JPH07131290A - 複合弾性表面波フィルタおよび複合弾性表面波フィルタを用いた移動体通信機 - Google Patents

複合弾性表面波フィルタおよび複合弾性表面波フィルタを用いた移動体通信機

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JPH07131290A
JPH07131290A JP27090293A JP27090293A JPH07131290A JP H07131290 A JPH07131290 A JP H07131290A JP 27090293 A JP27090293 A JP 27090293A JP 27090293 A JP27090293 A JP 27090293A JP H07131290 A JPH07131290 A JP H07131290A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】弾性表面波共振器を利用して通過帯域幅やノッ
チ周波数に制約がなく、かつ挿入損失も少なく、かつ通
過帯域外特性が良好な複合弾性表面波フィルタを提供す
る。 【構成】多電極型弾性表面波フィルタ10の入力端A側
と出力端B側とに、反共振周波数が多電極型弾性表面波
フィルタ10の通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周波
数に設定されている1端子対型弾性表面波共振器71a
と71bをそれぞれ各別に多電極型弾性表面波フィルタ
10と電気的に直列接続し、共振周波数が多電極型弾性
表面波フィルタ10の通過帯域低域側近傍の阻止帯域内
の周波数に設定されている1端子対型弾性表面波共振器
72aと72bをそれぞれ各別に多電極型弾性表面波フ
ィルタ10に電気的に並列接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波フィルタと
1端子型弾性表面波共振器とを接続した複合弾性表面波
フィルタに関し、特に、移動体通信機等のフィルタとし
て好適なRF帯低挿入損失の複合弾性表面波フィルタお
よび複合弾性表面波フィルタを用いた移動体通信機に関
する。
【0002】
【従来の技術】複数の異なる間引き電極を用いた従来の
多電極型弾性表面波フィルタは、例えば図9に示すよう
に構成されている。図9の例では、例えば36°Y−X
LiTaO3 の基板13上に複数の異なる間引き入力電
極11a、11b、11c、11d、11c、11b、
11aと夫々の間引き入力電極間の位置に各別に異なる
間引き出力電極12a、12b、12c、12b、12
aが形成され、入力電極11a、11b、11c、11
d、11c、11b、11aは電気的に並列接続のうえ
入力端Aに接続され、出力電極12a、12b、12
c、12b、12aは電気的に並列接続のうえ出力端B
に接続された多電極型弾性表面波フィルタ10を構成し
ている。
【0003】上記のように構成した従来の多電極型弾性
表面波フィルタ10の周波数振幅特性例(計算値)は図
10に示すごとくである。図10で示す周波数振幅特性
は多電極型弾性表面波フィルタ10に整合回路として並
列にインダクタンス素子を接続した場合を示し、本例で
は、通過帯域低域側近傍の阻止帯域での減衰量は約15
dBであり、通過帯域高域側近傍の阻止帯域での減衰量
は約25dBであって、この方式の多電極型弾性表面波
フィルタ10では通過帯域内での低挿入損失が得られる
が通過帯域外での減衰量は充分とはいえなかった。さら
に周波数振幅特性におけるカットオフ特性を急峻にする
ことが困難であった。
【0004】通過帯域外特性を改善するためには、弾性
表面波フィルタを電極に間引き重み付けをした多電極型
弾性表面波フィルタとする必要がある。しかし、間引き
重み付け電極で形成した多電極型弾性表面波フィルタに
よるときの周波数振幅特性のサイドローブは抑圧される
が、図10で示されるトラップ周波数帯域幅が広がって
しまう。
【0005】一方、セラミックフィルタなどでは、図1
1に示すように弾性表面波共振器51〜55をラダー型
に接続し、図12に示すような周波数振幅特性が得られ
る。同様に弾性表面波共振器を図11に示すようにラダ
ー型に接続してフィルタを構成することも可能である。
【0006】しかしながら、このような構成では、並列
に接続される弾性表面波共振器52、54のアドミッタ
ンスと直列に接続される弾性表面波共振器51、53、
55のインピーダンスの積が通過帯域外で1以上である
ことが要求される。このように直列に接続される弾性表
面波共振器51、53、55と並列に接続される弾性表
面波共振器52、54との間に特定の関係を持たさなけ
ればならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の多
電極型弾性表面波フィルタにおいてサイドローブを抑圧
するために電極に間引き重み付けするとトラップ周波数
帯域幅が広がり、周波数振幅特性におけるカットオフ特
性が劣化するという問題点が生ずる。
【0008】また、阻止帯域での減衰量を大きくするた
めに、従来は多電極型弾性表面波フィルタを縦続接続す
ることが行われてきた。この方法によれば、通過帯域外
減衰量を大きくすることが可能であるが、通過帯域の挿
入損失も大きくなるという問題点が生ずる。
【0009】また、ラダー型に接続して構成した弾性表
