JP4517122B2 - ライジング台座を備える車輌用シート - Google Patents

Description

本発明は、シートクッションを車体フロアより比較的高い位置に支持する左右のライジング台座を備える車輌用シートに関するものである。

従来、高さの高い左右のライジング脚部をシートクッションの底面に備える、所謂、高座タイプの車輌用シートが知られている。

この種の車輛用シートにおいては、シート全体の安定した支持を可能にするに、各ライジング脚部を台座状の立体的に形成するのが好ましい。

そのような要請に応えるには、図３で示すような互いに形状が対称な左右のライジング脚部Ａ，Ａ’を構成するに、互いに高さ寸法の異なる横断面略コの字状を呈する左右一対の脚部フレーム２０，２０’と２１，２１’を用意し、各脚部フレーム２０，２０’、２１，２１’の各開口側を互いに対向させて、高さ寸法の小さな一方の脚部フレーム２０、２１を高さ寸法の大きな他方の脚部フレーム２０’、２１’の内側に嵌め込むことにより、台座状のライジング脚部として構成することができる。

その場合には、左右の脚部の形状を対称に形成するという要請から、各ライジング脚部Ａ，Ａ’を構成する左右一対の脚部フレーム２０，２０’を個別に形成するための金型がライジング脚部単位に二つずつ必要となる。これにより、多くの製造工程を経ることが必要となるため、製造コストが高くなり、シートのコスト高も招く。

本発明は、上述した点に鑑みて、車輌用シートのライジング台座を少ない数の金型で安価に製造可能な構造に構成することを課題とする。

本願の請求項１に係る発明は、側面形状が互いに異なる前後の脚部を設け、シートクッションの底面側で左右に相離間させて配置するライジング台座を備える車輌用シートであって、
前記左右のライジング台座が、車体フロアに対する各ライジング台座の幅方向の中心垂直面との関係で対称形状に形成されていると共に、シートクッションの前後方向に延びる左右一対の台座フレームで構成されており、
前記左右一対の台座フレームが、左右対称形状に形成されていると共に、各台座フレームの水平板部が互いに一水平面上で整列するようにシートクッションの底面側に取り付けられていることを特徴とする。

本願の請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明の構成に加え、各ライジング台座が、各脚部の両側板部間に掛渡し固定する補強部材で補強されていることを特徴とする。

本願の請求項３に係る発明は、請求項２に係る発明の構成に加え、補強部材をあてがう止め片を前後の端部より下方に折り曲げて設けた支持プレートをシートクッションの底面側にあてがい装着し、
各ライジング台座が、各補強部材を前記各止め片に固定するねじ止めによりシートクッションの底面側に取り付けられていることを特徴とする。

本願の請求項１に係る発明によれば、左右のライジング台座が、車体フロアに対する各ライジング台座の幅方向の中心垂直面との関係で対称形状に形成されていると共に、シートクッションの前後方向に延びる左右一対の台座フレームで構成されており、
左右一対の台座フレームが、左右対称形状に形成されていると共に、各台座フレームの水平板部が互いに一水平面上で整列するようにシートクッションの底面側に取り付けられることから、各ライジング台座を構成する左右一対の台座フレームを右，左単位に両者共通の金型で形成でき、少ない数の金型で安価に製造可能なライジング台座を備えられる。

本願の請求項２に係る発明によれば、各ライジング台座が、各脚部の両側板部間に掛渡し固定する補強部材で補強されていることにより、シート全体の安定した支持が可能なライジング台座を備え付けられる。

本願の請求項３に係る発明によれば、補強部材をあてがう止め片を前後の端部より下方に折り曲げて設けた支持プレートをシートクッションの底面側にあてがい装着し、
各ライジング台座が、各補強部材を各止め片に固定するねじ止めによりシートクッションの底面側に取り付けられることから、ライジング台座をシートクッションの底面側に簡単に取り付けられる。

以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。

本発明に係る車輌用シートは、図１で示すようにシートクッション１と、シートクッション１に対してリクライニング機構（図示せず）を介して前倒し乃至後倒し自在に支持されたシートバック２とを有している。

この車輌用シートは、スライドレール機構を介して車内の前後方向へスライド自在に構成されている。スライドレール機構は、図２で示すように互いに離間された左右の固定レール３０，３１と、シートクッション１の底面に取付けられて、左右の固定レール３０，３１でスライド自在に支持する左右の可動レール３２，３３とを有している。

