JPH07133437A - 赤外吸収化合物及びそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

赤外吸収化合物及びそれを用いた光記録媒体

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JPH07133437A
JPH07133437A JP5302251A JP30225193A JPH07133437A JP H07133437 A JPH07133437 A JP H07133437A JP 5302251 A JP5302251 A JP 5302251A JP 30225193 A JP30225193 A JP 30225193A JP H07133437 A JPH07133437 A JP H07133437A
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Application number
JP5302251A
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English (en)
Inventor
Chieko Mihara
知恵子 三原
Takeshi Santo
剛 三東
Hiroyuki Sugata
裕之 菅田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Publication of JPH07133437A publication Critical patent/JPH07133437A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック基板に塗工可能な有機溶剤への
溶解性が良く、少ない添加量で有機色素記録層の耐光性
を著しく改善することが可能な赤外吸収化合物及びそれ
を用いた光記録媒体を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表わされる赤外吸収化合
物、及び記録層中に前記赤外吸収化合物を含有する光記
録媒体。 (R 〜R は同種又は異種の水素原子、置換もし
くは末置換のアルキル基、置換もしくは末置換のアラル
キル基または置換もしくは末置換のフェニル基を示す。
〜R は水素原子,ハロゲン基,低級アルキル
基,低級アルコキシ基,シアノ基または水酸基を示す。
は一価の金属錯体アニオンを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外吸収化合物及びそれ
を利用した光記録媒体に関し、特に光ディスクまたは光
カードにおいて、耐光性および保存安定性を向上させる
赤外吸収化合物及びそれを用いた光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクおよび光カードは、
基体の上に設けた薄い記録層に形成された光学的に検出
可能な小さな(例えば、約1μm)ピツトをらせん状又
は円形および直線状のトラック形態にして高密度情報を
記憶することができる。この様なデイスクに情報を書き
込むには、レーザ感応層の表面に集束したレーザを走査
し、このレーザ光線が照射された表面のみにピツトを形
成し、このピツトをらせん状又は円形および直線状トラ
ツクの形態で形成する。レーザ感応層は、レーザ・エネ
ルギーを吸収して光学的に検出可能なピツトを形成でき
る。例えば、ヒートモード記録方式では、レーザ感応層
は熱エネルギーを吸収し、その個所に蒸発又は融解によ
り小さな凹部(ピツト)を形成できる。また、別のヒー
トモード記録方式では、照射されたレーザ・エネルギー
の吸収により、その個所に光学的に検出可能な濃度差を
有するピツトを形成できる。
【0003】ここで、反射率の高い記録層として有機色
素薄膜を用いることにより、記録ピツトの光学的コント
ラストを高く設定することができる。例えば、有機色素
薄膜として、レーザ光に対する光吸収の大きいポリメチ
ン系色素,アズレン系色素,シアニン系色素,ピリリウ
ム系色素等を用いると、金属光沢(反射率10〜50
%)を示す光吸収反射膜が得られ、レーザ記録が可能
で、反射読み出しが可能な光学記録媒体になる。
【0004】特にレーザ光源として発振波長500〜9
00nmの半導体レーザを用いると、装置の小型化、低
コスト化が可能となる利点を有している。しかしなが
ら、有機色素薄膜は、一般に熱および光に対して、物質
変化しやすい等の原因から、記録再生特性および保存安
定性が低下するという問題があった。
【0005】このような問題に対し、耐光性を向上させ
るためにアミニウム塩・ジイモニウム塩化合物や一重項
酸素クェンチャーである金属キレート錯体(特にNiキ
レート錯体)を記録層中に添加する方法が知られてい
る。
【0006】しかし、金属キレート錯体はプラスチック
基板に塗布可能な溶剤への溶解性が低いため、耐光性を
十分に改良できるほどの量を添加できないという問題点
がある。また、金属錯体と色素の複塩を形成することに
よりより多くの量を記録層中に添加するという方法も提
案されており、耐光性は向上できるが記録感度の低下を
もたらすという問題がある。
【0007】また、アミニウム塩・ジイモニウム塩化合
物を記録層中に添加する方法では、対イオンが単なる酸
アニオンであるために耐光性向上のために添加量が多く
必要であった。そしてこの様な問題に対し、少ない添加
量で耐光性を著しく向上させる方法として、アミニウム
塩・ジイモニウム塩カチオンと金属錯体アニオンの複塩
化合物を用いた例が、特開昭62−193891号公報
に記載されている。この方法により、耐光性、および記
録再生特性は従来よりも改善されるが、ジアルキルアミ
ノ基に置換されたアミニウム塩・ジイモニウム塩カチオ
ンを用いた場合には金属錯体アニオンとの複塩化合物の
溶剤への溶解性がまだ不十分で、特にプラスチック基板
に直接適用できる、脂肪族炭化水素類、アルコール類、
ケトン類等の溶媒への溶解度が小さかった。
【0008】またジイモニウム塩カチオンと金属錯体ア
ニオンの混合物からなる記録層及び該記録層上に反射層
を備えた耐光性に優れた光ディスクが特開平3−164
292号公報に開示されており、例えばジイモニウム塩
カチオンとして例えばN,N,N′,N′−テトラキス
(ジアルキルアミノ置換フェニル)−p−フェニレンジ
アミンのジイモニウム塩やN,N,N′,N′−テトラ
キス(ジアルコキシアルキルアミノ置換フェニル)−p
−フェニレンジアミンのジイモニウム塩が記載されてい
るが、これらの複塩化合物も保存安定性、再生光に対す
る安定性に於て未だ不十分であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来例
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、赤外部に大きな吸収領域を有し、かつプラスチック
基板に塗工可能な有機溶剤への溶解性の良い新規赤外吸
収化合物を提供することにある。
【0010】また、他の目的は少ない添加量で耐光性を
著しく改善することが可能となると同時に、添加量が少
なくて良いため記録感度の低下をおさえられ、更に保存
安定性を著しく向上させることのできる光記録媒体を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式(I)または(II)で表わされる赤外吸収化合物
である。
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R 〜R は同種又は異種の
水素原子、置換もしくは末置換のアルキル基、置換もし
くは末置換のアラルキル基または置換もしくは末置換の
フェニル基を示す。R 〜R は水素原子,ハロゲ
ン基,低級アルキル基,低級アルコキシ基,シアノ基ま
たは水酸基を示す。X は一価の金属錯体アニオンを
示す。)
【0014】また、本発明は、基板および記録層を備え
た光記録媒体において、該記録層中に下記一般式(I)
または(II)で示される化合物を含有することを特徴
とする光記録媒体である。
【0015】
【化11】
【0016】(式中、R 〜R は同種又は異種の
水素原子、置換もしくは末置換のアルキル基、置換もし
くは末置換のアラルキル基または置換もしくは末置換の
フェニル基を示す。R 〜R は水素原子,ハロゲ
ン基,低級アルキル基,低級アルコキシ基,シアノ基ま
たは水酸基を示す。X は一価の金属錯体アニオンを
示す。)