面波共振器により構成したフィルタの場合は、直列に接
続される弾性表面波共振器と並列に接続される弾性表面
波共振器との間に所定の関係を持たなければならず、こ
の結果、通過帯域から離れた阻止帯域の減衰量が小さい
という問題点がある他、通過帯域幅やノッチ周波数に制
約が生ずるという問題点があり、通過帯域外における大
きな減衰量を実現するためには挿入損失が大きくなるな
ど、挿入損失の悪化を犠牲にしなければならない。
【0010】本発明は、弾性表面波共振器を利用して通
過帯域幅やノッチ周波数に制約がなく、挿入損失も少な
く、かつ通過帯域外高域側および通過帯域外低域側の減
衰量を増加させて周波数振幅特性が良好な複合弾性表面
波フィルタおよび複合弾性表面波フィルタを用いた移動
体通信機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の複合弾性表面波
フィルタは、弾性表面波フィルタの入力端側と出力端側
の少なくとも一方に、少なくとも1個以上の第1弾性表
面波共振器を弾性表面波フィルタに電気的に並列接続
し、かつ少なくとも1個以上の第2弾性表面波共振器を
弾性表面波フィルタに電気的に直列接続したことを特徴
とする。
【0012】本発明の複合弾性表面波フィルタは、第1
弾性表面波共振器の共振周波数は弾性表面波フィルタの
通過帯域低域側近傍の阻止帯域内の周波数に設定され、
かつ第2弾性表面波共振器の反共振周波数は弾性表面波
フィルタの通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周波数に
設定されたことを特徴とする。
【0013】本発明の複合弾性表面波フィルタは、弾性
表面波フィルタは電気的に並列接続された複数の入力電
極と、入力電極間にそれぞれ各別に配設され、かつ電気
的に並列接続された複数の出力電極とを備えた多電極型
弾性表面波フィルタであることを特徴とする。
【0014】本発明の複合弾性表面波フィルタは、弾性
表面波フィルタは2端子対型弾性表面波共振器フィルタ
であることを特徴とする。
【0015】本発明の複合弾性表面波フィルタは、第1
および第2弾性表面波共振器は1端子対型弾性表面波共
振器であることを特徴とする。
【0016】本発明の複合弾性表面波フィルタは、第1
および第2弾性表面波共振器は弾性表面波フィルタと同
一基板上に構成したことを特徴とする。
【0017】本発明の移動体通信機は、本発明の複合弾
性表面波フィルタのいずれかを、アンテナ共用器および
/または段間フィルタに用いたことを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明の複合弾性表面波フィルタは、弾性表面
波フィルタの入力端側と出力端側の少なくとも一方に、
少なくとも1個以上の第1弾性表面波共振器を弾性表面
波フィルタに電気的に並列接続し、少なくとも1個以上
の第2弾性表面波共振器を弾性表面波フィルタに電気的
に直列接続したため、第1弾性表面波共振器の共振周波
数近傍における低インピーダンスによって、弾性表面波
フィルタの希望帯域の減衰量を大きくすることができ、
また、第2弾性表面波共振器の共振周波数近傍における
高インピーダンスによって、弾性表面波フィルタの希望
帯域の減衰量を大きくすることができ、かつ、これら第
1および第2弾性表面波共振器が弾性表面波フィルタの
整合回路の一部として動作することになり、良好な周波
数振幅特性が得られるとともに整合回路の簡略化が達成
される。
【0019】さらに、第1弾性表面波共振器の共振周波
数を弾性表面波フィルタの通過帯域低域側近傍の阻止帯
域内の周波数に設定し、かつ第2弾性表面波共振器の反
共振周波数を弾性表面波フィルタの通過帯域高域側近傍
の阻止帯域内の周波数に設定したときは、第1弾性表面
波共振器の共振周波数近傍における低インピーダンスに
よって、弾性表面波フィルタの通過帯域低域側のカット
オフ特性が急峻となり、さらに第2弾性表面波共振器の
共振周波数近傍における高インピーダンスによって、弾
性表面波フィルタの通過帯域高域側のカットオフ特性が
急峻になる。
【0020】また、弾性表面波フィルタが多電極型弾性
表面波フィルタの場合であっても、2端子対型弾性表面
波共振器フィルタであっても、同様に弾性表面波フィル
タの希望帯域の減衰量が増大させられて周波数振幅特性
が改善される。また、第1弾性表面波共振器の共振周波
数を弾性表面波フィルタの通過帯域低域側近傍の阻止帯
域内の周波数に設定し、かつ第2弾性表面波共振器の反
共振周波数を弾性表面波フィルタの通過帯域高域側近傍
の阻止帯域内の周波数に設定したときは、弾性表面波フ
ィルタの通過帯域低域側および通過帯域高域側のカット
オフ特性が急峻となって、弾性表面波フィルタの周波数
振幅特性が改善される。
【0021】また、第1および第2弾性表面波共振器が
1端子対型弾性表面波共振器の場合も、同様に弾性表面
波フィルタの希望帯域の減衰量が増大させられる。ま
た、第1弾性表面波共振器の共振周波数を弾性表面波フ
ィルタの通過帯域低域側近傍の阻止帯域内の周波数に設
定し、かつ第2弾性表面波共振器の反共振周波数を弾性
表面波フィルタの通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周
波数に設定したときは、通過帯域低域側および通過帯域
高域側のカットオフ特性が急峻となって、弾性表面波フ
ィルタの周波数振幅特性が改善される。
【0022】また、本発明の複合弾性表面波フィルタを
アンテナ共用器および/または段間フィルタに使用した
移動体通信機は、複合弾性表面波フィルタの周波数振幅
特性のカットオフ特性が急峻なために受信周波数と送信
周波数が接近していても受信信号が送信側に混入するこ
ともなく、送信信号が受信側に混入することが解消され
るとともに、不要帯域の周波数を効果的に減衰させるこ
とができる。さらに、複合弾性表面波フィルタが小型で
あるため、移動体通信機を小型化することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0024】図1は本発明の複合弾性表面波フィルタの
第1実施例の概略構成図である。
【0025】図1において符号20は、第1実施例の複
合弾性表面波フィルタである。第1実施例の複合弾性表
面波フィルタ20は、複数の異なる間引き入力電極11
a、11b、11c、11d、11c、11b、11a
と夫々の間引き入力電極11a乃至11d間の位置に各
別に異なる間引き出力電極12a、12b、12c、1
2b、12aが基板13上に形成され、入力電極11
a、11b、11c、11d、11c、11b、11a
は電気的に並列接続され、出力電極12a、12b、1
2c、12b、12aは電気的に並列接続された複数の
異なる間引き電極を用いた多電極型弾性表面波フィルタ
10と、さらに、多電極型弾性表面波フィルタ10の入
力端A側において多電極型弾性表面波フィルタ10に電
気的に直列接続された1端子対型弾性表面波共振器71
aと、多電極型弾性表面波フィルタ10の出力端B側に
おいて多電極型弾性表面波フィルタ10に電気的に直列
接続された1端子対型弾性表面波共振器71bと、多電
極型弾性表面波フィルタ10の入力端A側において多電
極型弾性表面波フィルタ10に電気的に並列接続された
1端子対型弾性表面波共振器72aと、多電極型弾性表
面波フィルタ10の出力端B側において多電極型弾性表
面波フィルタ10に電気的に並列接続された1端子対型
弾性表面波共振器72bとを備え、1端子対型弾性表面
波共振器71a、71b、72aおよび72bも多電極
型弾性表面波フィルタ10の入力電極および出力電極と
共に基板13上に形成してある。
【0026】ここで、複数の異なる間引き電極を用いた
多電極型弾性表面波フィルタ10は図9において示した
多電極型弾性表面波フィルタ10と同一である。1端子
対型弾性表面波共振器71a、71b、72a、72b
は同様の構成である。
【0027】1端子対型弾性表面波共振器71a、71
b、72a、72bは、その一つの1端子対型弾性表面
波共振器71aを例に構成を示せば図2に示す如くであ
る。1端子対型弾性表面波共振器71aは、基板13上
に電極指75aと電極指76aとからなる電極74によ
って構成されている。
【0028】1端子対型弾性表面波共振器71a、71
b、72a、72bのインピーダンスは、図3で示すよ
うな共振特性を示す。1端子対型弾性表面波共振器71
a、71b、72a、72bのインピーダンスは共振周
波数近傍では低く、反共振周波数近傍では高くなる。
【0029】1端子対型弾性表面波共振器71a、71
b、72a、72bのみを単独で使用してフィルタを構
成する場合には、1端子対型弾性表面波共振器71a、
71b、72a、72bの反共振周波数においては良好
な減衰量が得られるが、減衰帯域幅を広くすることが困
難である。
【0030】しかし、複合弾性表面波フィルタ20のよ
うに1端子対型弾性表面波共振器71aおよび71bを
多電極型弾性表面波フィルタ10の入力端A側および出
力端B側にそれぞれ各別に、多電極型弾性表面波フィル
タ10に電気的に直列接続すると、1端子対型弾性表面
波共振器71aおよび71bの反共振周波数近傍での高
インピーダンスのために反共振周波数近傍にて阻止域が
得られ、また1端子対型弾性表面波共振器71aおよび
71bの共振周波数近傍での低インピーダンスのために
挿入損失の増加を招くことはなく通過挿入損失はあまり
変化しない。
【0031】また、複合弾性表面波フィルタ20のよう
に1端子対型弾性表面波共振器72aおよび72bを多
電極型弾性表面波フィルタ10の入力端A側および出力
端B側にそれぞれ各別に、多電極型弾性表面波フィルタ
10に電気的に並列接続すると、1端子対型弾性表面波
共振器72aおよび72bの共振周波数近傍での低イン
ピーダンスのために共振周波数近傍にて阻止域が得ら
れ、また1端子対型弾性表面波共振器72aおよび72
bの反共振周波数近傍での高インピーダンスのために挿
入損失の増加を招くことはなく通過挿入損失はあまり変
化しない。
【0032】第1実施例では、1端子対型弾性表面波共
振器71aおよび71bの電極指ピッチを設定すること
によって、1端子対型弾性表面波共振器71aおよび7
1bの反共振周波数を多電極型弾性表面波フィルタ10
の通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周波数に設定し、
共振周波数を多電極型弾性表面波フィルタ10の通過帯
域内に入るように設定する。同様に1端子対型弾性表面
波共振器72aおよび72bの電極数および電極指ピッ
チを設定することによって、1端子対型弾性表面波共振
器72aおよび72bの共振周波数を多電極型弾性表面
波フィルタ10の通過帯域低域側近傍の阻止帯域内の周
波数に設定し、反共振周波数を多電極型弾性表面波フィ
ルタ10の通過帯域内に入るように設定する。
【0033】このように設定したことによって、1端子
対型弾性表面波共振器71aおよび71bの反共振周波
数近傍での高インピーダンスのために、1端子対型弾性
表面波共振器71aおよび71bの反共振周波数近傍に
て阻止域が得られて、多電極型弾性表面波フィルタ10
の通過帯域高域側において急峻な減衰特性が得られ、さ
らに、1端子対型弾性表面波共振器72aおよび72b
の共振周波数近傍での低インピーダンスのために、1端
子対型弾性表面波共振器72aおよび72bの共振周波
数近傍にて阻止域が得られて、多電極型弾性表面波フィ
ルタ10の通過帯域低域側において急峻な減衰特性が得
られる。
【0034】さらに、1端子対型弾性表面波共振器71
aおよび71bの共振周波数近傍での低インピーダンス
のために多電極型弾性表面波フィルタ10の通過帯域に
おける挿入損失の増加を招かず、かつ1端子対型弾性表
面波共振器72aおよび72bの反共振周波数近傍での
高インピーダンスのために多電極型弾性表面波フィルタ
10の通過帯域における挿入損失の増加を招かない。
【0035】この結果、多電極型弾性表面波フィルタ1
0の電極重み付けのために劣化した減衰特性が改善さ
れ、並列に整合回路としてインダクタンス素子を接続し
た場合における複合弾性表面波フィルタ20の周波数振
幅特性は図4に示すように、この複合弾性表面波フィル
タ20の通過帯域高域側近傍および通過帯域低域側近傍
の阻止帯域での減衰量は35dBであって、2個の1端
子対型弾性表面波共振器71a、71b、72aおよび
72bの接続によって通過帯域高域側近傍の阻止帯域で
の減衰量は約15dB改善され、通過帯域高域側近傍の
阻止帯域での減衰量は約20dB改善され、トラップ周
波数帯域幅も狭められて改善されて、多電極型弾性表面
波フィルタ10を縦続接続するような従来方法に比較し
て同等の減衰量を得ることができる。
【0036】なお、1端子対型弾性表面波共振器71
a、71b、72aおよび72bは共振周波数近傍以外
および反共振周波数近傍以外の周波数においては静電容
量素子として作用する。したがって、1端子対型弾性表
面波共振器72aおよび72bの静電容量によって、整
合回路として並列に接続するインダクタンス素子のイン
ダクタンスの値を小さくすることができる。この結果、
インダクタンス素子の形状も小さくなる。
【0037】さらにまた、多電極型弾性表面波フィルタ
10の電極数および電極指のピッチを設定して、整合回
路としてキャパシタンス素子を並列に接続する必要があ
るように多電極型弾性表面波フィルタ10を設計すれ
ば、1端子対型弾性表面波共振器72a、72bの静電
容量によって、整合回路として並列接続されるキャパシ
タンス素子の静電容量が小さくて済むことになる。さら
に、1端子対型弾性表面波共振器72a、72bのこの
静電容量を所定値に設定することにより、多電極型弾性
表面波フィルタ10に並列に別途接続する整合回路を不
要とすることもできる。また、直列に整合回路を接続す
る必要がある場合についても同様に1端子対型弾性表面
波共振器71aおよび71bの静電容量によって整合回
路の一部または全部を省略できることになる。
【0038】なお、上記した第1実施例において1端子
対型弾性表面波共振器71aおよび71bの反共振周波
数を同一に設定したときは、多電極型弾性表面波フィル
タ10の通過帯域高域側近傍の阻止帯域におけるノッチ
が深くなる。また、1端子対型弾性表面波共振器71a
および71bの電極指のピッチを変更することによって
反共振周波数を僅かにずらせて設定したときは、多電極
型弾性表面波フィルタ10の通過帯域高域側近傍の阻止
帯域において大きな減衰量が得られる周波数帯域幅が広
くなる。
【0039】また、上記した第1実施例において1端子
対型弾性表面波共振器72aおよび72bの共振周波数
を同一に設定したときは、多電極型弾性表面波フィルタ
10の通過帯域低域側近傍の阻止帯域におけるノッチが
深くなる。また、1端子対型弾性表面波共振器72aお
よび72bの電極指のピッチを変更することによって共
振周波数を僅かにずらせて設定したときは、多電極型弾
性表面波フィルタ10の通過帯域低域側近傍の阻止帯域
において大きな減衰量が得られる周波数帯域幅が広くな
る。
【0040】さらにまた、1端子対型弾性表面波共振器
71a、71b、72aおよび72bと多電極型弾性表
面波フィルタ10とが同一の基板13上に形成してある
ために、1端子対型弾性表面波共振器71a、71b、
72aおよび72bと多電極型弾性表面波フィルタ10
との接続線による浮遊容量が少なくて済む。また、1端
子対型弾性表面波共振器71a、71bの反共振周波数
と多電極型弾性表面波フィルタ10の通過帯域高域側に
おける急峻にしたいカットオフ周波数との相互関係は同
じであり、かつ1端子対型弾性表面波共振器72a、7
2bの共振周波数と多電極型弾性表面波フィルタ10の
通過帯域低域側における急峻にしたいカットオフ周波数
との相互関係は同じであって、1端子対型弾性表面波共
振器71a、71b、72a、72bの製造時における
周波数の偏差および温度特性は多電極型弾性表面波フィ
ルタ10のそれと同一となるため、複合弾性表面波フィ
ルタ20の製造時の周波数の偏差による前記カットオフ
周波数と、前記共振周波数、前記反共振周波数との間の
周波数のずれも少なくて済む。また、チップ面積も大型
化しないので、低価格化が実現される。
【0041】また、1端子対型弾性表面波共振器71a
と71bのいずれか一方を省略しても上記と同様の効果
が得られる。1端子対型弾性表面波共振器72aと72
bのいずれか一方を省略しても上記と同様の効果が得ら
れる。
【0042】また、図1において破線によって示したよ
うに、1端子対型弾性表面波共振器71a、71bのそ
れぞれに各別に電気的に直列に1端子対型弾性表面波共
振器71c、71dを接続してもよい。このようにし
て、1端子対型弾性表面波共振器71a、71b、71
c、71dの反共振周波数を同一にすれば、多電極型弾
性表面波フィルタ10の通過帯域高域側近傍の阻止帯域
におけるノッチがさらに深くなり、1端子対型弾性表面
波共振器71a、71b、71c、71dの反共振周波
数を僅かづつずらせば、多電極型弾性表面波フィルタ1
0の通過帯域高域側近傍の阻止帯域において大きな減衰
量が得られる周波数帯域幅がさらに広くなる。
【0043】さらにまた、図1において破線によって示
したように、1端子対型弾性表面波共振器72a、72
bのそれぞれに各別に電気的に並列に1端子対型弾性表
面波共振器72c、72dを接続してもよい。このよう
にして、1端子対型弾性表面波共振器72a、72b、
72c、72dの共振周波数を同一にすれば、多電極型
弾性表面波フィルタ10の通過帯域低域側近傍の阻止帯
域におけるノッチがさらに深くなり、1端子対型弾性表
面波共振器72a、72b、72c、72dの共振周波
数を僅かづつずらせば、多電極型弾性表面波フィルタ1
0の通過帯域低域側近傍の阻止帯域において大きな減衰
量が得られる周波数帯域幅がさらに広くなる。
【0044】なお、上記した第1実施例において、1端
子対型弾性表面波共振器72aは多電極型弾性表面波フ
ィルタ10の入力電極に並列に接続した場合を例示した
が、入力端子INに並列に接続しても良く、同様に1端
子対型弾性表面波共振器72bは多電極型弾性表面波フ
ィルタ10の出力電極に並列に接続した場合を例示した
が、出力端子OUTに並列に接続しても良く、このよう
にしても第1実施例の場合と同様の効果を得ることがで
きる。
【0045】次に本発明の複合弾性表面波フィルタの第
2実施例について説明する。
【0046】図5は本発明の複合弾性表面波フィルタの
第2実施例の概略構成図である。
【0047】図5において符号30は本発明の第2実施
例の複合弾性表面波フィルタである。複合弾性表面波フ
ィルタ30は、基板13上に形成された多電極型弾性表
面波フィルタ10と1端子対型弾性表面波共振器71
a、71b、72c、72eを備え、1端子対型弾性表
面波共振器71aは多電極型弾性表面波フィルタ10の
入力端A側において多電極型弾性表面波フィルタ10に
電気的に直列接続し、1端子対型弾性表面波共振器71
bは多電極型弾性表面波フィルタ10の出力端B側にお
いて多電極型弾性表面波フィルタ10に電気的に直列接
続し、1端子対型弾性表面波共振器72cは多電極型弾
性表面波フィルタ10の入力端A側において多電極型弾
性表面波フィルタ10に電気的に並列接続し、1端子対
型弾性表面波共振器72eは複合弾性表面波フィルタ3
0の入力端子INにおいて電気的に並列接続してある。
したがって、第2実施例においては、1端子対型弾性表
面波共振器71a、72c、72eはπ型接続されて、
入力端子INと多電極型弾性表面波フィルタ10の入力
端Aとの間に接続されている。ここで、1端子対型弾性
表面波共振器71b、72c、72eは図2に示す1端
子対型弾性表面波共振器71aと同様に構成されてい
る。
【0048】1端子対型弾性表面波共振器71a、71
b、72cおよび72eのインピーダンスは図3に示す
ごとく共振周波数近傍では低く、反共振周波数近傍では
高くなる。
【0049】1端子対型弾性表面波共振器71aおよび
71bの反共振周波数を多電極型弾性表面波フィルタ1
0の通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周波数に設定
し、共振周波数は多電極型弾性表面波フィルタ10の通
過帯域内に入るように設定する。1端子対型弾性表面波
共振器72cおよび72eの共振周波数を多電極型弾性
表面波フィルタ10の通過帯域低域側近傍の阻止帯域内
の周波数に設定し、反共振周波数は多電極型弾性表面波
フィルタ10の通過帯域内に入るように設定する。
【0050】このように設定したことによって、1端子
対型弾性表面波共振器71aおよび71bの反共振周波
数近傍での高インピーダンスのために反共振周波数近傍
にて阻止域が得られて、多電極型弾性表面波フィルタ1
0の通過帯域高域側において急峻な減衰特性が得られ、
さらに、1端子対型弾性表面波共振器71aおよび71
bの共振周波数近傍での低インピーダンスのために多電
極型弾性表面波フィルタ10の通過帯域における挿入損
失の増加を招かない。
【0051】さらに、1端子対型弾性表面波共振器72
cおよび72eの共振周波数近傍での低インピーダンス
のために共振周波数近傍にて阻止域が得られて、多電極
型弾性表面波フィルタ10の通過帯域低域側において急
峻な減衰特性が得られ、さらに、1端子対型弾性表面波
共振器72cおよび72eの反共振周波数近傍での高イ
ンピーダンスのために多電極型弾性表面波フィルタ10
の通過帯域における挿入損失の増加を招かない。
【0052】1端子対型弾性表面波共振器71aおよび
71bの反共振周波数を同一に設定したとき、1端子対
型弾性表面波共振器71aおよび71bの反共振周波数
を僅かにずらして設定したとき、1端子対型弾性表面波
共振器72cおよび72eの共振周波数を同一に設定し
たとき、1端子対型弾性表面波共振器72cおよび72
eの共振周波数を僅かにずらして設定したときの作用に
ついては前記第1実施例の場合と同様である。
【0053】したがって、多電極型弾性表面波フィルタ
10の電極重み付けのために劣化した減衰特性が改善さ
れる。
【0054】なお、本発明の第1および第2実施例にお
いて、1端子対型弾性表面波共振器71a〜71d、7
2a〜72eは図2に示す構成の場合を例示したが、1
端子対型弾性表面波共振器71aを例に、図6に示すよ
うに電極74の外側に反射器82、83が配置された1
端子対型弾性表面波共振器でも同様の効果が得られるこ
とは明らかである。1端子対型弾性表面波共振器71b
〜71d、72a〜72eについても同様である。
【0055】次に本発明の複合弾性表面波フィルタの第
3実施例について説明する。
【0056】図7は本発明の複合弾性表面波フィルタの
第3実施例の概略構成図である。
【0057】図7において符号60は本発明の第3実施
例の複合弾性表面波フィルタである。複合弾性表面波フ
ィルタ60は、入力電極41と、入力電極41を挾んで
設けられ、かつ電気的に並列接続された出力電極42
a、42bと、出力電極42a、42bの外側(入力電
極41と反対側)に形成された反射器43a、43bと
からなる2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40と、
2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40の入力端C側
において2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40に電
気的に直列接続された1端子対型弾性表面波共振器71
aと、2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40の入力
端C側において2端子対型弾性表面波共振器フィルタ4
0に電気的に並列接続された1端子対型弾性表面波共振
器72aと、2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40
の出力端D側において2端子対型弾性表面波共振器フィ
ルタ40に電気的に直列接続された1端子対型弾性表面
波共振器71bと、2端子対型弾性表面波共振器フィル
タ40の出力端D側において2端子対型弾性表面波共振
器フィルタ40に電気的に並列接続された1端子対型弾
性表面波共振器72bとからなり、2端子対型弾性表面
波共振器フィルタ40、1端子対型弾性表面波共振器7
1a、71b、72aおよび72bは同一の基板13上
に形成して構成されている。
【0058】2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40
の周波数振幅特性も多電極型弾性表面波フィルタ10の
場合とほぼ同様である。
【0059】したがって、複合弾性表面波フィルタ60
の場合も、1端子対型弾性表面波共振器71aおよび7
1bの反共振周波数を2端子対型弾性表面波共振器フィ
ルタ40の通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周波数に
設定することにより、1端子対型弾性表面波共振器72
aおよび72bの共振周波数を2端子対型弾性表面波共
振器フィルタ40の通過帯域低域側近傍の阻止帯域内の
周波数に設定することによって、その周波数振幅特性が
改善されることは容易に理解されよう。
【0060】なお、上記した第1乃至第3実施例におい
て、1端子対型弾性表面波共振器72a〜72eの共振
周波数は、多電極型弾性表面波フィルタ10、2端子対
型弾性表面波共振器フィルタ40の通過帯域低域側近傍
の阻止帯域内の周波数に設定した場合を説明した。しか
し、1端子対型弾性表面波共振器72a〜72eの共振
周波数を、多電極型弾性表面波フィルタ10、2端子対
型弾性表面波共振器フィルタ40の通過帯域低域側のサ
イドローブが存在する周波数帯域内の周波数に設定する
ことによって、通過帯域低域側のサイドローブが抑圧さ
れることになる。
【0061】同様に、1端子対型弾性表面波共振器71
a〜71dの反共振周波数は、多電極型弾性表面波フィ
ルタ10、2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40の
通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の周波数に設定した場
合を説明した。しかし、1端子対型弾性表面波共振器7
1a〜71dの反共振周波数を、多電極型弾性表面波フ
ィルタ10、2端子対型弾性表面波共振器フィルタ40
の通過帯域高域側のサイドローブが存在する周波数帯域
内の周波数に設定することによって、通過帯域高域側の
サイドローブが抑圧されることになる。
【0062】次に、本発明の複合弾性表面波フィルタの
利用例について説明する。
【0063】図8は本発明の複合弾性表面波フィルタが
利用される移動体通信機の一部構成を示すブロック図で
ある。
【0064】本移動体通信機は、受信側については例え
ばダブルコンバージョン方式がとられていて、アンテナ
90からの出力をアンテナ共用器110を構成するバン
ドパスフィルタ91を介して帯域制限し、RF増幅器9
2において増幅し、バンドパスフィルタ93を介してノ
イズ抑圧をした後ミキサ96において、バンドパスフィ
ルタ95を介した第1局部発信周波数と周波数混合して
第1中間周波信号に周波数変換し、第1中間周波信号は
バンドパスフィルタ97を介することによりノイズ抑圧
している。ノイズ除去された第1中間周波信号は第1中
間周波増幅器98に供給して増幅のうえ、ミキサ99に
おいて第2局部発信周波数と周波数混合して第2中間周
波信号に周波数変換し、第2中間周波信号をバンドパス
フィルタ100を介してノイズ抑圧し、第2中間周波増
幅器101に供給して増幅し、復調器102にて復調の
うえ後段へ送出している。
【0065】また、送信側については、変調器103に
おいてキャリヤ周波数を音声信号によって変調し、変調
出力は増幅器104によって増幅し、増幅出力を局部発
信周波数の信号によってミキサ105において送信周波
数に周波数変換して励振信号とし、励振信号を励振増幅
器106において増幅のうえバンドパスフィルタ107
を介して帯域制限し、送信電力増幅器108によって電
力増幅のうえアンテナ共用器110を構成するバンドパ
スフィルタ109を通してアンテナ90から送信してい
る。
【0066】符号94は第1および第2局部発信周波数
の信号、キャリヤ周波数の信号を出力する周波数シンセ
サイザである。
【0067】かかる移動体通信機において、送信周波数
帯域と受信周波数帯域とが近接しているため、バンドパ
スフィルタには急峻なカットオフ特性が要求されると共
に小型化が要求される。この場合に、アンテナ共用器1
10を構成するバンドパスフィルタ91および109、
段間のバンドパスフィルタ93および107、局部発信
周波数の信号をミキサ96へ注入するときの段間におけ
るバンドパスフィルタ95に本発明の第1、第2、また
は第3実施例の複合弾性表面波フィルタ20、30、ま
たは60を使用する。この使用によって、急峻なカット
オフ特性が満足され、かつ小型化の要求に応じられるこ
とになる。
【0068】また、本発明の複合弾性表面波フィルタを
アンテナ共用器110におけるフィルタに、または段間
のフィルタに用いても効果がある。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、弾
性表面波共振器が弾性表面波フィルタの入力端側または
出力端側の少なくとも一方に、1個以上の第1弾性表面
波共振器を弾性表面波フィルタに電気的に並列接続し、
かつ1個以上の第2弾性表面波共振器を弾性表面波フィ
ルタに電気的に直列接続したため、第1弾性表面波共振
器の共振周波数近傍における低インピーダンスにより、
また第2弾性表面波共振器の反共振周波数近傍における
高インピーダンスにより、弾性表面波フィルタの希望帯
域の減衰量を大きくすることができて、周波数振幅特性
が改善される効果が得られる。さらにノッチ周波数は第
1弾性表面波共振器の共振周波数、第2弾性表面波共振
器の反共振周波数で設定でき、さらに通過帯域幅は弾性
表面波フィルタの通過帯域幅で設定できて制約はない。
【0070】また、弾性表面波フィルタの入力端側と出
力端側の少なくとも一方に、共振周波数が弾性表面波フ
ィルタの通過帯域低域側近傍の阻止帯域内の周波数に設
定されている少なくとも1個以上の第1弾性表面波共振
器を弾性表面波フィルタに電気的に並列接続し、かつ反
共振周波数が弾性表面波フィルタの通過帯域高域側近傍
の阻止帯域内の周波数に設定されている少なくとも1個
以上の第2弾性表面波共振器を弾性表面波フィルタに電
気的に直列接続したために、第1弾性表面波共振器の共
振周波数近傍における低インピーダンスおよび第2弾性
表面波共振器の反共振周波数近傍における高インピーダ
ンスによって、弾性表面波フィルタの通過帯域高域側の
カットオフ特性および弾性表面波フィルタの通過帯域低
域側のカットオフ特性が急峻となって、周波数振幅特性
が改善される効果が得られる。
【0071】また、通過帯域幅および通過帯域における
挿入損失は弾性表面波フィルタによって定まり、並列接
続される弾性表面波共振器および直列接続される弾性表
面波共振器によって殆ど影響されないという効果が得ら
れる。
【0072】また、弾性表面波フィルタが多電極型弾性
表面波フィルタの場合も、弾性表面波フィルタが2端子
対型弾性表面波共振器フィルタの場合も、第1および第
2弾性表面波共振器が1端子対型弾性表面波共振器の場
合も、弾性表面波フィルタの希望帯域の減衰量を大きく
することができ、また1端子対型弾性表面波共振器の共
振周波数、反共振周波数を弾性表面波フィルタの通過帯
域の低域側近傍の阻止帯域内の周波数、高域側近傍の阻
止帯域内の周波数に設定したときは、弾性表面波フィル
タの通過帯域高域側のカットオフ特性および通過帯域低
域側のカットオフ特性が急峻となって、周波数振幅特性
が改善される効果が得られる。
【0073】また、1端子対型弾性表面波共振器の呈す
