JPH07133269A - 低塩素グリシジルエーテルの製造方法 - Google Patents

低塩素グリシジルエーテルの製造方法

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JPH07133269A
JPH07133269A JP30326693A JP30326693A JPH07133269A JP H07133269 A JPH07133269 A JP H07133269A JP 30326693 A JP30326693 A JP 30326693A JP 30326693 A JP30326693 A JP 30326693A JP H07133269 A JPH07133269 A JP H07133269A
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JP
Japan
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glycidyl ether
epichlorohydrin
alcohol
chlorine
alkali
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JP30326693A
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English (en)
Inventor
Takaaki Goto
崇明 後藤
Yuji Shigeta
祐二 繁田
Haruo Morita
治生 森田
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YOTSUKAICHI GOSEI KK
Original Assignee
YOTSUKAICHI GOSEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルコールにエピクロルヒドリンを反応させ
未反応アルコールを回収した後、得られたクロルヒドリ
ンエーテルをアルカリで反応させて低塩素のグリシジル
エーテルを製造する。 【構成】 アルコールにエピクロルヒドリンを反応させ
る際、触媒として活性白土を用い、未反応アルコールを
回収した後、得られたクロルヒドリンエーテルをアルカ
リで閉環反応させる。 【効果】 ジクロルプロパノールの副生がなく、アルカ
リによる閉環反応で有機塩素化合物の残存及び副生が殆
どなく、電子産業分野で使用できる極めて低塩素のグリ
シジルエーテルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低塩素グリシジルエーテ
ルの製造方法に関し、特に炭素数 1〜5 の飽和又は、不
飽和のアルコール類とエピクロルヒドリンとの反応によ
る低塩素グリシジルエーテルの製造方法に関するもので
ある。
【0002】本発明によって製造されたグリシジルエー
テルは残存エピクロルヒドリンが極めて微量であるた
め、全塩素が低く、電子産業等にも使用可能な高品質の
製品を提供することができる。
【0003】
【従来の技術】近来電子電子産業分野の発展は目覚し
く、そこで使用される物質は他の分野に比べ高品質が要
求される。特にNaや Kなどのアルカリ金属、ClやBrなど
のハロゲンの混入を嫌う。
【0004】従来グリシジルエーテルは蒸留品が多く、
アルカリ金属は蒸留に際してボトムに残るので製品への
混入のおそれはあまりなかった。一方ハロゲンは、原料
のエピクロルヒドリンや中間物のクロルヒドリンエーテ
ルとして混入してくるおそれがあるが、クロルヒドリン
エーテルは対応するグリシジルエーテルよりも沸点がか
なり高く、また、閉環反応により定量的にすべてグリシ
ジルエーテルになるので、製品への混入は非常に少な
い。しかしエピクロルヒドリンはグリシジルエーテルよ
り沸点が低いため、粗液中にエピクロルヒドリンが残存
した場合、蒸留によりエピクロルヒドリンとグリシジル
エーテルとは殆ど分離されるとはいえ、少量のエピクロ
ルヒドリンの混入は避けられない。
【0005】製品グリシジルエーテルへのエピクロルヒ
ドリンの混入は、一般の製品では大きな問題ではない
が、電子産業等、高品質が要求される分野では、エピク
ロルヒドリンに起因する全塩素が 10ppm存在するだけで
使用出来るがどうかが問題となる。結局、全塩素をかぎ
りなく 0に近い値にするには、蒸留前の粗液中のエピク
ロルヒドリン残存量を極力少なくすることが必要であ
る。
【0006】従来、グリシジルエーテルは大別して次の
2つの方法のいずれかによって製造されている。
【0007】(1)アルコール、エピクロルヒドリン及
びアルカリを第四級アンモニウム塩触媒の存在下に一段
で反応させることにより対応するグリシジルエーテルを
得る方法。
【0008】(2)アルコールに酸性触媒の存在下でエ
ピクロルヒドリンを反応させ、未反応アルコールを回収
