JPH0712546B2 - 抵抗溶接機 - Google Patents

抵抗溶接機

Info

Publication number
JPH0712546B2
JPH0712546B2 JP3682693A JP3682693A JPH0712546B2 JP H0712546 B2 JPH0712546 B2 JP H0712546B2 JP 3682693 A JP3682693 A JP 3682693A JP 3682693 A JP3682693 A JP 3682693A JP H0712546 B2 JPH0712546 B2 JP H0712546B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
guide pin
electrode
nut
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3682693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06246460A (ja
Inventor
孝洋 山田
健一郎 小林
等 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAJIMA GIKEN, INC.
Original Assignee
YAJIMA GIKEN, INC.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAJIMA GIKEN, INC. filed Critical YAJIMA GIKEN, INC.
Priority to JP3682693A priority Critical patent/JPH0712546B2/ja
Publication of JPH06246460A publication Critical patent/JPH06246460A/ja
Publication of JPH0712546B2 publication Critical patent/JPH0712546B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上部電極と下部電極と
を備え、下部電極のガイドピンに、適宜、ワークと、裏
面側にプロジェクション溶接部(以下、単に溶接部とす
る)を備えるとともに表裏を貫通する貫通孔を備えたプ
ロジェクションナット(以下、単にナットとする)等の
溶接部材と、をセットし、上方から上部電極で加圧し
て、溶接部材をワークに対して抵抗溶接する抵抗溶接機
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の抵抗溶接機においては、
供給されるナットの向きとして、溶接部をワーク側に配
置させないと、溶接不良が生じてしまうことから、適切
にナットの溶接部をワーク側に配置させて溶接するよう
に、ナットフィーダ等の供給装置等を用いて、ナットを
一定の向きで供給するようになっている。
【0003】しかしながら、ナットが裏返しの状態(こ
の状態のナットを裏ナットといい、正常な姿勢で配置さ
れた状態を正常ナットという)で、例えば、正常ナット
が溶接部を下面側に配置された状態である場合、溶接部
を上面側に配置させて供給される場合があり、その場合
の解決のため、従来のこの種の抵抗溶接機では、実公昭
60−37167号公報や実公昭60−37164号公
報に記載されているものが知られている。
【0004】前者(実公昭60−37167号公報)に
記載の溶接機では、上部電極に補助電極を設け、供給さ
れたナットが裏ナットの場合には、その裏ナットの溶接
部を補助電極に溶着させて、ワークに裏ナットを溶着さ
せないように構成するものである。
【0005】後者(実公昭60−37164号公報)に
記載の溶接機では、上部電極に正常ナットの上部側を嵌
合可能な凹部を設け、裏ナットが供給された場合には、
溶接部が邪魔をして上部電極にナットが嵌合されず、上
部電極を下部電極に接近させても、その上部・下部電極
の相互の距離が正常ナットの場合に比べて長くなるよう
にして、その長くなった状態をセンサで検出し、溶接作
業を中止するように構成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者に記載の
溶接機では、裏ナットが補助電極に溶着された後に、補
助電極を交換したり、溶着した裏ナットを補助電極から
取り外し、その補助電極の修理等をしなければならな
い。さらに、上部電極にナット等の溶接部材に対応した
補助電極を埋設しなければならず、汎用性に欠ける。
【0007】また、後者に記載の溶接機では、ナットの
溶接部がナット本体の外周から突出している場合には対
応できるが、溶接部がナット本体の外周から突出しない
形状(JIS.B1196 の六角ナット等)では、上部電極と下
部電極との相互の距離について裏ナットと正常ナットと
で差が生じず、対処できない。さらに、上部電極にナッ
ト等の溶接部材に対応した凹部を設けなければならず、
汎用性に欠ける。
【0008】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、ナット等の溶接部材の形状にかかわらず、正常な配
置位置の溶接部材のみを容易にワークに溶接することが
でき、汎用性の高い抵抗溶接機を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1番目に係る
抵抗溶接機は、上部電極と下部電極とを備え、該下部電
極のガイドピンにセットされたワークの上面に、裏面側
にプロジェクション溶接部を備えるとともに表裏を貫通
する貫通孔を備えた溶接部材を裏面側からセットし、前
記溶接部材の表面側から前記上部電極で加圧して、前記
溶接部材を前記ワークに対して抵抗溶接する抵抗溶接機
であって、前記下部電極が、前記ワークの溶接部位の下
面に当接可能な電極チップと、該電極チップを上端に保
持して抵抗溶接機本体に固定され、上部内周部位におい
て前記ガイドピンを下方へ移動可能に配置させる筒状の
電極ホルダと、前記ガイドピンの下方で、前記ガイドピ
ンの移動を検出可能なセンサと、を備え、前記ガイドピ
ンが、前記電極チップを挿通して前記電極チップから上
方へ突出して前記溶接部材の貫通孔に嵌挿可能とし、前
記溶接部材の貫通孔の長さより短くしたガイド部と、該
ガイド部下部に前記溶接部材の貫通孔周縁に当接可能な
段部と、を備え、前記センサが、前記ガイド部に前記貫
通孔を嵌挿させるとともに前記貫通孔周縁に前記段部を
当接させて前記ガイドピンに前記溶接部材をセットさせ
たセット位置から、前記溶接部材のプロジェクション溶
接部を前記ワークに接触させる第1ポジションの位置に
移動した際と、その後、溶接時に前記プロジェクション
