JPH07132049A - 牛乳ホエ−中のシアル酸結合ペプタイドの分 離法 - Google Patents

牛乳ホエ−中のシアル酸結合ペプタイドの分 離法

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JPH07132049A
JPH07132049A JP4324701A JP32470192A JPH07132049A JP H07132049 A JPH07132049 A JP H07132049A JP 4324701 A JP4324701 A JP 4324701A JP 32470192 A JP32470192 A JP 32470192A JP H07132049 A JPH07132049 A JP H07132049A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 牛乳ホエーをpH4〜6に調整して、親水性
の樹脂母体に弱塩基性交換基を導入した陰イオン交換体
に接触させ、アルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩
の溶液を通液することにより、牛乳ホエー中からシアル
酸結合ペプタイドを分離する。 【効果】 非常に効率的に分離が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良ホエーの製造法に関
するものである。更に詳細には、本発明は牛乳ホエーか
らシアル酸結合ペプタイドを分離剤を用いて吸着分離す
る方法に関するものである。更に詳細には、牛乳ホエー
中のシアル酸結合ペプタイドを、親水性の樹脂母体に弱
塩基性交換基を導入した陰イオン交換体に吸着させ、ア
ルカリや塩類で溶離させる方法に関するものである。
【0002】本発明によれば、各種のすぐれた生理作用
を有するシアル酸結合ペプタイドを効率的に分離採取す
ることができるので、本発明は、機能性食品、特定保健
用食品、健康食品、栄養食品、その他各種飲食品の技術
分野のほか、医薬品や化粧品の技術分野でも重要な役割
を果すものである。
【0003】
【従来の技術】一般にチーズ製造において生成する牛乳
ホエーは、牛乳中の脂肪とカゼインを除く大部分の本来
の水溶性成分を含有している。牛乳ホエーに大量に含ま
れる乳糖は、牛乳ホエーから容易に結晶化され、分離さ
れて食用や薬用に利用されてきた。
【0004】しかしながら乳糖を分離した後の牛乳ホエ
ーは多くの場合そのままの状態で、すなわち低乳糖ホエ
ー、又はこれを各種の脱塩処理した脱塩低乳糖ホエーあ
るいは限外濾過処理(UF)したホエーたんぱく質濃縮
物の状態で、食品素材として利用されている程度であ
る。そしてホエー中のたんぱく質やペプタイドを個々の
成分に分別して利用することは、現在まで特別な例、た
とえばラクトフェリンを牛乳から選択的に分離すること
などを除いて、商業規模ではほとんど実用化されておら
ず、牛乳ホエーに含有されている各種たんぱく質やペプ
タイドの特徴を生かした高度の有効利用はなされていな
いのが現状である。
【0005】牛乳ホエーには、赤血球の代謝、脳の重要
な機能を担うガングリオシドの構成、ある種の病原菌毒
素の受容等に関与するといわれる(小倉治夫,化学と生
物,29(4),248−251,1991)シアル酸
が含有されており、その多くはたんぱく質やペプタイド
に結合した形で存在している。一例を挙げればκ−カゼ
インやそのレンネット分解物であるグリコマクロペプタ
イド(GMP)、プロテオース・ペプトン(PP)等で
ある。遊離のシアル酸は、水処理等に用いられている合
成高分子系強塩基性陰イオン交換体に吸着し、容易に溶
離回収できるが(阿南巧一他、基礎生化学実験法5巻,
p157,丸善(株),1976)たんぱく質やペプタ
イドに結合したものは吸着しにくいことが確認されてい
る。
【0006】従来、ホエーからシアル酸結合ペプタイド
を分離する試みが多くなされているが、それらの公知技
術及びその問題点を列挙する。
【0007】(1)UFを用いる方法 1)ジャン−マリ・ウスタシュ、公告特許公報 昭58
−23400 分画分子量10,000〜50,000のUFでホエー
を処理し、濃縮液側にシアル酸結合たんぱく質を、透過
液側に同低分子物質を分離するものであるが、濃縮液側
には脂肪やシアル酸を含有していないたんぱく質が、透
過液側には乳糖やミネラルが大量に含まれるため、シア
