JPH07133429A - ポリイミド系延伸成形体 - Google Patents

ポリイミド系延伸成形体

Info

Publication number
JPH07133429A
JPH07133429A JP28294093A JP28294093A JPH07133429A JP H07133429 A JPH07133429 A JP H07133429A JP 28294093 A JP28294093 A JP 28294093A JP 28294093 A JP28294093 A JP 28294093A JP H07133429 A JPH07133429 A JP H07133429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
stretched
molded article
film
dianhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28294093A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuko Fujii
靖子 藤井
Yasuhiko Ota
靖彦 太田
Masumi Saruwatari
益巳 猿渡
Kazunari Okada
一成 岡田
Hitoshi Katsuyama
仁之 勝山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP28294093A priority Critical patent/JPH07133429A/ja
Publication of JPH07133429A publication Critical patent/JPH07133429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐屈曲強度に優れ、加熱収縮率の少ないポリ
イミド系延伸成形体を提供する。 【構成】 特定の構造を有する熱可塑性ポリイミド50
〜95重量部およびポリエーテルエーテルケトン5〜5
0重量部を含有するポリイミド系延伸成形体であって、
延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であり、且つ引
張強度が15kg/mm2以上であることを特徴とする
ポリイミド系延伸成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド系延伸成形体
に関する。詳しくは、優れた耐屈曲強度と引張強度を有
し、加熱収縮率の少ないフィルム、シート、繊維、棒等
のポリイミド系延伸成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリイミドはその優れた耐熱性、
機械特性、化学的特性、耐環境特性をもつため電気・電
子工業分野、航空機産業、原子力産業などの産業分野で
広く使われている。近年、押出成形や射出成形等の成形
加工ができ、かつ、高品質のコストパフォーマンスに優
れたポリイミド成形体の開発が強く望まれている。
【0003】例えば、特開平3−205432号公報に
は、式(1)〔化3〕
【0004】
【化3】 で表される繰り返し単位を有するポリイミドからなる延
伸フィルムであって、23℃における厚さ方向の屈折率
が1.605〜1.680であるポリイミドフィルムお
よびその製造方法が開示されている。しかし、該延伸ポ
リイミドフィルムは、延伸バラツキがなく、その上引張
強度、耐熱性、寸法安定性等の点で優れているが耐屈曲
強度の点で充分といえるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題を解決し、熱可塑性ポリイミドを主成分とする引
張強度、耐熱性等に優れたポリイミド系延伸成形体であ
って、しかも耐屈曲強度に優れ、加熱収縮率の少ないポ
リイミド系延伸成形体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有す
る熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリエーテルエ
ーテルケトンを添加した樹脂組成部から得られた延伸成
形体が優れた機械強度と耐熱性を有し、しかも耐屈曲強
度に優れ、加熱収縮率の少ないことを見出し、本発明に
到った。
【0007】すなわち、本発明は、式(1)〔化4〕
【0008】
【化4】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミ
ド50〜95重量部およびポリエーテルエーテルケトン
5〜50重量部を含有するポリイミド系延伸成形体であ
って、延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であり、
且つ引張強度が15kg/mm2以上であることを特徴
とするポリイミド系延伸成形体である。
【0009】本発明のポリイミド系延伸成形体の特徴
は、式(1)〔化4〕で表される繰り返し構造単位を有
する熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリエーテル
エーテルケトンを混合した樹脂組成物を原料とすること
にある。そのため、該熱可塑性ポリイミドのみから得ら
れた延伸成形体に比べ、優れた耐屈曲強度を有し、加熱
収縮率の少ない延伸成形体となすことができるものであ
る。その上、引張強度、耐熱性等の機械的特性は、該熱
可塑性ポリイミドのみから得られた延伸成形体と略同様
の特性を有する。
【0010】かかる特性を有する発明のポリイミド系延
伸成形体は、式(1)〔化4〕で表される繰り返し構造
単位を有する熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリ
エーテルエーテルケトンを混合して得られた樹脂組成物
をフィルム、シート、繊維、チューブ、棒等に溶融成形
し、得られた未延伸成形体を延伸することにより得られ
る。
【0011】以下、本発明のポリイミド系延伸成形体に
ついて詳細に説明する。本発明におけるポリイミド系延
伸成形体の延伸方向の耐屈曲強度及び引張強度は、後述
する実施例に示した測定方法により測定した値である。
【0012】本発明で使用するポリイミドは、基本的に
ピロメリット酸二無水物と4,4,−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ビフェニルとを重合してポリアミド酸を経
て、脱水縮合によるイミド化により得られる熱可塑性ポ
リイミドであり、式(1)〔化4〕で表される繰り返し
構造単位を有する。
【0013】このポリイミドは、酸二無水物として用い
る上記ピロメリット酸二無水物以外に他のテトラカルボ
ン酸二無水物をピロメリット酸二無水物を含めたテトラ
カルボン酸二無水物の全量に対して20モル%未満、好
ましくは10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満
含んでいてもよい。
【0014】かかるテトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロ
ペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,
6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
ーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフロロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサクロロプロパン二無水物、1,1−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無
水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル
酸二無水物、4,4’−ジフェニルスルフィドジオキシ
ビス(4−フタル酸)二無水物、4,4’−ジフェニル
スルホンジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、メチ
レンビス−(4−フエニレンオキシ−4−フタル酸)二
酸無水物、エチリデンビス−(4−フエニレンオキシ−
4−フタル酸)二酸無水物、イソプロピリデンビス−
(4−フエニレンオキシ−4−フタル酸)二酸無水物、
ヘキサフルオロイソプロピリデンビス−(4−フエニレ
ンオキシ−4−フタル酸)二酸無水物等が挙げられる。
【0015】本発明に使用するポリイミドは、芳香族ジ
アミンとして用いる上記4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル以外に他の芳香族ジアミンを4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを含め
たジアミンの全量に対して20モル%未満、好ましくは
10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満含んでい
てもよい。
【0016】かかるジアミンとしては、例えば、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィ
ド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ケトン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ジ(p−アミノ
フェニル)エタン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げ
られる。
【0017】ポリイミドの分子量は、未延伸成形体の延
伸性に影響を及ぼす。分子量が低く過ぎると均一延伸を
達成することができず、延伸成形体の厚さ変動、強度の
