JPH0712582B2 - 複数の穴明き部品の組付方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は組立ラインにおけるエンジン部品等の複数の穴
明き部品の組付方法及び装置に関する。

（従来の技術） 汎用エンジンの組立ラインにおいて、組立コンベア上の
シリンダバレル内に起設したガバナシャフトに対しガバ
ナ、ワッシャ及びクリップを装着する必要があり、従来
は手作業により平ワッシャ、ガバナ、クリップ、スラス
トワッシャの順で組付けていた。

（発明が解決しようとする問題点） このように従来はガバナ部品の組付けを手作業で行って
いたため、斯かる細かい穴明き部品の組付けは作業者に
とって神経的な負担となり、特に生産量の増減に関係な
く当工程に作業員を必要としていた。

そこで本発明の目的は、シリンダバレルへのガバナ部品
の組付けのようにワークに複数の穴明き部品を装着する
に際して、人手を要することなくパーツフィーダから複
数の穴明き部品を組立コンベア上のワークのシャフトに
対し自動的に移載して効率良く装着できるようにした複
数の穴明き部品の組付方法とその装置を提供するにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 以上の目的を達成すべく本発明はその第１発明では、複
数のパーツフィーダから種類毎に送り出された複数の穴
明き部品を個々にパーツ移載機で保持して取り出す工程
と、シャフトと略同径であり、ターンテーブルのピン穴
上端部内に臨む部分に突出方向に付勢された出没自在の
爪を有し、ピンの上端にパーツ移載機の凹部に係合する
凸部とピンの下端にシャフトの上端の凸部に係合する凹
部を有するピンにより前記工程で取り出された複数の穴
明き部品を前記パーツ移載機によりターンテーブル上に
運んで該ターンテーブル上に抜き差し可能に等ピッチ間
隔で起設されて複数の穴明き部品を着脱可能に貫通する
複数のピンに対し前記ターンテーブルの回転に応じて複
数の穴明き部品を移載する工程と、シャフトと略同径の
複数の穴明き部品を貫通して着脱するホルダシャフトと
その外筒部からなり、ホルダシャフトが外筒部に出没自
在となっている前記パーツ移載機により順次脱落させて
移載する工程と、エアーノズル装置でターンテーブルに
穴明き部品を回転させる工程と、シャフトと略同径のホ
ルダシャフトとその外筒部からなり、ホルダシャフトが
その先端ピン保持部を有し、且つ外筒部に出没自在とな
っているピン移載機により前記工程で複数の穴明き部品
が装着された前記ピンを個々にピン移載機で保持して前
記ターンテーブル上方に抜取る工程と、前記工程で抜取
られた前記ピンを前記ピン移載機により前記組立コンベ
ア上のワーク上方に運んで該ワークに起設したシャフト
に対し前記ピンから複数の穴明き部品を脱落させて移載
す工程と、前記工程で複数の穴明き部品が脱落された前
記ピンを前記ピン移載機により前記ターンテーブル上の
ピン穴位置に運んで該ピン穴に対し前記ピンを前記ピン
移載機から脱落させて差込む工程とからなることを特徴
とする。

斯かる方法を実施する方法として第２発明では、複数の
穴明き部品を種類毎に送り出す複数のパーツフィーダ
と、該パーツフィーダと前記組立コンベアとの間に配置
した、穴明き部品を回転させるエアーノズル装置を有す
るターンテーブルと、該ターンテーブル上に抜き差し可
能に等ピッチ間隔で起設されて複数の穴明き部品を着脱
可能に貫通する、シャフトと略同径であり、テーブルの
ピン穴上端部内に臨む部分に突出方向に付勢された出没
自在の爪を有し、上端にパーツ移載機の凹部に係合する
凸部と下端にシャフトの上端の凸部に係合する凹部を有
する複数のピンと、前記パーツフィーダから送り出され
た種類毎の穴明き部品を個々に保持して取出し、前記タ
ーンテーブル上に運んで前記複数のピンに対し前記ター
ンテーブルの回転に応じて複数の穴明き部品を順次脱落
させて移載する、シャフトと略同径の穴明き部品を着脱
可能に貫通するホルダシャフトとその外筒部からなり、
ホルダシャフトが外筒部に出没自在となっているパーツ
移載機と、前記ターンテーブル上から複数の穴明き部品
が装着された前記ピンを個々に保持して抜き取り、前記
組立コンベア上のワーク上方に運んで該ワークに起設し
たシャフトに対し前記ピンから複数の穴明き部品を脱落
させて移載するとともに、前記ピンをターンテーブル上
のピン穴位置に運んで該ピンを脱落させて差込む、シャ
フトと略同径のホルダシャフトとその外筒部からなり、
ホルダシャフトがその先端にピン保持部を有し、且つ外
筒部に出没自在となっているピン移載機とからなること
を特徴とする。