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
赤外吸収化合物は、下記一般式(I)または(II)で
示されるものである。
【0018】
【化12】
【0019】上記一般式(I)または(II)におい
て、X- は一価の金属錯体アニオンであり、またトリア
リールアミン化合物カチオンのR1 〜R6 は同種又は異
種の水素原子、置換もしくは末置換のアルキル基、置換
もしくは末置換のアラルキル基または置換もしくは末置
換のフェニル基であることが好ましい。
【0020】上記置換基群の中から選択することによっ
て、耐光性および耐久性の良好な赤外吸収化合物とする
ことができる。又この赤外吸収化合物を記録層に含有さ
せることによって、耐光性、くり返し再生に対する安定
性に極めて優れ、且つ生産性も良好な光記録媒体が得ら
れるものである。
【0021】次に、R 〜R の1価の有機残基と
しては、例えばアルキル基(例えば、メチル基,エチル
基,n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル
基,iso−ブチル基,t−ブチル基,n−アミル基,
t−アミル基,n−ヘキシル基,n−オクチル基,t−
オクチル基、ラウリル基など)置換アルキル基、(例え
ば2−ヒドロキシエチル基,3−ヒドロキシプロピル
基,4−ヒドロキシブチル基,2−アセトキシエチル
基,カルボキシメチル基,2−カルボキシエチル基,3
−カルボキシプロピル基,1−トリクロロエチル基,1
−クロロエチル基,1−トリブロモプロピル基,1−ト
リフロロエチル基,1−クロロブチル基など)、アラル
キル基(例えば、ベンジル基,クロロベンジル基,メチ
ルベンジル基,2−フェニルメチル基,2−フェニルプ
ロピル基,3−フェニルプロピル基,α−ナフチルメチ
ル基,βナフチルエチル基,フェネチル基など)、フェ
ニル基,置換フェニル基(p−メチルフェニル基,p−
クロルフェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,p−
ジメチルアミノフェニル基,p−ジエチルアミノフェニ
ル基,o−シアノフェニル基,p−ジブチルアミノフェ
ニル基,2,6−ジヒドロキシフェニル基など)が挙げ
られる。
【0022】R 〜R は各々異なっていても又は
同じであってもよい。
【0023】本発明の目的とするところは、耐光性の良
好な光記録媒体を提供することにある。さらに耐熱性の
よい新規の赤外吸収化合物と、耐熱性の優れた光記録媒
体を提供することにある。
【0024】R 〜R は、水素原子,ハロゲン
基,低級アルキル基,低級アルコキシ基,シアノ基また
は水酸基を示す。
【0025】次に、本発明の一般式(I)または(I
I)で示される赤外吸収化合物に用いられるトリアリー
ル化合物カチオンの具体例を示す。
【0026】但し、簡略化のため、例えば、前記一般式
(I)のトリアリール化合物カチオンがR 〜R
がエチル基,R 〜R が水素原子の場合、下記の
様に表示する。
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】次に、上述のトリアリール化合物カチオン
と対をなす金属錯体アニオンXについて説明する。本
発明において、対アニオンとして用いられる金属錯体と
しては種々のものを使用するとこができ、例えば一般式
(III)〜(IX)に示される金属錯体化合物が挙げ
られる。但し、下記一般式中、Mは、Ni,Co,M
n,Cu,Pb,Ptなどの遷移金属原子を示す。
【0033】
【化18】
【0034】(式中、R 〜R12はそれぞれ,水素
原子,置換もしくは未置換のアルキル基または置換もし
くは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアリール
基あるいはハロゲン基を表わす。)
【0035】
【化19】
【0036】(式中、R13〜R16はそれぞれ置換も
しくは未置換のアルキル基、または置換もしくは未置換
のアリール基、またはシアノ基を表わす。)
【0037】
【化20】
【0038】(式中、R17〜R20はそれぞれ,水素
原子,置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは
未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアリール基あ
るいはハロゲン原子を表わす。)
【0039】
【化21】
【0040】(式中、R21〜R24はそれぞれ,水素
原子,置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは
未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアリール基あ
るいはハロゲン原子を表わす。)
【0041】
【化22】
【0042】(式中、R25〜R28はそれぞれ,水素
原子,置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは
未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアリール基あ
るいはハロゲン原子を表わす。)
【0043】
【化23】
【0044】次に、本発明に用いられる金属錯体アニオ
ンの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではな
い。
【0045】
【化24】
【0046】
【化25】
【0047】
【化26】
【0048】
【化27】
【0049】
【化28】
【0050】
【化29】
【0051】そして、本発明の一般式(I)または(I
I)で示される化合物は、前記トリアリールアミン化合
物カチオンと金属錯体化合物アニオンとが塩を形成した
複塩化合物であり、その具体例を下記に示す。
【0052】
【化30】
【0053】
【化31】
【0054】
【化32】
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
【0057】次に、本発明の一般式(I)または(I
I)で示される化合物の合成方法について説明する。先
ず、対イオンとして酸アニオン(例えば過塩素酸塩イオ
ン,ヨウ素イオン,塩素イオン,ヘキサフルオロアンチ
モン酸塩イオンなど)を有するトリアリールアミン化合
物を合成する。
【0058】このトリアリールアミン化合物は、Che
mische Berichte92巻、245頁(1
959年)に記載されたような方法で、該当するトリア
リールアミンを過塩素酸銀、ヘキサフルオロアンチモン
銀等で酸化処理することによって容易に得られる。例え
ば、次の過程により製造することができる。
【0059】
【化35】
【0060】上記還元反応により得たアミノ体を選択的
置換化によりアルキル化,アルケニル化,アラルキル
化,アルキニル化,環化などにより置換化して最終生成
物を得ることができる。
【0061】またR1 〜R6 を非対象とする場合には、
このアルキル化を多段階的に行なう必要が有り、コスト
的にはR1 〜R6 が同一の場合が好ましい。
【0062】一方、対イオンがカチオンであるアニオン
型の金属錯体を、例えはジャーナルオブ アメリカン
ケミカルソサエティ(Journal of Amer
ican Chemical Society)196
5年、第87巻、1483頁に記載されたシュラウザー
(Schrauzer)らの方法に従って合成できる。
【0063】例えば、次の過程により製造できる。
【0064】
【化36】 (R,R′はアルキル基、芳香族環など、Xはハロゲ
ン、Mは遷移金属を示す。)
【0065】
【化37】 (Xはハロゲン、Mは遷移金属を示す。)
【0066】上記反応によって得た中性の金属錯体をD
MSO中で、p−フェニレンジアミンを加えてアニオン
体とし、次にアルコール中で、4級アルキルアンモニウ
ム塩を添加して金属錯体アニオン体とする。なお、この
場合のカチオンとしては、特にN+ (CH34 ,N+
(C494 等のテトラアルキルアンモニウムが好ま
しい。
【0067】次いで、前記カチオン型トリアリールアミ
ン化合物とアニオン型金属錯体の等モルを、極性溶媒に
溶解する。用いる極性溶媒としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド等が好適である。
【0068】また、その濃度は0.01mol/l 程度