る静電容量によって並列接続される整合回路がインダク
タンス素子のときはインダクタンス値が小さくて済み、
キャパシタンス素子のときは静電容量が少なくて済み、
インダクタンス素子、キャパシタンス素子の形状が小さ
くなって、全体としての容積も小さくなるという効果が
ある。
【0074】また、弾性表面波フィルタと弾性表面波共
振器とを同一の基板上に配置したときはチップ面積も大
型化せず、さらに弾性表面波共振器の弾性表面波フィル
タのカットオフ特性を急峻にする周波数と弾性表面波共
振器の共振周波数、反共振周波数との相互関係は同じで
あるため、製造時の周波数の偏差によるカットオフ周波
数と、共振周波数、前記反共振周波数との間の周波数の
ずれも少なくて済む効果がある。
【0075】本発明の複合弾性表面波フィルタをアンテ
ナ共用器および/または段間フィルタに用いた移動体通
信機においては、複合弾性表面波フィルタの周波数振幅
特性のカットオフ特性が急峻なために受信周波数と送信
周波数が接近していても受信信号が送信側に混入するこ
ともなく、送信信号が受信側に混入することが解消され
るとともに、不要帯域の周波数を効果的に減衰させるこ
とができる効果がある。さらに、複合弾性表面波フィル
タが小型であるため、移動体通信機を小型化することが
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の複合弾性表面波フィルタ
の構成を示す概略図である。
【図2】1端子対型弾性表面波共振器の構成を示す概略
図である。
【図3】1端子対型弾性表面波共振器の周波数振幅特性
図である。
【図4】本発明の第1実施例の複合弾性表面波フィルタ
の周波数振幅特性図である。
【図5】本発明の第2実施例の複合弾性表面波フィルタ
の構成を示す概略図である。
【図6】反射器を備えた1端子対型弾性表面波共振器の
構成を示す概略図である。
【図7】本発明の第3実施例の複合弾性表面波フィルタ
の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の複合弾性表面波フィルタの使用例を示
すための移動体通信機の構成の一部を示すブロック図で
ある。
【図9】従来の多電極型弾性表面波フィルタの構成を示
す概略図である。
【図10】図9に示す多電極型弾性表面波フィルタの周
波数振幅特性図である。
【図11】ラダー型接続の従来のフィルタの構成を示す
概略図である。
【図12】図11に示すフィルタの周波数振幅特性図で
ある。
【符号の説明】
10…多電極型弾性表面波フィルタ 11a〜11d、41…入力電極 12a〜12c、42a、42b…出力電極 13…基板 20、30、60…複合弾性表面波フィルタ 40…2端子対型弾性表面波共振器フィルタ 71a〜71d、72a〜72e…1端子対型弾性表面
波共振器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性表面波フィルタの入力端側と出力端側
    の少なくとも一方に、少なくとも1個以上の第1弾性表
    面波共振器を弾性表面波フィルタに電気的に並列接続
    し、かつ少なくとも1個以上の第2弾性表面波共振器を
    弾性表面波フィルタに電気的に直列接続したことを特徴
    とする複合弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の弾性表面波フィルタにおい
    て、第1弾性表面波共振器の共振周波数は弾性表面波フ
    ィルタの通過帯域低域側近傍の阻止帯域内の周波数に設
    定され、かつ第2弾性表面波共振器の反共振周波数は弾
    性表面波フィルタの通過帯域高域側近傍の阻止帯域内の
    周波数に設定されたことを特徴とする複合弾性表面波フ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の複合弾性表面波フィルタに
    おいて、弾性表面波フィルタは電気的に並列接続された
    複数の入力電極と、入力電極間にそれぞれ各別に配設さ
    れ、かつ電気的に並列接続された複数の出力電極とを備
    えた多電極型弾性表面波フィルタであることを特徴とす
    る複合弾性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の複合弾性表面波フィルタに
    おいて、弾性表面波フィルタは2端子対型弾性表面波共
    振器フィルタであることを特徴とする複合弾性表面波フ
    ィルタ。
  5. 【請求項5】請求項1記載の複合弾性表面波フィルタに
    おいて、第1および第2弾性表面波共振器は1端子対型
    弾性表面波共振器であることを特徴とする複合弾性表面
    波フィルタ。
  6. 【請求項6】請求項1記載の複合弾性表面波フィルタに
    おいて、第1および第2弾性表面波共振器は弾性表面波
    フィルタと同一基板上に構成したことを特徴とする複合
    弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載の複合弾性表面波フィ
    ルタのいずれかを、アンテナ共用器および/または段間
    フィルタに用いたことを特徴とする移動体通信機。
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