JPH07137219A - 生分解性気泡シート - Google Patents
生分解性気泡シートInfo
- Publication number
- JPH07137219A JPH07137219A JP25078492A JP25078492A JPH07137219A JP H07137219 A JPH07137219 A JP H07137219A JP 25078492 A JP25078492 A JP 25078492A JP 25078492 A JP25078492 A JP 25078492A JP H07137219 A JPH07137219 A JP H07137219A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- cap
- air chamber
- film thickness
- biodegradable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 緩衝包装用その他に広い用途を有する気泡シ
ート１に、生物分解性機能を付与する。同時に、フイル
ム強度を向上し、かつ、空気室４の気密性をも強化す
る。 【構成】 気泡シート１を構成するキヤツプフイルム
２、バツクフイルム３の素材に脂肪族系ポリエステル樹
脂を用い、フイルム形成時に延伸する。
ート１に、生物分解性機能を付与する。同時に、フイル
ム強度を向上し、かつ、空気室４の気密性をも強化す
る。 【構成】 気泡シート１を構成するキヤツプフイルム
２、バツクフイルム３の素材に脂肪族系ポリエステル樹
脂を用い、フイルム形成時に延伸する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】軽量強靱で、緩衝性、断熱性、吸
音性も要請される気泡シートで、包装資材、土木建築用
資材、農業用資材等に用いられ、かつ、使用後廃棄され
た時、特に廃棄後土中に埋められた時に、微生物の作用
で完全に分解することにより、天然の生態サイクルに害
を与えない用途分野に関するものである。
音性も要請される気泡シートで、包装資材、土木建築用
資材、農業用資材等に用いられ、かつ、使用後廃棄され
た時、特に廃棄後土中に埋められた時に、微生物の作用
で完全に分解することにより、天然の生態サイクルに害
を与えない用途分野に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来技術の気泡シートの素材は主として
ポリエチレン樹脂であり、空気室内に封入した空気の漏
洩を防止するポリエチレン樹脂フイルムのバリヤー性
は、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂、エチレン
／ビニールアルコール共重合体樹脂、芳香族系ポリエス
テル樹脂などの熱可塑性樹脂フイルムと比較して著しく
不良である。またポリエチレン樹脂フイルムのフイルム
強度も、ナイロン樹脂フイルム、芳香族系ポリエステル
フイルムと比較して強度が弱い。
ポリエチレン樹脂であり、空気室内に封入した空気の漏
洩を防止するポリエチレン樹脂フイルムのバリヤー性
は、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂、エチレン
／ビニールアルコール共重合体樹脂、芳香族系ポリエス
テル樹脂などの熱可塑性樹脂フイルムと比較して著しく
不良である。またポリエチレン樹脂フイルムのフイルム
強度も、ナイロン樹脂フイルム、芳香族系ポリエステル
フイルムと比較して強度が弱い。
【０００３】ポリエチレン樹脂を素材とする汎用性気泡
シートの これらの欠点をカバーするため、空気室の天
頂部でフイルムの厚さは最も薄くなっているが、この最
薄肉部のフイルム厚さも通常２０μｍ以上が必要だっ
た。省資源及び使用後の廃棄時にかさばらないように、
気泡シートのフイルムの厚さを極力薄くするべく社会的
要望がある。特に最近は廃棄物処理に関連して、プラス
チツクの包装材料としての使用禁止や規制の動きが活発
化してきているなかで、従来の気泡シートは廃棄されて
いわゆるプラスチツクゴミとなると、これは埋め立て処
分をしても永久に分解せず、かつかさだかいために埋め
立て地を浪費し、また焼却すると高熱を出して焼却炉を
痛めたり、有害なダイオキシンの発生の恐れがあるなど
問題が多かった。
シートの これらの欠点をカバーするため、空気室の天
頂部でフイルムの厚さは最も薄くなっているが、この最
薄肉部のフイルム厚さも通常２０μｍ以上が必要だっ
た。省資源及び使用後の廃棄時にかさばらないように、
気泡シートのフイルムの厚さを極力薄くするべく社会的
要望がある。特に最近は廃棄物処理に関連して、プラス
チツクの包装材料としての使用禁止や規制の動きが活発
化してきているなかで、従来の気泡シートは廃棄されて
いわゆるプラスチツクゴミとなると、これは埋め立て処
分をしても永久に分解せず、かつかさだかいために埋め
立て地を浪費し、また焼却すると高熱を出して焼却炉を
