JPH07129306A - 座標読取装置 - Google Patents

座標読取装置

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JPH07129306A
JPH07129306A JP27464593A JP27464593A JPH07129306A JP H07129306 A JPH07129306 A JP H07129306A JP 27464593 A JP27464593 A JP 27464593A JP 27464593 A JP27464593 A JP 27464593A JP H07129306 A JPH07129306 A JP H07129306A
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loop
detection
excitation
coordinate
line
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JP27464593A
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Inventor
Hideki Kitajima
秀樹 北島
Shuzo Sudo
修三 須藤
Yasuyuki Mitsuoka
靖幸 光岡
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 励磁ループと検出ループとの直接的な電磁結
合による誘導信号成分を解消して、必要な座標算出精度
を確保するとともに、読取無効領域をより小さくする。 【構成】 座標指示器5と、第1および第2の励磁ルー
プ101a、101b、第1の励磁ループ101aの近
傍に敷設される第1の検出ループ111、第2の励磁ル
ープ近傍に敷設される第2の検出ループ112の各ルー
プを有する座標検出装置1によって構成される座標読取
装置において、第1の励磁ループと第1の検出ループと
の電磁結合の強さと、第2の励磁ループと第2の検出ル
ープとの電磁結合の強さが等しくなるように敷設され、
第1および第2の検出ループに誘導する誘導信号の差を
取り、励磁ループと検出ループとの直接的な電磁結合に
よる誘導信号成分を解消して、より正確な座標指示器の
位置情報を検出する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等の外部
装置へ座標情報を入力する座標読取装置に関し、特に座
標検出装置本体と座標指示器との間を信号線で接続する
必要のないワイヤレス座標読取装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図14に従来の座標読取装置の構成図を
示す。この図をもとに、まず従来の座標読取装置の座標
を検出する動作について説明する。励磁ライン903に
代表される励磁ライン群と検出ライン902に代表され
る検出ライン群を直交して敷設し、それぞれを励磁ライ
ン走査回路908および検出ライン走査回路909に接
続して順次選択するように構成する。励磁ライン走査回
路908には励磁回路915から励磁信号s906が供
給されているので、これにより選択された励磁ライン9
03は交番磁界を発生する。座標指示器906は前記励
磁信号s906の周波数に共振する共振回路907を有
するので、これを検出ライン902上に置くと、励磁ラ
イン903、共振回路907、検出ライン902の三者
間の電磁結合によって検出ライン902には誘導信号s
901が発生する。この誘導信号s901を検出ライン
走査回路909によって順次選択し、誘導信号処理回路
904に導いて振幅信号s905とし、さらにこの信号
を座標検出回路905に入力して誘導信号s901の振
幅分布から座標を算出する。ここで制御回路911は、
励磁回路915、励磁ライン走査回路908、検出ライ
ン走査回路909、座標検出回路905を制御するもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の座標
読取装置においては、座標指示器906がない場合、励
磁ライン群と検出ライン群とは直交しているので、基本
的には励磁ライン群から発生する交番磁界によって検出
ライン群に直接誘導信号s901が発生することはな
い。しかし、座標検出装置周辺部の励磁ラインまたは検
出ラインを選択した場合、励磁ライン903と検出ライ
ン902との直接的な電磁結合が発生する。その結果、
座標指示器906が存在しなくても誘導信号s901が
発生していた。
【0004】図15は、励磁ライン群と検出ライン群と
の電磁結合による誘導の様子を説明する説明図であり、
磁界を発生するqrst部から成る励磁ラインyk と、
誘導信号を検出するuvwx部から成る検出ラインxk
を1本ずつ示している。また、図中示した磁界の方向を
示す記号は、励磁ラインyk に矢印で示したqrstの
方向に電流が流れた場合のものである。図15に示した
ように距離ly1、ly2および距離lx1、lx2が十分にあ
れば、励磁ラインyk から発生する磁界があっても検出
ラインxkの鎖交磁束数の和はほぼゼロとなるため、励
磁ラインykから発生する磁界による誘導は起きない。
しかしながら、距離ly1、ly2または距離lx1、lx2の
いずれかが短いと上記鎖交磁束数がゼロとなる条件が満
たされなくなる。例えば、図15において距離ly1が短
い場合、励磁ラインyk から発生する磁界のうちqr部
より上に示した磁界(紙面上、表から裏方向の磁界)が
検出ラインxk と交鎖しなくなる部分が増えてくる。ま
た、距離lx1が短い場合、励磁ラインyk のrs部から
発生する磁界(紙面上、裏から表方向の磁界)による影
響を受ける。したがって、距離ly1、ly2または距離l
x1、lx2のいずれかが短いと上記鎖交磁束数がゼロとな
らなくなり、励磁ラインyk から発生する磁界による誘
導信号が検出ラインxk に発生する。
【0005】前述した励磁ライン群と検出ライン群との
電磁結合の強さ、すなわち相互インダクタンスは、選択
される励磁ラインykと検出ラインxkの位置関係、つま
り組合せによって決まり、この電磁結合による誘導信号
の成分が座標指示器906による誘導信号s901に加
わる。そのため、誘導信号s901の振幅を比較して求
める座標算出方法においては、座標検出装置周辺部での
座標検出精度が悪化するという問題が生じていた。
【0006】逆に考えると、従来は所定の座標検出精度
を確保するため、励磁ラインyk や検出ラインxk は、
距離ly1、ly2または距離lx1、lx2が所定の値より短
くならないように敷設し、励磁ライン群と検出ライン群
との電磁結合を小さくしていた。その結果、座標読取領
域と比較して座標検出装置本体の大きさがかなり大きく
なるという問題があった。