変動が大きくなり好ましくない。また、高か過ぎると溶
融粘度が高くなり溶融押出が困難となり好ましくない。
かかる点を考慮して、例えば、分子量を溶液粘度で表示
した場合、本発明に使用する前記式(1)〔化4〕で表
される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミド
は、これをフェノール9容量部とp−クロロフェノール
1容量部との混合溶媒に溶解した溶液(濃度0.5g/
dl)の対数粘度が30℃において0.53〜0.80
dl/gの範囲にあることが好ましい。対数粘度は下記
方法により測定する。
【0018】30℃の恒温槽内に設置したウベローデ式
粘度計を用いて上記溶媒と溶液の粘度をそれぞれ測定
し、下記数式(1)〔数1〕
【0019】
【数1】 (式中、tは溶液の落下時間(sec)、t0は溶媒の
落下時間(sec)、Cは溶液濃度(g/dlを示す)
により算出する。)上記粘度範囲のポリイミドを得るた
めには、上記ピロメリット酸二無水物を含むテトラカル
ボン酸二無水物の全量と上記4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ビフェニルを含む芳香族ジアミンの全量
とをモル比0.93対1〜1対0.93の範囲にするこ
とが好ましく、さらに、両者の反応比に合わせてジカル
ボン酸無水物あるいはモノアミンを添加し反応させるこ
とが好ましい。
【0020】具体的には、ピロメリット酸二無水物を含
むテトラカルボン酸二無水物の全モル数が4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミン
の全モル数より多い場合は、下記数式(2)〔数2〕
【0021】
【数2】 (式中、Aはピロメリット酸二無水物を含むテトラカル
ボン酸二無水物の全モル数、Bは4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミンの全モル
数、Cはモノアミンのモル数を示し、A≧Bである)に
より算出した範囲の量のモノアミンを添加することが好
ましい。
【0022】また、ピロメリット酸二無水物を含むテト
ラカルボン酸二無水物の全モル数が4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミンの全モ
ル数より少ない場合は、下記数式(3)〔数3〕
【0023】
【数3】 (式中、Aはピロメリット酸二無水物を含むテトラカル
ボン酸二無水物の全モル数、Bは4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミンの全モル
数、Dはジカルボン酸無水物のモル数を示し、B≧Aで
ある)により算出した範囲の量のジカルボン酸無水物を
添加することが好ましい。
【0024】本発明に好ましく用いられるジカルボン酸
無水物として、例えば無水フタル酸、2,3−ベンゾフ
ェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジ
カルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェ
ニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフ
ェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン
酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、
2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水
物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無
水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィ
ド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスル
フィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−
ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセン
ジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン
酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物な
どが挙げられる。
【0025】また、本発明に好ましく用いられるモノア
ミンとして、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシル
アミン、オクチルアミン、シクロペンチルアミン、シク
ロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、o−ト
ルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニ
シリジン、m−アニシリジン、p−アニシリジン、キシ
リジン、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン
などが挙げられる。
【0026】本発明で用いられるポリエーテルエーテル
ケトンは、分子内に式(2)〔化5〕
【0027】
【化5】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリエー
テルエーテルケトンである。
【0028】本発明において、これらのポリエーテルエ
ーテルケトンの内、成形性を考慮して、ASTM−D1
238に規定される方法に準じて、360℃、2.16
kg荷重条件下で測定したメルトフローインデックスが
1〜5g/10minの範囲の熱可塑性ポリエーテルエ
ーテルケトンが好ましく用いられる。かかる特性を有す
るポリエーテルエーテルケトンとして市販されている代
表的なものには、英国ICI社製、VICTREX−P
EEK−450P、VICTREX−PEEK−380
P、VICTREX−PEEK−150P等が挙げられ
る。
【0029】本発明のポリイミド系延伸成形体は、上記
ポリイミドと上記ポリエーテルエーテルケトンとを特定
の配合割合で混合して樹脂組成物となし、次いで未延伸
成形体に溶融成形し、得られた未延伸成形体を延伸する
ことにより製造される。ポリエーテルエーテケトンの配
合割合が増加すると、得られる延伸成形体の耐熱性が低
下し、逆に減少すると得られる延伸成形体の耐屈曲強度
が低下する。かかる観点から、本発明のポリイミド系延
伸成形体は、前記式(1)〔化4〕で表される繰り返し
構造単位を有するポリイミド50〜95重量%に対しポ
リエーテルエーテルケトン50〜5重量%の範囲で使用
される。
【0030】耐屈曲強度は、押出成形体の厚さまたは直
径が小さくなるに従って大きくなる傾向を示す。その傾
向を図示すると〔図1〕のようになる。〔図1〕は、押
出成形体の厚さまたは直径の逆数(1/mm)と耐屈曲
強度(回数)の関係を示す。図において曲線1は実施例
1で用いたポリイミドおよびポリエーテルエーテルケト
ンをそれぞれ75重量%と25重量%を混合物して得ら
れた延伸成形体の厚さまたは直径の逆数(1/mm)と
耐屈曲強度(回数)の関係を示す。曲線2は上記ポリイ
ミドのみから得られた延伸成形体の厚さまたは直径の逆
数(1/mm)と耐屈曲強度(回数)の関係を示す。
【0031】両樹脂の混合方法には特に制限はなく公知
の混合方法が適用される。例えば、リボンブレンダー、
フェンシェルミキサー、タンブラーミキサー等を用いて
室温またはその近傍の温度において混合する方法が挙げ
られる。両樹脂の混合性を考慮すると、両樹脂をそれぞ
れ粉体状で混合することが好ましい。
【0032】本発明のポリイミド系延伸成形体には、上
記熱可塑性ポリイミドとポリエーテルエーテルケトンの
他に、その他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、熱安定剤、
滑剤、紫外線吸収剤、有機および無機フィラー等、通常
熱可塑性樹脂の添加剤として用いられる他の添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲において添加してもよ
い。その他の熱可塑性樹脂を添加する場合は、上記熱可
塑性ポリイミドとポリエーテルエーテルケトンの総重量
に対し、5重量%未満であることが好ましい。
【0033】未延伸成形体の製造に際しては、粉体状で
混合された両樹脂をそのまま押出機等の成形機に供給し
てもよいし、また、予めペレット状に成形した後押出機
等の成形機に供給してもよい。しかし、両樹脂が均一に
混合し得ること、および押出量が安定する等の押出成形
性がよいこと等の点で、予めペレット状に成形すること
が好ましい。ペレット状に成形する方法として、先ず混
合した粉を、好ましくは、100〜250℃の範囲で乾
燥し、その水分含有率を200ppm未満とし、好まし
くは、窒素雰囲気下で押出機に供給し、350〜450
℃の温度で加熱溶融し、ストランドダイを通して押出
し、ダイから押出された溶融ストランドを冷却しながら
切断するか、あるいは、ダイから押出された溶融ストラ
ンドを冷却後カッターにより切断してペレットを製造す
る方法が挙げられる。
【0034】本発明のポリイミド系延伸成形体を製造す
るに際しては、先ず両樹脂の粉状混合物または混合ペレ
ットを好ましくは100〜250℃の範囲で乾燥し、そ
の水分含有率を200ppm未満とし、好ましくは窒素
雰囲気下で押出機に供給し、350〜450℃の温度で
混練、溶融し、ノズル、スリットダイ、サーキュラーダ
イ、マンドレル等より押出し、次いで、得られたポリイ
ミドのガラス転移温度以下、好ましくは150〜250
℃、さらに好ましくは200〜240℃の温度に急冷す
ることにより繊維、フィルム、シート、パイプ、棒など