溶接部が溶融して前記溶接部材が前記ワークに溶接され
た第2ポジションの位置に移動した際と、の2段階の移
動を検出可能とし、制御装置が、前記センサの第1・第
2ポジションの検出信号を略同時に検知した際、及び、
前記センサの第1・2ポジションの検出信号を入力しな
い際には、溶接不可として、異常信号を出力し、溶接作
業を中止させるように制御することを特徴とする。
【0010】本発明の第2番目に係る抵抗溶接機は、上
部電極と下部電極とを備え、該下部電極のガイドピンに
対し、裏面側にプロジェクション溶接部を備えるととも
に表裏を貫通する貫通孔を備えた溶接部材を、前記裏面
側を上面側にしてセットし、さらに、前記溶接部材の上
面に前記ガイドピンを挿通可能な貫通孔を備えたワーク
をセットし、前記ワークの上面側から前記上部電極で加
圧して、前記溶接部材を前記ワークに対して抵抗溶接す
る抵抗溶接機であって、前記下部電極が、前記溶接部材
の下面に当接可能な電極チップと、該電極チップを上端
に保持して抵抗溶接機本体に固定され、上部内周部位に
おいて前記ガイドピンを下方へ移動可能に配置させる筒
状の電極ホルダと、前記ガイドピンの下方で、前記ガイ
ドピンの移動を検出可能なセンサと、を備え、前記ガイ
ドピンが、前記電極チップを挿通して前記電極チップか
ら上方へ突出して前記溶接部材の貫通孔に嵌挿可能と
し、前記溶接部材の全高さより長く、かつ、前記溶接部
材の全高さと前記ワークの厚さとを加えた長さより短く
したガイド部と、該ガイド部下部に前記溶接部材の貫通
孔周縁に当接可能な段部と、を備え、前記センサが、前
記ガイド部に前記溶接部材の貫通孔を嵌挿させるととも
に前記溶接部材の貫通孔周縁に前記段部を当接させて前
記ガイドピンに前記溶接部材をセットさせ、さらに、前
記溶接部材の上面に、前記ガイド部に前記ワークの貫通
孔を挿通させて前記ワークをセットしたセット位置か
ら、前記溶接部材の表面側を前記電極チップの上面に接
触させる第1ポジションの位置に移動した際と、その
後、溶接時に前記プロジェクション溶接部が溶融して前
記溶接部材が前記ワークに溶接された第2ポジションの
位置に移動した際と、の2段階の移動を検出可能とし、
制御装置が、前記センサの第1・第2ポジションの検出
信号を略同時に検知した際、及び、前記センサの第1・
2ポジションの検出信号を入力しない際には、溶接不可
として、異常信号を出力し、溶接作業を中止させるよう
に制御することを特徴とする。
【0011】
【発明の作用・効果】本発明の第1番目に係る抵抗溶接
機では、下部電極のガイドピンにセットされたワークの
上面に、正常な姿勢、即ち、下面側に溶接部を配置させ
た状態として、ガイドピンのガイド部を貫通孔に嵌挿さ
せてガイドピンの段部に貫通孔周縁を当接させた姿勢
で、溶接部材がセットされ、上部電極が下降してくる
と、まず、溶接部材の溶接部がワークの上面に当接し、
ガイドピンの下降が停止される。
【0012】すると、センサは、ガイドピンが第1ポジ
ションに配置されたことを検出し、その信号を入力させ
た制御装置は、上部電極と下部電極とに溶接電流を通電
する。
【0013】その後、溶接電流によって溶接部が溶融す
るため、溶接部材とともにガイドピンが下降する。
【0014】すると、センサは、ガイドピンが第2ポジ
ションに配置されたことを検出し、その信号を入力させ
た制御装置は、その後、上部電極を上昇させ、溶接作業
を終了させ、次の溶接作業を行なう。
【0015】そして、溶接部材が裏返してガイドピンに
セットされたり、ガイドピンにセットされなかった際に
は、上部電極が下降してくる際、溶接部が無いため、ガ
イドピンが第1ポジションを経て直ちに第2ポジション
に配置されたり、あるいは、ガイドピンが第1ポジショ
ンに配置されない状態となるため、制御装置がセンサか
らのそれらの信号の有無によって、異常信号を出力し、
上部電極を上昇させる等して、溶接作業を中止させる。
【0016】したがって、本発明の第1番目に係る抵抗
溶接機では、正常時には必ずワーク側に存在する溶接部
材の溶接部の有無に伴なう下部電極側の所定のガイドピ
ンの下降の距離によって、溶接部材の供給状態の正常・
異常を判断するものであり、従来の溶接機のように、溶
接部材に対応する補助電極や凹部を備えた上部電極を用
意しなくとも良く、また、溶接部が溶接部材本体の外周
から突出する形状で無くとも、正常な配置位置の溶接部
材のみを容易にワークに溶接することができ、汎用性を
向上させることができる。
【0017】本発明の第2番目に係る抵抗溶接機では、
下部電極のガイドピンに対し、正常な姿勢、即ち、上面
側に溶接部を配置させた状態として、ガイドピンのガイ
ド部を貫通孔に嵌挿させてガイドピンの段部に貫通孔周
縁を当接させた姿勢で、溶接部材がセットされ、さら
に、溶接部材の上面に、ガイドピンのガイド部に貫通孔
を挿通させてワークがセットされて、上部電極が下降し
てくると、溶接部材の表面側が電極チップの上面に当接
し、ガイドピンの下降が停止される。
【0018】すると、センサは、ガイドピンが第1ポジ
ションに配置されたことを検出し、その信号を入力させ
た制御装置は、上部電極と下部電極とに溶接電流を通電
する。
【0019】その後、溶接電流によって溶接部が溶融す
るため、溶接部材とともにガイドピンが下降する。
【0020】すると、センサは、ガイドピンが第2ポジ
ションに配置されたことを検出し、その信号を入力させ
た制御装置は、その後、上部電極を上昇させ、溶接作業
を終了させ、次の溶接作業を行なう。
【0021】そして、溶接部材が裏返してガイドピンに
セットされたり、ガイドピンにセットされなかったり、
さらに、ワークがセットされなかった際には、上部電極
が下降してくる際、溶接部が電極チップ側に配置されて
いるため、ガイドピンが第1ポジションに配置されない
状態となったり、あるいは、ガイドピンが第1ポジショ
ンを経て直ちに第2ポジションに配置されたりするた
め、制御装置がセンサからのそれらの信号の有無によっ
て、異常信号を出力し、上部電極を上昇させる等して、
溶接作業を中止させる。
【0022】したがって、本発明の第2番目に係る抵抗
溶接機では、第1番目の抵抗溶接機と同様に、正常時に
は必ずワーク側に存在する溶接部材の溶接部の有無に伴
なう下部電極側の所定のガイドピンの下降の距離によっ
て、溶接部材の供給状態の正常・異常を判断するもので
あり、従来の溶接機のように、溶接部材に対応する補助
電極や凹部を備えた上部電極を用意しなくとも良く、ま
た、溶接部が溶接部材本体の外周から突出する形状で無
くとも、正常な配置位置の溶接部材のみを容易にワーク
に溶接することができ、汎用性を向上させることができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0024】図1〜3に示す第1実施例の抵抗溶接機M
1は、上部電極2と下部電極3とを備えるとともに、所