（作用） パーツ移載機（51），（71）により複数のパーツフィー
ダ（１）〜（７）から個々に穴明き部品（131）〜（13
8）を取出してターンテーブル（41）上のピン（45）…
に順次移載し、次にピン移載機（91）により複数の穴明
き部品（131）〜（138）が装着されたピン（45）を個々
にターンテーブル（41）上から抜取り、組立コンベア
（120）上のワーク（121）上方に運んでそのシャフト
（124）にピン（45）から穴明き部品（131）〜（138）
を移載する一方、ピン（45）をピン移載機（91）により
ターンテーブル（41）上のピン穴（44）に差込む。

このようにパーツフィーダ（１）〜（７）からの穴明き
部品（131）〜（138）の取出し、ターンテーブル（41）
への移載、そしてピン（45）を介してのワーク（121）
への移載並びにシャフト（124）への装着、更にターン
テーブル（41）へのピン（45）の戻しから成る一連の作
業が自動的に行える。

（実施例） 以下に添付図面を基に実施例を説明する。

第１図は組付装置の配置を示し、図中縦方向に仮想線で
描かれた組立コンベア（120）上にワーク（121）が搬送
され、ワーク（121）は汎用エンジンのシリンダバレル
であり、第14図乃至第16図に示すようにそのバレル穴
（122）の奥壁（123）内面にはガバナシャフト（124）
が起設され、ガバナシャフト（124）の上端は雄テーパ
部（125）に形成され、また中間部にはクリップ溝（12
6）が形成され、（127）はシリンダ部、（128）はクラ
ンクシャフト及びベアリングの取付穴である。そしてシ
ャフト（124）に取付けられるガバナ（131）はガバナホ
ルダ（132）とガバナウェイト（134）から成り、ガバナ
ホルダ（132）内には一対のガバナウェイト（134），
（134）がピン（135），（135）にて枢着して組込ま
れ、ガバナホルダ（132）の開放端外周には歯車（133）
が形成されている。このガバナ（131）をシャフト（12
4）に組付ける際は、先ず平ワッシャ（136）、ガバナ
（131）、クリップ（137）及びスラストワッシャ（13
8）の順で装着し、組付完了後のガバナホルダ（132）の
歯車（133）にはクランクシャフト上の歯車（139）が噛
合される。

第１図に示すように組立コンベア（120）の側方には４
台のパーツフィーダ（１），（３），（５），（７）が
配置される。これらのパーツフィーダ（１），（３）,
5），（７）は振動型の整列方式によりそれぞれの送り
出し口（２），（４），（６），（８）に各パーツを一
個ずつ送り出すものであり、１番大きいパーツフィーダ
（１）はガバナ（131）用のもので、その組立コンベア
（120）方向に向けた送り出し口（２）の隣には平ワッ
シャ（136）用のパーツフィーダ（３）が配置され、そ
の送り出し口（４）も組立コンベア（120）の方向に向
けられている。この平ワッシャ用パーツフィーダ（３）
の隣にはクリップ（137）用のパーツフィーダ（５）と
スラストワッシャ（138）用のパーツフィーダ（７）と
が並列に配置され、その送り出し口（６），（８）はと
もに平ワッシャ用パーツフィーダ（３）方向に向けられ
ている。

そしてガバナ用パーツフィーダ（１）の送り出し口
（２）にはパーツ取出機（11）が備えられ、取出機（1
1）はエアーシリンダ（12）のピストンロッド（13）に
取出板（14）を連結して成る。送り出し口（２）端部下
に直角に固設したガイド板（16）端にエアーシリンダ
（12）が固定され、第２図の如く取出板（14）はガイド
板（16）上を移動自在で送り出し口（２）側に臨む略半
円状のパーツ受け凹部（15）が形成され、ガイド板（1
6）の送り出し口（２）側方部には円孔（17）が形成さ
れている。

