JPH07128907A - トナー用ポリエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂およびその製造方法

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JPH07128907A
JPH07128907A JP5274446A JP27444693A JPH07128907A JP H07128907 A JPH07128907 A JP H07128907A JP 5274446 A JP5274446 A JP 5274446A JP 27444693 A JP27444693 A JP 27444693A JP H07128907 A JPH07128907 A JP H07128907A
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伸司 久保
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Yoichi Nagai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス転移温度が比較的高く、タフネスや耐
刷性に優れるとともに、定着性にも優れトナー用ポリエ
ステル樹脂およびその製造方法を提供する。 【構成】 テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成
分と、芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールを含むジオ
ール成分と、全酸成分に対して1〜13モル%の3官能
以上の多価カルボン酸からなるポリエステル樹脂であっ
て、タフネス指標が250〜600μmであり、ガラス
転移温度Tgが65〜85℃であるトナー用ポリエステ
ル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の
現像に用いられる乾式トナーとして有用なポリエステル
樹脂およびその製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは、ガラス転移温度が比較的高く、タフネスや耐刷
性に優れるとともに、定着性にも優れ、特に非磁性一成
分系の現像システムに有効なトナー用ポリエステル樹脂
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像を、予め摩擦により帯電させたトナーによ
って現像したのちに定着される。磁気潜像の場合には、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
したのちに定着される。定着は、光導電性感光体または
静電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融
着させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後
に、これを転写シート上に融着させることによって行わ
れる。トナー像の融着は、溶剤蒸気との接触、加圧もし
くは加熱によって行われる。加熱方式には、電気オーブ
ンによる無接触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱
方式があるが、最近では定着工程の高速化が要求されて
きており後者の方式が使用されている。
【0003】乾式現像方式において使用されるトナーと
しては、一成分系トナーと二成分系トナーとがある。二
成分系トナーは、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤および
その他の必要な添加剤を溶融混練して十分に分散させた
後、粗粉砕、微粉砕して所定の粒度範囲に分級して製造
される。一方、一成分系トナーは、上記の二成分系トナ
ーの各成分の他に磁性粉を添加して同様に製造される。
【0004】トナーにおいて、使用される樹脂はトナー
配合物の主成分であるため、トナーに要求される性能の
大部分を樹脂によって支配される。このため、トナー用
樹脂としては、トナー製造における溶融混練工程での着
色剤の分散性、粉砕工程での良好な粉砕性が要求される
とともに、トナーの使用においては定着性、オフセット
性、ブロッキング性、電気的性質等の多様な性能が要求
される。一般に、トナーの製造に使用される樹脂として
は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル系樹脂等が使用され、圧着加熱定着方式に
おいては主にスチレンと(メタ)アクリル酸エステルの
共重合体が使用されている。しかし、複写機の高速化に
ともない、トナーの低温定着性が強く要求されることか
ら、とり低温で定着が可能であることや、定着されたト
ナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れていること等の点から、
ポリエステル樹脂が注目されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複写機
が高性能化されるにつれて、トナー用樹脂に要求される
性能も複写機の形式によって変化してきている。例え
ば、ポータブルタイプの小型複写機は、一般家庭用とし
