JPH07136240A - アルギン酸塩集合体を使用した創傷被覆材 - Google Patents

アルギン酸塩集合体を使用した創傷被覆材

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JPH07136240A
JPH07136240A JP5307176A JP30717693A JPH07136240A JP H07136240 A JPH07136240 A JP H07136240A JP 5307176 A JP5307176 A JP 5307176A JP 30717693 A JP30717693 A JP 30717693A JP H07136240 A JPH07136240 A JP H07136240A
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wound
alginate
aggregate
support layer
sheet
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JP5307176A
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Toru Wada
徹 和田
Hisao Kinoshita
久雄 木下
Yusuke Amihoshi
雄介 網干
Hirokuni Tanii
宏邦 谷井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】周辺部が粘着性を有するシート状支持層と、シ
ート状アルギン酸塩集合体からなり、アルギン酸塩集合
体を支持層の中央部に積層せしめてなる創傷被覆材であ
る。またシート状アルギン酸塩集合体の表面を凹凸状と
したり、集合体の見掛け密度が 3.5×10-2 g/cm3以下で
ある場合がより好ましく、更にシート状支持層には活性
炭微粒子を含有させてもよい。 【効果】本発明の創傷被覆材は浸出する体液を吸収して
ゲル状となるため、従来のガーゼ等に較べて多量の体液
を保持出来る機能があり、このため常に創傷の治癒を促
進するために適した湿潤状態を保持出来る。その他止
血、痛みを緩和する効果があり、治癒後も創傷に固着せ
ずに剥離が容易なアルギン酸塩集合体を、容易に且つ確
実に創傷の上へ保持することができる。また創傷治癒後
の剥離も容易で、傷の部分を傷めることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は創傷被覆材に関するもの
で更に詳しく述べると、創傷をシート状アルギン酸塩集
合体で被覆し、支持層の周辺の粘着部分により容易に保
持固定できる創傷被覆材である。
【0002】
【従来の技術】従来、創傷被覆には綿、ガーゼ、軟膏、
アルギン酸塩繊維集合体等が使用されてきた。これらの
中、綿、ガーゼは創傷に固着して創傷が治癒した後も剥
離困難となる場合があり、軟膏は処置に手間がかかる欠
点があった。またアルギン酸塩集合体は体液を吸収して
ゲル化する特徴があって、止血効果を持ち、痛みを緩和
し、治癒を促進するために適した湿潤状態を保持し、創
傷が治癒した後除去が容易等のメリットがあるが、創傷
がある部分へアルギン酸塩集合体を保持固定することが
困難であった。
【0003】一方、粘着性を有するシートを使用した創
傷被覆材にはプラスチック粘着フィルム単体、創傷に接
触する部分にガーゼまたは不織布、支持層には非癒着フ
ィルムの積層体等が使用されてきた。しかし、プラスチ
ック粘着フィルムを単体で使用する場合は創傷を外気か
ら遮断する効果が主体であり、創傷に接触する部分にガ
ーゼ、不織布を使用した被覆材は体液の吸収性、クッシ
ョン効果は優れているが止血効果はなく、創傷が治癒し
た後乾燥して固着するため剥離困難となる場合が多かっ
た。創傷接触部分に不織布を使用し、非癒着フィルムの
支持層と積層したシートは、創傷が治癒した後の癒着防
止効果は改善されているが、止血効果を期待できず湿潤
保持効果も少ないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は止血効果を持
ち、創傷の痛みを緩和し、更に創傷の治癒促進に適した
湿潤状態を保持するアルギン酸塩集合体を、創傷部分に
