JPH0713654Y2 - フィルタ室排油装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、上カバーの取り外しによりフィルタケーシン
グ内の排油を容易にしたフィルタ室排油装置に関する。

［従来技術］ 従来、フィルタを備えたミシンとして、第４図に示した
ものが提案されている（実公昭59-29662号公報参照）。
第４図において、ハウジング１の内部にミシン機械が設
けられ、またハウジング１の下部にオイルパン２が設け
られ、このオイルパン２に油３が溜められている。この
油３にポンプ４が浸漬され、このポンプ４の供給管５は
フィルタケーシング６の流入口７に接続されている。こ
の流入口７に細管８の一端が配置され、細管８の他端は
上カバー９のサイトグラス10に対向している。また、流
入口７の側部にフィルタ11が設けられ、またフィルタ11
の流出管12は有底孔13から油送り管14に接続されてい
る。また、フィルタケーシング６の下部に油戻し孔15が
設けられている。

このように構成された従来のミシンでは、オイルパン２
の油３がポンプ４によって、供給管５からフィルタケー
シング６の流入口７に供給されると、油３の一部は細管
８を通ってサイトグラス10に当てられ、霧状になってミ
シン機械に降りそそぎ、また、流入口７からフィルタ11
で濾過された油は流出管12から有底孔13を介して油送り
管14を通り、ミシン機械の各部に供給される。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このミシンでは、上カバー９をハウジン
グ１から外しても、フィルタ11で油戻し孔15が塞がれて
いるため、フィルタケーシング６内に溜まった油は廃出
されず、従って、フィルタ11を取り出すことによって油
を排出するため、フィルタ11に多量の油が付着し、フィ
ルタ11をフィルタケーシング６から取り出すときに付着
した油が垂れて周囲を汚してしまうという問題があっ
た。

本考案は、上カバーを外したときに、上カバーを固定す
る廃油兼用ねじを外すことによって、油戻し用のねじ孔
が開き、濾過されていない油がオイルパンに戻るように
したフィルタ室排油装置を提供することを目的とするも
のである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を達成するために、オイルパンの油
をポンプによってフィルタケーシングに送り、該フィル
タケーシング内のフィルタで濾過された油を各部へ給油
するようにしたミシンにおいて、前記フィルタケーシン
グの底部に形成した油戻し用のねじ孔と、前記フィルタ
ケーシングの上部のフレームに形成した上カバーを支え
る上カバー支えと、前記上カバー及び上カバー支えに形
成されたねじ挿入孔と、前記上カバー支えのねじ挿入孔
に装着されたＯリングと、前記上カバー及び前記上カバ
ー支えの前記ねじ挿入孔に挿通し、かつ前記油戻し用の
ねじ孔に嵌着される排油兼用ねじとからなるものであ
る。

［作用］ 本考案によれば、フィルタケーシング内にフィルタを挿
入して上カバーを閉じるとき、上カバー及び上カバー支
えに設けたねじ挿通孔に排油兼用ねじを通し、排油兼用
ねじの先端を油戻し用ねじ孔にねじ込むと、上カバーを
固定するとともに、油戻し用ねじ孔が排油兼用ねじで塞
がれる。また、上カバーを外す時、排油兼用ねじを外す
と、油戻し用ねじ孔よりフィルタケーシング内に溜った
濾過されない油が排出されるので、フィルタの周囲に多
量の油が付着せず、フィルタを取り出すときに油の垂れ
が少なくなる。

［実施例］ 第１図を参照すると、本考案の１実施例のフィルタを備
えたミシンにおいて、１はハウジング、２はオイルパ
ン、３は油、４はポンプ、５は供給管、６はフィルタケ
ーシング、７は流入口、９は上カバー、14は油送り管で
あり、これらの構成は上記従来例と殆ど同じであるので
説明は省略するが、本実施例では、第２図及び第３図に
示すように、フィルタケーシング６に油戻し用ねじ孔16
を形成し、この油戻し用ねじ孔16の上部の上カバー９及
びハウジング１の上カバー支え１′にねじ挿入孔17、18
を形成する。そして、ねじ挿入孔17、18に排油兼用ねじ
19を挿通し、油戻し用ねじ孔16に排油兼用ねじ19の先端
のねじを嵌着する。なお、上カバー支え１′のねじ挿入
孔18にＯリング20を装着する。なお、21はフィルターケ
ーシング６に装着されたフィルタである。

このように構成した本実施例のフィルタ室排油装置で
は、上カバー９及び上カバー支え１′のねじ挿入孔17、
18に排油兼用ねじ19を挿入し、油戻し用ねじ孔16に排油
兼用ねじ19の先端のねじをねじ込むことによって、上カ
バー９を固定することができる。従って、ポンプ４から
供給される油は流入口７からフィルタ21の周囲に入り、
フィルタ21の濾過紙によって濾過されてフィルタ21内に
入り、油送り管14からミシン機械の各部に供給される。

また、排油兼用ねじ19を外すと、油戻し用ねじ孔16が開
かれ、油戻し用ねじ孔16よりフィルタケーシング６内に
溜った濾過されない油がオイルパン２に排出される。

本実施例では、このように上カバー９を外したときに自
動的に油戻し用ねじ孔16が開かれるので、フィルタケー
シング６に溜った油が速急に排出され、フィルタ21を取
り出すときに油垂れが少なくなる。

［考案の効果］ 本考案は、以上のように構成されているので、上カバー
を外したときに排油兼用ねじを外すと、自動的に油戻し
用ねじ孔が開かれるので、フィルタケーシングに溜った
油が急速に排出され、フィルタを取り出すときに油垂れ
が少なくなり、周囲を汚すことがなくなるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例のフィルタを備えたミシンの
断面図、第２図は第１図の一部の拡大断面図、第３図は
第２図の上カバーを外したときの要部の平面図、第４図
は従来のフィルタを備えたミシンの断面図である。 １……ハウジング、２……オイルパン、３……油、４…
…ポンプ、５……供給管、６……フィルタケーシング、
７……流入口、９……上カバー、14……油送り管、16…
…油戻し用ねじ孔、17、18……挿入孔、19……排油兼用
ねじ、20……Ｏリング、21……フィルタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】オイルパンの油をポンプによってフィルタ
   ケーシングに送り、該フィルタケーシング内のフィルタ
   で濾過された油を各部へ給油するようにしたミシンにお
   いて、前記フィルタケーシングの底部に形成した油戻し
   用のねじ孔と、前記フィルタケーシングの上部のフレー
   ムに形成した上カバーを支える上カバー支えと、前記上
   カバー及び上カバー支えに形成されたねじ挿入孔と、前
   記上カバー支えのねじ挿入孔に装着されたＯリングと、
   前記上カバー及び前記上カバー支えの前記ねじ挿入孔に
   挿通し、かつ前記油戻し用のねじ孔に嵌着される排油兼
   用ねじとからなることを特徴とするフィルタ室排油装
   置。