【0007】そこで本発明の目的は、従来のこのような
課題を解決するために、座標検出装置と座標指示器との
間を信号線で接続する必要のないワイヤレス座標読取装
置において、座標検出装置を座標読取領域よりさほど大
きくすることなく、周辺部においても正確に座標指示器
の示す位置を検出できる座標読取装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明による第1の構成では、共振回路を有する座標
指示器と、互いに距離をおいて配置され直列に接続され
た第1の励磁ループおよび第2の励磁ループと、前記第
1の励磁ループの近傍に配置された第1の検出ループ
と、前記第2の励磁ループの近傍に配置された第2の検
出ループと、前記直列接続された第1および第2の励磁
ループに接続され、該励磁ループに励磁信号を供給する
励磁回路と、前記第1および第2の検出ループに接続さ
れ、該検出ループのそれぞれに誘導した誘導信号を基に
前記座標指示器の位置情報を得る座標検出手段とによっ
て構成される座標読取装置であって、前記第1および第
2の励磁ループと前記第1および第2の検出ループは、
第1のの励磁ループと第1の検出ループ間の電磁結合と
第2の励磁ループと第2の検出ループ間の電磁結合が、
強さおよび位相共に等しくなるように配置され、前記座
標検出手段は、前記第1の検出ループに誘導した誘導信
号と前記第2の検出ループに誘導した誘導信号との差を
基に前記座標指示器の位置情報を得るように座標読取装
置を構成した。
【0009】また本発明による第2の構成では、共振回
路を有する座標指示器と、互いに距離をおいて配置され
直列に接続された第1の励磁ループおよび第2の励磁ル
ープと、前記第1の励磁ループの近傍に配置された第1
の検出ループと、前記第2の励磁ループの近傍に配置さ
れ、前記第1の検出ループに直列に接続された第2の検
出ループと、前記直列接続された第1および第2の励磁
ループに接続され、該励磁ループに励磁信号を供給する
励磁回路と、前記直列接続された第1および第2の検出
ループに接続され、該検出ループに誘導した誘導信号を
基に前記座標指示器の位置情報を得る座標検出手段とに
よって構成される座標読取装置であって、前記第1およ
び第2の励磁ループと前記第1および第2の検出ループ
は、直列接続された第1および第2の励磁ループと直列
接続された第1および第2の検出ループとの間の電磁結
合がほぼ0になるように、そのいずれか1のループのル
ープ方向が他のループのループ方向とは逆になるように
座標読取装置を構成した。
【0010】また本発明の第3の構成では、共振回路を
有する座標指示器と、互いに距離をおいて配置され直列
に接続された第1のループおよび第2のループを含む第
1のセンスラインと、前記第1のループの近傍に配置さ
れた第3のループと前記第2のループの近傍に配置さ
れ、前記第3のループに直列に接続された第4のループ
を含む第2のセンスラインと、前記第1のセンスライン
と前記第2のセンスラインとの間に接続され、前記座標
指示器の位置に応じて、前記第1または第2のセンスラ
インに発生する発振信号を増幅する増幅手段と、位相切
替信号の指示に基づき前記発振信号の位相を反転させる
位相切替手段と、前記位相切替手段に接続され、前記位
相切替手段に前記位相切替信号を出力するとともに、前
記発振信号を基に、前記座標指示器の位置情報を得る座
標検出手段とによって構成される座標読取装置であっ
て、前記第1および第2のループと前記第3および第4
のループは、直列接続された第1および第2のループと
直列接続された第3および第4のループとの間の電磁結
合がほぼ0になるように、そのいずれか1つのループの
ループ方向が他のループのループ方向とは逆になるよう
に敷設されており、前記共振回路が前記第1のセンスラ
インと前記第2のセンスラインが電磁結合したときに、
前記第1のセンスラインと前記第2のセンスラインと前
記共振回路と前記増幅手段とが正帰還ループによる発振
回路を形成するように座標読取装置を構成した。
【0011】
【作用】前述した第1の構成によれば、座標指示器が双
方の励磁ループおよび双方の検出ループから離れている
場合は、第1の励磁ループと第1の検出ループとの電磁
結合の強さ、および第2の励磁ループと第2の検出ルー
プとの電磁結合の強さが等しいため、第1の検出ループ
に発生する第1の誘導信号と第2の検出ループに発生す
る第2の誘導信号の振幅は等しくなる。そこで、座標検
出手段によって第1の誘導信号と第2の誘導信号の差算
を行うと、励磁ループと検出ループとの直接的な電磁結
合による誘導信号成分が打ち消される。
【0012】座標指示器がいずれかの励磁ループと検出
ループに接近した場合、励磁ループ、共振回路、検出ル
ープ間の電磁結合によって、座標指示器が接近した検出
ループに発生する誘導信号が増大する。ここで、座標検
出手段によって誘導信号の差算を行うと、この差には励
磁ループと検出ループとの直接的な電磁結合による誘導
信号成分は含まれず、座標指示器と励磁ループおよび検
出ループとの距離に応じた誘導信号のみが得られるの
で、座標指示器の示す位置情報を正確に検出することが
できる。
【0013】次に前述した第2の構成によれば、座標指
示器が双方の励磁ループおよび検出ループから離れてい
る場合は、第1の励磁ループと第2の励磁ループ、ある
いは前記第1の検出ループと第2の検出ループのいずれ
かを他のループとは逆方向のループとして接続している
ため、励磁ループと検出ループとの直接的な電磁結合に
よる誘導信号成分は打ち消される。
【0014】座標指示器がいずれかの励磁ループと検出
ループに接近した場合、励磁ループ、共振回路、検出ル
ープ間の電磁結合によって、検出ループには誘導信号が
発生する。この誘導信号には励磁ループ、検出ループと
の直接的な電磁結合による誘導信号成分は含まれず、座
標指示器と励磁ループおよび検出ループの距離に応じた
誘導信号のみが得られるので、座標指示器の示す位置情
報を正確に検出することができる。
【0015】また、前述した第3の構成によれば、第1
のループと第2のループ、あるいは第3のループと第4
のループのいずれかを他のループとは逆方向のループと
して接続しているため、座標指示器がいずれのループか
らも離れている場合は、第1のセンスラインと第2のセ
ンスラインとの直接的な電磁結合は打ち消される。
【0016】座標指示器が第1または第2のセンスライ
ンのいずれかのループに接近した場合は、増幅回路と第
1および第2のセンスライン、共振回路の正帰還ループ
による発振回路が形成され、発振信号が得られる。この
発振信号には第1のセンスラインと第2のセンスライン
との直接的な電磁結合による発振信号成分は含まれず、
座標指示器と各ループとの距離に応じた発振信号のみが
得られるので、座標指示器の示した位置情報を正確に検
出することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明による座標読取装置を図に基
づき説明する。図1は本発明による座標読取装置の原理
構成の一例を示す説明図である。1は座標検出装置であ
り、励磁ライン101は長さ、幅、巻き数の等しい矩形
状の左ループ101aと右ループ101bを有し、一端
は抵抗R10を介して励磁回路2に接続され、他端はグラ
ウンドに接続されている。
【0018】第1の検出ライン111、および第2の検
出ライン112は、ともに前記励磁ライン101の左右
のループ101aおよび101bと長さ、幅、巻き数の
等しい矩形状のループから形成されている。第1の検出
ライン111は一端を誘導信号処理回路3aと終端抵抗
R11に接続し、他端をグラウンドに接続する。第2の検
出ライン112は、一端を誘導信号処理回路3aと終端
抵抗R12に接続し、他端をグラウンドに接続する。な
お、終端抵抗R11とR12の抵抗値は等しい。ここで、励
磁ライン101の左ループ101aと第1の検出ライン
111との距離、および励磁ライン101の右ループ1
01bと第2の検出ライン112との距離はそれぞれ等
しくなるように平行に近接して敷設しているので、励磁
ライン101の左ループ101aと第1の検出ライン1
11との相互インダクタンスと、励磁ライン101の右
ループ101bと第2の検出ライン112との相互イン
ダクタンスは等しくなる。さらに、第1の検出ライン1
11と第2の検出ライン112との距離は十分離れてお
り、この間の相互インダクタンスは十分小さい。
【0019】誘導信号処理回路3aは、検出ライン11
1および112に表れる誘導信号s11およびs12を
入力し、それぞれを整流、平滑し、A/D変換して座標
検出回路4aに出力するように構成されている。座標検
出回路4aは誘導信号処理回路3aから出力された信号
に基づき共振回路6を含む座標指示器5が指示する座標
を算出する。
【0020】次に、上記原理構成による装置の動作につ
いて説明する。励磁ライン101は、励磁回路2から励
磁信号s10が供給され、交番磁界を発生する。まず、
座標指示器5が励磁ライン101、第1および第2の検
出ライン111、112のいずれからも離れている場
合、励磁ライン101と第1および第2の検出ライン1
11、112との電磁結合により、第1および第2の検
出ライン111、112にはそれぞれ、誘導信号s11
とs12が発生する。ここで、励磁ライン101の左ル
ープ101aと第1の検出ライン111との相互インダ
クタンスと、励磁ライン101の右ループ101bと第
2の検出ライン112との相互インダクタンスは等しい
ため、誘導信号s11とs12の振幅は等しくなる。し
たがって、この誘導信号s11とs12を誘導信号処理
回路3aでそれぞれ整流、平滑して、A/D変換を行
い、誘導信号s11とs12の振幅値を得て、座標検出
回路4aで誘導信号s11とs12の振幅値の差算を行
うと、励磁ライン101と第1および第2の検出ライン
111、112との直接的な電磁結合によって発生する
誘導信号成分は常に打ち消される。
【0021】次に、座標指示器5が励磁ライン101の
左ループ101aおよび第1の検出ライン111に接近
した場合、前述の励磁ライン101と第1の検出ライン
111との電磁結合による誘導信号成分に、励磁ライン
101と共振回路6、および共振回路6と第1の検出ラ
イン111との電磁結合による誘導信号成分が加えられ
た誘導信号s11が検出ライン111に発生する。この
座標指示器5による誘導信号成分の振幅は、励磁ライン
101の左ループ101aと座標指示器5との距離、お
よび第1の検出ライン111と座標指示器5との距離に
より増減する。なお、前述したように第1および第2の
検出ライン111と112との距離は十分離れているの
で、第2の検出ライン112に生じる誘導信号s12に
は、前述の検出ライン101との電磁結合による誘導信
号成分以外に、座標指示器5による誘導信号成分は含ま
れない。
【0022】また、座標指示器5が励磁ライン101の
右ループ101bと第2の検出ライン112に接近した
場合についても同様に、第2の検出ライン112に生じ
る誘導信号s12の振幅は、励磁ライン101の右ルー
プ101bと座標指示器5との距離、および第2の検出
ライン112と座標指示器5との距離により増減し、第
1の検出ライン111に対してに誘導信号s11を変化
させることはない。
【0023】そして、誘導信号処理回路3aで誘導信号
s11およびs12を処理し、それぞれの振幅値を得
て、さらに座標検出回路4aで誘導信号s11の振幅値
と誘導信号s12の振幅値との差算を行うことにより、
励磁ライン101と第1および第2の検出ライン11
1、112の直接的な電磁結合による誘導信号成分は打
ち消されるので、前述の差算の結果から座標指示器5の
示す位置情報のみを検出することができる。
【0024】ここで、誘導信号s11、および誘導信号
s12が小さい場合には、誘導信号処理回路3aで信号
を増幅させてもよい。なお、本発明の目的は励磁ライン
と検出ラインとの直接的な電磁結合で発生する誘導信号
成分を打ち消すことであるので、励磁ライン101の左
ループ101aと第1の検出ライン111との相互イン
ダクタンスと、励磁ライン101の右ループ101bと
第2の検出ライン112との相互インダクタンスとが等
しくなるように敷設すればよい。よって、励磁ライン1
01、第1の検出ライン111および第2の検出ライン
112の形状や巻き数等を特に限定するものではない。
【0025】また、同様の理由から励磁ライン101の
左ループ101aと第1の検出ライン111との間隔
と、励磁ライン101の右ループ101bと第2の検出
ライン112との間隔を特に限定するものではない。し
かし、第1の検出ライン111、第2の検出ライン11
2に発生する誘導信号s11やs12の振幅を大きくし
て、座標指示器5の示す位置情報の検出を容易にするた
めには、できるだけ上記間隔を小さくした方がよい。
【0026】なお、図1の構成では、励磁ライン101
の左ループ101aと右ループ101bを直列接続して
いる。しかし、左右のループ101a、101bを第1
および第2の励磁ラインとして分離して、それぞれを励
磁回路に接続しても同様の機能を有するように構成する
ことができる。
【0027】さらに、図1の構成では、誘導信号s11
とs12の振幅を誘導信号処理回路3aでデジタル値に
変換し、この振幅の差算を座標検出回路4aで行ってい
るが、本発明は、誘導信号s11、s12の振幅の差か
ら、最終的に座標指示器5の位置情報を検出できればよ
く、誘導信号s11とs12との差算を行う手段や、誘
導信号の振幅情報をデジタル値に変換する場所を限定す
るものではない。たとえば誘導信号処理回路3aを差動
増幅器として、誘導信号s12およびs13を差動増幅