定時、図示しないエアシリンダ等を利用して上部電極2
を下部電極3に接近させ、上部・下部電極2・3に溶接
電流を通電する制御装置1を備えている。
【0025】下部電極3は、電極チップ4、ガイドピン
5、電極ホルダ6、及び、センサ21等を備えて構成さ
れ、電極ホルダ6は、図示しない抵抗溶接機本体にブラ
ケット22を利用して固定され、電極チップ4・ガイド
ピン5・及びセンサ21等は、電極ホルダ6に保持され
て構成されている。
【0026】電極チップ4は、上面4aをワーク30の
溶接部位の下面に当接させるもので、中央にガイドピン
5の本体5aを挿通可能な貫通孔4bを備え、下部に円
筒状のスリーブ部4cを備えて、スリーブ部4cの外周
面に形成された雄ねじ部4dを電極ホルダ6の上端内周
面に形成された雌ねじ部6aに螺合させ、電極ホルダ6
の上端部に配置されている。
【0027】ガイドピン5は、円柱状の本体5aと、本
体5a上部から本体5aより小径として上方へ延びるガ
イド部5cと、本体5a下部で外径を大きくする円板状
のフランジ部5dと、を備えて構成されている。ガイド
部5cは、ナット31の貫通孔31bに嵌挿可能な外径
として、全長を貫通孔31bの長さより短く形成されて
いる。本体5aの外径は、ガイド部5c側の段部5bを
貫通孔31b周縁に当接可能とし、段部5bをワーク3
0の貫通孔30aに挿通可能な寸法としている。
【0028】なお、ガイドピン5のフランジ部5dと電
極チップ4のスリーブ部4cとの間には、ワーク30の
厚さtが変更になっても対処できるように、間隙Wを開
けてストッパリング8が配設され、ストッパリング8と
電極チップ4の下面側における貫通孔4b周縁との間に
は、圧縮コイルばね7が配設されている。コイルばね7
は、ガイドピン5のガタツキ防止用に配設されるもので
ある。
【0029】電極ホルダ6は、略円筒状として、先端内
周面と下端内周面とには、雌ねじ部6a・6cが形成さ
れ、上下方向の略中間部位の内周面には、内径を狭めた
ガイド孔6bが形成されている。電極ホルダ6は、電極
チップ4を保持する他、ガイド孔6b内周面で摺動可能
に上下方向に延びる検出ロッド12を挿通させている。
【0030】この検出ロッド12は、上部から順に小径
部12a・大径部12b・小径部12cを備えた略円柱
形状として、ガイドピン5の下降を下方のセンサ21に
伝達するものであり、調整ねじ16に下端を保持された
圧縮コイルばね14によって上方へ付勢されている。小
径部12aには、それぞれフランジ部9a・11aを備
えたガイドカラー9・11が外装され、ガイドカラー9
・11のフランジ部9a・11a間には、圧縮コイルば
ね10が配設されている。大径部12bの上端面には、
ガイドカラー11のフランジ部11a下面が当接し、大
径部12bの下端面には、コイルばね14の上端を当接
させたストッパリング13が外装されている。小径部1
2c下端には、リング状等からなるロッドストッパ18
が配設されている。
【0031】なお、各コイルばね7・10・14の付勢
力は、コイルばね10が一番大きく、次に、コイルばね
14が大きく、コイルばね7が一番小さくなるように構
成されている。
【0032】また、検出ロッド12の上昇端の規制は、
ロッドストッパ18が後述するセンサホルダ19の貫通
孔19b周縁に当接することによりなされ、検出ロッド
12の下降端の規制は、ストッパリング13が後述する
調整ねじ16の本体16aに当接することによりなされ
る。
【0033】電極ホルダ6の下端に配置される調整ねじ
16は、本体16aの外周面に形成された雄ねじ部16
bを雌ねじ部6cに螺合させて電極ホルダ6に連結され
ている。この調整ねじ16は、検出ロッド12の小径部
12cを挿通可能な貫通孔16cを備えるとともに、本
体16a上端にコイルばね14のばね座を構成する凹部
16dを備えている。さらに、調整ねじ16は、下部に
フランジ部16eを備えるとともに、本体16aの下端
面の貫通孔16c周縁に、センサホルダ19のフランジ
部19c付近と嵌合する凹部16fを備えている。
【0034】なお、15は、ロックナットであり、この
ロックナット15により、調整ねじ16が強固に電極ホ
ルダ6に固定されることとなる。また、23は、ウォー
タジャケットである。
【0035】センサホルダ19は、センサ21を保持す
るものであり、上部円筒部19aと下部円筒部19dと
を備えて構成されている。そして、上部円筒部19aに
は、検出ロッド12の小径部12cを挿通させる貫通孔
19bを備え、上部円筒部19aの外周面には、フラン
ジ部19cが形成されている。また、下部円筒部19d
には、上下方向の略中間部位の内周面にセンサ21の上
部21aを嵌合させる突条19eが設けられ、円筒部1
9dの上部には、外方に開口した窓部19fが形成さ
れ、円筒部19d下部内周面には、センサ21の雄ねじ
部21bと対応した雌ねじ部19gが形成されている。
【0036】そして、このセンサホルダ19は、上部円
筒部19aのフランジ部19c付近が、調整ねじ16の
凹部16fに嵌合され、調整ねじ16に固着されて2分
割体からなるカバー17を利用して、フランジ部19c
が挟持されるように調整ねじ16の下部に回動可能な状
態で固定されることとなる。
【0037】センサ21は、上部21aから突出して検
出ロッド12の下端と当接可能なコンタクト21cを備
え、検出ロッド12の下方への移動時に、2箇所の位置
を検出可能としている。このセンサ21は、雄ねじ部2
1bを雌ねじ部19gに螺合させるとともに上部21a
を突条19eに嵌合させ、コンタクト21cを窓部19
fの位置に配置させて、センサホルダ19に保持されて
いる。なお、20は、センサ21をセンサホルダ19に
強固に固定するロックナットである。
【0038】つぎに、この第1実施例の抵抗溶接機M1
を使用して、図4・5に示すナット31をワーク30に
溶接する場合を説明する。
【0039】なお、ナット31に対応した各部材の配置
関係について述べると、調整ねじ16の電極ホルダ6に
対する螺合位置を調整して、コイルばね10の撓みを0
とする。
【0040】また、電極チップ4の上面4aにセットさ
れたワーク30の上面から突出するガイドピン5のガイ
ド部5cの長さx、ストッパリング13と調整ねじ16
の上面との間隙S、ガイドピン5へのセット時のナット
31とワーク30との間隙s1、センサコンタクト21
cと検出ロッド12の下端との間隙s2、ナット31の
全高さH、ナット31の上面とガイドピン5のガイド部
5cの上端との間隙m、ナット31の溶接部31aの高
さh、ワーク30の厚さt、とした時、ガイドカラー9
・11の相互の離隔距離をx−S、また、x=(H−
m)+s1、S=h+s1、の関係となるように調整し
ておく。
【0041】さらに、センサ21は、コンタクト21c
が、s1−s2の距離を移動した際(この位置がガイド
