JPH07127824A

JPH07127824A - 焼却炉

Info

Publication number: JPH07127824A
Application number: JP30123493A
Authority: JP
Inventors: Keitaro Mori; 桂太郎森
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1993-11-04
Filing date: 1993-11-04
Publication date: 1995-05-16

Abstract

(57)【要約】【目的】ロストル上におけるごみなどの焼却物の燃焼
部分と未燃焼部分とを簡易に入れ替えれるようにし、同
時に灰も積極的にふるい落とすことができるようにす
る。【構成】焼却物の投入口１７を備え、かつ焼却物を収
容可能にして筒状に形成されてなる筒状ロストル４をそ
の軸線Ｇを横方向にし、投入口１７側の端部１６を上方
として若干傾斜させ、軸線Ｇの回りに回動自在にして焼
却炉本体２内部に配置する。筒状ロストル４に回動操作
用の杆体１８を設ける。また、筒状ロストルの４内周面
４ｂに沿って羽根１９を螺旋状に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭や工場で発生する
ごみ等を焼却処理するのに使用される焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の焼却炉として代表的なものに図
４に示すものがある。この焼却炉４１は、箱形を成す本
体４２の内部の下部にロストル（火格子）４３を略水平
にして備え、上部の空間を燃焼室４４とし、下部を空気
取り入れ空間（灰溜め部）４５としてなるものである。
使用に際しては、蓋４６を開けて投入口４７からごみな
どの焼却物（以下、焼却物という）を投入し、下方の空
気取り入れ口（灰掻き出し口）４８から空気を取り入
れ、ロストル４３上で燃焼させるとともに、煙突４９か
ら排煙するようにしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記焼却炉
４１で焼却する場合には、ロストル４３が平面的に形成
されているために、焼却物Ｓが多くなると、空気取り入
れ口４８から流入した空気がそれに遮断される形となる
ので燃焼室４４に入りにくくなり、燃焼効率の低下を招
いてしまう。具体的には、燃焼が進んでロストル４３上
に灰が溜まり、その上にさらに焼却物Ｓがあると、空気
取り入れ口４８から流入する空気は、その灰で燃焼室４
４内への流入が遮られ、或いは、焼却物Ｓに接し難くな
り、したがって焼却物Ｓの上層部は比較的よく燃えるも
のの、ロストル４３上に接する部位の中、下層部にある
焼却物は燃え難くく、燃え残り（未燃焼部分）となって
しまう。このために、こうした焼却においては、ある時
間ごとに未燃焼部分と燃焼部（灰）分をひっくり返すな
どの作業が必要となる。

【０００４】しかし、上記従来の構造の焼却炉４１で
は、この作業は、投入口４７から金属棒（図示せず）な
どを突っ込んで焼却物Ｓを浮かせるようにしたり、適
宜、その上下を入れ替えるなどしなければならず、面倒
な作業を余儀なくされていた。しかも、こうした金属棒
による作業では、未燃焼部分と燃焼部分とを入れ替える
ことは容易でない。また灰は、ロストル４３の格子ない
し網目の間でブロッキングを起こしたりしがちのため、
燃焼過程ではロストル４３から下に円滑に落下せず、こ
れが空気の燃焼室４４への流入を妨げ、燃焼効率の低下
を招いてしまう。このため、燃焼過程や焼却後には、ロ
ストル４３上の灰を積極的に落とさないといけないが、
その効率的な手段はなく、金属棒などでもって、掻き混
ぜたり叩いたりして振動を与えることなどを要し、非常
に面倒な作業を余儀なくされていたといった問題があっ
た。

