JPH07126416A - 接着性帯電防止性に優れたプラスチックフィルム - Google Patents

接着性帯電防止性に優れたプラスチックフィルム

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JPH07126416A
JPH07126416A JP5296006A JP29600693A JPH07126416A JP H07126416 A JPH07126416 A JP H07126416A JP 5296006 A JP5296006 A JP 5296006A JP 29600693 A JP29600693 A JP 29600693A JP H07126416 A JPH07126416 A JP H07126416A
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JP
Japan
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group
polymer
water
integer
film
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Application number
JP5296006A
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English (en)
Inventor
Akihisa Nakajima
彰久 中島
Yoshihiro Wada
良裕 和田
Yoshimichi Ozawa
良道 小澤
Hitoshi Kawamoto
均 川本
Hiroshi Naito
寛 内藤
Katsuya Koyama
克哉 小山
Yukio Ebisawa
幸夫 海老澤
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Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
Kanebo NSC KK
Original Assignee
Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
Kanebo NSC KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性及び接着性が優れ、かつ、透明性
に優れ、光学用に用いることができるプラスチックフィ
ルムを提供すること。 【構成】 下記一般式(I)で表わされる導電性高分
子、水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素と
する共重合体又は組成物、 ポリグリセリンを含むプラ
イマー層、又は、下記一般式(II)又は(III)で表わ
される導電性高分子を含むプライマー層を設けたプラス
チックフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィルム
及び該プラスチックフィルムの製造方法に関し、さらに
詳しくは、帯電防止層を設けたプラスチックフィルム及
び該プラスチックフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】プラスチックフィルム、特に、二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナ
フタレートに代表されるポリエステルフィルムは、透明
性・寸法安定性・機械的特性・電気特性・耐薬品性等に
優れているという特徴を有するため、写真感光材料、磁
気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、製図材料等の基
材フィルムとして使用されている。しかし、これらプラ
スチックフィルムは、基材そのものが電気絶縁体である
ため静電気の蓄積が著しく問題であった。また、表面が
高度に配向しているために各種材料との間の接着性に乏
しく、例えば、感光材料、磁気記録材料などを得る際に
は、接着性を向上させるために、表面に紫外線照射処
理、プラズマ処理、火焔処理、電子線照射等による物理
的処理を施したり、酸、アルカリ、アミン水溶液、トリ
クロロ酢酸等の薬剤による化学的処理を施こさなければ
ならなかった。
【0003】ポリエステルフィルムに帯電防止性を付与
することが従来から研究されてきており、種々の方法が
開発されている。例えば、酸化すず−アンチモン系導電
剤や界面活性剤を用いることが提案されている。
【0004】しかしながら、酸化すず−アンチモン系導
電剤を用いた場合、導電性を得るためには酸化すず−ア
ンチモン系導電剤をかなりの量含有させなければならな
いが、含有量を増加させるとフィルムの透明性が損なわ
れるという問題があった。また、界面活性剤を用いた場
合、界面活性剤をフィルムに練り込むと、練り込まれた
界面活性剤が時間が経過するにつれて表面や界面にブリ
ードアウトして透明性が低下するし、また、フィルム表
面に界面活性剤を塗布乾燥し設置すると、その導電性が
失われやすいという問題があった。
【0005】また、スルホン化ポリスチレン及び/又は
その塩を有する高分子を用いることも提案されている
が、スルホン化ポリスチレン及び/又はその塩を有する
高分子はそれ自身の軟化温度が高いために、スルホン化
ポリスチレン及び/又はその塩を有する高分子を基材フ
ィルムに塗布もしくは練り込んだ場合には、フィルムを
延伸するとその部分に応力が集中してフィルムの透明性
がやはり失われるという欠点があった。
【0006】このような問題を解決する方法として、特
開昭50−34223号には延伸改良剤を入れることが
提案されているが、例示された延伸改良剤では、延伸後
のフィルムの透明性はある程度改良されるものの光学材
料として用いるにはその透明性は十分ではなく、また、
低分子量の延伸改良剤を用いた場合、延伸改良剤が熱処
理ゾーンで揮発し工程を汚染するという問題があった。
また、スルホン酸基は各種官能基と相互作用するので造
膜成分をうまく選択しないと加工液が擬集してしまうと
いう問題があった。
【0007】特開平1−287142号公報には、延伸
工程を加圧水中または加圧スチーム存在下で行うことが
提案されているが、作業上危険であり防錆や工程管理な
ども複雑で実用上好ましくない。
【0008】また、先に述べた、接着性向上のために物
理的処理は、経時によりその効果が失われてしまうの
で、処理後直ちに接合すべき層を設けなければならない
という問題があり、また、化学的処理は、用いる薬剤に
より環境衛生上問題があり、使用した薬剤をそのまま廃
棄できないという問題があった。
【0009】また、米国特許第4,978,740号に
は、その構成単位の一部にスルホン酸基が入るように設
計されたポリエステル共重合体をポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に積層し接着性を改良する技術が開示
されている。この方法によればポリエステルと親水性コ
ロイドとの接着性は良くはなるが、含まれるスルホン酸
基の量が少ないために帯電防止性能は改良されない。
【0010】また、支持体に下塗り層を設けることも行
われており、二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する
過程でスチレンブタジエン系ラテックス、塩化ビニリデ
ン系ラテックス等を塗設することが知られているが、こ
れら下塗り層は、支持体との接着性は優れているものの
感光層である乳剤層との接着性に劣るために、さらにも
う一層、ゼラチン等の親水性コロイド層、アクリル系ラ
テックスの下塗り層を設ける必要性があるばかりでな
く、これら下塗り層は帯電防止機能を有してはいない。
【0011】
【本発明の目的】従って、本発明の第1の目的は、帯電
防止性及び接着性が優れ、かつ、透明性に優れ、光学用
に用いることができるプラスチックフィルムを提供する
ことにある。
【0012】本発明の第2の目的は、低湿度の環境下に
おいても帯電防止性が優れている光学用に用いることが
できるプラスチックフィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1)(a)下記一般式(I)で表される構成単位を有す
る高分子、(b)水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリ
エステルとビニル系重合体を構成要素とする共重合体又
は組成物、及び(c)ポリグリセリンを少なくとも含む組
成物からなるプライマー層を設けてなることを特徴とす
るプラスチックフィルム。
【0014】
【化10】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
〜4の整数を表す。) (2)(a)下記一般式(I)で表される構成単位を有す
る高分子、(b)水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリ
エステルとビニル系重合体を構成要素とする共重合体又
は組成物、及び(c)ポリグリセリンを少なくとも含む組
成物からなるプライマー層を塗設したプラスチックフィ
ルムを、少なくとも一方向に延伸し、熱処理を施してな
ることを特徴とする上記(1)記載のプラスチックフィ
ルム。
【0015】
【化11】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
〜4の整数を表す。) (3)プラスチックフィルムの少なくとも片面に、(a)
下記一般式(I)で表される構成単位を有する高分子、
(b)水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリエステルと
ビニル系重合体を構成要素とする共重合体又は組成物、
及び(c)ポリグリセリンを少なくとも含む組成物からな
るプライマー層を塗設し、次いで乾燥、延伸、熱処理を
施して結晶配向を完了させること特徴とする上記(1)
又は(2)記載のプラスチックフィルムの製造方法。
【0016】
【化12】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
〜4の整数を表す。) (4)下記一般式(II)または一般式(III)で表され
る構成単位を有する高分子を少なくとも含む組成物から
なるプライマー層を設けてなることを特徴とするプラス
チックフィルム。
【0017】
【化13】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
表す。)
【0018】
【化14】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
を表す。) (5)下記一般式(II)または一般式(III)で表され