ピン5の第1ポジションの配置位置となる)と、S−s
2の距離を移動した際(この位置がガイドピン5の第2
ポジションの配置位置となる)と、に制御装置1にON
信号を出力するようにしておく。
【0042】さらにまた、制御装置1には、タイマーを
内蔵させておき、上部電極2が下降し始めた後の一定時
間(T時間)後に、センサ21からの信号の有無によ
り、上部電極2の所定の下降・上昇や、上部・下部電極
2・3への溶接電流の通電を行なうようにプログラムし
ておく。具体的に述べると、制御装置1は、上部電極2
が下降し始めた後のT時間内に、センサ21からの第1
ポジション検出のON信号だけを入力した場合のみ、電
極2・3に溶接電流を通電し、そして、センサ21から
の第2ポジション検出のON信号を入力した後、溶接の
安定時間を経てから、上部電極2を上昇させるように制
御する。一方、制御装置1は、上部電極2が下降し始め
た後のT時間内に、センサ21からの第1・第2ポジシ
ョンの検出ON信号を略同時に入力した際、及び、セン
サ21の第1・2ポジションの検出ON信号を入力しな
い際には、溶接不可として、上部電極2を下部電極3か
ら離すように制御する。
【0043】そして、まず、貫通孔30aをガイド部5
cに外装して、ワーク30をガイドピン5にセットし、
制御装置1の図示しない起動ボタンを押すと、図示しな
いナットフィーダからナット31が供給され、貫通孔3
1bをガイド部5cに外装させて、ナット31がガイド
ピン5にセットされるとともに、上部電極2が下降す
る。
【0044】この時、ガイドピン5にセットされたナッ
ト31が正常ナットであれば、ナット31は、セット位
置から、図1・2・6に示すように、溶接部31aがワ
ーク30に当接するまでの、s1の距離を下降する。
【0045】すると、ガイドピン5、ガイドカラー9、
コイルばね10、ガイドカラー11、及び、検出ロッド
12も、コイルばね14の付勢力に抗してs1の距離を
下降し、検出ロッド12の下端がセンサコンタクト21
cに当接して、コンタクト21cをs1−s2の距離分
下降させることから、センサ21が、ガイドピン5の第
1ポジションに配置されたことを検出し、制御装置1へ
第1ポジション検出ON信号を出力する。
【0046】そして、制御装置1は、タイマーによる一
定のT時間内に、センサ21によるガイドピン5の第1
ポジション位置に配置された信号だけを入力するため、
正常ナットが溶接機Mに供給されたことを確認し、上部
電極2を加圧しつつ、上部・下部電極2・3に溶接電流
を通電する。
【0047】すると、ナット31の溶接部31aが溶融
して、ナット31がワーク30の溶接されるとともに、
さらにナット31がhの距離分下降し、ガイドピン5、
ガイドカラー9、コイルばね10、ガイドカラー11、
検出ロッド12、及び、センサコンタクト21cも、コ
イルばね14の付勢力に抗して、さらに、hの距離を下
降する。
【0048】すなわち、ナット31は、ガイドピン5に
セットされたセット位置から、S(s1+h)の距離分
を下降し、コンタクト21cが、セット位置からS−s
2の距離分下降することから、センサ21が、ガイドピ
ン5の第2ポジションに配置されたことを検出し、制御
装置1へ第2ポジション検出ON信号を出力する。
【0049】ちなみに、検出ロッド12は、ガイドピン
5にナット31をセットした位置から、Sの距離分下降
した後は、ストッパリング13が調整ねじ16の本体1
6a上面に当接するため、それ以上下降することは防止
される。
【0050】そして、センサ21からのガイドピン5の
第2ポジションに配置された信号を入力して制御装置1
は、溶接を安定させる時間の経過後、上部電極2を上昇
させ、つぎの溶接作業を行なうように待機することとな
る(図11参照)。
【0051】一方、図示しないナットフィーダから裏ナ
ット31Bがガイドピン5のガイド部5cに供給された
場合には、制御装置1が上部電極2を下降させると、裏
ナット31Bが上部電極2と当接して押され、図7に示
す状態となる。その際、溶接部31aがワーク30側に
配置されていないことから、当初のセット位置からT時
間の範囲内で直ちにSの距離分下降することとなる。す
なわち、センサ21が、ガイドピン5の第1・第2ポジ
ションに配置された信号を略同時に制御装置1に出力す
るため、制御装置1は、溶接不可と判断し、異常信号を
出力して、上部電極2を上昇させるとともに、周囲の作
業者に異常を通知させるようにパトライト等を作動させ
る。したがって、その後は、作業者が、ナット31Bを
取り除き、溶接作業を再起動させれば良い(図12参
照)。
【0052】また、図示しないナットフィーダからナッ
トが供給されなかったり、供給されても、電極2・3の
範囲外へ外れた場合には、制御装置1が上部電極2を下
降させると、図8に示すように、ガイドピン5のガイド
部5cが上部電極2に押されて下降することとなる。そ
の際には、センサ21が、ガイドピン5の第1・第2ポ
ジションに配置された信号を略同時に制御装置1に出力
するため、制御装置1は、溶接不可と判断し、上部電極
2を上昇させることから、作業者は、上述のように溶接
作業を再起動させれば良い(図12参照)。
【0053】ちなみに、この時、上部電極2がガイドピ
ン5をSの距離分以上下降させても、ガイドカラー9・
11間のコイルばね10を収縮させて、ガイドピン5が
支障無く下降できる。
【0054】さらに、図示しないナットフィーダから供
給されるナット31がガイドピン5に嵌合せずに電極2
・3の範囲内で外れた場合には、制御装置1が上部電極
2を下降させると、図9・10に示すように、上部電極
2がナット31に当接してガイドピン5を下降させな
い。そのため、センサ21は、ガイドピン5の第1・2
ポジションに配置された信号を、所定のT時間内に、制
御装置1に何等出力しないことから、制御装置1は、溶
接不可と判断し、上部電極2を上昇させることから、作
業者は、ナット31を除去して、溶接作業を再起動させ
れば良い(図13参照)。
【0055】また、ワーク30がセットされずにナット
31がガイドピン5に供給された場合(一般的には、こ
のような場合、ワークの未セット検知センサが作動して
異常停止させることが多い)でも、例えば、t≧hの時
であれば、センサ21が第1・第2ポジションの検出O
N信号を略同時に制御装置1に出力するため、制御装置
1は、異常信号を出力して、上部電極2を上昇させるこ
とができる。
【0056】なお、ワーク30に溶接する溶接部材とし
て、図14・15に示すような、溶接部32aを備えた
裏面側の貫通孔32bの周縁に、円筒状のパイロット3
2cを有した六角ナット32とする場合にも、同様に、
正常ナット32であれば、図16に示すように、上部電
極2がs1の距離分下降した際、溶接部32aが一旦ワ
ーク30に当接して、上部・下部電極2・3に溶接電流