て使用されることが多く、印字率が比較的に低く、トナ
ーが複写機内の現像工程で帯電のために混合される時間
が長くなり、その間にトナーが過粉砕され粒径が小さく
なり、それに伴って帯電量も変化し、複写物の濃度が変
化するという問題点を有している。
【0006】また、このような家庭用複写機や普通紙フ
ァクシミリ等においては、機械の小型化やメンテナンス
フリーを目的として、非磁性一成分系の現像システムが
使用されてきており、現像ロールにトナーを強く擦り付
けることによって帯電させる方式が採用されている。こ
のような現像システムにおいては、帯電工程でのトナー
の現像ロールへの擦り付けによって、トナーが粉砕され
易く帯電量が極めて容易に変化しやすいとともに、擦り
付けの際に発生する摩擦熱によって、トナーが融着した
りロールへ付着したりする等の問題点を有している。
【0007】このような現像システムに、トナー用樹脂
としてスチレン系の樹脂を使用した場合には、樹脂の強
度不足のためにトナーが極めて容易に粉砕され、複写物
にカブリが発生したり、濃度が低下する等の問題を引き
起こすものであった。これらの問題を解決する目的で、
樹脂を超高分子化したり、ガラス転移温度を上げたりす
る等の手法も行われているが、樹脂の粘度増加が激しく
定着性が低下するものであった。また、スチレン系樹脂
よりも強度を有するポリエステル樹脂をトナー用樹脂と
して使用されてはいるが、一般に架橋剤を高濃度で使用
することによって定着性を上げたものが多く、また数平
均分子量も小さく、上記のような現像システムにおいて
は十分な強度を有するものではなかった。従って、定着
性をある程度維持したままで、高いタフネスを有し、ガ
ラス転移温度の比較的高い、非磁性一成分系トナーを使
用する現像システムに適したトナー用樹脂が熱望されて
いる。
【0008】本発明の目的は、ガラス転移温度が比較的
高く、高いタフネスを有するとともに、定着性にも優れ
た非磁性一成分系トナーに適したトナー用樹脂およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
発明であるトナー用ポリエステル樹脂は、テレフタル酸
を主成分とするジカルボン酸成分と、芳香族ジオールお
よび脂肪族ジオールを含むジオール成分と、全酸成分に
対して1〜13モル%の3官能以上の多価カルボン酸か
らなるポリエステル樹脂であって、タフネス指標が25
0〜600μmであり、ガラス転移温度Tgが65〜8
5℃であることを特徴とするものである。また、本発明
の第2発明であるトナ用ポリエステル樹脂の製造方法
は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、
芳香族ジジオールおよび脂肪族ジオールを含むジオール
成分と、全酸成分に対して1〜13モル%の3官能以上
の多価カルボン酸とを酸成分に対するジオール成分のモ
ル比が1.3以下となるように混合し、250℃以上の
温度でエステル化反応あるいはエステル交換反応を行っ
た後に重合反応を行い、タフネス指標が250〜600
μm、ガラス転移温度Tgが65〜85℃であるポリエ
ステル樹脂を製造することを特徴とするものである。
【0010】本発明において、ポリエステル樹脂を構成
するジカルボン酸成分としては、ポリエステル樹脂のタ
フネスおよびガラス転移温度を向上させる観点から、テ
レフタル酸を主成分とするものであり、好ましくはテレ
フタル酸の含有量が全酸成分に対して60モル%以上、
さらに好ましくは70モル%以上の範囲である。原料と
しては、テレフタル酸またはその低級アルキルエステル
が使用でき、低級アルキルエステルとしては、テレフタ
ル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ
ブチル等が挙げられるが、ハンドリング性等の生産性の
点からテレフタル酸ジメチルが好ましい。
【0011】テレフタル酸以外のジカルボン酸成分とし
て、本発明において使用できるジカルボン酸としては、
イソフタル酸、フタル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀
酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、これらの低級
アルキルエステルや酸無水物等が挙げられる。中でも、
イソフタル酸は反応性を高める効果を有しており、ポリ
エステル樹脂の製造時の反応性を高める目的で適宜使用
することができる。また、脂肪族ジカルボン酸は、トナ
ーの定着性や耐ブロッキング性を向上させる目的で適宜
使用することができる。
【0012】本発明において、ポリエステル樹脂を構成
するジオール成分としては、芳香族ジオールおよび脂肪
族ジオールを含有するものであり、芳香族ジオールとし
ては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポ
リオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−
(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これら芳
香族ジオールは、ポリエステル樹脂のタフネルおよびガ
ラス転移温度を上げる効果があり、トナーの耐刷性や耐
ブロッキング性を良好とするが、反面、多量に含有させ
