JPH07125662A - 走行装置 - Google Patents

走行装置

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JPH07125662A
JPH07125662A JP6136617A JP13661794A JPH07125662A JP H07125662 A JPH07125662 A JP H07125662A JP 6136617 A JP6136617 A JP 6136617A JP 13661794 A JP13661794 A JP 13661794A JP H07125662 A JPH07125662 A JP H07125662A
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space
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Fukashi Uragami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲がった面を有する走行面を安定した姿勢で
走行することができると共に十分な駆動力を発揮できる
ようにすること。 【構成】 フレーム手段は、主フレームと、主フレーム
の両側に配置された一対の揺動フレームと、主フレーム
の一端部側に配置された接続フレームとを含んでいる。
接続フレームの中央部は主フレームに1軸揺動継手手段
を介して連結され、接続フレームの両端部は揺動フレー
ムの各々の一端部に全軸揺動継手手段を介して連結さ
れ、揺動フレームの各々の他端部は主フレームの他端部
の両側部に2軸揺動継手手段を介して連結されている。
各揺動フレームには2個の車輪が装着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パイプの内外面や船体
などのように、曲がった面を有する物体表面(以下走行
面という)上を、例えばサンドブラストのような作業を
実施しながら、移動手段としての複数の車輪、又は移動
手段としての複数のベルト車を含む複数の無端軌条によ
り移動することができる走行装置に関する。
【0002】本発明はまた、パイプの内外面や船体など
のように、曲がった面を有する走行面上を、例えばサン
ドブラストのような作業を実施しながら、空気や水のよ
うな包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつ移動手
段としての複数の車輪、又は移動手段としてのそれぞれ
複数のベルト車を含む複数の無端軌条により走行面に沿
って移動することができる走行装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、パイプの内外面や船体などのよう
に、曲がった面を有する走行面上を、例えばサンドブラ
ストのような作業を実施しながら、空気や水のような包
囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつそれに沿って
移動する走行装置の典型例としては、例えば米国特許第
4,095,378号明細書及び図面に開示された装置
を挙げることができる。この装置は、フレームに装着さ
れた減圧ハウジングと、フレームに装着された移動手段
と、減圧ハウジングに装着されかつ減圧ハウジング及び
走行面と協働して減圧空間を規定する吸着シールと、減
圧空間から流体を排出して減圧空間内の圧力を減少させ
る減圧手段とを備えている。前記移動手段は、複数の車
輪(例えば4個の車輪)、又は、それぞれ複数のベルト
車を含む複数の無端軌条(例えばそれぞれ2個のベルト
車を備えた2式の無端軌条)から構成されている。前記
走行装置には、走行面に研掃材を噴射するサンドブラス
ト装置のような作業装置が装着されている。
【0004】前記従来の走行装置において、減圧手段が
作動されると減圧空間内の流体が外部に排出され、減圧
空間内外の流体圧力差に起因して減圧ハウジングに作用
する流体圧力は車輪、あるいはベルト車を介して走行面
に伝達され、このような流体圧力によって装置は走行面
に吸着される。このような吸着状態において、電動モー
タのような駆動手段によって車輪、あるいはベルト車を
駆動すると、車輪、あるいは無端軌条の作用によって装
置は走行面に沿って移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】パイプの内外面や船体
などのように、曲がった面を有する走行面上を、例えば
サンドブラストのような作業を実施しながら、包囲流体
の圧力によって走行面に吸着しかつそれに沿って移動す
る前記従来の走行装置においては、前記移動手段が装着
されているフレームは、実質上その形状が柔軟に変形し
ない剛体構造を有している。このため、前記移動手段と
して例えば4個の車輪が装着された走行装置、すなわち
車輪がフレームの両側部に2個ずつ配置された形態の走
行装置においては、4個の車輪のうち1輪は走行面より
離反する。更に具体的に説明すると、装置が例えば円筒
形であるパイプの外面上に在り、しかも装置の走行方向
の中心軸線がパイプの中心軸線と斜めに交差する面上に
在れば、4個の車輪のうちの1個は走行面から離反して
しまう。このことに起因して、装置の姿勢がいつも不安
定な状態となる。また4輪の車輪全部が走行面に接地し
ないことにより十分な駆動力が発揮できない。このよう
な技術的課題は、例えばサンドブラストのような作業を
実施しながら移動する、包囲流体の圧力によって走行面
に吸着する手段を備えていない従来の走行装置において
も存在するものである。また包囲流体の圧力によって走
行面に吸着しかつそれに沿って移動する前記従来の走行
装置においては、4個の車輪のうちの1個が走行面から
離反してしまうことに起因して、吸着シールのシール機
能が損なわれるおそれがある。これらの問題は、前記移
動手段として例えば合計4個のベルト車を含む2式の無
端軌条が装着された走行装置においても、前記したと同
じ理由から同様に生ずることは容易に理解できよう。
【0006】また、包囲流体の圧力によって走行面に吸
着しかつそれに沿って移動する前記従来の走行装置であ
って、前記移動手段として例えば4個の車輪が装着され
た走行装置、すなわち車輪がフレームの両側部に2個ず
つ配置された形態の走行装置において、装置が、船体壁
面などのように垂直な面を有する走行面を上昇移動する
場合、走行面上に鋼板と鋼板を重ね合わせて溶接した段
差溶接線などの、水平方向に延びる突起部が存在すれ
ば、装置は突起部を乗り越えるのに十分な駆動力を備え
ておらず、突起部において車輪が空転することがある。
特に、走行面に摩擦係数の小さい塗膜があって車輪が滑
り易い場合などにおいては、前記突起部において装置の
上昇が阻害され、車輪が空転することがある。この理由
は次のとおりである。すなわち前記走行装置において
は、4個の車輪の回転軸は、それぞれ、同一の、装置の
走行方向と直角かつ走行面と直角に交差する面上に配置
されている。したがって、装置が垂直な走行面を垂直方
向に上昇移動している際に、装置の4個の車輪のうち同
時に2個の車輪が前記突起部に遭遇するので、装置が突
起部を乗り越えるのに必要な駆動力は、4個の車輪のう
ち1個ずつが突起部を乗り越えるときに必要な駆動力と
比較して2倍の駆動力が必要となるのである。この問題
は、前記移動手段として例えば合計4個のベルト車を含
む2式の無端軌条が装着された走行装置においても、前
記したと同じ理由から同様に生ずることは容易に理解で
きよう。また、このような技術的課題は、例えばサンド
ブラストのような作業を実施しながら移動する、包囲流
体の圧力によって走行面に吸着する手段を備えていない
従来の走行装置においても存在するものである。
【0007】また、包囲流体の圧力によって走行面に吸
着しかつそれに沿って移動する前記従来の走行装置にお
いて、装置が、パイプの内外面や船体などのように、曲
がった面を有する走行面上を吸着しながら移動している
際、装置が、吸着走行可能な限界曲率を越えた大きな曲
率を有する走行面に遭遇する場合がある。その場合、装
置の吸着シールが走行面の曲率に追随して柔軟に変形す
ることがもはや限界となる。このことに起因して吸着シ
ールのシール機能が破壊されるため、装置の減圧領域の
真空度が急激に降下し、装置が走行面から突然離反する
ことがある。
【0008】したがって、本発明の一つの目的は、曲が
った面を有する走行面を安定した姿勢で走行することが
できると共に十分な駆動力を備えた、走行装置を提供す
ることである。
【0009】本発明の他の目的は、曲がった面を有する
走行面を安定した姿勢で走行することができると共に十
分な駆動力を備えた、空気や水のような包囲流体の圧力
によって走行面に吸着しかつそれに沿って移動すること
ができる走行装置を提供することである。
【0010】本発明の更に他の目的は、垂直な走行面上
に存在する溶接線などの水平方向に延びる突起部を乗り
越えて上昇移動するのに十分な駆動力を備えた、空気や
水のような包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつ
それに沿って移動することができる走行装置を提供する
ことである。
【0011】本発明の更に他の目的は、吸着シール手段
のシール機能の低下による走行面からの離反を防止する
ことができる、空気や水のような包囲流体の圧力によっ
て走行面に吸着しかつそれに沿って移動することができ
る走行装置を提供することである。
【0012】本発明のその他の目的は、本発明に従って
構成された走行装置の実施例について、添付図面を参照
して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろ
う。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の一局面によれ
ば、フレーム手段と、複数の車輪又は、それぞれ複数の
ベルト車を含む複数の無端軌条からなる、該フレーム手
段に装着されて走行面を移動する移動手段とを備えた走
行装置において、該フレーム手段は、主フレームと、該
主フレームの両側に配置された一対の揺動フレームと、
該主フレームの一端部側に配置された接続フレームとを
含み、該接続フレームの中央部は該主フレームの該一端
部側に1軸揺動継手手段を介して連結され、該接続フレ
ームの両端部は該揺動フレームの各々の一端部に全軸揺
動継手手段を介して連結され、該揺動フレームの各々の
他端部は該主フレームの他端部の両側部に2軸揺動継手
手段を介して連結され、該2軸揺動継手手段の各々は、
該走行面と実質上平行な揺動面を有する揺動縦軸と、該
走行面と実質上直交する揺動面を有する揺動横軸とを備
え、該1軸揺動継手手段は、該走行面と実質上直交する
と共に該2軸揺動継手手段の各々の該揺動横軸の該揺動
面とも実質上直交する揺動面を有する揺動横軸を備えて
いることを特徴とする走行装置、が提供される。
【0014】本発明の他の局面によれば、フレーム手段
と、複数の車輪又は、それぞれ複数のベルト車を含む複
数の無端軌条からなる、該フレーム手段に装着されて走
行面を移動する移動手段とを備えた走行装置において、
該フレーム手段は、主フレームと、該主フレームの両側
に配置された一対の揺動フレームと、該主フレームの一
端部側に配置された接続フレームとを含み、該接続フレ
ームの中央部は該主フレームの該一端部側に1軸揺動継
手手段を介して連結され、該接続フレームの両端部は該
揺動フレームの各々の一端部に全軸揺動継手手段を介し
て連結され、該揺動フレームの各々の他端部は該主フレ
ームの他端部の両側部に1軸揺動継手手段を介して連結
され、該揺動フレームの各々における該1軸揺動継手手
段は該走行面と実質上直交する揺動面を有する揺動横軸
を備え、該接続フレームにおける該1軸揺動継手手段
は、該走行面と実質上直交すると共に該揺動フレームの
各々における該1軸揺動継手手段の該揺動横軸の該揺動
面とも実質上直交する揺動面を有する揺動横軸を備えて
いることを特徴とする走行装置、が提供される。
【0015】本発明の更に他の局面によれば、フレーム
手段と、複数の車輪又は、それぞれ複数のベルト車を含
む複数の無端軌条からなる、該フレーム手段に装着され
て走行面を移動する移動手段と、該主フレームに装着さ
れた減圧ハウジングと、該減圧ハウジングに装着されか
つ該減圧ハウジング及び該走行面と協働して減圧空間を
規定する吸着シール手段と、該減圧空間から流体を外部
に排出するための減圧手段とを備え、該減圧空間の内外
の流体圧力差に起因して該減圧ハウジングに作用する包
囲流体の圧力によって該走行面に吸着しかつそれに沿っ
て移動することができる走行装置において、該フレーム
手段は、主フレームと、該主フレームの両側に配置され
た一対の揺動フレームと、該主フレームの一端部側に配
置された接続フレームとを含み、該接続フレームの中央
部は該主フレームの該一端部側に1軸揺動継手手段を介
して連結され、該接続フレームの両端部は該揺動フレー
ムの各々の一端部に全軸揺動継手手段を介して連結さ
れ、該揺動フレームの各々の他端部は該主フレームの他
端部の両側部に2軸揺動継手手段を介して連結され、該
2軸揺動継手手段の各々は、該走行面と実質上平行な揺
動面を有する揺動縦軸と、該走行面と実質上直交する揺
動面を有する揺動横軸とを備え、該1軸揺動継手手段
は、該走行面と実質上直交すると共に該2軸揺動継手手
段の各々の該揺動横軸の該揺動面とも実質上直交する揺
動面を有する揺動横軸を備えていることを特徴とする走
行装置、が提供される。
【0016】本発明の更に他の局面によれば、フレーム
手段と、複数の車輪又は、それぞれ複数のベルト車を含
む複数の無端軌条からなる、該フレーム手段に装着され
て走行面を移動する移動手段と、該主フレームに装着さ
れた減圧ハウジングと、該減圧ハウジングに装着されか
つ該減圧ハウジング及び該走行面と協働して減圧空間を
規定する吸着シール手段と、該減圧空間から流体を外部
に排出するための減圧手段とを備え、該減圧空間の内外
の流体圧力差に起因して該減圧ハウジングに作用する包
囲流体の圧力によって該走行面に吸着しかつそれに沿っ
て移動する走行装置において、該複数の車輪の各々の回
転軸、又は該無端軌条の各々に含まれる該複数のベルト
車の各々の回転軸は、それぞれ、同一の、該走行装置の
走行方向と直角かつ該走行面と直角に交差する面上に配
置されることなく、異なった該面上に配置されているこ
とを特徴とする走行装置、が提供される。
【0017】本発明の更に他の局面によれば、フレーム
手段と、複数の車輪又は、それぞれ複数のベルト車を含
む複数の無端軌条からなる、該フレーム手段に装着され
て走行面を移動する移動手段と、該主フレームに装着さ
れた減圧ハウジングと、該減圧ハウジングに装着されか
つ該減圧ハウジング及び該走行面と協働して減圧空間を
規定する吸着シール手段と、該減圧空間から流体を外部
に排出するための減圧手段とを備え、該減圧空間の内外
の流体圧力差に起因して該減圧ハウジングに作用する包
囲流体の圧力によって該走行面に吸着しかつそれに沿っ
て移動する走行装置において、環状の装着部を備えた該
減圧ハウジングと、環状でかつ一端側が開口された空間
部を備えた該吸着シール手段と、該吸着シール手段のシ
ール機能を補償するシール機能補償手段とを備え、該吸
着シール手段の該一端側が該減圧ハウジングの該装着部
に装着されることにより該吸着シール手段の該空間部は
実質上密封され、該シール機能補償装置は、該減圧空間
内の圧力を検出する圧力検出手段と、該空間部に圧力流
体を供給することにより該吸着シール手段を膨張させる
圧力流体供給手段と、該減圧空間の真空度が所定の真空
度より降下したとき、該圧力検出手段からの入力信号に
基づいて該圧力流体供給手段を作動させて該空間部に圧
力流体を供給する制御手段とを備えていることを特徴と
する走行装置、が提供される。
【0018】
【作用】先ず本発明の一局面に従って構成された走行装
置の作用について説明する。説明の便宜上、移動手段と
して一対の揺動フレームの各々に2個の車輪が装着され
た走行装置の作用について説明する。この装置において
は、接続フレームの中央部と主フレームの一端部側とは
1軸揺動継手手段により連結され、接続フレームの両端
部と各揺動フレームの各一端部とは全軸継手手段により
連結され、各揺動フレームの各他端部は主フレームの他
端部側の両側部に2軸揺動継手手段により連結されてい
る。装置が例えば円筒形であるパイプの外面上に在り、
しかも装置の走行方向の中心軸線がパイプの中心軸線と
斜めに交差する面上に在る場合、一対の揺動フレームが
主フレームに対して揺動しかつ接続フレームが主フレー
ムに対して回動するのでフレームの全体が走行面に倣っ
て変形する。その結果、4個の車輪は全て走行面に接地
する。したがってこの装置は、前記走行面を安定した姿
勢で走行することができると共に十分な駆動力を発揮す
ることができる。このような走行装置には、一般に、例
えば走行面に研掃材を噴射するサンドブラスト装置のよ
うな作業装置が装着されている。したがって前記走行装
置に例えばサンドブラスト装置が装着された場合には、
曲がった面を有する走行面においても、平坦な走行面に
おけると同様に、サンドブラスト作業を確実に行なうこ
とが可能となる。
【0019】このようにフレーム全体が変形する際、主
フレームと各揺動フレームとの相対位置は、各2軸揺動
継手手段を回転の中心として自由に変化する。また主フ
レームと接続フレームとの相対位置は、1軸揺動継手手
段の揺動横軸を回転の中心として自由に変化する。これ
らの相対位置の変化の内容について更に詳細に説明する
と、2軸揺動継手手段の各々の揺動横軸と直交する面上
において、主フレームと揺動フレームの各々との相対角
度が変化し、また2軸揺動継手手段の各々の揺動縦軸と
直交する面上においても、主フレームと揺動フレームの
各々との相対角度が変化する。ただし、各揺動横軸が在
る面上であってかつ走行面と直交する面上においては、
主フレームと揺動フレームの各々との相対角度は変化し
ない。一方1軸揺動継手手段の揺動横軸と直交する面上
において、主フレームと接続フレームとの相対角度が変
化する。そして主フレームに対する接続フレーム及び各