を通電させて溶接部32aが溶融すれば、ナット32が
再度溶接部32の高さh分下降するため、ガイドピン5
の移動距離を2段階でセンサ21が検出でき、ナット3
1と同様に、溶接することができる。
【0057】そして、裏ナット32B等のように、異常
状態でナット32が供給された場合には、図17〜20
に示すように、所定のT時間内に、センサ21から信号
が出力されない場合や、瞬時にガイドピン5の第1ポジ
ションと第2ポジションとに配置された信号が制御装置
1に出力されるため、制御装置1は、溶接不可と判断
し、上部電極2を上昇させることとなる。
【0058】したがって、この第1実施例の抵抗溶接機
Mでは、正常時には必ずワーク30側に存在するナット
31・32の溶接部31a・32aの有無に伴なう下部
電極3側の所定のガイドピン5の下降の距離によって、
ナット31・32の供給状態の正常・異常を判断するも
のであり、従来の溶接機のように、ナットに対応する補
助電極や凹部を備えた上部電極を用意しなくとも良く、
また、溶接部32aがナット32本体の外周から突出す
る形状で無くとも、正常な配置位置のナット31・32
のみを容易にワークに溶接することができる。
【0059】なお、第1実施例では、ガイドピン5とセ
ンサ21との間に、上昇端と下降端をストッパリング1
3やロッドストッパ18で規制され、かつ、所定の付勢
力のコイルばね14で上方へ付勢された検出ロッド12
とガイドピン5との間に、隙間D(D>x+t)を設
け、ガイドピン5の電極チップ上面4aから突出する高
さx+t分の距離を下降可能なガイドカラー9を介在さ
せているため、上部電極2に押されてガイドピン5が正
常な溶接作業以上に異常に下降しても、センサ21に損
傷を与えない。
【0060】ちなみに、上記構成としなくとも、コンタ
クト21cをガイドピン5に直接当接させ、コンタクト
21cに所定以上の押圧力が作用した際、センサ21を
下降させるように、ばね等を利用して電極ホルダ6に保
持させれば、検出ロッド12等を利用しなくとも、セン
サ21の損傷を防止できる。
【0061】同様に、上部電極2の上昇動作を瞬時に行
なえるように構成すれば、検出ロッド12等を設けず
に、ガイドピン5にセンサ21のコンタクト21cを直
接当接させることができる。
【0062】また、センサ21を検出ロッド12の下端
下方で接触式に配置しなくとも、検出ロッド12の第1
・第2ポジションの位置に移動した際、水平方向から、
接触あるいは非接触で、検出できるように、近接スイッ
チや光電スイッチ等のセンサを配設することにより、同
様に制御することができる。
【0063】さらに、第1実施例において、溶接作業に
よって、溶接チップ4の上面4aが摩耗したり損傷した
場合の修理について述べると、まず、ロックナット15
を緩め、調整ねじ16を回して電極ホルダ6から引き出
して、ガイドピン5のガイド部5cを上面4aより低く
すれば、上面4aの修正を行なうことができる。
【0064】そして、上面4aの修正や電極チップ4の
交換を行なった場合、あるいは、ナットの種類やワーク
の板厚を変更等する場合には、調整ねじ16を少し緩
め、ガイドピン5のガイド部5cが電極チップ上面4a
からワーク30の厚さtと略等しい寸法分上方に出るよ
うにして、その上に、ワーク30若しくは同一板厚のテ
ストピース等をセットし、上部電極2を上面4aに当接
するまで下降させる。
【0065】その後、調整ねじ16を締めながら、ガイ
ドカラー9・11の間隙x−Sを0として、ガイドカラ
ー11とストッパリング13との間隙Sを0となるよう
にし、調整ねじ16をロックナット15で固定し、上部
電極2を上昇させれば、ガイドピン5や検出ロッド12
を電極チップ4の上面4aから所定位置(原位置と相対
的に同じ位置)に配置させることができる。ちなみに、
この時、電極チップ4の上面4aを研削等して電極チッ
プ4を薄くした場合には、ガイドピン5のフランジ部5
bと電極チップ4のスリーブ部4cとの間の距離が開く
こととなるが、ガイドピン5は、コイルばね7でガタツ
キ防止を図られているため、支障は生じない。また、調
整ねじ16を回す際には、センサホルダ19が自由に回
転する態様で調整ねじ16と連結されているため、セン
サ21に影響を与える虞れも無い。
【0066】さらに、第1実施例では、四角ナット31
や六角ナット32をワーク30に溶接する場合を示した
が、溶接させる裏面側だけに、突出する溶接部(プロジ
ェクション溶接部)が配設されるものであれば、その裏
面側を利用してワークに溶接させる際に、本発明を応用
することができ、溶接部材としては、ナット等に限られ
るものでなく、ワッシャ等のリング状や中空状の形状の
ものを使用しても良い。
【0067】さらにまた、既存の抵抗溶接機の種類によ
っては、制御回路によって、インターロック信号等の外
部入出力ができないものがある。このような場合には、
その既存溶接機の下部電極を実施例の下部電極3に変更
するとともに、図21・22に示すように、溶接不可の
際、上部電極2を上昇させる代わりに、既存溶接機の電
源をOFFして溶接作業を中止させる制御装置を組み込
むことにより、本発明を実施することができる。
【0068】すなわち、制御装置に、既存溶接機の初期
加圧時間と略同期するタイマM1と、センサ21の第1
・第2ポジション検出の作動確認のための基準時間とな
るタイマM2とを組み込む。
【0069】タイマM1は、既存溶接機の上部電極2の
下降信号と同期して作動し、既存溶接機の初期加圧時間
がタイムアップする前に、予め、設定した時間にOFF
される。
【0070】タイマM2は、既存溶接機の上部電極2が
下降し、ナット31、ガイドピン5を押し下げて、セン
サ21のコンタクト21cが第1ポジションの検出ON
信号を検知すると同時に作動し、一定の設定時間後にO
FFされる。この設定時間は、既存溶接機の溶接通電イ
ンターロック時間で設定する。
【0071】そして、この制御装置では、ナット31や
ワーク30の供給の異常の場合に、異常信号を出力し
て、既存溶接機の電源をOFFするとともに、ブザー等
で異常発生を知らせるものである。
【0072】さらに、この制御装置の具体的な作動につ
いて述べれば、まず、ワーク30とナット31とが下部
電極3側における電極チップ4のガイドピン5にセット
されると、既存溶接機が作動し、上部電極2が下降す
る。すると、同時に、制御装置のタイマM1が作動す
る。
【0073】そして、上部電極2が、ナット31ととも
にガイドピン5をs1だけ押し下げると、センサ21の
コンタクト21cが第1ポジション検出ON信号を制御
装置に出力する。すると、同時に、タイマM2が作動し
始める。
【0074】このタイマM2の設定時間内に、センサ2
1が第2ポジション検出ON信号を制御装置に出力しな
ければ、制御装置が、ナット31の供給は正常と判断