とすればよい。
【0069】この後、これに水系溶媒、特に水を加え複
分解を生起させ沈殿をうる。加える水の量は10倍以上
の大過剰とすればよい。なお、反応温度は、室温〜90
℃程度がよい。
【0070】次いで、両液相を分離し、濾過乾燥を行
い、必要に応じてこれを2〜3回繰り返したのち、DM
F−エタノール等で再結晶を行えば、本発明の複塩化合
物が得られる。
【0071】又、上記の方法の他、金属錯体アニオンの
中間体である中性のものを塩化メチレン等に溶解し、こ
れに酸アニオンとの結合体であるトリアリールアミン化
合物を等モル添加し、濃縮、再結晶することによっても
本発明の複塩化合物を得ることができる。
【0072】上記に例示したトリアリールアミン化合物
カチオンと金属錯体アニオンとの複塩化合物は、極大吸
収波長が850nm以上にあり、吸光係数も数十万と大
きい吸収ピークを持つ。このような赤外吸収化合物は光
記録媒体の材料としての用途以外に断熱フイルム,サン
グラスなどに使われる。
【0073】また、本発明の赤外吸収化合物は、光記録
媒体の有機色素薄膜に含有して使用することができる。
本発明の光記録媒体は、図1に示す様に、基板1の上に
前記一般式(I)または(II)で表わされるトリアリ
ールアミン系化合物カチオンと金属錯体アニオンの複塩
化合物を含有する記録層2を設けることにより形成する
ことができる。
【0074】基板としては、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどの
プラスチック、ガラスあるいは金属類などを用いること
ができる。
【0075】記録層として、前記一般式(I)または
(II)で表わされるトリアリールアミン系化合物カチ
オン及び金属錯体アニオンの複塩化合物と併用される有
機色素薄膜を形成する近赤外吸収色素としては、一般的
に知られている色素が用いられ、例えばシアニン系色
素,メロシアニン系色素,クロコニウム系色素,スクア
リウム系色素,アズレニウム系色素,ポリメチン系色
素,ナフトキノン系色素,ピリリウム系色素,フタロシ
アニン系色素,トリフェニルメタン系色素,キサンテン
系色素,アントラキノン系色素,ジオキサジン系色素,
テトラヒドロコリン系色素,トリフェノチアジン系色
素,フェナンスレン系色素、ナフタロシアニン系色素,
ナフトラクタム系色素,アミニウム塩・ジイモニウム塩
系色素,金属キレート錯体系染料などがある。あるいは
金属および金属化合物など、例えばAl,Te,Bi,
Sn,In,Se,SnO,TeO2 ,As,Cdな
ど、あるいは紫外線吸収剤などと混合分散あるいは積層
してもよい。
【0076】これらの有機色素の中でも、ポリメチン系
やシアニン系、アズレニウム系に代表されるカチオン系
色素は、記録層の保存安定性に優れる点で好ましく、更
に下記に示すカチオン性色素は記録感度も良好で、本発
明の複塩化合物と混合した状態でも記録層の保存安定性
を低下させることがなく特に好ましい。
【0077】そのカチオン性色素を以下に挙げる。一般
式(IX)で表わされるポリメチン系色素。
【0078】
【化38】
【0079】式中、A,B,D及びEは水素原子、置換
もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のア
ルケニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換
もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のス
チリル基及び置換もしくは未置換の複素環基から選ばれ
る基を示す。r , r は水素原子、置換もしく
は未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の環式アル
キル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もし
くは未置換のアラルキル基及び置換もしくは未置換のア
リール基から選ばれる基を示し、kは0又は1、Lは
0,1又は2で、G はアニオンを意味する。
【0080】一般式(X)で表わされる色素。
【0081】
【化39】
【0082】式中、A,B,D,E及びG は上記と
同義で、r 〜r は水素原子、ハロゲン原子、置
換もしくは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換
のアリール基を示す。Yは5員環又は6員環を完成する
に必要な原子群を有する2価の有機残基を示す。m,n
は0,1又は2である。
【0083】一般式(XI)で表わされる色素。
【0084】
【化40】
【0085】式中、A,B,D,E, r ,r
,r ,Y及びG は上記と同義である。
【0086】一般式(XII)で表わされる色素。
【0087】
【化41】 式中、A,B,D,E, r ,r ,r ,r
,m及びnは上記と同義で、Z
【0088】
【化42】 を示す。
【0089】一般式(XIII)、(XIV)又は(X
V)で表わされるアズレニウム系色素。
【0090】
【化43】
【0091】式中、R29〜R35は水素原子、ハロゲ
ン原子(塩素原子、臭素原子、沃素原子)又は1価の有
機残基を表わす。1価の有機残基としては、広範なもの
から選択することができる。
【0092】又、R29とR30,R30とR31,R
31とR32,R32とR33,R33とR34および
34とR35の組合せのうち少なくとも1つの組合せ
で置換又は未置換の縮合環を形成してもよい。縮合環と
しては5員,6員,または7員環の縮合環であり、芳香
族環(ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、ブロモ
ベンゼン、メチルベンゼン、エチルベンゼン、メトキシ
ベンゼン、エトキシベンゼンなど)、複素環(フラン
環、ベンゾフラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリ
ジン環、キノリン環、チアゾール環など)、脂肪族環
(ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレンなど)が
挙げられる。
【0093】G は上記と同義でアニオンを示す。F
は2重結合によって結合した2価の有機残基を表わす。
かかるFを含む本発明の具体的な例として、下記一般式
(1)〜(11)で表わされるものを挙げることができ
る。但し、式中のQ は下記のアズレニウム塩核を示
し、式中のQ を除く右辺がFを示している。
【0094】アズレニウム塩核(Q
【0095】
【化44】
【0096】
【化45】
【0097】R29′〜R35′はR29〜R35と同
義である。
【0098】又、Q で示すアズレニウム塩核と前記
式(3)における右辺のアズレン塩核とは対称であって
もよく又は非対称であってもよい。
【0099】
【化46】
【0100】
【化47】
【0101】
【化48】 式中、Iは含窒素複素環を完成するに必要な非金属原子
群を表わす。
【0102】
【化49】 式中、R38は置換又は未置換のアリール基あるいはそ
れらのカチオン基を表わす。pは1から8までの整数を
表わす。
【0103】
【化50】 式中、R39は複素環基あるいはそれらのカチオン基を
表わす。
【0104】
【化51】 式中、R40は水素原子、アルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基を表わす。
【0105】
【化52】
【0106】
【化53】
【0107】式中、Z は置換されてもよいピラン、
チアピラン、セレナピラン、テルロピラン、ベンゾピラ
ン、ベンゾチアピラン、ベンゾセレナピラン、ベンゾテ
ルロピラン、ナフトピラン、ナフトチアピラン又はナフ
トセレナピラン、ナフトテルロピランを完成するに必要
な原子群を示す。
【0108】Lは、硫黄原子、酸素原子又はセレン原
子、テルル原子を表わす。R41及びR42は水素原
子、アルコキシル基、置換もしくは未置換のアリール
基、アラルキル基、複素環基を表わす。
【0109】次に、好適な色素として一般式(XV
I),(XVII),(XVIII),(XIX)で表
わされる色素を示す。
【0110】
【化54】
【0111】
【化55】
【0112】上記一般式(XVI),(XVII),
(XVIII),(XIV)中で、L ,L は置
換された窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子又