のポリイミド系未延伸成形体とする。
【0035】本発明のポリイミド延伸成形体は、上記の
ようにして得られたポリイミド系未延伸成形体を200
〜320℃、好ましくは220〜290℃の温度範囲に
加熱して延伸する。延伸倍率は、特に制限はないが、得
られる成形体毎に示すと概ね次のような延伸倍率が好ま
しい。繊維の場合は1.5〜4倍、さらに好ましくは
1.5〜3倍、一軸延伸フィルムおよび一軸延伸シート
の場合1.5〜4倍、さらに好ましくは1.5〜3倍、
二軸延伸フィルムおよび二軸延伸シートの場合において
は長さ方向および幅方向にそれぞれ1.5〜3倍(さら
に好ましくは1.5〜2.7倍)、チューブの場合はそ
の直径を変化させない時は長さ方向に1.5〜4倍(好
ましくは1.5〜3倍)、直径を増加させて二軸延伸す
る時は長さ方向および幅方向にそれぞれ1.1〜3倍、
さらに好ましくは1.5〜2.5倍に延伸する。次い
で、250℃以上、両樹脂の融点未満の温度範囲、好ま
しくは260〜380℃の温度範囲で1秒〜1時間、緊
張下で熱処理することが好ましい。
【0036】上記のようにして得られたポリイミド系延
伸成形体は、優れた引張強度と耐屈曲強度を有する。具
体的には、延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であ
り、延伸方向の引張強度が15kg/mm2以上であ
る。このような特性を有する本発明のポリイミド系延伸
成形体は、繰り返し応力に耐え得る耐疲労強度を有する
延伸成形体である。
【0037】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明する。尚、実施例及び比較例で用いた各試験方法及
び各試料(ポリイミド粉、ポリエーテルエーテルケトン
粉)の種類を以下に示す。
【0038】〔試験方法〕 (1)均一延伸の評価 成形体がフィルム又はシートの場合 未延伸フィルム又は未延伸シートを1辺が90mmの正
方形に切り出し、面内に5mm間隔の格子線を縦横各々
17本記入した後、バッチ式延伸機で所定倍率に延伸す
る。延伸後の格子間の距離を、中央部分縦横各10本ず
つ測定して延伸倍率を求めた後、平均値と標準偏差とか
ら変動率(標準偏差÷平均値×100%)を求め、評価
する。 成形体が繊維の場合 延伸糸30サンプルについて、重量測定によりデニール
を測定し、平均デニールを求めた後、平均値と標準偏差
とから変動率を求め、評価する。
【0039】(2)加熱収縮率(%) JIS C−2318に規定される方法に準じ、280
℃において、2時間加熱したときの収縮率を測定する。
【0040】(3)引張試験(kg/mm2) 成形体がフィルム及びシートの場合 ASTM D−882に規定される方法に準じて、23
℃において試料のMD方向(成形法のフィルムの長さ方
向)、TD方向(フィルム面内のMDと直角方向)につ
いて各々引張試験を行い、引張強度を測定する。 成形体が繊維の場合 JIS L−1013に規定される方法に準じて、23
℃において引張試験を行い、引張強度を測定し、測定値
の単位を(g/デニール)から(kg/mm2)に換算
する。
【0041】(4)耐屈曲強度(単位;回) JIS P−8115に規定される方法に準じて23℃
にて、厚さまたは直径が25μmの試料について試料の
延伸方向(MD方向という)およびそれと直角をなす方
向(TD方向という)の耐屈曲強度を測定する。条件
は、速度;175回/min、折り曲げ装置先端の曲率
半径(R);0.1mm、引張荷重;1kgf。
【0042】〔試料〕 (1)ポリイミド粉A かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器にm−クレゾール20kg、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニル3684g(10.0モ
ル)を装入し、窒素雰囲気下にピロメリット酸二無水物
2056g(9.43モル)とm−クレゾール2kgの
スラリー状混合物を溶液の温度が60℃以上にならない
ように注意しながら分割して加え、その後更に、無水フ
タル酸185.8g(1.254モル)を加えて5時間
攪拌した。その後約3時間かけて140℃まで昇温し、
140℃で2時間攪拌したあと室温まで3時間かけて冷
却した。このスラリー状の液体を濾別し、メタノール2
0kg、続いてアセトン20kgで洗浄した後、窒素雰
囲気下に100℃で8時間、続いて300℃で4時間乾
燥して、5382g(収率97%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉Aの対数粘度は、0.430であ
った。
【0043】(2)ポリイミド粉B かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器にm−クレゾール10kg、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニル3684g(10.0モ
ル)を装入し、窒素雰囲気下にピロメリット酸二無水物
2074g(9.51モル)とm−クレゾール2kgの
スラリー状混合物を溶液の温度が60℃以上にならない
ように注意しながら分割して加え、その後更に、無水フ
タル酸159.6g(1.078モル)を加えて5時間
攪拌した。その後約3時間かけて140℃まで昇温し、
140℃で2時間攪拌したあと室温まで3時間かけて冷
却した。このスラリー状の液体を濾別し、メタノール2
0kg、続いてアセトン20kgで洗浄した後、窒素雰
囲気下に100℃で8時間、続いて300℃で4時間乾
燥して、5100g(収率92%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉Bの対数粘度は、0.491であ
った。
【0044】(3)ポリエーテルエーテルケトン粉(以
下、PEEKという) ICI社製、PEEK−450P
【0045】実施例1 ポリイミド粉A94重量部とPEEK粉が6重量部とを
混合した後、窒素気流下に180℃で20時間乾燥し、
25mmベント式押出機に供給し、405℃で溶融押出
し、直径3mmのノズルより押出し、冷却固化しストラ
ンドカッターにより切断し、直径約2mm、長さ約3m
mのペレットを得た(混合ペレットAとする)。この混
合ペレットAを窒素気流下に150℃で20時間乾燥し
(乾燥後の水分含有率は50ppmであった)25mm
押出機に供給し、410℃で加熱溶融し、幅150mm
のスリットダイ(隙間0.6mm)から押出し、220
℃のロール上に引取り、厚さ約180μmのポリイミド
系未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの対数粘度
は0.531であった。得られた未延伸ポリイミド系フ
ィルムをバッチ式延伸機を用いて、265℃でフィルム
の長さ方向(以下、MD方向という)に2.7倍延伸
し、続いてフィルムの幅方向(以下、TD方向という)
に2.7倍延伸した。さらに350℃で30分間加熱処
理して二軸延伸ポリイミド系フィルムを得た。得られた
二軸延伸ポリイミド系フィルムについて上記方法により
評価した。その結果、極めて均一に二軸延伸されてお
り、耐屈曲強度、引張物性に優れ、加熱収縮率が少なか
った。評価結果を〔表1〕に示す。
【0046】実施例2 ポリイミド粉A50重量部とPEEK粉50重量部とを
混合した後、窒素気流下に180℃で20時間乾燥し、
25mmベント式押出機に供給し、410℃で溶融押出
し、直径3mmのノズルより押出し、冷却固化しストラ
ンドカッターにより切断し、直径約2mm、長さ約3m
mのペレットを得た(混合ペレットBとする)。この混
合ペレットBを窒素気流下に150℃で20時間乾燥し
(乾燥後の水分含有率は50ppmであった)25mm
押出機に供給し、415℃で加熱溶融し、幅150mm
のスリットダイ(隙間0.6mm)から押出し、220
℃のロール上に引取り、厚さ約150μmのポリイミド
系未延伸フィルムを得た。得られたポリイミド系未延伸
フィルムの対数粘度は0.739であった。得られたポ
リイミド系未延伸フィルムをバッチ式延伸機を用いて2
65℃においてMD方向に2.5倍延伸し、続いてTD
方向に2.5倍延伸した。さらに350℃で30分間加
熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルムを得た。得ら
れたポリイミド系二軸延伸フィルムについて実施例1と
同様にして評価した。その結果、実施例1と同様、極め
て均一に二軸延伸されており、耐屈曲強度、引張物性に
優れ、加熱収縮率が少なかった。評価結果を〔表1〕に
示す。
【0047】実施例3 ポリイミド粉B90重量部とPEEK粉10重量部とを
混合した後、窒素気流下に180℃で20時間乾燥し、
25mmベント式押出機に供給し、410℃で溶融押出
し、直径3mmのノズルより押出し、冷却固化しストラ
ンドカッターにより切断し、直径約2mm、長さ約3m
mのペレットを得た(混合ペレットCとする)。この混
合ペレットCを窒素気流下に150℃で20時間乾燥し
(乾燥後の水分含有率は50ppmであった)25mm
押出機に供給し、415℃で加熱溶融し、幅150mm
のスリットダイ(隙間0.6mm)から押出し、220
℃のロール上に引取り、厚さ約150μmのポリイミド
系未延伸フィルムを得た。加工性に問題はなく、得られ
たフィルムの対数粘度は0.609であった。得られた
ポリイミド系未延伸フィルムをバッチ式延伸機を用い
て、265℃においてMD方向に2.5倍延伸し、続い
てTD方向に2.5倍延伸した。さらに350℃で30
分間加熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルムを得
た。得られたポリイミド系二軸延伸フィルムについて実
施例1と同様にして評価した。その結果、実施例1と同
様、極めて均一に二軸延伸されており、耐屈曲強度、引
張物性に優れ、加熱収縮率が少なかった。評価結果を
