JPH07126547A - コバルト含有アゾ染料組成物及びそれを用いる染色方法 - Google Patents

コバルト含有アゾ染料組成物及びそれを用いる染色方法

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JPH07126547A
JPH07126547A JP5300899A JP30089993A JPH07126547A JP H07126547 A JPH07126547 A JP H07126547A JP 5300899 A JP5300899 A JP 5300899A JP 30089993 A JP30089993 A JP 30089993A JP H07126547 A JPH07126547 A JP H07126547A
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関間英紀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コバルト含有アゾ染料組成物及びそれを用い
るポリアミド繊維材料の染色方法に関する。 【構成】 下記一般式(1) で表わされるモノアゾ化合物の1:2−コバルト錯体ア
ゾ染料20〜80重量部と、一般式(2) 【化2】 で表わされるモノアゾ化合物の1:2−コバルト錯体ア
ゾ染料80〜20重量部とからなることを特徴とするコ
バルト含有アゾ染料組成物。 【効果】本発明のコバルト含有アゾ染料組成物は、好ま
しい青色色相を有し、特にポリアミド系合成皮革又は人
工皮革、特にスゥエード調の材料に対してカラーバリュ
ーが高く、諸堅牢度のすぐれた鮮明な青色乃至紫色に染
色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コバルト含有アゾ染料
組成物及びそれを用いるポリアミド繊維材料の染色方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モノアゾ染料のクロム又はコバル
ト錯塩は、合成又は天然のポリアミド繊維・材料に対し
て優れた染色性を有し、例えば、色相、鮮明度、湿潤堅
牢度、耐光堅牢度等に優れることから広く使用されてい
る。例えば特公昭42-5340 号公報、特公昭46-2428 号公
報、特開昭58-5365 号公報、特開昭60-88186号公報、特
開昭62-225563 号公報等には種々のクロム又はコバルト
錯塩モノアゾ染料が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年加工が盛
んになったポリアミド系人工皮革の染色においては、鮮
明なネイビーブルー色乃至はルビン色に高濃度に染色す
る染料は少なく、特にカラーバリューが高く、諸堅牢度
のすぐれた鮮明な青色乃至紫色系染料が強く要望されて
いた。本発明者らは、特定の構造を有するコバルト含有
アゾ染料混合組成物を用いることにより、これらの要望
を満たすことを見出し、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、X、Yはそれぞれ独立に水素原
子、ニトロ基、クロル原子、メチル基、エチル基、スル
ファモイル基、メトキシ基又はエトキシ基を示す。R
1 、R2 はそれぞれ独立に炭素数1〜4の低級アルキル
基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示す。)で表
わされるモノアゾ化合物の1:2−コバルト錯体アゾ染
料20〜80重量部と、一般式(2)又は一般式(3)
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】(上記式中、Q、Zはそれぞれ独立に水素
原子、ニトロ基、クロル原子、メチル基、エチル基、ス
ルファモイル基、メトキシ基又はエトキシ基を示す。R
3 は、炭素数1〜4の低級アルキル基を示す。)で表わ
されるモノアゾ化合物の1:2−コバルト錯体アゾ染料
80〜20重量部とからなることを特徴とするコバルト
含有アゾ染料組成物である。
【0010】一般式(1)で示されるモノアゾ化合物
は、例えば、3−(ジメチルアミノ)フェノール、3−
(ジエチルアミノ)フェノール、3−(ジブチルアミ
ノ)フェノール、3−(ジプロピルアミノ)フェノー
ル、3−(ジエチルアミノ)フェノール、3−(ジメチ