し、異常信号を出力せず、既存溶接機側は、溶接作業を
続行し、溶接作業を完了させる(図21参照)。
【0075】そして、このタイマM2の設定時間内に、
センサ21が第2ポジション検出ON信号を制御装置に
出力した場合には、制御装置は、異常(裏ナット・ナッ
ト無し・ワーク無し)供給と判断し、異常信号を出力
し、既存溶接機の電源をOFFし、溶接を中止して、ブ
ザー等を作動させる(図22参照)。
【0076】また、タイマM1がタイムアップするまで
に、センサ21が第1・第2ポジション検出ON信号を
出力しない場合には、制御装置は、図9・10に示す異
常と判断し、異常信号を出力して、既存溶接機の電源を
OFFし、ブザー等を作動させることとなる。
【0077】つぎに、図23・24に示す第2実施例の
抵抗溶接機M2について説明する。この第2実施例の抵
抗溶接機M2は、第1実施例の抵抗溶接機M1のよう
に、まず、ワーク30を下部電極3にセットし、その
後、ワーク30の上面にナット31をセットして、溶接
する場合に使用するものと逆に、図23に示すように、
まず、ナット31を下部電極3にセットし、そのナット
31の上面にワーク30をセットして、溶接する場合に
使用するものであり、ワーク30がコ字形状等としてい
る場合に利用されるものである。
【0078】この第2実施例の抵抗溶接機M2は、ガイ
ドピン5のガイド部5cの長さが、第1実施例のものと
相違する他、第1実施例の各部と全く同じものを具備し
て構成されている。なお、第1実施例と同一部材は、説
明を省略する。
【0079】そして、この第2実施例のガイドピン5の
ガイド部5cの長さは、ナット31の全高さHより長
く、かつ、ナット31の全高さHとワーク30の厚さt
とを加えた長さより、寸法n分、短くしている。
【0080】なお、この第2実施例のナット31に対応
した各部材の配置関係について述べると、ナット31と
ワーク30とをセットしたセット位置において、電極チ
ップ4の上面4aからガイドピン5のガイド部5cの上
端までの長さy、ストッパリング13と調整ねじ16の
上面との間隙S、セット位置でのナット31と電極チッ
プ4との間隙s1、センサコンタクト21cと検出ロッ
ド12の下端との間隙s2、ナット31の全高さH、セ
ット位置でのワーク30の上面とガイドピン5のガイド
部5cの上端との間隙n、ナット31の溶接部31aの
高さh、ワーク30の厚さt、とした時、ガイドカラー
9・11の相互の離隔距離をy−S、y=s1+H+t
−n、S=s1+h−n、n<t、n<h、t≧h、の
関係となるように調整しておく。なお、通常、n≒t/
3である。
【0081】さらに、センサ21は、コンタクト21c
が、s1の距離を移動した際(この位置がガイドピン5
の第1ポジションの配置位置となる)と、S−s2の距
離を移動した際(この位置が、S=s1+h−n分、移
動したガイドピン5の第2ポジションの配置位置とな
る)と、に制御装置1にON信号を出力するようにして
おく。また、制御装置1は、第1実施例と同様に、タイ
マーが内蔵され、上部電極2が下降し始めた後の所定時
間内に、センサ21からの第1ポジション検出ON信号
だけを入力した場合のみ、電極2・3に溶接電流を通電
し、そして、センサ21からの第2ポジション検出ON
信号を入力した後、溶接の安定時間を経てから、上部電
極2を上昇させるように制御する。一方、上部電極2が
下降し始めた所定時間内に、センサ21の第1・第2ポ
ジション検出ON信号を入力しない際、及び、センサ2
1からの第1・第2ポジション検出ON信号を略同時に
入力した際には、制御装置1は、溶接不可として、上部
電極2を下部電極3から離すように制御する。
【0082】そして、この抵抗溶接機M2では、ナット
31とワーク30とをガイドピン5にセットし、上部電
極2が下降した際、セットされたナット31が正常ナッ
トであれば、図23・25に示すように、上部電極2で
押されて、ナット31が電極チップ上面4aに当接し
て、ガイドピン5がs1の距離分下降し、所定時間内
に、センサ21が第1ポジション検出ON信号だけを制
御装置1に出力するため、制御装置1は、上部・下部電
極2・3に溶接電流を通電させる。その後、溶接部31
aが溶融すれば、ガイドピン5のガイド部5cの上端
が、上部電極2に押されて、さらに、h−n分下降(セ
ット位置からはs1+h−n分である)するため、セン
サ21が第2ポジション検出ON信号を制御装置1に出
力し、制御装置1は、第1実施例と同様に、ナット31
とワーク30との溶接を安定させた後、上部電極2を上
昇させ、つぎの溶接作業の待機状態となる。
【0083】そして、裏ナット31Bがセットされた場
合には、図26に示すように、上部電極2が下降してナ
ット31Bが電極チップ上面4aに当接した際、ガイド
ピン5が、y−(H+t)、すなわち、s1+H+t−
n−(H+t)=s1−n分下降し、s1より小さく下
降するだけであるため、センサ21が第1ポジション検
出ON信号を出力せず、制御装置1は、溶接不可と判断
し、異常信号を出力して、上部電極2を上昇させること
となる。
【0084】また、ナット31が供給されない状態で上
部電極2が下降する場合には、図27に示すように、ガ
イドピン5が、瞬時に大きく、y−t分下降し、y−t
=s1+H−n>s1+h−n=Sであるため、センサ
21が第1・第2ポジション検出ON信号を略同時に出
力し、制御装置1は、溶接不可と判断し、異常信号を出
力して、上部電極2を上昇させることとなる。
【0085】さらに、ワーク30がセットされない状態
で上部電極2が下降する場合には、図28に示すよう
に、ガイドピン5が、y−H、すなわち、s1+t−n
分下降し、t≧hであり、s1+t−n≧s1+h−n
=Sであるから、センサ21が第1・第2ポジション検
出ON信号を略同時に出力し、制御装置1は、溶接不可
と判断し、異常信号を出力して、上部電極2を上昇させ
ることとなる。
【0086】したがって、この第2実施例の抵抗溶接機
M2も第1実施例と同様な効果を奏する。なお、この第
2実施例においても、六角ナット32等の溶接部材を使
用できる他、既存の抵抗溶接機にくみこむことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の抵抗溶接機の上部・下
部電極を示す部分断面図である。
【図2】同実施例の上部・下部電極の拡大部分断面図で
ある。
【図3】同実施例の下部電極の拡大部分断面図である。
【図4】同実施例で溶接するナットの平面図である。
【図5】同ナットの断面図である。
【図6】同実施例において、正常なナットの溶接時を示
す図である。
【図7】同実施例において、裏返しのナットの作動時を
示す図である。
【図8】同実施例において、ナットが外れた際の作動時
を示す図である。
【図9】同実施例において、ナットが外れた他の態様で
の作動時を示す図である。