痛めたり、有害なダイオキシンの発生の恐れがあるなど
問題が多かった。
【０００４】これらの問題に対応して、廃棄物の減容化
を目的としたポリエチレン樹脂の改良が試みられてき
た。ポリエチレンに澱粉を混合した生崩壊性ポリエチレ
ンや、光の作用に対して敏感な構造を与えるか、光増感
剤を添加した光崩壊性ポリエチレンを素材とした気泡シ
ートが実用化されている。これら改質したポリエチレン
樹脂の機械物性は、本来のポリエチレン樹脂と比較して
劣るため、気泡シートの強度を保持する上で、フイルム
の厚さ、特に最薄肉部のフイルム厚さをより厚くする必
要があった。しかも、その分解性は充分ではなかった。
を目的としたポリエチレン樹脂の改良が試みられてき
た。ポリエチレンに澱粉を混合した生崩壊性ポリエチレ
ンや、光の作用に対して敏感な構造を与えるか、光増感
剤を添加した光崩壊性ポリエチレンを素材とした気泡シ
ートが実用化されている。これら改質したポリエチレン
樹脂の機械物性は、本来のポリエチレン樹脂と比較して
劣るため、気泡シートの強度を保持する上で、フイルム
の厚さ、特に最薄肉部のフイルム厚さをより厚くする必
要があった。しかも、その分解性は充分ではなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、包装
材、断熱材、吸音材として有効な機能を持つ気泡シート
の特性を損なうことなく、軽量で機械物性が優れ、かつ
使用後廃棄された時、自然環境中で一定の時間内に完全
に生分解し、天然の生態サイクルに害をもたらすことの
ない、環境保全に有効な生分解性気泡シートを提供する
ことである。
材、断熱材、吸音材として有効な機能を持つ気泡シート
の特性を損なうことなく、軽量で機械物性が優れ、かつ
使用後廃棄された時、自然環境中で一定の時間内に完全
に生分解し、天然の生態サイクルに害をもたらすことの
ない、環境保全に有効な生分解性気泡シートを提供する
ことである。
【０００６】
【０００７】図１は、本発明による生分解性気泡シート
の１実施例の断面図であって、１は気泡シート、２はキ
ヤツプフイルム、２ｔはキヤツプフイルムの厚さ、３は
バツクフイルム、３ｔはバツクフイルムの厚さ、４は空
気室、５は天頂部、５ｔは空気室最薄肉部のフイルム厚
さ、６は側壁部、６ｔは空気室最厚肉部のフイルム厚
さ、７はキヤツプフイルムとバツクフイルムの接合部、
Ｄは空気室の直径、Ｈは空気室の高さである。
の１実施例の断面図であって、１は気泡シート、２はキ
ヤツプフイルム、２ｔはキヤツプフイルムの厚さ、３は
バツクフイルム、３ｔはバツクフイルムの厚さ、４は空
気室、５は天頂部、５ｔは空気室最薄肉部のフイルム厚
さ、６は側壁部、６ｔは空気室最厚肉部のフイルム厚
さ、７はキヤツプフイルムとバツクフイルムの接合部、
Ｄは空気室の直径、Ｈは空気室の高さである。
【０００８】図２は、本発明による生分解性気泡シート
の１実施例の斜視図であって、１は図１と同様である。
の１実施例の斜視図であって、１は図１と同様である。
【０００９】上記課題を達成するために、気泡シート１
を構成するキヤツプフイルム２及びバツクフイルム３の
素材として生分解性脂肪族系ポリエステル樹脂を用い
た。図１に示す空気室４は一般的な形状の円筒形で、空
気室の高さＨ＝４〜１６ｍｍの範囲、空気室の直径Ｄ＝
１０〜３０ｍｍの範囲にある。気泡シート１を構成する
キヤツプフイルム２、バツクフイルム３のフイルム厚さ
は均一ではなく、図１に示す空気室４の天頂部５の中に
最薄肉部５ｔが存在する。該空気室最薄肉部のフイルム
厚さ５ｔは２０μｍ以下、かつ、空気室最厚肉部のフイ
ルム厚さ６ｔとの比率、即ち５ｔ：６ｔ＝１：２乃至
２：３の範囲、キヤツプフイルム２とバツクフイルム３
のフイルム厚さの比率、２ｔ：３ｔ＝２：１〜１：１の
範囲として、本発明の生分解性気泡シート１が提供され
る。
を構成するキヤツプフイルム２及びバツクフイルム３の
素材として生分解性脂肪族系ポリエステル樹脂を用い
た。図１に示す空気室４は一般的な形状の円筒形で、空
気室の高さＨ＝４〜１６ｍｍの範囲、空気室の直径Ｄ＝
１０〜３０ｍｍの範囲にある。気泡シート１を構成する
キヤツプフイルム２、バツクフイルム３のフイルム厚さ
は均一ではなく、図１に示す空気室４の天頂部５の中に
最薄肉部５ｔが存在する。該空気室最薄肉部のフイルム
厚さ５ｔは２０μｍ以下、かつ、空気室最厚肉部のフイ
ルム厚さ６ｔとの比率、即ち５ｔ：６ｔ＝１：２乃至
２：３の範囲、キヤツプフイルム２とバツクフイルム３
のフイルム厚さの比率、２ｔ：３ｔ＝２：１〜１：１の
範囲として、本発明の生分解性気泡シート１が提供され
る。
【００１０】本発明生分解性気泡シート１の成形する方
法は、原料の生分解性熱可塑性樹脂からフイルムを成形
し、該フイルムを用いて気泡シート１を成形する２段法
と、原料の生分解性熱可塑性樹脂からフイルムを成形す
ると共に、同一の工程で気泡を形成して目的の生分解性
気泡シート１を得る所謂直接法がある。本発明では、直