固定レール３０，３１の底面には、後述する如く側面形状が互いに異なる前後の脚部を設けたライジング台座４，５が夫々取り付けられている。各ライジング台座４，５は、車体フロアＦに対する各ライジング台座４，５の幅方向の中心垂直面Ｓとの関係で、形状が対称に形成されている。

そのライジング台座４，５を備え、シート全体はライジング台座４，５を車体フロアＦのフロア面に固定することにより、車体フロアに据付け固定される。

ライジング台座４，５は、形状が左右対称の横断面略コの字状を呈する左右一対の台座フレーム４０，４２、５０，５２で夫々構成されている（図２参照）。左右一対の台座フレーム４０，４２、５０，５２は、水平板部が互いに一水平面上で整列するよう開口側を互いに対向させることから、固定レール３０、３１の底面に取付けられている。

ライジング台座４，５には、左右一対の台座フレーム４０，４２、５０，５２の縦板部の長手方向中央部分を切欠くことにより、切欠部６０を境にし（図１参照）、側面形状が互いに異なる前側脚部６２及び後側脚部６４が設けられている。

そのライジング台座４，５（図２参照）では、側面形状が互いに異なる前側脚部６２及び後側脚部６４を設けても、ライジング台座４を構成する左側の台座フレーム４０と、ライジング台座５を構成する左側の台座フレーム５０とが同一形状を有し、ライジング台座４を構成する右側の台座フレーム４２と、ライジング台座５を構成する右側の台座フレーム５２とが同一形状を有する。このため、各ライジング台座４，５を構成する左右一対の台座フレーム４０，４２、５０，５２を右，左単位に両者共通の金型で形成でき、少ない数の金型で安価に製造できる。

ライジング台座４，５は、前側脚部６２及び後側脚部６４の両側板部間に掛渡し固定する補強部材６，７により夫々補強されている（図１参照）。補強部材６，７は、縁部の適宜部位を溶接することにより、前側脚部６２及び後側脚部６４の両側板部に一体に取付けられている。図１及び図２中、符号８はスライド機構及び図示されていないリクライニング機構を被覆するカバーを示す。

ライジング台座４，５は、固定レール３０，３１の底面にあてがい装着された支持プレート９を介して固定レール３０，３１の底面に固定されている。支持プレート９には、止め片９ａ，９ｂが支持プレート９の前後端部を下方に折り曲げて設けられている。この止め片９ａ，９ｂに対しては、補強部材６，７の一般面をあてがってねじ１０ａ，１０ｂで補強部材６，７を夫々固定することにより、ライジング台座４，５は夫々対応の固定レール３０、３１の底面に固定されている。

このように構成する車輌用シートは、形状が左右対称の左右一対の台座フレーム４０，４２、５０，５２でなるライジング台座４，５を、水平板部が互いに一水平面上で整列するようにシートクッションの底面側に取り付けることから、製造コストを低く抑えられる。

本発明の実施形態に係る車輌用シートを示す側面図である。 図１の車輌用シートをライジング台座の断面で示す正面図である。 従来の車輌用シートをライジング台座の断面で示す正面図である。

１ シートクッション
２ シートバック
４，５ ライジング台座
４０，４２，５０，５２ 台座フレーム
６２，６４ 前後の脚部
６，７ 補強部材
Ｆ 車体フロア
Ｓ 車体フロアに対するライジング台座の中心垂直面

Claims (3)

1. 側面形状が互いに異なる前後の脚部を設け、シートクッションの底面側で左右に相離間させて配置されたライジング台座を備える車輌用シートであって、
   前記左右のライジング台座が、車体フロアに対する各ライジング台座の幅方向の中心垂直面との関係で対称形状に形成されていると共に、シートクッションの前後方向に延びる左右一対の台座フレームで構成されており、
   前記左右一対の台座フレームが、左右対称形状に形成されていると共に、各台座フレームの水平板部が互いに一水平面上で整列するようにシートクッションの底面側に取り付けられていることを特徴とするライジング台座を有する車輌用シート。
2. 前記各ライジング台座が、前記各脚部の両側板部間に掛渡し固定する補強部材で補強されていることを特徴とする請求項１に記載の車輌用シート。
3. 前記補強部材をあてがう止め片を前後の端部より下方に折り曲げて設けた支持プレートをシートクッションの底面側にあてがい装着し、
   前記各ライジング台座が、前記各補強部材を前記各止め片に固定するねじ止めによりシートクッションの底面側に取り付けられていることを特徴とする請求項２に記載の車輌用シート。

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