【図10】同実施例において、ナットが外れたさらに他
の態様での作動時を示す図である。
【図11】同実施例において、正常なナットの溶接時を
示すタイムチャート図である。
【図12】同実施例において、裏返しのナットやナット
が外れた際の作動時を示すタイムチャート図である。
【図13】同実施例において、ナットが外れた他の態様
での作動時を示すタイムチャート図である。
【図14】同実施例で溶接する他のナットの平面図であ
る。
【図15】同ナットの断面図である。
【図16】同実施例において、正常な他のナットの溶接
時を示す図である。
【図17】同実施例において、裏返しのナットの作動時
を示す図である。
【図18】同実施例において、ナットが外れた際の作動
時を示す図である。
【図19】同実施例において、ナットが外れた他の態様
での作動時を示す図である。
【図20】同実施例において、ナットが外れたさらに他
の態様での作動時を示す図である。
【図21】同実施例の変形例において、正常なナットの
溶接時を示すタイムチャート図である。
【図22】同実施例の変形例において、裏返しのナット
やナットが外れた際の作動時を示すタイムチャート図で
ある。
【図23】第2実施例の上部・下部電極の拡大部分断面
図である。
【図24】同実施例の下部電極の拡大部分断面図であ
る。
【図25】同実施例において、正常なナットの溶接時を
示す図である。
【図26】同実施例において、裏返しのナットの作動時
を示す図である。
【図27】同実施例において、ナットがセットされなか
った際の作動時を示す図である。
【図28】同実施例において、ワークがセットされなか
った際の作動時を示す図である。
【符号の説明】
1…制御装置、 2…上部電極、 3…下部電極、 4…電極チップ、 5…ガイドピン、 5b…段部、 5c…ガイド部、 6…電極ホルダ、 21…センサ、 30…ワーク、 30a…貫通孔、 31・32…(溶接部材)ナット、 31a・32a…(プロジェクション)溶接部、 31b・32b…貫通孔、 M1・M2…抵抗溶接機。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部電極と下部電極とを備え、該下部電
    極のガイドピンにセットされたワークの上面に、裏面側
    にプロジェクション溶接部を備えるとともに表裏を貫通
    する貫通孔を備えた溶接部材を裏面側からセットし、前
    記溶接部材の表面側から前記上部電極で加圧して、前記
    溶接部材を前記ワークに対して抵抗溶接する抵抗溶接機
    であって、 前記下部電極が、 前記ワークの溶接部位の下面に当接可能な電極チップ
    と、 該電極チップを上端に保持して抵抗溶接機本体に固定さ
    れ、上部内周部位において前記ガイドピンを下方へ移動
    可能に配置させる筒状の電極ホルダと、 前記ガイドピンの下方で、前記ガイドピンの移動を検出
    可能なセンサと、 を備え、 前記ガイドピンが、前記電極チップを挿通して前記電極
    チップから上方へ突出して前記溶接部材の貫通孔に嵌挿
    可能とし、前記溶接部材の貫通孔の長さより短くしたガ
    イド部と、該ガイド部下部に前記溶接部材の貫通孔周縁
    に当接可能な段部と、を備え、 前記センサが、前記ガイド部に前記貫通孔を嵌挿させる
    とともに前記貫通孔周縁に前記段部を当接させて前記ガ
    イドピンに前記溶接部材をセットさせたセット位置か
    ら、前記溶接部材のプロジェクション溶接部を前記ワー
    クに接触させる第1ポジションの位置に移動した際と、
    その後、溶接時に前記プロジェクション溶接部が溶融し
    て前記溶接部材が前記ワークに溶接された第2ポジショ
    ンの位置に移動した際と、の2段階の移動を検出可能と
    し、 制御装置が、前記センサの第1・第2ポジションの検出
    信号を略同時に検知した際、及び、前記センサの第1・
    2ポジションの検出信号を入力しない際には、溶接不可
    として、異常信号を出力し、溶接作業を中止させるよう
    に制御することを特徴とする抵抗溶接機。
  2. 【請求項2】 上部電極と下部電極とを備え、該下部電
    極のガイドピンに対し、裏面側にプロジェクション溶接
    部を備えるとともに表裏を貫通する貫通孔を備えた溶接
    部材を、前記裏面側を上面側にしてセットし、さらに、
    前記溶接部材の上面に前記ガイドピンを挿通可能な貫通
    孔を備えたワークをセットし、前記ワークの上面側から
    前記上部電極で加圧して、前記溶接部材を前記ワークに
    対して抵抗溶接する抵抗溶接機であって、 前記下部電極が、 前記溶接部材の下面に当接可能な電極チップと、 該電極チップを上端に保持して抵抗溶接機本体に固定さ
    れ、上部内周部位において前記ガイドピンを下方へ移動
    可能に配置させる筒状の電極ホルダと、 前記ガイドピンの下方で、前記ガイドピンの移動を検出
    可能なセンサと、 を備え、 前記ガイドピンが、前記電極チップを挿通して前記電極
    チップから上方へ突出して前記溶接部材の貫通孔に嵌挿
    可能とし、前記溶接部材の全高さより長く、かつ、前記
    溶接部材の全高さと前記ワークの厚さとを加えた長さよ
    り短くしたガイド部と、該ガイド部下部に前記溶接部材
    の貫通孔周縁に当接可能な段部と、を備え、 前記センサが、前記ガイド部に前記溶接部材の貫通孔を
    嵌挿させるとともに前記溶接部材の貫通孔周縁に前記段
    部を当接させて前記ガイドピンに前記溶接部材をセット
    させ、さらに、前記溶接部材の上面に、前記ガイド部に
    前記ワークの貫通孔を挿通させて前記ワークをセットし
    たセット位置から、前記溶接部材の表面側を前記電極チ
    ップの上面に接触させる第1ポジションの位置に移動し
    た際と、その後、溶接時に前記プロジェクション溶接部
    が溶融して前記溶接部材が前記ワークに溶接された第2
    ポジションの位置に移動した際と、の2段階の移動を検
    出可能とし、 制御装置が、前記センサの第1・第2ポジションの検出
    信号を略同時に検知した際、及び、前記センサの第1・
    2ポジションの検出信号を入力しない際には、溶接不可
    として、異常信号を出力し、溶接作業を中止させるよう
    に制御することを特徴とする抵抗溶接機。
JP3682693A 1993-02-25 1993-02-25 抵抗溶接機 Expired - Fee Related JPH0712546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3682693A JPH0712546B2 (ja) 1993-02-25 1993-02-25 抵抗溶接機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3682693A JPH0712546B2 (ja) 1993-02-25 1993-02-25 抵抗溶接機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06246460A JPH06246460A (ja) 1994-09-06
