JPH07126196A - ハイドロフルオロカーボンの製造方法 - Google Patents

ハイドロフルオロカーボンの製造方法

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JPH07126196A
JPH07126196A JP5276815A JP27681593A JPH07126196A JP H07126196 A JPH07126196 A JP H07126196A JP 5276815 A JP5276815 A JP 5276815A JP 27681593 A JP27681593 A JP 27681593A JP H07126196 A JPH07126196 A JP H07126196A
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hydrofluorocarbon
alcohol
alkali metal
reactor
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一也 大春
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】転化率および選択率が高く、反応成績の再現性
が良いハイドロフルオロカーボンの製造方法を提供す
る。 【構成】一般式II(nは0または1であり、n
が0のときRはC2〜12個の直鎖または分岐したポ
リフルオロアルキル基であリ、nが1のときRはC2
〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン
基である。)のヨードフルオロカーボンを、相間移動触
媒の存在下、メタノール等の1級アルコールおよび/ま
たはイソプロパノール等の2級アルコールの作用のもと
に、アルカリ金属水酸化物と反応させる一般式H
H(nとRは、上記と同じ意味である。)のハイドロ
フルオロカーボンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイドロフルオロカー
ボンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヨードフルオロカーボンを出発物質とし
てハイドロフルオロカーボンを合成する方法に関して
は、以下の報告がなされている。
【0003】(1)亜鉛の存在下に還元する方法(J.Flu
orine Chem.,6,297,1975)。(2)グリニヤール試薬を
用いた反応により合成する方法(J.Fluorine Chem.,3,24
7,1973) 。(3)水素とラネーニッケル触媒を用いた液
相還元反応により合成する方法(Ger.Offen.2,060,041,
J.Chem.Soc.,3761,1953)。(4)次亜リン酸ナトリウム
とパラジウムまたは白金触媒を用いた還元反応により合
成する方法(J.FluorineChem.,55,101,1991)。(5)ア
ルコリック−ポタシウム−ヒドロキサイドと反応させる
方法(J.Chem.Soc.,3761,1953) 。(6)メタノール中
で、アルカリ金属水酸化物と反応させる方法(EP 0,44
9,516 A1 )。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、亜鉛
および反応により生成する亜鉛スラリーの取り扱いや処
理の問題点がある。(2)の方法は、水分等によりグリ
ニヤール試薬が発火する恐れがある。また、溶媒とし
て、低沸点のエーテル系の溶媒を用いるために危険性が
高く、廃液処理の点でも問題点がある。(3)の方法
は、60〜80気圧という高圧条件で反応させなければ
ならないため、危険性が高い。(4)の方法は、高価な
触媒を要するという問題点がある。(5)の方法は、1
00〜130℃の高温条件での反応であり、かつ、収率
が低い問題点がある。
【0005】(6)のメタノールとアルカリ金属水酸化
物のみを用いる方法では、原料のヨードフルオロカーボ
ンの転化率を工業的に満足できる値にするのは困難であ
り、高純度のハイドロフルオロカーボンを得る上で問題
点がある。また、アルカリ金属水酸化物中に水が含まれ
ていること、あるいは、反応により水が生成することか
ら、反応系中の水分量が多くなり、系がフルオロカーボ
ン層とメタノール水層の二層系に分離してしまい、撹拌
の条件等によって、反応収率の再現性が低くなる問題点
がある。
【0006】また、(6)には、イソプロピルアルコー
ルとアルカリ金属水酸化物を用いる反応も記載されてい
るが、転化率、選択率とも低く、収率も低い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ヨードフル
オロカーボンを出発物質として、ハイドロフルオロカー
ボンを効率的に製造する方法について鋭意検討を行っ
た。その結果、ヨードフルオロカーボンを、相間移動触
媒の存在下、1級アルコールおよび/または2級アルコ
ールの作用のもとに、アルカリ金属水酸化物と反応させ
ることにより、安定に、かつ、高転化率、高選択率でハ
イドロフルオロカーボンが得られることを見いだした。
また、反応系が二層系となった場合にも、反応成績の再
現性が非常に良いことを見いだした。
【0008】すなわち本発明は、一般式Inf I(た
だし、式中、nは0または1であり、nが0のとき、R