速やかに且つ容易に保持固定出来る創傷被覆剤を提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前述の目的
を達成するために種々検討を重ねた結果、粘着性を有す
るシート状支持層に、シート状アルギン酸塩集合体を固
定した創傷被覆材を得た。この被覆材を使用すれば粘着
性を持つ支持層によって、使用中に支持層及び創傷部分
に接触しているアルギン酸塩集合体がずれることがなく
密着させることが出来、創傷治癒を促進すると共に治癒
後の剥離も容易であることを見出し、これに基づいて本
発明に到達した。
【0006】すなわち、周辺部が粘着性を有するシート
状支持層と、シート状アルギン酸塩集合体からなり、ア
ルギン酸塩集合体を支持層の中央部に積層せしめてなる
創傷被覆材である。またシート状アルギン酸塩集合体の
表面を凹凸状としたり、集合体の見掛け密度が 3.5×10
-2 g/cm3以下である場合がより好ましく、更にシート状
支持層には活性炭微粒子を含有させてもよい。尚、ここ
で支持層の中央部とは支持層の周辺部以外の広範な中央
部分を指すが、積層する部分は必ずしも中央部全体でな
くても少なくともその一部分にアルギン酸塩集合体を積
層させることを意味している。
【0007】以下本発明について詳しく説明する。
【0008】本発明において、シート状支持層は周辺部
が粘着性を有するシートである必要がある。支持層の材
質としてはプラスチックフィルム、スポンジ、不織布、
伸縮性の良好な不織布、布帛例えばガーゼ等が使用出来
る。プラスチックフィルムは特に限定せず例えば、酸素
ガスまたは水蒸気透過性等の物性の異なるもが広範囲に
わたって存在するがこれらのいずれでもよく、多数の細
孔を設けたもの、細孔がないもの等があるがそのいずれ
でもよい。また、スポンジ、不織布、布帛等も広範囲の
ものが使用出来るが、一般には或る程度の伸縮性があり
更に適度な酸素ガス、水蒸気または水分透過性を有する
ものが好ましい。しかし、火傷に使用する場合等には酸
素ガス透過性が低い材質が好ましい。
【0009】また、本発明の被覆材の支持層周辺部は粘
着性を有する必要がある。粘着性は例えば支持層の周辺
部に、プラスチック或いは布製の絆創膏に使用されてい
る公知の皮膚を刺激しない粘着剤を塗布することにより
付与される。本発明の被覆材を創傷に当てたとき、支持
層の周辺部を創傷の外周部で皮膚に粘着させることによ
り、支持層の上に積層したアルギン酸塩集合体を創傷に
固着させて、ずれない様に保持するためである。尚、粘
着剤は支持層の周辺部の他それより内側の中心部に塗布
してもよい。この場合アルギン酸塩集合体は粘着剤によ
り容易に積層することが出来る。
【0010】更に、シート状支持層には活性炭微粒子を
含有させることが出来る。活性炭の脱臭作用を利用し
て、創傷部から発生する臭気を吸着除去するためであ
る。ここで使用する基材の活性炭は、通常1gあたり数10
0 m2或いはそれ以上の大きな表面積を有し、高い吸着性
を示す炭素材料であれば、広範囲に使用できる。活性炭
の原料は通常ヤシ殻または木材等の炭化物、或いは石炭
が使用されるが何れでもよい。充分に炭化したこれらの
材料を水蒸気、二酸化炭素或いは塩化亜鉛、リン酸で処
理することにより活性炭が得られる。
【0011】シート状支持層に活性炭微粒子を添着させ
るには、例えば希薄なラテックスに活性炭微粒子を分散
させ、分散液を支持層に含浸させて乾燥することによ
り、活性炭を添着した支持層を調製することが出来る。
活性炭微粒子を希薄なラテックスに分散させて使用する
のは、支持層の通気性及び活性炭の吸着性を阻害しない
ためである。
【0012】活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた
吸着性を有する特異な材質で、殆どすべてのガス状物質
に対して高い吸着性を示す。例えば、トリメチルアミ
ン、メルカプタン、アミン、硫化水素、アンモニア等の
悪臭除去に有効であり、また創傷の臭気除去性も高い。
従って、シート状支持層に活性炭微粒子を含有させると
その脱臭効果とアルギン酸集合体の創傷治癒効果が相ま
って、本発明の創傷被覆材の機能を一層高めることが出
来る。
【0013】本発明の創傷被覆材は、シート状支持層に