ルアミノ)−4−メチルフェノール、3−(ジエチルア
ミノ)−4−メチルフェノール、3−(ジブチルアミ
ノ)−4−メチルフェノールと、ジアゾ化された2−ア
ミノ−フェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノー
ル、2−アミノ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−
4−クロルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノ
ール、2−アミノ−4−メトキシフェノール、2−アミ
ノ−4−クロル−6−ニトロ−フェノール、2−アミノ
−4−ニトロ−6−クロル−フェノール、2−アミノ−
4−メチル−6−ニトロ−フェノールなどとを弱酸性、
中性または弱アルカリ性の媒質中でカップリング反応さ
せることによって容易に得られる。
【0011】前記一般式(2)又は(3)で示されるモ
ノアゾ化合物は、例えば、6−アミノ−N−メチル−2
−ナフタレンスルホンアミド、6−アミノ−N−エチル
−2−ナフタレンスルホンアミド、6−アミノ−N−プ
ロピル−2−ナフタレンスルホンアミド、6−アミノ−
N−ブチル−2−ナフタレンスルホンアミド、6−ヒド
ロキシ−N−メチル−2−ナフタレンスルホンアミド、
6−ヒドロキシ−N−エチル−2−ナフタレンスルホン
アミド、6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ナフタレ
ンスルホンアミド、6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−
ナフタレンスルホンアミドと、ジアゾ化された2−アミ
ノ−フェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、
2−アミノ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−4−
クロルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノー
ル、2−アミノ−4−メトキシフェノール、2−アミノ
−4−クロル−6−ニトロ−フェノール、2−アミノ−
4−クロル−5−ニトロフェノール、2−アミノ−4−
ニトロ−6−クロルフェノール、2−アミノ−4−メチ
ル−6−ニトロ−フェノール2−アミノ−4,6ジニト
ロフェノールとをカップリング反応させることにより容
易に製造することができる。
【0012】本発明者らは、モノアゾ化合物2分子にコ
バルト1原子が錯結合しているいわゆる対称型コバルト
錯塩染料、すなわち一般式(1)の1:2コバルト錯塩
染料と一般式(2)又は一般式(3)の1:2コバルト
錯塩染料とを所定の割合で混合して得られる混合染料組
成物が、ポリアミド繊維、特にポリアミド系人工皮革の
染色に用いて、色相、染色性、諸堅牢度等において極め
て好ましい性能をもたらすことを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0013】本発明の目的とするコバルト含有アゾ染料
組成物製造方法としては、前記一般式に示したモノアゾ
化合物にコバルト付与剤を反応させる公知の方法が適用
され、例えばこれらのモノアゾ化合物を、水又はメタノ
ール、アセトン、グリコール類等の水性媒質中、モノア
ゾ化合物ベースに対して、0.51〜0.6モル比のコ
バルト付与剤を用い、温度70〜110℃、好ましくは
90〜95℃で行われる。
【0014】ここで、コバルト付与剤としては、例え
ば、硫酸コバルト、酒石酸コバルト、酢酸コバルト等が
用いられる。この際、コバルト化の触媒として、アルカ
ノールアミン等の有機アミン類、苛性ソーダ、ソーダ灰
等のアルカリ剤を用いることが出来る。かくして得られ
た一般式(1)で示されるモノアゾ化合物の1:2コバ
ルト錯塩染料と、一般式(2)又は一般式(3)の1:
2コバルト錯塩染料とを所定の割合で混合することによ
って本発明の混合染料組成物が得られる。その混合割合
は、一般式(1)で示されるモノアゾ化合物の1:2コ
バルト錯塩染料が20〜80重量部、好ましくは30〜
70重量部、及び一般式(2)又は一般式(3)の1:
2コバルト錯塩染料が80〜20重量部、好ましくは7
0〜30重量部である。
【0015】本発明の目的とするコバルト含有アゾ染料
