JPH07130395A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JPH07130395A
JPH07130395A JP5273809A JP27380993A JPH07130395A JP H07130395 A JPH07130395 A JP H07130395A JP 5273809 A JP5273809 A JP 5273809A JP 27380993 A JP27380993 A JP 27380993A JP H07130395 A JPH07130395 A JP H07130395A
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JP
Japan
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active material
electrode active
lithium
positive electrode
negative electrode
Prior art date
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Application number
JP5273809A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
Okimasa Kagawa
興勝 香川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07130395A publication Critical patent/JPH07130395A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】放電容量と充放電サイクル性能に優れ、安全性
の高いリチウムイオン型非水電解質二次電池を提供す
る。 【構成】正極活物質、負極活物質とリチウム塩を含む非
水電解質からなる二次電池において、該負極活物質が、
リチウムイオンの挿入により結晶の基本構造が変化し、
変化後の結晶の基本構造が充放電の繰り返しによって変
化しないリチウム含有遷移金属酸化物であり、該正極活
物質がスピネル型構造を持つリチウム含有マンガン酸化
物を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充放電特性と充放電の
サイクル性能および安全性が改善されたリチウムイオン
系非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムを含む軽金属合金あるいはリチ
ウムイオンを吸蔵、放出する物質を電極活物質とする非
水電解質型の二次電池は、高電圧、高エネルギー密度を
有するメリットから活発に研究されている。これら二次
電池の負極活物質には、リチウム合金に比べて安全性の
高いリチウムイオン吸蔵型材料が用いられる傾向にあ
る。また正極活物質には、Liのインタ−カレ−ション
を利用する層状化合物としてLiMn2 4 、Li2
nO3 、LiCoO2 、LiCo0.5 Ni0.5 2、L
iNiO2 、MoS2 等が一般に用いらている。これら
のなかでも特に特開昭55−136131で開示される
LiCoO2 はLiに対し3.5V以上の高い放電電位
を与え、且つ高容量を有する点で有利である。しかし実
用上は、繰り返しの充放電によって結晶構造が徐々に壊
れ電池特性が低下するというサイクル性能上の問題点
と、コバルト原料の供給量が少ないことによるコスト高
の問題点を含んでいる。そこで、供給量が多く低コスト
であるマンガンを原料として作られるLix Mn2 4
を正極材料に用いた二次電池が、特開平3−14727
6、同4−123769等に提案されている。しかし、
この場合負極活物質としては炭素質材料が用いられるた
めに、電池の容量とサイクル性能の点で未だ不十分であ
り、実用化へ向けてはより容量の高い負極活物質とサイ
クル性に優れたマンガン系正極活物質の利用が重要とな
ってくる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題は
上述のような問題を解決し、充放電特性とサイクル性能
に優れたリチウムイオン非水電解質二次電池を提供する
ことであり、第二の課題は安全性の点で優れた二次電池
を提供することであり、第三の課題は原料コストの点で
有利な二次電池を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、正極活物
質、負極活物質とリチウム塩を含む非水電解質からなる
二次電池において、該負極活物質が、リチウムイオンの
挿入により結晶の基本構造が変化し、変化後の結晶の基
本構造が充放電の繰り返しによって変化しないリチウム
含有遷移金属酸化物であり、該正極活物質がスピネル型
構造を持つリチウム含有マンガン酸化物を含むことを特
徴とする非水電解質二次電池を用いる方法で解決するこ
とができた。
【0005】本発明の非水電解質二次電池は、正極活物
質、負極活物質およびリチウム塩を含む非水電解質から
なる基本構成をもつ。本発明の負極活物質は、リチウム
を含有していてもよい遷移金属の酸化物にリチウムイオ
ンを挿入(インターカレート)することにより得られ
る。その際、リチウムイオンの挿入は、遷移金属酸化物
の結晶の基本構造を変化させるまで(X線回折パターン
が変化するまで)、且つ、挿入後のリチウムイオン含有
遷移金属酸化物の結晶の基本構造が充放電中に実質的に
変化しない状態になるまで(X線回折パターンが実質的
に変化しなくなるまで)実施される。この基本構造の変
化は、ある結晶構造から異なった結晶構造への変化、あ
るいは結晶構造から非晶質構造への変化を意味する。
【0006】本発明でいう遷移金属とは、元素番号が2
1のScから30のZnと、元素番号39のYから48
のCd、そして元素番号57のLaから80のHgまで
を含む。本発明で用いられるリチウムイオン挿入前の遷
移金属酸化物(以後は、負極活物質前駆体という)は、
二種以上の遷移金属化合物を混合して合成するか、ある
いはリチウム化合物と一種もしくは二種以上の遷移金属
化合物を、リチウム化合物/総遷移金属化合物のモル比
が3.1以下になるように混合して合成することが好ま
しい。ただし二種以上の遷移金属は、Ti,V,Mn,
Co,Ni,Fe,Cr,Nb,Moを少なくとも一種
含む。また、負極活物質前駆体の少なくとも一種は、L
ip MOr (ここでMは、少なくとも一種がTi、V、
Mn、Co、Fe、Nb、Moである一種以上の遷移金
属、p =0〜3.1、r =1.6〜4.1、ただしMの