した後、得られたクロルヒドリンエーテルをアルカリで
閉環反応させることにより対応するグリシジルエーテル
を得る方法。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら(1)の
方法ではアルコールに対して数倍モルのエピクロルヒド
リンが反応に必要であり収率が悪い。また、当然系内に
全塩素として分析されるエピクロルヒドリンが未反応と
して多く存在するため、脱エピクロルヒドリン又は蒸留
を行なってエピクロルヒドリンとグリシジルエーテルを
分離しても、なおグルシジルエーテル中にエピクロルヒ
ドリンは少量残存し、全塩素は高い値を示す。
【0010】また(2)の方法では、酸性触媒として硫
酸、四塩化スズ、三弗化硼素系化合物、三塩化鉄等が使
用される。これらのうちで一般的に使用される触媒は四
塩化スズと三弗化硼素系化合物である。四塩化スズ触媒
では触媒が反応系内の水分で分解され塩酸が発生し、エ
ピクロルヒドリンと反応してジクロルプロパノールが副
生し、閉環反応で再びエピクロルヒドリンとなるため、
前述と同様得られたグリシジルエーテル中の全塩素は高
い値を示す。
【0011】三弗化硼素系化合物触媒はエピクロルヒド
リンの残存及び副生がほとんどなく、得られたグリシジ
ルエーテル中の全塩素は低い値を示すが、用いる触媒の
金属及びガラスを腐食する作用が強いため、現行の工業
用反応器に使用できず反応装置の制約がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はグリシジルエー
テル中に含まれるエピクロルヒドリンを低減し、全塩素
がかなり低い値を示し、また現行の工業用反応器に使用
することができる製造方法を提供するものである。
【0013】すなわち、本発明は前記(2)方法におい
て触媒として活性白土を使用することを特徴とするグリ
シジルエーテルの製造方法である。
【0014】
【発明の具体的説明】
(アルコール)本発明において使用されるアルコール類
は炭素数が 1〜5 の飽和又は不飽和のアルコールで、例
えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n- ブ
チル、t-ブチル、アミル、アリルなどのアルコールなど
が挙げられる。炭素数が多くなると反応が遅くなり、収
率が低下する。
【0015】アルコールの使用量はエピクロルヒドリン
に対し 1〜10、好ましくは 2〜5 モル倍である。
【0016】(活性白土)本発明において使用される活
性白土は、白土又は酸性白土を酸処理によってその触媒
活性を高めたものであり、市販されているものを用いる
ことができる。その形状には制限はなく、通常の成形方
法によって特定の形状に成形したものでもよく、また粉
砕して粒径を小さくした形状のものでもよい。
【0017】活性白土の使用量はエピクロルヒドリンに
対し 0.1〜10重量%、好ましくは 0.5〜5 重量%であ
る。触媒量が 0.1重量%より少ない場合は反応が遅くな
り、熟成時間に時間を要する。また、触媒量が10重量%
を超える場合は経済的にメッリトがなく、反応を回分式
で行なった場合は大量の触媒を除去する事になるので製
造時間が長くなる。
【0018】(アルカリ)本発明において使用されるア
ルカリとしては水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウム等でアルカリ水溶液と
して用いる。アルカリ水溶液の濃度は 5〜50重量%、好
ましくは10〜30重量%である。水溶液として用いるアル
カリの使用量はエピクロルヒドリンに対し 1.0〜3.0 倍
モル、好ましくは 1.0〜2.0 倍モルである。
【0019】(反応方法)本発明の実施に当っては活性
白土の存在下にエピクロルヒドリンとアルコールとを反
応させた後、未反応アルコールを回収する第 1工程、及
び未反応アルコールを回収した後の反応液に上記アルカ
リを反応させる第 2工程により構成される。
【0020】第 1工程の反応温度は20〜150 ℃、好まし
くは60〜100 ℃で、反応温度が低すぎると主反応の進行
が遅く、高すぎると重合等の副反応が促進されるので好
ましくない。反応時間は触媒の量、反応温度に大きく影
響されるが、数十分〜数時間である。反応形式は回分式
又は連続式のいずれでも可能である。回分式の場合は反
応が終了すれば濾過などの適当な触媒除去を行なう。
【0021】未反応アルコールの回収は常圧又は減圧蒸
留によって行なわれる。
【0022】第 2工程の反応温度は 0〜100 ℃、好まし
くは20〜60℃で、反応温度が低すぎると主反応の進行が
遅く、高すぎると加水分解等の副反応が促進されるので
好ましくない。反応時間は通常数十分〜数時間である。
反応終了後静置して有機層と水層に分け、分離した有機
層を蒸留することで製品のグリシジルエーテルを得る。
要求される製品の純度によっては分離した有機層を蒸留