接法の方が好ましく、特公昭５４−３６６１７号公報に
記載されている方法を用いるのが特に好ましい。
法は、原料の生分解性熱可塑性樹脂からフイルムを成形
し、該フイルムを用いて気泡シート１を成形する２段法
と、原料の生分解性熱可塑性樹脂からフイルムを成形す
ると共に、同一の工程で気泡を形成して目的の生分解性
気泡シート１を得る所謂直接法がある。本発明では、直
接法の方が好ましく、特公昭５４−３６６１７号公報に
記載されている方法を用いるのが特に好ましい。
【００１１】生分解性熱可塑性樹脂としては、公知の脂
肪族系ポリエステル樹脂を用る。即ち脂肪族系の２価カ
ルボン酸を含む多価カルボン酸と、脂肪族系ジオールを
含む多価アルコールとの重縮合物、ヒドロキシ脂肪族カ
ルボン酸の重縮合物、ラクトンの開環重合物が、該脂肪
族系ポリエステル樹脂に包含される。更に具体的に言え
ば、エチレンジアジペート、プロピオラクトン、カプロ
ラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸等から誘導される
単独重合体や共重合体等が例示される。
肪族系ポリエステル樹脂を用る。即ち脂肪族系の２価カ
ルボン酸を含む多価カルボン酸と、脂肪族系ジオールを
含む多価アルコールとの重縮合物、ヒドロキシ脂肪族カ
ルボン酸の重縮合物、ラクトンの開環重合物が、該脂肪
族系ポリエステル樹脂に包含される。更に具体的に言え
ば、エチレンジアジペート、プロピオラクトン、カプロ
ラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸等から誘導される
単独重合体や共重合体等が例示される。
【００１２】本発明生分解性気泡シート１も、ポリエチ
レン樹脂を素材とする従来技術気泡シート１の成形装置
で成形できるのが好ましい。上記条件を満足する生分解
性の脂肪族系ポリエステル樹脂としては、融点＝７０℃
〜１３０℃、１９０℃、２．１６ｋｇの条件でのメルト
フローレート（以下、ＭＦＲと略す）＝０．５〜１０
（ｇ／１０分）、密度＝１．１５〜１．３０（密度の単
位＝ｇ／立方センチメートル、以後、密度は単位の表示
は省略する。）の特性値を示す脂肪族系ポリエステル樹
脂が、本発明にば好適である。即ち、上記ポリエステル
樹脂は、気泡シート１成形時に、ポリエステル分子内に
存在する結晶構造が１軸方向に２〜４倍に延伸され、そ
の結果、フイルム強度はポリエチレンフイルムの数倍に
達し、図１に示す空気室４の天頂部５に存在する、空気
室最薄肉部のフイルム厚さ５ｔを２０μｍ以下と、薄く
することが可能となる。同時に、使用後廃棄され土中に
埋められた時、生分解が促進され易いという利点を有す
る。廃棄法として焼却処理したとしても、発熱量は６，
０００ｃａｌ／ｇ以下であるため、高発熱量である従来
技術気泡シート１と違って、焼却炉を傷めずに焼却がで
きる。更に、従来技術の気泡シート１と同等以上のフイ
ルム強度、並びに空気室４内の空気に対するバリヤー性
が、従来技術の気泡シート１よりも良好で、実用上優れ
ている。
レン樹脂を素材とする従来技術気泡シート１の成形装置
で成形できるのが好ましい。上記条件を満足する生分解
性の脂肪族系ポリエステル樹脂としては、融点＝７０℃
〜１３０℃、１９０℃、２．１６ｋｇの条件でのメルト
フローレート（以下、ＭＦＲと略す）＝０．５〜１０
（ｇ／１０分）、密度＝１．１５〜１．３０（密度の単
位＝ｇ／立方センチメートル、以後、密度は単位の表示
は省略する。）の特性値を示す脂肪族系ポリエステル樹
脂が、本発明にば好適である。即ち、上記ポリエステル
樹脂は、気泡シート１成形時に、ポリエステル分子内に
存在する結晶構造が１軸方向に２〜４倍に延伸され、そ
の結果、フイルム強度はポリエチレンフイルムの数倍に
達し、図１に示す空気室４の天頂部５に存在する、空気
室最薄肉部のフイルム厚さ５ｔを２０μｍ以下と、薄く
することが可能となる。同時に、使用後廃棄され土中に
埋められた時、生分解が促進され易いという利点を有す
る。廃棄法として焼却処理したとしても、発熱量は６，
０００ｃａｌ／ｇ以下であるため、高発熱量である従来
技術気泡シート１と違って、焼却炉を傷めずに焼却がで
きる。更に、従来技術の気泡シート１と同等以上のフイ
ルム強度、並びに空気室４内の空気に対するバリヤー性
が、従来技術の気泡シート１よりも良好で、実用上優れ
ている。
【００１３】
【作用】上記の本発明気泡シート１は、従来技術の気泡
シート１と比較して、フイルム強度が強くなるので、
強度を同等にしてキヤツプフイルムの厚さ２ｔ、バツク
フイルムの厚さ３ｔが薄くでき、その結果気泡シート１
に使用する樹脂量を減少できるので、社会的要求である
省資源が実現できる。機械物性に優れている。空気
に対するバリヤー性がよいので、空気室４内空気の漏洩
を防止できる。廃棄処理後、生分解性を有するので分
解し、天然の生態サイクルに害をもたらすことがない。
シート１と比較して、フイルム強度が強くなるので、
強度を同等にしてキヤツプフイルムの厚さ２ｔ、バツク