シート状アルギン酸塩集合体を積層した構造をもってい
る。アルギン酸塩は褐藻類に含まれている粘液質でその
組成はポリ1,4-β-D- マンノウロン酸塩で主にナトリウ
ム塩として含まれ、昆布、ジャイアントケルプ等の海藻
類より抽出して得られる。本発明のアルギン酸塩に含ま
れる陽イオンは特に限定しないがリチウム、ホウ素、ナ
トリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、カリウ
ム、カルシウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、
銅、ガリウム、ゲルマニウム、銀、錫、セシウム、バリ
ウム、金、水銀、ルビジューム、パラジウム、白金、ア
ンモニウム、及び錯体陽イオン、有機陽イオン、及びこ
れを複数種類含む塩である。これらの中特にナトリウム
塩及びカルシウム塩が好ましい。またアルギン酸塩には
陽イオンと結合していないD-マンノウロン酸残基を含ん
でいてもよい。
【0014】またアルギン酸塩集合体とは、アルギン酸
塩からなる種々の構造を有するシート状材質の総称で、
例えば連続気泡を有するアルギン酸塩スポンジ、アルギ
ン酸塩繊維、アルギン酸塩繊維トウ、アルギン酸塩繊維
ロープ、アルギン酸塩繊維からなる不織布、織物、編み
物、アルギン酸塩フィルム等である。アルギン酸フィル
ムには多数の細孔を有するもの及び細孔がないものも含
まれる。
【0015】アルギン酸塩集合体は創傷から浸出した体
液と接触すると、体液が集合体の内部に浸透して集合体
を膨潤させゲル化させる性質がある。従来から使用され
ているガーゼは創傷から浸出した体液を毛細管現象によ
り、繊維間の間隙に保持するのみであるから、本発明の
創傷被覆材の体液を保持する機能とは全く異なってい
る。アルギン酸塩集合体は、ガーゼより遙かに多量の体
液を保持出来る機能があるのはこのためである。ガーゼ
を創傷接触して保持した場合は、創傷が次第に治癒して
体液の滲出量が少なくなると、創傷との接触面が乾燥し
て治癒速度が低下するが、アルギン酸塩集合体はゲル状
となって体液を保持するため、創傷と接触面が常に湿潤
状態に保たれ、また浸出した体液に含まれている栄養分
による細胞の増殖速度が低下せず、破壊された細胞の修
復が早められる効果すなわち治癒促進効果がある。更に
創傷が治癒した場合ガーゼは乾燥して創傷に固着し、剥
離が困難となり剥離時治癒した創傷をいためることがあ
るが、アルギン酸塩集合体はゲルの体液保持力によって
常に湿潤状態に保たれるため、治癒後の剥離が容易であ
る。
【0016】その他、集合体を創傷に接触して保持する
と、止血作用及び創傷を刺激しない作用も認められる。
更に、アルギン酸塩集合体は背後からシート状支持層に
よりサポートされているため、膨潤により創傷表面への
フィット性が一層高められる。
【0017】従って、アルギン酸塩集合体の表面は創傷
から浸出した体液をその表面に保持し易く、更に集合体
の内部に浸透して膨潤させゲル化させ易い構造が好まし
い。この効果を促進するため、アルギン酸塩集合体の表
面を凹凸状とすと更に好ましい。ここで凹凸状とは、例
えばアルギン酸塩ウエブ或いはスポンジに型押等によっ
て表面に凹凸形状を設けたもの、またはアルギン酸塩繊
維の織物の表面をシボ状にしたもの、ジグザグ形の溝状
にしたもの、また布或いは不織布の場合はその繊維間隙
を調整して凹凸構造としてもよい。集合体を創傷に接触
して保持させた時その表面が凹凸状になっていると、創
傷から浸出した体液が最初は凹凸によって生じた間隙に
保持され、次の段階でアルギン酸塩に浸透し集合体がゲ
ル化して膨潤するため、創傷の表面へのフィット性を一
層向上させることが出来る。人体は複雑な形状を有する
ためアルギン酸塩集合体の表面がフラットな被覆材より
も、適当な凹凸を有する形状の被覆材がより創傷の表面
にフィットする場合が多い。
【0018】本発明の創傷被覆材のアルギン酸塩集合体
の見掛け密度は 3.5×10-2 g/cm3以下とした場合がより
好ましい。例えば集合体が不織布の場合、その見掛け密
度を3.5×10-2 g/cm3以上にすると、繊維間の間隙が少
なく毛細管現象による体液の保持性が低下するため、体
液が繊維内部に浸透して膨潤させる速度が低下するが、