させるようにしてもよい。この場合、誘導信号処理回路
3aからの出力が、すでに座標指示器5の位置情報とな
っており、前記図1の構成で説明した座標検出回路4a
は不要となる。
【0028】図2は第2の原理構成の一例として、図1
の構成に対して第1および第2の検出ライン111と1
12を逆相接続させて誘導信号s11とs12との差算
を行う構成を示す説明図である。1aは座標検出装置で
ある。励磁ライン201は、長さ、幅、巻き数の等しい
矩形状の左ループ201aと右ループ201bを有す
る。また、検出ライン211も励磁ライン201の左ル
ープ201aや右ループ201bと長さ、幅、巻き数の
等しい矩形状の左ループ211aと右ループ211bを
有する。励磁ライン201の左ループ201aと検出ラ
イン211の左ループ211aとの間隔は、励磁ライン
201の右ループ201bと検出ライン211の右ルー
プ211bとの間隔と等しくする。また検出ライン21
1の右ループ211bの巻き方は他の3つのループとは
逆方向となるようにし、左右の検出ループ211aと2
11bを逆相接続する。この結果、励磁ライン201の
左ループ201aと検出ライン211の左ループ211
aとの相互インダクタンスをMとすると、励磁ライン2
01の右ループ201bと検出ライン211の右ループ
211bとの相互インダクタンスは−Mとなる。したが
って、励磁ライン201と検出ライン211のトータル
の相互インダクタンスはゼロとなるので、励磁ライン2
01と検出ライン211との直接的な電磁結合による誘
導信号成分を打ち消すことが可能である。
【0029】誘導信号処理回路3bは、誘導信号s22
を入力し、整流、平滑し、A/D変換して出力するよう
に構成されている。座標指示器5およびそれに含まれる
共振回路6は前記第1の構成によるものと同じである。
次に、上記第2の原理構成による装置の動作について説
明する。
【0030】前述した励磁ライン201と検出ライン2
11の構成によって、座標指示器5が励磁ライン201
および検出ライン211の左右のいずれのループからも
離れている場合は、検出ライン211に誘導信号s22
は発生しない。また、座標指示器5が上記励磁ライン2
01および検出ライン211の左右のループの一方に接
近すると、検出ライン211に誘導信号s22が発生す
る。この誘導信号s22が発生する原理については、図
1の構成における動作と同様であるので説明を省略す
る。ところで、図1の構成では、第1および第2の検出
ライン111、112に発生した誘導信号s11、s1
2の振幅値の差算を座標検出回路4aで行っていたが、
この図2の構成では、検出ライン211の左ループ21
1aに発生する誘導信号と右ループ211bに発生する
誘導信号との差を誘導信号s22として、直接得ること
ができるので、この誘導信号s22を誘導信号処理回路
3bで整流、平滑し、さらにA/D変換を行えば、座標
指示器の位置情報を得ることができる。
【0031】なお、図2の構成では、検出ライン211
の左ループ211aと右ループ211bを逆相接続して
いるが、その代わりに励磁ライン201の左ループ20
1aと右ループ201bいずれかのループの巻き方を逆
方向になるようにして逆相接続する構成にしても、励磁
ライン201と検出ライン211との直接的な電磁結合
を打ち消すことができる。
【0032】以上述べてきた図1および図2の構成は、
本発明の原理構成を示したものである。したがって、一
般的な座標読取装置のように座標指示器が示す2次元方
向の座標を検出するためには、xy直交座標系のx方向
とy方向にそれぞれ複数の励磁ラインと検出ラインを敷
設して、それぞれの検出ラインに発生する誘導信号の振
幅分布から座標指示器の示す位置を算出する。以下では
説明を簡単にするため、座標指示器の示すx方向の座標
のみを検出する例について述べる。
【0033】図3は、図2の構成に基づいた座標読取装
置の第1の実施例の構成図である。励磁ライン301と
検出ライン311は、図2で示した一組の励磁ライン2
01、検出ライン211と同様に構成されている。そし
て、これらと同様な構成の励磁ラインと検出ラインをそ
れぞれ平行になるようxy直交座標系のx方向に敷設し
ている検出ライン311〜314の左ループの位置を順
にx1〜x4、前記検出ライン311〜314の右ループ
の位置を順にx5〜x8とすると、x1〜x8はそれぞれ等
間隔に並んでいる。
【0034】7は後述する励磁回路2に接続され、励磁
ライン301〜304のうち、ただ一つの励磁ラインを
順次選択する励磁ライン走査回路、8は後述する誘導信
号処理回路3cに接続され、検出ライン311〜314
のうち、選択された検出ラインを順次選択する検出ライ
ン走査回路である。2は励磁ライン301〜304を励
磁する励磁回路、3cは検出ライン走査回路8に接続さ
れ、検出ライン311〜314に発生する誘導信号s3
2を処理する誘導信号処理回路、9は一般的なCPU回
路で構成され、励磁ライン走査回路7や検出ライン走査
回路8を制御するとともに、後述する座標指示器5の示
す位置を算出する座標検出機能を有する制御回路、5は
共振回路6を有する座標指示器である。また、s31は
励磁信号、s32は誘導信号、s33は励磁ライン走査
回路7を制御する選択信号、s34は検出ライン走査回
路8を制御する選択信号、s35は誘導信号s32の振
幅情報、s36は励磁信号s31と誘導信号s32との
位相差から、座標指示器5が検出ラインのループx1〜
x8のどのループに接近しているかを示すループ位置情
報である。
【0035】図7は本実施例における誘導信号処理回路
3cの構成を示す構成図である。10は位相検出回路、
11は整流回路、12は平滑回路、13はA/D変換回
路である。誘導信号s32は、整流回路11で整流さ
れ、平滑回路12で平滑された後、A/D変換回路13
でデジタル値に変換され、誘導信号s32の振幅情報s
35として出力される。また、位相検出回路10は、励
磁信号s31と誘導信号s32との位相差を検出して、
座標指示器5が検出ライン311〜314の左ループに
接近しているときはループ位置情報s36=0を出力
し、座標指示器5が検出ライン311〜314の右ルー
プに接近しているときはループ位置情報s36=1を出
力する。
【0036】以下本実施例の動作について説明する。ま
ず、制御回路9は、後述する走査方法に基づいて、励磁
ラインの選択信号s33と検出ラインの選択信号s34
を出力し、励磁ライン走査回路7と検出ライン走査回路
8により、4組の励磁ライン301〜304と検出ライ
ン311〜314のうち、ただ一組の励磁ラインと検出
ラインを順次選択する。この励磁ライン、検出ラインを
選択した後、誘導信号s32の振幅情報s35を得る過
程については、前述した図2の動作と同様であるので、
説明を省略する。