〔表1〕に示す。
【0048】比較例1 PEEK粉を混合しないでポリイミド粉Bを単独で用い
た以外、実施例2と同様にしてペレットを得た(ペレッ
トDとする)。このペレットDを420℃で溶融、押出
した以外、実施例2と同様にして対数粘度が0.573
である厚さ約230μmのポリイミド系未延伸フィルム
を得た。得られたポリイミド系未延伸フィルムを285
℃においてMD方向に3.0倍延伸し、続いてTD方向
に3.0倍延伸した。さらに350℃で30分間加熱処
理し、ポリイミド系二軸延伸フィルムを得た。得られた
ポリイミド系二軸延伸フィルムについて実施例1と同様
にして評価した。その結果、均一に延伸され加熱収縮率
が少なかったが、耐屈曲強度が著しく劣っていた。評価
結果を〔表1〕に示す。
【0049】比較例2 ポリイミド粉A97重量部とPEEK粉3重量部とを混
合した以外、実施例1と同様にして直径約2mm、長さ
約3mmのペレットを得た(混合ペレットEとする)。
この混合ペレットEを用いた以外、実施例1と同様にし
て対数粘度が0.515である厚さ約150μmのポリ
イミド系未延伸フィルムを得た。得られたポリイミド系
未延伸フィルムを265℃でMD方向に2.5倍延伸
し、続いてTD方向に2.5倍延伸し、さらに350℃
で30分間加熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルム
を得た。得られたポリイミド系二軸延伸フィルムについ
て実施例1と同様にして評価した。その結果、延伸倍率
にバラツキがあり均一な延伸がなされていなかった。そ
のため、耐屈曲強度、引張物性および加熱収縮率の測定
ができなかった。評価結果を〔表1〕に示す。
【0050】比較例3 ポリイミド粉A30重量部とPEEK粉70重量部とを
混合した以外、実施例1と同様にしてペレットを得た
(混合ペレットFとする)。この混合ペレットFを41
5℃で加熱溶融して押出した以外、実施例1と同様にし
て対数粘度が0.831である厚さ約150μmのポリ
イミド系未延伸フィルムを得た。得られたポリイミド系
未延伸フィルムを265℃でMD方向に2.5倍延伸
し、続いてTD方向に2.5倍延伸し、さらに350℃
で30分間加熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルム
を得た。得られたポリイミド系二軸延伸フィルムについ
て実施例1と同様にして評価した。その結果、均一な延
伸ができたが、加熱収縮率が大きかった。評価結果を
〔表1〕に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例4 混合ペレットAを窒素気流下に180℃で8時間乾燥し
25mm押出機に供給し415℃で加熱溶融し、直径
0.3mmのノズルを有するダイスより押出し、310
m/minの引取速度で溶融紡糸を行ない、12デニー
ルの原糸を得た。この原糸の対数粘度は0.534dl
/gであった。この原糸を90cmに切り出し、30サ
ンプルを重量測定によりデニールを測定すると、その平
均値は12.3デニールであり、変動率は2.6%であ
った。この原糸を200℃に加熱した直径150mmの
2本のネルソンロールとその中間に265℃に加熱した
熱板を通して、2.0倍に延伸してポリイミド系延伸糸
を得た。得られた延伸糸の平均デニールは6.1デニー
ルであり、変動率は5.3%であり、均一に延伸されて
いることが認められた。また、耐屈曲強度、引張物性に
優れ、加熱収縮率が少なかった。評価結果を〔表2〕に
示す。
【0053】
【0054】実施例5 混合ペレットBを窒素気流下に180℃で8時間乾燥し
25mm押出機に供給し415℃で加熱溶融し、直径
0.3mmのノズルを有するダイスより押出し、310
m/minの引取速度で溶融紡糸を行ない、12デニー
ルの原糸を得た。この原糸の対数粘度は0.740dl
/gであった。この原糸を90cmに切り出し、30サ
ンプルを重量測定によりデニールを測定すると、その平
均値は12.2デニールであり、変動率は2.4%であ
った。この原糸を実施例4と同様な方法で265℃で、
2.0倍に延伸したところ、得られた延伸糸1本当りの
平均デニールは6.2デニールであり、変動率は5.1
%であり、均一に延伸されていることが認められた。ま
た、耐屈曲強度、引張物性に優れ、加熱収縮率が少なか
った。評価結果を〔表2〕に示す。 比較例4 混合ペレットDを用いた以外、実施例4と同様にして、
対数粘度が0.573dl/gである12デニールの原
糸を得た。この原糸を90cmに切り出し、その30サ
ンプルを重量測定によりデニールを測定すると、その平
均値は12.2デニールであり、変動率は2.8%であ
った。この原糸を実施例4と同様にして280℃で2倍
に延伸したことろ、得られた延伸糸の平均デニールは
6.1デニール、変動率は6%であり、均一に延伸され
ていた。しかし、この延伸糸の耐屈曲強度は実施例4及
び5で得られた延伸糸に比べて著しく劣っていた。評価
結果を〔表2〕に示す。
【0055】比較例5 混合ペレットEを用いた以外、実施例4と同様にして対
数粘度が0.509dl/gである12デニールの原糸
を得た。この原糸を90cmに切り出し、30サンプル
を重量測定によりデニールを測定すると、その平均値は
12.1デニールであり変動率は9.0%であった。こ
の原糸を実施例4と同様な方法で265℃で2.0倍延
伸したところ、得られた延伸糸の平均デニールは6.3
デニールであり、変動率は22%であり、均一に延伸さ
れていないことを示した。延伸倍率にバラツキがあるた
め、耐屈曲強度、引張物性および加熱収縮率の測定が不
可能であった。評価結果を〔表2〕に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明のポリイミド系延伸成形体のは、
前記式(1)〔化4〕で表される繰り返し構造単位を有
する熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリエーテル
エーテルケトンを混合した樹脂組成物を原料とする。そ
のため、該熱可塑性ポリイミドのみから得られた延伸成
形体に比べ、優れた耐屈曲強度を有し、加熱収縮率の少
ない延伸成形体である。その上、引張強度、耐熱性等の
機械的特性は、該熱可塑性ポリイミドのみから得られた
延伸成形体と略同様の特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は耐屈曲強度(回数)の厚さまたは直径(1/
mm)依存性を示す。
【符号の説明】
1 ポリイミド75重量%とポリエーテルエーテルケト
ン25重量%との混合物から得られた延伸成形体。 2 ポリイミドのみから得られた延伸成形体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ポリイミド系延伸成形体
【特許請求の範囲】
【化1】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミ
ド50〜95重量部およびポリエーテルエーテルケトン
5〜50重量部を含有するポリイミド系延伸成形体であ
って、延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であり、
且つ引張強度が15kg/mm2以上であることを特徴
とするポリイミド系延伸成形体。
【化2】 で表される繰り返し構造単位を有することを特徴とする
請求項1記載のポリイミド系延伸成形体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド系延伸成形体
に関する。詳しくは、優れた耐屈曲強度と引張強度を有
し、加熱収縮率の少ないフィルム、シート、繊維、棒等
のポリイミド系延伸成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリイミドはその優れた耐熱性、
機械特性、化学的特性、耐環境特性をもつため電気・電
子工業分野、航空機産業、原子力産業などの産業分野で
広く使われている。近年、押出成形や射出成形等の成形
加工ができ、かつ、高品質のコストパフォーマンスに優
れたポリイミド成形体の開発が強く望まれている。
【0003】例えば、特開平3−205432号公報に
は、式(1)〔化3〕
【0004】
【化3】 で表される繰り返し単位を有するポリイミドからなる延
伸フィルムであって、23℃における厚さ方向の屈折率
が1.605〜1.680であるポリイミドフィルムお
よびその製造方法が開示されている。しかし、該延伸ポ
リイミドフィルムは、延伸バラツキがなく、その上引張
強度、耐熱性、寸法安定性等の点で優れているが耐屈曲
強度の点で充分といえるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題を解決し、熱可塑性ポリイミドを主成分とする引
張強度、耐熱性等に優れたポリイミド系延伸成形体であ
って、しかも耐屈曲強度に優れ、加熱収縮率の少ないポ
リイミド系延伸成形体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有す
る熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリエーテルエ
ーテルケトンを添加した樹脂組成部から得られた延伸成
形体が優れた機械強度と耐熱性を有し、しかも耐屈曲強
度に優れ、加熱収縮率の少ないことを見出し、本発明に
到った。
【0007】すなわち、本発明は、式(1)〔化4〕
【0008】
【化4】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミ
ド50〜95重量部およびポリエーテルエーテルケトン
5〜50重量部を含有するポリイミド系延伸成形体であ
って、延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であり、
且つ引張強度が15kg/mm2以上であることを特徴