見掛け密度を 3.5×10-2 g/cm3以下にすると、毛細管現
象により体液が繊維間の間隙に吸収される速度と、繊維
の間隙に保持された体液が繊維内部に浸透して膨潤させ
る作用がバランスするため、全体として不織布の膨潤速
度が早くなり創傷被覆材の機能をより高めることが出来
る。
【0019】シート状支持層とアルギン酸塩集合体の積
層方法は特に限定しない。粘着剤、接着剤等が広く使用
出来るが、好ましくは支持層の周辺部に塗布した粘着剤
と共通の粘着剤が好ましい。また、支持層とアルギン酸
塩集合体を積層する場合、通常は支持層の周辺部以外の
表面全面に貼付されることが多い。しかし、必ずしも支
持層の周辺部以外の表面全面に積層する必要はなく、例
えば、短冊状の集合体シートを間隔を置いて多数平行に
並べてもよく、或いはその他の形状に配置してもよい。
またシート状支持層の周辺部に塗布されている粘着面に
は、使用前に不要部分への付着を防止するために剥離の
容易な剥離紙、剥離フィルムを貼付しておくことが好ま
しい。この剥離紙、剥離フィルムは使用する直前に除去
される。
【0020】アルギン酸塩集合体の厚みは特に限定せ
ず、使用する創傷の状態によって適宜選択することが可
能である。その大きさは数mm以下の創傷に使用するため
の5mm×5mm から数10cm角の創傷或いは大面積の火傷に
使用出来る大きさとすることが可能である。支持層の大
きさもアルギン酸塩集合体の大きさに合わせて適宜選択
出来る。シート状支持層とアルギン酸塩集合体の間にス
ポンジ、不織布、綿集合体、ガーゼ、布帛を積層しても
良い。更にシート状支持層或いはスポンジ、不織布等の
中間層部分に外部からの細菌の感染を防止するための殺
菌剤を含浸させてもよい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0022】(実施例1)図1(a) 及び(b) にそれぞれ
本発明の創傷被覆材の一態様の正面図及び底面図を示
す。創傷被覆材1のシート状支持層2として不織布の片
面に粘着剤を塗布した、大きさが200mm ×90mm、厚さ0.
3mm の不織布を使用した。またアルギン酸塩集合体3と
しては支持層2の粘着剤を塗布した面の中央部分に、長
辺方向を一致させて大きさ150mm ×40mm、厚さ2mmのア
ルギン酸カルシウムナトリウム塩繊維不織布を付着さ
せ、剥離紙で粘着剤を塗布した部分を覆い滅菌して創傷
被覆材を作成した。
【0023】腹部手術後の長さ8cmの縫合創をアルギン
酸カルシウムナトリウム塩繊維不織布が覆う様にあて、
剥離紙を剥がした支持層周辺部の粘着性を有する部分を
縫合創の周囲の皮膚に粘着させて覆った。アルギン酸カ
ルシウムナトリウム塩繊維不織布及び支持層はずれるこ
となく創傷の上に保持された。また、創傷治癒後被覆材
の剥離も容易で傷の部分を傷めることが全くなかった。
【0024】(比較例1)実施例1と同じ150mm ×40m
m、厚さ2mmのアルギン酸カルシウムナトリウム塩繊維
不織布のみで、同様な腹部手術後の縫合創にその被覆材
をあてたがずれ易くそのため上に数枚のガーゼをあて粘
着テープで固定する必要があった。尚、粘着テープで固
定してもガーゼの創傷面からの移動が認められた。
【0025】(比較例2)実施例1の創傷被覆材と同じ支
持層を使用し、その粘着剤を塗布した面の中央部分に、
長辺方向を一致させて実施例1のアルギン酸塩繊維不織
布と同じ大きさのセルロース系不織布を付着させて創傷
被覆材を作成した。セルロース系不織布が縫合創にあた
る様に被覆材を固定した。
【0026】セルロース系不織布は縫合創から滲出した
体液を充分吸収する能力がなく、最初の間はしばしば交
換する必要があり、また縫合創が治癒した時は創傷部分
にセルロース系不織布が固着して除去がかなり困難であ
った。
【0027】(実施例2、3)図2(a) 及び(b) にそれ
ぞれ本発明の創傷被覆材の他の一態様の正面図及び底面
図を示す。創傷被覆材1の支持層2には大きさが80mm×
20mm、厚さ0.02mmのポリウレタンフィルムの片面にアク
リル系粘着剤を塗布したシートを使用した。またアルギ
ン酸塩集合体3としてはその中央部分に図に示す様な多
数の薄い円柱形の凸部を有する、大きさが25mm×15mm、