【0037】ここで、励磁ライン301〜304と検出
ライン311〜314の走査方法について、図16に基
づいて説明する。ただし、この図16は説明のために一
例を示したものであって、走査方法をこの図16に限定
するものではない。走査番号1〜4は、励磁ライン30
1〜304と検出ライン311〜314の選択順序を示
す。まず、走査番号1から走査を開始する。この場合、
制御回路9が出力する励磁ラインの選択信号s33と検
出ラインの選択信号s34はそれぞれ1となり、励磁ラ
イン走査回路7で励磁ライン301を、検出ライン走査
回路8で検出ライン311を選択する。そして、誘導信
号s32の振幅情報s35を得る。
【0038】ところで、本実施例の構成では、例えば座
標指示器5がループx1の中心に存在する場合と、ルー
プx5 の中心に存在する場合の誘導信号s32の振幅情
報s35は等しいので、この振幅情報s35だけでは、
左右いずれのループに接近しているかを判別できない。
ところが、前述したように各検出ラインの右ループの巻
き方は左ループとは逆向きに巻かれており、座標指示器
5が検出ラインの左右いずれのループに接近しているか
によって、誘導信号s32の位相が180度異なる。そ
こで、励磁信号s31と誘導信号s32との位相差を図
7で示した位相検出回路10で検出し、座標指示器5が
検出ラインの左ループ付近に存在すれば0を、右ループ
付近に存在すれば1をループ位置情報s36として制御
回路9へ出力するようにしている。
【0039】続いて、制御回路9により走査番号2、
3、4の順に走査し、各走査において、前記ループ位置
情報s36と誘導信号s32の振幅情報s35とを検出
することにより、各ループx1〜x8に対する誘導信号s
32の振幅分布を得ることができる。
【0040】次に上記誘導信号s32の振幅情報s35
の分布から、座標指示器5の示す位置を算出する座標算
出方法について、図10から図13を用いて説明する。
ただし、この座標算出方法も、説明のために一例を示し
たものであって、この方法に限定するものではない。な
お、ここでは説明を簡単にするために、各組の励磁ライ
ンと検出ラインは、完全に重ね合わせて敷設されている
ものとする。図10は検出ライン312〜314の左ル
ープであるx2〜x4を拡大したものである。図11と図
12はそれぞれ、座標指示器5が図10で示した検出ラ
イン313の左ループx3の中心線L0上にある場合と、
検出ライン314の左ループx4から等距離にある線L1
上にある場合の、各検出ライン312〜314に発生す
る誘導信号の振幅を示す。
【0041】まず、座標指示器5が図10に示すx3の
中心線L0上に位置する場合について説明する。この場
合、検出ライン312〜314の誘導信号の振幅を比較
すると、図11に示すように検出ライン313の誘導信
号s32の振幅Vx3が最も大きくなり、座標指示器5と
ループx2との距離と座標指示器5とループx4との距離
は同じであるので、検出ライン312と314の誘導信
号の振幅Vx2、Vx4は等しくなる。
【0042】次に、座標指示器5が図10に示すループ
x3 とx4 から等距離にある線L1上に位置する場合に
ついて説明する。この場合、図12に示すように検出ラ
イン313と314の誘導信号の振幅Vx3とVx4は、座
標指示器5とループx3 との距離と、座標指示器5とル
ープx4 との距離が同じであるため等しくなる。
【0043】ここで、本出願人が提案した方式(特開昭
55−96411号)を適用し座標を算出することがで
きる。すなわち上記誘導信号の振幅を基に次式で定義さ
れる計算を行う。 Q=(Vp −Vp+1 )/(Vp −Vp-1 ) (式1) ただし、Vp+1 >Vp-1 上式において、Vx3をVp に、Vx2をVp-1 に、Vx4を
p+1 に代入し、座標指示器5をx軸に平行にL0から
L1へ移動させた場合の(式1)に示すQの変化を図1
3に示す。座標指示器5がL0の位置にある場合Q=1
となり、座標指示器5がL1の位置にある場合Q=0と
なることは前述した説明より明らかである。また、座標
指示器5がL0とL1の間に位置する場合、Qはこの位置
と1対1に対応した0<Q<1の範囲の値をとる。した
がって、このQの特性をあらかじめ実験的に求めておく
ことにより、誘導信号の振幅からQを算出し、このQか
らL0−L1間における座標指示器5の位置を求めること
ができる。したがって、まず、誘導信号s32の振幅が
最大となるループ位置を検出して、座標指示器5のx方
向(図3の横方向)の大まかな位置を特定し、さらにQ
から求められる詳細な位置とを加減算することにより、
x方向の正確な座標を求めることができる。
【0044】なお本実施例においては、前述したように
誘導信号の振幅Vx2、Vx3、Vx4には、制御回路9で選
択した励磁ラインと検出ラインに関わらず、励磁ライン
と検出ライン間の直接的な電磁結合による誘導信号の成
分がオフセットとして加わらない。したがって、誘導信
号の振幅Vx2、Vx3、Vx4から算出されるQに対して、
励磁ラインと検出ラインの電磁結合の影響はなく、課題
で述べたような座標検出装置の周辺部での精度が悪化す
るといった問題は生じない。
【0045】図4に、本発明による座標読取装置の第2
の実施例の構成図を示す。図3で示した第1の実施例で
は、301〜304を励磁ラインとして、また311〜
314を検出ラインとして、それぞれ機能を限定してい
たが、本実施例では、敷設するラインの数を削減するこ
とを目的として、1本のラインを励磁ライン走査回路
7、検出ライン走査回路8の両方に接続することによ
り、励磁用、検出用の両方に使用できるようにしたもの
である。したがって、本実施例と前述の実施例とは、敷
設するパターンと、走査方法が少し異なるだけで、基本
的な回路構成や動作は同様である。なお、本実施例で
は、上記ラインをセンスラインと呼ぶこととする。
【0046】センスライン401〜404は、それぞれ
長さ、幅、巻き数等の等しい矩形状の左右2つのループ
を有し、その一端は励磁ライン走査回路7と検出ライン
走査回路8の両方に接続され、他端はグラウンドに接続
されている。そして、偶数番目のセンスライン402、
404の右ループの巻き方を、他のループとは逆方向に
する。ここで、各センスラインの左ループを順にx1〜
x4とし、右ループを順にx5〜x8とすると、ループx1
〜x8は平行であり、かつ等間隔になるように敷設す
る。このように敷設することにより、センスライン40
1と402、または402と403というような隣接す
るセンスライン間の相互インダクタンスはゼロになる。
【0047】また、s31は励磁信号、s32は誘導信
号、s43は励磁ライン走査回路7を制御して、センス
ライン401〜404を順次選択する選択信号、s44
は検出ライン走査回路8を制御して、励磁ライン走査回
路7が選択したセンスラインに隣接するセンスラインを