せずに製品とすることもできる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0024】以下の実施例等において全塩素の測定は以
下の方法によった。 (1) フラスコに試料20g を精秤する。 (2) 25%ナトリウムメチラート1 mlを加え、60℃のバス
に15分間放置する。 (3) 冷却後イソプロパノール70mlを加える。 (4) 氷酢酸1 mlを加えて中和する。 (5) 自動電位差滴定装置を使用し、N/400 硝酸銀水溶液
により塩素量を測定する。 (6) 同時にブランク測定も行なう。
【0025】実施例1 アリルアルコール174.2g(3.0 モル)に活性白土(水澤
化学製)0.9gを加えた液中に、エピクロルヒドリン92.5
g(1.0 モル)を液温30℃で滴下を開始した。反応熱によ
り液温が昇温し、90℃で滴下を終了した。さらに90℃で
1時間反応させた後、蒸留により未反応アリルアルコー
ルを留去した。
【0026】次いで20重量%水酸化ナトリウム水溶液22
0g(1.1 モル)を添加し、35±5 ℃で30分間反応を行な
った。静置により上層と下層を分離し、分離された上層
の有機層はアリルグリシジルエーテルの純度が約88%
で、その全塩素は約 1%であったが、エピクロルヒドリ
ンの残存量は200ppmに過ぎなかった。
【0027】得られた有機層を減圧蒸留して製品アリル
グリシジルエーテル 93.5gを得た。収率は原料のエピク
ロルヒドリンに対し82%であった。製品アリルグリシジ
ルエーテルの純度は99.9%(水分:90ppm )で、全塩素
は2ppm以下であった。
【0028】比較例1 触媒として四塩化スズ1.3g(0.005 モル)を用いたほか
は実施例1と同様にして行なった。反応後の分離された
上層のエピクロルヒドリン残存量は7000ppm で、減圧蒸
留して得られた製品アリルグリシジルエーテルは 92.5
g、収率は81%で、その純度は99.9%であったが、なお3
31ppmのエピクロルヒドリンが残存しており、アリルグ
リシジルエーテル中の全塩素は127ppmであった。
【0029】実施例2 n-ブチルアルコール296.5g(4.0 モル)と活性白土0.9g
の混合液中にエピクロルヒドリン92.5g(1.0 モル)を滴
下し、液温が30℃から反応熱により昇温して90℃で滴下
を終了した。90℃で 1時間反応させた後、蒸留により未
反応n-ブチルアルコールを留去した。
【0030】次いで20重量%水酸化ナトリウム水溶液24
0g(1.2 モル)を添加し、35±5 ℃で30分間反応を行な
った。静置により上層と下層を分離し、分離された上層
を減圧蒸留してn-ブチルグリシジルエーテル113.3gを得
た。収率は87%で、n-ブチルグリシジルエーテル中の全
塩素は2ppm以下であった。
【0031】比較例2 触媒として四塩化スズ1.3g(0.005 モル)を用いたほか
は実施例2と同様に行なった。その結果n-ブチルグリシ
ジルエーテル112.5gを得た。収率は86%であったが、n-
ブチルグリシジルエーテル中の全塩素は107ppmであっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明は、アルコールにエピクロルヒド
リンを反応させる際、触媒に活性白土を用いることによ
りジクロルプロパノールの副生がなく、また、未反応ア
ルコールを回収して得られたクロルヒドリンエーテルを
アルカリで閉環反応させてもエピクロルヒドリンの残存
及び副生がほとんどないため極めて低塩素のグリシジル
エーテルが製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数 1〜5 の飽和又は不飽和のアルコ
    ールとエピクロルヒドリンを活性白土存在下に反応さ
    せ、未反応アルコールを回収した後、得られたクロルヒ
    ドリンエーテルをアルカリで閉環反応させることを特徴
    とする低塩素グリシジルエーテルの製造方法。
JP30326693A 1993-11-10 1993-11-10 低塩素グリシジルエーテルの製造方法 Pending JPH07133269A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003002880A (ja) * 2001-04-19 2003-01-08 Yokkaichi Chem Co Ltd 多価アルコールポリグリシジルエーテルの製造方法
CN100422165C (zh) * 2006-09-26 2008-10-01 南京林业大学 烯丙基缩水甘油醚的合成方法
JP2009203425A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Sanyo Chem Ind Ltd グリシジルエーテルの製造方法

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