JPH0713560U - シートレッグの補強構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートレッグの強度を高めるとともに、工数
およびコストを低減して、重量を減少させるという効果
を奏する。 【構成】 コ字形の横断面を有するシートレッグ本体１
と、車両フロアＦにシートレッグ本体１を固定するシー
トレッグ本体１の下部に形成したフロア固定部２と、フ
ロア固定部２の一端から略垂直に立上る立上り部１３
と、回転シート（図示せず）の回転盤を支持するシート
ラックを固定するシート固定部３と、フロア固定部２の
下部から立上り部１３を介してシート固定部３に延在し
ておりシートレッグ本体１の脚部１１、１２の間を一体
的に連結した補強部材４とから成るシートレッグの補強
構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シートを車両フロアへ取り付けるためのシートレッグの補強構造に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のシートレッグの補強構造は、図１ないし図８に示すように、車両フロア ＦにシートレッグＬを固定するフロア固定部Ａの下部に縦断面Ｌ字状の第１の補 強部材Ｒ１を一体的に溶接して断面積を増加させるとともに、回転シートの回転 盤を支持するシートラックＫを固定するシート固定部Ｂの裏面に横断面略コ字形 の第２の補強部材Ｒ２を一体的に溶接して断面積を増加させることにより、強度 を上げるものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のシートレッグの補強構造は、フロア固定部Ａの下部にＬ字状の第１ の補強部材Ｒ１を固着し、シート固定部Ｂの裏面にコ字形の第２の補強部材Ｒ２ を固着するものであるため、シートレッグの構成部分が多くなり、溶接箇所も増 えるので、工数およびコストが増加するとともに、シートレッグの板厚に補強部 材の板厚を付加して断面積を増加させることにより強度を高めるものであるため 、重量が増加するという問題が有った。

【０００４】 そこで本考案者は、シートレッグ本体の立上り部およびシート取付部の脚部間 を薄肉の補強部材で一体的に連結してボックス断面にするという本考案の構造に 関する技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、シートレッグの強度を 高め、工数およびコストを低減し、重量を減少させるという目的を達成する本考 案に到達した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案のシートレッグの補強構造は、 車両フロアに固定される固定部と、この固定部の一端から略垂直に立上る立上 り部と、および該立上り部の上端から固定部と逆方向に延びる略水平のシート取 付部とを備え、上記立上り部およびシート取付部が下方へ開口するコ字形の連続 断面に形成されたシートレッグにおいて、 上記固定部下面に介挿される補強部材を上記立上り部を介してシート取付部に まで延在させ、前記立上り部およびシート取付部とこの補強部材の延在部とで閉 断面のボックス状に形成したものである。

【０００６】

【作用】

上記構成より成る本考案のシートレッグの補強構造は、フロア固定部に補強部 材を介挿するとともに、横断面コ字形のシートレッグ本体の立上り部およびシー ト取付部に相当する部分の対向する脚部間を薄肉の補強部材により連結して一体 化して、閉断面のボックス状に形成することにより、シートレッグ本体全体およ び固定部の剛性を高めるものである。

【０００７】

【考案の効果】

上記作用を奏する本考案のシートレッグの補強構造は、シートレッグ本体の対 向する脚部間を薄肉の補強部材により連結してボックス状の閉断面に形成するも のであるため、シートレッグの強度を高めるとともに、工数およびコストを低減 して、重量を減少させるという効果を奏する。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例につき、図面を用いて説明する。

【０００９】 （第１実施例） 第１実施例のシートレッグの補強構造は、図１ないし図４に示すように、コ字 形の横断面を有するシートレッグ本体１と、車両フロアＦにシートレッグ本体１ を固定するシートレッグ本体１の下部に形成したフロア固定部２と、フロア固定 部２の一端から略垂直に立ち上がる立上り部１３と、回転シート（図示せず）の 回転盤を支持するシートラック５を固定するシート固定部３と、フロア固定部２ の下部から立上り部１３を介してシート固定部３に延在しておりシートレッグ本 体１の脚部１１、１２の間を一体的に連結した補強部材４とから成る。

【００１０】 シートレッグ本体１は、コ字形の横断面の部材を曲げ成形してくの字状の縦断 面を有するように構成されており、立上り部１３を構成する傾斜部が図２に示す ように下方に行くに従い徐々に左方に突出するように形成され、下端の水平部１ ４には半円弧状のリブ１４Ｒが形成されるとともにフロア面固着用のボルトを介 挿する円孔１４Ｈを形成してフロア固定部２を構成する。

【００１１】 シートレッグ本体１の上部水平部１５の肩部１５Ｓには、回転シートの回転盤 を支持するシートラック５を固定するためのボルト孔１５Ｈを形成して、シート 固定部３を配設する。

【００１２】 補強部材４は、図１に示すように略Ｓ字状の縦断面を有し、先端部分４１をシ ートレッグ本体１の下部の水平部１４に介挿して図４に示すように幅方向両端に おいてフロア固定部２を構成するシートレッグ本体１の下部の水平部１４に対し て溶接にて固着するとともに、他の部分は傾斜した立上り部１３を介してシート レッグ本体１のシート固定部３が配設された肩部１５Ｓの下方を通過して上部水 平部１５に近接するところまで延在している。