【０００５】さらに、焼却物Ｓに混在している金属部材
などの不燃物を取り除く場合には、投入口４７からの距
離があるために、その作業は非常に面倒であるといった
問題もあった。本発明は、このような従来の焼却炉のも
つ問題点を解消すべく案出したものであって、ロストル
上における焼却物の燃焼部分と未燃焼部分とを簡易に入
れ替えることができると同時に、ロストル上の灰も積極
的にふるい落とすことができるようにした焼却炉を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る焼却炉は、焼却物を収容可能にして筒
状に形成されてなる筒状ロストルを、その軸線を横方向
にし、かつその軸線の回りに回動可能にして焼却炉本体
内部に配置し、しかも前記筒状ロストルに回動手段を設
けてなるものである。この場合、前記筒状ロストルに
は、その内周面に沿って螺旋状をなす螺旋体を設けると
よい。また、これらの焼却炉において前記筒状ロストル
には、その端部に焼却物の投入口を設け、かつその軸線
をこの投入口側の端部を上方として傾斜させるとよい。
そしてこの傾斜は、適宜の角度とすればよいが、水平に
対して、好ましくは０〜３０度程度以内で、とくに好ま
しくは３〜１５度程度以内とするとよい。

【０００７】

【作用】上記の構成により、焼却物を焼却している過程
で、回動手段を操作（作動）し、筒状ロストルを回動
（回転）させると、焼却物は筒状ロストルの回動につれ
て回動して筒状ロストル内部で上方に移動しようとする
が、ある角度回動すると、回動前に筒状ロストル内周面
と反対（軸線）側である上部に位置しており、よく燃焼
していた部分が下方にずり落ち、筒状ロストル内周面側
にあった未燃焼部がその上に落ちるようにして位置が入
れ替わる。かくして、回動手段を操作することにより、
筒状ロストル内部で燃えやすい部位にあったためによく
燃えた燃焼部と燃えにくい部位にあったために燃え残り
を多く含む未燃焼部の位置を簡易に替えることができ
る。そして、筒状ロストルが回動されると、内部にある
灰は振動を受けるので落下することとなり、焼却物に空
気が効率的に接することになる。このように本発明に係
る焼却炉は、簡易な操作で筒状ロストル内部における焼
却物の未燃焼部と燃焼部との位置を入れ替えることがで
き、しかも同時に灰を落下させることができるので、効
率のよい焼却を行うことができる。

【０００８】この場合、筒状ロストルが、その内周面に
沿って螺旋状をなす螺旋体を備えてなるものであるとき
は、筒状ロストルの回動による螺旋体の動きにしたがっ
て焼却物が移動する。これにより、未燃焼部と燃焼部と
の位置が積極的に入れ替わる。その上に、螺旋体により
筒状ロストルの回動方向を左又は右に切り替えること
で、その軸線方向の手前又は後に焼却物を移動させるこ
とができる。したがって、焼却物の軸線方向における位
置を調整できるので平均的な燃焼を図ることができる。
また、焼却物を筒状ロストル端部の投入口側に移動する
ように回動させることで、不燃物などを手元つまりその
投入口側に引き寄せることができる。したがって、その
除去作業の容易化が図れる。そして、筒状ロストルをそ
の軸線が投入口側を上方とするようにして傾斜させたも
のでは、焼却物の投入が容易となるし、焼却量の増大化
が図れる。

【０００９】

【実施例】本発明に係る焼却炉を具体化した実施例につ
いて図１ないし図３を参照して詳細に説明する。図中１
は、本例の焼却炉であって、その本体２は鉄板でもって
略直方体の箱状に形成され、その下部を空気取り入れ空
間（灰溜め部）３とし、内部略中央に次記する円筒状を
なす筒状ロストル４を備えるように形成され、上部には
煙突５を備えている。すなわち、本体２は、図１右側の
前壁面６の下部が空気取り入れ口７とされ、同前壁面６
の略中央は、筒状ロストル４を遊嵌状に本体２内に挿入
するように、内径が筒状ロストル４の外径より若干大き
い円形で開口され、筒状ロストル４の外周面４ａを受入
れる受入れ穴８とされている。ただし、この受入れ穴８
の下縁には、受入れ穴８の半径よりやや大きい半径でも
って、円弧状に形成された受け部９が突出形成され、後
述するように、筒状ロストル４を回動自在に支持するよ
うになっている。本例では、受け部９の中央と両縁寄り
の上部に回転自在のローラー１０が３個配置される一
方、後壁面（図１左）１１の略中央には、外方にボス１
２が突出形成されるとともに、その中央に円形を成す軸
受け孔１３が貫設されている。ただし、この軸受け孔１
３と前壁面６の受入れ穴８との中心を結ぶ軸線Ｇが、本
例では、受入れ穴８側を上として約５度の傾斜がつくよ
うに設定されている。