合計を1としているので遷移金属が複数の場合や結晶学
的な組成式表示では整数倍させてよい)で表されるリチ
ウム含有遷移金属酸化物であることが好ましい。また、
さらに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物は、構造式
Lip M1q1 M2q2 ・・・Mnqn Or (ここでMは少な
くとも1種はTi、V、Mn、Co、Ni、Feを含む
該遷移金属 p=0〜3.1、q1 +q2 +・・・+q
n =1、n=1〜10、r=1.6〜4.1)で示され
る。上式において最も好ましいリチウム含有遷移金属酸
化物としては、Lip Coq V1-q Or、Lip Niq
1-q Or (ここでp=0.3〜2.2、q=0.02
〜0.7、r=1.5〜2.5)があげられる。また特
に好ましいリチウム含有遷移金属酸化物として、Lip
CoVO4 やLip NiVO4 (ここでp=0.3〜
2.2)があげられる。ここで、p値は充放電開始前の
値であり、充放電によって増減する。また、負極活物質
とはこれら遷移金属酸化物前駆体組成式にリチウムの含
量が増えたものであり、且つX線回折パタ−ンが該前駆
体とは実質的に異なるものである。本発明の負極活物質
前駆体は上記の原料を混合し固相で焼成する方法や溶液
反応によって合成することができるが、特に焼成法が望
ましい。焼成温度は、原料の化合物の一部が分解、溶融
する温度であればよく、通常250〜2000℃であ
り、好ましくは350〜1500℃、さらに好ましくは
500℃〜1000℃である。焼成時間としては4〜4
8時間が好ましく、更に好ましくは6〜20時間であ
る。
【0007】本発明の二次電池の正極活物質にはスピネ
ル型マンガン含有酸化物が用いられる。スピネル型酸化
物は一般式A(B2 )O4 で表される構造をもち、式中
酸素アニオンは立方最密充填形で配列しており、四面体
および八面体の面と頂点の一部を占めている。単位セル
は8個の分子からなり、酸素はFd3m空間の32eの
位置を占めている。単位セルは、8a,8b,48fの
3つの結晶学的に等価でない位置にある64個の八面体
の格子間隙を占有する。このスピネル中でBカチオンは
16dの八面体の格子間隙の部位に位置し(空の八面体
部位は16c)、Aカチオンは8aの四面体の格子間隙
の部位に位置する。それぞれの8aの八面体は隣接する
4個の空の16c八面体と面を共有し、これによってA
カチオンが拡散する通路(たとえば、8a→16c→8
a→16c)が提供される。一方、8b四面体はBカチ
オンがつくる16d八面体と面を共有し、これによって
カチオンの占有がエネルギ−的に不利となっている。4
8f四面体は16d,16cの両方の八面体と面を共有
している。カチオンAの分布状態によって、A(B 2
4 を正常スピネル、B(A,B)O4 を逆スピネルと
呼ぶ。これらの中間の状態に当たる、Ax By (A1-x
1-y )O4 の構造もスピネルとして存在する。
【0008】正常スピネル構造を持つ本発明のマンガン
酸化物の典型としては、正極活物質であるLiMn2
4 が挙げられる。この構造中でMnカチオンの半分は3
価、半分は4価となっている。同じく活物質として知ら
れるλ−MnO2 は、米国特許4,246,253に示
されるように、LiMn2 4 の構造からリチウムが除
かれた形の欠陥のあるスピネル構造でありこの構造中で
はMnカチオンはすべて4価である。本発明で用いるマ
ンガン酸化物正極活物質は、正常スピネル型、逆スピネ
ル型のもの、および欠陥のないスピネル構造もしくは欠
陥のある化学量論的でないスピネル構造のものを含む。
【0009】本発明の正極活物質に含まれるスピネル型
構造のリチウム含有マンガン酸化物の好ましい例は、一
般式Li1+x [Mn2-y ]O4 (0≦x <1.7,0<
y<0.7)で示される。この例としては、Li4 Mn
5 12あるいはスピネル構造表示でLi[Li1/3 Mn
5/3 ]O4 が挙げられる。この他下記の化合物も上記一
般式の範囲に含まれる(構造式は一般式表示の整数倍も
しくは少数倍で示すものも含む)。 Li4 Mn4 9 LiMnO2 あるいはLi2 Mn2 4 Li2 MnO3 Li5 Mn4 9 Li4 Mn5 12 本発明の正極活物質が含むスピネル型構造のリチウム含
有マンガン酸化物の他の好ましい例は、一般式Li1-x
[Mn2-y ]O4 (0<x<1.0,0<y<0.5)
で示される。この中でも好ましい構造は、一般式Li1-
x [Mn2-y ]O4 (0.20<x<1.0,0<y<
0.2)で示される。この例としては、たとえば特開平
4−240117に示される化学量論的でないスピネル
化合物であるLi2 Mn5 11あるいはスピネル構造表
示でLi1-x [Mn2-x ]O4 (x=0.273,y=
0.182)が挙げられる。また、他の好ましい構造
は、一般式Li1-x [Mn2-y ]O4 (0<x≦0.2
0,0<y<0.4)で示される。この化合物例として
は、例えば、Li2 Mn4 9 が挙げられる。この他下
記の化合物も上記の各種一般式Li1-x [Mn2-y ]O
4 の範囲に含まれる(構造式には一般式表示の整数倍も
しくは少数倍で示すものも含まれる)。 Li4 Mn16.535 Li2 Mn7.5 16 Li0.7 MnO4
【0010】本発明の正極活物質であるマンガン酸化物
は、常法にしたがってリチウム塩とマンガン塩もしくは
マンガン酸化物を高温で固相で反応させることで得られ
る。原料に炭酸リチウムと二酸化マンガンを用いる場
合、焼成温度は350℃から900℃、好ましくは35
0℃から500℃であり、焼成時間は8時間から48時
間である。また、リチウム塩に低融点の硝酸リチウム
(融点261℃)を用いる場合は、焼成温度は300℃
から900℃であり、好ましくは300℃から500℃
である。マンガン酸化物としては、λ−MnO2 ,電解
的に調製されたMnO2 (EMD),化学的に調製され
たMnO2 (CMD)およびそれらの混合物を用いるこ
とができる。リチウム原料としては他に、リチウム・マ
ンガン複合酸化物(例えば、Li2 Mn4 9 など)を
用いることができる。この場合はリチウム・マンガン複
合酸化物を二酸化マンガンなどのマンガン原料と混合し
て350℃〜500℃の範囲で焼成する。
【0011】本発明の活物質について、焼成のガス雰囲
気は、特に限定しないが、正極活物質では空気中あるい
は酸素の割合が多いガス中(例えば、約30%以上)、
負極活物質では空気中あるいは酸素の割合が少ないガス
(例えば、約10%以下)あるいは不活性ガス(窒素ガ
ス、アルゴンガス)中が好ましい。