揺動フレームの位置の前記のような相対的変化は、接続
フレームの両端部と各揺動フレームの一端部間を連結す
る全軸揺動継手手段により可能とされる。
【0020】なお、揺動横軸と直交する面上における主
フレームと揺動フレームとの相対角度(平坦な走行面に
おいては0度である)が大きくなると、接続フレームと
主フレームとのなす相対角度(平坦な走行面においては
0度である)も大きくなるので、接続フレームの一方の
端部と他方の端部との間の、各2軸揺動継手手段の揺動
縦軸と直交する面上における距離は縮小する。その結
果、各揺動縦軸と直交する面上における主フレームと揺
動フレームとのなす相対角度(平坦な走行面においては
90度である)は90度より小さくなる。またこのと
き、接続フレームの中央部と各2軸揺動継手手段の揺動
横軸との間の、各2軸揺動継手手段の揺動縦軸と直交す
る面上における距離は縮小する。その結果、接続フレー
ムの中央部に対しては、1軸揺動継手手段の揺動横軸上
において、主フレームに接近する方向に移動しようとす
る力が作用する。この力を吸収するために、接続フレー
ムが、1軸揺動継手手段の揺動横軸に沿って摺動可能で
あるよう構成されることが好ましい。この構成によれ
ば、一対の揺動フレームにたわみが発生せず、フレーム
全体に無理な力が作用することなくスムーズな変形が可
能となる。接続フレームが1軸揺動継手手段の揺動横軸
に沿って主フレームに接近する方向に摺動できない場合
には、接続フレームは主フレームの方向にたわむことが
できるよう、その構造あるいは材料が規定される必要が
ある。この一例として、接続フレームを帯状の形状をな
す鋼板から構成することができる。接続フレームが、1
軸揺動継手手段の揺動横軸に沿って摺動できずかつ主フ
レームの方向にたわむこともできない場合には、接続フ
レームの両端部と各揺動フレームの各一端部とを連結す
る全軸継手手段が、主フレームの方向に移動できるよう
装着される必要がある。
【0021】前記走行装置においては、移動手段として
一対の揺動フレームの各々に2個の車輪が装着されてい
るが、一対の揺動フレームの各々に1個の車輪を装着
し、主フレームに2個の車輪を装着することもできる。
なお装置に装着される車輪の総数は4個以上であればそ
の個数に制約はなく、またその装着される場所にも制約
はない。また移動手段として一対の揺動フレームの各々
に1式の無端軌条を装着することもできる。なお装置に
装着される無端軌条の総数は2式以上であればその数に
制約はなく、またその装着される場所にも制約はない。
移動手段として例えばそれぞれ2個のベルト車を含む2
式の無端軌条が装着された場合には、総計4個の全ベル
ト車が走行面に接地される。各揺動フレームに車輪また
は無端軌条が装着された場合には、走行安定性が向上す
る。
【0022】次に本発明の他の局面に従って構成された
走行装置の作用について説明する。説明の便宜上、移動
手段として一対の揺動フレームの各々に2個の車輪が装
着された走行装置の作用について説明する。この装置
は、接続フレームの中央部と主フレームの一端部側とは
1軸揺動継手手段により連結され、接続フレームの両端
部と各揺動フレームの各一端部とは全軸継手手段により
連結され、各揺動フレームの各他端部は主フレームの他
端部側の両側部に1軸揺動継手手段により連結されてい
る。装置が例えば円筒形であるパイプの外面上に在り、
しかも装置の走行方向の中心軸線がパイプの中心軸線と
斜めに交差する面上に在る場合、一対の揺動フレームが
主フレームに対して揺動しかつ接続フレームが主フレー
ムに対して回動するのでフレームの全体が走行面に倣っ
て変形する。その結果、4個の車輪は全て走行面に接地
する。したがってこの装置においても、前記走行面を安
定した姿勢で走行することができると共に十分な駆動力
を発揮することができる。この走行装置に例えばサンド
ブラスト装置が装着された場合には、曲がった面を有す
る走行面においても、平坦な走行面におけると同様に、
サンドブラスト作業を確実に行なうことが可能となる。
【0023】このようにフレーム全体が変形する際、主
フレームと各揺動フレームとの相対位置は、それらの間
を連結する各1軸揺動継手手段の揺動横軸を回転の中心
として自由に変化する。また主フレームと接続フレーム
との相対位置は、それらの間を連結する1軸揺動継手手
段の揺動横軸を回転の中心として自由に変化する。これ
らの相対位置の変化の内容について更に説明すると、主
フレームと各揺動フレームとの間を連結する1軸揺動継
手手段の各々の揺動横軸と直交する面上において、主フ
レームと揺動フレームの各々との相対角度が変化する。
また走行面に平行な面上においても、主フレームと揺動
フレームの各々との相対角度が変化する。この場合、前
記主フレームと各揺動フレームとの間を連結する1軸揺
動継手手段の各々における揺動横軸の取付部のたわみに
よって、あるいは各揺動フレームのたわみによって、揺
動による各揺動フレームの各連結部に発生する応力が吸
収され、各揺動フレームの走行面に平行な面上における
変形が可能となり、よって各揺動フレームの揺動が可能
となる。各揺動フレームを主フレームの方向にたわむま
せる場合には、その構造あるいは材料が同方向にたわみ
うるよう規定される必要がある。この一例として、揺動
フレームを帯状の形状をなす鋼板から構成することがで
きる。このような構成を有する装置は、揺動角度が比較
的小さい場合、すなわち曲がった面の曲率が比較的小さ
い場合に適用される。その他の部分の作用は、前記第1
の局面に従って構成された走行装置と実質上同一である
ので説明は省略する。
【0024】なお、各揺動フレームの、走行面に平行な
面上における主フレームに対する相対角度が変化する場
合においては、前記したように、接続フレームの中央部
に対しては、その1軸揺動継手手段の揺動横軸上におい
て、主フレームに接近する方向に移動しようとする力が
作用する。この力を吸収するために、接続フレームが、
その1軸揺動継手手段の揺動横軸に沿って摺動可能であ
るよう構成されることが好ましい。接続フレームがその
1軸揺動継手手段の揺動横軸に沿って主フレームに接近
する方向に摺動できない場合には、接続フレームは主フ
レームの方向にたわむことができるよう、その構造ある
いは材料が規定される必要がある。その構成の一例は前
記したとおりである。この走行装置における移動手段の
構成、装着位置及び作用については前記走行装置におけ
ると同様である。
【0025】次に本発明の更に他の局面に従って構成さ
れた走行装置の作用について説明する。説明の便宜上、
移動手段として一対の揺動フレームの各々に2個の車輪
が装着された走行装置の作用について説明する。この装
置は、主フレームに装着された減圧ハウジングと、減圧
ハウジングに装着されかつ減圧ハウジング及び走行面と
協働して減圧空間を規定する吸着シール手段と、減圧空
間から流体を外部に排出するための減圧手段とを備え、
減圧空間の内外の流体圧力差に起因して減圧ハウジング
に作用する包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつ
それに沿って移動することができるよう構成されてい
る。そして前記第1の局面に従って構成された走行装置
におけると同様なフレーム手段の構成を備えている。す
なわち、接続フレームの中央部と主フレームの一端部側
とは1軸揺動継手手段により連結され、接続フレームの
両端部と各揺動フレームの各一端部とは全軸継手手段に
より連結され、各揺動フレームの各他端部は主フレーム
の他端部側の両側部に2軸揺動継手手段により連結され
ている。
【0026】以上のように構成された装置において、減
圧手段を作動させると、減圧空間内の空気のような流体
が減圧ハウジングの外部に排出され、減圧空間が減圧さ
れる。減圧空間が減圧されると、減圧空間の内外の流体
圧力差に起因して減圧ハウジングに作用する大気のよう
な包囲流体の圧力が4個の車輪を介して走行面に伝達さ
れる。その結果、前記包囲流体圧力によって装置が走行
面に吸着される。更に、このような吸着状態において、
4個の車輪を電動モータのような適宜の駆動手段により
回転駆動すれば、装置は、走行面に吸着した状態で走行
面に沿って移動される。そしてそのフレーム手段が前記
のように構成されているので、装置が曲がった面を有す
る走行面上に在っても、4個の車輪は全て走行面に接地
される。その結果、装置は、曲がった面を有する走行面
を安定した姿勢で走行することができると共に十分な駆
動力を発揮することができる。この走行装置に例えばサ
ンドブラスト装置が装着された場合には、曲がった面を
有する走行面においても、平坦な走行面におけると同様
に、サンドブラスト作業を確実に行なうことが可能とな
る。しかもサンドブラスト作業により走行面から剥離さ
れた異物及び研掃材が装置の外部に飛散して、環境が汚
染するのを防止することができる。なおこの走行装置に
おける移動手段の構成、装着位置及び作用については前
記走行装置におけると同様である。
【0027】次に本発明の更に他の局面に従って構成さ
れた走行装置の作用について説明する。説明の便宜上、
移動手段として一対の揺動フレームの各々に2個の車輪
