JPH07133586A - ポリエステル系人工毛髪のつや消し処理方法 - Google Patents

ポリエステル系人工毛髪のつや消し処理方法

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JPH07133586A
JPH07133586A JP5134032A JP13403293A JPH07133586A JP H07133586 A JPH07133586 A JP H07133586A JP 5134032 A JP5134032 A JP 5134032A JP 13403293 A JP13403293 A JP 13403293A JP H07133586 A JPH07133586 A JP H07133586A
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JP
Japan
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artificial hair
polyester
hair
artificial
raw yarn
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JP5134032A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tsukamoto
塚本武
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ART NEICHIYAA KK
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ART NEICHIYAA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工程を簡略化し、見た目が人毛に近い外
観を有し、かつ、抗菌性の効果も有するポリエステル系
人工毛髪を得ることができること。 【構成】 抗菌性ゼオライト微粉末を0.5〜5.0パ
ーセント含有し、かつ、無機物質を含有しないポリエス
テル系人工毛髪の原糸を製造する紡糸工程と、高温に加
熱されたアルカリ溶液の中に前記原糸を入れ、原糸の外
表面を15〜25パーセントの範囲内でアリカリ減量処
理し、長径方向が繊維軸方向にそれぞれ一致しかつラン
ダムで粗雑な外表面の細長いクレータを多数有する人工
毛髪素体を得るアルカリ処理工程と、前記人工毛髪素体
に人毛の外観を呈するように染色し、見た目が人毛と変
わらないつや消しされた人工毛髪を得る人工毛髪素体の
染色工程とから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、見た目が人毛に近い外
観を有するポリエステル系人工毛髪のつや消し処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かつら用人工毛髪の合成繊維素材
としては、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系な
どが使用されている。その中でも耐熱温度、耐久性、形
態保持性などの利点からポリエステル系が使用されてい
る。
【0003】しかしながら、ポリエステル系は繊維軸方
向に屈折率が約1.72繊維軸と直交する方向でも、屈
折率は約1.54と高いため、光の反射が強く、光沢の
面で不十分な外観となっている。たとえば人工毛髪用の
素材として0.5〜5.0パーセントの抗菌性ゼオライ
ト微粉末を含有したポリエステル系繊維を使用すると、
外表面の光の屈折率が高いため、それをそのまま人工毛
髪として使用すると、見た目が明らかに人毛と異なり、
いかにも「かつら」を被っているとの印象を受ける。
【0004】そこで、現在、上記欠点を解消するために
ポリエステル系人工毛髪のつや消し処理が色々と行われ
ている。
【0005】しかして、繊維表面に凹凸を付与する手段
としては、ポリエステル繊維内に微粒子状のつや消しに
影響する無機物質を含有させ、繊維を侵され難くし、か
つ、無機物質が溶解する酸やアルカリ溶液で処理し、繊
維表面の無機物質を除去し、表面を凹凸にする方法があ