はテルル原子を示し、Z は置換されてもよいピリリ
ウム、チオピリリウム、セレナピリリウム、テルロピリ
リウム、ベンゾピリリウム、ベンゾチオピリリウム、ベ
ンゾセレナピリリウム、ベンゾテルロピリリウム、ナフ
トピリリウム、ナフトチオピリリウム、ナフトセレナピ
リリウム又はナフトテルロピリリウムを完成するに必要
な原子群、Z は置換されてもよいピラン、チオピラ
ン、セレナピラン、テルロピラン、ベンゾピラン、ベン
ゾチオピラン、ベンゾセレナピラン、ベンゾテルロピラ
ン、ナフトピラン、ナフトチオピラン、ナフトセレナピ
ラン又はナフトテルロピランを完成するに必要な原子群
を示す。
【0113】sは0又は1の整数である。R43は置換
または未置換のアリール基、もしくは置換または未置換
の複素環基を示す。r ′〜r ′は前述のr
′,r ′と同義である。k,n,I,r
′, r ′,r , Y,Z ,G
前述と同義である。
【0114】上記一般式中の略号についてさらに詳しく
述べる。
【0115】A,B,D及びEは、水素原子又はアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、
t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、t−
オクチル基など)を示し、さらに他のアルキル基、例え
ば置換アルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、
3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、
2−アセトキシエチル基、メトキシエチル基、エトキシ
エチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル
基、3−カルボキシプロピル基、2−スルホエチル基、
3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、3−スル
フェートプロピル基、4−スルフェートブチル基、N−
(メチルスルホニル)−カルバミルメチル基、3−(ア
セチルスルファミル)プロピル基、4−(アセチルスル
ファミル)ブチル基など)、環式アルキル基(例えば、
シクロヘキシル基など)、アリル基(CH =CH−
CH −)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテ
ニル基、オクテニル基、ドデシニル基、プレニル基な
ど)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基な
ど)、置換アラルキル基(例えば、カルボキシベンジル
基、スルホベンジル基、ヒドロキシベンジル基など)を
包含する。
【0116】さらに、置換もしくは未置換のアリール基
(例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル
基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、エチルフェ
ニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジ
メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、クロロフ
ェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジ
ブロモフェニル基、ニトロフェニル基、ジエチルアミノ
フェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジメトキシア
ミノフェニル基、ジベンジルアミノフェニル基など)を
示す。
【0117】r ,r ,r ,r ,r
は水素原子、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子など)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基など)、ア
ルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基など)、置換もしくは未置換のアリール基
(フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル
基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、クロロ
フェニル基、ニトロフェニル基、ジメチルアミノフェニ
ル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基など)を示す。
【0118】Yは2価の炭化水素基で、例えば
【0119】
【化56】 などを表わし、これらの5員環又は6員環は、ベンゼン
環、ナフタレン環などと縮合されていてもよい。
【0120】R29〜R35及びR29′〜R35′は
水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子など)の他に、置換もしくは未置換の
アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−アミ
ル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘ
キシル基、t−オクチル基など)、置換もしくは未置換
のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基など)、置換もしくは未置換のアリール
基(フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ト
リメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、クロロフ
ェニル基、ニトロフェニル基、ジメチルアミノフェニル
基、ジエチルアミノフェニル基、α−ナフチル基、β−
ナフチル基、ジプロピルアミノフェニル基、ジベンジル
アミノフェニル、ジフェニルアミノフェニル基基な
ど)、置換もしくは未置換のアラルキル基(ベンジル
基、2−フェニルエチル基、2−フェニル−1−メチル
エチル基、ブロモベンジル基、2−ブロモフェニルエチ
ル基、メチルベンジル基、メトキシベンジル基、ニトロ
ベンジル基)、アシル基(アセチル基、プロピオニル
基、プチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイ
ル基、ナフトイル基、フタロイル基、フロイル基な
ど)、置換もしくは未置換アミノ基(アミノ基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、
アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、置換も
しくは未置換スチリル基(スチリル基、ジメチルアミノ
スチリル基、ジエチルアミノスチリル基、ジプロピルア
ミノスチリル基、メトキシスチリル基、エトキシスチリ
ル基、メチルスチリル基など)、ニトロ基、ヒドロキシ
基、カルボキシル基、シアノ基又は置換もしくは未置換
アリールアゾ基(フェニルアゾ基、α−ナフチルアゾ
基、β−ナフチルアゾ基、ジメチルアミノフェニルアゾ
基、クロロフェニルアゾ基、ニトロフェニルアゾ基、メ
トキシフェニルアゾ基、トリルアゾ基など)、置換もし
くは未置換の複素環基(例えば、ピリジル基、キノリル
基、レピジル基、メチルピリジル基、フリル基、チエニ
ル基、インドリル基、ピロール基、カルバゾリル基、N
−エチルカルバゾリル基など)、2,2−ジフェニルビ
ニル基、2−フェニル−2−メチルビニル基、2−(ジ
メチルアミノフェニル)−2−フェニルビニル基、2−
(ジエチルアミノフェニル)−2−フェニルビニル基、
2−(ジベンジルアミノフェニル)−2−フェニルビニ
ル基、2,2−ジ(ジエチルアミノフェニル)ビニル
基、2,2−ジ(メトキシフェニル)ビニル基、2,2
−ジ(エトキシフェニル)ビニル基、2−(ジメチルア
ミノフェニル)−2−メチルビニル基、2−(ジエチル
アミノフェニル)−2−エチルビニル基など)を挙げる
ことができる。
【0121】又R29′〜R35′もR29〜R35
同様に縮合環を形成しても良い。R36は、水素原子、
ニトロ基、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基など)又はアリール基(フェ