が装着された走行装置の作用について説明する。この装
置は、主フレームに装着された減圧ハウジングと、減圧
ハウジングに装着されかつ減圧ハウジング及び走行面と
協働して減圧空間を規定する吸着シール手段と、減圧空
間から流体を外部に排出するための減圧手段とを備え、
減圧空間の内外の流体圧力差に起因して減圧ハウジング
に作用する包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつ
それに沿って移動することができるよう構成されてい
る。この装置においては更に、4個の車輪の各々の回転
軸は、それぞれ、同一の、走行装置の走行方向と直角か
つ走行面と直角に交差する面上に配置されることなく、
異なった面上に配置されている。
【0028】以上のように構成された装置が、走行面に
吸着した状態で走行面に沿って移動する作用は前記と同
様に行なわれる。そして4個の車輪の各々の回転軸が前
記のとおり配置されているので、装置が、垂直な走行面
上に存在する溶接線などの水平方向に延びる突起部を乗
り越えて上昇移動する場合、4個の車輪が1個ずつ順を
追って前記突起部を乗り越えて上昇移動する。その結
果、以上のような走行抵抗部の存在にもかかわらず、装
置は、十分な駆動力を発揮することができる。この走行
装置に例えばサンドブラスト装置が装着された場合に
は、平坦な走行面におけると同様に、サンドブラスト作
業を確実に行なうことが可能となる。しかもサンドブラ
スト作業により走行面から剥離された異物及び研掃材が
装置の外部に飛散して、環境が汚染するのを防止するこ
とができる。なおこの走行装置における移動手段の構
成、装着位置については前記走行装置におけると同様で
ある。移動手段として例えばそれぞれ2個のベルト車を
含む2式の無端軌条が装着された場合には、4個のベル
ト車が1個ずつ順を追って前記突起部を乗り越えて上昇
移動する。
【0029】次に本発明の更に他の局面に従って構成さ
れた走行装置の作用について説明する。説明の便宜上、
移動手段として一対の揺動フレームの各々に2個の車輪
が装着された走行装置の作用について説明する。この装
置は、主フレームに装着された減圧ハウジングと、減圧
ハウジングに装着されかつ減圧ハウジング及び走行面と
協働して減圧空間を規定する吸着シール手段と、減圧空
間から流体を外部に排出するための減圧手段とを備え、
減圧空間の内外の流体圧力差に起因して減圧ハウジング
に作用する包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつ
それに沿って移動することができるよう構成されてい
る。この装置においては更に、環状の装着部を備えた前
記減圧ハウジングと、環状でかつ一端側が開口された空
間部を備えた前記吸着シール手段と、吸着シール手段の
シール機能を補償するシール機能補償手段とを備えてい
る。吸着シール手段の前記一端側が減圧ハウジングの装
着部に装着されることにより吸着シール手段の空間部は
実質上密封される。シール機能補償装置は、減圧空間内
の圧力を検出する圧力検出手段と、空間部に圧力流体を
供給することにより吸着シール手段を膨張させる圧力流
体供給手段と、減圧空間の真空度が所定の真空度より降
下したとき、圧力検出手段からの入力信号に基づいて圧
力流体供給手段を作動させて空間部に圧力流体を供給す
る制御手段とを備えている。
【0030】以上のように構成された装置が、走行面に
吸着した状態で走行面に沿って移動する作用は前記と同
様に行なわれる。装置が、吸着走行可能な限界曲率を越
えた大きな曲率を有する走行面に遭遇した場合、装置の
吸着シール手段が走行面の曲率に追随して柔軟に変形す
ることがもはや限界となる。このことに起因して吸着シ
ール手段のシール機能が破壊されるため、装置の減圧領
域の真空度が急激に降下し、装置が走行面から突然離反
することがある。前記シール機能補償装置によれば、こ
のような不具合が防止される。すなわち、減圧空間の真
空度が所定の真空度より降下すると、圧力検出手段、例
えば圧力センサがこれを検出する。減圧空間の真空度が
所定の真空度より降下したことを知らせる圧力センサか
らの入力信号に基づいて、制御手段、例えばマイクロコ
ンピュータから圧力流体供給手段を作動させる制御信号
が出力される。この信号により圧力流体供給手段が作動
し、吸着シール手段の空間部に圧力流体が供給される。
【0031】圧力流体供給手段は、例えば、圧力流体と
しての圧縮空気を発生させるコンプレッサ、コンプレッ
サと吸着シール手段の空間部とを連結するエア流路に配
置された減圧弁及び電磁開閉弁から構成される。電磁開
閉弁は非作動時である閉弁時にはコンプレッサ側のエア
流路を閉じると共に吸着シール手段の空間部側のエア流
路を大気開放とし、作動時である開弁時にはコンプレッ
サ側のエア流路を開いてコンプレッサと空間部とを連通
させると共に大気開放側のエア流路を閉じる。マイクロ
コンピュータからの制御信号は電磁開閉弁に対して出力
される。電磁開閉弁が開くと吸着シール手段が膨張させ
られるので、吸着シール手段の自由端部が走行面に接近
する方向に移動させられる。よって吸着シール手段が走
行面の曲率に追随され、そのシール機能が破壊されるの
が防止される。その結果、以上のような走行面の曲率に
もかかわらず、装置は、離反することなく走行面に吸着
しながらそれに沿って確実に移動することができる。こ
の走行装置に例えばサンドブラスト装置が装着された場
合には、平坦な走行面におけると同様に、サンドブラス
ト作業を確実に行なうことが可能となる。しかもサンド
ブラスト作業により走行面から剥離された異物及び研掃
材が装置の外部に飛散して、環境が汚染するのを防止す
ることができる。なおこの走行装置における移動手段の
構成、装着位置については前記走行装置におけると同様
である。
【0032】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明に従
って改良された走行装置を、空気や水のような包囲流体
の圧力によって走行面に吸着しかつそれに沿って移動可
能である走行装置の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0033】図1〜図3を参照して、全体を番号2で示
す走行装置は、主フレーム4と、主フレーム4の両側
(図1の左右側部)に配置された一対の揺動フレーム6
と、主フレーム4の一端部側(図1の上端部側)に配置
された接続フレーム8とを含んでいる。主フレーム4の
中央部には、ステンレス鋼板のような適宜の金属板であ
るのが好都合である剛性材料から形成されている減圧ハ
ウジング10が配置されている。減圧ハウジング10
は、円形状の天壁12、天壁12の周縁から突出する円
筒形状の側壁14、及び側壁14の先端から張り出した
円環状のフランジ壁16を有する。減圧ハウジング10
に関連する構成については後述する。減圧ハウジング1
0の外側すなわち側壁14の外側には、図1において側
壁14の上方に位置するハウジングフレーム18と、図
1において側壁14の下方に位置するハウジングフレー
ム20とが固定されている。ハウジングフレーム18は
図1において左右方向に間隔を置いて側壁14の上方に
平行に延びる延出部22と、これら延出部22間を延び
る接続部24とを有している。ハウジングフレーム20
は図1において左右方向に間隔を置いて側壁14の下方
に平行に延びる延出部26と、これら延出部26間を延
びる端部28とを有している。したがって、この実施例
においては、主フレーム4は、ハウジングフレーム18
及び20から構成され、各ハウジングフレーム18及び
20に減圧ハウジング10が装着されている。したがっ
て減圧ハウジング10は主フレーム4の一部を構成して
いることになる。これらの主フレーム4、一対の揺動フ
レーム6及び接続フレーム8はフレーム手段を構成して
いる。
【0034】接続フレーム8の中央部(図1の左右方向
中央部)は主フレーム4の一端部側、すなわち接続部2
4の中央部に1軸揺動継手手段30を介して連結されて
いる。接続フレーム8の両端部は各揺動フレーム6の一
端部(図1の上端部)に全軸揺動継手手段32を介して
連結されている。各揺動フレーム6の他端部(図1の下
端部)は主フレーム4の他端部の両側部、すなわち端部
28の両側部に2軸揺動継手手段34を介して連結され
ている。1軸揺動継手手段30は1本の揺動横軸36を
備えている。揺動横軸36の一端は接続部24に固定さ
れ、他端部が接続部24から図1の上方に突出してい
る。接続フレーム8の中央部は揺動横軸36に回動自在
に、かつ揺動横軸36に沿って摺動自在に連結されてい
る。揺動横軸36は、走行面と実質上直交すると共に各
2軸揺動継手手段34の後述する揺動横軸40の揺動面
とも実質上直交する揺動面を有している。
【0035】各2軸揺動継手手段34は実質上同一の構
成を有するので、ここではその一方について説明する。
図1、図2、図4及び図5を参照して、2軸揺動継手手
段34は、走行面Fと実質上平行な揺動面を有する揺動
縦軸38と、走行面Fと実質上直交する揺動面を有する
1本の揺動横軸40とを備えている。更に詳細に説明す