【0012】本発明で用いる正極活物質と負極活物質の
平均粒径は、0.03〜50μmが好ましく、特に平均
粒径0.1μm〜10μmが好ましい。ここでいう平均
粒径とは、最頻度点を示すモード径のことであり、電子
顕微鏡写真より目視で観察した値の平均値もしくは粒度
分布測定装置により測定された値である。またこれらの
活物質の比表面積は0.1〜50m2/gが好ましい。正
極活物質においては好ましい比表面積は5〜100m2
gである。
【0013】本発明の正極活物質や負極活物質は、以下
に記載されるリチウム化合物、遷移金属化合物の混合物
を焼成することにより合成することが好ましい。例え
ば、リチウム化合物としては、酸素化合物、酸素酸塩や
ハロゲン化物があげられる。遷移金属化合物としては、
1価〜6価の遷移金属酸化物、同遷移金属塩、同遷移金
属錯塩が用いられる。
【0014】活物質の合成で用いられる好ましいリチウ
ム化合物としては、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭
酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、亜硫酸リチ
ウム、燐酸リチウム、四ほう酸リチウム、塩素酸リチウ
ム、過塩素酸リチウム、チオシアン酸リチウム、蟻酸リ
チウム、酢酸リチウム、蓚酸リチウム、クエン酸リチウ
ム、乳酸リチウム、酒石酸リチウム、ピルビン酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、四ほう素
酸リチウム、六弗化燐酸リチウム、弗化リチウム、塩化
リチウム、臭化リチウム、沃化リチウムがあげられる。
【0015】また、好ましい遷移金属化合物としてはT
iO2 (ルチルまたはアナタ−ゼ型)、チタン酸リチウ
ム、アセチルアセトナトチタニル、四塩化チタン、四沃
化チタン、蓚酸チタニルアンモニウム、VOd (d=2
〜2.5 d=2.5の化合物は五酸化バナジウム)、
VOd のリチウム化合物、水酸化バナジウム、メタバナ
ジン酸アンモニウム、オルトバナジン酸アンモニウム、
ピロバナジン酸アンモニウム、オキソ硫酸バナジウム、
オキシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、Mn
2 、Mn2 3 、水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝
酸マンガン、硫酸マンガン、硫酸マンガンアンモニウ
ム、亜硫酸マンガン、燐酸マンガン、ほう酸マンガン、
塩素酸マンガン、過塩素酸マンガン、チオシアン酸マン
ガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、蓚酸マンガン、ク
エン酸マンガン、乳酸マンガン、酒石酸マンガン、ステ
アリン酸マンガン、弗化マンガン、塩化マンガン臭化マ
ンガン、沃化マンガン、マンガンアセチルアセトナー
ト、酸化鉄(2、3価)、四三酸化鉄、水酸化鉄(2、
3価)、塩化鉄(2、3価)、臭化鉄(2、3価)、沃
化鉄(2、3価)、硫酸鉄(2、3価)、硫酸鉄アンモ
ニウム(2、3価)、硝酸鉄(2、3価)燐酸鉄(2、
3価)、過塩素酸鉄、塩素酸鉄、酢酸鉄(2、3価)、
クエン酸鉄(2、3価)、クエン酸鉄アンモニウム
(2、3価、蓚酸鉄(2、3価)、蓚酸鉄アンモニウム
(2、3価)、CoO、Co2 3 、Co3 4 、Li
CoO2 、炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、水酸化
コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、亜硫酸コバル
ト、過塩素酸コバルト、チオシアン酸コバルト、蓚酸コ
バルト、酢酸コバルト、弗化コバルト、塩化コバルト、
臭化コバルト、沃化コバルト、ヘキサアンミンコバルト
錯塩(塩として、硫酸、硝酸、過塩素酸、チオシアン
酸、蓚酸、酢酸、弗素、塩素、臭素、沃素、)酸化ニッ
ケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、塩基性炭酸ニッ
ケル、硫酸ニッケル硝酸ニッケル、弗化ニッケル、塩化
ニッケル、臭化ニッケル、沃化ニッケル、蟻酸ニッケ
ル、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、オ
キシ塩化ニオブ、五塩化ニオブ、五沃化ニオブ、一酸化
ニオブ、二酸化ニオブ、三酸化ニオブ、五酸化ニオブ、
蓚酸ニオブ、ニオブメトキシド、ニオブエトキシド、ニ
オブプロポキシド、ニオブブトキシド、ニオブ酸リチウ
ム、MoO3 、MoO2 、LiMo2 4 、五塩化モリ
ブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸リチ
ウム、モリブド燐酸アンモニウム、酸化モリブデンアセ
チルアセトナートがあげられる。
【0016】このなかでも特に好ましいリチウム化合物
と遷移金属化合物の組合せとして、水酸化リチウム、炭
酸リチウム、酢酸リチウムと、MnO2 、Mn2 3
水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、Co
O、Co2 3 、Co3 4 、LiCoO2 、炭酸コバ
ルト、塩基性炭酸コバルト、水酸化コバルト、硫酸コバ
ルト、硝酸コバルト、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、
炭酸ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝
酸ニッケル、酢酸ニッケル、五酸化バナジウム、バナジ
ン酸アンモニウムがあげられる。
【0017】本発明で正極活物質の合成に用いられる好
ましいマンガン化合物としては、MnO2 、Mn
2 3 、水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガ
ン、硫酸マンガンアンモニウム、酢酸マンガン、蓚酸マ
ンガン、クエン酸マンガンがあげられる。
【0018】本発明で用いる負極活物質は、遷移金属酸
化物および/またはリチウム含有遷移金属酸化物の負極
活物質前駆体にリチウムイオンを化学的に挿入すること
により得ることができる。例えば、リチウム金属、リチ
ウム合金やブチルリチウムなどと反応させる方法や電気
化学的にリチウムイオンを挿入することが好ましい。本
発明では、負極活物質前駆体である遷移金属酸化物に電
気化学的にリチウムイオンを挿入することが特に好まし
い。なかでも、負極活物質前駆体であるリチウム含有遷
移金属酸化物に電気化学的にリチウムイオンを挿入する
ことが最も好ましい。電気化学的にリチウムイオンを挿
入する方法として、正極活物質としてリチウム含有遷移
金属酸化物(本発明で言う負極活物質前駆体のこと)、
負極活物質として、リチウム金属、リチウム塩を含む非
水電解質からなる酸化還元系(例えば開放系(電解)ま
たは密閉系(電池))を放電することにより得ることが
できる。また、最も好ましい実施態様例は、正極活物質
としてリチウム含有遷移金属酸化物、負極活物質とし
て、正極活物質と異なる組成式を持つ負極活物質前駆
体、リチウム塩を含む非水電解質からなる酸化還元系
(例えば開放系(電解)または密閉系(電池))を充電
することによりリチウムイオンを挿入する方法である。
【0019】リチウムイオンの挿入量は、特に限定され
ないが、負極活物質前駆体1g当り27〜1340mA
h(1〜50mモル相当)が好ましく、40〜1070
mAh(1.5〜40mモル相当)がより好ましい。ま
た、54〜938mAh(2〜35mモル相当)が最も
好ましい。充放電サイクルのカットオフ電圧は、使用す
る正極活物質や負極活物質の種類や組合せによって変わ
るので一義的には決められないが、放電電圧を高くで
き、サイクル性を実質的に維持できる電圧、正極の場合
はLiに対して4.5〜4.0Vの充電終結電圧、が好
ましい。
【0020】本発明で用いる負極活物質は、リチウムイ
オンの挿入により前駆体の結晶の基本構造が変化したも
のであり、この変化は、好ましくはCuKα線によるX
線の回折パタ−ンにおいて、回折角(2θ)が5〜70
度の範囲内で回折極大ピ−ク値の強度が1/5以下に減
少することによって確認することができる。この減少は
1/10以下が好ましく、とくに1/20以下となるこ
とが好ましい。ここで強度が0とは、実質的に負極活物
質前駆体がすべて充放電可能な負極活物質に変化したこ
とを意味し、具体的にはX線回折スペクトルのベ−スラ
インのノイズレベルまで減少したことを意味する。さら
に、上記の極大ピ−ク(メインピ−ク)以外のピ−クの
少なくとも1つの消滅、あるいは新しいピ−クの発現が
起こることが望ましい。
【0021】本発明の方法で焼成されて得られた化合物
の構造は、X線結晶回折スペクトルをもとに解析し、そ
の化学組成式は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光
分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差をもと
にして算定した。
【0022】本発明に併せて用いることができる負極活
物質としては、リチウム金属、リチウム合金(Al、A
l−Mn(米国特許第4,820,599)、Al−M
g(特開昭57−98977)、Al−Sn(特開昭6
3−6,742)、Al−In、Al−Cd(特開平1
−144,573)などやリチウムイオンまたはリチウ
ム金属を吸蔵・放出できる焼成炭素質化合物(例えば、
特開昭58−209、864、同61−214,41
7、同62−88,269、同62−216,170、
同63−13,282、同63−24,555、同63
−121,247、 同63−121,257、同63−
155,568、同63−276,873、 同63−3
14,821、特開平1−204,361、同1−22
1,859、 同1−274,360など)があげられ
る。上記リチウム金属やリチウム合金の併用目的は、リ
チウムイオンを電池内で挿入させるためのものであり、
電池反応として、リチウム金属などの溶解・析出反応を
利用するものではない。
【0023】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤は、構成された電
池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であ
れば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金
属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−1
48,554)など)粉、金属繊維あるいはポリフェニ
レン誘導体(特開昭59−20,971)などの導電性
材料を1種またはこれらの混合物として含ませることが
できる。黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ま
しい。その添加量は、特に限定されないが、1〜50重
量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。カー
ボンや黒鉛では、2〜15重量%が特に好ましい。
【0024】結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセル
ロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、
テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ス
チレンブタジエンゴム、 ポリブタジエン、フッ素ゴム、
ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴ
ム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合
物として用いられる。また、多糖類のようにリチウムと
反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例
えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその
官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加
量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好まし
く、特に2〜30重量%が好ましい。フィラーは、構成
された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料
であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0025】電解質としては、有機溶媒として、プロピ
レンカ−ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、 γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、
アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチ
ル、リン酸トリエステル(特開昭60−23,97
3)、トリメトキシメタン(特開昭61−4,17
0)、ジオキソラン誘導体(特開昭62−15,77
1、同62−22,372、同62−108,474)
、 スルホラン(特開昭62−31,959)、3−メ
チル−2−オキサゾリジノン(特開昭62−44,96
1)、プロピレンカ−ボネ−ト誘導体(特開昭62−2
90,069、同62−290,071)、テトラヒド
ロフラン誘導体(特開昭63−32,872)、ジエチ
ルエ−テル(特開昭63−62,166)、1,3−プ
ロパンサルトン(特開昭63−102,173)などの
非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種以上を混合した
溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例えば、LiCl
4 、LiBF6 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、L
iCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB
10Cl10(特開昭57−74,974)、低級脂肪族カ
ルボン酸リチウム(特開昭60−41,773)、Li
AlCl4 、LiCl、LiBr、LiI(特開昭60
−247,265)、クロロボランリチウム(特開昭6
1−165,957)、四フェニルホウ酸リチウム(特
開昭61−214,376)などの1種以上の塩から構
成されている。なかでも、プロピレンカ−ボネ−トある
いはエチレンカボートと1,2−ジメトキシエタンおよ
び/あるいはジエチルカーボネートの混合液にLiCF
3 SO3,LiClO4 、LiBF4 および/あるいは
LiPF6 を含む電解質が好ましい。これら電解質を電
池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質
や負極活物質の量や電池のサイズによって必要量用いる
ことができる。溶媒の体積比率は、特に限定されない
が、プロピレンカ−ボネ−トあるいはエチレンカボート
対1,2−ジメトキシエタンおよび/あるいはジエチル
カーボネートの混合液の場合、0.4/0.6〜0.6
/0.4(1,2−ジメトキシエタンとジエチルカーボ
ネートを両用するときの混合比率は0.4/0.6〜
0.6/0.4)が好ましい。支持電解質の濃度は、特
に限定されないが、電解液1リットル当たり0.2〜3
モルが好ましい。
【0026】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
用いることができる。固体電解質としては、無機固体電
解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質に
は、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく
知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5
2 、Li3 N−LiI−LiOH、LiSiO4 、L
iSiO4 −LiI−LiOH(特開昭49−81,8
99)、xLi3 PO 4 −( 1−x)Li4 SiO
4 (特開昭59−60,866)、Li2 SiS3(特
開昭60−501,731)、硫化リン化合物(特開昭
62−82,665)などが有効である。有機固体電解
質では、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含
むポリマ−(特開昭63−135,447)、ポリプロ
ピレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、イ
オン解離基を含むポリマ−(特開昭62−254,30
2、同62−254,303、同63−193,95
4)、イオン解離基を含むポリマ−と上記非プロトン性
電解液の混合物(米国特許第4,792,504、同
4,830,939、特開昭62−22,375、同6
2−22,376、同63−22,375、同63−2
2,776、特開平1−95,117)、リン酸エステ
ルポリマ−(特開昭61−256,573)が有効であ
る。さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する
方法もある(特開昭62−278,774)。また、無
機と有機固体電解質を併用する方法(特開昭60−1,
768)も知られている。
【0027】セパレーターとしては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜が用
いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプレピレンな
どのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいは
ポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用い
られる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として用
いられる範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μ
mが用いられる。セパレターの厚みは、一般に電池用の
範囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられ
る。
【0028】放電や充放電特性を改良する目的で、以下
で示す化合物を電解質に添加することが知られている。
例えば、ピリジン(特開昭49−108,525)、ト
リエチルフォスファイト(特開昭47−4,376)、
トリエタノ−ルアミン(特開昭52−72,425)、
環状エーテル(特開昭57−152,684)、エチレ
ンジアミン(特開昭58−87,777)、n−グライ
ム(特開昭58−87,778)、ヘキサリン酸トリア
ミド(特開昭58−87,779)、ニトロベンゼン誘
導体(特開昭58−214,281)、硫黄(特開昭5
9−8,280)、キノンイミン染料(特開昭59−6
8,184)、N−置換オキサゾリジノンとN,N’−
置換イミダゾリジノン(特開昭59−154,77
8)、エチレングリコールジアルキルエーテル(特開昭
59−205,167)、四級アンモニウム塩(特開昭
60−30,065)、ポリエチレングリコール(特開
昭60−41,773)、ピロール(特開昭60−7
9,677)、2−メトキシエタノール(特開昭60−
89,075)、三塩化アルミニウム(特開昭61−8
8,466)、導電性ポリマー電極活物質のモノマー
(特開昭61−161,673)、トリエチレンホスホ
ンアミド(特開昭61−208,758)、トリアルキ
ルホスフィン(特開昭62−80,976)、モルフォ
リン(特開昭62−80,977)、カルボニル基を持
つアリール化合物(特開昭62−86,673),ヘキ
サメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルフ
ォリン(特開昭62−217,575)、二環性の三級
アミン(特開昭62−217,578)、オイル(特開
昭62−287,580)、四級ホスホニウム塩(特開
昭63−121,268)、三級スルホニウム塩(特開
昭63−121,269)などが挙げられる。
【0029】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる(特開昭48−36,6
32)。また、高温保存に適性をもたせるために電解液
に炭酸ガスを含ませることができる(特開昭59−13
4,567)。
【0030】正極や負極の合剤には電解液あるいは電解
質を含ませることができる。例えば、前記イオン導電性
ポリマ−やニトロメタン(特開昭48−36,63
3)、電解液(特開昭57−124,870)を含ませ
る方法が知られている。また、正極活物質の表面を改質
することができる。例えば、金属酸化物の表面をエステ
ル化剤により処理(特開昭55−163,779)した
り、キレ−ト化剤で処理(特開昭55−163,78
0)、導電性高分子(特開昭58−163,188、同
59−14,274)、ポリエチレンオキサイドなど
(特開昭60−97,561)により処理することが挙
げられる。また、負極活物質の表面を改質することもで
きる。例えば、イオン導電性ポリマ−やポリアセチレン
層を設ける(特開昭58−111,276)、あるいは
LiCl(特開昭58−142,771)などにより処
理することが挙げられる。
【0031】電極活物質の集電体としては、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば
何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス
鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素などの
他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、
ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、負極に
は、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、
アルミニウム、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼
の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理
させたもの)、Al−Cd合金などが用いられる。これ
らの材料の表面を酸化することも用いられる。形状は、
フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされ
たもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体な
どが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜5
00μmのものが用いられる。
【0032】電池の形状はコイン、ボタン、シート、シ
リンダー、角などいずれにも適用できる。コインやボタ
ンでは、正極活物質や負極活物質の合剤はペレットの形
状にプレスされて用いられる。そのペレットの厚みや直
径は電池の大きさにより決められる。また、シート、シ
リンダー、角では、正極活物質や負極活物質の合剤は、
集電体の上にコート、乾燥、脱水、プレスされて用いら
れる。そのコート厚み、長さや巾は、電池の大きさによ
り決められるが、コートの厚みは、ドライ後の圧縮され
た状態で、1〜2000μmが特に好ましい。ペレット
やシートの乾燥または脱水方法としては、一般に用いら
れている方法で良いが、特に真空、赤外線、遠赤外線、
電子線、低湿風などを単独あるいは組み合わせて実施す
ることができる。温度は、80〜350℃が好ましい。
特に、100〜250℃が好ましい。ペレットやシート
のプレス法は、一般に用いられる方法で良いが、特に、
金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス
圧は、特に限定されないがきる。コインやボタンでは、
正極活物質や負極活物質の合剤はペレットの形状にプレ
スされて用いられる。そのペレットの厚みや直径は電池
の大きさにより決められる。また、シート、シリンダ
ー、角では、正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体
の上にコート、乾燥、脱水、プレスされて用いられる。
そのコート厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決め
られるが、コートの厚みは、ドライ後の圧縮された状態
で、1〜2000μmが特に好ましい。ペレットやシー
トの乾燥または脱水方法としては、一般に用いられてい
る方法で良いが、特に真空、赤外線、遠赤外線、電子
線、低湿風などを単独あるいは組み合わせて実施するこ
とができる。温度は、80〜350℃が好ましい。特
に、100〜250℃が好ましい。ペレットやシートの
プレス法は、一般に用いられる方法で良いが、特に、金
型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧
は、特に限定されないが0.2〜3t/cm2 が好まし
い。カレンダープレス法のプレス速度は、1〜50m/
minが好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好
ましい。該合剤シ−トは、巻いたり、折ったりして缶に
挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入
し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安全
弁を封口板として用いることができる。缶やリード板