また平ワッシャ用パーツフィーダ（３）の送り出し口
（４）にもパーツ取出機（21）が備えられ、この取出機
（21）も同様に送り出し口（４）端部下に固設したガイ
ド板（26）端に固定されたエアーシリンダ（22）と、そ
のピストンロッド（23）に連結されて第３図の如くガイ
ド板（26）上を移動自在な取出板（24）から成る。同様
に取出板（24）にはパーツ受け凹部（25）が、ガイド板
（26）には円孔（27）がそれぞれ形成されている。

更にクリップ用パーツフィーダ（５）とスラストワッシ
ャ用パーツフィーダ（７）の両送り出し口（６），
（８）には共通のパーツ取出機（31）が備えられ、この
取出機（31）は両送り出し口（６），（８）の端部下に
架設したガイド板（36）端に固定されたエアーシリンダ
（32）と、そのピストンロッド（33）に連結されて第４
図の如くガイド板（36）上を移動自在な取出板（34）か
ら成る。この取出板（34）には２個のパーツ受け凹部
（35），（35）が形成され、一方の凹部（35）でパーツ
を受ける時は他方の凹部（35）はガイド板（36）上の両
送り出し口（６），（８）の中央に位置し、且つ一方の
送り出し口は取出板（34）により塞がれるようになって
おり、ガイド板（36）の中央に円孔（37）が形成されて
いる。

以上の４台のパーツフィーダ（１），（３），（５），
（７）と組立コンベア（120）との間にはターンテーブ
ル（41）が配置され、円形のターンテーブル（41）上に
は等ピッチ間隔で複数（図示では８本）のピン（45）…
が抜き差し自在に起設して備えられている。即ちターン
テーブル（41）の外周部に第８図の如く形成した円孔
（42）にはホルダ（43）が嵌装され、ホルダ（43）の中
央には上方からピン穴（44）が縦に形成され、ピン穴
（44）の上端は大径部（44a）に形成され、斯かるピン
穴（44）内に上方からピン（45）が差し込まれている。
このピン（45）はピン穴（44）上端の大径部（44a）内
に臨む部分に爪（48）を突出して成り、爪（48）はピン
（45）内の空所に枢着されてスプリング（49）により突
出方向に常時付勢され、更にピン（45）の上端には細径
部（46）が備えられ、またピン（45）下端は雌テーパ部
（47）に形成されている。斯かる８本のピン（45）…を
備えるターンテーブル（41）は第１図において、矢印で
示す如く反時計廻りにピンの数に応じた1/8回転ずつの
インデックス回転を順次行うものである。

そしてターンテーブル（41）とガバナ用パーツフィーダ
（１）及び平ワッシャ用パーツフィーダ（３）との間を
移動自在な第１パーツ移載機（51）が設けられる。第１
パーツ移載機（51）は、ガバナ用パーツフィーダ（１）
と組立コンベア（120）との間に設置された機台（52）
と、この機台（52）上のレール（53）上を第１図横方向
に走行するスライダ（54）と、このスライダ（54）に第
１図縦方向に設けられたターンテーブル（41）上方に延
びるレール（55）上を走行するヘッド（56）と、このヘ
ッド（56）から下方に垂直に備えたホルダシャフト（6
1）等から成る。ヘッド（56）下方には第５図の如くエ
アーシリンダ（57）により昇降自在なベース（58）が水
平に備えられ、このベース（58）にホルダシャフト（6
1）が垂下固設され、ホルダシャフト（61）の下部には
前記と同様の爪（62）が備えられ、シャフト（61）下端
には第８図の如く芯出し用の雌テーパ状凹部（63）が形
成されている。

更に第５図のように斯かるホルダシャフト（61）の上部
外周には筒状のエジェクタ（64）が摺動自在に嵌装さ
れ、エジェクタ（64）はベース（58）上に起設したエア
ーシリンダ（59）により昇降操作され、エジェクタ（6
4）の下端は大径部（65）に形成され、（66），（67）
はガイドロッド、（68），（69）はストロークスイッチ
である。

またターンテーブル（41）とクリップ用パーツフィーダ
（５）及びスラストワッシャ用パーツフィーダ（７）と
の間を移動自在な第２パーツ移載機（71）と、更にター
ンテーブル（41）と組立コンベア（120）との間を移動
自在なピン移載機（91）も設けられる。これら第２パー
ツ移載機（71）とピン移載機（91）は、クリップ用及び
スラストワッシャ用の両パーツフィーダ（５），（７）
から組立コンベア（120）上を跨いで設置された共通の
機台（72）前面のレール（73）にそれぞれのヘッド（7
4），（94）が第１図横方向へ走行自在に備えられてい
る。

