JPH07126577A - 光学式貼合せディスクの製造方法及び装置 - Google Patents

光学式貼合せディスクの製造方法及び装置

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JPH07126577A
JPH07126577A JP27146493A JP27146493A JPH07126577A JP H07126577 A JPH07126577 A JP H07126577A JP 27146493 A JP27146493 A JP 27146493A JP 27146493 A JP27146493 A JP 27146493A JP H07126577 A JPH07126577 A JP H07126577A
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disk
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敬二 柿沼
Kazuo Okawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の使用に対しても接着力の低下による
剥離や変形、アルミニウム反射膜の腐蝕、情報ピットの
破損の恐れがなく、耐久性に優れ、かつ圧着装置を汚損
しない光学式貼合せディスクの製造方法及び装置の提供
を目的とする。 【構成】 ディスク部材A,A′を予じめ加熱する工程
Iと、ディスク部材A,A′の貼合せ面上に液状のカチ
オン重合性エネルギー線硬化樹脂を塗布する工程II、デ
ィスク部材上に塗布された樹脂膜に紫外線等のエネルギ
ー線を照射する工程III と、エネルギー線の照射によ
り、該樹脂膜のカチオン重合が開始された後、ディスク
部材の端部に光を一定量照射し、その部分の樹脂膜のみ
を硬化させる工程IVと、樹脂膜の他の部位がカチオン重
合を継続し、粘着性を示し、固化する以前に、2枚のデ
ィスク部材を重ね合せ、圧着・固化させる工程Vとを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学式に情報を記録し
てある円盤を2枚貼合せるか、或いは1枚と他の同形の
円盤を貼合せて、記録されている情報を再生できるよう
にした光学式貼合せディスクの製造方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の光学式貼合せ情報ディス
クの一例である光学式ビデオディスクは、透明なプラス
チックスの円盤の一面に、情報となるピットを形成し、
その面に真空成膜法によりアルミニウム等の金属反射膜
を形成し、更にその反射膜上に保護膜や接着剤を塗布し
て、これら部材2枚を圧着して貼合せ、1枚の光学式ビ
デオディスクとしたものである。この様な光学式貼合せ
ビデオディスクにおいては、従来その接着剤として加熱
溶融型のホットメルトと称するものを用いるのが一般的
であり、これをロールコーターによりディスク面に塗布
して貼合せていた。
【0003】このホットメルト接着剤では、一旦溶融さ
れた接着剤がディスク部材の熱容量により貼合せ以前に
冷却固化するため良好な接着ができにくく、また接着さ
れたディスクをホットメルト接着剤の軟化点近くの高温
な熱的雰囲気に曝すと、ホットメルト接着剤が再度溶融
状態となるため、このような可能性のある場合には使用
することができない。
【0004】また、ホットメルト接着剤のロールコータ
ー塗布の場合には、その接着剤中に金属などの硬い異物
が混入すると、この異物は、ロールコーターに使用して
いる金属ロールとディスクの間に入り込み、金属ロール
はこの硬い異物を押す方向でディスクを圧着するため、
ディスク上に形成されている情報ピットを破損させてし
まうという問題がある。
【0005】また、この様な硬い異物が金属ロールを傷
つけることもあり、傷ついた金属ロールは、その傷の突
起部により塗布するディスク部材の情報ピットを次々と
破損させてしまうという問題も有る。
【0006】さらに、塗布したホットメルト接着剤膜に
はロールコーター塗布特有のロール目と称される無数の
塗布目模様が凹凸として形成され、塗布厚さにムラを発
生させてしまう。このような塗布厚さにムラのあるディ
スクを2枚重ねて接着すると、無数の塗布目模様の凹凸
により、接着剤層間に無数の空隙が生じ、これが接着後
に気泡となって残留するため、接着力が低下するばかり
でなく、ディスクの周囲温度変化によって、長時間の使
用中に剥離や変形を生じる恐れもあり、尚かつ、接着剤
の空隙を縫って空気や水分が拡散してしまうことがあ
る。この拡散した物質、特に水分は、接着剤の加水分解