る構成単位を有する高分子を少なくとも含む組成物から
なるプライマー層を塗設したプラスチックフィルムを、
少なくとも一方向に延伸し、熱処理を施してなることを
特徴とする上記(4)記載のプラスチックフィルム。
【0019】
【化15】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
表す。)
【0020】
【化16】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
を表す。) (6)プラスチックフィルムの少なくとも片面に、下記
一般式(II)または一般式(III)で表される構成単位
を有する高分子を少なくとも含む組成物からなるプライ
マー層を塗設し、次いで乾燥、延伸、熱処理を施して結
晶配向を完了させること特徴とする上記(4)又は
(5)記載のプラスチックフィルムの製造方法。
【0021】
【化17】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
表す。)
【0022】
【化18】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
を表す。)以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明におけるプラスチックフィルムは特
に制限はなく、単層のプラスチックフィルムでも該プラ
スチックフィルムを積層したものであってもよい。適用
できるプラスチックフィルム又はプラスチックフィルム
の積層体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエチレン
等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル等のフィルム、ポリエチレン
ラミネート紙等が挙げられるが、本発明の効果はポリエ
ステルフィルムにおいてももたらされるので、本発明に
おいては、強度を有し写真用支持体として有用なポリエ
ステルフィルムであることが好ましい。
【0024】本発明において好ましく用いられるポリエ
ステルフイルムを構成するポリエステルとは、芳香族二
塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまた
はそのエステル形成性誘導体とから合成される実質的に
線状飽和のポリエステルである。かかるポリエステルの
具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートなどが例示できる。これらポリエステルには共重
合体及びこれらポリエステルと小割合の他の樹脂とのブ
レンド物なども含まれる。
【0025】これらのポリエステル類は、単独もしく
は、必要に応じて適宜混合され、通常、溶融押出によ
り、あるいは、溶剤に溶解させてキャスチングすること
によりポリエステルフィルムを得ることができる。得ら
れたポリエステルフィルムは必要に応じて一軸もしくは
二軸に延伸される。
【0026】ポリエステルフィルムは、延伸し、配向結
晶化を完了せしめたものが好ましい。
【0027】本発明において、ポリエステルフィルム
は、走査型示差熱量計によって窒素気流中、10℃/分
の昇温速度において測定した結晶融解熱の値が4cal
/g以上を呈する程度に結晶配向したものが好ましい。
【0028】次に、本発明においてプラスチックフィル
ムに設けられるプライマー層を構成する組成物に用いら
れる下記一般式(I)で表される構成単位を有する高分
子について説明する。
【0029】
【化19】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
〜4の整数を表す。)一般式(I)で表される構成単位
を有する高分子はホモ重合体であってもよく、また、共
重合体であってもよいが、共重合体であることが好まし
い。
【0030】一般式(I)で表される構成単位を有する
重合体は、例えば、パラヒドロキシスチレンあるいはパ
ラヒドロキシスチレンとこれと共重合可能な他の単量体
とを重合させ、得られた重合体のパラヒドロキシフェニ
ル基をスルホン化することによって得ることができる。
【0031】ヒドロキシスチレンと共重合可能な他の単
量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタク
リル酸のエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和
基を有するモノもしくはジカルボン酸又はジカルボン酸
の無水物;ブタジエン、イソブレン、2−クロル−1,
3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエン等の
脂肪族共役ジエン;アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル等のビニルシアン化合物;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、ビニルエチルケトン、ビニルメチルエーテル、
酢酸ビニル、ギ酸ビニル、アリルアセテート、メタアリ
ルアセテート、アクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリ
シジル、アクロレイン、アリルアルコール等を挙げるこ
とができる。
【0032】本発明においては、帯電防止性、透明性、
接着性の観点から、一般式(I)で表される構成単位を
有する重合体は上記共重合可能な他の単量体を10〜5
0%含有することが好ましい。また、重合体の平均分子
量は特に限定されないが、二軸延伸後の透明性の点から
すると、重合体の数平均分子量は1,000〜1,00
0,000の範囲であることが好ましく、更には5,0
00〜100,000の範囲内であることが好ましい。
【0033】一般式(I)において、Mはスルホン酸の
対イオンとなるものであって、例えば、H+、Na+、K
+、NH + 4、Li+、Ca+等のカチオン性イオンとなる
ものである。その中でもH+、NH4 +イオンとなるもの
は帯電防止性及び透明性の点で好ましい。
【0034】本発明の組成物において、一般式(I)で
表される構成単位を有する高分子は水溶性ポリエステル
もしくは水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要
素とする共重合体又は組成物及びポリグリセリンと共に
用いられる。
【0035】次に、本発明においてプラスチックフィル
ムに設けられるプライマー層を構成する組成物に用いら
れる下記一般式(II)または一般式(III)で表される
構成単位を有する高分子について説明する。
【0036】
【化20】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
表す。)
【0037】
【化21】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
を表す。)上記一般式(II)または一般式(III)にお
いて、R1、R 2、R 3で表される直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。
【0038】ヒドロキシアルキル基としては、2−ヒド
ロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等を挙げる
ことができる。
【0039】一般式(II)において、R1、R 2、R 3
内の2つが結合し、N原子と共に形成される複素環及び
一般式(III)において、R1、R 2が結合し、N原子と
共に形成される複素環としては、ピロール、ピロリジ
ン、イミダゾール、インドール、ピペリジン、モルホリ
ン等の複素環を挙げることができる。
【0040】一般式(II)において、X-で表される四
級アンモニウム塩の対イオンとしては、例えば、塩素イ
オン、臭素イオン、沃素イオンなどのハロゲンイオンも
しくはCH3OSO3イオンを挙げることができる。
【0041】一般式(III)において、 HXとして
は、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸及び蟻酸、酢
酸、クロル酢酸、蓚酸、マレイン酸等の水溶性有機酸を
挙げることができる。
【0042】一般式(II)または一般式(III)で表さ
れる構成単位を有する高分子はホモ重合体であってもよ
く、また、共重合体であってもよいが、共重合体である
ことが好ましい。
【0043】一般式(II)または一般式(III)で表さ
れる構成単位を有する重合体は、例えば、パラヒドロキ
シスチレンあるいはパラヒドロキシスチレンとこれと共
重合可能な他の単量体と重合させ、得られた重合体のパ
ラヒドロキシフェニル基をアミノメチル化し、該導入さ
れたアミノ基を4級アンモニウム化するか、あるいは、
塩を形成することによって得ることができる。
【0044】ヒドロキシスチレンと共重合可能な他の単
量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタク
リル酸のエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸、、イタコン酸等の不飽
和基を有するモノもしくはジカルボン酸又はジカルボン
酸の無水物;ブタジエン、イソプレン、2−クロル−
1,3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエン
等の脂肪族共役ジエン;アクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル等のビニルシアン化合物;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、ビニルエチルケトン、ビニルメチルエーテ
ル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、アリルアセテート、メタ
アリルアセテート、アクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸
グリシジル、アクロレイン、アリルアルコール等を挙げ
ることができる。
【0045】本発明においては、帯電防止性、透明性、
接着性の観点から、一般式(II)または一般式(III)
で表される構成単位を有する重合体は上記共重合可能な
他の単量体を10〜50%含有することが好ましい。ま
た、重合体の平均分子量は特に限定されないが、二軸延
伸後の透明性の点からすると、重合体の数平均分子量は
500〜1,000,000の範囲であることが好まし
く、更には2,000〜10,000の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0046】本発明の組成物において、一般式(II)ま
