JP2001205448A - プロジェクション溶接装置 - Google Patents

プロジェクション溶接装置

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JP2001205448A JP2000020979A JP2000020979A JP2001205448A JP 2001205448 A JP2001205448 A JP 2001205448A JP 2000020979 A JP2000020979 A JP 2000020979A JP 2000020979 A JP2000020979 A JP 2000020979A JP 2001205448 A JP2001205448 A JP 2001205448A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接ナットの姿態、位置決め、品質等の不良
を正確に検出し、不良の状態での溶接を確実に防止す
る。 【解決手段】 可動電極15の下端面から空気を流出さ
せる空気通路15cを設け、可動電極15を溶接ナット
9に加圧する際、空気通路15cに圧力空気を供給し、
この空気圧を空気圧センサ17で検出し、圧力異常か
ら、位置不良ナット・姿態異常ナットが検出されると、
溶接作業(溶接電流の通電)を中止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶接箇所として
裏面側に爪状の突起部(プロジェクション)を有する、
溶接ナット等の被溶接部品(以下、プロジェクション部
品と称する)をワークに溶接取付するためのプロジェク
ション溶接装置に係り、詳しくは、プロジェクション部
品をワークに溶接取付する際、取付不良を事前に検出す
る機能を備えたプロジェクション溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の溶接ナットをワークに溶
接する装置として、固定電極と可動電極との間で溶接ナ
ットを加圧して電流を流し、抵抗溶接法により溶接する
プロジェクション溶接装置が知られている。すなわち、
図7に示すように、固定電極1上にワーク2を配置し、
ナットフィーダから供給されてきた、溶接ナット3を固
定電極1の中央部に設けられたガイドピン4に嵌合さ
せ、上下動する可動電極5で溶接ナット3を加圧し、両
電極1、5間に電流を流すことにより、溶接ナット3の
裏面側に設けられた4箇所の爪状の突起部3aが溶融さ
れてワーク2に溶接されるようになっている。なお、可
動電極5の内部には、水の循環流路6が設けられてお
り、溶接により発生させる熱を水で冷却するようになっ
ている。
【0003】ところが、ナットフィーダから供給される
溶接ナット3は、常に正しい位置にセットされるとは限
らず、ガイドピン4から外れた位置にセットされる場合
も起こり得る(ナットの位置ずれ)。このような場合、
この不備に気がつかずに、このまま溶接してしまうと、
使用不能の欠陥製品が製造されることになる。
【0004】そこで、従来、このような不都合を解消す
る手段として、特開平05−188157号公報に記載
のナットの検出装置が提供されている。同公報記載の検
出装置では、図8に示すように、ワーク(板材)2の他
方の片面側に、ワーク2に設けられた挿通孔2aと軸心
を共通にする態様で、溶接ナット3を位置決め配置し、
配置された溶接ナット3の雌ねじ孔3b内に、空気通路
7aが設けられたガイドピン7を挿入し、このガイドピ
ン7の周面部に設けられた噴出口7bから圧縮空気を噴
射し、この際の噴射抵抗を空気圧センサ8で検出して、
圧力が高いときには、噴出口7bが雌ねじ孔3bの内周
壁に閉塞されるので、溶接ナット3が有ると判断し、一
方、圧力が低いときは、噴出口7bが開放状態であるの
で、溶接ナット3が無いと判断する構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術では、溶接ナット3の有無については
確実に検出できるものの、図9に示すように、溶接ナッ
ト3の表裏(正逆)の向きについてまでは、検出するこ
とができないため、溶接ナット3は確実に溶接取付され
てはいるが、表裏が逆向き、つまり、爪状の突起部3a
が上向きになっている(姿体異常)、という事態の発生
を回避できない、という問題があった。このため、溶接
ナット3が、同図(b)に示すように、逆向きにセット
されたことに気がつかず、このまま自動溶接してしまう
と、溶接不良となり、欠陥製品が製造されることにな
る。とりわけ、自動車のフレームにこの種の溶接不良が
あると、大変危険である。
【0006】この発明は、上述の事情に鑑みなされたも
ので、溶接ナット等のプロジェクション部品をワークに
溶接取付する際、溶接ナットの姿態異常を事前に検出す
る機能を備えたプロジェクション溶接装置を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、固定電極と可動電極との間
にワークを供給し、このワークの被溶接箇所に、裏面に
突起した被溶接部位を有するプロジェクション部品を供
給して溶接するプロジェクション溶接装置に係り、上記