フイルムの厚さ３ｔが薄くでき、その結果気泡シート１
に使用する樹脂量を減少できるので、社会的要求である
省資源が実現できる。機械物性に優れている。空気
に対するバリヤー性がよいので、空気室４内空気の漏洩
を防止できる。廃棄処理後、生分解性を有するので分
解し、天然の生態サイクルに害をもたらすことがない。
【００１４】
【実施例】本発明を、実施例によって更に詳細に説明す
る。
る。
【００１５】
【実施例１】ＭＦＲ＝１．０、融点＝９０℃〜１００
℃、密度＝１．１８の脂肪族系ポリエステル樹脂（昭和
高分子（株）製：ビオノーレ＃３０００）を使用し、特
公昭５４−３６６１７号公報に記載されている方法で、
下記形状の気泡シート１を形成した。空気室の高さＨ＝
４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部の
フイルム厚さ５ｔ＝１８μｍ、空気室最厚肉部のフイル
ム厚さ６ｔ＝３８μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝
４０μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝３０μｍである
気泡シート１を得た。上記実施例１試料を用い、以下に
説明する試験方法で測定して、キヤツプ強度＝２．５２
（ｋｇ／平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ
減少率＝１０（％）、生分解性＝５ケ月でほぼ完全に分
解する、という測定結果を得た。
℃、密度＝１．１８の脂肪族系ポリエステル樹脂（昭和
高分子（株）製：ビオノーレ＃３０００）を使用し、特
公昭５４−３６６１７号公報に記載されている方法で、
下記形状の気泡シート１を形成した。空気室の高さＨ＝
４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部の
フイルム厚さ５ｔ＝１８μｍ、空気室最厚肉部のフイル
ム厚さ６ｔ＝３８μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝
４０μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝３０μｍである
気泡シート１を得た。上記実施例１試料を用い、以下に
説明する試験方法で測定して、キヤツプ強度＝２．５２
（ｋｇ／平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ
減少率＝１０（％）、生分解性＝５ケ月でほぼ完全に分
解する、という測定結果を得た。
【００１６】
【００１７】
【キヤツプ強度の測定方法】図２に示す気泡シート１試
料から、押し出し成形方向に対して横方向の空気室４を
１列分だけ分取する。直径１０ｍｍのロツドを持つエア
シリンダーの真下に、該試料の空気室４の天頂部５を押
さえつけて、エアシリンダーの圧力を徐々に上げてい
き、空気室が破壊した時の圧力を測定し、それをキヤツ
プ強度とした。測定単位はｋｇ／平方センチメートルで
ある。測定は４０個の空気室４について測定し、その平
均値を示す。
料から、押し出し成形方向に対して横方向の空気室４を
１列分だけ分取する。直径１０ｍｍのロツドを持つエア
シリンダーの真下に、該試料の空気室４の天頂部５を押
さえつけて、エアシリンダーの圧力を徐々に上げてい
き、空気室が破壊した時の圧力を測定し、それをキヤツ
プ強度とした。測定単位はｋｇ／平方センチメートルで
ある。測定は４０個の空気室４について測定し、その平
均値を示す。
【００１８】
【空気室４内空気に対するバリヤー性の測定】図２に示
す気泡シート１を１５０ｍｍ角に切断し、それを４５枚
重ね合わせて、その高さを測定後、その上に５ｋｇの荷
重を加え、温度＝２３℃、湿度＝６５％ＲＨの条件で１
４日間放置する。１４日間経過後再びその高さを測定
し、最初の高さに対する減少率（％）でバリヤー性を評
価する。即ち高さ減少率の小さいものほど、バリヤー性
は良好ということを意味する。
す気泡シート１を１５０ｍｍ角に切断し、それを４５枚
重ね合わせて、その高さを測定後、その上に５ｋｇの荷
重を加え、温度＝２３℃、湿度＝６５％ＲＨの条件で１
４日間放置する。１４日間経過後再びその高さを測定
し、最初の高さに対する減少率（％）でバリヤー性を評
価する。即ち高さ減少率の小さいものほど、バリヤー性
は良好ということを意味する。
【００１９】
【生分解性の測定】図２に示す気泡シート１より試料を
切り取り、該試料を１年間、一般的な畑の土中に埋め、
１ケ月毎に試料を掘り出しては目測し、外観を表示し
た。この測定を１年間継続した。
切り取り、該試料を１年間、一般的な畑の土中に埋め、
１ケ月毎に試料を掘り出しては目測し、外観を表示し
た。この測定を１年間継続した。
【００２０】
【実施例２】ＭＦＲ＝２．０、融点＝１００℃〜１１０
℃、密度＝１．２２の脂肪族系ポリエステル樹脂（昭和
高分子（株）製：ビオノーレ＃２０００）を使用し、実