る。
【0006】しかしながら、該方法に於いては、ゼオラ
イト微粉末と酸化桐、アルミナ、酸化ナトリウム、リン
酸チタン等の無機物質の微粉末とを繊維中に含有させる
ため、原料であるポリエステル中に多くの微粉末を混入
させることになり、紡糸した繊維の強度が、含有させる
微粉末の量に比例して劣化すると言うことが経験上から
一般的に言われている。人工毛髪の強度はかつらの耐久
性に関与し、弱いと耐久性が低下する。
【0007】そこで、ポリエステルの素材が本来もつ強
度をできるだけ低下させずに人工毛髪の原糸を得たい。
【0008】一方、繊維表面につや消しに影響する無機
物質を含有させずに凹凸を付与する手段として、ポリエ
ステル系繊維にプラズマ光を当てる方法が知られてい
る。
【0009】しかしながら、該方法においては、大きく
分けて原糸を形成するための紡糸工程と、原糸の外表面
に凹凸部を形成するプラズマ加工工程と、凹部を有する
原糸に人工毛の色を付与するための染色工程との3段階
の工程が必要となり、現状では各工程を行う場所、時間
などが著しく異なるため、各工程間の調整が容易でな
く、そのため均一の品質を有する人工毛髪を安定的に得
ることができないと言う欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は以上によう
な従来の欠点に鑑み、製造工程を簡略化することがで
き、また見た目が人毛に近い外観を有し、かつ、抗菌性
の効果も有するポリエステル系人工毛髪のつや消し処理
方法を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル系
人工毛髪のつや消し処理方法は、抗菌性ゼオライト微粉
末を0.5〜5.0パーセント含有し、かつ、無機物質
を含有しないポリエステル系人工毛髪の原糸を製造する
紡糸工程と、高温加熱された熱アルカリ溶液の中に前記
原糸を入れ、原糸の外表面を15〜25パーセントの範
囲内でアリカリ減量処理し、長径方向が繊維軸方向にそ
れぞれ一致しかつランダムで粗雑な外表面の細長いクレ
ータを多数有する人工毛髪素体を得るアルカリ処理工程
と、前記人工毛髪素体に人毛の外観を呈するように染色
し、見た目が人毛と変わらないつや消しされた人工毛髪
を得る人工毛髪素体の染色工程とから成ることを特徴と
する。
【0012】
【作用】まず前記紡糸工程で抗菌性ゼオライト微粉末を
0.5〜5.0パーセント前後含有し、無機物質を含有
しない35〜60デニールのポリエステルの原糸を製造
する。
【0013】次に苛性ソーダと助剤と水とを用いてアル
カリ溶液を作り、このアルカリ溶液を加熱し、前記原糸
を高温加熱された熱アルカリ溶液の中に所定温度で所要
時間入れる。これにより原糸の外表面を所要の範囲内で
アルカリ減量処理する。ここで、長径方向が繊維軸方向
にそれぞれ一致し、かつ、ランダムで粗雑な表面の細長
いクレータ(凹部)を多数有する人工毛髪素体を得る。
【0014】最終に人工毛髪素体の染色工程で、人工毛
髪素体を黒染し、所望の人工毛髪を得る。
【0015】
【実施例】以下図面を参照にしながら本発明を詳細に説
明する。
【0016】本発明は図1で示すように大きく区分し、
人工毛髪の原糸を製造する紡糸工程Aと、この紡糸工程
Aで得られた原糸に人工毛髪と同様の形態(色、つや消
しされた光沢など)を付与して人工毛髪を形成する染色
工程Bとからなる。
【0017】前記紡糸工程Aでは、まず抗菌性ゼオライ
トの微粉末を10パーセント前後含みかつ無機物質を含
まないポリエステルのマスターバッチペレット(米粒の
ような粒状体)と無機物質並びに抗菌性ゼオライトの微
粉末を含まないポリエステルの第2のペレットとをポッ
パーに投入して混合する混合工程1がある。この混合工
程1でのマスターバッチペレットは、抗菌性ゼオライト
の微分末が10パーセント前後均一に分散化されてい
る。
【0018】次に混合工程1で混合された混合物は加熱
により溶解される。この溶液は加圧して複数のノズルか
ら糸状に噴出される。そして、延伸工程2並びに巻き取
り工程3を得て人工毛髪の原糸4となる。この原糸は、
本実施例では抗菌性ゼオライト微粉末を0.5〜5.0
パーセント含有し、無機物質を含有しない35〜60デ