組成物の他の製造方法としては、一般式(1)で示され
るモノアゾ化合物、一般式(2)又は(3)で示される
モノアゾ化合物の前駆体にコバルト付与剤を反応させる
ことによっても得られる。例えば少なくとも一種のジア
ゾ成分のジアゾ化物と、少なくとも2種のカップリング
成分の混合物とを反応させて得られる少なくとも2種の
金属を含まないモノアゾ化合物の混合物にコバルト付与
剤を作用させて、同時的に本発明の目的とするコバルト
含有アゾ染料の混合染料組成物を製造することもでき
る。
【0016】なお、この場合に一般式(1)で示される
モノアゾ化合物と一般式(2)又は(3)で示されるモ
ノアゾ化合物(モノアゾ化合物2分子)にコバルト1原
子が錯結合している、いわゆる非対称型コバルト錯塩染
料が混入生成することがあるが、かかる混合染料組成物
でもポリアミド繊維の染色に好ましい結果をもたらすこ
とがあり、本発明に含まれる。
【0017】本発明のコバルト含有アゾ染料組成物の取
り出しは、通常の方法によって塩析、濾過、乾燥し、或
いは水溶液のまま、スプレイ乾燥し、又は必要により濃
縮し、有機溶媒を加え、濃厚水溶液の形で染色に供する
こともできる。本発明のコバルト含有アゾ染料組成物
は、その合成および沈澱生成の後に乾燥しないで湿った
ペーストの形で次の処理に使用するのが有利である。
【0018】本発明のコバルト含有アゾ染料組成物は、
非常に多くの種類の物質を染色および捺染するのに適し
ている。特にこの化合物は動物性物質、例えば絹、皮革
特に羊毛の染色に適しているが、ポリアミド、ポリウレ
タン等から作られた合成繊維材料の染色および捺染にも
適している。特にポリアミド系合成皮革、スゥエード材
料に対してカラーバリューが高く、諸堅牢度のすぐれた
鮮明な青色乃至紫色に染色するのに適する。
【0019】本発明のコバルト含有アゾ染料組成物は、
弱アルカリ性〜弱酸性の浴から染色することができる
が、特に中性または僅かに酸性例えば酢酸若しくは硫安
を含んでいる浴から適用して好結果が得られる。こうし
て得られた染色物は均一であって日光、洗濯等に対して
良好な堅牢度を示すが特にその鮮明度およびビルドアッ
プ性において優れている。
【0020】
【発明の効果】本発明のコバルト含有アゾ染料組成物
は、好ましい青色色相を有し、特に動物性物質、例えば
絹、皮革、特に羊毛の染色に適しているが、ポリアミ
ド、ポリウレタンおよびポリアクリロニトリルから作ら
れた合成繊維材料の染色および捺染にも適している。ま
た、ポリアミド系人工皮革又はポリアミド系合成皮革、
特にスゥエード調の材料に対してカラーバリューが高
く、諸堅牢度のすぐれた鮮明な青色乃至紫色に染色す
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中、部は重量部を表わす。
【0022】実施例1 2−アミノ−5−ニトロフェノールのジアゾ化物に、6
−アミノ−N−メチル−2−ナフタレンスルホンアミド
を通常の方法によってカップリングさせて得られるモノ
アゾ化合物(A)にコバルト付与剤を作用させて得られ
る1:2−コバルト錯体アゾ染料50部と2−アミノ−
5−ニトロフェノールのジアゾ化物に、3−(ジエチル
アミノ)フェノールをカップリングさせて得られるモノ
アゾ化合物(B)にコバルト付与剤を作用させて得られ
る1:2−コバルト錯体アゾ染料50部とを混合して染
料組成物を得た。
【0023】得られた混合染料組成物0.1gを水10
0gに溶解し、ミニカラー染色試験機の染色ポットに入
れ、これにスエード調のポリアミド系人工皮革2.0g
を投入して蓋をした。この染色ポットを内温40℃のミ
ニカラー染色機に挿入し、90℃まで50分間で昇温し
た。90℃で30分間保温したのち、染色ポットを取り
出し冷却する。被染物を取り出し、常法に従って洗浄し
た。かくして得られた染色物は、鮮明なネイビーブルー
色を呈し、諸堅牢度も良好であった。
【0024】実施例2 実施例1に記載の方法によって得られたモノアゾ化合物
(A)とモノアゾ化合物(B)の混合物に、通常の方法
によってコバルト付与剤を作用させてコバルト化を完了
させる。
【0025】得られた染料組成物は、モノアゾ化合物
(A)の対称型1:2コバルト染料及びモノアゾ化合物
(B)の対称型1:2コバルト染料を等量含有し、さら
にモノアゾ化合物(A)とモノアゾ化合物(B)各1分
子に対してコバルト1分子が配位したいわゆる非対称型