順次選択する選択信号、s35は誘導信号s32の振幅
情報、s36は励磁信号s31と誘導信号s32との位
相差を検出し、座標指示器5が各センスラインの左右ど
ちらのループに接近しているかを区別するループ位置情
報である。センスライン以外の構成と動作は図3の実施
例と同様であるので、説明を省略する。
【0048】本実施例におけるセンスラインの走査方法
の一例について図17に基づいて説明する。ただし、こ
の図17は、説明のために一例を示したものであって、
走査方法をこの図17に限定するものではない。走査番
号1〜4は、センスライン401〜404の選択順序を
示す。まず、この選択順序に従って走査番号1から走査
を開始する。この場合、制御回路9aから出力される励
磁ラインの選択信号s43は1となり、検出ラインの選
択信号s44は2となる。この結果、励磁ライン走査回
路7でセンスライン401を、検出ライン走査回路8で
センスライン402を選択する。このとき、図3の実施
例と同様に、誘導信号処理回路3cで励磁信号s31と
誘導信号s32との位相差を検出して、座標指示器5が
センスライン401と402の左ループ付近、つまりル
ープx1とx2の近傍に存在すれば0を、センスライン4
01と402の右ループ付近、つまりx5とx6の近傍に
存在すれば1をループ位置情報s36として制御回路9
aへ出力する。さらに、誘導信号の振幅s32を誘導信
号処理回路3cで処理し、誘導信号s32の振幅情報s
35として、制御回路9aへ出力する。
【0049】続いて、走査番号2、3、4の順に走査
し、各走査において、前述したようにループ位置情報s
36と誘導信号s32の振幅情報s35を制御回路9a
へ出力することにより、センスラインのループx1〜x8
に対する誘導信号s32の振幅分布を得ることができ
る。
【0050】なお、座標算出方法については、図3の第
1の実施例と同様であるので説明を省略する。このよう
にして、図3の実施例の座標読取装置と同様に座標指示
器5の示した位置を検出することができる。
【0051】なお、本実施例においても、制御回路9a
により選択したセンスラインに関わらず、励磁側のセン
スラインと検出側のセンスラインとの直接的な電磁結合
はゼロであるので、誘導信号s32の振幅分布に対して
この電磁結合の影響がなく、課題で述べたような座標検
出装置の周辺部において精度が悪化するといった問題は
生じない。
【0052】図5は本発明による座標読取装置の第3の
原理構成の一例を示す図である。1dは座標検出装置、
5は共振回路6を有する座標指示器、14は増幅回路、
15は後述する位相切替回路18の出力に接続し、発振
信号s52を処理する発振信号処理回路、4cは発振信
号処理回路15の出力に接続し、発振信号s52の振幅
情報s54から座標指示器5の示す位置情報を検出する
座標検出回路である。
【0053】18は図9で示す位相切替回路で、位相切
替スイッチ19と位相反転回路20からなり、座標検出
回路4cから出力される位相切替信号s55によって、
入力される出力信号s51と出力する発振信号s52の
位相を180度反転させるかどうか切り替える機能を有
する。
【0054】図8は発振信号処理回路15の内部構成図
であり、整流回路11、平滑回路12、A/D変換回路
13によって構成されている。これらは図7に示した前
記第1および第2の構成による装置の誘導信号処理回路
3cを構成するそれぞれの回路と同じものである。第1
のセンスライン501は長さ、幅、巻き数等の等しい左
右の矩形状のループを有し、その一端は挿入抵抗R51を
介して位相切替回路18の出力に接続され、他端はグラ
ウンドに接続されている。第2のセンスライン511
は、第1のセンスラインの有する左右のループと長さ、
幅、巻き数のそれぞれ等しい左右の矩形状のループを有
し、一端は増幅回路14の入力と終端抵抗R52に接続さ
れ、他端はグラウンドに接続されている。さらに、図2
の原理構成で示した励磁ライン201、検出ライン21
1の構成と同様に第1のセンスライン501および第2
のセンスライン511は敷設されており、前述の4つの
ループのうち、第2のセンスライン511の右ループ5
11bの巻き方が他のループとは逆方向になるように敷
設されている。したがって、第1のセンスライン501
と第2のセンスライン511とのトータルの相互インダ
クタンスはゼロになる。
【0055】次に、上記第3の原理構成の動作について
説明する。まず、座標指示器5が第1および第2のセン
スラインから離れている場合、上記構成のように第1の
センスライン501、第2のセンスライン511を敷設
すると、第1と第2のセンスライン501、511間の
相互インダクタンスはゼロであり、直接的な電磁結合は
ない。したがって、増幅回路14の入出力間で帰還は発
生せず、発振しない。
【0056】次に、座標指示器5を第1のセンスライン
501の左ループ501aおよび第2のセンスライン5
11の左ループ511aに接近させた場合について説明
する。この場合、座標検出回路4cから出力される位相
切替信号s55を0とし、位相切替回路18において入
力信号s51と発振信号s52が同位相であるようにす
ると、共振回路6が第1および第2のセンスライン50
1、511と結合して、増幅回路14の出力、位相切替
スイッチ19、第1のセンスライン501、共振回路
6、第2のセンスライン511、増幅回路14の入力を
一連の経路とした第1の正帰還ループが構成され、共振
回路6の共振周波数による発振が発生する。
【0057】次に、座標指示器5が第1のセンスライン
501および第2のセンスライン511の右ループ50
1b、511bに接近した場合について説明する。この
場合、第2のセンスライン511の右ループ511bの
巻き方を逆方向にしているので、第2のセンスラインに
発生する入力信号s53の位相は、座標指示器5を第1
および第2のセンスラインの左ループに501a、51
1bに接近させた場合とは180度異なっている。した
がって、上記第1の正帰還ループの構成では発振しな
い。そこで、座標検出回路4cから出力される位相切替
信号s55を1として図9に示す位相切替スイッチ19
を切り替え、出力信号s51を位相反転回路20を経て
出力することにより、発振信号s52の位相を出力信号
s51の位相と180度異なるようにする。この操作に
より、増幅回路14の出力、位相切替スイッチ19、位
相反転回路20、第1のセンスライン501、共振回路
6、第2のセンスライン511、増幅回路14の入力を
一連の経路とした第2の正帰還ループが構成され、共振
回路6の共振周波数による発振が発生する。
【0058】以上から、位相切替装置18を適宣切り替
えることによって、座標指示器5がセンスライン50
1、511の左右いずれのループに接近しても発振条件
を成立させることができる。そして、位相切替信号s5
5と発振信号s52から座標指示器5が左右いずれのル
ープに接近しているかを判別することができる。つま
り、座標検出回路4cから出力される位相切替信号s5
5が0のときに発振すると座標指示器5が左ループに接
近していると判別し、位相切替信号s55が1のときに
発振すると右ループに接近していると判別する。
【0059】なお、正帰還ループに現れる発振信号s5
2の振幅は、座標指示器5と第1のセンスラインおよび
第2のセンスライン501、511との距離に応じて変
化し、その距離が近いほど大きな発振振幅が得られる。
そこで、図8で示すように発振信号処理回路15では、
発振信号s52を整流回路11で整流および平滑回路1
2で平滑し、A/D変換回路でデジタル化して、発振信
号s52の振幅情報s54として出力する。
【0060】以上から、発振信号s52には、第1のセ
ンスライン501と第2のセンスライン511との直接
的な電磁結合による発振信号成分を含まない。したがっ
て、この発振信号s52を発振信号処理回路15で処理
して得られる振幅情報s54から、課題で述べたような
第1のセンスライン501と第2のセンスライン511
との電磁結合の影響がなく、座標指示器5の示す位置情
報のみを検出することができる。
【0061】なお、図5の構成は、本発明の原理構成を
示したものである。したがって、一般的な座標読取装置
のように座標指示器5が示す2次元方向の位置を検出す
るためには、前記第1の原理構成を発展させたようにx
y直交座標系のx方向とy方向に複数のセンスラインを
敷設する。そしてX方向とY方向のそれぞれの複数のセ
ンスラインから、それぞれひとつのセンスラインを順次
選択し、それぞれの正帰還ループに発生する発振信号の
振幅分布からx座標、y座標を算出する。以下では簡単
のため、座標指示器5の示すx方向の座標のみを検出す
る例について述べる。
【0062】図6は、図5で示した第3の原理構成に基
づく第3の実施例の構成図である。図6において、第1
のセンスライン601〜604および第2のセンスライ
ン611〜614は、図3で示した第2の実施例におけ
る励磁ライン301〜304、検出ライン311〜31
4と同様に敷設する。なお、このことにより、第1のセ
ンスライン601と第2のセンスライン611のような
組をなすセンスライン間の相互インダクタンスはゼロと
なる。9bは制御回路、5は共振回路6を有する座標指
示器、14は増幅回路、18は増幅回路14の出力に接
続される位相切替回路、15は位相切替回路18の出力
に接続される発振信号処理回路、16は位相切替回路1
8の出力に接続され、第1のセンスライン601〜60
4を順次選択する第1の走査回路、17は増幅回路14
の入力に接続され第2のセンスライン611〜614を
順次選択する第2の走査回路、s51は増幅回路の出力
信号、s52は発振信号、s53は増幅回路の入力信
号、s64は第1のセンスライン601〜604を選択
する選択信号、s65は第2のセンスライン611〜6
14を選択する選択信号、s54は発振信号s52の振
幅情報、s55は位相切替回路18を制御する位相切替
信号である。
【0063】以下に本実施例の動作について説明する。
第1の走査回路16は制御回路9bより出力される選択
信号s64により、順次第1のセンスラインを選択す
る。このとき、第2の走査回路17は制御回路9bより
出力される選択信号s65により、第1のセンスライン
と組をなす第2のセンスラインを選択する。そして、組
をなす第1、第2のセンスラインが選択された状態で、
制御回路9bから位相切替信号s55によって位相切替
回路18を制御し、出力信号s51と発振信号s52が
同位相の場合と、180度位相が異なる場合の双方の条
件において、発振信号s52の振幅情報s54を得る。
なお、この振幅情報s54を得るまでの動作は図5で示
しているので説明を省略する。
【0064】以下、順次第1と第2のセンスラインを選
択するとともに、位相切替回路18によって回路の位相
特性を切り替えると、それぞれのループx1〜x8に対す
る発振信号s52の振幅分布を得ることができる。そし
て、この振幅を基に図3の実施例と同様に、発振信号s
52の振幅分布から制御回路9bで座標算出を行う。
【0065】以上のことから、本実施例の座標読取装置
においても、組をなす第1、第2のセンスライン間の相
互インダクタンスはゼロであるので、発振信号s52の
振幅分布に対して第1と第2のセンスライン間の直接的
な電磁結合の影響はなく、課題で述べたような座標検出
装置の周辺部で精度が悪化するといった問題は生じな
い。
【0066】なお、以上示した第1、第3の実施例にお
いては、第1ないし第3の原理構成と同様に、組をなす
励磁ラインと検出ライン、あるいはセンスライン同士の
相互インダクタンスをゼロにして、直接的な電磁結合が
生じないように敷設することが重要であり、励磁ライン
および検出ライン、またはセンスラインにおけるループ
の長さ、幅、巻き数や、励磁ラインと検出ライン間、ま
たはセンスライン間の間隔を特に限定するものではな
い。
【0067】さらに、前記第1の実施例では、励磁ライ
ンおよび検出ラインをそれぞれ4本、第2の実施例では
センスラインを4本、また、第3の実施例では第1およ
び第2のセンスラインをそれぞれ4本としたが、励磁ラ
イン、検出ラインおよびセンスラインの本数は検出でき
る範囲によって任意に増減することができる。本発明で
は検出できる範囲に制限はなく、小型のタブレットと呼
ばれる座標読取装置から大型のデジタイザと呼ばれる座
標読取装置まで広く実施可能であることは明らかであ
る。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、座
標算出の誤差の原因となる励磁ラインと検出ライン間、
あるいはセンスライン間の直接的な電磁結合により発生
する誘導信号成分、または発振信号成分を原理的のゼロ
にすることができるため、座標検出装置をさほど大きく
することなく周辺部においても精度よく座標算出を行な
う座標読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による座標読取装置の第1の原理構成を
示した構成図である。
【図2】本発明による座標読取装置の第2の原理構成を
示した構成図である。
【図3】本発明による座標読取装置の第1の実施例を示
した構成図である。
【図4】本発明による座標読取装置の第2の実施例を示
した構成図である。
【図5】本発明による座標読取装置の第3の原理構成を
示した構成図である。
【図6】本発明による座標読取装置の第3の実施例を示
した構成図である。
【図7】本発明による座標読取装置の第1および第2の
実施例における誘導信号処理回路の構成図である。
【図8】本発明による座標読取装置の第3の実施例にお
ける発振信号処理回路の構成図である。