施例１と同様にして、空気室の高さＨ＝４ｍｍ、空気室
の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部のフイルム厚さ５
ｔ＝１５μｍ、空気室最厚肉部のフイルムの厚さ６ｔ＝
３０μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝３５μｍ、バ
ツクフイルムの厚さ３ｔ＝３０μｍである気泡シート１
を得た。上記実施例２試料を用い、実施例１と同様に測
定して、キヤツプ強度＝３．００（ｋｇ／平方センチメ
ートル）、バリヤー性を示す高さ減少率＝８（％）、生
分解性＝８ケ月で全体がぼろぼろになる、という測定結
果を得た。
℃、密度＝１．２２の脂肪族系ポリエステル樹脂（昭和
高分子（株）製：ビオノーレ＃２０００）を使用し、実
施例１と同様にして、空気室の高さＨ＝４ｍｍ、空気室
の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部のフイルム厚さ５
ｔ＝１５μｍ、空気室最厚肉部のフイルムの厚さ６ｔ＝
３０μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝３５μｍ、バ
ツクフイルムの厚さ３ｔ＝３０μｍである気泡シート１
を得た。上記実施例２試料を用い、実施例１と同様に測
定して、キヤツプ強度＝３．００（ｋｇ／平方センチメ
ートル）、バリヤー性を示す高さ減少率＝８（％）、生
分解性＝８ケ月で全体がぼろぼろになる、という測定結
果を得た。
【００２１】
【実施例３】ＭＦＲ＝１０．０、融点＝１１０℃〜１２
０℃、密度＝１．２６の脂肪族系ポリエステル樹脂（昭
和高分子（株）製：ビオノーレ＃１０００）を使用し、
実施例１と同様にして、空気室の高さＨ＝４ｍｍ、空気
室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部のフイルム厚さ
５ｔ＝１２μｍ、空気室最厚肉部のフイルム厚さ６ｔ＝
２０μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝２５μｍ、バ
ツクフイルムの厚さ３ｔ＝２５μｍである気泡シート１
を得た。上記実施例３試料を用い、実施例１と同様に測
定して、キヤツプ強度＝４．０３（ｋｇ／平方センチメ
ートル）、バリヤー性を示す高さ減少率＝５（％）、生
分解性＝１２ケ月でキヤツプはボロボロになる、という
測定結果を得た。
０℃、密度＝１．２６の脂肪族系ポリエステル樹脂（昭
和高分子（株）製：ビオノーレ＃１０００）を使用し、
実施例１と同様にして、空気室の高さＨ＝４ｍｍ、空気
室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部のフイルム厚さ
５ｔ＝１２μｍ、空気室最厚肉部のフイルム厚さ６ｔ＝
２０μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝２５μｍ、バ
ツクフイルムの厚さ３ｔ＝２５μｍである気泡シート１
を得た。上記実施例３試料を用い、実施例１と同様に測
定して、キヤツプ強度＝４．０３（ｋｇ／平方センチメ
ートル）、バリヤー性を示す高さ減少率＝５（％）、生
分解性＝１２ケ月でキヤツプはボロボロになる、という
測定結果を得た。
【００２２】
【比較例１】ＭＦＲ＝１．０、密度＝０．９２４のポリ
エチレン樹脂（日本石油化学（株）製：レクスロンＦ２
２）を使用して実施例１と同様にして、空気室の高さＨ
＝４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部
のフイルム厚さ５ｔ＝３０μｍ、空気室最厚肉部のフイ
ルムの厚さ６ｔ＝４５μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２
ｔ＝５０μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝４０μｍで
ある気泡シート１を得た。上記比較例１試料を用い、実
施例１と同様に測定して、キヤツプ強度＝１．０８（ｋ
ｇ／平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ減少
率＝５６（％）、生分解性＝全く変化せず、という測定
結果を得た。
エチレン樹脂（日本石油化学（株）製：レクスロンＦ２
２）を使用して実施例１と同様にして、空気室の高さＨ
＝４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部
のフイルム厚さ５ｔ＝３０μｍ、空気室最厚肉部のフイ
ルムの厚さ６ｔ＝４５μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２
ｔ＝５０μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝４０μｍで
ある気泡シート１を得た。上記比較例１試料を用い、実