は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができ
る。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデ
ン、銅、アルミニウムなどの金属またはそれらの合金が
用いられる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従
来から知られている化合物や混合物を用いることができ
る。
【0033】
【実施例】以下に電池作製の実施例をあげ、本発明をさ
らに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本
発明は実施例に限定されるものではない。 [負極活物質前駆体の合成例] Co原料としてCoO 29.0g,V原料としてV2
5 36.4g,Li原料としてLi2 CO3 14.8
gを混合し、混合粉体を130℃で乾燥した後、空気中
で電気炉中750℃で18時間焼成した。徐々に室温に
まで冷却した後、振動ミルにて2分間粉砕し、平均粒径
が6.5μmである負極活物質前駆体の粒子を得た。C
u−Kα線によるX線回折スペクトルのパタ−ンより、
粒子の組成が、JCPDS File No 38−1396に
記載されるLiCoVO4 であることを確認した。
【0034】Co以外の遷移金属もしくは典型元素の原
料として、NiO,MoO3 ,TiO2 ,Cr2 3
MnO2 ,Fe2 3 ,Nb2 5 ,WO3 ,SnO2
を用い、これらの一種以上をを上記の原料CoO,V2
5 ,Li2 CO3 と混合して焼成し、下記に示す組成
の負極活物質前駆体(平均粒径5〜7μm)を合成し
た。組成式はX線回折と誘導結合プラズマ(ICP)発
光分析をもとに決定した。 化合物1 LiNiVO4 化合物2 Li1.01Co0.6 Ni0.4 0.993.9 化合物3 Li0.01Co0.5 0.89Mo0.1 4.3 化合物4 Li1.03Co1.0 0.98Ti0.1 4.2 化合物5 Li1.03Co1.0 0.98Cr0.1 4.6 化合物6 Li1.03Co1.0 0.98Mn0.1 4.2 化合物7 Li1.03Co1.0 0.98Fe0.1 4.2 化合物8 Li1.03Co1.0 0.98Nb0.1 4.3 化合物9 Li1.03Co1.0 0.980.1 4.3 化合物10 Li1.03Co1.0 0.99Sn0.1 4.2 化合物11 Li1.03Co1.0 0.98Sb0.1 4.3
【0035】[正極活物質の合成例] Li2 Mn4 9 (あるいはLi0.89Mn1.784 )の
合成 Li2 CO3 とMnO2 をモル比がおよそ1:4となる
ように混合し、混合物を空気中で400℃で12時間加
熱して、Li2 Mn4 9 (あるいはLi0.89Mn1.78
4 )の組成をもつ本発明のスピネル型リチウムマンガ
ン酸化物を合成した。あるいは、同様の組成の酸化物
は、Li2 CO3 とMnCO3 を同様にモル比1:4と
なるように混合し、混合物を空気中で430℃で5時間
焼成することによっても、合成することができた。 Li2 Mn5 11(あるいはLi0.73Mn1.824 )の
合成 上記の化合物Li2 Mn4 9 をλ−MnO2 とをL
i:Mnの原子比がおよそ2:5となるように混合し、
空気中で250℃で24時間加熱して、本発明のスピネ
ル型リチウムマンガン酸化物Li2 Mn5 11を合成し
た。 Li4 Mn5 12(あるいはLi1.33Mn1.674 )の
合成 Li2 CO3 とλ−MnO2 をLi:Mnのモル比がお
よそ4:5となるように混合し、混合物を空気中で43
0℃で12時間加熱して、Li4 Mn5 12(あるいは
Li1.33Mn1.674 )の組成の本発明のリチウムマン
ガン酸化物を合成した。 Li0.5 Mn1.884 (あるいはLi2 Mn7.5 16
の合成 上記のLi4 Mn5 12とEMDとをモル比でおよそ
1:10の割合で混合し、空気中で400℃で40時間
加熱して、Li0.5 Mn1.884 の組成の本発明のリチ
ウムマンガン酸化物を合成した。あるいは、EMDの代
わりにCMDを用いてLi4 Mn5 12とEMDのモル
比が1:10となるように混合し、400℃で24時間
焼成することによっても化合物Li0.5 Mn1.884
得られた。 Li0.46Mn1.894 (あるいはLi4 Mn16.535
の合成 上記のLi4 Mn5 12とλ−MnO2 とをモル比でお
よそ1:12の割合で混合し、空気中で400℃で12
時間加熱して、Li0.46Mn1.894 の組成の本発明の
リチウムマンガン酸化物を合成した。
【0036】[電極合剤、コイン電池の作製と充放電試
験]負極に関しては、本発明の負極活物質前駆体を82
重量%、導電剤として鱗片状黒鉛とアセチレンブラック
をそれぞれ10重量%、2重量%、結着剤としてポリフ
ッ化ビニリデンを6重量%の混合比で混合した合剤を圧
縮成型してペレット(13mmΦ,20mg、活物質重
量として16.4mg)とし、これをドライボックス中
遠赤線ヒーターにて十分乾燥させたものを負極として用
いた。なお、比較実験用の負極には、軽金属合金として
リチウム/アルミニウム合金(13mmΦ,20m
g)、および炭素質材料としてコークス(新日鉄化学
製、LPC−U)を平均粒径10μmに粉砕して作製し
たペレット(16mg)を用いた。
【0037】正極に関しては、正極活物質を85重量
%、導電剤として鱗片状黒鉛を10重量%、結着剤とし
て、テトラフルオロエチレンを5重量%の混合比で混合
して調製した正極合剤を圧縮成形してペレット(13m
mΦ、60mg,活物質重量として51mg)を作製
し、これをドライボックス(露点−40〜−70℃の乾
燥空気)中で遠赤外線ヒーター上で脱水乾燥したものを
正極として用いた。
【0038】集電体に80μm厚のSUS316のネッ
トを用い、これをコイン電池用の正・負極缶にそれぞれ
溶接した。電解質として1mol/リットル LiPF
6 を含むエチレンカーボネートとジエチレンカーボネー
トの等容量混合液を250μリットル用い、これを微孔
性のポリプロピレンシートとポリプロピレン不織布から
なるセパレーターに含浸させた。集電体上に正極ペレッ
ト、負極活物質前駆体ペレットをセットし、正極と負極
の間にセパレーターを挿入して、ドライボックス中でか
しめ機を使って正極、負極缶を結合し、コイン型リチウ
ムイオン電池を作製した。このリチウムイオン電池を用
い、1.0mA/cm2 の定電流密度にて、充放電試験
を行なった。試験はすべて充電から開始した。充電のカ
ットオフ電圧を3.9V、放電のカットオフ電圧を1.