f は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオ
ロアルキル基であり、nが1のとき、Rf 炭素数が2〜
12個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基
である。)で表されるヨードフルオロカーボンを、相間
移動触媒の存在下、1級アルコールおよび/または2級
アルコールの作用のもとに、アルカリ金属水酸化物と反
応させることを特徴とする一般式Hnf H(ただし、
式中、nとRf は、上記と同じ意味である。)で表され
るハイドロフルオロカーボンの製造方法を提供するもの
である。
【0009】本発明の反応は、必ずしも明確ではない
が、下式で表すことができる。
【0010】
【化1】Inf I+(n+1)R12 CHOH+
(n+1)MOH→Hnf H+(n+1)R12
=O+(n+1)MI+(n+1)H2
【0011】化1において、Rf とnは上記と同じ意味
であり、R1 は水素原子またはアルキル基、R2 とR3
はアルキル基であり、Mはアルカリ金属原子を示す。
【0012】本発明の原料であるヨードフルオロカーボ
ンは、一般式Inf Iで表される化合物である。ただ
し、式中、nは0または1である。nが0のとき、Rf
は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロ
アルキル基であるが、炭素数3〜8個の場合が好まし
く、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −であ
る場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素数2〜1
2個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基で
あるが、炭素数3〜8個の場合が好ましく、特に−CF
2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好ましい。
【0013】上記ヨードフルオロカーボンの具体例とし
ては、1−ヨード−1,1,2,2,2−ペンタフルオ
ロエタン、1−ヨード−1,1,2,2,3,3,4,
4,4−ノナフルオロブタン、1−ヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−トリデ
カフルオロヘキサン、1−ヨード−1,1,2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−ヘプタデカフルオロオクタン、2−ヨード−1,1,
1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、4−ヨ
ード−1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオ
ロ−2−トリフルオロメチルブタン、6−ヨード−1,
1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカ
フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン、1,2−
ジヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,4−ジヨード−1,1,2,2,3,3,4,4−
オクタフルオロブタン、1,6−ジヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフル
オロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0014】本発明は、上記ヨードフルオロカーボンを
1級アルコールまたは2級アルコール、あるいは1級ア
ルコールおよび2級アルコールの両者の作用のもとにア
ルカリ金属水酸化物と反応させる。
【0015】1級アルコールおよび2級アルコールとし
ては、特に限定されず、公知ないしは周知のものが採用
できる。通常の場合は、1級アルコールとしてはメタノ
ール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等を用いるのが好ましく、特に、アルカリ金属水酸
化物の溶解度が高く、反応後の処理がしやすく、安価で
ある等の理由からメタノールが好ましい。また、2級ア
ルコールとしては、イソプロピルアルコール、イソブチ
ルアルコール等が好ましく、特に、転化率が高く、安価
であること等の理由から、イソプロピルアルコールが好
ましい。
【0016】上記の1級アルコールと2級アルコールの
量は、それぞれを単独で用いる場合、あるいは混合して
用いる場合のいずれにおいても、通常の場合、原料のヨ
ードフルオロカーボンの1重量部に対して0.1〜10
重量部、好ましくは0.2〜2重量部がよい。また、混
合して用いる場合の各々の割合は特に限定するものでは
ないが、通常の場合1級アルコール:2級アルコールの
重量比が1000:1〜0.5:1程度の範囲が好適で
あり、特に100:1〜1:1の範囲が好適である。
【0017】前記化1に示すように、1級アルコールお
よび/または2級アルコールは、ハイドロフルオロカー
ボンの水素源として作用すると考えられる。また、過剰
の1級アルコールおよび/または2級アルコールは、反
応溶媒としても作用すると考えられる。
【0018】アルカリ金属水酸化物としては、通常の場
合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましい。
【0019】アルカリ金属水酸化物の量は、通常の場
合、原料のヨードフルオロカーボンのヨウ素の1モルに
対し、1モル以上が好ましく、特に系への溶解度等の点
から、1〜3モル程度が好適である。
【0020】さらに本発明においては、上記のヨードフ
ルオロカーボン、1級アルコールおよび/または2級ア
ルコール、およびアルカリ金属水酸化物に、相間移動触
媒を含ませることが特徴である。該触媒を含ませること
により、反応速度を早め、転化率、選択率を上げるだけ
でなく、良好な反応成績を再現性良く保つことができ
る。
【0021】さらに、本発明においては、前記の化1に
示されるように、反応副生物として、水が生成する。ま
た、反応に用いるアルカリ金属水酸化物あるいは1級ア
ルコール、2級アルコールには、通常の場合、水が含ま
れていおり、工業用の試薬を用いた場合には水の量はさ
らに多くなる。また、アルカリ金属水酸化物として、よ
り安価な工業用のアルカリ金属水酸化物の水溶液を用い
た場合には、反応系中に含まれる水の量はさらに多くな
る。
【0022】反応系中の水の量が多くなると、原料のヨ
ードフルオロカーボンや生成物のハイドロフルオロカー
ボン層を含む疎水層と、1級アルコールや2級アルコー
ルや水を含む親水層との2層系に反応系が分離する傾向
があり、これによって、反応速度が下がり、撹拌等の条
件により反応成績の再現性が低くなる恐れがある。しか
し、本発明においては、反応系中に相間移動触媒を存在
させることにより、系が二層系に分離した場合において
も、反応性および反応成績がほとんど低下しない利点が
ある。
【0023】すなわち、本発明においては、上記のヨー
ドフルオロカーボンを、1級アルコールおよび/または
2級アルコールの作用のもとに、アルカリ金属水酸化物
と反応させる際に、相間移動触媒を存在させることが特
徴である。
【0024】相間移動触媒としては、テトラメチルアン
モニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリ
ド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチル
アンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメ
チルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモ
ニウムクロリド等の4級アンモニウム塩類及びテトラブ
チルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウ
ムブロミド等の4級ホスホニウム塩類等が挙げられる。
【0025】相間移動触媒の使用量は、1級アルコール
および/または2級アルコールの100重量部に対し
0.01〜10重量部が好適であり、さらに望ましくは
0.1〜5重量部である。相間移動触媒の量が多い時に
は、後処理時に生成物の回収率が低下し、少ない時には
反応速度が低下する。
【0026】上記反応の反応条件は、反応物の種類、量
等によって適宜変更され得るものであるが、温度は、低
過ぎると反応しにくくなり、高すぎると危険なので、系
を還流させる程度の温度に調節するのが好ましく、通常
は40〜80℃程度が好ましい。また反応圧力は常圧、
減圧、または加圧のいずれであってもよく、常圧が好ま
しい。反応時間は通常1〜10時間程度である。
【0027】反応粗生成物中のハイドロフルオロカーボ
ンは、反応粗生成物を水洗することにより、あるいは蒸
留精製することにより、高純度のものとして得ることが
できる。
【0028】上記反応により生成するハイドロフルオロ
カーボンは、一般式Hnf Hで表される化合物であ
る。ただし、式中、nは0または1である。nが0のと
き、Rf は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリ
フルオロアルキル基であるが、炭素数3〜8個の場合が
好ましく、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2
−である場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素数
2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレ
ン基であるが、炭素数3〜8個の場合が好ましく、特に
−CF2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好ましい。
【0029】ハイドロフルオロカーボンの具体例として
は、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,
1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタ
ン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8
−ヘプタデカフルオロオクタン、1,1,1,2,3,
3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,
3,3,4,4−オクタフルオロ−2−トリフルオロメ
チルブタン、1,1,1,2,3,3,4,4,5,
5,6,6−ドデカフルオロ−2−トリフルオロメチル
ヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6
−ドデカフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0030】本発明によれば、極めて高い転化率で高純
度のハイドロフルオロカーボンを得ることができる。ま
た、本発明の反応は、反応成績の再現性にも優れてい
る。
【0031】得られたハイドロフルオロカーボンは、従
来用いられてきた塩素化炭化水素、あるいは塩素化フッ
素化炭化水素に比べて、環境への影響が少ないだけでな
く、同様の用途、例えば、発泡剤、冷媒、洗浄剤等にも
用いることもできる。
【0032】また、本発明の反応は、転化率が極めて高
いために、生成物中に残留する未反応のヨードフルオロ
カーボンの量を極めて少なくすることができる。したが
って、上記の方法で合成したハイドロフルオロカーボン
を溶媒として重合反応を行う場合にも、重合体を着色さ
せることなしに、反応を行うことができる。
【0033】この場合の重合体としては特に限定されな
いが、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルの共重合
体、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体等の
フッ素系の重合体が好ましい。
【0034】また、本発明で合成したハイドロフルオロ
カーボンを出発物質としてブロモフルオロカーボン等を
合成して、人工血液や造影剤として用いる場合において
も、ヨウ素化合物に由来すると推定される着色現象は認
められない利点がある。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、これらによって、本発明が限定されるものでは
ない。
【0036】[実施例1]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの200cc、97%水酸化ナトリウムの4
6.4g(1.1モル)、テトラブチルアンモニウムブ
ロミドの5gを仕込んだ。反応器を加熱し内温を60℃
とした後、C613Iの223g(0.5モル)を1時
間で滴下した。滴下終了後加熱還流を5時間続けた。こ
の時の反応器の内温は57℃であった。またこの時の反
応転化率は、99.3%であった。反応器を室温まで冷
却した後、水の200gを加え析出したヨウ化カリウム
を溶かした。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン
相(下層)をさらに300gの水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。蒸留により沸点71℃のC6
13Hを138g(純度99.9%)得た。
【0037】[実施例2]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの200cc、85%水酸化カリウムの7
4.3g(1.1モル)、テトラブチルホスホニウムブ
ロミドの1gを仕込んだ。反応器を加熱し内温を60℃
とした後、C613Iの223g(0.5モル)を1時
間で滴下した。滴下終了後加熱還流を2時間続けた。こ
の時の反応転化率は、98.1%であった。さらに加熱
還流を2時間続けた後、反応器を室温まで冷却し、水の
200gを加え析出したヨウ化カリウムを溶かした。反
応粗液を二層分離し、フルオロカーボン相(下層)をさ
らに300gの水で洗浄し、フルオロカーボンを回収し
た。純度99.1%のC613Hを157g得た。
【0038】[実施例3]撹拌機と留出装置付き還流冷
却器と滴下ロートと温度計を備えた1リットルの4つ口
フラスコに、メタノールの200cc、48%水酸化カ
リウムの131g(1.1モル)、テトラブチルホスホ
ニウムブロミドの3gを仕込んだ。反応器を加熱し内温
を60℃とした後、C613Iの223g(0.5モ
ル)を1時間で滴下した。滴下終了後加熱還流を2時間
続けた。この時の反応転化率は、97.0%であった。
反応器より蒸留により、沸点60℃までの留分を回収し
た。回収液を300gの水で洗浄し、フルオロカーボン
を回収した。純度99.9%のC613Hを149g得
た。
【0039】[実施例4]撹拌機と留出装置付き還流冷
却器と滴下ロートと温度計を備えた1リットルの4つ口
フラスコに、イソプロピルアルコールの400cc、8
5%水酸化カリウムの49.5g(0.75モル)、テ
トラブチルホスホニウムブロミドの1gを仕込んだ。反
応器を加熱し内温を60℃とした後、C613Iの22
3g(0.5モル)を1時間で滴下した。滴下終了後加
熱還流を1時間続けた。この時の反応転化率は、100
%であった。反応器より蒸留により沸点75℃までの留
分を回収した。この回収液を200gの水で5回洗浄
し、アセトンとイソプロピルアルコールを除去した。純
度99.9%のC613Hを152g得た。
【0040】[実施例5]撹拌機と留出装置付き還流冷
却器と滴下ロートと温度計を備えた1リットルの4つ口
フラスコに、イソプロピルアルコールの200cc、4
8%水酸化カリウムの87.5g(0.75モル)、テ
トラブチルアンモニウムブロミドの1gを仕込んだ。反
応器を加熱し内温を60℃とした後、C613Iの22
3g(0.5モル)を1時間で滴下した。滴下終了後加
熱還流を3時間続けた。この時の反応転化率は、99.
9%であった。反応器より蒸留により沸点75℃までの
留分を回収した。この回収液を200gの水で5回洗浄
し、アセトンとイソプロピルアルコールを除去した。純
度99.9%のC613Hを146g得た。
【0041】[実施例6]撹拌機と留出装置付き還流冷
却器と滴下ロートと温度計を備えた500ccの4つ口
フラスコに、メタノールの200cc、テトラブチルア
ンモニウムブロミドの1.5g、85%水酸化カリウム
の74.3g(1.1モル)を仕込んだ。反応器内温を
30〜35℃に維持しながらIC48 Iの113.5
g(0.25モル)を2時間で滴下した。滴下終了後3
時間35℃で撹拌を続けた。その後反応器の温度を70
℃まで加熱し、留出液を回収した。この液を100gの
氷水で洗浄し、フルオロカーボンを回収した。純度9
9.5%のHC48 Hを42g得た。
【0042】[実施例7]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの250cc、テトラブチルホスホニウムブ
ロミドの3g、85%水酸化カリウムの74.3g
(1.1モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を60
℃とした後、C817Iの273g(0.5モル)を1
時間で滴下した。滴下終了後8時間加熱還流を続けた。
この時の反応転化率は99.6%であった。反応器を室
温まで冷却した後、水の300gを加え、析出したヨウ
化カリウムを溶かした。反応粗液を二層分離し、フルオ
ロカーボン相(下層)をさらに300gの水で洗浄し、
フルオロカーボンを回収した。純度99.0%のC8
17Hを197g得た。
【0043】[実施例8]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの200cc、イソプロピルアルコールの1
0cc、48%水酸化カリウムの131g(1.1モ
ル)、テトラブチルアンモニウムブロミドの5gを仕込
んだ。反応器を加熱し内温を60℃とした後、C613
Iの223g(0.5モル)を1時間で滴下した。滴下
終了後2時間加熱還流を続けた。この時の反応器の内温
は57℃であった。また反応転化率は99.8%であっ
た。反応器を室温まで冷却した後、水の100gを加
え、析出したヨウ化カリウムを溶かした。反応粗液を二
層分離し、フルオロカーボン相(下層)をさらに300
gの水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
蒸留により沸点71℃のC613Hを42g(純度9
9.0%)得た。
【0044】[比較例1]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの400ccと85%水酸化カリウムの99
g(1.5モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を6
5℃とした後、C613Iの446g(1モル)を1時
間で滴下した。滴下終了2時間後の反応器の内温は60
℃であった。反応器を室温まで冷却した後、水の300
gを加え析出したヨウ化カリウムを溶かした。転化率は
74%であった。反応粗液を二層分離し、フルオロカー
ボン層(下層)をさらに300gの水で洗浄し、342
gのフルオロカーボン層を得た。フルオロカーボン層を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、大量のC6
13Iが検出された。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、高転化率、かつ高選択
率で、ヨードフルオロカーボンからハイドロフルオロカ
ーボンを製造することができる。また本発明によれば、
反応系中の水分量が多い場合の反応成績およびその再現
性にも優れており、非常に効率的で、工業的に有利な方
法である。
【0046】特に、本発明によれば、高純度のハイドロ
フルオロカーボンが得られる。さらに、原料の転化率が
非常に高いことから、未反応原料のヨードフルオロカー
ボン、および、ヨードフルオロカーボンから生成する種
々のヨウ素化合物に由来する様々な不都合を回避でき
る。
【0047】得られたハイドロフルオロカーボンは、オ
ゾン層に悪影響を及ぼさない有用な化合物であり、クロ
ロフルオロカーボン化合物の代替化合物として発泡剤、
冷媒、洗浄剤等の用途に用いることができる。
【0048】特に重合溶媒に用いた場合には、連鎖移動
性が高いヨードフルオロカーボンによる、不必要な分子
量分布の広がりや、未反応のヨードフルオロカーボンの
混入による重合生成物の着色を防止することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Inf I(ただし、式中、nは0
    または1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜12
    個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキル基であ
    り、nが1のとき、Rf は炭素数2〜12個の直鎖また
    は分岐したポリフルオロアルキレン基である。)で表さ
    れるヨードフルオロカーボンを、相間移動触媒の存在
    下、1級アルコールおよび/または2級アルコールの作
    用のもとに、アルカリ金属水酸化物と反応させることを
    特徴とする一般式Hnf H(ただし、式中、nとRf
    は、上記と同じ意味である。)で表されるハイドロフル
    オロカーボンの製造方法。
  2. 【請求項2】Rf がCF3 CF2 CF2 CF2 CF2
    2 −である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】Rf が−CF2 CF2 CF2 CF2 −であ
    る請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】1級アルコールがメタノールである請求項
    1〜3のいずれかの製造方法。
  5. 【請求項5】2級アルコールがイソプロピルアルコール
    である請求項1〜4のいずれかの製造方法。
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