ニル基、トリル基、キシリル基など)を表わす。
【0122】R37は、アルキル基(メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基など)、置換アルキル基(2
−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エ
トキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−メト
キシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−クロロ
プロピル基、3−ブロモプロピル基、3−カルボキシプ
ロピル基など)、環式アルキル基(シクロヘキシル基、
シクロプロピル基)、アリル基、アラルキル基(ベンジ
ル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル
基、4−フェニルブチル基、α−ナフチルメチル基、β
−ナフチルメチル基)、置換アラルキル基(メチルベン
ジル基、エチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリ
メチルベンジル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル
基など)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基)、又は置換ア
リール基(クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ト
リクロロフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェ
ニル基、ジメトキシフェニル基、アミノフェニル基、ニ
トロフェニル基、ヒドロキシフェニル基など)を表わ
す。
【0123】R38は置換又は未置換のアリール基(フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、α−
ナフチル基、β−ナフチル基、アントラリル基、ピレニ
ル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ト
リメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジエトキ
シフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル
基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロ
モフェニル基、トリブロモフェニル基、エチルフェニル
基、ジエチルフェニル基、ニトロフェニル基、アミノフ
ェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノ
フェニル基、ジベンジルアミノフェニル基、ジプロピル
アミノフェニル基、モルホリノフェニル基、ピペリジニ
ルフェニル基、ピペラジノフェニル基、ジフェニルアミ
ノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、ベンゾイル
アミノフェニル基、アセチルフェニル基、ベンゾイルフ
ェニル基、シアノフェニル基など)を表わす。
【0124】R39はフラン、チオフエン、ベンゾフラ
ン、チオナフテン、ジベンゾフラン、カルバゾール、フ
ェノチアジン、フェノキサジン、ピリジンなどの複素環
から誘導された1価の複素環基を表わす。
【0125】R40は水素原子、アルキル基(メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)又は置換も
しくは未置換のアリール基(フェニル基、トリル基、キ
シリル基、ビフェニル基、エチルフェニル基、クロロフ
ェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、
ニトロフェニル基、アミノフェニル基、ジメチルアミノ
フェニル基、ジエチルアミノフェニル基、アセチルアミ
ノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、アン
トラリル基、ピレニル基など)を表わす。
【0126】R41およびR42は水素原子、アルキル
基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
ど)、アルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、エトキシエチル基、メトキシエチル基な
ど)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル
基、クロロフェニル基、ビフェニル基、メトキシフェニ
ル基など)、置換もしくは未置換のスチリル基(スチリ
ル基、p−メチルスチリル基、o−クロロスチリル基、
p−メトキシスチリル基など)、置換もしくは未置換の
4−フェニル1,3−ブタジエニル基(4−フェニル
1,3−ブタジエニル基、4−(p−メチルフェニル)
−1,3−ブタジエニル基など)、又は置換もしくは未
置換の複素環基(キノリル基、ピリジル基、カルバゾリ
ル基、フリル基など)を表わす。
【0127】Iはピリジン、チアゾール、ベンゾチアゾ
ール、ナフトチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサ
ゾール、ナフトオキサゾール、イミダゾール、ベンズイ
ミダゾール、ナフトイミダゾール、2−キノリン、4−
キノリン、イソキノリン又はインドールなどの含窒素複
素環を完成するに必要な原子群で、ハロゲン原子(フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
ど)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基
など)、アルアルキル基(ベンジル基、p−トリルメチ
ル基など)によって置換されていてもよい。
【0128】G はアニオンで塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、ベンゼンスルホ
ン酸塩イオン、P−トルエンスルホン酸塩イオン、メチ
ル硫酸塩イオン、エチル硫酸塩イオン、プロピル硫酸塩
イオン、テトラフルオロホウ酸塩イオン、テトラフェニ
ルホウ酸塩イオン、ヘキサフルオロリン酸塩イオン、ベ
ンゼンスルフィン酸塩イオン、酢酸塩イオン、トリフル
オロ酢酸塩イオン、プロピオン酸塩イオン、安息香酸塩
イオン、シュウ酸塩イオン、コハク酸塩イオン、マロン
酸塩イオン、オレイン酸塩イオン、ステアリン酸塩イオ
ン、クエン酸塩イオン、一水素二リン酸塩イオン、二水
素一リン酸塩イオン、ペンタクロロスズ酸塩イオン、ク
ロロスルホン酸塩イオン、フルオロスルホン酸塩イオ
ン、トリフルオロメタンスルホン酸塩イオン、ヘキサフ
ルオロアンチモン酸塩イオン、モリブデン酸塩イオン、
タングステン酸塩イオン、チタン酸塩イオン、ジルコン
酸塩イオンなどを表わす。
【0129】r ′,r ′,r ′,r
′,r ′,r ′,r ′は水素原子又は
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、n−アミル基、t−アミル基、
n−ヘキシル基、n−オクチル基、t−オクチル基な
ど)を示し、さらに他のアルキル基、例えば置換アルキ
ル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキ
シプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、メトキシエチ
ル基、2−アセトキシエチル基、カルボキシメチル基、
2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、
2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スル
ホブチル基、3−スルフェートプロピル基、4−スルフ
ェートブチル基、N−(メチルスルホニル)−カルバミ
ルメチル基、3−(アセチルスルファミル)プロピル
基、4−(アセチルスルファミル)ブチル基など)、環
式アルキル基(例えば、シクロヘキシル基など)、置換
もしくは未置換のアルケニル基(ビニル基、プロペニル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテ
ニル基、オクテニル基、ドデシニル基、プレニル基な
ど)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基な
ど)、置換アラルキル基(例えば、カルボキシベンジル
基、スルホベンジル基、ヒドロキシベンジル基など)を
包含する。
【0130】本発明において、記録層2は塗布法あるい
は蒸着法等の種々の方法により基板1上に形成される。
塗布法を用いる場合には、トリアリールアミン系化合物
カチオンと金属錯体アニオンの複塩化合物を有機溶媒中
に溶解あるいは分散した溶液を基板1上に塗布すること
によって形成することができる。また、必要に応じて成
膜性および塗膜安定性を考慮してバインダーを記録層中
に混合して成膜することもできる。
【0131】塗布の際に使用できる有機溶媒は、前述の
トリアリールアミン系化合物カチオンと金属錯体アニオ
ンの複塩化合物を分散状態とするか、或いは溶解状態と
するかによって異なるが、一般にはアルコール系、ケト
ン系、アミド系、エーテル系、エステル系、脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素系、芳香族系、脂肪族炭化水素系などの
溶媒を用いることができる。
【0132】また、バインダーとしては、例えばニトロ
セルロース,エチルセルロース,ポリスチレン,ポリビ
ニルピロリドン,ポリメチルメタクリレート,ポリアミ
ドなどが挙げられる。また、必要により、ワックス、高
級脂肪酸、アミド類(例えば、オレイルアミド)を添加
剤として用いる。
【0133】以上のバインダーにジオクチルフタレー
ト,ジブチルフタレート,トリクレジルフォスフェート
等の可塑剤、鉱油,植物油等の油剤、更にアルキルベン
ゼンスルホン酸ソーダ,ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル等の分散剤及びその他の添加剤を適宜混
合させ記録層の成膜性,塗膜安定性を高めることができ
る。
【0134】塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコ
ーティング法、ローラーコーティング法、グラビアコー
ティング法などのコーティング法を用いて行うことがで
きる。
【0135】記録層2中の前記一般式(I)または(I
I)で表わされるトリアリールアミン系化合物カチオン
と金属錯体アニオンの複塩化合物の含有量は通常5〜7
0重量%、好ましくは10〜50重量%が望ましい。5
重量%未満では光劣化抑制効果が不十分であり、70重
量%をこえると有機色素の量が少なくなり、十分な光吸
収性とレーザ光に対して十分な光反射率を得ることがで
きない。
【0136】また、記録層2の膜厚は100Å〜20μ
m、好ましくは200Å〜1μmが適当である。さら
に、本発明の光記録媒体は、図2に示すように、記録層
2上に記録及び再生レーザー光に対して透明な保護層3
を設けることができる。該保護層3は、基板1側から光
を照射する場合は不透明でも差支えない。
【0137】また、図3に示すように、基板1と記録層
2の間に下引層4を設けても良い。また、図4に示す様
に、保護層3及び下引層4を共に用いることも可能であ
る。
【0138】下引き層は(a)接着性の向上、(b)水
またはガスなどのバリヤー、(c)記録層の保存安定性
の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板の
保護および(f)プレグルーブの形成などを目的として
設けられる。(a)の目的に対しては高分子材料、例え
ばアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹
脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材
料もしくはシランカップリング剤などの種々の物質を用
いることができ、(b),(c)の目的に対しては上記
高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO2 ,MgF
2 ,SiO,TiO2 ,ZnO,TiN,SiNなど、
金属または半金属、例えばZn,Cu,S,Ni,C
r,Ge,Se,Cd,Ag,Alなどを用いることが
できる。(d)の目的に対しては金属、例えばAl,A
gなど、または金属光沢を有する有機薄膜、例えばシア
ニン染料、ポリメチン染料、アズレン系染料などを用い
ることができる。そして(e),(f)の目的に対して
は紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを
用いることができる。下引き層の膜厚は50Å〜100
μm、好ましくは200Å〜30μmが適当である。
【0139】また、保護層は、キズ、ホコリ、汚れなど
からの保護および記録層の保存安定性の向上および反射
率の向上を目的として設けられ、その材料としては下引
き層と同じ材料を使用することができる。保護層の膜厚
は100Å以上、好ましくは1000Å以上が適当であ
る。
【0140】この際、下引層および/または保護層中に
は本発明の一般式(I)または(II)のトリアリール
アミン系化合物カチオンと金属錯体アニオンの複塩化合
物が含有されていてもよい。また、下引き層または保護
層には安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界
面活性剤、可塑剤などが含有されていてもよい。
【0141】さらに、本発明による光学記録媒体の別の
構成としては、図1から図4に示した同一構成の2枚の
記録媒体(場合によりその1枚を基板のみとして)を用
い記録層2を内側に配置して密封したいわゆるエアーサ
ンドイッチ構造にしてもよいし、保護層3を介して接着
したいわゆる密着構造(貼り合せ構造)にしてもよい。
密着構造の場合には、その接着層中に本発明の一般式
(I)または(II)で表わされるトリアリールアミン
系化合物カチオンと金属錯体アニオンの複塩化合物が含
有されていてもよい。
【0142】以上の様に、本発明においては、有機色素
薄膜、下引層、記録補助層、保護層または接着剤層の少
なくとも1つに、一般式(I)または(II)で表わさ
れるトリアリールアミン系化合物カチオンと金属錯体ア
ニオンの複塩化合物が含有されてもよいが、その含有量
は1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲
が好ましい。
【0143】本発明の光記録媒体は、ヘリウム−ネオン
レーザ(発振波長633nm) などのガスレーザの照射
によって記録することも可能であるが、好ましくは75
0nm以上の波長を有するレーザ、特にガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザ(発振波長830nm) な
どの近赤外あるいは赤外領域に発振波長を有するレーザ
光線の照射によって記録する方法が適している。また、
読み出しのためには、前述のレーザ光線を用いることが
できる。この際、書込みと読み出しを同一波長のレーザ
で行なうことができ、また異なる波長のレーザで行なう
こともできる。
【0144】
【実施例】次に本発明における実施例を挙げて説明する
が、これらに限定されるものではない。但し、特に説明
のない限り部は重量部を示す。
【0145】合成例1 250ml のオートクレーブに、トリス(4−ニトロフ
ェニル)アミン14.7部、5%パラジウム−カーボン
水添触媒1.6部、エタノール100ml を入れ、水素
ガスを圧力5.0Kg/cm2 、90℃で理論量吸収ま
で攪拌させた。反応終了後、エタノール300ml を加
えて熱濾過し、触媒を除いた。母液を溶媒留去し、7.
8部のトリス(4−アミノフェニル)アミンを得た。高
速液クロ分析により純度は99.7%であった。
【0146】NMR(d6 −DMSO)分析により、δ
4.21〜5.04ppmに6H分のアミノ基の吸
収、δ 6.06〜6.81ppmにブロードなダブレ
ットの12H分の芳香族環の吸収を測定した。
【0147】<(5′)の合成>上記アミノ体1.5部
をジメチルホルムアミド10部、無水炭素水素ナトリウ
ム0.5部、n−プロピルヨーダイド2.2部ととも
に、100〜130℃で加熱攪拌をした。36時間反応
後、反応液を氷水160部にあけ、酢酸エチルで抽出し
た。乾燥後、シリカゲルカラムで精製した。取得量1.