8Vとして、充放電性能を、4.5V−3.0V間をサ
イクルさせて評価した。なお、比較の負極としてLI/
Alを用いた場合は、充電のカットオフ電圧を4.5
V、放電のカットオフ電圧を3.0Vとして充放電性能
を評価した。
【0039】上記の合成例で示した正極活物質および負
極活物質前駆体の中から選ばれる材料を下記のように組
み合わせてリチウムイオン二次電池を作製した。 負極活物質前駆体 正極活物質 セル1(本発明) LiCoVO4 Li2 Mn4 9 セル2(本発明) LiCoVO4 Li2 Mn5 11 セル3(本発明) LiCoVO4 Li4 Mn5 12 セル4(比較例) LiCoVO4 Li0.7 Mn2 4 セル5(本発明) 化合物2 Li2 Mn4 9 セル6(本発明) 化合物3 Li2 Mn4 9 セル7(本発明) 化合物4 Li0.5 Mn1.884 セル8(本発明) 化合物5 Li2 Mn5 11 セル9(本発明) 化合物8 Li0.46Mn1.894 セル10(比較例) 化合物10 LiMnO2 負極活物質 正極活物質 セル11(比較例) Li/Al Li2 Mn4 9 セル12(比較例) コ−クス Li2 Mn4 9
【0040】負極活物質前駆体を負極活物質とするため
の操作として、上記のそれぞれの負極活物質を負極に組
み込んだ電池に、1mAの定電流にて負極の対正極開放
電圧が−3.9Vとに達するまで充電(リチウムイオン
の挿入)を実施した。充電を終了した電池は1mAもし
くは5mAの定電流で放電を行い−1.8Vで放電を終
了し、電池を充電の開始状態にセットした。この1回の
充電操作によって、負極に関して負極活物質への変換を
終了した。
【0041】それぞれの正極/負極の組み合わせによる
リチウムイオン二次電池の充放電性能を、電気容量と充
放電サイクル数および安全性の点で評価した結果を、表
1にまとめた。放電容量は1.8Vで放電を終結させる
時点までの活物質重量当たりの容量を示す。サイクル性
は、初期容量が60%に低下するまでに要した充放電回
数を意味する。また、安全性は、電池の充放電を30回
サイクルさせたあとで電池を分解し、負極表面上に起こ
った金属リチウムフィラメント(デントライト)の析出
のありなしを走査電子顕微鏡で観察して評価した。○印
は安全性で問題なしと評価された結果を意味する。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から、本発明で開示する遷移金
属酸化物の負極活物質とスピネル型リチウムマンガン複
合酸化物の正極活物質の組み合わせが作るリチウムイオ
ン非水二次電池が、リチウムを負極とする比較の電池に
対しサイクル性と安全性の点で、また炭素質材料を負極
とする電池に対して容量、サイクル性、安全性のすべて
の観点について優れた性能を有することがわかる。
【0044】
【発明の効果】遷移金属複合酸化物を負極活物質とし、
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物をを正極活物質
とし、かつ非水溶液を電解質とするリチウムイオン二次
電池を用いることにより、高い放電容量と高い充放電効
率が得られ、さらに負極活物質の性質がもたらす高い安
全性と良好なサイクル性能が示され、加えて安価なマン
ガンを用いることによるコスト上のメリットを得ること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質、負極活物質とリチウム塩を
    含む非水電解質からなる二次電池において、該負極活物
    質が、リチウムイオンの挿入により結晶の基本構造が変
    化し、変化後の結晶の基本構造が充放電の繰り返しによ
    って変化しないリチウム含有遷移金属酸化物であり、正
    極活物質が、一般式Li1+x [Mn2-y ]O4 (0≦x
    <1.7,0<y<0.7)で示されるスピネル型構造
    のリチウム含有マンガン酸化物を含むことを特徴とする
    非水電解質二次電池
  2. 【請求項2】 該負極活物質が、Lix MOj (ただ
    し、Mは、Ti,V,Mn,Co,Fe,Ni,Nb,
    Moから選ばれる少なくとも一種の遷移金属を表し、x
    は0.17〜11.25の範囲、jは1.6〜4.1の
    範囲にある)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物か
    らなる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 正極活物質が、一般式Li1-x [Mn2-
    y ]O4 (0<x<1.0,0<y<0.5)で示され
    るスピネル型構造のリチウム含有マンガン酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池
  4. 【請求項4】 正極活物質が、一般式Li1-x [Mn2-
    y ]O4 (0.2<x<1.0,0<y<0.2)で示
    されるスピネル型構造のリチウム含有マンガン酸化物を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次
    電池
  5. 【請求項5】 正極活物質が本質的に単層のスピネル型
    構造を有することを特徴とする請求項1に記載の非水電
    解質二次電池
  6. 【請求項6】 正極活物質が、λ−MnO2 ,電解的に
    調製されたMnO2、化学的に調製されたMnO2 ,お
    よびそれらの混合物から選ばれるマンガン酸化物を焼成
    することによって合成されることを特徴とする請求項1
    に記載の非水電解質二次電池
  7. 【請求項7】 非水電解質がプロピレンカーボネート、
    エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピ
    オン酸メチルから選ばれる溶媒の混合物と支持塩からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電
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CN111987290A (zh) * 2020-09-03 2020-11-24 哈尔滨工业大学 锂/锂化金属氧化物框架复合结构负极的制备方法及其应用

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