施例１と同様に測定して、キヤツプ強度＝１．０８（ｋ
ｇ／平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ減少
率＝５６（％）、生分解性＝全く変化せず、という測定
結果を得た。
【００２３】
【比較例２】ＭＦＲ＝２．０、密度＝０．９３０のポリ
エチレン樹脂（東ソー（株）製：ニポロンＬＦ２５Ｒ）
を使用して、実施例１と同様にして、空気室の高さＨ＝
４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部の
フイルム厚さ５ｔ＝２５μｍ、空気室最厚肉部のフイル
ム厚さ６ｔ＝３５μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝
４０μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝４０μｍである
気泡シート１を得た。上記比較例２試料を用い、実施例
１と同様に測定して、キヤツプ強度＝１．２８（ｋｇ／
平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ減少率＝
４４（％）、生分解性＝全く変化せず、という測定結果
を得た。
エチレン樹脂（東ソー（株）製：ニポロンＬＦ２５Ｒ）
を使用して、実施例１と同様にして、空気室の高さＨ＝
４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄肉部の
フイルム厚さ５ｔ＝２５μｍ、空気室最厚肉部のフイル
ム厚さ６ｔ＝３５μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ＝
４０μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝４０μｍである
気泡シート１を得た。上記比較例２試料を用い、実施例
１と同様に測定して、キヤツプ強度＝１．２８（ｋｇ／
平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ減少率＝
４４（％）、生分解性＝全く変化せず、という測定結果
を得た。
【００２４】
【比較例３】ＭＦＲ＝０．９０、密度＝０．９６０のポ
リエチレン樹脂（東ソー（株）製：ニポロンハードＥ２
１０Ｒ）を使用して実施例１と同様にして、空気室の高
さＨ＝４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄
部のフイルム厚さ５ｔ＝２０μｍ、空気室最厚部のフイ
ルム厚さ６ｔ＝３０μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ
＝３５μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝３０μｍであ
る気泡シート１を得た。上記比較例３試料を用い、実施
例１と同様に測定して、キヤツプ強度＝１．３７（ｋｇ
／平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ減少率
＝３５（％）、生分解性＝全く変化せず、という測定結
果を得た。
リエチレン樹脂（東ソー（株）製：ニポロンハードＥ２
１０Ｒ）を使用して実施例１と同様にして、空気室の高
さＨ＝４ｍｍ、空気室の直径Ｄ＝１０ｍｍ、空気室最薄
部のフイルム厚さ５ｔ＝２０μｍ、空気室最厚部のフイ
ルム厚さ６ｔ＝３０μｍ、キヤツプフイルムの厚さ２ｔ
＝３５μｍ、バツクフイルムの厚さ３ｔ＝３０μｍであ
る気泡シート１を得た。上記比較例３試料を用い、実施
例１と同様に測定して、キヤツプ強度＝１．３７（ｋｇ
／平方センチメートル）、バリヤー性を示す高さ減少率
＝３５（％）、生分解性＝全く変化せず、という測定結
果を得た。
【００２５】実施例等で得た気泡シートの物性値を表１
にまとめた。
にまとめた。
【００２６】
【表１】
【００２７】
【発明の効果】 従来技術の気泡シート１素材よりも、フイルム強度が
強い、フイルム強度が強いので、フイルム厚さを薄く
しても従来技術の気泡シート１同等の機能があり、減容
化できる。従来技術の気泡シート１と較べて、フイル
ムのガスバリヤー性が高いので、空気室４が気密になり
強度がたかくなる。地中埋設廃棄処理すると、従来技
術気泡シートは半永久的に変化しなかったのに、本発明
生分解性の気泡シート１は数カ月の単位で生分解する。
従来技術の気泡シート１は、素材がポリオレフイン樹
脂で発熱量が高く、焼却時に高熱を発して焼却炉を傷
め、かつ、有害ガス発生の恐れがある。本発明生分解性
気泡シート１は焼却しても、ポリオレフイン樹脂のよう
に発熱量が高くないので、焼却炉を傷めず有害ガス発生
の恐れもない。
強い、フイルム強度が強いので、フイルム厚さを薄く
しても従来技術の気泡シート１同等の機能があり、減容
化できる。従来技術の気泡シート１と較べて、フイル
ムのガスバリヤー性が高いので、空気室４が気密になり
強度がたかくなる。地中埋設廃棄処理すると、従来技