をもたらし、剥離の恐れを増大させると共に、拡散した
水分はアルミニウム反射膜を侵す問題もある。
【0007】この様なホットメルト接着剤の欠点を回避
するものとして、ラジカル重合系のエネルギー線硬化型
の接着剤も開発されたが、この種の接着剤はエネルギー
線が照射されている時だけ硬化が進行するという性質が
あり、光学式ビデオディスクの様に接着剤の層がアルミ
ニウム等の反射膜に挟まれている場合、この反射膜を透
過させてエネルギー線を接着剤に照射することは期待で
きないため、2枚のディスクを圧着した後に硬化・接着
することはできない。また、エネルギー線を照射して硬
化させしまったこの種の樹脂には、その表面の粘着性が
殆どなくなっているため、硬化後にディスクを重ね合せ
て圧着しても、接着させることはできない。
【0008】一方、特開昭57−149373号公報で
は、カチオン重合性エネルギー線硬化樹脂を、このよう
な光学式(貼合せ)ビデオディスクの接着剤として用い
ることが可能ものとして提案されている。カチオン重合
性エネルギー線硬化樹脂は、エネルギー線照射によっ
て、光重合開始剤が瞬間的に分解してルイス酸を生成
し、このルイス酸がカチオン重合性の官能基を攻撃し、
重合が開始する。
【0009】この重合はエネルギー線の照射が中断して
も継続するので、エネルギー線照射で重合を開始させ、
重合が進行中で該接着剤の膜面に粘着性が残存している
間に、重ね合せ、圧着する。重ね合せ後も、該接着剤は
重合を継続し、硬化・固化するため、ラジカル重合系の
エネルギー線硬化型樹脂では不可能であったエネルギー
線不透過性の被接着物の接着が可能となる。この様にし
て硬化・固化した該接着剤層は頑強な膜となり、ホット
メルト接着剤に比べ、極めて強固な接着が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このカチオン
重合性エネルギー線硬化樹脂を用いた場合、ディスクに
塗布された該樹脂膜は、紫外線のようなエネルギー線を
照射して、該膜面に粘着性が残存する様な状態において
も、かなりの流動性を示す。このため、該樹脂をディス
クの中心孔から外周までの全面に塗布した場合には、デ
ィスクの重ね合せ及び、圧着の際に、これらディスクの
外周端及び内周端に押し出され、はみ出し、ディスクの
内・外周端面部ばかりか、ディスクを圧着させる圧着プ
レート表面にも付着してしまう。この様にして圧着プレ
ート表面に付着した該樹脂は、そこで貼合せるディスク
の表面に圧着プレートから次々に転写され、ディスクの
外観を著しく損ない、不良品とするばかりか、これらの
装置にも支障を来す。
【0011】本発明は、従来の光学式貼合せディスクの
製造方法における前述の課題を解決し、長期間の使用に
対しても接着力の低下による剥離や変形、アルミニウム
反射膜の腐蝕、情報ピットの破損の恐れがなく、耐久性
に優れ、かつ圧着装置を汚損しない光学式貼合せディス
クの製造方法及び装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学式に情報
を記録してあるディスク部材同士、或いは情報を記録し
てあるディスク部材と他の同形状のディスク部材とを情
報の再生が可能なように貼合せる光学式貼合せディスク
の製造方法において、ディスク部材の貼合せ面上に液状
のカチオン重合性エネルギー線硬化樹脂を塗布する工程
と、ディスク部材上に塗布された樹脂膜に紫外線等のエ
ネルギー線を照射する工程と、エネルギー線の照射によ
り、該樹脂膜のカチオン重合が開始された後、ディスク
部材の端部に赤外線あるいは赤外線を含む光を一定量照
射し、照射した部分の樹脂膜のみを硬化させる工程と、
該樹脂膜の他の部位がカチオン重合を継続し、粘着性を
示し、固化する以前に、2枚のディスク部材を重ね合
せ、圧着・固化させる工程とを備えたことを特徴として
いる。
【0013】なお、2枚のディスク部材の圧着・固化さ
せる工程を真空雰囲気下で行うことが好ましく、また貼
合せるべく2枚のディスク部材を予め一定の温度に加熱
するとともに、以後液状のカチオン重合性エネルギー線
硬化樹脂の塗布からディスク部材の重ね合せて圧着・固
化を行う工程においても、ディスク部材の温度低下がな
いように必要に応じて各工程で加熱又は保温処理を行う
ようにしてもよい。
【0014】また、本発明は、光学式に情報を記録して
あるディスク部材同士、或いは情報を記録してあるディ
スク部材と他の同形状のディスク部材とを情報の再生が
可能なように貼合せる光学式貼合せディスクの製造装置
において、ディスク部材の貼合せ面上に液状のカチオン
重合性エネルギー線硬化樹脂を塗布する手段と、ディス