たは一般式(III)で表される構成単位を有する重合体
は単独で用いてもよく、また、以下に述べる水溶性ポリ
エステルもしくは水溶性ポリエステルとビニル系重合体
を構成要素とする共重合体又は組成物、または、ポリグ
リセリンと共に用いてもい。
【0047】本発明において水溶性ポリエステルとは、
多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とポリオール又
はそのエステル形成性誘導体とを重縮合反応して得られ
る実質的に線状のポリマーであって水溶性であるものを
いう。
【0048】上記水溶性ポリエステルの多塩基酸成分と
しては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸を用いることができ、これら成分と共にマレイン酸、
フマール酸、イタコン酸などの不飽和多塩基酸やp−ヒ
ドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安
息香酸等のヒドロキシカルボン酸を小割合で加えてもよ
い。
【0049】本発明の水溶性ポリエステルにおいては、
多塩基酸成分として下記一般式(IV)で表されるジカル
ボン酸を用いることも好ましい。
【0050】
【化22】 [式中、R1、R3は水素原子または炭素数1〜8のアル
キル基を表し、R2は炭素数2〜8のアルキレン基を表
す。nは1〜100の正の整数を表す。]上記一般式
(IV)で表されるジカルボン酸において、−(OR2n
−は、ポリエチレンオキシ基、ポリトリメチレンオキシ
基、ポリテトラメチレンオキシ基が好ましい。
【0051】これら多塩基酸は、2種以上用いることが
可能である。
【0052】また、ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ト
リメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを
用いることができる。
【0053】ポリエステルに水溶性を付与するために
は、親水性基を有する成分、例えば、スルホン酸塩を有
する成分、ジエチレングリコール成分、ポリアルキレン
エーテルグリコール成分等をポリエステル中に共重合成
分として導入するのが有効な手段である。特に、親水性
基を有する成分としてスルホン酸塩を有するジカルボン
酸成分を用いるのが好ましく、この場合、スルホン酸塩
を有するジカルボン酸成分は、ポリエステルの全ジカル
ボン酸成分に対して5〜15モル%含有させることが好
ましい。
【0054】スルホン酸塩を有するジカルボン酸として
は、スルホン酸アルカリ金属塩の基を有するものが特に
好ましく、例えば、4−スルホイソフタル酸、5−スル
ホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタ
ル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、
5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸などのアル
カリ金属塩を挙ることができるが、その中でも5−スル
ホイソフタル酸ナトリウム塩が特に好ましい。これらの
スルホン酸塩を有するジカルボン酸は、水分散性及び耐
水性の点から全ジカルボン酸成分に対し6〜10モル%
用いることが特に好ましい。
【0055】上記水溶性ポリエステルは、ビニル系重合
体を構成要素として有するものが好ましい。
【0056】本発明における水溶性ポリエステルとビニ
ル系重合体を構成要素とする共重合体又は組成物は、水
溶性ポリエステルの存在下でビニル系単量体を重合させ
ることによって、例えば、水溶性ポリエステルの有機溶
媒溶液あるいは水溶液にビニル系単量体を溶解あるいは
分散させビニル系単量体を重合させることによって得る
ことができる。
【0057】本発明において、上記水溶性ポリエステル
を合成するに当り、付加重合可能な基、例えば、カルボ
ン酸基、グリシジル基もしくはアミノ基を予め導入して
おき、ポリエステルの存在下でのビニル系単量体の重合
により、該付加重合可能な基に枝ポリマーが形成される
ようにしておいてもよい。
【0058】ポリエステルの存在下でのビニル系単量体
の重合に有機溶媒を使用することは、工程設備が複雑に
なり、また、作業環境を汚染するので好ましくない。か
かる観点からすると、水溶性ポリエステルを熱水中に溶
解し、水溶性ポリエステルのマトリックス中にビニル系
単量体を分散添加し、乳化重合あるいは懸濁重合させる
ことが好ましい。
【0059】ビニル系単量体を重合するには重合開始剤
が用いられる。用いることができる重合開始剤として
は、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウムがある。この中で好ましいものは過硫酸
アンモニウムである。
【0060】水溶性ポリエステルのマトリックス中での
ビニル系単量体の重合は、界面活性剤を使用することな
く行うことができるが、重合安定性を改良する目的で、
界面活性剤を乳化剤として用いることも可能である。こ
の場合、一般のノニオン型・アニオン型いずれの界面活
性剤も使用することができる。
【0061】水溶性ポリエステルにビニル系単量体をグ
ラフト重合した場合、幹ポリマーである水溶性ポリエス
テルに枝ポリマーとなるビニル系重合体が結合したグラ
フト重合体が形成されるとともにビニル系単量体の重合
体も形成されるが、これら形成されたビニル系重合体は
除去しても除去しなくてもよい。
【0062】水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構
成要素とする共重合体又は組成物を得るには、ビニル系
単量体を(水溶性ポリエステル)/(ビニル系単量体)
が99/1〜5/95の範囲内にあるように使用するの
が好ましい。更に、ビニル系単量体は、(水溶性ポリエ
ステル)/(ビニル系単量体)が97/3〜50/50
の範囲内にあることが更に好ましく、95/5〜80/
20の範囲内にあることが特に好ましい。
【0063】使用することができるビニル系単量体とし
ては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタク
リレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル
基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
等のヒドロキシ含有単量体;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールアク
リルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−
メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド等のアミド基含有単量体;N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート等のアミノ基含有単量体;グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ
基含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの
塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等
のカルボキシル基またはその塩を含有する単量体;スチ
レンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のスル
ホン酸基又はその塩を含有する単量体;イタコン酸、マ
レイン酸、フマール酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキシル基ま
たはその塩を含有する単量体;無水マレイン酸、無水イ
タコン酸等の酸無水物を含有する単量体;スチレン;ビ
ニルイソシアネート;アリルイソシアネート;ビニルメ
チルエーテル;ビニルエチルエーテル;アクリロニトリ
ル;塩化ビニル;酢酸ビニル;塩化ビニリデン等が挙げ
られる。上述の単量体はその1種を用いてもよく、ま
た、2種以上を併用してもよい。
【0064】次に、本発明の組成物を構成するポリグリ
セリンについて説明する。
【0065】本発明の組成物にポリグリセリン添加する
ことによって良好な延伸性を得ることができる。
【0066】上記ポリグリセリンとしては、例えば、下
記一般式(V)で示される化合物が好ましい。
【0067】
【化23】 [式中、nは2以上20以下の整数である。]本発明に
おいて、ポリグリセリンは、一般式(I)で表される構
成単位を有する導電性高分子と水溶性ポリエステルもし
くは水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素と
する共重合体又は組成物の合計量に対して0.01〜5
0重量%の範囲で用いることが好ましく、更に5〜40
重量%の範囲で用いることが好ましい。本発明におい
て、ポリグリセリンを塗布剤中に含有させることにより
塗布液の擬集又はゲル化を起こさせず、二軸延伸後も透
明性を維持することができる。
【0068】また、本発明において、一般式(I)で表
される構成単位を有する導電性高分子と水溶性ポリエス
テルもしくは水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構
成要素とする共重合体又は組成物は、(導電性高分
子):(水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリエステ
ルとビニル系重合体を構成要素とする共重合体又は組成
物)=70〜15:30〜85(重量比)の割合で用い
ることが好ましい。
【0069】また、本発明において、一般式(II)また
は一般式(III)で表される構成単位を有する重合体と
共に水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリエステルと
ビニル系重合体を構成要素とする共重合体又は組成物、
または、ポリグリセリンを併用する場合、ポリグリセリ
ンは一般式(II)または一般式(III)で表される構成
単位を有する導電性高分子と水溶性ポリエステルもしく
は水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素とす
る共重合体又は組成物の合計量に対して0.01〜50
重量%の範囲で用いることが好ましく、更に5〜40重
量%の範囲で用いることが好ましい。
【0070】また、本発明において、一般式(II)また
は一般式(III)で表される構成単位を有する導電性高