JPH0712546B2 true JPH0712546B2 (ja) 1995-02-15

Family

ID=12480557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3682693A Expired - Fee Related JPH0712546B2 (ja) 1993-02-25 1993-02-25 抵抗溶接機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0712546B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11883908B2 (en) 2014-07-02 2024-01-30 Doben Limited System and method with floating welder for high rate production welding

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1043870A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Seki Kogyo Kk ナット用抵抗溶接装置の可動電極部構造
JP3838565B2 (ja) * 2000-12-13 2006-10-25 株式会社エスエムケイ ナット等溶接装置
JP4747922B2 (ja) * 2006-04-11 2011-08-17 株式会社デンソー 溶接方法
JP3135271U (ja) * 2007-06-28 2007-09-06 株式会社エスエムケイ 部品溶接装置
ES2641861T3 (es) 2014-09-18 2017-11-14 Doben Limited Máquina de soldadura con detección indirecta de la posición del elemento de sujeción de soldadura
JP6660656B1 (ja) * 2020-01-15 2020-03-11 株式会社エスエムケイ 溶接用下部電極機構の組付け方法および溶接用下部電極機構

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11883908B2 (en) 2014-07-02 2024-01-30 Doben Limited System and method with floating welder for high rate production welding

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06246460A (ja) 1994-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3094151B2 (ja) 抵抗溶接機
JPH0712546B2 (ja) 抵抗溶接機
JP4624792B2 (ja) 分離式締結システム
CN106001889A (zh) 一种具有防连车功能的凸焊机及凸焊机防连车控制方法
EP1595635A1 (en) Arc stud welding device and method for securely welding a stud to a deformable component
KR101496682B1 (ko) 브라켓용 너트 나사산 감지장치 및 그 제어방법
US20120030918A1 (en) Nose assembly for fastener installation tool
JPH07299571A (ja) ナット溶接用上部電極カバー及びナット溶接用溶接機のナット異常検知装置及びナット異常検知方法
US6624379B1 (en) Method and apparatus for welding a metal fastener to a metal member
JPH05220691A (ja) 磁力型エンドエフェクタ脱落機構を有した産業用ロボットの安全装置
KR100479510B1 (ko) 프로젝션 너트의 불량 셋팅 검출장치 및 그 제어방법
KR102086123B1 (ko) 자동차용 디스크 가공장치의 디스크 평탄도 조절기
US20100051591A1 (en) Operation controller and control method of electrode in electric resistance welding
JP2000094241A (ja) ねじ締め寸法検査装置
JPH02160492A (ja) 産業用ロボツト
US11890760B2 (en) Balancer abnormality detection system and balancer abnormality detection method
JP2020028894A (ja) 頭付きロッド固定装置
JP2503946Y2 (ja) 工作機械のパレット着座確認装置
KR100391431B1 (ko) 프레스 금형내 패널 안착 오류 감지장치
JP3614606B2 (ja) 穴あけ治工具用心合わせ調整装置
JPH09150338A (ja) 締結具の締結忘れ防止装置
JP2006088319A (ja) パンチプレスにおけるタッピング加工方法
JP3452355B2 (ja) 溶接機における電極ストロ―ク制御装置
JP2001205448A (ja) プロジェクション溶接装置
EP1380378A1 (en) Impacting limiting device for resistance Spot, Projection or roller welding machines actuated by an electrical actuator

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19950808

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 17

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 18

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees