JPH07131204A

JPH07131204A - 誘電体フィルタ

Info

Publication number: JPH07131204A
Application number: JP27072993A
Authority: JP
Inventors: Noriyuki Umebayashi; 憲之梅林
Original assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1993-10-28
Filing date: 1993-10-28
Publication date: 1995-05-19

Abstract

(57)【要約】【目的】部品点数を削減し、製造工数を低減して、安
価で、かつ小型化のできる誘電体フィルタを提供するこ
と。【構成】誘電体同軸共振器を複数個並列接続してフィ
ルタを構成した誘電体フィルタにおいて、フィルタ回路
を構成するインダクタンス成分を隣接する各誘電体同軸
共振器の上面及び側面に跨がって形成された各インダク
タンス電極を接続することにより形成する誘電体フィル
タ。また、フィルタ回路を構成する容量成分のすべて及
びインダクタンス成分のすべてを、誘電体同軸共振器に
形成された電極及び導体により形成する誘電体フィル
タ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車電話、
携帯電話等の移動通信機器に使用される誘電体フィルタ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、図５の等価回路図に示すような
バンドエリミネーションフィルタを構成する場合、各共
振器Ｒ１、Ｒ２に結合容量Ｃｅ、及びインダクタンスＬ
を付加するとともに、ストレー容量Ｃｓを付加してい
る。このような誘電体フィルタを構成する場合、従来、
図４に示すような構造が採用されている。この誘電体フ
ィルタは、図示しない金属ケース内に２個の誘電体同軸
共振器９を並列配置するとともに、その一面に結合用電
極２１、アース電極２２が形成された基板２０を配設
し、該基板２０の結合用電極２１上にコンデンサ基板２
３を接続するとともに、結合用電極２１間にコイル２４
を接続し、結合用電極２１とアース電極２２間にチップ
コンデンサ２５を接続し、前記コンデンサ基板２３に各
同軸共振器９の共振器孔２内に圧入された結合端子２６
が接続されている。

【０００３】そして、各誘電体同軸共振器９の外導体４
及び基板２０のアース電極２２は金属ケース（図示せ
ず）に電気的に接続され、結合用電極２１には入出力端
子２７を接続して構成されている。

【０００４】上記従来の誘電体同軸共振器９は、略直方
体形状の誘電体ブロック１の対向する一対の面を貫通し
て１個の共振器孔２が形成され、共振器孔２の内周面に
は内導体３が形成され、共振器孔２の一方の開口面１ａ
（以下、開放側端面と記す）を除く他の５面には外導体
４が形成されている。内導体３は、開放側端面１ａでは
外導体４と分離（開放）され、開放側端面１ａと対向す
る共振器孔２の他方の開口面１ｂ（以下、短絡側端面と
記す）では外導体４と導通（短絡）されている。

【０００５】ここで、コンデンサ基板２３により図５に
示す結合容量Ｃｅを、コイル２４によりインダクタンス
Ｌを、チップコンデンサ２５によりストレー容量（アー
スに落ちる容量）Ｃｓをとっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
の誘電体フィルタでは、フィルタ回路を構成する容量成
分及びインダクタンス成分をコンデンサ基板、チップコ
ンデンサ等のコンデンサ素子やコイル等のインダクタン
ス素子を使用するか、あるいは結合基板上に形成された
電極により形成されたものを利用している。このため、
部品点数が多くなり、しかも各部品を組み付けてはんだ
付けする作業等が必要である。したがって、小型化が困
難であり、部品コストが高くなり、製造工数が多くかか
り製造コストが高くなるという問題があった。

【０００７】なお、従来の誘電体フィルタにおいて、容
量成分については、誘電体同軸共振器に形成された電極
（導体）で構成されたものもあるが、特に、バンドエリ
ミネーションフィルタ等に必要なインダクタンス成分に
ついては、外付のインダクタンス素子等が必要であっ
た。

【０００８】そこで、本発明の目的は、以上のような従
来の誘電体フィルタが持つ問題点を解消し、部品点数を
削減し、製造工数を低減して、安価で、かつ小型化ので
きる誘電体フィルタを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、誘電体同軸共振器を複数個並列接続して
フィルタを構成した誘電体フィルタにおいて、フィルタ
回路を構成するインダクタンス成分を隣接する各誘電体
同軸共振器の上面及び側面に跨がって形成された各イン
ダクタンス電極を接続することにより形成することを特
徴とするものである。