分子と水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリエステル
とビニル系重合体を構成要素とする共重合体又は組成物
は、(導電性高分子):(水溶性ポリエステルもしくは
水溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素とする
共重合体又は組成物)=70〜15:30〜85(重量
比)の割合で用いることが好ましい。
【0071】本発明において、ポリグリセリンを組成物
中に含有させることにより塗布液の擬集又はゲル化防
ぎ、二軸延伸後も透明性が維持できる。
【0072】本発明の組成物には、皮膜を形成するする
ことができる高分子を含有させることができる。これら
高分子としては、ポリエステル共重合体、ポリウレタン
共重合体、ポリアクリレート共重合体、ポリメタクリレ
ート共重合体、天然高分子等を挙げることができる。
【0073】また、本発明の組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、アニオン型界面活性剤;ノニオ
ン型界面活性剤;脂肪族ポリヒドロキシ化合物;スルホ
ン化、カルボキシル化、リン酸化、スルホアルキレン
化、カルボキシルアルキレン化又はアルキルリン酸化し
た天然水溶性ポリマー及びその塩;等を添加することが
できる。また、これら化合物は併用することができる。
【0074】更に、本発明の組成物には、ブロツキング
防止剤、有機もしくは無機のフィラー、顔料、紫外線吸
収剤等の添加剤を添加することができる。
【0075】上記化合物の添加量は、水溶性導電性高分
子と水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリエステルと
ビニル系重合体を構成要素とする共重合体又は組成物の
合計量に対して0〜20重量%の範囲であることが望ま
しい。
【0076】本発明の組成物からなるプライマー層は、
例えば、本発明の組成物を溶剤に溶解した塗布液(以
下、本発明の塗布液という。)をプラスチックフィルム
に塗布し乾燥することによって形成することができる。
【0077】プラスチックフィルムが二軸延伸、熱固定
して得られるフィルム、例えば、ポリエステルフィルム
である場合、本発明の組成物からなるプライマー層は、
二軸延伸、熱固定したポリエステルフィルムに本発明の
塗布等の手段を用いて設けることができる。
【0078】また、ポリエステルフィルムを形成する製
膜工程の途中において、結晶配向が完了する前のポリエ
ステルフィルムに塗布等の手段を用いて設け、次いで、
延伸、熱固定し、結晶配向を完了させてもよい。
【0079】結晶配向が完了する前のポリエステルフィ
ルムとは、該ポリマーを熱溶融してそのままフィルム状
となした未延伸フィルム、また、最終延伸倍率までは延
伸させていない延伸フィルム、例えば、縦方向または横
方向のいずれか一方に延伸した一軸延伸フィルム、縦及
び横方向に延伸してはあるが、その延伸の程度が更に延
伸することにより配向結晶化を完了させることができる
程度である縦及び横方向の二方向に延伸した二軸延伸フ
ィルムをいう。
【0080】本発明の塗布液を塗布した、結晶配向が完
了する前のポリエステルフィルムは、乾燥され、延伸、
熱固定等の工程に導かれる。例えば、塗布液を塗布した
2〜5倍の倍率で縦延伸した延伸済ポリエステルフィル
ムは、ステンターに導かれて2〜5倍の倍率で横延伸さ
れ、さらに熱固定される。横延伸する間に塗布液は乾燥
され、フィルム上に連続皮膜を形成する。
【0081】本発明の組成物は、塗布液を塗布後に延伸
してもフィルム上には本発明の組成物の連続皮膜が形成
される。
【0082】本発明の塗布液の濃度は、通常20重量%
以下であり、好ましくは15重量%以下である。また、
塗布量は、フィルム1m2あたり塗布液重量で1〜20g
さらには5〜15gが好ましい。
【0083】塗布方法としては、公知の種々の方法を用
いることができる。例えば、ロールコート法、グラビア
ロールコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート
法、エアーナイフコート法、バーコート法、含浸法及び
カーテンコート法等を単独でもしくは組み合わせて使用
することができる。
【0084】本発明の組成物からなるプライマー層を設
けたプラスチックフィルムは、帯電防止性に優れ、親水
性コロイド層と良好な接着性を有し、また、本発明の組
成物からなるプライマー層を設けたプラスチックフィル
ムに写真構成層を設けた場合、写真性能に悪影響を与え
ないので、写真感光材料の支持体として用いるのに適し
ている。
【0085】本発明の組成物からなるプライマー層を設
けたプラスチックフィルムを支持体として用いた写真感
光材料は、支持体の少なくとも片面に少なくとも1層の
ハロゲン化銀乳剤層を有している。該ハロゲン化銀乳剤
層に用いられるハロゲン化銀乳剤としては、通常の種々
のハロゲン化銀乳剤を任意に用いることができる。ま
た、該乳剤は、常法により化学増感することができ、増
感色素を用いて所望の波長域に光学増感することができ
る。
【0086】また、ハロゲン化銀乳剤には、カブリ防止
剤、硬膜剤、酸化防止剤等を加えることができる。該乳
剤のバインダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利で
ある。
【0087】ハロゲン化銀乳剤層は、硬膜剤を用いて膜
強度を高めることができるが、このような硬膜剤として
は、アルデヒド系、アジリジン系、イソオキサゾール
系、エポキシ系、ビニルスルホン系、アクリロイル系、
カルボジイミド系、トリアジン系、高分子型、その他マ
レイミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸エステル
系の各硬膜剤を単独もしくは組み合わせて使用すること
ができる。また、可塑剤、水不溶性又は難溶性合成ポリ
マーの分散物(ラテックス)、カプラー、塗布助剤、帯
電防止剤、さらにはホルマリンスカベンジャー、蛍光増
白剤、マット剤、滑剤、画像安定剤、界面活性剤、色カ
ブリ防止剤、現像促進剤、現像遅延剤や漂白促進剤等を
含有させることもできる。
【0088】写真感光材料においては、上記ハロゲン化
銀乳剤層以外にも種々の親水性コロイド層を設けること
ができる。設けることができる親水性コロイド層として
は、保護層、フィルター層、バックコーテイング層、ハ
レーション防止層、イラジェーション防止層、中間層等
が挙げられる。
【0089】写真感光材料は、X線感光材料、印刷感光
材料、撮影用感光材料、観賞用感光材料等種々の写真感
光材料であってもよい。
【0090】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
【0091】〈重合体(A)の合成〉メチルエチルケト
ンを溶媒として、また、アゾビスイソブチロニトリルを
開始剤として用い、パラヒドロキシスチレンと無水マレ
イン酸(モル混合比3/1)を常法により共重合した。
(数平均分子量=5000:標準ポリスチレン換算)
【0092】〈重合体(B)の合成〉メチルエチルケト
ンを溶媒として、また、アゾビスイソブチロニトリルを
開始剤として用い、パラヒドロキシスチレンとメタルク
リル酸メチルとアクリル酸(モル混合比5/3/2)を
常法により共重合した。(数平均分子量=8500:標
準ポリスチレン換算)
【0093】〈重合体(A)のスルホン化〉温度計、滴
下ロート、還流冷却管、撹拌機を付した2リットルの4
つ口フラスコに363gの重合体(A)を秤量してい
れ、さらに1,4−ジオキサン1200gを加え、均一
に溶解させ赤褐色の溶液を得た。この溶液をアイスバス
にて5℃まで冷却し、この中に酢酸を5g加えた。この
溶液に、30℃に保温した滴下ロートから無水硫酸15
1gを2時間かけて滴下した。無水硫酸の滴下中、溶液
を良く撹拌し、温度が7℃以下となるように滴下をコン
トロールした。滴下終了後、反応系を5℃に保温しなが
ら2時間さらに撹拌した。その後、アイスバスをオイル
バスに変え、撹拌しながら昇温して、系内の反応液を還
流させた状態で4時間熟成させた。熟成後、上記環流冷
却管をトの字管の先に冷却管を付けてものに替え、1,
4−ジオキサンを700gを回収した。これを室温まで
冷却した後、10%アンモニア水溶液で中和し、再度溶
媒留去を行い、10%アンモニア水溶液でpHを7に調
整した。次いで、純水を加え、固形分を30%に調整
し、スルホン化した水溶性導電性高分子(A−1)を含
む黒褐色の粘凋な水溶液を得た。
【0094】〈重合体(B)のスルホン化〉同様な方法
で、重合体(B)をスルホン化し、30%のスルホン化
した水溶性導電性高分子(B−1)を含む黒褐色の粘凋
な水溶液を得た。
【0095】〈重合体(A)の4級アンモニウム化〉温
度計、滴下ロート、環流冷却管、撹拌機を付した2リッ
トルの4つ口フラスコに90gの重合体(A)を秤量し
ていれ、さらにエタノール1000gを加え、均一に溶
解させ赤褐色の溶液を得た。
【0096】上記フラスコを25℃のウォーターバス中
に載置し、溶液を良く撹拌しながらパラホルムアルデヒ
ド38gおよびジメチルアミンの40%水溶液95gを
添加し、この温度で約2時間撹拌させた。ウォーターバ
スをオイルバスに変え、系内を良く撹拌させながら、還
流させ約8時間熟成させた。これを室温まで冷却し、1
夜放置した。得られた反応物を大量の水中に投入し、沈
澱物を回収した。これをホルムアルデヒドの臭いがしな
くなるまで水洗し、乾燥させることにより白色の粉末状
の中間体(A−2−1)169gを得た。
【0097】窒素の元素分析の結果、ジメチルアミノ基
の導入率は、ヒドロキシスチレン1個あたり1.2個で
あった。
【0098】中間体(A−2−1)20gをメタノール
200gに溶解させた後、ヨウ化メチル10gを加え、
室温で8時間撹拌し、次いで1夜放置した。これを減圧
蒸留にてメタノールを留去し、得られた固体をよく粉砕
し、40℃、0.1mmHgの減圧下で約4時間乾燥させ、
約27.5gの白色の粉体状の水溶性導電性高分子(A
−2)を得た。
【0099】〈重合体(B)の4級アンモニウム化〉同
様な方法で、重合体(B)を4級アンモニウム化し、4
級アンモニウム化した水溶性導電性高分子(B−2)を
得た。
【0100】〈水溶性ポリエステルC−1の合成〉テレ
フタル酸ジメチル34.02重量部、イソフタル酸ジメ
チル25.52重量部、5−スルホイソフタル酸ジメチ
ルナトリウム塩12.97重量部、エチレングリコール
47.85重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル18.95重量部、酢酸カルシウム一水塩0.065
重量部、酢酸マンガン四水塩0.022重量部を、窒素