ると反応性が低下して高分子量のポリエステル樹脂が得
られない。また、脂肪族ジオールとしては、エチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジ
オール等が挙げられる。これら脂肪族ジオールは、反応
性を高めるとともに、ポリエステル樹脂に可撓性を付与
し、トナーの定着性を向上させるが、反面、多量に使用
するとガラス転移温度が低下しすぎ、トナーの耐ブロッ
キング性に悪影響を与えたり、現像工程内の融着熱でト
ナーが軟化する。このため、芳香族ジオールと脂肪族ジ
オールの含有量は、目的に応じて変化させることによっ
て所望のトナー用樹脂を得ることが可能となるが、タフ
ネスを向上させるためには反応性を高めて高分子量のポ
リエステル樹脂とすることが好ましく、またトナーの定
着性を維持する目的で、脂肪族ジオールを全酸成分に対
して20〜80モル%とすることが好ましく、さらに好
ましくは30〜80モル%の範囲である。
【0013】また、本発明においては、ポリエステル樹
脂に適度の架橋構造を付与して、タフネスを向上させる
目的で、3官能以上の多価カルボン酸を含有する。本発
明で使用される3官能以上の多価カルボン酸としては、
トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロ
ヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8
−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸無水物および
低級アルキルエステル等が挙げられる。これら3官能以
上の多価カルボン酸は、単独または2種以上を併用して
使用することができる。これら3官能以上の多価カルボ
ン酸は、、ポリエステル樹脂のタフネスおよびガラス転
移温度を高める効果があるとともに、ポリエステル樹脂
に凝集性を付与してトナーの耐オフセット性を高める効
果があり、その含有量は複写機の定着温度や複写スピー
ドに合わせて適宜選択すればよいが、タフネスの観点か
ら1〜13モル%であり、好ましくは1〜10モル%の
範囲である。これは、3官能以上の多価カルボン酸が1
モル%未満では、ポリエステル樹脂に十分な架橋構造を
付与することができないためである。逆に、13モル%
を超えると三次元構造部分の反応が優先的になり、ポリ
エステル樹脂に十分なタフネスを付与することが困難と
なるためである。すなわち、ポリエステル樹脂の主鎖が
十分に成長しない内に、ゲル化点に到達して編み目構造
を形成し始めるため、ポリエステル樹脂の溶融粘度自体
は高くなるがタフネスは低下する。なお、3官能以上の
多価カルボン酸の含有量は、3官能の多価カルボン酸を
使用する場合には、全酸成分に対して5〜13モル%が
好ましく、さらに好ましくは5〜10モル%の範囲であ
り、4官能以上の多価カルボン酸を使用する場合には、
全酸成分に対して1〜10モル%が好ましく、さらに好
ましくは1〜7モル%の範囲である。
【0014】さらに、上記のような成分から構成された
ポリエステル樹脂としては、タフネス指標が250〜6
00μmであり、ガラス転移温度が65〜85℃である
ことが必要である。これは、ポリエステル樹脂のタフネ
ス指標が250μm未満であると、トナーの耐刷性が不
十分となり、トナーが粉砕されやすくなり帯電量が変化
して、安定した画像濃度の複写物を得ることができない
ためであり、600μmを超えると定着性が低下するた
めであり、好ましくは350〜550μmの範囲であ
り、さらに好ましくは400〜550μmの範囲であ
る。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が65℃
未満では、トナーの帯電工程でトナーが融着して画像が
悪化したり、現像ロールにトナーが付着してロールを汚
染したりするためであり、逆に85℃を超えるとトナー
の定着性が低下するためであり、好ましくは68〜80
℃の範囲である。
【0015】このようにポリエステル樹脂にタフネスを
付与させるためには、ポリエステル樹脂に適度の架橋構
造を持たせ、テレフタル酸や芳香族ジオール等の構造的
に強固な単量体を使用し構造的に強化するとともに、脂
肪族ジオール等の反応性の高い単量体を使用して数平均
分子量を大きくすることによって、タフネス指標が25
0〜600μmという高いタフネスを付与することがで
きるものである。
【0016】なお、本発明において、ポリエステル樹脂
のタフネス指標の測定方法は以下の手順による。
【0017】 ポリエステル樹脂の粉砕物を篩にか
け、粒径1400〜2000μmの試料を50g用意す
る。
【0018】 の分級試料30gを、ブレンダー
(トリオサイエンス社製TR−BL)を用いて微粉砕す
る。(目盛り10:30秒) の操作で得られた微粉砕物を20g秤量する。
【0019】 質量を秤量した篩を、篩の目の粗さが
100μm、150μm、250μm、500μm、7
10μmおよび1000μmの順序で下から組み立て、
で秤量した微粉砕物を篩の最上部に入れ、ミクロ形電
磁振動篩器(筒井理科器機社製M−2型)で30分間振
動する。(目盛り10) 各篩上の樹脂を秤量する。
【0020】 各篩上の樹脂重量を片対数グラフにプ
ロット(各メッシュパスの累積重量)し、そのグラフか
ら全体の50重量%がパスする粒径を読みとる。