ニールのポリエステルフィラメントである。
【0019】一方、染色工程Bでは、まず苛性ソーダと
助剤と水とを用いてアルカリ溶液を作るアルカリ溶液形
成工程10がある。次にアルカリ溶液を加熱手段を用い
て100度以上に高温加熱させる加熱工程11がある。
次に前述した原糸4を高温加熱された熱アルカリ溶液の
中に所定温度で所要時間入れ、原糸4の外表面を15〜
25パーセントの範囲内でアルカリ減量処理し、長径方
向が繊維軸方向にそれぞれ一致し、かつ、ランダムで粗
雑な表面の細長いクレータ(凹部)を多数有する人工毛
髪素体13を得るアルカリ処理工程12がある。そし
て、最終工程で、人工毛髪素体13を黒染し、所望の人
工毛髪15を得る人工毛髪素体の染色工程14がある。
【0020】ここでアルカリ処理工程12及び人工毛髪
素体の染色工程14の実験例を図2ないし図5を用いて
説明する。まず図2は抗菌性ゼオライト微粉末が0.5
〜5.0パーセント含有し、かつ、無機物質を含有しな
い35〜60デニールのポリエステル系人工毛髪の原糸
を電子顕微鏡で見た状態を示す。紡糸工程Aで得られた
原糸4はその外表面にほとんど粗雑なクレータは存在し
ない。
【0021】次に図3はアルカリ減量率が15パーセン
トの時の人工毛髪を電子顕微鏡で見た状態を示す。この
人工毛髪15の場合細長いクレータは、長径が10ミク
ロンで、短径は2ミクロン程度のものが繊維軸方向にラ
ンダムに見える。しかして、この人工毛髪15は環境条
件を色々と変えても目視では人毛とほとんど変わらない
自然な光沢を観察することが出来た。
【0022】また図4はアルカリ減量率が25パーセン
トの時の人工毛髪を電子顕微鏡で見た状態を示す。この
場合人工毛髪は図3の場合と同様に外表面に細長いクレ
ータが多数でき、図3のそれよりも数が多い。しかし
て、この人工毛髪15の場合も環境条件を色々と変えて
も図3の人工毛髪と同様に目視では外観が人毛と変わら
ないことを見出した。
【0023】次に図5はアルカリ減量率が31パーセン
トの時の人工毛髪の場合を電子顕微鏡で見た状態を示
す。この場合の人工毛髪は、細長いクレーターの数が図
4のそれよりもさらに多くなっている。
【0024】以上のようにアルカリ減量率を色々と変え
て実験して見た結果、減量率が14パーセント以下のも
のは光沢があり過ぎ、一方、減量率が26パーセント以
上のものになると逆に光沢がなく、死毛のよう外観を呈
することが判明した。そして、減量率が15〜25パー
セントの人工毛髪15については、室内での光沢、直射
日光下での光沢、天気が雲の時の光沢など環境条件を色
々と変え、目視により観察した結果、見た目が最も人毛
に近い光沢を有することを見出した。
【0025】これは人工毛髪の表面に形成された多数の
細長いクレーターが、繊維軸方向にそれぞれ長径方向が
一致し、かつ、ランダムで粗雑な外表面を形成している
ので、図6で示すように光が各クレーターの表面の粗面
に入射し、その反射光がさらに別のクレーターの粗面に
当たり、何度も反射を繰り返した二次反射光を目で見る
ことによって、光沢の改善がなされたからである。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に於いては次に列挙するような効果がある。 (1)大別して紡糸工程と染色工程とから成るので、製
造工程を簡略化することができる。したがって、均一の
品質を有する人工毛髪を安定的に得ることができる。 (2)見た目が人毛に近い外観を有し、かつ、抗菌性の
効果も有するポリエステル系人工毛髪を得ることができ
る。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例を示す工程図。
【0029】
【図2】抗菌性ゼオライト微粉末が0.5〜5.0パー
セント含有し、かつ、無機物質を含有しない35〜60
デニールのポリエステル系人工毛髪の原糸を電子顕微鏡
で見た状態の説明図。
【0030】
【図3ないし図5】本発明の実験結果の人工毛髪を電子
顕微鏡で見た状態を示す各説明図。
【0031】
【図6】本発明で得られた人工毛髪の各クレーターの表
面の粗面に入射した反射光の一概略説明図。
【0032】
【符号の説明】
A…紡糸工程、 1…混合工程、 4…原糸、 B…染色工程、 10…アルカリ溶液形成工程、 12…アルカリ処理工程、 13…人工毛髪素体、 14…人工毛髪素体の染色工程、 15…人工毛髪。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ポリエステル系人工毛髪のつや
消し処理方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、見た目が人毛に近い外
観を有するポリエステル系人工毛髪のつや消し処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かつら用人工毛髪の合成繊維素材
としては、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系な
どが使用されている。その中でも耐熱温度、耐久性、形
態保持性などの利点からポリエステル系が使用されてい
る。
【0003】しかしながら、ポリエステル系は繊維軸方
向に屈折率が約1.72繊維軸と直交する方向でも、屈
折率は約1.54と高いため、光の反射が強く、光沢の
面で不十分な外観となっている。たとえば人工毛髪用の
素材として0.5〜5.0パーセントの抗菌性ゼオライ
ト微粉末を含有したポリエステル系繊維を使用すると、
外表面の光の屈折率が高いため、それをそのまま人工毛
髪として使用すると、見た目が明らかに人毛と異なり、
いかにも「かつら」を被っているとの印象を受ける。
【0004】そこで、現在、上記欠点を解消するために
ポリエステル系人工毛髪のつや消し処理が色々と行われ
ている。
【0005】しかして、繊維表面に凹凸を付与する手段
としては、ポリエステル繊維内に微粒子状のつや消しに
影響する無機物質を含有させ、繊維を侵され難くし、か
つ、無機物質が溶解する酸やアルカリ溶液で処理し、繊
維表面の無機物質を除去し、表面を凹凸にする方法があ
る。
【0006】しかしながら、該方法に於いては、ゼオラ
イト微粉末と酸化桐、アルミナ、酸化ナトリウム、リン
酸チタン等の無機物質の微粉末とを繊維中に含有させる
ため、原料であるポリエステル中に多くの微粉末を混入
させることになり、紡糸した繊維の強度が、含有させる
微粉末の量に比例して劣化すると言うことが経験上から
一般的に言われている。人工毛髪の強度はかつらの耐久
性に関与し、弱いと耐久性が低下する。
【0007】そこで、ポリエステルの素材が本来もつ強
度をできるだけ低下させずに人工毛髪の原糸を得たい。
【0008】一方、繊維表面につや消しに影響する無機
物質を含有させずに凹凸を付与する手段として、ポリエ
ステル系繊維にプラズマ光を当てる方法が知られてい
る。
【0009】しかしながら、該方法においては、大きく
分けて原糸を形成するための紡糸工程と、原糸の外表面
に凹凸部を形成するプラズマ加工工程と、凹部を有する
原糸に人工毛の色を付与するための染色工程との3段階
の工程が必要となり、現状では各工程を行う場所、時間
などが著しく異なるため、各工程間の調整が容易でな
く、そのため均一の品質を有する人工毛髪を安定的に得
ることができないと言う欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は以上によう
な従来の欠点に鑑み、製造工程を簡略化することがで
き、また見た目が人毛に近い外観を有し、かつ、抗菌性
の効果も有するポリエステル系人工毛髪のつや消し処理
方法を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル系
人工毛髪のつや消し処理方法は、抗菌性ゼオライト微粉
末を0.5〜5.0パーセント含有し、かつ、無機物質
を含有しないポリエステル系人工毛髪の原糸を製造する
紡糸工程と、高温加熱された熱アルカリ溶液の中に前記
原糸を入れ、原糸の外表面を15〜25パーセントの範
囲内でアリカリ減量処理し、長径方向が繊維軸方向にそ
れぞれ一致しかつランダムで粗雑な外表面の細長いクレ
ータを多数有する人工毛髪素体を得るアルカリ処理工程
と、前記人工毛髪素体に人毛の外観を呈するように染色
し、見た目が人毛と変わらないつや消しされた人工毛髪
を得る人工毛髪素体の染色工程とから成ることを特徴と
する。