厚さ1mmのアルギン酸カルシウムナトリウム塩スポンジ
を付着させて創傷被覆材を作成した。
【0028】アルギン酸カルシウムナトリウム塩スポン
ジ部分が親指の付け根の創傷に当るように創傷を覆って
使用した(実施例2)。またアルギン酸塩スポンジの表
面がフラットな他は同様な被覆材を作成して同様に創傷
の処置をした(実施例3)。アルギン酸塩スポンジの表
面に凹凸が有る被覆材は表面がフラットなスポンジを使
用した場合に較べて、複雑な形状の指の付け根にフィッ
トし易くずれることが少なかった。また両者共に創傷治
癒後の被覆材の剥離が容易であった。
【0029】(実施例4、5)創傷被覆材のシート状支
持層として活性炭微粒子を含浸させその不織布の片面に
粘着剤を塗布した、大きさが200mm ×90mm、厚さ0.3mm
の不織布を使用した。またアルギン酸塩集合体として支
持層の粘着剤を塗布した面の中央部分に、長辺方向を一
致させて見掛け密度3.0 ×10-2 g/cm3で大きさ150mm ×
40mm、厚さ2mmのアルギン酸カルシウムナトリウム塩繊
維不織布を付着させ、剥離紙で粘着剤を塗布した部分を
覆い滅菌して創傷被覆材を作成した(実施例4)。また
同様に見掛け密度10.0×10-2 g/cm3のアルギン酸カルシ
ウムナトリウム塩繊維不織布を使用して同様な創傷被覆
材を作成した(実施例5)。
【0030】長さ約10cmの創傷の一方には見掛け密度3.
0 ×10-2 g/cm3のアルギン酸塩繊維不織布が覆う様にあ
て、剥離紙を剥した支持層周辺部の粘着性を有する部分
を創傷の周囲の皮膚に粘着させて覆った。また他の同様
な創傷には見掛け密度10.0×10-2 g/cm3のアルギン酸塩
繊維不織布が覆う様にあて、同様に処置して両者の創傷
から滲出する体液の吸収速度を比較した。見掛け密度3.
0 ×10-2 g/cm3のアルギン酸塩繊維不織布を使用した被
覆材は、体液の吸収時間が約5秒であったのに対して、
見掛け密度10.0×10-2 g/cm3のアルギン酸塩繊維不織布
を使用した被覆材は、ほぼ同量の体液の吸収時間が10秒
以上を要した。
【0031】また両者共に創傷から滲出する体液の臭気
は殆ど感じられなかった。支持層に含浸されている活性
炭により体液の臭気が吸収されたものと考えられる。そ
の他両者共に使用中創傷にあてた被覆材がずれることが
なく、治癒後被覆材の剥離も容易で傷の部分を傷めるこ
とが全くなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の創傷被覆材は浸出する体液を吸
収してゲル状となるため、従来のガーゼ等に較べて多量
の体液を保持出来る機能があり、このため常に創傷の治
癒を促進するために適した湿潤状態を保持出来る。その
他止血、痛みを緩和する効果があり、治癒後も創傷に固
着せずに剥離が容易なアルギン酸塩集合体を、容易に且
つ確実に創傷の上へ保持することができる。また創傷治
癒後の剥離も容易で、傷の部分を傷めることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 及び(b) はそれぞれ本発明の創傷被覆材の
一態様の正面図及び底面図を示す。
【図2】(a) 及び(b) はそれぞれ本発明の創傷被覆材の
一態様の正面図及び底面図を示す。
【符号の説明】
1 創傷被覆材 2 シート状支持層 3 シート状アルギン酸塩集合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷井 宏邦 大阪市北区梅田1−12−39 株式会社クラ レ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周辺部が粘着性を有するシート状支持層
    と、シート状アルギン酸塩集合体からなり、アルギン酸
    塩集合体を支持層の中央部に積層せしめてなる創傷被覆
    材。
  2. 【請求項2】 アルギン酸塩集合体の表面が凹凸状であ
    る請求項1記載の創傷被覆材。
JP5307176A 1993-11-12 1993-11-12 アルギン酸塩集合体を使用した創傷被覆材 Pending JPH07136240A (ja)

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