第２パーツ移載機（71）のヘッド（74）下方には第６図
の如くエアーシリンダ（75）により昇降自在なベース
（76）が水平に備えられ、このベース（76）にホルダシ
ャフト（81）が垂下固設され、ホルダシャフト（81）の
下部には前記と同様の爪（82）が備えられ、シャフト
（81）下端には第９図の如く芯出し用の雌テーパ状凹部
（83）が形成されている。更にホルダシャフト（81）の
上部外周には筒状のエジェクタ（84）が摺動自在に嵌装
され、エジェクタ（84）はベース（76）上に起設したエ
アーシリンダ（77）により昇降操作され、（86），（8
7）はガイドロッド、（88），（89）はストロークスイ
ッチである。

一方、ピン移載機（91）のヘッド（94）下方にも第７図
の如くエアーシリンダ（95）により昇降自在なベース
（96）が水平に備えられ、このベース（96）には横方向
の作動装置（102）を介してコレットチャック（101）が
垂下支持される。このコレットチャック（101）の下方
には筒状のエジェクタ（104）が同芯的に配設され、エ
ジェクタ（104）はベース（96）上に起設したエアーシ
リンダ（97）によりブラケット（105）を介して昇降操
作され、（98），（99）はワーク検出スイッチ、（10
6），（107）はガイドロッド、（108），（109）はスト
ロークスイッチである。

以上において、第１図のようにターンテーブル（41）上
のピン（45）がガバナ用パーツフィーダ（１）のパーツ
取出機（11）に最も近い位置（Ａ）に来た時が第１パー
ツ移載位置であり、この位置（Ａ）からターンテーブル
（41）が反時計廻りに1/8回転を２回繰り返してそのピ
ン（45）が第２パーツ移載機（72）側へ近づく位置
（Ｂ）に来た時が第２パーツ移載位置である。またこの
位置（Ｂ）から更にターンテーブル（41）が1/8回転を
２回繰り返してそのピン（45）が組立コンベア（120）
側へ近づく位置（Ｃ）がピン取出し及び戻し位置であ
る。

そして第２パーツ移載機（71）のホルダシャフト（81）
と第２パーツ移載位置（Ｂ）のピン（45）とは機台（7
2）のレール（73）との平行線（L₁）上に一致して配置
され、また組立コンベア（120）上のワーク（121）の図
示仮想線の如く停止位置におけるカバナシャフト（12
4）とピン取出し及び戻し位置（Ｃ）のピン（45）もレ
ール（73）との平行線（L₂）上に一致して配置される。

以上の如く構成した組付装置は全自動制御されるもので
ある。

次に以上の組付装置による複数の穴明き部品の自動取付
作業を説明する。

先ず第１パーツ移載機（51）のヘッド（56）がガバナ用
パーツフィーダ（１）のパーツ取出機（11）上方へ移動
し、そのエアーシリンダ（12）の往復作動により第２図
の如く取出板（14）のパーツ受け凹部（15）内に取出さ
れたガバナ（131）に対し上方からエアーシリンダ（5
7）の作動でホルダシャフト（61）が下降して貫通し、
再び上昇して爪（62）により抜け落ちを防止しつつガバ
ナ（131）をホルダシャフト（61）に保持する。引き続
いてヘッド（56）が平ワッシャ用パーツフィーダ（３）
のパーツ取出機（21）上方へ移動し、エアーシリンダ
（22）の往復作動により第３図の如く取出板（24）のパ
ーツ受け凹部（25）内に取出された平ワッシャ（136）
に対しホルダシャフト（61）が下降して貫通し、上昇し
て爪（62）で抜け落ちを防止しつつ平ワッシャ（136）
をガバナ（131）下に重ねて同様にホルダシャフト（6
1）に保持する。引き続きヘッド（56）が第５図の如く
ターンテーブル（41）の第１パーツ移載位置（Ａ）にあ
るピン（45）上方へ移動し、ホルダシャフト（61）が下
降して第８図の如くピン（45）上端の細径部（46）にシ
ャフト（61）下端の雌テーパ状凹部（63）が嵌合して芯
出しを行う。次いでエアーシリンダ（59）の作動でエジ
ェクタ（64）が下降し、その過程でエジェクタ（64）下
端の大径部（65）がガバナホルダ（132）上端の歯車（1
33）上面に当ってこれを押下げ、これにより爪（62）を
押込んで平ワッシャ（136）とガバナ（131）をシャヒュ
ト（61）から脱落させてピン（45）外周に移載する。斯
くしてピン（45）に移載された平ワッシャ（136）及び
その上のガバナ（131）は第８図の如くピン穴（44）上
端の大径部（44a）内に突出する爪（48）上に位置し、
且つホルダ（43）上面に載置状態にある。