【００１３】 下部の水平部１４に介挿された先端部分４１を除いた傾斜部分４２の幅方向の 両端を下方に屈曲させて横断面をコの字状とし、両側の屈曲部４Ｂをシートレッ グ本体１の脚部１１、１２の対向する内壁に対して溶接により固着して、図３に 示すように上部水平部１５および対向する脚部１１および１２とにより、閉じた ロの字状のボックス断面を構成するものである。

【００１４】 補強部材４の傾斜した部分には、図１中シート固定部３の下方に位置する部位 においてシートラック５を固定するためのボルトを装着する作業を可能にする穴 部４３が形成されている。

【００１５】 上記構成より成る第１実施例のシートレッグの補強構造は、シートレッグ本体 １の下部の水平部１４により固定されるフロア固着部２においてフロアＦにボル トにより固着され、シートレッグ本体１の上部水平部１５の肩部１５Ｓに形成し てシート固定部３において回転シートの回転盤を支持するシートラック５が固着 される。

【００１６】 また上記構成より成る第１実施例のシートレッグの補強構造は、補強部材４を フロア固定部２から立上り部１３を介してシート固定部３まで延在させて、シー トレッグ本体１の横断面をロの字状のボックス断面にしたので、フロア固定部２ 、立上り部１３およびシート固定部３の剛性を高めるとともに、シートレッグ本 体全体の剛性を一様且つ有効に高めるものである。

【００１７】 上記作用を奏する第１実施例のシートレッグの補強構造は、シートレッグ本体 １のフロア固定部２から全体に亘り一枚の補強部材４により補強するので、シー トレッグ本体１の全体的強度を高めるとともに部品点数を減らし、工数およびコ ストを低減することが出来るという効果を奏する。

【００１８】 また第１実施例のシートレッグの補強構造は、コ字形の横断面のシートレッグ 本体１の対向する脚部１１および１２の内壁間を補強部材４により一体的に連結 して、図３に示すようにロの字状の閉じたボックス断面を構成して、剛性を格段 に高めて、シートベルトがシートに係止され衝突時にシートベルトに作用する荷 重もシートラック５を介してシートレッグ本体１に作用する回転型のシートにお いても強度に余裕を持たせることが出来るとともに、その結果従来の補強部材の 板厚より薄い板厚の補強部材の使用を可能とし、軽量化を可能にするという効果 を奏する。

【００１９】 上述の実施例は、説明のために例示したもので、本考案としてはそれらに限定 されるものでは無く、実用新案登録請求の範囲、考案の詳細な説明および図面の 記載から当業者が認識することができる構造に関する技術思想に反しない限り変 更および付加が可能である。

【００２０】 上述の実施例においては、補強部材４の１つの例について例示したが、本考案 はそれらに限定するものでは無く、シートレッグ本体の形状、車両フロアの形状 等に応じてその形状および固着態様他を種々に変更可能である。

【００２１】 上述の実施例においては、一例として回転シートに適用した例について説明し たが、本考案はそれらに限定されるものではなく、当然固定シートに適用するこ とも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のシートレッグの補強構造を示す側
面図である。

【図２】第１実施例のシートレッグの補強構造を示す正
面図である。

【図３】第１実施例のシートレッグの補強構造を示す図
１中Ａ−Ａ線に沿う横断面図である。

【図４】第１実施例のシートレッグの補強構造の裏面を
示す図１中Ｂの矢印の方向で見たときの斜視図である。

【図５】従来の構造を示す側面図である。

【図６】従来の構造を示す図５中Ｃ−Ｃ線に沿う横断面
図である。

【図７】従来の構造の裏面を示す図５中Ｄの矢印で示す
方向から見た斜視図である。

【符号の説明】

１ シートレッグ本体 ２ フロア固定部 ３ シート固定部 ４ 補強部材 ５ シートラック １１、１２ 脚部 １３ 立上り部 １４ 下部の水平部 １５ 上部水平部 １４Ｒ リブ １４Ｈ 円孔 １５Ｓ 肩部 １５Ｈ ボルト孔 ４１ 先端部分 ４２ 傾斜部分 ４Ｂ、４２Ｂ 屈曲部 ４３ 穴部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両フロアに固定される固定部と、この
   固定部の一端から略垂直に立上る立上り部と、および該
   立上り部の上端から固定部と逆方向に延びる略水平のシ
   ート取付部とを備え、上記立上り部およびシート取付部
   が下方へ開口するコ字形の連続断面に形成されたシート
   レッグにおいて、 上記固定部下面に介挿される補強部材を上記立上り部を
   介してシート取付部にまで延在させ、前記立上り部およ
   びシート取付部とこの補強部材の延在部とで閉断面のボ
   ックス状に形成したことを特徴とするシートレッグの補
   強構造。