ると、揺動フレーム6の他端部には、主フレーム4の端
部28に向かって開口するような箱型の中空部が形成さ
れ、2本のピン42が中空部内に突出するよう固定され
ている。ピン42はそれぞれ同軸上に位置付けられ、揺
動縦軸38は各ピン42から構成されている。各ピン4
2の先端部はそれぞれ、十字軸受部材44の同軸上に配
置された2つの軸受部内にそれぞれオイルレスベアリン
グ46を介して回転自在に連結されている。これにより
十字軸受部材44は各ピン42により揺動フレーム6に
回転自在に保持される。揺動横軸40の一端は主フレー
ム4の端部28に固定され、端部28から側方に突出し
た先端部にはオイルレスベアリング48を介して十字軸
受部材44が回転自在に保持される。したがって揺動フ
レーム6の他端部は、主フレーム4の端部28に対し、
揺動横軸40まわりに回転自在であり、かつ揺動縦軸3
8を構成する各ピン42まわりに回転自在であるよう連
結される。
【0036】前記各全軸揺動継手手段32は実質上同一
の構成を有するので、ここではその一方について説明す
る。図6を参照して、全軸揺動継手手段32は球面継手
50から構成され、球面継手50は接続フレーム8の端
部に一端部が固定された横軸52の先端部に形成された
球54と、揺動フレーム6の一端部側に装着された球面
軸受部材56とから構成されている。揺動フレーム6の
一端部側には、接続フレーム8に向かって開口する凹部
が形成され、この凹部内に球面軸受部材56が装着され
る。横軸52の球54は球面軸受部材56に全方向に回
転自在に保持される。したがって接続フレーム8の端部
と揺動フレーム6の一端部とは、球面継手50を介して
全方向に相対回動自在に連結される。
【0037】図1及び図2を参照して、図1の右方に位
置する揺動フレーム6には、移動手段を構成する2個の
車輪60と、回転駆動源を構成する電動モータであるギ
ヤードモータ62と、減速歯車機構64とが装着されて
いる。各車輪60は揺動フレーム6に回転自在に支持さ
れた車軸に固定され、各車軸には更にスプロケット66
が固定されている。ギヤードモータ62の出力軸は減速
歯車機構64の入力軸に連結されており、減速歯車機構
64の出力軸にはスプロケット68が固定されている。
揺動フレーム6にはまたテンションスプロケット69が
回転自在に支持されている。各スプロケット66、68
及び69には無端状のローラチェーン70が巻き掛けら
れている。したがってギヤードモータ62が付勢(作
動)されると、各車輪60が回転駆動される。なお、図
1の左方に位置する揺動フレーム6にも移動手段及び移
動手段を駆動する駆動手段が装着されているが、その構
成及び作用は前記装置と実質上同一であるので、同一部
分には同一符号を付し、説明は省略する。所望ならば、
前記車輪60に代えて、例えば2個のベルト車を含む無
端軌条を使用することもできる。
【0038】図1〜図3を参照して更に説明を続ける
と、減圧ハウジング10の円環状のフランジ壁16には
吸着シール手段80が装着されている。吸着シール手段
80は走行面Fに接触させられ、減圧ハウジング10、
吸着シール手段80及び走行面Fによって実質上密な減
圧空間82が規定される。吸着シール手段80自体の構
成については後述する。減圧ハウジング10の天壁12
には開口84が形成されており、この開口84には接続
管86が連結されている。接続管86は可撓性のサクシ
ョンホース88を介して減圧手段90に接続されてい
る。減圧手段90は真空ポンプあるいはエゼクタのよう
な適宜の排気手段から構成することができる。装置2が
水のような液体中で使用される場合には、排液ポンプか
ら排気手段を構成することができる。したがって減圧手
段90が作動されると、減圧空間82内の大気のような
流体はサクションホース88をとおって外部に排出さ
れ、減圧空間82は減圧され、装置2は走行面Fに吸着
される。
【0039】図1〜図3と共に図18を参照して、前記
したように、減圧ハウジング10の円環状のフランジ壁
16には吸着シール手段80が装着されている。フラン
ジ壁16は減圧ハウジング10の環状装着部を構成す
る。吸着シール手段80は柔軟な材料から一体に形成さ
れており、走行面Fに対する接地部であるリップ部10
0と共に延出部102、内側接続部104及び外側接続
部106を有する。吸着シール手段80を形成するため
の好適材料としては、ウレタンゴムのような合成ゴムを
挙げることができる。円環状であるリップ部100は上
記減圧ハウジング10におけるフランジ壁16に実質上
平行に延在させられている(従って、装置2が吸着させ
られる走行面Fが実質上平坦な面である場合には、リッ
プ部100は走行面Fに沿って実質上平面状に延在す
る)。リップ部100の先端から延出する延出部102
は走行面Fから離れる方向に傾斜して延出させられてい
る。リップ部100の内周縁部を減圧ハウジング10の
フランジ壁16に接続する内側接続部104は、横断面
図においてリップ部100の内周縁部から半径方向内側
に略円弧状に延び次いで半径方向外側に略円弧状に延び
るたわみ部108と、このたわみ部108から更に半径
方向外方に減圧ハウジング10のフランジ壁16に沿っ
て実質上直線状に延びるフランジ部110とを有する。
内側接続部104よりも半径方向外側においてリップ部
100の内周縁部を減圧ハウジング10のフランジ壁1
6に接続する外側接続部106は、横断面図においてリ
ップ部100の内周縁部から半径方向外方に略S字状に
延びるたわみ部112と、このたわみ部112から更に
半径方向外方に減圧ハウジング10のフランジ壁16に
沿って実質上直線状に延びるフランジ部114とを有す
る。
【0040】図18から理解されるように、内側接続部
104のフランジ部110は周方向に間隔をおいた多数
の位置においてボルト116及びナット118によって
減圧ハウジング10のフランジ壁16に連結され、同様
に外側接続部106のフランジ部114も周方向に間隔
をおいた多数の位置においてボルト120及びナット1
22によって減圧ハウジング10のフランジ壁16に連
結される。このようにして、減圧ハウジング10のフラ
ンジ壁16の片面に吸着シール手段80が装着されてい
る。吸着シール手段80のリップ部100は、内側接続
部104のたわみ部108と外側接続部106のたわみ
部112とが弾性変形することによって、装置2が吸着
させられる走行面Fに向かう方向及びこれから離れる方
向(図18において左右方向)に比較的小さい力によっ
て変位することができる。図18と共に図3を参照する
ことによって理解されるように、上記減圧空間82は吸
着シール手段80における内側接続部104が減圧ハウ
ジング10及び走行面Fと協働して規定する。
【0041】前記したように、減圧手段90が作動され
ると、減圧空間82内の大気のような流体はサクション
ホース88をとおって外部に排出され、減圧空間82は
減圧される。減圧空間82が減圧されると、減圧空間8
2の内外の流体圧力差に起因して、減圧ハウジング10
に作用する大気のような包囲流体の圧力が、主フレーム
4、各揺動フレーム6、接続フレーム8及び各車輪60
を介して走行面Fに伝達される。以上のようにして、包
囲流体の圧力によって装置2は走行面Fに吸着される。
更に、このような吸着状態において各ギヤードモータ6
2を付勢して各車輪60を回転駆動させると、装置2
は、各車輪60の作用により走行面Fに吸着した状態で
走行面Fに沿って移動される。なお図1において各車輪
60を同方向に回転させると装置2は上下方向に移動す
るが、左右の車輪を互いに反対方向に回転させると、装
置2はその場で旋回することができる。
【0042】図7〜図9を参照して、本発明における走
行装置2のフレーム手段の全体の形状が、曲がった走行
面においてどのような形に変形するかについて説明す
る。なお図9(A)〜(C)は、装置2のフレーム手段
の全体の形状が、曲がった走行面においてどのような形
に変形するかを示す模式図であって、図9(A)は、装
置2の上側面図、図9(B)は図9(A)の平面図、図
9(C)は図9(B)の右側面図である。図9(A)〜
(C)において、1点鎖線及び符号Aは装置2が平坦な
走行面Fに在る状態を示している。また2点鎖線及び符
号Bは装置2が曲がった走行面Fに在る状態を示してお
り、そしてこの状態において、右揺動フレーム6の一端
部(図1の上端部)は走行面Fに接近する方向に傾斜し
ており、左揺動フレーム6の一端部(図1の上端部)は
走行面Fから離反する方向に傾斜している。また符号L
は装置2の左側(図1の左側)を示し、符号Rは装置2
の右側(図1の右側)を示す。符号hは、走行面Fに直
交する面上における、接続フレーム8の一端部及び他端
部の移動した距離を示す。
【0043】図9を参照して、図示の各フレームにおい
て、2軸揺動継手手段34の揺動横軸40と直交する面
上において、主フレーム4と各揺動フレーム6との相対
角度が変化し、また、揺動縦軸38と直交する面上にお
いても主フレーム4と各揺動フレーム6との相対角度が
変化する。ただし、揺動横軸40が在る面上であってか
つ走行面Fと直交する面上においては、主フレーム4と