然る後、エジェクタ（64）及びホルダシャフト（61）が
上昇してヘッド（56）が再びパーツの取出しに向かうと
ともに、ターンテーブル（41）が1/8回転を順次行って
その都度、同様に位置（Ａ）上の次のピン（45）へのパ
ーツの移載が行われる。

一方、第２パーツ移載機（71）のヘッド（74）がクリッ
プ用及びスラストワッシャ用の両パーツフィーダ
（５），（７）の共通のパーツ取出機（31）上方へ移動
し、エアーシリンダ（32）の往復作動により第４図の如
く先ず取出板（34）の左側のパーツ受け凹部（35）内に
取出されたスラストワッシャ（138）に対し上方からエ
アーシリンダ（75）の作動でホルダシャフト（81）が下
降して貫通し、再び上昇して爪（82）により抜け落ちを
防止しつつスラストワッシャ（138）をホルダシャフト
（81）に保持する。引き続きエアーシリンダ（32）の往
復作動で取出板（34）の右側のパーツ受け凹部（35）内
に取出されたクリップ（137）に対しホルダシャフト（8
1）が下降して貫通し、上昇して爪（82）で抜け落ちを
防止しつつクリップ（137）をスラストワッシャ（138）
下に重ねて同様にホルダシャフト（81）に保持する。そ
して前述の如く第１パーツ移載位置（Ａ）で平ワッシャ
（136）及びガバナ（131）が装着されたピン（45）が位
置（Ａ）からのターンテーブル（41）の２回送り回転で
第２パーツ移載位置（Ｂ）に来ると、ヘッド（74）が第
６図の如く位置（Ｂ）にあるピン（45）上方へ移動し、
ホルダシャフト（81）が下降して第９図の如くピン（4
5）上端の細径部（46）にシャフト（81）下端の雌テー
パ状凹部（83）か嵌合して芯出しを行う。次いでエアー
シリンダ（77）の作動でエジェクタ（84）が下降し、そ
の過程でエジェクタ（84）下端がスラストワッシャ（13
8）上面に当ってこれを押下げ、これにより爪（82）を
押込んでクリップ（137）とスラストワッシャ（138）を
シャフト（81）から脱落させてピン（45）外周に移載す
る。

ここで、ガバナ（131）内には一対のウェイト（134），
（134）が組込まれており、このウェイト（134），（13
4）がガバナ（131）の中央に向かって起きていても前記
ホルダシャフト（61）の挿入には支障はないが、ピン
（45）へのクリップ（137）及びスラストワッシャ（13
8）への装着に際しては、ウェイト（134），（134）が
起きているとその装着に障害となる。

このため、第12図及び第13図に示すようにターンテーブ
ル（41）の特に第２パーツ移載位置（Ｂ）の近傍にはエ
アーノズル装置（111）を配設し、そのノズル（112）を
ピン（45）に装着されたガバナ（131）の歯車（133）外
周面に対し接線方向に指向させておく。そしてピン（4
5）へのクリップ（137）及びスラストワッシャ（138）
の装着に先立って、ノズル（112）からエアーを歯車（1
33）に吹き出すことにより歯車（133）と一体のガバナ
ホルダ（132）を回転させ、その回転による遠心力でウ
ェイト（134），（134）を拡開作動させる。従って次の
クリップ（137）及びスラストワッシャ（138）の装着が
スムーズに行えるようになる。

尚、エアーノズル装置（111）は図示の如くテーブル（4
1）に直接備えずに、位置（Ｂ）の近傍に別設しても良
く、またそのエアー吹き出しは常時或いは必要に応じて
間欠的に行うようにしても良い。

然る後、エジェクタ（84）及びホルダシャフト（81）が
上昇してヘッド（74）が再びパーツの取出しに向かうと
ともに、ターンテーブル（41）が1/8回転を順次行って
その都度、同様に位置（Ｂ）上の次のピン（45）へのパ
ーツの移載が行われる。