【0012】
【作用】まず前記紡糸工程で抗菌性ゼオライト微粉末を
0.5〜5.0パーセント前後含有し、無機物質を含有
しない35〜60デニールのポリエステルの原糸を製造
する。
【0013】次に苛性ソーダと助剤と水とを用いてアル
カリ溶液を作り、このアルカリ溶液を加熱し、前記原糸
を高温加熱された熱アルカリ溶液の中に所定温度で所要
時間入れる。これにより原糸の外表面を所要の範囲内で
アルカリ減量処理する。ここで、長径方向が繊維軸方向
にそれぞれ一致し、かつ、ランダムで粗雑な表面の細長
いクレータ(凹部)を多数有する人工毛髪素体を得る。
【0014】最終に人工毛髪素体の染色工程で、人工毛
髪素体を黒染し、所望の人工毛髪を得る。
【0015】
【実施例】以下図面を参照にしながら本発明を詳細に説
明する。
【0016】本発明は図1で示すように大きく区分し、
人工毛髪の原糸を製造する紡糸工程Aと、この紡糸工程
Aで得られた原糸に人工毛髪と同様の形態(色、つや消
しされた光沢など)を付与して人工毛髪を形成する染色
工程Bとからなる。
【0017】前記紡糸工程Aでは、まず抗菌性ゼオライ
トの微粉末を10パーセント前後含みかつ無機物質を含
まないポリエステルのマスターバッチペレット(米粒の
ような粒状体)と無機物質並びに抗菌性ゼオライトの微
粉末を含まないポリエステルの第2のペレットとをポッ
パーに投入して混合する混合工程1がある。この混合工
程1でのマスターバッチペレットは、抗菌性ゼオライト
の微分末が10パーセント前後均一に分散化されてい
る。
【0018】次に混合工程1で混合された混合物は加熱
により溶解される。この溶液は加圧して複数のノズルか
ら糸状に噴出される。そして、延伸工程2並びに巻き取
り工程3を得て人工毛髪の原糸4となる。この原糸は、
本実施例では抗菌性ゼオライト微粉末を0.5〜5.0
パーセント含有し、無機物質を含有しない35〜60デ
ニールのポリエステルフィラメントである。
【0019】一方、染色工程Bでは、まず苛性ソーダと
助剤と水とを用いてアルカリ溶液を作るアルカリ溶液形
成工程10がある。次にアルカリ溶液を加熱手段を用い
て100度以上に高温加熱させる加熱工程11がある。
次に前述した原糸4を高温加熱された熱アルカリ溶液の
中に所定温度で所要時間入れ、原糸4の外表面を15〜
25パーセントの範囲内でアルカリ減量処理し、長径方
向が繊維軸方向にそれぞれ一致し、かつ、ランダムで粗
雑な表面の細長いクレータ(凹部)を多数有する人工毛
髪素体13を得るアルカリ処理工程12がある。そし
て、最終工程で、人工毛髪素体13を黒染し、所望の人
工毛髪15を得る人工毛髪素体の染色工程14がある。
【0020】ここでアルカリ処理工程12及び人工毛髪
素体の染色工程14の実験例を図2ないし図5を用いて
説明する。まず図2は抗菌性ゼオライト微粉末が0.5
〜5.0パーセント含有し、かつ、無機物質を含有しな
い35〜60デニールのポリエステル系人工毛髪の原糸
を電子顕微鏡で見た状態を示す。紡糸工程Aで得られた
原糸4はその外表面にほとんど粗雑なクレータは存在し
ない。
【0021】次に図3はアルカリ減量率が15パーセン
トの時の人工毛髪を電子顕微鏡で見た状態を示す。この
人工毛髪15の場合細長いクレータは、長径が10ミク
ロンで、短径は2ミクロン程度のものが繊維軸方向にラ
ンダムに見える。しかして、この人工毛髪15は環境条
件を色々と変えても目視では人毛とほとんど変わらない
自然な光沢を観察することが出来た。
【0022】また図4はアルカリ減量率が25パーセン
トの時の人工毛髪を電子顕微鏡で見た状態を示す。この
場合人工毛髪は図3の場合と同様に外表面に細長いクレ
ータが多数でき、図3のそれよりも数が多い。しかし
て、この人工毛髪15の場合も環境条件を色々と変えて
も図3の人工毛髪と同様に目視では外観が人毛と変わら
ないことを見出した。
【0023】次に図5はアルカリ減量率が31パーセン
トの時の人工毛髪の場合を電子顕微鏡で見た状態を示
す。この場合の人工毛髪は、細長いクレーターの数が図
4のそれよりもさらに多くなっている。
【0024】以上のようにアルカリ減量率を色々と変え
て実験して見た結果、減量率が14パーセント以下のも
のは光沢があり過ぎ、一方、減量率が26パーセント以