【００１０】また、フィルタ回路を構成する容量成分の
すべて及びインダクタンス成分のすべてを、誘電体同軸
共振器に形成された電極及び導体により形成することを
特徴とする誘電体フィルタである。

【００１１】

【作用】上記の構成によれば、フィルタ回路を構成する
インダクタンス成分を各誘電体同軸共振器に形成された
電極により形成することができる。また、容量成分も各
誘電体同軸共振器に形成された電極及び導体により形成
することができ、外付のコンデンサ素子、インダクタン
ス素子を用いずに誘電体同軸共振器のみでフィルタを構
成することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて具体的に説明する。図において、従来例と同一部分
については同一符号を付す。なお、外観斜視図において
点塗り潰し部は誘電体ブロックの素地の露出する部分
（導体非形成部）を示す。

【００１３】本発明の一実施例である誘電体フィルタの
構成を図１に示す。図１（ａ）は２個の誘電体同軸共振
器の外観斜視図、同図（ｂ）は（ａ）の２個の誘電体同
軸共振器を接合した誘電体フィルタの完成状態の外観斜
視図、同図（ｃ）は（ｂ）の誘電体フィルタの底面を示
す外観斜視図である。

【００１４】図１（ａ）に示すように、本実施例の誘電
体フィルタを構成する誘電体同軸共振器１０は、略直方
体形状の誘電体ブロック１の対向する開放側端面１ａと
短絡側端面１ｂの間を貫通して１個の共振器孔２が形成
され、共振器孔２の内周面には内導体３が形成されてい
る。開放側端面１ａ、入出力電極５形成部及びインダク
タンス電極６形成部を除く誘電体ブロック１の外面には
外導体４が形成されている。

【００１５】入出力電極５は、開放側端面１ａの近傍の
誘電体ブロック１の基板への実装面となる底面、及び誘
電体ブロック１の一方の側面に跨がって形成されてい
る。インダクタンス電極６は、入出力電極５の一部を延
ばしたように、入出力電極５が形成された誘電体ブロッ
ク１の側面から上面及び他方の側面の上部に跨がって形
成されている。すなわち、電極幅の狭いインダクタンス
電極６と電極幅の広い入出力電極５は連続した一体の導
体により形成されている。本実施例ではインダクタンス
電極６の幅を約０．５ｍｍ、入出力電極５の幅を約２ｍ
ｍとして作成した。

【００１６】内導体３は、開放側端面１ａでは、外導体
４と分離（開放）され、短絡側端面１ｂでは外導体４と
導通（短絡）されている。また、図１（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）に示すように、入出力電極５及びインダクタンス
電極６は、その周囲に外導体非形成部を設け、外導体４
と分離されている。

【００１７】そして、図１（ｂ）及び（ｃ）に示すよう
に、図１（ａ）に示す面対称の２個の誘電体同軸共振器
１０を電気的、機械的に接合することで、従来例の図５
で示した等価回路の誘電体フィルタ（バンドエリミネー
ションフィルタ）が構成される。具体的には、各誘電体
同軸共振器１０の接合面の外導体４及びインダクタンス
電極６を、それぞれはんだ付け等で接合している。

【００１８】このようにして形成された誘電体フィルタ
は、図５に示す結合容量Ｃｅを、図１（ｃ）に模式的に
示すように、誘電体同軸共振器１０の内導体３と入出力
電極５の間に形成される容量で、ストレー容量Ｃｓを、
外導体４と入出力電極５の間に形成される容量でとって
いる。

【００１９】また、図５に示す共振器間を結合するイン
ダクタンスＬは、両誘電体同軸共振器の上面及び側面に
跨がって形成されたインダクタンス電極６により形成さ
れている。

【００２０】そして、図１（ｃ）に示すように、この誘
電体フィルタの底面には、アースとなる外導体４、及び
入出力電極５が形成されているので、回路基板上に直接
表面実装することができる。

【００２１】以上説明したように、本実施例の誘電体フ
ィルタは、フィルタを構成する容量成分のみならずイン
ダクタンス成分をも、誘電体フィルタを構成する誘電体
同軸共振器に形成された電極及び導体のみで形成したこ
とを特徴とするものである。したがって、従来の誘電体
フィルタで必要とした外付のコンデンサ素子及びインダ
クタンス素子を不要とし、さらに、これらの素子及び誘
電体同軸共振器を実装する結合基板や外部回路と接続す
るための入出力端子をも不要とすることができる。

【００２２】次に、誘電体同軸共振器を３個並列接続し
て構成したバンドエリミネーションフィルタを図２に示
す。図２（ａ）において、両側に配置される誘電体同軸
共振器１０は、図１に示すものと同一の構成となってい
る。中央に配置される誘電体同軸共振器１１は、開放側
端面１ａの近傍の誘電体同軸共振器１１の上面中央部に
結合電極７を形成し、この結合電極７の一部を両側に延
ばしたように誘電体同軸共振器１１の上面及び両側面の
上部に跨がってインダクタンス電極６が形成されてい
る。

【００２３】そして、両側に配置された各誘電体同軸共
振器１０と中央に配置された誘電体同軸共振器１１の接
合面の外導体４及びインダクタンス電極６を、それぞれ
はんだ付け等で接続して接合している。

【００２４】このようにして、図２（ｂ）に示す等価回
路の３段の共振器からなる誘電体フィルタが形成され
る。図２（ｂ）に示す２段目の共振器Ｒ２の結合容量Ｃ
ｅは内導体３と結合電極７とで形成され、ストレー容量
Ｃｓは外導体４と結合電極７とで形成されている。ま
た、各共振器を結合するインダクタンスＬは、誘電体同
軸共振器１０、１１の上面及び側面に跨がって形成され
た連続するインダクタンス電極６により形成されてい
る。

【００２５】この場合も、図１に示した誘電体フィルタ
と同様に、外付の部品を必要とせず、３個の誘電体同軸
共振器のみでフィルタを構成している。

【００２６】図３（ａ）は、図１に示す２段の共振器か
らなるバンドエリミネーションフィルタに２段からなる
バンドパスフィルタを接続して構成したアンテナ共用器
を示す開放側端面側から見た側面図である。なお、当図
においては、外導体は省略してあり、誘電体ブロックの
外周面の各電極は斜線を施して示してある。

【００２７】図において、２個の誘電体同軸共振器１０
及びこの誘電体同軸共振器１０で構成されるフィルタ
は、図１と同一の構成であり、その説明を省略する。バ
ンドパスフィルタを構成する２個の誘電体同軸共振器１
２は、開放側端面近傍の誘電体ブロック１の底面及び一
方の側面に跨がって入出力電極５が形成され、他方の側
面には、結合電極７が形成されている。入出力電極５及
び結合電極７は、その周囲に外導体非形成部を設け、外
導体４と分離されている。この２個の誘電体同軸共振器
１２の接合面の外導体及び結合電極７は、それぞれはん
だ付け等で接合され、２段の共振器からなるバンドパス
フィルタが形成されている。

【００２８】そして、２個の誘電体同軸共振器１０で構
成されるフィルタと２個の誘電体同軸共振器１２で構成
されるフィルタは、隣接する接合面の外導体４及び入出
力電極５を、それぞれはんだ付け等で接合して、図３
（ｂ）に示す等価回路のアンテナ共用器が形成されてい
る。

【００２９】図３（ｂ）に示すアンテナＡＮＴと共振器
Ｒ３間及び入出力端と共振器Ｒ４間の結合容量Ｃｅは、
誘電体同軸共振器１２の内導体３と入出力電極５で形成
され、共振器Ｒ３、Ｒ４間の結合容量Ｃｅは、各誘電体
同軸共振器１２の内導体３と結合電極７で形成される各
容量を直列接続して形成されている。共振器Ｒ１、Ｒ２
の各容量Ｃｅ、Ｃｓ及びインダクタンスＬは、図１で説
明したものである。

【００３０】このようにして形成されたアンテナ共用器
は、図１及び図２で説明した誘電体フィルタと同様に、
外付の部品を必要とせず、４個の誘電体同軸共振器のみ
で構成されている。

【００３１】なお、上記各実施例のインダクタンス電
極、入出力電極、結合電極の形状及び形成位置、これら
の周囲に形成する外導体非形成部の形状は、実施例に示
したものに限ることはなく、その形状、形成位置により
容量値、インダクタンス値を代えることができ、目的と
するフィルタ特性等を考慮して、適宜設定することがで
きる。また、上記実施例では、インダクタンス電極の接
続を接合面の上部に延設したインダクタンス電極の一部
をはんだ付け等で接続したが、これに限ることはなく、
誘電体同軸共振器の上面のインダクタンス電極を金属片
等の導体で接続してもよい。

【００３２】上記実施例では、開放側端面には外導体を
形成しない誘電体同軸共振器で説明したが、開放側端面
にも外導体を形成し、共振器孔の周囲に外導体非形成部
を設けるか、あるいは内導体の開放側端面近傍に内導体
非形成部を設けて、内導体と外導体を分離（開放）した
誘電体同軸共振器でもよい。

【００３３】インダクタンス電極により誘電体同軸共振
器に形成されたインダクタンス成分は、本実施例のよう
に共振器間を結合する場合に限らず、外部位相調整用イ
ンダクタンスとしても利用することができる。

【００３４】また、本実施例では、２段及び３段構成の
誘電体フィルタについて説明したが、誘電体同軸共振器
を複数個接続して構成される誘電体フィルタ一般に本発
明を適用することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る誘電
体フィルタでは、フィルタを構成する容量成分のみなら
ずインダクタンス成分も、フィルタを構成する誘電体同
軸共振器の電極及び導体のみで形成することができるの
で、複数の誘電体同軸共振器を接合するだけでフィルタ
を構成することができる。つまり、外付のコンデンサ素
子、インダクタンス素子、及びこれらの外付部品を実装
する結合基板や外部回路と接続するための入出力端子等
を使用せずにフィルタを形成することができる。

【００３６】したがって、本発明によれば、部品点数を
大幅に削減でき、よって、部品コスト、製造工数を大幅
に低減することができ、安価で、かつ小型、高信頼性の
誘電体フィルタを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明の一実施例に係る誘電体フィ
ルタ（バンドエリミネーションフィルタ）を構成する２
個の誘電体同軸共振器の外観斜視図、同図（ｂ）は
（ａ）の２個の誘電体同軸共振器を接合した本発明の誘
電体フィルタの完成状態の外観斜視図、同図（ｃ）は
（ｂ）の誘電体フィルタの底面を示す外観斜視図であ
る。

【図２】（ａ）は、本発明の他の実施例に係る３個の誘
電体同軸共振器で構成される誘電体フィルタの外観斜視
図、（ｂ）は、（ａ）に示す誘電体フィルタの等価回路
図である。

【図３】（ａ）は、図１に示すバンドエリミネーション
フィルタにバンドパスフィルタを接続して構成した誘電
体共用器を示す側面図、（ｂ）は、（ａ）に示す誘電体
共用器の等価回路図である。

【図４】従来の誘電体フィルタ（バンドエリミネーショ
ンフィルタ）の一例を示す外観斜視図である。

【図５】一般的な誘電体同軸共振器を使用したバンドエ
リミネーションフィルタの等価回路図である。

【符号の説明】

１誘電体ブロック２共振器孔３内導体４外導体５入出力電極６インダクタンス電極７結合電極１０、１１、１２誘電体同軸共振器

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｈ０１Ｐ 7/04

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】誘電体同軸共振器を複数個並列接続して
フィルタを構成した誘電体フィルタにおいて、フィルタ回路を構成するインダクタンス成分を各誘電体
同軸共振器の上面及び側面に跨がって形成された各イン
ダクタンス電極を接続することにより形成することを特
徴とする誘電体フィルタ。
【請求項２】フィルタ回路を構成する容量成分のすべ
て及びインダクタンス成分のすべてを、誘電体同軸共振
器に形成された電極及び導体により形成することを特徴
とする請求項１に記載の誘電体フィルタ。