そして以上により４個の穴明き部品である平ワッシャ
（136）、ガバナ（131）、クリップ（137）及びスラス
トワッシャ（138）が両パーツ移載位置（Ａ），（Ｂ）
を経て装着されたピン（45）が位置（Ｂ）からのターン
テーブル（41）の２回送り回転でピン取出し及び戻し位
置（Ｃ）に来ると、この位置（Ｃ）にあるピン（45）上
方にはピン移載機（91）のヘッド（94）が待機されてお
り、先ずエアーシリンダ（97）の作動によりエジェクタ
（104）が下降して第10図の如くピン（45）の上部外周
に嵌合する。引き続きエアーシリンダ（95）の作動でコ
レットチャック（101）がピン（45）上に同芯的に下降
し、更に作動装置（102）の作動でコレットチャック（1
01）がピン（45）上端の細径部（46）をチャッキングす
る。次いでコレットチャック（101）及びエジェクタ（1
04）が同期して上昇してターンテーブル（41）上から第
７図にも示す如くピン（45）を抜取った後、ヘッド（9
4）が組立コンベア（120）上に停止して待機されたワー
ク（121）上方に移動し、第１図の如くワーク（121）内
のガバナシャフト（124）上に同芯的に再びコレットチ
ャック（101）及びエジェクタ（104）が同期して下降
し、ガバナシャフト（124）上端の雄テーパ部（125）に
ピン（45）下端の雌テーパ部（47）が嵌合して芯出しを
行う。引き続いてエジェクタ（104）が更に下降してそ
の下端がスラストワッシャ（138）上面に当たってこれ
を押下げ、これにより爪（48）を押込んで平ワッシャ
（136）、ガバナ（131）、クリップ（137）及びスラス
トワッシャ（138）をピン（45）から脱落させてガバナ
シャフト（124）外周に移載する。この時にシャフト（1
24）のクリップ溝（126）内にクリップ（137）が嵌着さ
れる。

然る後、エジェクタ（104）及びコレットチャック（10
1）が上昇してヘッド（94）が再び位置（Ｃ）に向か
い、ターンテーブル（41）の位置（Ｃ）にあるピン穴
（44）上に同芯的にコレットチャック（101）を下降し
てピン（45）をピン穴（44）に差込んで戻し、コレット
チャック（101）を拡開してチャッキングを解除し、再
び上昇して次の作業に待機する。

斯くしてターンテーブル（41）上に戻されたピン（45）
はテーブル（41）が1/8回転を４回行って前記第１パー
ツ移載位置（Ａ）に来た時に再び同様にしてパーツが装
着され、以降は同様の手順で作動が繰り返される。