1:2コバルト染料が相当量含まれた混合染料組成物で
あった。
【0026】上記の方法によって得られた混合染料組成
物0.1gを水100gに溶解し、ミニカラー染色試験
機の染色ポットに入れ、これにスエード調のポリアミド
系人工皮革2.0gを投入して蓋をした。この染色ポッ
トを内温40℃のミニカラー染色機に挿入し、90℃ま
で50分間で昇温した。90℃で30分間保温したの
ち、染色ポットを取り出し冷却する。被染物を取り出
し、常法に従って洗浄した。かくして得られた染色物
は、鮮明なネイビーブルー色を呈し、諸堅牢度も良好で
あった。
【0027】実施例3 2−アミノ−5−ニトロフェノールのジアゾ化物に、6
−ヒドロキシ−N−メチル−2−ナフタレンスルホンア
ミドとを通常の方法によってカップリングさせてモノア
ゾ化合物(C)を得、通常の方法によってコバルト付与
剤を作用させて1:2−コバルト錯体アゾ染料を得た。
一方、実施例1で得られたモノアゾ染料(B)に、通常
の方法によってコバルト付与剤を作用させて1:2−コ
バルト錯体アゾ染料を得、これらのコバルト錯体アゾ染
料を等量混合して混合染料組成物を得た。
【0028】この染料混合物0.1gを水100gに溶
解し、ミニカラー染色試験機の染色ポットに入れ、これ
にスエード調のポリアミド系人工皮革2.0gを投入し
て蓋をした。この染色ポットを内温40℃のミニカラー
染色機に挿入し、90℃まで50分間で昇温した。90
℃で30分間保温したのち、染色ポットを取り出し冷却
する。被染物を取り出し、常法に従って洗浄した。かく
して得られた染色物は、鮮明なバイオレット色を呈し、
諸堅牢度も良好であった。
【0029】実施例4 実施例3で得られたモノアゾ化合物(C)と実施例1で
得られたモノアゾ化合物(B)との略等量混合物にコバ
ルト付与剤を作用させてコバルト化を完了させた。得ら
れた染料は、モノアゾ化合物(B)の対称型1:2コバ
ルト染料及びモノアゾ化合物(C)の対称型1:2コバ
ルト染料を等量含有し、さらにモノアゾ化合物(B)と
モノアゾ化合物(C)各1分子に対してコバルト1分子
が配位したいわゆる非対称型1:2コバルト染料が相当
量含まれた混合染料組成物であった。
【0030】この染料混合物0.1gを水100gに溶
解し、ミニカラー染色試験機の染色ポットに入れ、これ
にスエード調のポリアミド系人工皮革2.0gを投入し
て蓋をした。この染色ポットを内温40℃のミニカラー
染色機に挿入し、90℃まで50分間で昇温した。90
℃で30分間保温したのち、染色ポットを取り出し冷却
する。被染物を取り出し、常法に従って洗浄した。かく
して得られた染色物は、鮮明なバイオレット色を呈し、
諸堅牢度も良好であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、X、Yはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、
    クロル原子、メチル基、エチル基、スルファモイル基、
    メトキシ基又はエトキシ基を示す。R1 、R2 はそれぞ
    れ独立に炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、Rは水
    素原子またはメチル基を示す。)で表わされるモノアゾ
    化合物の1:2−コバルト錯体アゾ染料20〜80重量
    部と、一般式(2)又は一般式(3) 【化2】 【化3】 (上記式中、Q、Zはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ
    基、クロル原子、メチル基、エチル基、スルファモイル
    基、メトキシ基又はエトキシ基を示す。R3 は、炭素数
    1〜4の低級アルキル基を示す。)で表わされるモノア
    ゾ化合物の1:2−コバルト錯体アゾ染料80〜20重
    量部とからなることを特徴とするコバルト含有アゾ染料
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のコバルト含有アゾ染料組
    成物を用いることを特徴とする合成又は天然のポリアミ
    ド繊維材料の染色方法。
  3. 【請求項3】合成ポリアミド繊維材料が、ポリアミド系
    人工皮革である請求項2に記載の染色方法。
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