【００１０】さて、本例の筒状ロストル４は、周面が格
子状（網目状）に形成された円筒状をなし、一端（面）
部（図１左側）１４は閉塞され、その中央に円柱状の軸
体１５をその軸線Ｇに沿い外方向に突出形成し、本体２
の軸受け孔１３に回動可能に差し込まれている。一方、
他端（面）部（図１右側）１６は、略中央が円形に開口
されて焼却物の投入口１７とされ、この他端部１６寄り
の外周面４ａが格子状とされることなく壁面とされ、本
体２の受け部９に配置されたローラー１０にて支持され
ている。ただし本例では筒状ロストル４は、その軸線Ｇ
を前記投入口１７側を上方として、５度程度傾斜が付け
られた状態の下で横方向に配置され、その軸線Ｇ回りに
回動可能とされている。そして、筒状ロストル４の回動
手段として、本例では投入口１７の外縁寄り部位に、軸
線Ｇにほぼ平行の杆体（ハンドル）１８が突出形成され
ており、これを把持して軸線Ｇ回りに回動することで筒
状ロストル４を回動させるように構成されている。そし
て本例では、筒状ロストル４内部には、その内周面４ｂ
に沿って螺旋状をなす螺旋体として所定幅の板でもって
形成された羽根１９を備えている。ただし、羽根１９は
同一幅（直径の約１／５）で半径方向に略直角に突出し
ている。なお投入口１７には開閉自在の蓋２０が蝶着さ
れている。

【００１１】しかして、この筒状ロストル４は、一端部
１４の軸体１５を本体２の軸受け孔１３に挿通させるよ
うにして、前壁面６の受入れ穴８から挿入して軸受け孔
１３にて軸支させ、他端部１６をその外周面４ａでもっ
てローラー１０にて支持させている。

【００１２】このように形成された本例の焼却炉１は、
次のようにして使用される。すなわち、筒状ロストル４
の他端部１６に形成された投入口１７から焼却物を投
入、着火し蓋２０を閉じる。この燃焼過程では、当初は
従来の焼却炉と同様に下部の空気取り入れ口７から空気
が取り入れられ、燃焼にともない煙突５から排煙が行わ
れる。一方、適宜の燃焼時間を経て、上層部（軸線Ｇよ
り部位）の焼却物Ｓが燃焼してしまったことを見計ら
い、杆体１８を操作して筒状ロストル４を回動させる。
こうすると、筒状ロストル４の回転と共に焼却物Ｓも回
転するが、ある角度回転して焼却物Ｓが筒状ロストル４
の横（側）方に位置するようになると、重力によりずり
落ちるようになり、上下が入れ代わる。このとき、灰Ｈ
は筒状ロストル４の格子間（網目）を通って、空気取り
入れ空間（灰溜め部）３の底部に落下する。そしてこの
状態の下で、ある時間燃焼させ、しかる後、同様に杆体
１８を操作して筒状ロストル４を回動させる。そして、
適宜の時間おきにこの操作を繰り返すことにより、焼却
物Ｓは平均的にむらなく燃焼させることができる。

【００１３】なお、本例では、筒状ロストル４内部に螺
旋状の羽根１９を備えているために、焼却物Ｓは、筒状
ロストル４の回動にしたがい羽根１９にガイドないし支
持されるように回動する。また、筒状ロストル４内でそ
の軸線Ｇ方向に沿って、前進或いは後進するので、軸線
Ｇ方向における焼却物Ｓの偏在があっても簡易にその平
均化を図ることができる。したがって、燃焼の円滑化な
いし効率化が図られる。しかも、不燃物が混在している
ときは、所定の方向に筒状ロストル４を回転させること
により、それを羽根１９にガイドさせて、手前の投入口
１７側へ持ち来ることができるので容易に除去できる。

【００１４】上記実施例では、筒状ロストルを円筒状の
ものとしたが、これに限定されるものではない。軸線の
回りに回動可能で焼却炉本体内部に配置されるものであ
りれば、多角形或いは楕円の筒状であってもよい。ま
た、筒状ロストルを回動、操作させる回動手段を杆体と
したが、この回動手段は筒状ロストルを回動（回転）さ
せることのできる手段であればよい。また、本例では、
回動手段を手動操作によるものとしたが、モーターなど
の回転駆動源より歯車装置やチェーン伝導装置など適宜
の伝動手段（機構）を介して回転させるようにしてもよ
い。焼却炉が大きい場合に好適である。

【００１５】また、上記実施例では、筒状ロストルは、
その内周面に沿って螺旋状をなす螺旋体として、所定幅
をもつ羽根によるものを例示したが、これに代えて凸条
を螺旋状に形成してもよい。なお、螺旋体を設ける場合
におけるそのリード角は、適宜に設定すればよい。ま
た、羽根の幅（凸条の高さ）は、螺旋体の作用を高める
ためにはなるべく大きくするとよい。さらに本発明にお
いては、筒状ロストルの内周面に、図示はしないが、多
数の突起（又は凹凸）を、ランダム配置で或いは所定の
ピッチ間隔の下で、内方（軸線方向）に向けて突出状に
形成しておいてもよい。こうしておくことでも焼却物を
その回転にしたがって積極的に回動させることができ、
焼却物の位置を入れ替え易くするからである。さらに、
羽根（又は凸条）は螺旋状とすることなく、複数を軸線
に沿って平行に直線状にして、適宜の等ピッチ（軸線方
向から見て等角度間隔）又は不等ピッチで設けておいて
もよい。なお、この羽根（又は凸条）は、螺旋状あるい
は非螺旋状に拘らず、連続していなくともよい。本発明
においては、筒状ロストルの傾斜はなくともよいが、こ
のような傾斜が付与されていると、焼却物の収容量（焼
却量）を大きくとることができる。とくに筒状ロストル
の回動時に、投入口から焼却物が溢れ出てしまうといっ
たことの防止に有効である。なお、筒状ロストルをなす
網目ないし格子は適宜の大きさや配列とすればよい。

【００１６】

【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
に係る焼却炉においては、筒状ロストルを回動させるこ
とで、筒状ロストル内部における焼却物の未燃焼部と燃
焼部との位置を入れ替えることができ、しかも同時に、
灰を落下させることができるので、効率のよい焼却を行
うことができる。この場合、筒状ロストルが、その内周
面に沿って螺旋状をなす螺旋体を備えてなるものである
ときは、その螺旋体の動きにしたがって焼却物が積極的
に移動すなわち位置を変えることができるため、未燃焼
部と燃焼部との位置の入れ替えを効率的に行うことがで
きる。その上に、螺旋体により筒状ロストルの回動方向
を変えることで、その軸線方向で焼却物の位置を調整で
きるので平均的な燃焼が図れる。さらに、筒状ロストル
の端部に焼却物の投入口を備え、かつ軸線をこの投入口
側の端部を上方として傾斜させてなるものにおいては、
不燃物などを投入口側に引き寄せることができるので、
その除去作業が容易となる。さらに、焼却物の投入が容
易となるし、焼却量の増大化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る焼却炉を具体化した実施例の概略
構成を示す破断側面図である。

【図２】図１における正面図である。

【図３】図１における筒状ロストルの軸線に略垂直な破
断面図である。

【図４】従来の焼却炉の概略構成を示す縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

１焼却炉２焼却炉本体４筒状ロストル４ｂ筒状ロストルの内周面１７投入口１８杆体（回動手段）１９羽根（螺旋体）Ｇ軸線Ｓ焼却物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】焼却物を収容可能にして筒状に形成され
てなる筒状ロストルを、その軸線を横方向にし、かつそ
の軸線の回りに回動可能にして焼却炉本体内部に配置
し、しかも前記筒状ロストルに回動手段を設けてなるこ
とを特徴とする焼却炉。
【請求項２】前記筒状ロストルは、その内周面に沿っ
て螺旋状をなす螺旋体を備えていることを特徴とする請
求項１記載の焼却炉。
【請求項３】前記筒状ロストルは、その端部に焼却物
の投入口を備え、かつその軸線をこの投入口側の端部を
上方として傾斜させていることを特徴とする請求項１又
は２記載の焼却炉。