ク部材上に塗布された樹脂膜に紫外線等のエネルギー線
を照射する手段と、エネルギー線の照射により、該樹脂
膜のカチオン重合が開始された後、ディスク部材の端部
に赤外線あるいは赤外線を含む光を一定量照射し、照射
した部分の樹脂膜のみを硬化させる手段と、該樹脂膜の
他の部位がカチオン重合を継続し、粘着性を示し、固化
する以前に、2枚のディスク部材を重ね合せ、圧着・固
化させる手段とを備えたことを特徴としている。
【0015】なお、2枚のディスク部材の圧着・固化を
真空雰囲気下で行うための手段を設けてもよく、また貼
合せるべく2枚のディスクを予め一定の温度に加熱させ
る手段と、以後液状のカチオン重合性エネルギー線硬化
樹脂の塗布からディスク部材の重ね合せて圧着・固化を
行う工程においても、ディスク部材の温度低下がないよ
うに必要に応じて各工程で加熱又は保温処理を行う手段
を設けてもよい。
【0016】
【作用】本発明の光学式貼合せディスクの製造は、接着
剤としてカチオン重合性エネルギー線硬化樹脂を用いる
ことにより、エネルギー線を照射する工程で、カチオン
重合が開始され、エネルギー線を照射することが不可能
な状態でも、該接着剤は更に重合を継続し、硬化・固化
することにより、接着力の極めて優れた貼合せとなり、
この接着層への空気や水分の侵入も少なく、圧着を真空
雰囲気中で行うことにより、これらの侵入は更に少なく
なり、その結果、アルミニウム反射膜の腐蝕や長期間に
渡っての剥離等の恐れがなくなる。
【0017】また、この様な液状の樹脂を塗布してディ
スクの貼合せを行う場合、本発明によれば、ディスクの
圧着に先立って、ディスクの端部に塗布された樹脂膜に
赤外線または赤外線を含む光を照射して硬化させるの
で、ディスクの圧着の際の樹脂のディスクの内・外周端
からのはみ出しを完全に防止することができる。このた
め、圧着装置への樹脂の付着がなくなり、これによる支
障も完全に排除することが可能となった。
【0018】また、2枚のディスクの圧着の際に、真空
雰囲気下で重ね合せて圧着すれば、接着剤層に残留する
気泡を皆無にすることができ、更に、2枚のディスクを
一定の温度に予め加熱した後、前記貼合せのカチオン重
合性エネルギー硬化樹脂の塗布から圧着・固化までの一
連の工程に供給し、かつ、ディスクの温度が低下しない
よう部材の加熱・保温する手段を備えれば、接着剤の硬
化・固化の速度を均一にすることも、また、その速度の
調節をすることも容易に可能となる。
【0019】
【実施例】本発明の製造方法及び製造装置の実施の一例
を図1〜図4に示す光学式ビデオディスクの製造方法及
び製造装置について説明する。図1に於いてA,A′は
ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート
(PMMA)等のプラスチックスの一面の情報ピットに
アルミニウム反射膜が形成されたものであり、ディスク
AとディスクA′とを貼合せ1枚の光学式ビデオディス
クとするものである。
【0020】本実施例において、ディスクA及びA′
は、射出成形された直後に枚葉式のスパッタ装置によっ
てアルミニウム反射膜が形成される、所謂、インライン
で製造されたものであり、この様にしてアルミニウム反
射膜の形成されたディスクA及びA′の温度は、スパッ
タ装置から取出された直後では、約50℃であった。こ
のディスクA及びディスクA′は図1のステーションI
からステーションIVまで全く同じ工程であるので本実施
例では、ステーションIVまで、ディスクAについて説明
する。
【0021】まず、この反射膜の形成されたディスクA
が、本実施例の製造装置のステーションIの回転テーブ
ル1上の供給部に、接着剤を塗布する面が上になるよ
う、供給される。この回転テーブル1上にはディスクが
複数枚セットできるポジションがあり、図2に示すよう
に、回転テーブル1はモータ12により、ディスクをセ
ットするポジションで分割された角度で1ピッチずつ回
転する。セットされたディスクは回転アーム2によって
ステーションIIに移載されるまでの間に、ここでほぼ6
0℃に予め加熱される。なお、回転アーム2は、ステー
ションIIからステーションIII へのディスクAの移載も
おこなう。
【0022】なお、実施例のステーションIIからステー
ションVまでの工程は、直径300mmのディスクで
は、時間にして12秒の作業であり、この間ディスクA
は後述するステーションIII で、紫外線が照射され、こ
こで若干加熱されるため、ディスクAの温度低下は極僅
かであるので、この実施例では、ステーションIIからス
テーションVまでに、加熱・保温の手段を特に設けなか
った。
【0023】次に、回転アーム2によりステーションII