術気泡シートは半永久的に変化しなかったのに、本発明
生分解性の気泡シート１は数カ月の単位で生分解する。
従来技術の気泡シート１は、素材がポリオレフイン樹
脂で発熱量が高く、焼却時に高熱を発して焼却炉を傷
め、かつ、有害ガス発生の恐れがある。本発明生分解性
気泡シート１は焼却しても、ポリオレフイン樹脂のよう
に発熱量が高くないので、焼却炉を傷めず有害ガス発生
の恐れもない。
【図１】本発明生分解性気泡シートの１実施例の断面図
である。
である。
【図２】本発明生分解性気泡シートの１実施例の斜視図
である。
である。
１ 気泡シート ２ キヤツプフイルム ２ｔ キヤツプフイルムの厚さ ３ バツクフイルム ３ｔ バツクフイルムの厚さ ４ 空気室 ５ 天頂部 ５ｔ 空気室最薄肉部のフイルム厚さ ６ 側壁剖 ６ｔ 空気室最厚肉部のフイルム厚さ ７ キヤツプフイルムとバツクフイルムの接合部 Ｄ 空気室の直径 Ｈ 空気室の高さ
Claims (2)
- 【請求項１】 多数の凸部を有するキヤツプフイルムに
平滑なバツクフイルムを貼着一体化してなる多数の独立
した空気室を形成した気泡シートであって、上記各フイ
ルムが生分解性熱可塑性樹脂であり、空気室の最薄肉部
のフイルムの厚さが２０μｍ以下、空気室の最薄肉部と
最厚肉部とのフイルム厚さの比率が１：２〜２：３の範
囲であり、かつキヤツプフイルムとバツクフイルムのフ
イルム厚さの比が２：１〜１：１の範囲であることを特
徴とする生分解性気泡シート。 - 【請求項２】 上記生分解性熱可塑性樹脂が融点＝８０
〜１３０℃、メルトフローレート（１９０℃、２．１６
ｋｇｆ）＝０．５〜１０、密度＝１．１５〜１．３０で
ある脂肪族系ポリエステル樹脂であることを特徴とする
請求項１記載の生分解性気泡シート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25078492A JPH07137219A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 生分解性気泡シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25078492A JPH07137219A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 生分解性気泡シート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07137219A true JPH07137219A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17213003
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25078492A Pending JPH07137219A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 生分解性気泡シート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07137219A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999063001A1 (fr) * | 1998-05-30 | 1999-12-09 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Composition de resine de polyester biodegradable, composition de resine biodesintegrable et objets moules que ces compositions permettent de fabriquer |
| JP2006315203A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Ube Film Kk | 生分解性の気泡性緩衝シート及びこれらの製造方法 |
| JP2007136939A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-07 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 合成樹脂製中空板 |