気流下において170〜220℃でメタノールを理論量
留去しエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル
0.04重量部、重縮合触媒として三酸化アンチモン
0.04重量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸15.08重量部を加え、220〜235℃の反応温
度でほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その
後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し、最終
的に280℃、1mmHg以下で約1時間重縮合を行い、水
溶性ポリエステル(C−1)を得た。得られた水溶性ポ
リエステル(C−1)の固有粘度は、0.35であっ
た。
【0101】〈水溶性ポリエステルC−2の合成〉テレ
フタル酸ジメチル70重量部、イソフタル酸ジメチル5
0重量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム
塩25重量部、ポリオキシエチレンジカルボン酸(平均
分子量4000)25重量部、エチレングリコール70
重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール20重量
部、酢酸カルシウム一水塩0.1重量部、酢酸マンガン
四水塩0.05重量部を、窒素気流下において170〜
220℃でメタノールを理論量留去しエステル交換反応
を行った後、リン酸トリメチル0.1重量部、重縮合触
媒として三酸化アンチモン0.1重量部及び1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸27重量部を加え、220〜
235℃の反応温度でほぼ理論量の水を留去しエステル
化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減
圧、昇温し、最終的に280℃、1mmHg以下で約1時間
重縮合を行い、水溶性ポリエステル(C−2)を得た。
得られた水溶性ポリエステル(C−2)の固有粘度は、
0.35であった。
【0102】〈水溶性ポリエステル(C−1)の変性〉
水溶性ポリエステル共重合体(C−1)の15%水溶液
に、スチレンとメタクリル酸グリシジルの混合液〔スチ
レン/メタクリル酸グリシジル=80/20(重量
比)〕を固形分で水溶性ポリエステルの17%となるよ
うに加え、過酸化アンモニウムを開始剤として用い、窒
素雰囲気下、80℃で分散重合し、変性ポリエステル重
合体(D−1)の水分散液を得た。得られた水分散液に
純水を加え、固形分濃度が10%となるように調整し
た。
【0103】〈水溶性ポリエステル(C−2)の変性
1〉水溶性ポリエステル共重合体(C−2)の15%水
溶液に、アクリルアミド、メタクリル酸グリシジル、ア
クリル酸ブチル、スチレン、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチルの混合液〔アクリルアミド/メタクリル酸グリ
シジル/アクリル酸ブチル/スチレン/メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル=10/20/30/40/10
(重量比)〕を固形分で水溶性ポリエステルの20%と
なるように加え、過酸化アンモニウムを開始剤として用
い、窒素雰囲気下、80℃で分散重合し、変性ポリエス
テル重合体(D−2)の水分散液を得た。得られた水分
散液に純水を加え、固形分濃度が10%となるように調
整した。
【0104】〈水溶性ポリエステル(C−2)の変性
2〉水溶性ポリエステル共重合体(C−2)の15%水
溶液に、スチレンとメタクリル酸グリシジルの混合液
〔スチレン/メタクリル酸グリシジル=85/15(重
量比)〕を固形分で水溶性ポリエステルの17%となる
ように加え、過酸化アンモニウムを開始剤として用い、
窒素雰囲気下、80℃で分散重合し、変性ポリエステル
重合体(D−3)の水分散液を得た。得られた水分散液
に純水を加え、固形分濃度が10%となるように調整し
た。
【0105】〈水溶性ポリエステル(C−2)の変性
3〉水溶性ポリエステル共重合体(C−2)の15%水
溶液に、アクリルアミド、メタクリル酸グリシジル、ア
クリル酸ブチル、スチレン、メタクリル酸の混合液〔ア
クリルアミド/メタクリル酸グリシジル/アクリル酸ブ
チル/スチレン/メタクリル酸=10/20/30/4
0/10(重量比)〕を固形分で水溶性ポリエステルの
17%となるように加え、過酸化アンモニウムを開始剤
として用い、窒素雰囲気下、80℃で分散重合し、変性
ポリエステル重合体(D−4)の水分散液を得た。得ら
れた水分散液に純水を加え、固形分濃度が10%となる
ように調整した。
【0106】組成物及びポリエステルフィルムの各特性
は次に方法で測定した。
【0107】[塗布液の安定性]50℃で48時間保存
したときの塗布液の状態を目視で観察し、その安定度合
いを下記に示す評価基準にしたがって評価した。 評価基準 1.擬集沈降した。 2.ゲル化した。 3.濁度が上った。 4.安定であった。
【0108】[塗布膜の接着性]ポリエステルフィルム
上の塗布膜(プライマー層)に、カミソリで45°の角
度で切り傷を入れて、セロファン粘着テープを圧着し、
急激に引き剥し、セロファン粘着テープを圧着した部分
のプライマー層の剥離面積を求め、接着性を下記に示す
評価基準にしたがって評価した。 評価基準 1. 接着力は非常に弱く、プライマー層は完全に剥離
する。 2. 剥離面積が50%以上、100%未満である。 3. 剥離面積が10%以上、50%未満である。 4. 接着力は強く、剥離面積は5%以上、10%未満
である。 5. 接着力は非常に強く、剥離面積は5%未満であ
る。
【0109】[塗布膜の透明性]TURBIDIMET
ER MODEL T−2600DA濁度計(東京電色
(株))を用いてプライマー層を有するポリエステルフ
ィルムのへイズ(%)を求めた。
【0110】[塗布膜中の亀裂の有無]プライマー層を
有するポリエステルフィルムをメチレンブルーにて染色
した後、光学顕微鏡でプライマー層面の亀裂の状態を観
察し、以下に示す評価基準にしたがって評価をした。 評価基準 1. 長さが50μm以上の亀裂のあるもの。 2. 長さが50μm未満の微細な亀裂のあるもの。 3. 亀裂が全くないもの。
【0111】[塗布膜の帯電防止性]プライマー層の帯
電防止性を表面比抵抗で評価した。評価方法は、以下に
示す条件で絶縁抵抗計MODEL−R−503(川口電
機工業(株))を用いて表面比抵抗値(Ω/□)を測定
した。 測定条件;印加電圧100V、平行電極5cm 調湿条件;55%RH、23℃の条件下に24時間調湿
する。
【0112】写真感光材料に各特性は次の方法で測定し
た。
【0113】[塗布剤ベースの濃度ムラ]ハロゲン化銀
乳剤層が均一性に設けられているかどうかを以下の評価
基準に従い目視評価した。 評価基準 ○:濃度が均一で、ムラなく塗布できている。 △:一部分の塗布面に筋状または若干のピンホールハジ
キを生じ、濃度のムラが存在している。 ×:全面に筋状またはピンホールハジキを生じ、著しい
濃度のムラが存在している。
【0114】[感光材料の接着性]ハロゲン化銀乳剤層
及び保護層を設けた試料について、現像処理前の乾燥状
態における膜付き(以下、生膜付きという。)、現像処
理中における膜付き(以下、ウェット膜付きという。)
及び現像処理後の乾燥状態における膜付き(以下、乾燥
膜付きという。)を下記に示す評価方法で評価した。
【0115】(生膜付き及び乾燥膜付き)現像処理前ま
たは現像処理後乾燥を終了した試料のハロゲン化銀乳剤
層に、カミソリで45゜の角度でポリエステルフィルム
にまで達する傷をつけ、セロファン粘着テープを圧着
し、急激に引き剥しハロゲン化銀乳剤層の剥離面積を求
め、生膜付き及び乾燥膜付きを下記に示す評価基準にし
たがって評価した。 評価基準 1.接着力は非常に弱く、ハロゲン化銀乳剤層は完全に
剥離する。 2.剥離面積が50%以上、100%未満である。 3.剥離面積が20%以上、50%未満である。 4.接着力は強く、剥離面積は5%以上、20%未満で
ある。 5.接着力は非常に強く、剥離面積は5%未満である。
【0116】評価4以上ならば実用上十分に膜付きが強
いとみなせる。
【0117】(ウェット膜付き)現像処理中に、試料の
ハロゲン化銀乳剤層に、鋭利な針でポリエステルフィル
ムにまで達する傷を格子状につけ、該乳剤層が濡れたま
まの状態でゴム手袋をつけた手で10秒間強くこする。
この際に剥離したハロゲン化銀乳剤層の面積を格子面積
と比較し、剥離面積を上記生膜付き及び乾燥膜付きの場
合と同様の評価基準にしたがって評価した。
【0118】実施例1 〈下引加工液1の調整〉水溶性ポリエステルもしくは水
溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素とする共
重合体又は組成物ポリエステル重合体(D−1)と水溶
性導電性高分子(A−1)を、変性ポリエステル重合体
(D−1)と水溶性導電性高分子(A−1)とが重量比
率で〔水溶性導電性高分子(A−1)〕/〔変性ポリエ
ステル共重合体(D−1)〕=60/40となるように
混合し、固形分を10重量%に調整した。この調整液
1,000重量部にポリグリセリン(平均重合度6)を
全固形分重量に対し10重量%添加して下引加工液1を
調整した。
【0119】〈下引加工液2の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−2)と水溶性導電性高分子(B−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−2)と水溶性導電性高分
子(B−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−2)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し8重量%添加
して下引加工液2を調整した。
【0120】〈下引加工液3の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(B−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(B−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し8重量%添加
して下引加工液3を調整した。
【0121】〈下引加工液4の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−4)と水溶性導電性高分子(B−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−4)と水溶性導電性高分
子(B−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−4)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し8重量%添加
して下引加工液4を調整した。
【0122】〈下引加工液5の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(A−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(A−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
65/35となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し10重量%添
加して下引加工液5を調整した。
【0123】〈下引加工液6の調整(比較例用)〉変性
ポリエステル重合体(D−3)とVERSATL−3
(鐘紡NSC社製)を、変性ポリエステル重合体(D−
3)とVERSATL−3とが重量比率で〔VERSA
TL−3〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕
=55/45となるように混合し、固形分を10重量%
に調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセ
リン(平均重合度6)を全固形分重量に対し8重量%添
加して下引加工液6を調整した。
【0124】〈支持体の作製〉固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートをTダイから280℃でフィル
ム状に溶融押出して、静電印加させ、約30℃の冷却ド
ラム上で急冷して未延伸フィルム(厚さ1,000μ
m)を得た。この未延伸フィルムを75℃に予熱し、縦
方向に3倍延伸後、100℃で横方向に3倍延伸し、2
30℃で熱処理をし二軸延伸ポリエステルフィルムを得
た。
【0125】この二軸延伸ポリエステルフィルムの両面
に、コロナ放電処理をした後に、上記下引加工液1〜6
をカーテン塗布方法で乾燥膜厚1μmとなるように塗布
し、160℃で乾燥熱処理し、下引済二軸延伸済ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0126】[ハロゲン化銀乳剤塗布液の調整]平均沃
化銀含有率0.8モル%で投影面積換算による平均直径
が0.98μm、変動係数が0.25、アスペクト比が
8.0の平板状沃臭化銀乳剤を調整した。得られた乳剤
に5,5′−ジクロル−9−エチル−3,3′−ジ−
(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウ
ム塩の無水物と5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル)
−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スルホブ
チル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の
無水物を200:1の重量比で、ハロゲン化銀1モル当
たり500mgになるように添加した。その後、塩化金
酸、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムを
加えて化学熟成を行い、ゼラチンを含む水溶液に分散し
た。さらに、前記ハロゲン化銀乳剤に下記に示す湿潤剤
及び抑制剤をハロゲン化銀1モル当たり下記に示す添加
量で添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤塗布液を得た。
【0127】 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g l−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg [保護層塗布液の調整]保護層塗布液の調整に用いた添
加剤は下記の通りである。添加量は塗布液1リットル当
りの量で示す。
【0128】 オセインゼラチン 68g ナトリウム−i−アミル−n−デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.5μm) 1.1g (CH2=CHSO2CH22O 500mg 得られた下引済二軸延伸済ポリエステルフィルムのそれ
ぞれに、上記ハロゲン化銀乳剤塗布液及び保護層塗布液
を、ハロゲン化銀乳剤層が片面当り銀換算値で1.7g
/m2、保護層がゼラチン付量で0.99g/m2になる
ように塗布し、レントゲン用写真フィルムを作成した。
【0129】得られた下引加工液、下引済二軸延伸済ポ
リエステルフィルム、レントゲン用写真フィルムについ
て、前記[塗布液の安定性]、[塗布膜の接着性]、
[塗布膜の透明性]、[塗布膜中の亀裂の有無]、[塗
布膜の帯電防止性]、[感光材料の接着性]に記載の評
価法に従って、塗布液の安定性、塗布膜の接着性、塗布
膜の透明性、塗布膜の亀裂、塗布膜の帯電防止性、乳剤
接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
【0131】実施例2 〈下引加工液1の調整〉変性ポリエステル重合体(D−
1)と水溶性導電性高分子(A−1)を、変性ポリエス
テル重合体(D−1)と水溶性導電性高分子(A−1)
とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A−1)〕/
〔変性ポリエステル共重合体(D−1)〕=60/40
となるように混合し、固形分を10重量%に調整した。
この調整液1,000重量部にポリグリセリン(平均重
合度6)を全固形分重量に対し20.8重量%添加して
下引加工液1を調整した。
【0132】〈下引加工液2の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−2)と水溶性導電性高分子(B−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−2)と水溶性導電性高分
子(B−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−2)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%添
加して下引加工液2を調整した。
【0133】〈下引加工液3の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(B−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(B−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%添
加して下引加工液3を調整した。
【0134】〈下引加工液4の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−4)と水溶性導電性高分子(B−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−4)と水溶性導電性高分
子(B−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−4)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%添
加して下引加工液4を調整した。
【0135】〈下引加工液5の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(A−1)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(A−1)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A
−1)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
65/35となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し22重量%添
加して下引加工液5を調整した。
【0136】〈下引加工液6の調整(比較例用)〉変性
ポリエステル重合体(D−3)とVERSATL−3
(鐘紡NSC社製)を、変性ポリエステル重合体(D−
3)とVERSATL−3とが重量比率で〔VERSA
TL−3〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕
=55/45となるように混合し、固形分を10重量%
に調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセ
リン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%
添加して下引加工液6を調整した。
【0137】〈支持体の作製〉固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートをTダイから280℃でフィル
ム状に溶融押出して、静電印加させ、約30℃の冷却ド
ラム上で急冷して未延伸フィルム(厚さ1,000μ
m)を得た。この未延伸フィルムを75℃に予熱し、縦
方向に3倍延伸した後、両面をコロナ放電処理した。次
いでこのコロナ放電処理をしたフィルムに、上記下引加
工液1〜6をワイヤーバーコーターにて二軸延伸後の塗
布厚みが0.3μmになるように塗布した後、100℃
で横方向に3倍延伸し、220℃で熱処理をし、下引済
二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0138】得られた下引加工液、下引済二軸延伸済ポ
リエステルフィルムについて、前記[塗布液の安定
性]、[塗布膜の接着性]、[塗布膜の透明性]、[塗
布膜中の亀裂の有無]、[塗布膜の帯電防止性]に記載
の評価法に従って、塗布液の安定性、塗布膜の接着性、
塗布膜の透明性、塗布膜の亀裂、塗布膜の帯電防止性を
評価した。結果を表2に示す。
【0139】
【表2】
【0140】実施例3 〈下引加工液1の調整〉変性ポリエステル重合体(D−
1)と水溶性導電性高分子(A−2)を、変性ポリエス
テル重合体(D−1)と水溶性導電性高分子(A−2)
とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A−2)〕/
〔変性ポリエステル共重合体(D−1)〕=60/40
となるように混合し、固形分を10重量%に調整して下
引加工液1を調整した。
【0141】〈下引加工液2の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−2)と水溶性導電性高分子(B−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−2)と水溶性導電性高分
子(B−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−2)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整して下引加工液2を調整した。
【0142】〈下引加工液3の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(B−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(B−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整して下引加工液3を調整した。
【0143】〈下引加工液4の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−4)と水溶性導電性高分子(B−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−4)と水溶性導電性高分
子(B−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−4)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整して下引加工液4を調整した。
【0144】〈下引加工液5の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(A−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(A−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
65/35となるように混合し、固形分を10重量%に
調整して下引加工液5を調整した。
【0145】〈下引加工液6の調整(比較例用)〉変性
ポリエステル重合体(D−3)とVERSATL−3
(鐘紡NSC社製)を、変性ポリエステル重合体(D−
3)とVERSATL−3とが重量比率で〔VERSA
TL−3〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕
=55/45となるように混合し、固形分を10重量%
に調整して下引加工液6を調整した。
【0146】〈支持体の作製〉固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートをTダイから280℃でフィル
ム状に溶融押出して、静電印加させ、約30℃の冷却ド
ラム上で急冷して未延伸フィルム(厚さ1,000μ
m)を得た。この未延伸フィルムを75℃に予熱し、縦
方向に3倍延伸後、100℃で横方向に3倍延伸し、2
30℃で熱処理をし二軸延伸ポリエステルフィルムを得
た。
【0147】この二軸延伸ポリエステルフィルムの両面
に、コロナ放電処理をした後に、上記下引加工液1〜6
をカーテン塗布方法で乾燥膜厚1μmとなるように塗布
し、160℃で乾燥熱処理し、下引済二軸延伸済ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0148】得られた下引加工液、下引済二軸延伸済ポ
リエステルフィルムについて、前記[塗布液の安定
性]、[塗布膜の接着性]、[塗布膜の透明性]、[塗
布膜中の亀裂の有無]、[塗布膜の帯電防止性]に記載
の評価法に従って、塗布液の安定性、塗布膜の接着性、
塗布膜の透明性、塗布膜の亀裂、塗布膜の帯電防止性を
評価した。結果を表3に示す。
【0149】
【表3】
【0150】実施例4 〈下引加工液1の調整〉変性ポリエステル重合体(D−
1)と水溶性導電性高分子(A−2)を、変性ポリエス
テル重合体(D−1)と水溶性導電性高分子(A−2)
とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A−2)〕/
〔変性ポリエステル共重合体(D−1)〕=60/40
となるように混合し、固形分を10重量%に調整した。
この調整液1,000重量部にポリグリセリン(平均重
合度6)を全固形分重量に対し20.8重量%添加して
下引加工液1を調整した。
【0151】〈下引加工液2の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−2)と水溶性導電性高分子(B−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−2)と水溶性導電性高分
子(B−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−2)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%添
加して下引加工液2を調整した。
【0152】〈下引加工液3の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(B−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(B−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%添
加して下引加工液3を調整した。
【0153】〈下引加工液4の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−4)と水溶性導電性高分子(B−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−4)と水溶性導電性高分
子(B−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(B
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−4)〕=
55/45となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し18重量%添
加して下引加工液4を調整した。
【0154】〈下引加工液5の調整〉変性ポリエステル
重合体(D−3)と水溶性導電性高分子(A−2)を、
変性ポリエステル重合体(D−3)と水溶性導電性高分
子(A−2)とが重量比率で〔水溶性導電性高分子(A
−2)〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕=
65/35となるように混合し、固形分を10重量%に
調整した。この調整液1,000重量部にポリグリセリ
ン(平均重合度6)を全固形分重量に対し22重量%添
加して下引加工液5を調整した。
【0155】〈下引加工液6の調整(比較例用)〉変性
ポリエステル重合体(D−3)とVERSATL−3
(鐘紡NSC社製)を、変性ポリエステル重合体(D−
3)とVERSATL−3とが重量比率で〔VERSA
TL−3〕/〔変性ポリエステル共重合体(D−3)〕
=55/45となるように混合し、固形分を18重量%
に調整して下引加工液6を調整した。
【0156】〈支持体の作製〉 (ポリエチレンナフタレートの合成)2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコ
ール56重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウ
ムの水和物0.1重量部を添加し、常法に従いエステル
交換を行った。得られた生成物に重縮合触媒として三酸
化アンチモン0.04重量部、リン酸トリメチルエステ
ル0.1重量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧
にし、285℃、0.5mmHgで重縮合を行い、ポリエチ
レンナフタレート(PEN)を得た。
【0157】(下引済二軸延伸ポリエステルフィルムの
作製)得られたポリエチレンナフタレートに青色着色し
たポリエチレンナフタレートのマスターチップを溶融混
練しTダイから300℃でフィルム状に溶融押出して、
静電印加させ、約30℃の冷却ドラム上で急冷して未延
伸フィルム(厚さ1,000μm)を得た。この未延伸
フィルムを135℃に予熱し、縦方向に3倍延伸した
後、両面をコロナ放電処理した。次いでこのコロナ放電
処理をしたフィルムに、上記下引加工液1〜6をワイヤ
ーバーコーターにて二軸延伸後の塗布厚みが0.3μm
に成るように塗布した後、130℃で横方向に3倍延伸
し、250℃で熱処理をし、下引済二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0158】[ハロゲン化銀乳剤塗布液の調整]平均沃
化銀含有率0.8モル%で投影面積換算による平均直径
が0.98μm、変動係数が0.25、アスペクト比が
8.0の平板状沃臭化銀乳剤を調整した。得られた乳剤
に5,5′−ジクロル−9−エチル−3,3′−ジ−
(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウ
ム塩の無水物と5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル)
−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スルホブ
チル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の
無水物を200:1の重量比で、ハロゲン化銀1モル当
たり500mgに成るように添加した。その後、塩化金
酸、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムを
加えて化学熟成を行い、ゼラチンを含む水溶液に分散し
た。さらに、前記ハロゲン化銀乳剤に下記に示す湿潤剤
及び抑制剤をハロゲン化銀1モル当たり下記に示す添加
量で添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤塗布液を得た。
【0159】 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g l−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg [保護層塗布液の調整]保護層塗布液の調整に用いた添
加剤は下記の通りである。添加量は塗布液1リットル当
りの量で示す。
【0160】 オセインゼラチン 68g ナトリウム−i−アミル−n−デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.5μm) 1.1g (CH2=CHSO2CH22O 500mg 得られた下引済二軸延伸済ポリエステルフィルムのそれ
ぞれに、上記ハロゲン化銀乳剤塗布液及び保護層塗布液
を、ハロゲン化銀乳剤層が片面当り銀換算値で1.7g
/m2、保護層がゼラチン付量で0.99g/m2になる
ように塗布し、レントゲン用写真フィルムを作成した。
【0161】得られた下引加工液、下引済二軸延伸済ポ
リエステルフィルム、レントゲン用写真フィルムについ
て、前記[塗布液の安定性]、[塗布膜の接着性]、
[塗布膜の透明性]、[塗布膜中の亀裂の有無]、[塗
布膜の帯電防止性]、[感光材料の接着性]に記載の評
価法に従って、塗布液の安定性、塗布膜の接着性、塗布
膜の透明性、塗布膜の亀裂、塗布膜の帯電防止性、乳剤
接着性を評価した。結果を表4に示す。
【0162】
【表4】
【0163】
【発明の効果】本発明のプラスチックフィルムは、低湿
においても優れた帯電防止性を有し、接着性、透明性に
優れ、写真感光材料の支持体等の光学用の用途に用いる
ことができる。
【0164】さらに、本発明のプライマー層を形成する
ために用いる塗布液は、安定であり、長時間放置しても
凝集しないので本発明のプラスチックフィルムの製造は
容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 良裕 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 小澤 良道 山口県防府市大字大崎自由ケ丘3−22−19 (72)発明者 川本 均 山口県防府市鐘紡町4−1 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5 (72)発明者 小山 克哉 兵庫県伊丹市千僧5丁目4−1 セジュー ル千僧202号 (72)発明者 海老澤 幸夫 大阪府豊中市上野東1丁目3番27の204号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記一般式(I)で表される構成単
    位を有する高分子、(b)水溶性ポリエステルもしくは水
    溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素とする共
    重合体又は組成物、及び(c)ポリグリセリンを少なくと
    も含む組成物からなるプライマー層を設けてなることを
    特徴とするプラスチックフィルム。 【化1】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
    〜4の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 (a)下記一般式(I)で表される構成単
    位を有する高分子、(b)水溶性ポリエステルもしくは水
    溶性ポリエステルとビニル系重合体を構成要素とする共
    重合体又は組成物、及び(c)ポリグリセリンを少なくと
    も含む組成物からなるプライマー層を塗設したプラスチ
    ックフィルムを、少なくとも一方向に延伸し、熱処理を
    施してなることを特徴とする請求項1記載のプラスチッ
    クフィルム。 【化2】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
    〜4の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、(a)下記一般式(I)で表される構成単位を有する
    高分子、(b)水溶性ポリエステルもしくは水溶性ポリエ
    ステルとビニル系重合体を構成要素とする共重合体又は
    組成物、及び(c)ポリグリセリンを少なくとも含む組成
    物からなるプライマー層を塗設し、次いで乾燥、延伸、
    熱処理を施して結晶配向を完了させること特徴とする請
    求項1又は2記載のプラスチックフィルムの製造方法。 【化3】 (式中、Mは対イオンを示す。nは整数を表し、mは1
    〜4の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)または一般式(III)
    で表される構成単位を有する高分子を少なくとも含む組
    成物からなるプライマー層を設けてなることを特徴とす
    るプラスチックフィルム。 【化4】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
    は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
    ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
    2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
    成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
    対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
    表す。)5 【化5】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
    鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
    ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
    ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
    に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
    たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
    を表す。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(II)または一般式(III)
    で表される構成単位を有する高分子を少なくとも含む組
    成物からなるプライマー層を塗設したプラスチックフィ
    ルムを、少なくとも一方向に延伸し、熱処理を施してな
    ることを特徴とする請求項4記載のプラスチックフィル
    ム。 【化6】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
    は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
    ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
    2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
    成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
    対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
    表す。) 【化7】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
    鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
    ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
    ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
    に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
    たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
    を表す。)
  6. 【請求項6】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、下記一般式(II)または一般式(III)で表される
    構成単位を有する高分子を少なくとも含む組成物からな
    るプライマー層を塗設し、次いで乾燥、延伸、熱処理を
    施して結晶配向を完了させること特徴とする請求項4又
    は5記載のプラスチックフィルムの製造方法。 【化8】 (式中、R1、R 2、R 3は炭素数1〜20の直鎖もしく
    は分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、フェニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒド
    ロキシアルキル基を表す。また、R1、R 2、R 3はR1
    2、R 3の内の2つが結合し、N原子と共に複素環を形
    成する基であってもよい。X-は四級アンモニウム塩の
    対イオンを表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数を
    表す。) 【化9】 (式中、R1、R 2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝
    鎖アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェ
    ニル基、置換もしくは未置換ベンジル基、ヒドロキシア
    ルキル基を表す。また、R1、R 2は結合し、N原子と共
    に複素環を形成する基であってもよい。HXは無機酸ま
    たは有機酸を表し、nは整数を表し、mは1〜4の整数
    を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007223182A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Mitsubishi Polyester Film Copp 導電性フィルム

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JP2007223182A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Mitsubishi Polyester Film Copp 導電性フィルム

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