上のものになると逆に光沢がなく、死毛のよう外観を呈
することが判明した。そして、減量率が15〜25パー
セントの人工毛髪15については、室内での光沢、直射
日光下での光沢、天気が雲の時の光沢など環境条件を色
々と変え、目視により観察した結果、見た目が最も人毛
に近い光沢を有することを見出した。
【0025】これは人工毛髪の表面に形成された多数の
細長いクレーターが、繊維軸方向にそれぞれ長径方向が
一致し、かつ、ランダムで粗雑な外表面を形成している
ので、図6で示すように光が各クレーターの表面の粗面
に入射し、その反射光がさらに別のクレーターの粗面に
当たり、何度も反射を繰り返した二次反射光を目で見る
ことによって、光沢の改善がなされたからである。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に於いては次に列挙するような効果がある。 (1)大別して紡糸工程と染色工程とから成るので、製
造工程を簡略化することができる。したがって、均一の
品質を有する人工毛髪を安定的に得ることができる。 (2)見た目が人毛に近い外観を有し、かつ、抗菌性の
効果も有するポリエステル系人工毛髪を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程図。
【図2】抗菌性ゼオライト微粉末が0.5〜5.0パー
セント含有し、かつ、無機物質を含有しない35〜60
デニールのポリエステル系人工毛髪の原糸を電子顕微鏡
で見た状態の図面代用写真。
【図3】本発明の実験結果の人工毛髪を電子顕微鏡で見
た状態を示す図面代用写真。
【図4】本発明の実験結果の人工毛髪を電子顕微鏡で見
た状態を示す図面代用写真。
【図5】本発明の実験結果の人工毛髪を電子顕微鏡で見
た状態を示す図面代用写真。
【図6】本発明で得られた人工毛髪の各クレーターの表
面の粗面に入射した反射光の一概略説明図。
【符号の説明】 A…紡糸工程、 1…混合工程、 4…原糸、 B…染色工程、 10…アルカリ溶液形成工程、 12…アルカリ処理工程、 13…人工毛髪素体、 14…人工毛髪素体の染色工程、 15…人工毛髪。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性ゼオライト微粉末を0.5〜5.
    0パーセント含有したポリエステル系人工毛髪の原糸
    を、熱アルカリ溶液中で15〜25パーセントアルカリ
    原料処理して表面に多数の凹凸を形成し、該凹部の長径
    方向が繊維軸方向に並んだ外表面を有する人工毛髪を得
    るポリエステル系人工毛髪のつや消し処理方法。
  2. 【請求項2】 抗菌性ゼオライト微粉末を0.5〜5.
    0パーセント含有し、かつ、無機物質を含有しないポリ
    エステル系人工毛髪の原糸を製造する紡糸工程と、高温
    加熱された熱アルカリ溶液の中に前記原糸を入れ、原糸
    の外表面を15〜25パーセントの範囲内でアリカリ減
    量処理し、長径方向が繊維軸方向にそれぞれ一致しかつ
    ランダムで粗雑な外表面の細長いクレータを多数有する
    人工毛髪素体を得るアルカリ処理工程と、前記人工毛髪
    素体に人毛の外観を呈するように染色し、見た目が人毛
    と変わらないつや消しされた人工毛髪を得る人工毛髪素
    体の染色工程とから成るポリエステル系人工毛髪のつや
    消し処理方法。
JP5134032A 1993-05-11 1993-05-11 ポリエステル系人工毛髪のつや消し処理方法 Pending JPH07133586A (ja)

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JP (1) JPH07133586A (ja)

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WO2004012542A1 (ja) * 2002-07-31 2004-02-12 Kaneka Corporation 人工毛髪用繊維及びその製造方法
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