各揺動フレーム6との相対角度は変化しない。なお、揺
動横軸40と直交する面上における主フレーム4と各揺
動フレーム6の相対角度が大きくなると(平坦な走行面
においては0度である)、接続フレーム8と主フレーム
4との相対角度も大きくなるので(平坦な走行面におい
ては0度である)、接続フレーム8の一端部と他端部と
の間の、2軸揺動継手手段34の揺動縦軸38と直交す
る面上における距離Wは縮小する(WAからWBとな
る)。このため揺動縦軸38と直交する面上における主
フレーム4と各揺動フレーム6との相対角度(平坦な走
行面においては90度である)は、90度より小さくな
る。またこのとき、接続フレーム8の中央部と2軸揺動
継手手段34の揺動横軸40との間の、2軸揺動継手手
段34の揺動縦軸38と直交する面上における距離lも
縮小する(lAからlBとなる)。このため接続フレー
ム8の中央部は1軸揺動継手手段30の揺動横軸36上
において、主フレーム4に接近する方向に摺動する。
【0044】次に図10〜図14を参照して、本発明の
他の実施例に従って構成された走行装置200について
説明する。なおこの装置200が前記走行装置2と相違
する構成は、フレーム手段の部分のみであり、その他は
実質上同一であるので、同一部分は同一符号で示し、説
明は省略する。接続フレーム202の中央部と主フレー
ム4の一端部側とは1軸揺動継手手段30により連結さ
れ、接続フレーム202の両端部と各揺動フレーム20
6の各一端部とは全軸継手手段32により連結され、各
揺動フレーム206の各他端部は主フレーム4の他端部
側の両側部に1軸揺動継手手段208により連結されて
いる。接続フレーム202及び各揺動フレーム206は
たわむことが可能なように、それぞれ帯状の鋼板から構
成されている。
【0045】前記した装置2においては、接続フレーム
8の中央部は1軸揺動継手手段30の揺動横軸36に回
動自在に、かつ揺動横軸36に沿って摺動自在に連結さ
れているが、この装置200においては、接続フレーム
8の中央部は1軸揺動継手手段30の揺動横軸36に回
動自在に連結されているが、揺動横軸36に沿って摺動
できないよう構成されている。具体的には、揺動横軸3
6の、接続フレーム8と主フレーム4の接続部24との
間に、カラー210が嵌合、配置されている。このカラ
ー210が接続フレーム8の前記摺動を阻止している。
もちろんこのカラー210を装着しなければ、接続フレ
ーム8は揺動横軸36に沿って摺動可能となり、このよ
うに構成する場合もある。各全軸継手手段32は、図1
4から明らかなように、前記装置2に装着されているも
の(図6参照)と実質上同一の構成を有しているので、
同一部分に同一符号を付し、説明は省略する。
【0046】各1軸揺動継手手段208は実質上同一の
構成を有するので、ここではその一方について説明す
る。図11〜図13を参照して、1軸揺動継手手段20
8は、走行面Fと実質上直交する揺動面を有する揺動横
軸210を備えている。揺動横軸210の一端は主フレ
ーム4の端部28に固定され、端部28から側方に突出
した先端部にはオイルレスベアリング212を介して揺
動フレーム206の他端部が回転自在に保持される。し
たがって揺動フレーム206の他端部は、主フレーム4
の端部28に対し、揺動横軸40まわりに回転自在であ
る。
【0047】装置200のフレーム手段の全体の形状
が、曲がった走行面において図7〜図9で説明したよう
に変形する際、主フレーム4と各揺動フレーム206と
の相対位置は、それらの間を連結する各1軸揺動継手手
段208の揺動横軸210を回転の中心として自由に変
化する。また主フレーム4と接続フレーム202との相
対位置は、それらの間を連結する1軸揺動継手手段30
の揺動横軸36を回転の中心として自由に変化する。す
なわち、主フレーム4と各揺動フレーム206との間を
連結する1軸揺動継手手段208の各々の揺動横軸21
0と直交する面上において、主フレーム4と揺動フレー
ム206の各々との相対角度が変化する。また走行面F
に平行な面上においても、主フレーム4と揺動フレーム
206の各々との相対角度が変化する。この場合、各揺
動フレーム206のたわみによって、揺動による各揺動
フレーム206の各連結部に発生する応力が吸収され、
各揺動フレーム206の走行面Fに平行な面上における
変形が可能となり、よって各揺動フレーム206の揺動
が可能となる。なお各揺動フレーム206が実質上たわ
まない構成であれば、前記主フレーム4と各揺動フレー
ム206との間を連結する1軸揺動継手手段208の各
々における揺動横軸210の取付部のたわみによって、
前記応力を吸収することができる。また各揺動フレーム
206の、走行面Fに平行な面上における主フレーム4
に対する相対角度が変化する場合においては、前記した
ように、接続フレーム202の中央部に対しては、その
1軸揺動継手手段30の揺動横軸36上において、主フ
レーム4に接近する方向に移動しようとする力が作用す
る。この力は、接続フレーム202がたわむことによっ
て吸収される。接続フレーム202が揺動横軸36に沿
って摺動可能であるよう構成された場合には、接続フレ
ーム202は実質上たわまない構成でよい。
【0048】次に図15及び図16を参照して、本発明
の更に他の実施例に従って構成された走行装置300に
ついて説明する。なおこの装置300が前記走行装置2
と相違する構成は、移動手段である車輪60の配列に関
する部分のみであり、その他は実質上同一であるので、
同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。装置30
0において、4個の車輪60の各々の回転軸61は、そ
れぞれ、同一の、装置300の走行方向(図15の上下
方向)と直角かつ走行面Fと直角に交差する面上に配置
されることなく、異なった該面上に配置されている。装
置300が、走行面Fに吸着した状態で走行面Fに沿っ
て移動する作用は、装置2において説明したと同様に行
なわれる。そして4個の車輪60の各々の回転軸61が
前記のとおり配置されているので、装置300が、垂直
な走行面F上に存在する溶接線などの水平方向に延びる
突起部302を乗り越えて上昇移動する場合、4個の車
輪60が1個ずつ順を追って前記突起部302を乗り越
えて上昇移動する。図15において、番号60の後に付
されている括弧内の番号は、突起部302を乗り越える
順番を示している。例えば60(1)は1番目に突起部
302を乗り越える車輪を示し、60(4)は4番目に
突起部302を乗り越える車輪を示している。図示の例
では、装置300の左右に2個ずつ装着された車輪60
は、左、右、右、左の順に突起部302を乗り越えるよ
う、それらの配列が規定されている。
【0049】次に図17及び図18を参照して、本発明
の更に他の実施例に従って構成された走行装置400に
ついて説明する。なお図17及び図18において、前記
装置2と同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。
装置400は、それに限られないが、装置2におけると
同様な図示しないフレーム手段及び移動手段が備えら
れ、そして減圧空間82の内外の流体圧力差に起因して
減圧ハウジング10に作用する包囲流体の圧力によって
走行面Fに吸着しかつそれに沿って移動することができ
る。減圧ハウジング10は前記したように環状の装着部
であるフランジ壁16を備えており、吸着シール手段8
0は、環状でかつ一端側が開口された空間部402を備
えている。環状の空間部402は外側接続部106と内
側接続部104とそれらの走行面F側の端部を接続する
接続部404とにより形成される。環状の空間部402
の前記一端側は、外側接続部106のフランジ部114
と内側接続部104のフランジ部110とにより形成さ
れている。そして吸着シール手段80のフランジ部11
4がボルト120及びナット122によりフランジ壁1
6に連結され、フランジ部110がボルト116及びナ
ット118によりフランジ壁16に連結されることによ
り、吸着シール手段80が減圧ハウジング10のフラン
ジ壁16に装着される。そして吸着シール手段80の空
間部402はフランジ壁16により実質上密封される。
すなわち一端側が開口された空間部402はフランジ壁
16と協働して密封された空間部となる。
【0050】装置400にはシール機能補償手段が備え
られている。このシール機能補償手段は、減圧空間82
内の圧力を検出する圧力センサ406(圧力検出手段を
構成する)と、前記空間部402に圧力流体を供給する
ことにより吸着シール手段80を膨張させる圧力流体供
給手段408と、減圧空間82の真空度が所定の真空度
より降下したとき、圧力センサ406からの入力信号に
基づいて圧力流体供給手段408を作動させて空間部4
02に圧力流体を供給する制御手段410とを備えてい
る。圧力流体供給手段408は、圧力流体としての圧縮
空気を発生させるエアコンプレッサ412、エアコンプ
レッサ412と吸着シール手段80の空間部402とを
連結するエア流路414に配置された減圧弁416及び