に移載されディスクAは、ここで、接着剤をスピンコー
ティングにより塗布される。接着剤には、カチオン重合
性エネルギー線硬化樹脂で、例えば、旭電化工業株式会
社製のKRX−726−1(粘度0.17Pa・s)を
用いて、3000rpmの回転速度で3秒間回転振切り
すると、15μmのほぼ均一な膜厚となる。これを直径
300mm(中心孔径φ35mm)のディスクAのφ5
0〜300mmの範囲に塗布する。
【0024】その後、ステーションIIで接着剤の塗布さ
れたディスクAは、接着剤の塗布されていないφ35m
m〜φ50mmの範囲を回転アーム2によって吸着さ
れ、120°回転して、ステーションIII に移載され、
エネルギー線として、紫外線が照射される。
【0025】このステーションIII で、紫外線の照射を
特開平4−283434号公報記載の装置により行う
と、該接着剤(KRX−726−1)を直径300mm
のディスクAのφ50mm〜300mmの範囲に塗布し
た場合、紫外線照射ランプの出力が120W/cmを使
用した時、ディスクの回転速度:θ=50rpm,移動
距離:125mm(半径r=150〜25mmの範囲に
紫外線照射)、移動初速:v0 =30mm/s、移動速
度変化勾配20mm/s2 の条件で紫外線照射すると、
該接着剤膜はルイス酸を生成して重合が開始され、照射
後30秒までは、半液状のままで、後述するステーショ
ンVでディスクAとディスクA′を圧着した際に、十分
な強度をもつ粘着性を示し、照射後約1分で半固体化
し、貼合せたディスクAA′は実用強度に達し、約24
時間後に、完全硬化した。
【0026】この様な条件で接着剤に紫外線が照射され
たディスクAは、接着剤の塗布されてないφ35mm〜
φ50mmの範囲を吸着する移載アーム4によって、ス
テーションIVに移載され、ここで図3に示すようにXe
ショートアーク灯より発生した赤外線を含むビーム光
を、ディスクAの接着剤の塗布された面の外周端面及び
外周端から0.7mmのエリアにだけ照射し、この部分
の接着剤の硬化を行う。
【0027】図3に示すように、ディスクAの上に形成
された接着剤21の状態は、図に示すように、ディスク
Aの外周端面にまで回り込んでいる。このディスクA
を、接着剤が塗布されていない面のφ50mm〜75m
mの範囲を吸着して回転させる回転機構22により回転
させる。ディスクAのビームの照射されるべく外周部分
にガイドローラー23を接触させて、ディスクAの外周
部分が水平位置よりも接着剤塗布面側に若干反るように
し、ディスクAのビームの照射されるべく外周部分が、
常に同じ位置となるようにしている。
【0028】ビームは光源24(例えば、株式会社オー
ク製作所製;型式HMW−623/ランプ:Xeショー
トアークADX300等)から発生され、スリット25
によって適当なビーム径に絞られ、シャッター26を開
状態にして、ディスクAに照射される。そのビームの光
路に半透鏡(ビームスプリッタ)27を配置して、ビー
ムの一部を受光器28に当てて、その光量を測定し、そ
の値を演算処理装置29で処理し、ディスクAの外周部
分の接着剤の硬化に必要なビームの照射量となるよう
に、機構22の回転速度をリアルタイムに制御する。
【0029】所定の照射の終了出力をシャッター26に
与えて、シャッター26を閉状態にし、ディスクAには
常に一定量だけ照射される。この赤外線あるいは赤外線
とこれに近い波長を含む光によってその部分だけ局部的
に加熱され、前工程の紫外線照射によって開始された重
合の速度を著しく早め、瞬時に硬化する。
【0030】この時、ビームの照射された部分以外の部
位は、未だ半液状で、粘着性を示し、硬化していない。
また、ステーションIIで接着剤の塗布がディスクの中心
孔(φ35mm)よりも7mm以上も外側であり、後述
するステーションVでディスクAとディスクA′を圧着
した際の該接着剤のディスクの中心孔方向へのはみ出し
は、完全に防止できるため、ディスク内周部に対するこ
の様なビームの照射による接着剤の硬化の必要はない。
【0031】この様にして、ステーションIVで外周部及
び外周端面のみ接着剤が硬化されたディスクAは、次
に、接着剤の塗布されてないφ35mm〜φ50mmの
範囲を吸着する回転アーム6によってステーションIVに
接着剤が上面になるように移載される。また一方、ディ
スクAと貼合せるディスクA′は、回転アーム6と同じ
回転軸に配置された回転アーム6′がディスクA′の接
着剤が塗布されていない面を吸着して、回転アーム6′
のディスク吸着部をディスクA′の接着剤が塗布された
面が下面になるよう反転させ、ステーションIVに移載す
る。
【0032】このステーションIVに移載されたディスク