ル酸の純度に問題がある。シアル酸結合ペプタイドの純
度を上げるには、煩雑な後工程が必要である。
【0008】2)谷本守正ら、公開特許公報 平2−2
76542 GMPが低pHで分画分子量10,000〜50,00
0のUF膜を透過しやすくなる性質を利用したものであ
るが、ホエーたんぱく質の一部がGMPと挙動を共にす
るため、得られる製品のGMP純度、すなわちシアル酸
含量には限界がある。
【0009】(2)クロマトグラフィーを用いる方法 以下にいくつかのシアル酸結合ペプタイド(GMP及び
PP)のクロマトグラフィーによる分離例を示す。これ
らは、主として実験室規模での実験、分析手法であり、
コストや安全性の観点から工業化には無理がある。ま
た、種々の緩衝液を使用しており、簡便な操作とは言え
ない。
【0010】1)桑田ら、日本農芸化学会誌,43
(3),183−188,1969 弱塩基性陰イオン交換体(DEAE−Cellulos
e:Whatman社)カラムを用いてGMPを分離し
ているが、溶媒にピリジンを使用しているため食品とし
ては安全性に問題がある。また、実験室規模での分離を
前提としており、前処理にゲル濾過カラムやトリクロル
酢酸(TCA)処理を行っている。
【0011】2)C.V.Morrら,J.Food
Sci.,53(1),80−87,1988 ゲル濾過、弱塩基性陰イオン交換(DEAE−Seph
adex:Pharmacia LKB社)、アフィニ
ティクロマトグラフィーを組み合わせることにより、G
MPを分離しているが操作が煩雑である。陰イオン交換
時にトリス−塩酸−イミダゾール緩衝液を使用してお
り、食品としては安全性に問題がある。
【0012】3)Kannoら,Jpn.J.Zoot
ech.Sci.,52(4),282−296,19
81 ゲル濾過と弱塩基性陰イオン交換(DEAE−Cell
ulose DE52:Whatman社)を併用し、
PPを分離している。ゲル濾過にトリス−塩酸緩衝液、
弱塩基性陰イオン交換にトリス−リン酸緩衝液を使用し
ており、食品としては安全性に問題がある。また、前処
理に硫酸アンモニウム分画を行っており、それを除去す
るのに手間がかかる。
【0013】4)S.W.Leeら,Agric.Bi
ol.Chem.,51(6),1535−1540,
1987 カルボキシメチル(CM)基を導入した弱酸性陽イオン
交換体(CM−Sephadex C−25:Phar
macia LKB社)カラムを用い、GMPを分離し
ている。展開溶媒にイミダゾール−塩酸緩衝液を使用し
ているため、食品としては安全性に問題がある。
【0014】5)C.Oliemanら,Neth.M
ilk Dairy J.,37,27−36,198
3 ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーを用いてGMPを
分離している。GMPの検出を目的としている。前処理
として、試料にTCAを添加しているため、食品として
は安全性に問題が残る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
技術の現状に鑑みてなされたものであって、牛乳ホエー
中からシアル酸結合ペプタイドを効率的に、簡便に分離
するシステムを新たに開発するためになされたものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため各方面から検討した結果完成されたものであ
って、その基本的技術思想は、牛乳ホエーをpH4−6
に調整した後、親水性の樹脂母体に弱塩基性の交換基を
導入した陰イオン交換体に接触させた後、該イオン交換
体にアルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩の溶液を
通液すること、を特徴とする牛乳ホエー中のシアル酸結
合ペプタイドの分離方法である。
【0017】また、本発明における牛乳ホエーとして
は、チーズホエー、レンネットホエー、それらを電気透
析等で脱塩したもの、UF等で濃縮したWPC、あるい
は加熱処理等を行って得られる除たんぱく質ホエーやW
PC、又はそれらの乾燥物を水で還元したものから選ば
れた1種以上が用いられる。
【0018】また、本発明においては、親水性の樹脂母
体に弱塩基性交換基を導入した陰イオン交換体にシアル
酸結合ペプタイドを吸着せしめ、吸着したシアル酸結合
ペプタイドはアルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩
の溶液で溶離せしめることにより、牛乳ホエー中のシア
ル酸結合ペプタイドを分離するものである。
【0019】本発明においては、各種牛乳ホエーをpH
4−6に調整した後、親水性の樹脂母体に弱塩基性交換
基を導入した陰イオン交換体に接触させてシアル酸結合
ペプタイドのみを陰イオン交換体に吸着させ、該イオン
交換体にアルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩の溶
液を通液し、シアル酸結合ペプタイドを分離するもので
ある。
【0020】牛乳ホエーをあらかじめpH4−6に調整
しておくことは、親水性の樹脂母体に弱塩基性交換基を
導入した陰イオン交換体へのシアル酸結合ペプタイドの
吸着にとってきわめて重要であって、この条件からはず
れるとシアル酸結合ペプタイドの吸着率が低下し、本発
明の目的が達成されないことになる。本発明で使用する
親水性の樹脂母体に弱塩基性交換基を導入した陰イオン
交換体は、アガロース、デキストラン、セルロース、キ
トサン等の天然高分子多糖類、水酸基等の親水性官能基
を多数有する合成ポリビニル等を母体とする担体に、ジ
エチルアミノエチル(DEAE)基、アミノ基等の弱塩
基性の陰イオン交換基を導入したものであり、一般に市
販されているので、市販品を使用すればよい。4級アミ
ンや4級アミノエチル基といった強塩基性の交換基を導
入した強塩基性陰イオン交換体でも、シアル酸結合ペプ
タイドは吸着するが、吸着率が劣るため交換基は弱塩基
性のものが望ましい。
【0021】本発明において、親水性の樹脂母体に弱塩
基性交換基を導入した陰イオン交換体を使用するに際し
ては、通常のイオン交換樹脂と同様にカラム式、バッチ
式での処理が可能である。作業効率を考えた場合、操作
は断続的なものより連続的なものがよい。また、吸着率
を上げるには試料をあらかじめ脱塩し、シアル酸結合ペ
プタイドの陰イオン交換体への吸着に対して競合的に作
用する塩類を除くことが好ましい。
【0022】バッチ式の場合は、親水性の樹脂母体に弱
塩基性交換基を導入した陰イオン交換体と牛乳ホエーを
混合し、pHを所定の値に調節するだけでシアル酸結合
ペプタイドが吸着される。ただし、ホエーたんぱく質、
例えばβ−ラクトグロブリンやα−ラクトアルブミンが
共存する場合は、その1部も同時に吸着するので、シア
ル酸純度を高めるにはカラム式での処理が望ましい。
【0023】カラム式の場合、親水性の樹脂母体に弱塩
基性交換基を導入した陰イオン交換体を充填したカラム
に、pH4−6に調整した牛乳ホエーを通液するだけで
シアル酸結合ペプタイドのみが吸着され、共存するホエ
ーたんぱく質はほとんど吸着されない。吸着されたシア
ル酸結合ペプタイドはカラムに苛性ソーダ、苛性カリ等
のアルカリ液、又は塩化ナトリウム等の塩溶液を流すこ
とによって溶離させ、カラムを洗浄し、再び牛乳ホエー
の処理に使用できるものである。特に、アルカリ液をシ
アル酸結合ペプタイドの溶離に使用した場合は、イオン
交換体の再生の手間が省略できる。
【0024】次に本発明の試験例及び実施例を示す。な
お、シアル酸の定量は、チオバルビツール酸を用いる比
色法(阿南巧一他、基礎生化学実験法5巻,p157,
丸善(株),1976)で行った。
【0025】
【試験例1(分離剤のスクリーニング)】分離剤10m
lに対して12%(w/w)濃度で還元したEDWP
(ゴーダチーズホエーを電気透析脱塩し乾燥した物)を
50ml混合し、所定のpHで20分間攪拌保持した
後、濾紙で反応液と分離剤を分離し、濾液をシアル酸結
合ペプタイドの1つであるGMPの定量に供した。
【0026】(濾液中のGMP濃度/反応前のGMP濃
度)を指標に、各種分離剤のGMP吸着量を比較したと
ころ、表1〜表4の結果が得られた。表には示さなかっ
たが、カルボキシメチル基やスルホプロピル基等を交換
基とする陽イオン交換体には、いずれのpHにおいても
GMPはほとんど吸着されなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】上記結果から明らかなように、GMP吸着
量の大きい分離剤としてDEAE基を交換基とするDE
AE−Sephadex A25、DEAE−Seph
acel、DEAE−Cellulofine A20
0、同A500、DEAE−Toyopearl 65
0s、アミノ基を交換基とするChitopearlE
P−03、同EP−05等が挙げられた。これらはいず
れもデキストラン、セルロース、キトサンといった親水
性天然高分子多糖類や、水酸基を有する親水性ポリビニ
ルを母体とする弱塩基性陰イオン交換体であり、親水性
の母体に4級アンモニウム基を導入した強塩基性陰イオ
ン交換体よりGMP吸着量は全体的に大きい傾向が認め
られた。
【0032】上述した分離剤をカラムに充填後、水及び
EDWP還元液を通液し、カラム内圧力損失、流速の変
化を調ベたところ、バッチ式反応での分離剤と反応液の
分離性(濾過性)や、カラムの大型化に伴うカラム内圧
力損失の上昇、分離剤層の圧密化等の観点から、操作性
に優れる分離剤としてDEAE−Chitopearl
EP−03、同EP−05、DEAE−Sephad
ex A25が挙げられた。
【0033】
【試験例2(試料の脱塩の影響)】試験例1に示した方
法で、GMP吸着量に及ぼす脱塩の影響を調べた。試料
はEDWP還元液と電気透析処理を行っていないホエー
粉(WP)還元液とした。EDWP、及びWPの組成を
表5に示した。DEAE−CellulofineA2
00、DEAE−Sephadex A25、及びCh
itopearlEP−03を使用した場合のGMP分
離例を図1に示した。非吸着液中のGMP濃度は、ED
WP還元液の場合よりWP還元液のほうが大きく、脱塩
によりGMP吸着量が増大することが示された。
【0034】
【表5】
【0035】
【試験例3(試料の濃度の影響:カラム処理)】GMP
含量の異なる2種ホエー素材の還元液を、分離剤150
ml充填したカラムに通液し、処理の比較を行った。E
DWP、及びWPCの相対GMP含量を表6に示した。
DEAE−Sephadex A25を用いた場合のG
MP分離例を表7に示した。試料の濃度(A)、処理量
(B)、及び還元前の粉体試料中の相対GMP含有量
(C)を乗じ、EDWPとWPCの場合のそれぞれのG
MP吸着量を比較したところ、GMP吸着量はWPC還
元液の方が大きかった。このことは、試料中の灰分濃度
が低ければ、GMP濃度が高くても分離剤に対するGM
Pの絶対吸着量は低下しないことを意味している。カラ
ム処理時間の短縮の観点から、試料はEDWPよりWP
Cの方が好ましいことが確認された。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】DEAE−Sephadex A25、及
びChitopearl EP−05を充填したカラム
を用い、WPC溶液からGMPを分離した例を図2、3
にそれぞれ示した。その結果、β−ラクトグロブリンや
α−ラクトアルブミンはほとんど吸着されないことが確
認された。
【0039】
【試験例4(溶離条件)】分離剤50mlを充填したカ
ラムにWPC溶液を十分量通液し、GMPが吸着飽和に
達した時点で分離剤を水洗した後、分離剤を4mlずつ
分取し、種々濃度の塩化ナトリウム(NaCl)、又は
苛性ソ−ダ(NaOH)溶液の16mlを混合してGM
Pのバッチ溶離を試みた。0.5M 塩化ナトリウム
(pH6)のGMP溶離力を1.00としたときの各種
実験条件下での相対GMP溶離力を表8に示した。GM
Pは塩酸や希苛性ソ−ダでpHをそれぞれ3又は9程度
とすることにより一部溶離されることが予備実験で確認
されているが、溶離力は十分ではなかった。0.5M程
度の塩化ナトリウムや0.1N程度の苛性ソ−ダを用い
ることにより、GMPの溶離率は大幅に上昇することが
表8から知ることができる。GMPを効率的に回収する
には、高濃度の苛性ソ−ダを使用すればよいが、GMP
の安定性、分離剤の耐薬品性等を考慮すると、溶離は
0.1N程度の苛性ソ−ダを用いるのがよいと考えられ
る。
【0040】
【表8】
【0041】
【実施例】内径50mm、高さ200mmのアクリル樹
脂製カラムにChitopearl EP−05を15
0ml充填し、金網積層型フィルターを介して5段積層
した多段カラムを作製した(総分離剤量750ml)。
WPC5%(w/w)溶液のpHを4.4とし、60℃
で60分間加熱後、3,000Gで遠心分離してWPC
中の脂肪、凝集した変性たんぱく質を除き、上清のpH
を5.5に調節して上記カラムに通液した(2000〜
2500ml/h)。WPC液22.5lを通液後、脱
塩水でカラムを洗浄し、0.1N 苛性ソ−ダを延ベ
4.5l循環して吸着物を溶離させた。更にカラム内液
を脱塩水で押し出し、溶離液を回収した。溶離液は中和
後分画分子量10,000のUF膜で8倍に濃縮し、電
気透析で脱塩後凍結乾燥した。得られた粉体の収率、シ
アル酸含量はそれぞれ8.3、7.19%であり、回収
されたシアル酸結合ペプタイドはほとんどがGMPとP
Pであった。
【0042】
【発明の効果】本発明によってはじめて、シアル酸結合
ペプタイドを工業的に分離することが可能となり、生理
的機能にすぐれたシアル酸結合ペプタイド、ひいてはシ
アル酸の効率的製造がはじめて可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】GMPの吸着性に及ぼすpH及び脱塩の影響を
図示したグラフである。
【図2】DEAE−Sephadex A25によるG
MPの分離例を示す。
【図3】Chitopearl EP−05によるGM
Pの分離例を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月22日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【従来の技術】一般にチーズ製造において生成する牛乳
ホエーは、牛乳中の脂肪とカゼインを除く大部分の有効
水溶性成分を含有している。牛乳ホエーに大量に含まれ
る乳糖は、牛乳ホエーから容易に結晶化され、分離され
て食用や薬用に利用されてきた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表4】分離剤のスクリーニング(4) 注)各メーカーの分離剤毎に試験を実施した。試験試料
としたEDWPのロットが異なるため、原液のGMP濃
度は各実験で相違する。 注)交換基略号 DEAE:ジエチルアミノエチル; QA:4級アミン; QAE:4級アミノエチル; TA:3級アミン; PA :1,2級ポリアミン *1:100−(濾液中のGMP濃度/反応前試料中の
GMP濃度)×100 *2:弱塩基性陰イ オン交換基 *3:強弱塩基性陰イオン交換基
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【表7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/17 ADD (72)発明者 植田 智子 東京都東村山市栄町一丁目21番3号 明治 乳業株式会社中央研究所内 (72)発明者 池田 温美 東京都東村山市栄町一丁目21番3号 明治 乳業株式会社中央研究所内 (72)発明者 松下 武志 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 日 本錬水株式会社内 (72)発明者 菊池 隆 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 日 本錬水株式会社内 (72)発明者 栗原 一郎 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 日 本錬水株式会社内 (72)発明者 宇佐美 仁 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 日 本錬水株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアル酸結合ペプタイドを含有する牛乳
    ホエーをpH4〜6に調整して、該牛乳ホエーを親水性
    の樹脂母体に弱塩基性交換基を導入した陰イオン交換体
    に接触させた後、該陰イオン交換体にアルカリ金属塩、
    又はアルカリ土類金属塩の溶液を通液すること、を特徴
    とする牛乳ホエー中のシアル酸結合ペプタイドの分離
    法。
  2. 【請求項2】 牛乳ホエーが、レンネットホエー、それ
    らを電気透析等で脱塩したもの、限外濾過等で濃縮した
    ホエーたんぱく質濃縮物(WPC)、あるいは加熱処理
    等を行って得られる除たんぱく質ホエーやWPC、及び
    それらの乾燥物を水で還元したものから選ばれた1種以
    上である請求項1に記載の牛乳ホエー中のシアル酸結合
    ペプタイドの分離法。
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