電磁開閉弁418を備えている。エア流路414はエア
ホース420を含み、その一端は、減圧ハウジング10
のフランジ壁16に設けられたジョイント部422に連
結される。電磁開閉弁418は3ポート2位置切換電磁
弁からなり、非作動時である閉弁時には、図17に示す
第1の位置に位置付けられている。この閉弁時におい
て、電磁開閉弁418は、エアコンプレッサ412側の
エア流路414aを閉じると共に吸着シール手段80の
空間部402側のエア流路414bをサイレンサ424
を介して大気に開放する。また電磁開閉弁418が第2
の位置に位置付けられた、作動時である開弁時には、電
磁開閉弁418は、エアコンプレッサ412側のエア流
路414aを開いてエアコンプレッサ412と空間部4
02とを連通させると共に大気開放側のエア流路を閉じ
る。
【0051】制御手段410はマイクロコンピュータか
ら構成され、制御プログラムに従って演算処理する中央
処理手段と、制御プログラムを格納するROM及び真空
度の所定値等を格納する読み書き可能なRAMとを有す
る記憶手段と、入出力インターフェース等を備えてい
る。減圧空間82の真空度が所定の真空度、例えば水銀
柱において−100ミリメートル以下に降下したとき、
圧力センサ406はこれを検出して制御手段410に信
号を送給する。この圧力センサ406からの入力信号に
基づいて、制御手段410は電磁開閉弁418に対し制
御信号を出力する。電磁開閉弁418は第1の位置から
第2の位置に位置付けられて作動状態となる。これによ
りエアコンプレッサ412と吸着シール手段80の空間
部402とが連通され、減圧弁416により所定値に減
圧された圧縮空気が空間部402に供給される。その結
果、吸着シール手段80が膨張させられるので、吸着シ
ール手段80の自由端部すなわち接続部404及びリッ
プ部100が走行面に接近する方向に移動させられる。
その後、減圧空間82の真空度が所定の真空度に達する
と、圧力センサ406はこれを検出して制御手段410
に信号を送給する。この圧力センサ406からの入力信
号に基づいて、制御手段410は電磁開閉弁418に対
し制御信号を出力する。電磁開閉弁418は第2の位置
から第1の位置に切り換えられて非作動状態となる。こ
れによりエアコンプレッサ412と吸着シール手段80
の空間部402とが遮断され、空間部402は大気に開
放される。
【0052】なお、前記装置400において、圧力セン
サ406の代わりに圧力スイッチを使用し、制御手段4
20の代わりにリレーを使用し、これらと電磁開閉弁4
18とにより電気回路を構成することも可能である。こ
の構成の場合、減圧空間82の真空度が所定の真空度以
下に降下すると、圧力スイッチがONとなる。これによ
りリレーが付勢され、リレースイッチがONとなる。リ
レースイッチと電磁開閉弁418とを電源に直列に接続
しておけば、リレースイッチONにより電磁開閉弁41
8が付勢されて第2の位置にシフトされて作動状態とさ
れる。それ以後の作動は前記実施例と実質上同じであ
る。
【0053】以上、本発明を、実施例に基づいて詳細に
説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の範囲内において、さまざまな変形あるい
は修正ができるものである。前記したように、空気や水
のような包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつそ
れに沿って移動可能である走行装置の実施例に基づいて
本発明を説明したが、本発明は、実施例に示すような吸
着装置を備えておらず、しかし、サンドブラスト装置の
ような作業装置を備え、表面処理作業をしながら移動で
きる形態の走行装置にも適用される(ただし、図17及
び図18に示す装置は除く)。また本発明の各実施例に
示されている技術思想は、相互に組み合わせて実施する
ことが可能である。本発明装置の実施例の説明は、装置
が大気中の表面上に在るものとして行われているが、本
発明装置は水中においても適用されることができる。そ
の場合、減圧手段として、真空ポンプに代えて水ポンプ
や水駆動エゼクタを用いることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明に従って構成された走行装置によ
れば、以下に記載されるような効果が得られる。 (1)例えばサンドブラストのような作業を実施しなが
ら移動することができる走行装置、あるいは例えばサン
ドブラストのような作業を実施しながら空気や水のよう
な包囲流体の圧力によって走行面に吸着しかつ走行面に
沿って移動することができる走行装置が、パイプの内外
面や船体などのように、曲がった面を有する走行面上を
移動する場合、走行面を安定した姿勢で走行することが
できると共に十分な駆動力を発揮することができる。 (2)空気や水のような包囲流体の圧力によって走行面
に吸着しかつそれに沿って移動することができる走行装
置が、垂直な走行面上に存在する溶接線などの水平方向
に延びる突起部を乗り越えて上昇移動する場合、十分な
駆動力を発揮することができる。 (3)空気や水のような包囲流体の圧力によって走行面
に吸着しかつそれに沿って移動することができる走行装
置が、吸着走行可能な限界曲率を越えた大きな曲率を有
する走行面を走行する場合、吸着シール手段のシール機
能の低下による走行面からの離反を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された走行装置の一実施例
を示す平面図。
【図2】図1の右側面図。
【図3】図1のA−A矢視断面図。
【図4】図2のB−B矢視断面図。
【図5】図1のC−C矢視断面図。
【図6】図1のD−D矢視断面図。
【図7】図1に示す装置が平坦な走行面上に在る状態を
示す上側面概略図。
【図8】図1に示す装置が曲がった走行面上に在る状態
を示す上側面概略図。
【図9】図1に示す装置のフレームの全体の形状が、曲
がった走行面においてどのような形に変形するかを示す
模式図であって、装置の上側面図、平面図及び右側面
図。
【図10】本発明に従って構成された走行装置の他の実
施例を示す平面図。
【図11】図10の右側面図。
【図12】図11のE−E矢視断面図。
【図13】図10のF−F矢視断面図。
【図14】図10のG−G矢視断面図。
【図15】本発明に従って構成された走行装置の更に他
の実施例を示す平面図。
【図16】図15の右側面図。
【図17】本発明に従って構成された走行装置の更に他
の実施例を示す概略図。
【図18】図17のA部拡大断面図。
【符号の説明】
2 走行装置 4 主フレーム 6 揺動フレーム 8 接続フレーム 10 減圧ハウジング 16 フランジ壁(装着部) 30 1軸揺動継手手段 32 全軸継手手段 34 2軸揺動継手手段 36 揺動横軸(1軸揺動継手手段の) 38 揺動縦軸 40 揺動横軸(2軸揺動継手手段の) 50 球面継手 60 車輪 80 吸着シール手段 82 減圧空間 90 減圧手段 200 走行装置 202 接続フレーム 206 揺動フレーム 208 1軸揺動継手手段 210 揺動横軸 300 走行装置 302 突起部 400 走行装置 402 空間部 404 接続部 406 圧力センサ 408 圧力流体供給手段 410 制御手段 F 走行面

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム手段と、複数の車輪又は、それ
    ぞれ複数のベルト車を含む複数の無端軌条からなる、該
    フレーム手段に装着されて走行面を移動する移動手段と
    を備えた走行装置において、 該フレーム手段は、主フレームと、該主フレームの両側
    に配置された一対の揺動フレームと、該主フレームの一
    端部側に配置された接続フレームとを含み、該接続フレ
    ームの中央部は該主フレームの該一端部側に1軸揺動継
    手手段を介して連結され、該接続フレームの両端部は該
    揺動フレームの各々の一端部に全軸揺動継手手段を介し
    て連結され、該揺動フレームの各々の他端部は該主フレ
    ームの他端部の両側部に2軸揺動継手手段を介して連結
    され、該2軸揺動継手手段の各々は、該走行面と実質上
    平行な揺動面を有する揺動縦軸と、該走行面と実質上直
    交する揺動面を有する揺動横軸とを備え、該1軸揺動継
    手手段は、該走行面と実質上直交すると共に該2軸揺動
    継手手段の各々の該揺動横軸の該揺動面とも実質上直交
    する揺動面を有する揺動横軸を備えていることを特徴と
    する走行装置。
  2. 【請求項2】 該接続フレームは、該1軸揺動継手手段
    の該揺動横軸に沿って摺動可能である、請求項1記載の
    走行装置。
  3. 【請求項3】 該車輪又は該無端軌条は該揺動フレーム
    の各々に装着されている、請求項1記載の走行装置。
  4. 【請求項4】 該主フレームに装着された減圧ハウジン
    グと、該減圧ハウジングに装着されかつ該減圧ハウジン
    グ及び該走行面と協働して減圧空間を規定する吸着シー
    ル手段と、該減圧空間から流体を外部に排出するための