【0021】また、本発明のポリエステル樹脂として
は、ポリエステル樹脂にタフネスを付与する観点から、
数平均分子量が3000〜30000であることが好ま
しく、さらに好ましくは3500〜20000の範囲で
ある。これは、数平均分子量が3000未満であるとポ
リエステル樹脂のタフネスが低下して、トナーとしての
耐刷性が低下する傾向にあるためであり、逆に3000
0を超えるとトナーの定着性が低下する傾向にあるため
である。
【0022】本発明のポリエステル樹脂の製造に際して
は、まず、前記モノマーを反応釜に仕込み、加熱昇温す
ることにより、エステル化反応またはエステル交換反応
を行う。この時、必要に応じて、硫酸、チタンブトキサ
イド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マグネシウム、酢
酸マンガン等のエステル化反応またはエステル交換反応
に通常使用される触媒を使用することができる。次い
で、常法に従って、エステル化反応またはエステル交換
反応で生じた水またはアルコールを除去する。これに引
き続いて、150mmHg以下の減圧下でジオール成分
を留出除去させながら常法に従って重合を行う。
【0023】また、ポリエステル樹脂のタフネスおよび
ガラス転移温度を高めるためには、前記モノマーを反応
釜に仕込む際に、酸成分に対するジオール成分との仕込
みモル比を1.3以下とすることが好ましく、さらに好
ましくは1.2以下の範囲である。さらに、ジオール成
分のモル比を小さくするとポリエステルの反応性が低下
するため、エステル化反応あるいはエステル交換反応を
250℃以上の高温で、2〜4Kg/cm2 G程度の高
圧力下で行うことが好ましく、さらに好ましく260〜
275℃の範囲である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれによって限定されるものではない。実施例に
おいて、ガラス転移温度は、走査示差熱量計(島津製作
所社製)にて昇温速度5℃/分で測定した時、ガラス転
移温度近傍での吸熱カーブの接線とベースラインとの接
点の温度とした。数平均分子量は、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラム(東ソー社製)にて700を用いて測
定した値である。組成分析は、ポリエステル樹脂をヒド
ラジンで加水分解して液体クロマトグラフィーで定量し
た。
【0025】非オフセット定着温度とは、テスト機を用
いてテスト画像を形成した後、初期濃度ID=1.0±
0.3の部分を、スピードを100mm/秒、ニップ幅
を8.0mmに設定した温度可変式の定着ローラーに通
して、定着部分のテープ剥離を行い濃度減衰率を求め、
定着ローラーの温度を上げていった時、定着率が90%
を超えた温度を最低定着温度とした。
【0026】耐刷性は、非磁性一成分系の現像システム
の複写機を用いて、5000枚複写後の画像変化を目視
にて、以下の基準に従って評価した。 A:最初から最後まで鮮明な画像が得られた。 B:途中で画像濃度に若干の変化があったが、全体を通
して良好と判断された。 C:1000枚の複写までは良好な画像が得られた。 D:初期の時点で画像品位が低下した。
【0027】実施例1〜7 ジカルボン酸成分、ジオール成分および3官能以上の多
価カルボン酸成分を表1に示した仕込み組成で、蒸留塔
を有する反応容器に投入した。次いで、触媒としてジブ
チルスズオキシドを全酸成分に対して0.08重量%添
加して、反応容器の内温を260℃、撹拌回転数を20
0rpmに保ち、4Kg/cm2 Gの加圧下で3時間エ
ステル化反応を行った。その後、反応系内を30分かけ
て1.0mmHgまで減圧し、内温を240℃に保ち、
エチレングリコールを留出させながら縮合反応を2時間
行い淡黄色の透明ポリエステル樹脂を得た。得られたポ
リエステル樹脂の組成分析結果を表2に示した。また、
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度、タフネス
指標および数平均分子量を測定し、その結果を表2に示
した。
【0028】得られたポリエステル樹脂94重量部、カ
ーボンブラック(三菱化成工業社製#40)5重量部お
よび荷電制御剤(オリエント化学工業社製ボントロンS
−34)1重量部を、ヘンシェルミキサーを用いてプレ
ミキシングし、インターナルミキサーを用いて170
℃、65rpmの条件で溶融混練を行った。次いで、こ
の溶融混練物を室温まで冷却した後、ハンマーミルで粗
粉砕し、ジットミルを用いて粒径22μm以下までに粉
砕した。その後、風力分級機を用いて粒径5〜22μm
に分級してトナーを得た。得られたトナーを、温度可変
式の非磁性一成分系のプリンターを用いて定着試験およ
び耐刷性の試験を行い、その結果を表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2に示した通り、本発明であるポリエス
テル樹脂をトナー用樹脂として使用したトナーは、いず
れも定着性および耐刷性に優れ、非磁性一成分系の現像
システムに適したものであった。
【0032】比較例1〜9 ジカルボン酸成分、ジオール成分および3官能以上の多
価カルボン酸成分を表3に示した仕込み組成で使用した
以外は、実施例1と同じ方法でポリエステル樹脂を得
た。得られたポリエステル樹脂の組成分析結果を表4に