ところで、実施例ではガバナ部品の組付けを基に説明し
たが、本発明の組付方法並びに装置は他の複数の穴明き
部品についても適用し得ること勿論である。またパーツ
取出機、パーツ移載機をパーツの種類に応じて個々に備
えても良く、更にピンの数及びターンテーブルのインデ
ックス回転角は任意に設定し得る。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、パーツ移載機により各パ
ーツフィーダから個々に取出した複数の穴明き部品をタ
ーンテーブル上のピンに順次移載してから、ピン移載機
により部品装着後のピンをテーブル上から抜取って組立
コンベア上のワーク上方に運び、そのシャフトにピンか
ら部品を移載し、またピンをテーブル上に戻すよう構成
したため、人手を要することなくパーツフィーダから組
立コンベア上のシャフト複数の穴明き部品を移載して効
率良く装着でき、自動化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は組付装置の配置を示す概略平面図、第２図乃至
第４図はパーツ取出機の一部を破断して示す要部の各平
面図、第５図及び第６図はパーツ移載機の一部を破断し
て示す各側面図、第７図はピン移載機の同様の側面図、
第８図乃至第11図はピン部分の作業手順に応じた要部の
各縦断側面図、第12図及び第13図はエアーノズル装置部
分の平面図と部分破断側面図、第14図はワークと部品と
の関係を示す分解斜視図、第15図及び第16図はワークの
平面図と縦断面図である。 尚、図面中、（１），（３），（５），（７）はパーツ
フィーダ、（11），（21），（31）はパーツ取出機（4
1）はターンテーブル、（44）はピン穴、（45）はピ
ン、（48）は爪、（51），（71）はパーツ移載機、（6
1），（81）はホルダシャフト、（62），（82）は爪、
（64），（84）はエジェクタ、（91）はピン移載機、
（101）はチャック、（104）はエジェクタ、（111）は
エアーノズル装置、（120）は組立コンベア、（121）は
ワーク、（124）はシャフト、（131），（136），（13
7），（138）は穴明き部品である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】組立コンベア上のワークに起設したシャフ
   トに対して複数の穴明き部品を装着する組付方法におい
   て、複数のパーツフィーダから種類毎に送り出された複
   数の穴明き部品を個々にパーツ移載機で保持して取り出
   す工程と、シャフトと略同径であり、ターンテーブルの
   ピン穴上端部内に臨む部分に突出方向に付勢された出没
   自在の爪を有し、ピンの上端にパーツ移載機の凹部に係
   合する凸部とピンの下端にシャフトの上端の凸部に係合
   する凹部を有するピンにより前記工程で取り出された複
   数の穴明き部品を前記パーツ移載機によりターンテーブ
   ル上に運んで該テーブル上に抜き差し可能に等ピッチ間
   隔で起設されて複数の穴明き部品を着脱可能に貫通する
   複数のピンに対し前記ターンテーブルの回転に応じて複
   数の穴明き部品を移載する工程と、シャフトと略同径の
   複数の穴明き部品を貫通して着脱するホルダシャフトと
   その外筒部からなり、ホルダシャフトが外筒部に出没自
   在となっている前記パーツ移載機により順次脱落させて
   移動する工程と、エアーノズル装置でターンテーブルに
   穴明き部品を回転させる工程と、シャフトと略同径のホ
   ルダシャフトとその外筒部からなり、ホルダシャフトが
   その先端ピン保持部を有し、且つ外筒部に出没自在とな
   ってピン移載機により前記工程で複数の穴明き部品が装
   着された前記ピンを個々にピン移載機で保持して前記タ
   ーンテーブル上方に抜取る工程と、前記工程で抜取られ
   た前記ピンを前記ピン移載機により前記組立コンベア上
   のワーク上方に運んで該ワークに起設したシャフトに対
   し前記ピンから複数の穴明き部品を脱落させて移載する
   工程と、前記工程で複数の穴明き部品が脱落された前記
   ピンを前記ピン移載機により前記ターンテーブル上のピ
   ン穴位置に運んで該ピン穴に対し前記ピンを前記ピン移
   載機から脱落させて差込む工程とからなることを特徴と
   する複数の穴明き部品の組付方法。
2. 【請求項２】組立コンベア上のワークに起設したシャフ
   トに対し複数の穴明き部品を装着する組付装置であっ
   て、複数の穴明き部品を種類毎に送り出す複数のパーツ
   フィーダと、該パーツフィーダと前記組立コンベアとの
   間に配置した、穴明き部品を回転させるエアーノズル装
   置を有するターンテーブルと、該ターンテーブル上に抜
   き差し可能に等ピッチ間隔で起設されて複数の穴明き部
   品を着脱可能に貫通する、シャフトと略同径であり、テ
   ーブルのピン穴上端部内に臨む部分に突出方向に付勢さ
   れた出没自在の爪を有し、上端にパーツ移載機の凹部に
   係合する凸部と下端にシャフトの上端の凸部に係合する
   凹部を有する複数のピンと、前記パーツフィーダから送
   り出された種類毎の穴明き部品を個々に保持して取出
   し、前記ターンテーブル上に運んで前記複数のピンに対
   し前記ターンテーブルの回転に応じて複数の穴明き部品
   を順次脱落させて移載する、シャフトと略同径の穴明き
   部品を着脱可能に貫通するホルダシャフトとその外筒部
   からなり、ホルダシャフトが外筒部に出没自在となって
   いるパーツ移載機と、前記ターンテーブル上から複数の
   穴明き部品が装着された前記ピンを個々に保持して抜き
   取り、前記組立コンベア上のワーク上方に運んで該ワー
   クに起設したシャフトに対し前記ピンから複数の穴明き
   部品を脱落させて移載するとともに、前記ピンをターン
   テーブル上のピン穴位置に運んで該ピンを脱落させて差
   込む、シャフトと略同径のホルダシャフトとその外筒部
   からなり、ホルダシャフトがその先端にピン保持部を有
   し、且つ外筒部に出没自在となっているピン移載機とか
   らなることを特徴とする組立てラインにおけるエンジン
   部品等の複数の穴明き部品の組付装置。