A及びA′は、図4に示した真空槽内で貼合される。回
転アーム6及び回転アーム6′で移載されたディスクA
及びA′は、ガイドピン31により2枚のディスクの中
心孔(図示せず)が偏心なく重ね合せ、500Pa.ま
で排気した後、ディスク全面に平均して2kg/cm 2
の押圧力で圧着される。
【0033】ここでは上真空室33が下降し下真空室3
5と接合し、真空ポンプ36とその排気バルブ37によ
って、真空槽となる。その槽の中で真空に排気された
後、圧着プレート38を下降させ、プレート32に挟ま
れた2枚のディスクAA′を圧着する。圧着が終了する
と圧着プレート38は再び上昇し、排気バルブ37を閉
じ真空排気を止め、リークバルブ39を開けて層内を大
気圧に戻し、上真空室33が上昇する。この様にして貼
合せたディスクAA′を移動アーム8によって取り出
し、貼合せ作業が完了する。
【0034】また、前記の接着に際し、各ステーション
でディスクの冷却が無視できない場合には、各ステーシ
ョンに加熱・保温手段を配置し、ディスクA,A′及び
AA′を加熱すれば、接着剤の硬化・固化の速度を均一
にすることも、また、その速度調節を容易にすることも
できる。前述の接着剤KRX−726−1の場合、前述
した貼合せ後も引続き、60℃にディスクを加熱する
と、約30分で完全硬化した。
【0035】なお又、上記実施例では、直径300mm
(中心孔径φ35mm)のディスクAのφ50〜300
mmの範囲に接着剤を塗布して貼合せたが、接着剤の塗
布が、ディスクの中心孔より半径で2mm以上外側か
らディスク外周までの面にされた場合には、ディスクA
の外周端から内周に0.5〜1.0mm(上記実施例で
は0.7mm)のエリア及び外周端面部の樹脂膜(接着
剤)にXeショートアーク灯等の赤外線等を含む光を照
射するとよい。
【0036】また、該接着剤の塗布が、ディスクAの中
心孔からディスク外周までの全面にされた場合には、そ
のまま圧着すると、ディスクAの内周端からも接着剤が
押し出され、はみ出してくるので、外周端から内周に
0.5〜1.0mmのエリア及び外周端面部とディスク
の中心孔から外周に0.5〜1.0mmのエリアの樹脂
膜(接着剤)に、それぞれXeショートアーク灯等の赤
外線等を、一定の照射量となる様に制御しながら照射
し、この照射部を硬化させるようにする。なお、本発明
でいうディスクの端部とは、ディスクの外周端と外周端
面部、またはディスクの外周端,外周端面部及び内周端
を指している。
【0037】また、接着剤の塗布にはスピンコーティン
グを用いたので、ロールコーターの様な金属ロールとの
圧着を必要としないため、硬い異物、及びそれにより生
じる金属ロールの傷の圧着による情報ピットの破損の恐
れも皆無となる。
【0038】このように、接着が完了したディスクA
A′には、例えば特開平2−94040号公報記載のデ
ィスクの外周端の仕上げ加工を施すことによって、一
層、耐久性に優れた貼合せディスクとすることができ、
本実施例の図1のステーションVの後にこれを設置し
て、その作業を連続的に行わせることもできる。なお、
実施例においてディスクA及びA′に、情報ピットの保
護のため、各種樹脂をその保護膜としてコーティングし
た場合でも同様の効果があった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学式貼
合せディスクの製造方法及び装置によると、ディスクの
圧着以前にディスクの端部を硬化させて、その圧着の際
に、ディスクの端部から外にはみ出そうとする接着剤を
防波堤のように未然に防ぎ、圧着の工程の圧着プレート
への接着剤の付着及び、この圧着プレートからの接着剤
のディスクへの転写を完全に防止できるため、仕上がり
の極めて優れた貼合せが可能となり、装置への支障も完
全に排除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である光学式貼合せディスクの
製造装置の平面図である。
【図2】ディスクの予備的加熱をおこなうステーション
Iの断面図である。
【図3】赤外線等の光の照射によりディスク外周部を硬
化するためのステーションIVの説明図である。
【図4】2枚のディスク部材を真空圧着するステーショ
ンの断面図である。
【符号の説明】 A,A′ ディスク部材 1,1′ 加熱・回転テーブル 2,2′ 回転アーム 3 紫外線照射装置 4,4′ 移載アーム 5 ビーム照射装置 6,6′ 回転アーム 7 真空圧着装置 8 移載アーム 12 回転機構 21 接着剤 22 回転機構 23 ガイドローラー 24 ビーム光源 25 スリット 26 シャッター 27 半透鏡(スプリッタ) 28 受光器 29 演算制御回路 32 下部圧着プレート 33 上真空槽 35 下真空槽 36 真空ポンプ 38 上部圧着プレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学式に情報を記録してあるディスク部
    材同士、或いは情報を記録してあるディスク部材と他の
    同形状のディスク部材とを情報の再生が可能なように貼
    合せる光学式貼合せディスクの製造方法において、 ディスク部材の貼合せ面上に液状のカチオン重合性エネ
    ルギー線硬化樹脂を塗布する工程と、ディスク部材上に
    塗布された樹脂膜に紫外線等のエネルギー線を照射する
    工程と、エネルギー線の照射により、該樹脂膜のカチオ
    ン重合が開始された後、ディスク部材の端部に赤外線あ
    るいは赤外線を含む光を一定量照射し、照射した部分の
    樹脂膜のみを硬化させる工程と、該樹脂膜の他の部位が
    カチオン重合を継続し、粘着性を示し、固化する以前
    に、2枚のディスク部材を重ね合せ、圧着・固化させる
    工程とを備えた光学式貼合せディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 2枚のディスク部材の圧着・固化させる
    工程を真空雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1記
    載の光学式貼合せディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 貼合せるべく2枚のディスク部材を予め
    一定の温度に加熱するとともに、以後液状のカチオン重
    合性エネルギー線硬化樹脂の塗布からディスク部材の重
    ね合せて圧着・固化を行う工程においても、ディスク部
    材の温度低下がないように必要に応じて各工程で加熱又
    は保温処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の光学式貼合せディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 光学式に情報を記録してあるディスク部
    材同士、或いは情報を記録してあるディスク部材と他の
    同形状のディスク部材とを情報の再生が可能なように貼
    合せる光学式貼合せディスクの製造装置において、 ディスク部材の貼合せ面上に液状のカチオン重合性エネ
    ルギー線硬化樹脂を塗布する手段と、ディスク部材上に
    塗布された樹脂膜に紫外線等のエネルギー線を照射する
    手段と、エネルギー線の照射により、該樹脂膜のカチオ
    ン重合が開始された後、ディスク部材の端部に赤外線あ
    るいは赤外線を含む光を一定量照射し、照射した部分の
    樹脂膜のみを硬化させる手段と、該樹脂膜の他の部位が
    カチオン重合を継続し、粘着性を示し、固化する以前
    に、2枚のディスク部材を重ね合せ、圧着・固化させる
    手段とを備えたことを特徴とする光学式貼合せディスク
    の製造装置。
  5. 【請求項5】 2枚のディスク部材の圧着・固化を真空
    雰囲気下で行うための手段を備えたことを特徴とする請
    求項4記載の光学式貼合せディスクの製造装置。
  6. 【請求項6】 貼合せるべく2枚のディスクを予め一定
    の温度に加熱させる手段と、以後液状のカチオン重合性
    エネルギー線硬化樹脂の塗布からディスク部材の重ね合
    せて圧着・固化を行う工程においても、ディスク部材の
    温度低下がないように必要に応じて各工程で加熱又は保
    温処理を行う手段と備えたことを特徴とする請求項4記
    載の光学式貼合せディスクの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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SG101504A1 (en) * 2000-11-06 2004-01-30 Dainippon Ink & Chemicals Method for bonding members, and disc manufacturing method and device
WO2006035683A1 (en) 2004-09-27 2006-04-06 Hitachi Chemical Co., Ltd. Photocurable resin composition
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