示した。また、得られたポリエステル樹脂のガラス転移
温度、タフネス指標および数平均分子量を測定し、その
結果を表4に示した。得られたポリエステル樹脂を実施
例1と同じ方法でトナーを得た。得られたトナーを、温
度可変式の非磁性一成分系のプリンターを用いて定着試
験および耐刷性の試験を行い、その結果を表4に示し
た。 比較例10 エステル化反応を240℃で20時間行った以外は実施
例1と同じ方法で重合を行ったが、十分なエステル化反
応物が得られなかった。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】表4に示した通り、比較例1のトナーで
は、ガラス転移温度が低いため耐刷性に劣るものであっ
た。比較例2では、芳香族ジオールの使用量が多いため
に、反応性に劣り十分な架橋構造を有するポリマーを得
ることができず、タフネスが低く耐刷性に劣るものであ
った。比較例3では、タフネスが高すぎ定着性が極端に
低下した。比較例4では、十分な架橋構造を付与でき
ず、タフネスが低く耐刷性に劣るものであった。比較例
5では、3官能以上の多価カルボン酸の使用量が多く、
タフネスが低下し耐刷性に劣るものであった。比較例6
では、ジオール成分の仕込みモル比が高いため、ガラス
転移温度およびタフネスの低下が著しく耐刷性に劣るも
のであった。比較例7では、芳香族ジオールの使用量が
多いために、反応性に劣り十分な架橋構造を有するポリ
マーを得ることができず、タフネスが低く耐刷性に劣る
ものであった。比較例8では、芳香族ジオールの使用量
が少いために、ガラス転移温度が低く耐刷性に劣るもの
えだった。比較例9では、テレフタル酸の使用量が少な
いために、ガラス転移温度が低く耐刷性に劣るものであ
った。
【0036】表1〜4において、組成として示した記号
は以下の通りである。
【0037】TPA : テレフタル酸 IPA : イソフタル酸 ADA : アジピン酸 TMA : トリメリット酸 PMA : ピロメリット酸 EG : エチレングリコール BPP : ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン BPE : ポリオキシエチレン(2.3)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 水添BP: 水素添加ビスフェノールA
【0038】
【発明の効果】本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、
ガラス転移温度が比較的高く、タフネスや耐刷性に優れ
るとともに、定着性にも優れ、特に非磁性一成分系の現
像システムに有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 陽一 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸を主成分とするジカルボン
    酸成分と、芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールを含む
    ジオール成分と、全酸成分に対して1〜13モル%の3
    官能以上の多価カルボン酸からなるポリエステル樹脂で
    あって、タフネス指標が250〜600μmであり、ガ
    ラス転移温度Tgが65〜85℃であることを特徴とす
    るトナー用ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂の数平均分子量が30
    00〜30000であることを特徴とする請求項1記載
    のトナー用ポリエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 脂肪族ジオールの含有量が全酸成分に対
    して20〜80モル%であることを特徴とする請求項1
    記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  4. 【請求項4】 テレフタル酸を主成分とするジカルボン
    酸成分と、芳香族ジジオールおよび脂肪族ジオールを含
    むジオール成分と、全酸成分に対して1〜13モル%の
    3官能以上の多価カルボン酸とを酸成分に対するジオー
    ル成分のモル比が1.3以下となるように混合し、25
    0℃以上の温度でエステル化反応あるいはエステル交換
    反応を行った後に重合反応を行い、タフネス指標が25
    0〜600μm、ガラス転移温度Tgが65〜85℃で
    あるポリエステル樹脂を製造することを特徴とするトナ
    ー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂の数平均分子量が30
    00〜30000であることを特徴とする請求項4記載
    のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪族ジオールの含有量が全酸成分に対
    して20〜80モル%であることを特徴とする請求項4
    記載のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
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