とするポリイミド系延伸成形体である。
【0009】本発明のポリイミド系延伸成形体の特徴
は、式(1)〔化4〕で表される繰り返し構造単位を有
する熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリエーテル
エーテルケトンを混合した樹脂組成物を原料とすること
にある。そのため、該熱可塑性ポリイミドのみから得ら
れた延伸成形体に比べ、優れた耐屈曲強度を有し、加熱
収縮率の少ない延伸成形体となすことができるものであ
る。その上、引張強度、耐熱性等の機械的特性は、該熱
可塑性ポリイミドのみから得られた延伸成形体と略同様
の特性を有する。
【0010】かかる特性を有する発明のポリイミド系延
伸成形体は、式(1)〔化4〕で表される繰り返し構造
単位を有する熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリ
エーテルエーテルケトンを混合して得られた樹脂組成物
をフィルム、シート、繊維、チューブ、棒等に溶融成形
し、得られた未延伸成形体を延伸することにより得られ
る。
【0011】以下、本発明のポリイミド系延伸成形体に
ついて詳細に説明する。本発明におけるポリイミド系延
伸成形体の延伸方向の耐屈曲強度及び引張強度は、後述
する実施例に示した測定方法により測定した値である。
【0012】本発明で使用するポリイミドは、基本的に
ピロメリット酸二無水物と4,4,−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ビフェニルとを重合してポリアミド酸を経
て、脱水縮合によるイミド化により得られる熱可塑性ポ
リイミドであり、式(1)〔化4〕で表される繰り返し
構造単位を有する。
【0013】このポリイミドは、酸二無水物として用い
る上記ピロメリット酸二無水物以外に他のテトラカルボ
ン酸二無水物をピロメリット酸二無水物を含めたテトラ
カルボン酸二無水物の全量に対して20モル%未満、好
ましくは10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満
含んでいてもよい。
【0014】かかるテトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロ
ペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,
6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
ーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフロロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサクロロプロパン二無水物、1,1−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無
水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル
酸二無水物、4,4’−ジフェニルスルフィドジオキシ
ビス(4−フタル酸)二無水物、4,4’−ジフェニル
スルホンジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、メチ
レンビス−(4−フエニレンオキシ−4−フタル酸)二
酸無水物、エチリデンビス−(4−フエニレンオキシ−
4−フタル酸)二酸無水物、イソプロピリデンビス−
(4−フエニレンオキシ−4−フタル酸)二酸無水物、
ヘキサフルオロイソプロピリデンビス−(4−フエニレ
ンオキシ−4−フタル酸)二酸無水物等が挙げられる。
【0015】本発明に使用するポリイミドは、芳香族ジ
アミンとして用いる上記4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル以外に他の芳香族ジアミンを4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを含め
たジアミンの全量に対して20モル%未満、好ましくは
10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満含んでい
てもよい。
【0016】かかるジアミンとしては、例えば、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィ
ド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ケトン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ジ(p−アミノ
フェニル)エタン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げ
られる。
【0017】通常、ポリマーの分子量は、未延伸成形体
の延伸性に影響を及ぼす。分子量が低く過ぎると均一延
伸を達成することができず、延伸成形体の厚さ変動、強
度の変動が大きくなり好ましくない。また、高か過ぎる
と溶融粘度が高くなり溶融押出が困難となり好ましくな
い。かかる点を考慮して、例えば、分子量を溶液粘度で
表示した場合、本発明に使用する前記式(1)〔化4〕
で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミ
ドと後述する式(2)〔化5〕で表される繰り返し構造
単位を有する熱可塑性ポリエーテルエーテルケトンとの
混合物から得られた未延伸成形体をフェノール9容量部
とp−クロロフェノール1容量部との混合溶媒に溶解し
た溶液(濃度0.5g/dl)の対数粘度が30℃にお
いて0.53〜0.80dl/gの範囲にあることが好
ましい。対数粘度は下記方法により測定する。
【0018】30℃の恒温槽内に設置したウベローデ式
粘度計を用いて上記溶媒と溶液の粘度をそれぞれ測定
し、下記数式(1)〔数1〕
【0019】
【数1】 (式中、tは溶液の落下時間(sec)、t0は溶媒の
落下時間(sec)、Cは溶液濃度(g/dl)を示
す〕により算出する。)上記粘度範囲の未延伸成形体を
得るために、前記式(1)〔化4〕で表される繰り返し
構造単位を有する熱可塑性ポリイミドに関しては、上記
ピロメリット酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水
物の全量と上記4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニルを含む芳香族ジアミンの全量とをモル比
0.93対1〜1対0.93の範囲にすることが好まし
く、さらに、両者の反応比に合わせてジカルボン酸無水
物あるいはモノアミンを添加して反応させることが好ま
しい。
【0020】具体的には、ピロメリット酸二無水物を含
むテトラカルボン酸二無水物の全モル数が4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミン
の全モル数より多い場合は、下記数式(2)〔数2〕
【0021】
【数2】 (式中、Aはピロメリット酸二無水物を含むテトラカル
ボン酸二無水物の全モル数、Bは4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミンの全モル
数、Cはモノアミンのモル数を示し、A≧Bである)に
より算出した範囲の量のモノアミンを添加することが好
ましい。
【0022】また、ピロメリット酸二無水物を含むテト
ラカルボン酸二無水物の全モル数が4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミンの全モ
ル数より少ない場合は、下記数式(3)〔数3〕
【0023】
【数3】 (式中、Aはピロメリット酸二無水物を含むテトラカル
ボン酸二無水物の全モル数、Bは4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニルを含むジアミンの全モル
数、Dはジカルボン酸無水物のモル数を示し、B≧Aで
ある)により算出した範囲の量のジカルボン酸無水物を
添加することが好ましい。
【0024】本発明に好ましく用いられるジカルボン酸
無水物として、例えば無水フタル酸、2,3−ベンゾフ
ェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジ
カルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェ
ニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフ
ェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン
酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、
2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水
物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無
水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィ
ド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスル
フィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−
ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセン
ジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン
酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物な
どが挙げられる。
【0025】また、本発明に好ましく用いられるモノア
ミンとして、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシル
アミン、オクチルアミン、シクロペンチルアミン、シク
ロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、o−ト
ルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニ
シリジン、m−アニシリジン、p−アニシリジン、キシ
リジン、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン
などが挙げられる。
【0026】本発明で用いられるポリエーテルエーテル
ケトンは、分子内に式(2)〔化5〕
【0027】
【化5】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリエー
テルエーテルケトンである。
【0028】本発明において、これらのポリエーテルエ
ーテルケトンの内、成形性を考慮して、ASTM−D1
238に規定される方法に準じて、360℃、2.16
kg荷重条件下で測定したメルトフローインデックスが
1〜5g/10minの範囲の熱可塑性ポリエーテルエ
ーテルケトンが好ましく用いられる。かかる特性を有す
るポリエーテルエーテルケトンとして市販されている代
表的なものには、英国ICI社製、VICTREX−P
EEK−450P、VICTREX−PEEK−380
P、VICTREX−PEEK−150P等が挙げられ
る。
【0029】本発明のポリイミド系延伸成形体は、上記
ポリイミドと上記ポリエーテルエーテルケトンとを特定
の配合割合で混合して樹脂組成物となし、次いで未延伸
成形体に溶融成形し、得られた未延伸成形体を延伸する
ことにより製造される。ポリエーテルエーテケトンの配
合割合が増加すると、得られる延伸成形体の耐熱性が低
下し、逆に減少すると得られる延伸成形体の耐屈曲強度
が低下する。かかる観点から、本発明のポリイミド系延
伸成形体は、前記式(1)〔化4〕で表される繰り返し
構造単位を有するポリイミド50〜95重量%に対しポ
リエーテルエーテルケトン50〜5重量%の範囲で使用
される。
【0030】耐屈曲強度は、押出成形体の厚さまたは直
径が小さくなるに従って大きくなる傾向を示す。その傾
向を図示すると〔図1〕のようになる。〔図1〕は、押
出成形体の厚さまたは直径の逆数(1/mm)と耐屈曲
強度(回数)の関係を示す。図において曲線1は実施例
1で用いたポリイミドおよびポリエーテルエーテルケト
ンをそれぞれ75重量%と25重量%を混合物して得ら
れた延伸成形体の厚さまたは直径の逆数(1/mm)と
耐屈曲強度(回数)の関係を示す。曲線2は上記ポリイ
ミドのみから得られた延伸成形体の厚さまたは直径の逆
数(1/mm)と耐屈曲強度(回数)の関係を示す。
【0031】両樹脂の混合方法には特に制限はなく公知
の混合方法が適用される。例えば、リボンブレンダー、
フェンシェルミキサー、タンブラーミキサー等を用いて
室温またはその近傍の温度において混合する方法が挙げ
られる。両樹脂の混合性を考慮すると、両樹脂をそれぞ
れ粉体状で混合することが好ましい。
【0032】本発明のポリイミド系延伸成形体には、上
記熱可塑性ポリイミドとポリエーテルエーテルケトンの
他に、その他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、熱安定剤、
滑剤、紫外線吸収剤、有機および無機フィラー等、通常
熱可塑性樹脂の添加剤として用いられる他の添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲において添加してもよ
い。その他の熱可塑性樹脂を添加する場合は、上記熱可
塑性ポリイミドとポリエーテルエーテルケトンの総重量
に対し、5重量%未満であることが好ましい。
【0033】未延伸成形体の製造に際しては、粉体状で
混合された両樹脂をそのまま押出機等の成形機に供給し
てもよいし、また、予めペレット状に成形した後押出機
等の成形機に供給してもよい。しかし、両樹脂が均一に
混合し得ること、および押出量が安定する等の押出成形
性がよいこと等の点で、予めペレット状に成形すること
が好ましい。ペレット状に成形する方法として、先ず混
合した粉を、好ましくは、100〜250℃の範囲で乾
燥し、その水分含有率を200ppm未満とし、好まし
くは、窒素雰囲気下で押出機に供給し、350〜450
℃の温度で加熱溶融し、ストランドダイを通して押出
し、ダイから押出された溶融ストランドを冷却しながら
切断するか、あるいは、ダイから押出された溶融ストラ
ンドを冷却後カッターにより切断してペレットを製造す
る方法が挙げられる。
【0034】本発明のポリイミド系延伸成形体を製造す
るに際しては、先ず両樹脂の粉状混合物または混合ペレ
ットを好ましくは100〜250℃の範囲で乾燥し、そ
の水分含有率を200ppm未満とし、好ましくは窒素
雰囲気下で押出機に供給し、350〜450℃の温度で
混練、溶融し、ノズル、スリットダイ、サーキュラーダ
イ、マンドレル等より押出し、次いで、得られたポリイ
ミドのガラス転移温度以下、好ましくは150〜250
℃、さらに好ましくは200〜240℃の温度に急冷す
ることにより繊維、フィルム、シート、パイプ、棒など
のポリイミド系未延伸成形体とする。
【0035】本発明のポリイミド延伸成形体は、上記の
ようにして得られたポリイミド系未延伸成形体を200
〜320℃、好ましくは220〜290℃の温度範囲に
加熱して延伸する。延伸倍率は、特に制限はないが、得
られる成形体毎に示すと概ね次のような延伸倍率が好ま
しい。繊維の場合は1.5〜4倍、さらに好ましくは
1.5〜3倍、一軸延伸フィルムおよび一軸延伸シート
の場合1.5〜4倍、さらに好ましくは1.5〜3倍、
二軸延伸フィルムおよび二軸延伸シートの場合において
は長さ方向および幅方向にそれぞれ1.5〜3倍(さら
に好ましくは1.5〜2.7倍)、チューブの場合はそ
の直径を変化させない時は長さ方向に1.5〜4倍(好
ましくは1.5〜3倍)、直径を増加させて二軸延伸す
る時は長さ方向および幅方向にそれぞれ1.1〜3倍、
さらに好ましくは1.5〜2.5倍に延伸する。次い
で、250℃以上、両樹脂の融点未満の温度範囲、好ま
しくは260〜380℃の温度範囲で1秒〜1時間、緊
張下で熱処理することが好ましい。
【0036】上記のようにして得られたポリイミド系延
伸成形体は、優れた引張強度と耐屈曲強度を有する。具
体的には、延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であ
り、延伸方向の引張強度が15kg/mm2以上であ
る。このような特性を有する本発明のポリイミド系延伸
成形体は、繰り返し応力に耐え得る耐疲労強度を有する
延伸成形体である。
【0037】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明する。尚、実施例及び比較例で用いた各試験方法及
び各試料(ポリイミド粉、ポリエーテルエーテルケトン
粉)の種類を以下に示す。
【0038】〔試験方法〕 (1)均一延伸の評価 成形体がフィルム又はシートの場合 未延伸フィルム又は未延伸シートを1辺が90mmの正
方形に切り出し、面内に5mm間隔の格子線を縦横各々
17本記入した後、バッチ式延伸機で所定倍率に延伸す
る。延伸後の格子間の距離を、中央部分縦横各10本ず
つ測定して延伸倍率を求めた後、平均値と標準偏差とか
ら変動率(標準偏差÷平均値×100%)を求め、評価
する。 成形体が繊維の場合 延伸糸30サンプルについて、重量測定によりデニール
を測定し、平均デニールを求めた後、平均値と標準偏差
とから変動率を求め、評価する。
【0039】(2)加熱収縮率(%) JIS C−2318に規定される方法に準じ、280
℃において、2時間加熱したときの収縮率を測定する。
【0040】(3)引張試験(kg/mm2) 成形体がフィルム及びシートの場合 ASTM D−882に規定される方法に準じて、23
℃において試料のMD方向(成形法のフィルムの長さ方
向)、TD方向(フィルム面内のMDと直角方向)につ
いて各々引張試験を行い、引張強度を測定する。 成形体が繊維の場合 JIS L−1013に規定される方法に準じて、23
℃において引張試験を行い、引張強度を測定し、測定値
の単位を(g/デニール)から(kg/mm2)に換算
する。
【0041】(4)耐屈曲強度(単位;回) JIS P−8115に規定される方法に準じて23℃
にて、厚さまたは直径が25μmの試料について試料の
延伸方向(MD方向という)およびそれと直角をなす方
向(TD方向という)の耐屈曲強度を測定する。条件
は、速度;175回/min、折り曲げ装置先端の曲率
半径(R);0.1mm、引張荷重;1kgf。
【0042】〔試料〕 (1)ポリイミド粉A かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器にm−クレゾール20kg、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニル3684g(10.0モ
ル)を装入し、窒素雰囲気下にピロメリット酸二無水物
2056g(9.43モル)とm−クレゾール2kgの
スラリー状混合物を溶液の温度が60℃以上にならない
ように注意しながら分割して加え、その後更に、無水フ
タル酸185.8g(1.254モル)を加えて5時間
攪拌した。その後約3時間かけて140℃まで昇温し、
140℃で2時間攪拌したあと室温まで3時間かけて冷
却した。このスラリー状の液体を濾別し、メタノール2
0kg、続いてアセトン20kgで洗浄した後、窒素雰
囲気下に100℃で8時間、続いて300℃で4時間乾
燥して、5382g(収率97%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉Aの対数粘度は、0.430であ
った。
【0043】(2)ポリイミド粉B かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器にm−クレゾール10kg、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニル3684g(10.0モ
ル)を装入し、窒素雰囲気下にピロメリット酸二無水物
2074g(9.51モル)とm−クレゾール2kgの
スラリー状混合物を溶液の温度が60℃以上にならない
ように注意しながら分割して加え、その後更に、無水フ
タル酸159.6g(1.078モル)を加えて5時間
攪拌した。その後約3時間かけて140℃まで昇温し、
140℃で2時間攪拌したあと室温まで3時間かけて冷
却した。このスラリー状の液体を濾別し、メタノール2
0kg、続いてアセトン20kgで洗浄した後、窒素雰
囲気下に100℃で8時間、続いて300℃で4時間乾
燥して、5100g(収率92%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉Bの対数粘度は、0.491であ
った。
【0044】(3)ポリエーテルエーテルケトン粉(以
下、PEEKという) ICI社製、PEEK−450P
【0045】実施例1 ポリイミド粉A94重量部とPEEK粉が6重量部とを
混合した後、窒素気流下に180℃で20時間乾燥し、
25mmベント式押出機に供給し、405℃で溶融押出
し、直径3mmのノズルより押出し、冷却固化しストラ
ンドカッターにより切断し、直径約2mm、長さ約3m
mのペレットを得た(混合ペレットAとする)。この混
合ペレットAを窒素気流下に150℃で20時間乾燥し
(乾燥後の水分含有率は50ppmであった)25mm
押出機に供給し、410℃で加熱溶融し、幅150mm
のスリットダイ(隙間0.6mm)から押出し、220
℃のロール上に引取り、厚さ約180μmのポリイミド
系未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの対数粘度
は0.531であった。得られた未延伸ポリイミド系フ
ィルムをバッチ式延伸機を用いて、265℃でフィルム
の長さ方向(以下、MD方向という)に2.7倍延伸
し、続いてフィルムの幅方向(以下、TD方向という)
に2.7倍延伸した。さらに350℃で30分間加熱処
理して二軸延伸ポリイミド系フィルムを得た。得られた
二軸延伸ポリイミド系フィルムについて上記方法により
評価した。その結果、極めて均一に二軸延伸されてお
り、耐屈曲強度、引張物性に優れ、加熱収縮率が少なか
った。評価結果を〔表1〕に示す。
【0046】実施例2 ポリイミド粉A50重量部とPEEK粉50重量部とを
混合した後、窒素気流下に180℃で20時間乾燥し、
25mmベント式押出機に供給し、410℃で溶融押出
し、直径3mmのノズルより押出し、冷却固化しストラ
ンドカッターにより切断し、直径約2mm、長さ約3m
mのペレットを得た(混合ペレットBとする)。この混
合ペレットBを窒素気流下に150℃で20時間乾燥し
(乾燥後の水分含有率は50ppmであった)25mm
押出機に供給し、415℃で加熱溶融し、幅150mm
のスリットダイ(隙間0.6mm)から押出し、220
℃のロール上に引取り、厚さ約150μmのポリイミド
系未延伸フィルムを得た。得られたポリイミド系未延伸
フィルムの対数粘度は0.739であった。得られたポ
リイミド系未延伸フィルムをバッチ式延伸機を用いて2
65℃においてMD方向に2.5倍延伸し、続いてTD
方向に2.5倍延伸した。さらに350℃で30分間加
熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルムを得た。得ら
れたポリイミド系二軸延伸フィルムについて実施例1と
同様にして評価した。その結果、実施例1と同様、極め
て均一に二軸延伸されており、耐屈曲強度、引張物性に
優れ、加熱収縮率が少なかった。評価結果を〔表1〕に
示す。
【0047】実施例3 ポリイミド粉B90重量部とPEEK粉10重量部とを
混合した後、窒素気流下に180℃で20時間乾燥し、
25mmベント式押出機に供給し、410℃で溶融押出
し、直径3mmのノズルより押出し、冷却固化しストラ
ンドカッターにより切断し、直径約2mm、長さ約3m
mのペレットを得た(混合ペレットCとする)。この混
合ペレットCを窒素気流下に150℃で20時間乾燥し
(乾燥後の水分含有率は50ppmであった)25mm
押出機に供給し、415℃で加熱溶融し、幅150mm
のスリットダイ(隙間0.6mm)から押出し、220
℃のロール上に引取り、厚さ約150μmのポリイミド
系未延伸フィルムを得た。加工性に問題はなく、得られ
たフィルムの対数粘度は0.609であった。得られた
ポリイミド系未延伸フィルムをバッチ式延伸機を用い
て、265℃においてMD方向に2.5倍延伸し、続い
てTD方向に2.5倍延伸した。さらに350℃で30
分間加熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルムを得
た。得られたポリイミド系二軸延伸フィルムについて実
施例1と同様にして評価した。その結果、実施例1と同
様、極めて均一に二軸延伸されており、耐屈曲強度、引
張物性に優れ、加熱収縮率が少なかった。評価結果を
〔表1〕に示す。
【0048】比較例1 PEEK粉を混合しないでポリイミド粉Bを単独で用い
た以外、実施例2と同様にしてペレットを得た(ペレッ
トDとする)。このペレットDを420℃で溶融、押出
した以外、実施例2と同様にして対数粘度が0.573
である厚さ約230μmのポリイミド系未延伸フィルム
を得た。得られたポリイミド系未延伸フィルムを285
℃においてMD方向に3.0倍延伸し、続いてTD方向
に3.0倍延伸した。さらに350℃で30分間加熱処
理し、ポリイミド系二軸延伸フィルムを得た。得られた
ポリイミド系二軸延伸フィルムについて実施例1と同様
にして評価した。その結果、均一に延伸され加熱収縮率
が少なかったが、耐屈曲強度が著しく劣っていた。評価
結果を〔表1〕に示す。
【0049】比較例2 ポリイミド粉A97重量部とPEEK粉3重量部とを混
合した以外、実施例1と同様にして直径約2mm、長さ
約3mmのペレットを得た(混合ペレットEとする)。
この混合ペレットEを用いた以外、実施例1と同様にし
て対数粘度が0.515である厚さ約150μmのポリ
イミド系未延伸フィルムを得た。得られたポリイミド系
未延伸フィルムを265℃でMD方向に2.5倍延伸
し、続いてTD方向に2.5倍延伸し、さらに350℃
で30分間加熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルム
を得た。得られたポリイミド系二軸延伸フィルムについ
て実施例1と同様にして評価した。その結果、延伸倍率
にバラツキがあり均一な延伸がなされていなかった。そ
のため、耐屈曲強度、引張物性および加熱収縮率の測定
ができなかった。評価結果を〔表1〕に示す。
【0050】比較例3 ポリイミド粉A30重量部とPEEK粉70重量部とを
混合した以外、実施例1と同様にしてペレットを得た
(混合ペレットFとする)。この混合ペレットFを41
5℃で加熱溶融して押出した以外、実施例1と同様にし
て対数粘度が0.831である厚さ約150μmのポリ
イミド系未延伸フィルムを得た。得られたポリイミド系
未延伸フィルムを265℃でMD方向に2.5倍延伸
し、続いてTD方向に2.5倍延伸し、さらに350℃
で30分間加熱処理し、ポリイミド系二軸延伸フィルム
を得た。得られたポリイミド系二軸延伸フィルムについ
て実施例1と同様にして評価した。その結果、均一な延
伸ができたが、加熱収縮率が大きかった。評価結果を
〔表1〕に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例4 混合ペレットAを窒素気流下に180℃で8時間乾燥し
25mm押出機に供給し415℃で加熱溶融し、直径
0.3mmのノズルを有するダイスより押出し、310
m/minの引取速度で溶融紡糸を行ない、12デニー
ルの原糸を得た。この原糸の対数粘度は0.534dl
/gであった。この原糸を90cmに切り出し、30サ
ンプルを重量測定によりデニールを測定すると、その平
均値は12.3デニールであり、変動率は2.6%であ
った。この原糸を200℃に加熱した直径150mmの
2本のネルソンロールとその中間に265℃に加熱した
熱板を通して、2.0倍に延伸してポリイミド系延伸糸
を得た。得られた延伸糸の平均デニールは6.1デニー
ルであり、変動率は5.3%であり、均一に延伸されて
いることが認められた。また、耐屈曲強度、引張物性に
優れ、加熱収縮率が少なかった。評価結果を〔表2〕に
示す。
【0053】実施例5 混合ペレットBを窒素気流下に180℃で8時間乾燥し
25mm押出機に供給し415℃で加熱溶融し、直径
0.3mmのノズルを有するダイスより押出し、310
m/minの引取速度で溶融紡糸を行ない、12デニー
ルの原糸を得た。この原糸の対数粘度は0.740dl
/gであった。この原糸を90cmに切り出し、30サ
ンプルを重量測定によりデニールを測定すると、その平
均値は12.2デニールであり、変動率は2.4%であ
った。この原糸を実施例4と同様な方法で265℃で、
2.0倍に延伸したところ、得られた延伸糸1本当りの
平均デニールは6.2デニールであり、変動率は5.1
%であり、均一に延伸されていることが認められた。ま
た、耐屈曲強度、引張物性に優れ、加熱収縮率が少なか
った。評価結果を〔表2〕に示す。
【0054】比較例4 混合ペレットDを用いた以外、実施例4と同様にして、
対数粘度が0.573dl/gである12デニールの原
糸を得た。この原糸を90cmに切り出し、その30サ
ンプルを重量測定によりデニールを測定すると、その平
均値は12.2デニールであり、変動率は2.8%であ
った。この原糸を実施例4と同様にして280℃で2倍
に延伸したことろ、得られた延伸糸の平均デニールは
6.1デニール、変動率は6%であり、均一に延伸され
ていた。しかし、この延伸糸の耐屈曲強度は実施例4及
び5で得られた延伸糸に比べて著しく劣っていた。評価
結果を〔表2〕に示す。
【0055】比較例5 混合ペレットEを用いた以外、実施例4と同様にして対
数粘度が0.509dl/gである12デニールの原糸
を得た。この原糸を90cmに切り出し、30サンプル
を重量測定によりデニールを測定すると、その平均値は
12.1デニールであり変動率は9.0%であった。こ
の原糸を実施例4と同様な方法で265℃で2.0倍延
伸したところ、得られた延伸糸の平均デニールは6.3
デニールであり、変動率は22%であり、均一に延伸さ
れていないことを示した。延伸倍率にバラツキがあるた
め、耐屈曲強度、引張物性および加熱収縮率の測定が不
可能であった。評価結果を〔表2〕に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明のポリイミド系延伸成形体のは、
前記式(1)〔化4〕で表される繰り返し構造単位を有
する熱可塑性ポリイミドに対し、特定量のポリエーテル
エーテルケトンを混合した樹脂組成物を原料とする。そ
のため、該熱可塑性ポリイミドのみから得られた延伸成
形体に比べ、優れた耐屈曲強度を有し、加熱収縮率の少
ない延伸成形体である。その上、引張強度、耐熱性等の
機械的特性は、該熱可塑性ポリイミドのみから得られた
延伸成形体と略同様の特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は耐屈曲強度(回数)の厚さまたは直径(1/
mm)依存性を示す。
【符号の説明】 1 ポリイミド75重量%とポリエーテルエーテルケト
ン25重量%との混合物から得られた延伸成形体。 2 ポリイミドのみから得られた延伸成形体。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/74 A 7199−3B // B29K 79:00 (72)発明者 岡田 一成 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 勝山 仁之 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〔化1〕 【化1】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミ
    ド50〜95重量部およびポリエーテルエーテルケトン
    5〜50重量部を含有するポリイミド系延伸成形体であ
    って、延伸方向の耐屈曲強度が2000回以上であり、
    且つ引張強度が15kg/mm2以上であることを特徴
    とするポリイミド系延伸成形体。
  2. 【請求項2】 ポリエーテルエーテルケトンが分子内に
    式(2)〔化2〕 【化2】 で表される繰り返し構造単位を有することを特徴とする
    請求項1記載のポリイミド系延伸成形体。
  3. 【請求項3】 ポリイミド系延伸成形体が少なくとも一
    軸方向に1.5〜4倍に延伸されていることを特徴とす
    る請求項1記載のポリイミド系延伸成形体。
  4. 【請求項4】 ポリイミド系延伸成形体が、フィルムま
    たは糸であることを特徴とする請求項1記載のポリイミ
    ド成形体。
JP28294093A 1993-11-12 1993-11-12 ポリイミド系延伸成形体 Pending JPH07133429A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28294093A JPH07133429A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 ポリイミド系延伸成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28294093A JPH07133429A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 ポリイミド系延伸成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07133429A true JPH07133429A (ja) 1995-05-23

Family

ID=17659086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28294093A Pending JPH07133429A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 ポリイミド系延伸成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07133429A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100834801B1 (ko) * 2004-06-18 2008-06-05 제이에스알 가부시끼가이샤 수직 액정 배향제 및 수직 액정 표시 소자
CN102387894A (zh) * 2009-04-13 2012-03-21 株式会社有恒商会 工件夹具、刷子用毛材、刷子以及工件夹具和刷子用毛材的制造方法
WO2019220969A1 (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂成形体
JP2019218659A (ja) * 2018-06-20 2019-12-26 株式会社ダイセル 超耐熱性を有する繊維、及び布

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100834801B1 (ko) * 2004-06-18 2008-06-05 제이에스알 가부시끼가이샤 수직 액정 배향제 및 수직 액정 표시 소자
CN102387894A (zh) * 2009-04-13 2012-03-21 株式会社有恒商会 工件夹具、刷子用毛材、刷子以及工件夹具和刷子用毛材的制造方法
WO2019220969A1 (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂成形体
JPWO2019220969A1 (ja) * 2018-05-17 2021-06-10 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂成形体
JP2019218659A (ja) * 2018-06-20 2019-12-26 株式会社ダイセル 超耐熱性を有する繊維、及び布

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4816516A (en) Polyimide resin-fluoropolymer compositions
EP0313407B1 (en) Method for preparing polyimide and composite material thereof
JP6183985B1 (ja) ポリイミド繊維及びポリイミド繊維の製造方法
EP0368590B1 (en) Production process for polyimide fibers
KR910008340B1 (ko) 폴리이미드의 제조법 및 그것으로 이루어진 복합재료
EP3562860A1 (en) Linear and branched polyimide composition
WO1991004300A1 (en) Miscible blends of polybenzimidazoles and polyamide-imides having fluorine-containing linking groups
EP0385304A1 (en) Polyamide-imide polymers having fluorine-containing linking groups
EP0462282B1 (en) Polyimide molding
JPH07133429A (ja) ポリイミド系延伸成形体
US5087644A (en) Carbon-fiber-reinforced polyimide resin compositions
US4954611A (en) Shaped articles from polyamide-imide polymers having fluorine containing linking groups
JPH07178804A (ja) ポリイミド系延伸フィルムの製造方法
KR0152131B1 (ko) 내피로성이 우수한 폴리이미드수지조성물 및 그 사출성형체
JPH04328125A (ja) ポリイミド成形体
JPH05272063A (ja) 炭素繊維用表面改質剤
JPH0218419A (ja) 熱安定性の良好なポリイミドの製造方法
JP2748995B2 (ja) 溶融成形用ポリイミドおよびその製造方法ならびにその樹脂組成物
JP2999835B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物
JPH07145321A (ja) 易滑性ポリイミド系押出成形体
JPH07246652A (ja) ポリイミド延伸フィルムの製造方法
JPH01221430A (ja) 熱安定性の良好なポリイミドの製造方法
JPH04342763A (ja) 摺動材用ポリイミド系樹脂組成物
RU2755476C1 (ru) Кристаллизуемый плавкий полиэфиримидный композит
JPH03170548A (ja) ポリイミドフィルム及びその製造方法