7部。赤外吸光分析によりアミノ基のNH伸縮振動によ
る吸収の消失を確認した。
【0148】この化合物1.5部をアセトン15部中に
分散させ、攪拌下、当モルの過塩素酸銀を加えた。室温
下1時間反応させたのち、析出した銀をロ別し、ロ液を
イソプロピルエーテルで稀釈し放置し、析出結晶をロ取
した。取得量1.1部。このようにして合成した
(5′)は吸収極大波長が972nmの赤外部に大きな
吸収をもつ化合物であった。
【0149】元素分析値:C36544ClO4 として 計算値(%);C:67.32 H:8.47
N:8.72 実測値(%);C:67.20 H:8.61
N:8.69
【0150】<(5″)の合成>(5′)の合成に使っ
たトリス(4−ジプロピルアミノフェニル)アミン1部
をアセトン16.2部中に分散させ、攪拌下2倍モルの
六フッ化アンチモン酸銀を加えた。室温下1時間反応さ
せたのち、析出した銀をロ別し、ロ液をイソプロピルエ
ーテルで稀釈した。0.80部の析出結晶をロ取した。
このようにして合成した(5″)は、吸収極大波長が9
81nmの赤外部に大きな吸収をもつ化合物であった。
【0151】以上説明した例はアニオンが過塩素酸およ
び六フッ化アンチモン酸の場合であるが、他のアニオン
にする場合は、それに相当する銀塩を用いることにより
容易に目的とする化合物を得ることが出来る。例えば、
AgBF4 ,AgSO4 ,AgNO3 ,AgSO36
4 CH3 ,AgSO3 CF3 などの銀塩を用いること
が出来る。また、この他に、電解酸化により得ることも
出来る。
【0152】<(I)−18の合成>(5′)0.55
gをDMF50ml に溶かした液に、ニッケルビス(ト
リクロロベンゼンジチオール)テトラ(n−ブチル)ア
ンモニウム塩(商品名:PA−1006、三井東圧ファ
イン社製)0.68gを加え、50℃で3時間加熱攪拌
した。この反応液を水中に注ぎ、得られた沈澱物を水
洗、乾燥した後、再結晶を行い、複塩化合物0.85g
を得た。
【0153】示査走査熱量の測定をして、270℃の過
塩素酸塩のピークの消失と元素分析により、目的の複塩
化合物が得られたことを確認した。
【0154】元素分析値:C48564 Cl6 NiS4
として 計算値(%);C:52.96 H:5.18
N:5.15 実測値(%);C:50.02 H:5.45
N:5.20
【0155】<(II)−26の合成>ニッケルビスジ
チオベンジル(商品名:MIR−101 みどり化学社
製)2.0gとp−フェニレンジアミン2.5gをジメ
チルスルホキシド15ml に溶解した。これにテトラ
(n−ブチル)アンモニウムブロマイド3.9gのエタ
ノール溶液80ml を滴下すると、赤色針状結晶が析出
した。
【0156】これを濾取し、水洗、再結晶により精製し
て、ニッケルビスジチオベンジルテトラブチルアンモニ
ウム1.9gを得た。この結晶の吸収スペクトルを測定
すると、MIR101のλmax 930nmが950nm
に長波長シフトしていることにより、アニオン体となっ
たことを確認した。
【0157】(5″)0.5gをDMF50ml に溶か
した液に、上記ニッケルビス(ジチオベンジル)テトラ
ブチルアンモニウム1.1gを加え、50℃で3時間加
熱攪拌した。この反応液を水中に注ぎ、得られた沈澱物
を水洗、乾燥した後、再結晶を行い、複塩化合物1.1
gを得た。
【0158】示査走査熱量の測定をして、270℃の過
塩素酸塩のピークの消失と元素分析により、目的の複塩
化合物が得られたことを確認した。
【0159】元素分析:C929448 Ni2 として 計算値(%);C:67.81 H:5.81
N:3.44 実測値(%);C:67.58 H:6.04
N:3.22
【0160】次に一般式(1)および(II)で表わさ
れる赤外吸収化合物を光記録材料として利用した実施例
について述べる。
【0161】実施例1 ウォーレットサイズの厚さ0.4mmポリカーボネート
(以下「PC」と略記する)基板上に熱プレス法により
プレグルーブを設け、その上にポリメチン系色素として
IR−820(日本化薬社製)と前記赤外吸収化合物
(I)−31の混合物(重量比80:20)3重量部を
ジアセトンアルコール97重量部に溶解させた液をバー
コート法により塗布した後、乾燥して厚さ900Åの記
録層を得た。
【0162】さらにその上に、アクリル酸エステル−エ
チレン共重合体ドライフィルムを介して、ウォーレット
サイズの厚さ0.3mmPC基板と熱ロール法により密
着構造の光記録媒体を作製した。
【0163】こうして得た光カードに発振波長830n
mの半導体レーザービームを0.3mWの出力で、厚さ
0.4mmのPC基板を通して照射したときの記録層か
らの反射率を光カード記録/再生装置(キャノン(株)
製)を用いて測定した。
【0164】次いで該光カードに発振波長830nmの
半導体レーザーを用いて、厚さ0.4mmのPC基板を
通して記録パワー3.5mW、記録パルス80μsec
で情報を書込み再生パワー0.2mWで再生して、その
コントラスト比
【0165】
【数1】 (但し、A:末記録部の信号強度、B:記録部の信号強
度)を測定した。
【0166】次に、この光カードを65℃、85%RH
の条件下で1000時間放置した後の反射率及びコント
ラスト比を測定した(環境保存安定性)。又全く同様に
して新たに作製し、情報を記録した実施例1の光カード
に1KW/m2 のキセノンランプ光を200時間照射
し、反射率及びコントラスト比を測定した(耐光安定
性)。
【0167】その結果を表−1に示す。
【0168】
【表1】
【0169】実施例2〜7 実施例1で用いたポリメチン系色素と複塩化合物(I)
−31の組合せを下記表−2,表−3に示す色素と複塩
化合物の組合せとした以外は実施例1と同様にして光カ
ードを作製し評価した。上記実施例2〜7の光カードを
実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表−5に
示す。
【0170】比較例1,2 実施例2および4で用いた複塩化合物No.(I)−2
9,(I)−32を除いた以外は、実施例2及び4と同
様にして光カードを作製し評価した。その結果を表−5
に示す。
【0171】
【表2】
【0172】
【表3】
【0173】比較例3〜4 実施例2で用いた複塩化合物No.(I)−29の代わ
りに下記の化合物を用いた以外は、実施例2と同様にし
て光カードを作製し評価した。その結果を表−5に示
す。
【0174】
【表4】
【0175】
【表5】
【0176】実施例8〜12 直径130mmφ、厚さ1.2mmのインジェクション
成形によりプレグルーブを設けたPC基板上に、下記表
−6に示す有機色素と前記複塩化合物の混合物5重量部
をジアセトンアルコール95重量部に溶解させた液をス
ピン塗布し、厚さ850Åの記録層を設けた。このよう
にして得た媒体の内周側と外周側に0.3mmのスペー
サーをはさみ、紫外線硬化型接着剤で他のPC保護基板
と貼合せエアーサンドイッチ構造の光ディスクを得た。
【0177】こうして作成した光ディスクを1800r
pmで回転させ、発振波長830nmの半導体レーザビ
ームをPC基板を通して照射し、記録パワー8mWで記
録周波数3MHzで情報を書込み、読み出しパワー0.