    減圧手段とを備え、該減圧空間の内外の流体圧力差に起
    因して該減圧ハウジングに作用する包囲流体の圧力によ
    って該走行面に吸着される、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の走行装置。
  5. 【請求項5】 該車輪の各々の回転軸、又は該無端軌条
    の各々に含まれる該複数のベルト車の各々の回転軸は、
    それぞれ、同一の、該走行装置の走行方向と直角かつ該
    走行面と直角に交差する面上に配置されることなく、異
    なった該面上に配置されている、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の走行装置。
  6. 【請求項6】 環状の装着部を備えた該減圧ハウジング
    と、環状でかつ一端側が開口された空間部を備えた該吸
    着シール手段と、該吸着シール手段のシール機能を補償
    するシール機能補償手段とを備え、該吸着シール手段の
    該一端側が該減圧ハウジングの該装着部に装着されるこ
    とにより該吸着シール手段の該空間部は実質上密封さ
    れ、該シール機能補償装置は、該減圧空間内の圧力を検
    出する圧力検出手段と、該空間部に圧力流体を供給する
    ことにより該吸着シール手段を膨張させる圧力流体供給
    手段と、該減圧空間の真空度が所定の真空度より降下し
    たとき、該圧力検出手段からの入力信号に基づいて該圧
    力流体供給手段を作動させて該空間部に圧力流体を供給
    する制御手段とを備えている、請求項4記載の走行装
    置。
  7. 【請求項7】 フレーム手段と、複数の車輪又は、それ
    ぞれ複数のベルト車を含む複数の無端軌条からなる、該
    フレーム手段に装着されて走行面を移動する移動手段と
    を備えた走行装置において、 該フレーム手段は、主フレームと、該主フレームの両側
    に配置された一対の揺動フレームと、該主フレームの一
    端部側に配置された接続フレームとを含み、該接続フレ
    ームの中央部は該主フレームの該一端部側に1軸揺動継
    手手段を介して連結され、該接続フレームの両端部は該
    揺動フレームの各々の一端部に全軸揺動継手手段を介し
    て連結され、該揺動フレームの各々の他端部は該主フレ
    ームの他端部の両側部に1軸揺動継手手段を介して連結
    され、該揺動フレームの各々における該1軸揺動継手手
    段は該走行面と実質上直交する揺動面を有する揺動横軸
    を備え、該接続フレームにおける該1軸揺動継手手段
    は、該走行面と実質上直交すると共に該揺動フレームの
    各々における該1軸揺動継手手段の該揺動横軸の該揺動
    面とも実質上直交する揺動面を有する揺動横軸を備えて
    いることを特徴とする走行装置。
  8. 【請求項8】 該揺動フレームの各々は、各々の該一端
    部が、該走行面と平行な面上において、該主フレームに
    接近する方向にたわむことができるよう構成されてい
    る、請求項7記載の走行装置。
  9. 【請求項9】 該接続フレームは、該接続フレームにお
    ける該1軸揺動継手手段の該揺動横軸に沿って摺動可能
    である、請求項7記載の走行装置。
  10. 【請求項10】 該接続フレームは、該接続フレームに
    おける該1軸揺動継手手段の該揺動横軸に沿って摺動で
    きないよう固定されると共に該接続フレームの該両端部
    は該走行面と平行な面上において該主フレームに接近す
    る方向にたわむことができるよう構成されている、請求
    項7記載の走行装置。
  11. 【請求項11】 フレーム手段と、複数の車輪又は、そ
    れぞれ複数のベルト車を含む複数の無端軌条からなる、
    該フレーム手段に装着されて走行面を移動する移動手段
    と、該主フレームに装着された減圧ハウジングと、該減
    圧ハウジングに装着されかつ該減圧ハウジング及び該走
    行面と協働して減圧空間を規定する吸着シール手段と、
    該減圧空間から流体を外部に排出するための減圧手段と
    を備え、該減圧空間の内外の流体圧力差に起因して該減
    圧ハウジングに作用する包囲流体の圧力によって該走行
    面に吸着しかつそれに沿って移動することができる走行
    装置において、 該フレーム手段は、主フレームと、該主フレームの両側
    に配置された一対の揺動フレームと、該主フレームの一
    端部側に配置された接続フレームとを含み、該接続フレ
    ームの中央部は該主フレームの該一端部側に1軸揺動継
    手手段を介して連結され、該接続フレームの両端部は該
    揺動フレームの各々の一端部に全軸揺動継手手段を介し
    て連結され、該揺動フレームの各々の他端部は該主フレ
    ームの他端部の両側部に2軸揺動継手手段を介して連結
    され、該2軸揺動継手手段の各々は、該走行面と実質上
    平行な揺動面を有する揺動縦軸と、該走行面と実質上直
    交する揺動面を有する揺動横軸とを備え、該1軸揺動継
    手手段は、該走行面と実質上直交すると共に該2軸揺動
    継手手段の各々の該揺動横軸の該揺動面とも実質上直交
    する揺動面を有する揺動横軸を備えていることを特徴と
    する走行装置。
  12. 【請求項12】 フレーム手段と、複数の車輪又は、そ
    れぞれ複数のベルト車を含む複数の無端軌条からなる、
    該フレーム手段に装着されて走行面を移動する移動手段
    と、該主フレームに装着された減圧ハウジングと、該減
    圧ハウジングに装着されかつ該減圧ハウジング及び該走
    行面と協働して減圧空間を規定する吸着シール手段と、
    該減圧空間から流体を外部に排出するための減圧手段と
    を備え、該減圧空間の内外の流体圧力差に起因して該減
    圧ハウジングに作用する包囲流体の圧力によって該走行
    面に吸着しかつそれに沿って移動する走行装置におい
    て、 該複数の車輪の各々の回転軸、又は該無端軌条の各々に
    含まれる該複数のベルト車の各々の回転軸は、それぞ
    れ、同一の、該走行装置の走行方向と直角かつ該走行面
    と直角に交差する面上に配置されることなく、異なった
    該面上に配置されていることを特徴とする走行装置。
  13. 【請求項13】 環状の装着部を備えた該減圧ハウジン
    グと、環状でかつ一端側が開口された空間部を備えた該
    吸着シール手段と、該吸着シール手段のシール機能を補
    償するシール機能補償手段とを備え、該吸着シール手段
    の該一端側が該減圧ハウジングの該装着部に装着される
    ことにより該吸着シール手段の該空間部は実質上密封さ
    れ、該シール機能補償装置は、該減圧空間内の圧力を検
    出する圧力検出手段と、該空間部に圧力流体を供給する
    ことにより該吸着シール手段を膨張させる圧力流体供給
    手段と、該減圧空間の真空度が所定の真空度より降下し
    たとき、該圧力検出手段からの入力信号に基づいて該圧
    力流体供給手段を作動させて該空間部に圧力流体を供給
    する制御手段とを備えている、請求項12記載の走行装
    置。
  14. 【請求項14】 フレーム手段と、複数の車輪又は、そ
    れぞれ複数のベルト車を含む複数の無端軌条からなる、
    該フレーム手段に装着されて走行面を移動する移動手段
    と、該主フレームに装着された減圧ハウジングと、該減
    圧ハウジングに装着されかつ該減圧ハウジング及び該走
    行面と協働して減圧空間を規定する吸着シール手段と、
    該減圧空間から流体を外部に排出するための減圧手段と
    を備え、該減圧空間の内外の流体圧力差に起因して該減
    圧ハウジングに作用する包囲流体の圧力によって該走行
    面に吸着しかつそれに沿って移動する走行装置におい
    て、 環状の装着部を備えた該減圧ハウジングと、環状でかつ
    一端側が開口された空間部を備えた該吸着シール手段
    と、該吸着シール手段のシール機能を補償するシール機
    能補償手段とを備え、該吸着シール手段の該一端側が該
    減圧ハウジングの該装着部に装着されることにより該吸
    着シール手段の該空間部は実質上密封され、該シール機
    能補償装置は、該減圧空間内の圧力を検出する圧力検出
    手段と、該空間部に圧力流体を供給することにより該吸
    着シール手段を膨張させる圧力流体供給手段と、該減圧
    空間の真空度が所定の真空度より降下したとき、該圧力
    検出手段からの入力信号に基づいて該圧力流体供給手段
    を作動させて該空間部に圧力流体を供給する制御手段と
    を備えていることを特徴とする走行装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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