| JP2010208618A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-09-24 | Howa Textile Industry Co Ltd | 自動車用吸音シート及びこの吸音シートを用いた自動車用エンジンアンダーカバー |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP25078492A patent/JPH07137219A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999063001A1 (fr) * | 1998-05-30 | 1999-12-09 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Composition de resine de polyester biodegradable, composition de resine biodesintegrable et objets moules que ces compositions permettent de fabriquer |
| JP2006315203A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Ube Film Kk | 生分解性の気泡性緩衝シート及びこれらの製造方法 |
| JP2007136939A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-07 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 合成樹脂製中空板 |
| JP4715463B2 (ja) * | 2005-11-21 | 2011-07-06 | 川上産業株式会社 | 合成樹脂製中空板 |
| JP2010208618A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-09-24 | Howa Textile Industry Co Ltd | 自動車用吸音シート及びこの吸音シートを用いた自動車用エンジンアンダーカバー |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US20210324186A1 (en) | Methods for lending biodegradability to non-biodegradable polyolefin and nylon materials | |
| ATE172993T1 (de) | Kompostierbare, biologisch abbaubare schaumkernplatte | |
| US11692089B2 (en) | Compositions and additives for degrading plastic | |
| CA2356674A1 (en) | Biodegradable bag | |
| JPH0623260B2 (ja) | 微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物及びその製造方法 | |
| JPH11302424A (ja) | 生分解性気泡シート | |
| JPH07137219A (ja) | 生分解性気泡シート | |
| JPH07285192A (ja) | 樹脂積層体 | |
| JP2001161187A (ja) | 防草・防振・防音用生分解性発泡体シート及びその製造方法 | |
| JPH09241425A (ja) | 生分解性のフィルム又はシ−ト及びこれらフィルム又はシ−トの加工品 | |
| JPH04356538A (ja) | 生物分解性発泡ポリオレフィン系樹脂成形物 | |
| JP4072382B2 (ja) | ラベル付き包装用ネット袋およびこれを用いた包装体 | |
| JPH0716966A (ja) | 光分解性・生分解性・ガスバリヤ性気泡シート | |
| JP2005193620A (ja) | 共押出多層生分解性シュリンクフィルム | |
| JPH07228074A (ja) | 分解性樹脂成形物 | |
| JP3070118U (ja) | 積層発泡体 | |
| JPH1067876A (ja) | ヤシ殻繊維粉末混合発泡プラスチック成形品 | |
| JPH06320654A (ja) | 光分解性・生分解性・ガスバリヤ性気泡シート | |
| JP3477642B2 (ja) | 生分解期間が制御された成形体及びその製造方法 | |
| KR20230124376A (ko) | 이축연신 필름, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 친환경 포장재 | |
| JP2006088490A (ja) | 生分解性樹脂シート及びその製造方法 | |
| JPH11279390A (ja) | 崩壊性ゴミ袋 | |
| Rivard | Biodegradable plastics: further research needed to meet environmental mandate | |
| JP2001004078A (ja) | ダクタイル管用スペーサ及びダクタイル管の施工方法 | |
| JP2023049669A (ja) | 発泡解繊成形用の樹脂組成物、発泡解繊成形体、および発泡解繊成形体の成形方法 |