【図9】本発明による座標読取装置の第3の実施例にお
ける位相切替回路の構成図である。
【図10】本発明による座標読取装置の座標算出方法を
説明するための説明図である。
【図11】図10のL0上に座標指示器がある場合の誘
導信号の振幅を示す図である。
【図12】図10のL1上に座標指示器がある場合の誘
導信号の振幅を示す図である。
【図13】座標指示器が図10のL0からL1の間にある
場合のQの変化を示す図である。
【図14】従来の座標読取装置の構成図である。
【図15】従来の座標読取装置において、励磁ライン群
と検出ライン群間の電磁結合による誘導の様子を説明す
る説明図である。
【図16】本発明による座標読取装置の第2の実施例に
おける励磁ライン、検出ラインの走査方法の一例を示す
説明図である。
【図17】本発明による座標読取装置の第1の実施例に
おけるセンスラインの走査方法の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e 座標検出装置 2 励磁回路 3、3a、3b、3c 誘導信号処理回路 4、4a、4b 座標検出回路 5 座標指示器 6 共振回路 7 励磁ライン走査回路 8 検出ライン走査回路 9、9a、9b 制御回路 10 位相検出回路 11 整流回路 12 平滑回路 13 A/D変換回路 14 増幅回路 15 発振信号処理回路 16 第1の走査回路 17 第2の走査回路 18 位相切替回路 19 位相切替スイッチ 20 位相反転回路 101、201、301〜304、 励磁ライン 111、211、311〜314、 検出ライン 401〜404 センスライン 501、601〜604 第1のセンスライン 511、611〜614 第2のセンスライン 902 検出ライン 903 励磁ライン 904 誘導信号処理回路 905 座標検出回路 906 座標指示器 907 共振回路 908 励磁ライン走査回路 909 検出ライン走査回路 911 制御回路 915 励磁回路 R10、R11、R12、R21、R22、R23、R51、R52 抵
抗 s10、s21、s31 励磁信号 s11、s12、s22、s32 誘導信号 s33、s34、s43、s44 選択信号 s35 振幅情報 s36 ループ位置情報 s51 出力信号 s52 発振信号 s53 入力信号 s64、s65 センスライン選択信号 s54 発振信号の振幅情報 s55 位相切替信号 s901 誘導信号 s905 振幅信号 s906 励磁信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振回路を有する座標指示器と、 互いに距離をおいて配置され直列に接続された第1の励
    磁ループおよび第2の励磁ループと、 前記第1の励磁ループの近傍に配置された第1の検出ル
    ープと、 前記第2の励磁ループの近傍に配置された第2の検出ル
    ープと、 前記直列接続された第1および第2の励磁ループに接続
    され、該励磁ループに励磁信号を供給する励磁回路と、 前記第1および第2の検出ループに接続され、該検出ル
    ープに誘導した誘導信号を基に前記座標指示器の位置情
    報を得る座標検出手段とによって構成される座標読取装
    置であって、 前記第1および第2の励磁ループと前記第1および第2
    の検出ループは、第1のの励磁ループと第1の検出ルー
    プ間の電磁結合と第2の励磁ループと第2の検出ループ
    間の電磁結合が、強さおよび位相共に等しくなるように
    配置され、 前記座標検出手段は、前記第1の検出ループに誘導した
    誘導信号と前記第2の検出ループに誘導した誘導信号と
    の差を基に前記座標指示器の位置情報を得るように構成
    したことを特徴とする座標読取装置。
  2. 【請求項2】 共振回路を有する座標指示器と、 互いに距離をおいて配置され直列に接続された第1の励
    磁ループおよび第2の励磁ループと、 前記第1の励磁ループの近傍に配置された第1の検出ル
    ープと、 前記第2の励磁ループの近傍に配置され、前記第1の検
    出ループに直列に接続された第2の検出ループと、 前記直列接続された第1および第2の励磁ループに接続
    され、該励磁ループに励磁信号を供給する励磁回路と、 前記直列接続された第1および第2の検出ループに接続
    され、該検出ループに誘導した誘導信号を基に前記座標
    指示器の位置情報を得る座標検出手段とによって構成さ
    れる座標読取装置であって、 前記第1および第2の励磁ループと前記第1および第2
    の検出ループは、直列接続された第1および第2の励磁
    ループと直列接続された第1および第2の検出ループと
    の間の電磁結合がほぼ0になるように、そのいずれか1
    つのループのループ方向が他のループのループ方向とは
    逆になるように敷設されていることを特徴とする座標読
    取装置。
  3. 【請求項3】 共振回路を有する座標指示器と、 互いに距離をおいて配置され直列に接続された第1のル
    ープおよび第2のループを含む第1のセンスラインと、 前記第1のループの近傍に配置された第3のループと前
    記第2のループの近傍に配置され、前記第3のループに
    直列に接続された第4のループを含む第2のセンスライ
    ンと、 前記第1のセンスラインと前記第2のセンスラインとの
    間に接続され、前記座標指示器の位置に応じて、前記第
    1または第2のセンスラインに発生する発振信号を増幅
    する増幅手段と、 位相切替信号の指示に基づき前記発振信号の位相を反転
    させる位相切替手段と、 前記位相切替手段に接続され、前記位相切替手段に前記
    位相切替信号を出力するとともに、前記発振信号を基
    に、前記座標指示器の位置情報を得る座標検出手段とに
    よって構成される座標読取装置であって、 前記第1および第2のループと前記第3および第4のル
    ープは、直列接続された第1および第2のループと直列
    接続された第3および第4のループとの間の電磁結合が
    ほぼ0になるように、そのいずれか1つのループのルー
    プ方向が他のループのループ方向とは逆になるように敷
    設されており、 前記共振回路が前記第1のセンスラインと前記第2のセ
    ンスラインが電磁結合したときに、前記第1のセンスラ
    インと前記第2のセンスラインと前記共振回路と前記増
    幅手段とが正帰還ループによる発振回路を形成するよう
    に構成したことを特徴とする座標読取装置。
JP27464593A 1993-11-02 1993-11-02 座標読取装置 Pending JPH07129306A (ja)

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