 ×:被験者のうち著効および有効の示す割合が30%以
下の場合
【0031】
【表2】
【0032】表2より明らかな様に、肌のうるおい、肌
のハリ、翌朝のうるおいの効果は比較例に比べて実施例
の方が優れていることが認められた。
【0033】 実施例4 クリーム 重量% ステアリン酸 5.0 ステアリルアルコール 4.0 イソプロピルミリステート 18.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0 プロピレングリコール 10.0 4−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)ブタン酸塩酸塩 20.0 苛性カリ 0.2 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 防腐剤 適量 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にプロピレングリコールと苛性カ
リを加え溶解し加熱して70℃に保つ(水相)。他の成
分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に
油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその
温度に保ち反応をおこさせる。その後ホモミキサーで均
一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0034】 実施例5 クリーム 重量% ステアリン酸 6.0 ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.0 ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5 プロピレングリコール 10.0 8−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)オクタン酸塩酸塩 7.0 グリセリントリオクタノエート 10.0 スクワレン 5.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にプロピレングリコールを加え溶
解し加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し
加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え
予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よ
くかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0035】 実施例6 クリーム 重量% ステアリルアルコール 7.0 ステアリン酸 2.0 水添ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 2−オクチルドデシルアルコール 6.0 ポリオキシエチレン(25モル)セチルアルコールエーテル 3.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 プロピレングリコール 5.0 12−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)ラウリン酸 0.005 香料 適量 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にプロピレングリコールを加え溶
解し加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し
加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え
予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よ
くかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0036】 実施例7 乳液 重量% ステアリン酸 2.5 セチルアルコール 1.5 ワセリン 5.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0 ポリエチレングリコ−ル1500 3.0 トリエタノールアミン 1.0 16−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)パルミチン酸塩酸塩 10.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 カルボキシビニルポリマー 0.05 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマ
ーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチ
レングリコール1500とトリエタノールアミンを加え
加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し
加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え
予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一に乳化
し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0037】 実施例8 乳液 重量% (油相部) ステアリルアルコール 1.5 スクワレン 2.0 ワセリン 2.5 脱臭液状ラノリン 1.5 月見草油 2.0 ミリスチン酸イソプロピル 5.0 グリセリンモノオレート 2.0 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0 酢酸トコフェロール 0.05 エチルパラベン 0.2 ブチルパラベン 0.1 3−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)プロピオン酸カリウム 1.0 6−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)ヘキサン酸ナトリウム 1.0 香料 適量 (水相部) 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 グリセリン 5.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 カルボキシビニルポリマー 0.2 水酸化カリウム 0.2 精製水 残余 (製法)油相部を70℃にて溶解する。水相部を70℃
にて溶解し、水相部に油相部を混合し、乳化機で乳化後
熱交換機で30℃まで冷却する。
【0038】 実施例9 ゼリー 重量% 95%エチルアルコール 10.0 ジプロピレングリコール 15.0 ポリオキシエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテル 2.0 カルボキシビニルポリマー 1.0 苛性ソーダ 0.15 L−アルギニン 0.1 5−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)ペンタン酸塩酸塩 1.0 18−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)ステアリン酸塩酸塩 1.0 メチルパラベン 0.2 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にカルボキシビニルポリマーを均
一に溶解し、一方95%エタノールに5−(トランス−
4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニル
アミノ)ペンタン酸塩酸塩、18−(トランス−4’−ア
ミノメチル−1’−シクロヘキシルカルボニルアミノ)
ステアリン酸塩酸塩、ポリオキシエチレン(50モル)
オレイルアルコールエーテルを溶解し、水相に添加す
る。ついで、その他の成分を加えた後、苛性ソーダ、L
−アルギニンで中和させ増粘する。
【0039】 実施例10 美容液 重量% (A相) エタノール(95%) 10.0 ポリオキシエチレン(20モル)オクチルドデカノール 1.0 メチルパラベン 0.15 パントテニールエチルエーテル 0.1 3−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)プロピオン酸 0.05 (B相) 水酸化カリウム 0.1 (C相) グリセリン 5.0 ジプロピレングリコール 10.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 カルボキシビニルポリマー 0.2 精製水 残余 (製法)A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA
相を加えて可溶化する。ついで、B相を加えた後充填を
行う。
【0040】 実施例11 パック 重量% (A相) ジプロピレングリコール 5.0 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0 (B相) 3−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)プロピオン酸塩酸塩 1.0 6−(トランス−4’−アミノメチル−1’−シクロヘキシルカル ボニルアミノ)ヘキサン酸塩酸塩 1.0 オリーブ油 5.0 酢酸トコフェノール 0.2 エチルパラベン 0.2 香料 0.2 (C相) 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 ポリビニルアルコール (ケン化度90、重合度2000) 13.0 エタノール 7.0 精製水 残余 (製法)A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A
相にB相を加えて可溶化する。ついで、これをC相に加
えた後充填を行う。
【0041】本発明で得られた皮膚外用剤はいずれも実
施例1〜3で行った美白効果テストおよび肌荒れ防止、
改善効果テストにおいて効果が認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明に係るトラネキサム酸と直鎖アミ
ノカルボン酸とのアミド体およびその塩は皮膚美白効果
および肌荒れ防止、改善効果に優れた新規な化合物であ
る。またこのものを含有した皮膚外用剤は皮膚美白効果
と肌荒れ防止、改善効果を併せ持った新規な皮膚外用剤
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝田 由記 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター (72)発明者 加来 留美子 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター (72)発明者 北村 謙始 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式化1で表されるトラネキサム酸
    と直鎖アミノカルボン酸とのアミド体およびその塩。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1記載のトラネキサム酸と直鎖アミ
    ノカルボン酸とのアミド体およびその塩の少なくとも1
    種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
JP30722193A 1993-11-12 1993-11-12 トラネキサム酸と直鎖アミノカルボン酸とのアミド体およびその塩ならびにこれらを含有する皮膚外用剤 Withdrawn JPH07138219A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6699467B2 (en) * 1995-03-31 2004-03-02 Emisphere Technologies, Inc. Compounds and compositions for delivering active agents

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