6mWで再生し、その再生波形をスペクトル解析(スキ
ヤニングフイルター、バンド幅30KHz)してC/N
比(キヤリヤ/ノイズ比)を測定した。
【0178】次に、この光ディスクの情報記録部を10
5 回繰り返し再生した後のC/N比を測定した。また、
PC基板を通して波長830nmにおける記録層の反射
率を分光光度計(商品名:U−3400;日立製作所)
で測定した。
【0179】また、この光ディスクを実施例1と同様の
条件の環境保存安定性試験および耐光安定性試験を行
い、その後の分光光度計における反射率およびC/N比
を測定した。その結果を表−7に示す。
【0180】比較例5および6 実施例8および10で用いた複塩化合物No.(I)−
13および(I)−26を除いた以外は、実施例8およ
び10と同様の方法で光ディスクを作製し、評価した。
その結果を表−7に示す。
【0181】比較例7 実施例8で用いた複塩化合物No.(I)−13を下記
の金属錯体化合物に変えた以外は、実施例8と同様の方
法で光ディスクを作製した。下記金属錯体の溶解性が悪
いため、塗布後、結晶が析出し、その結果、この光ディ
スクからの再生信号のノイズレベルの幅が非常に広くな
ってC/Nの測定ができなかった。
【0182】
【化57】
【0183】
【表6】
【0184】
【表7】
【0185】実施例13、14 直径130mmφ、厚さ1.2mmのポリメチルメタク
リレート(以下「PMMA」と略記する)基板上に、エ
ポキシ−アクリレート系紫外線硬化樹脂を用いて2P法
(フォト・ポリマー法)で厚さ30μmのプレグルーブ
を設けた。その基板上に、下記表−8に示す有機色素と
複塩化合物の組み合せの混合物2重量部を1,2−ジク
ロルエタンに溶解させた液をスピナー塗布法により塗布
し、乾燥膜厚900Åの有機薄膜記録層を形成した以外
は実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
【0186】こうして作成した光ディスクを実施例8と
同様の方法で測定し、評価した。その結果を表−10に
示す。
【0187】
【表8】
【0188】実施例15、16 下記表−9に示す有機色素と複塩化合物の組み合せの混
合物4重量部とニトロセルロース樹脂(オーハレスラツ
カー,ダイセル化学(株)製)1重量部をジアセトンア
ルコール95重量部に混合させた液をスピナー塗布法に
より、プレグルーブを設けた直径130mmφ、厚さ
1.2mmのポリカーボネート基板上に塗布し、乾燥膜
厚950Åの有機薄膜記録層を形成した以外は実施例8
と同様にして光ディスクを作製した。
【0189】こうして作成した光ディスクを実施例8と
同様の方法で測定した。その結果を表−10に示す。
【0190】
【表9】
【0191】
【表10】
【0192】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一般式
(I)または(II)で示されるトリアリールアミン化
合物カチオンと金属錯体アニオンの複合化合物およびそ
れを用いた光記録媒体とすることにより、 耐光性を著しく向上させ、色素に対して少ない添加量
でも優れた光劣化抑制効果のある光記録媒体を得ること
ができる。 高温、高湿度環境条件下において、保存安定性に優れ
た光記録媒体が得られる。 有機色素の高反射率・高感度などの優れた特性を低下
させることなく、レーザーパワーに対して明確なしきい
値を有する光記録媒体が得られる。等の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施態様を示す断面図
である。
【図2】本発明の光記録媒体の他の実施態様を示す断面
図である。
【図3】本発明の光記録媒体の他の実施態様を示す断面
図である。
【図4】本発明の光記録媒体の他の実施態様を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 保護層 4 下引層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる赤外吸収
    化合物。 【化1】 (式中、R 〜R は同種又は異種の水素原子、置
    換もしくは末置換のアルキル基、置換もしくは末置換の
    アラルキル基または置換もしくは末置換のフェニル基を
    示す。R 〜R は水素原子,ハロゲン基,低級ア
    ルキル基,低級アルコキシ基,シアノ基または水酸基を
    示す。X は一価の金属錯体アニオンを示す。)
  2. 【請求項2】 前記金属錯体アニオンがニッケル錯体ア
    ニオンである請求項1記載の赤外吸収化合物。
  3. 【請求項3】 前記金属錯体アニオンが下記一般式(I
    II)で表わされるアニオンである請求項1記載の赤外
    吸収化合物。 【化2】 (式中、R9 〜R12は各々水素原子、置換もしくは末置
    換のアルキル基、置換もしくは末置換のアミノ基、置換
    もしくは末置換のアリール基またはハロゲン原子を示
    す。Mは遷移金属原子を示す。)
  4. 【請求項4】 前記金属錯体アニオンが下記一般式(I
    V)で表わされるアニオンである請求項1記載の赤外吸
    収化合物。 【化3】 (式中、R13〜R16は各々置換もしくは末置換のアルキ
    ル基、置換もしくは末置換のアリール基またはシアノ基
    を示す。Mは遷移金属原子を示す。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(II)で表わされる赤外吸
    収化合物。 【化4】 (式中、R 〜R は同種又は異種の水素原子、置
    換もしくは末置換のアルキル基、置換もしくは末置換の
    アラルキル基または置換もしくは末置換のフェニル基を
    示す。R 〜R は水素原子,ハロゲン基,低級ア
    ルキル基,低級アルコキシ基,シアノ基または水酸基を
    示す。X は一価の金属錯体アニオンを示す。)
  6. 【請求項6】 前記金属錯体アニオンがニッケル錯体ア
    ニオンである請求項5記載の赤外吸収化合物。
  7. 【請求項7】 前記金属錯体アニオンが下記一般式(I
    II)で表わされるアニオンである請求項5記載の赤外
    吸収化合物。 【化5】 (式中、R9 〜R12は各々水素原子、置換もしくは末置
    換のアルキル基、置換もしくは末置換のアミノ基、置換
    もしくは末置換のアリール基またはハロゲン原子を示
    す。Mは遷移金属原子を示す。)
  8. 【請求項8】 前記金属錯体アニオンが下記一般式(I
    V)で表わされるアニオンである請求項5記載の赤外吸
    収化合物。 【化6】 (式中、R13〜R16は各々置換もしくは末置換のアルキ
    ル基、置換もしくは末置換のアリール基またはシアノ基
    を示す。Mは遷移金属原子を示す。)
  9. 【請求項9】 基板および記録層を備えた光記録媒体に
    おいて、該記録層中に下記一般式(I)または(II)
    で示される化合物を含有することを特徴とする光記録媒
    体。 【化7】 (式中、R 〜R は同種又は異種の水素原子、置
    換もしくは末置換のアルキル基、置換もしくは末置換の
    アラルキル基または置換もしくは末置換のフェニル基を
    示す。R 〜R は水素原子,ハロゲン基,低級ア
    ルキル基,低級アルコキシ基,シアノ基または水酸基を
    示す。X は一価の金属錯体アニオンを示す。)
  10. 【請求項10】 前記金属錯体アニオンがニッケル錯体
    アニオンである請求項9記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記金属錯体アニオンが下記一般式
    (III)で表わされるアニオンである請求項9記載の
    光記録媒体。 【化8】 (式中、R9 〜R12は各々水素原子、置換もしくは末置
    換のアルキル基、置換もしくは末置換のアミノ基、置換
    もしくは末置換のアリール基またはハロゲン原子を示
    す。Mは遷移金属原子を示す。)
  12. 【請求項12】 前記金属錯体アニオンが下記一般式
    (IV)で表わされるアニオンである請求項9記載の光
    記録媒体。 【化9】 (式中、R13〜R16は各々置換もしくは末置換のアルキ
    ル基、置換もしくは末置換のアリール基またはシアノ基
    を示す。Mは遷移金属原子を示す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1742906A2 (en) * 2004-05-03 2007-01-17 Optimer Photonics, Inc. Non-linear optically active molecules, their synthesis, and use
JPWO2014069198A1 (ja) * 2012-11-01 2016-09-08 株式会社Adeka 塗料及び近赤外線吸収フィルター

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