可動電極の上記固定電極側の少なくとも先端部には、そ
の端面に一方の開口を、その側面に他方の開口を有する
空気通路が設けられていることを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のプロジェクション溶接装置に係り、上記可動電極を
上記プロジェクション部品に当接して溶接する際に、上
記可動電極に設けられた上記空気通路に圧力空気を供給
する空気供給手段と、上記空気通路内の空気圧を検出す
るための空気圧センサと、該空気圧センサが圧力異常を
検出したとき、当該溶接を中止する溶接中止手段とを備
えてなることを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載のプロジェクション溶接装置に係り、上記プロ
ジェクション部品が、少なくとも表裏逆向きにセットさ
れたときに、上記圧力異常の検出がなされるように構成
されていることを特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3記載のプロジェクション溶接装置に係り、上記空気
圧センサによって検出された検出圧力が、予め設定され
た第1の基準値よりも低いときは、上記プロジェクショ
ン部品の取付姿態又は取付位置が異常であるとされるこ
とを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項2又
は3記載のプロジェクション溶接装置に係り、上記空気
圧センサによって検出された検出圧力が、予め設定され
た第2の基準値よりも高いときは、上記プロジェクショ
ン部品の取付姿態又は取付位置が異常であるとされるこ
とを特徴としている。
【0012】また、請求項6記載の発明は、請求項2,
3,4又は5記載のプロジェクション溶接装置に係り、
上記圧力異常のとき、表示又は音声による警報を出すよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0013】また、請求項7記載の発明は、請求項,
3,4又は5記載のプロジェクション溶接装置に係り、
上記プロジェクション部品が、溶接ナットであることを
特徴とする。設けられていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の一実施例であるプ
ロジェクション溶接装置の構成を示す側面図、図2は、
同溶接装置を構成する固定電極及び可動電極部分の詳細
を示す縦断面図、図3は、同溶接装置を構成するナット
フィーダの作動状態を説明するための説明図、図4は、
同溶接装置を構成する制御部の動作処理手順を示すフロ
ーチャート、また、図5及び図6は、同溶接装置の動作
(溶接ナットの取付位置・姿態不良検出動作)を説明す
るために、取付位置、取付姿態の態様を示す図で、詳し
くは、図5(a)は、溶接ナットが位置ずれでセットさ
れている状態、図5(b)は、溶接ナット9が表裏逆向
きにセットされている状態、図6(c)は、溶接ナット
9がセットされていないナットレスの状態、また、図
(6d)は、溶接ナット9が正常姿態、正常位置にセッ
トされている状態をそれぞれ示す図である。
【0015】この例のプロジェクション溶接装置は、溶
接ナット9を自動車部品に溶接取付する装置に係り、図
1又は図2に示すように、機体10と、この機体10に
それぞれ取り付けられ、上下に相対応する態様で前方に
張り出す下部フレーム11及び上部フレーム12と、下
部フレーム11側に取り付けられ、ワーク13が載置さ
れる固定電極14と、上部フレーム12側に取り付けら
れ、上下動可能な可動電極15と、溶接ナット9をワー
ク13上の溶接箇所に供給配置するためのナットフィー
ダ16と、後述するように、可動電極15の下部内部に
設けられた空気圧通路15c内の空気圧を測定するため
の空気圧センサ17と、この空気圧センサ17の出力に
基づいて,溶接ナット9の位置決め不良・姿態不良を判
定する制御部18とから概略構成されている。
【0016】上記固定電極14は、図1に示すように、
下部フレーム11に固着された固定電極取付部19の先
端に縦向きに固定されている。この固定電極14の上端
面中央部には、凹部20が設けられていて、この凹部2
0には、スプリングバネ21を介して、溶接ナット9を
位置決めするための、ガイドピン22が、上下動自在に
突設されている。
【0017】上部フレーム12の先端にはエアシリンダ
23が取り付けられ、このエアシリンダ23のピストン
ロッドに連結されて上下に駆動される可動体24に可動
電極15が縦向きに固定されている。可動電極15と固
定電極14とは軸心を共通にして相対向して配置されて
いて、固定電極14と可動電極15間に、図示せぬ電気
回路を通じて通電することにより、後述のようにプロジ
ェクション溶接を行う構成となっている。
【0018】可動電極15は、図2に示すように、電極
先端部15aとシャンク部15bとからなっていて、シ
ャンク部15bの下部を除く内部には冷却水通路15c
が設けられている。また、可動電極15の下部(すなわ
ち、シャンク部15bの下部から電極先端部15aの領
域)には、内部に空冷用及び溶接ナット9の姿態検出用
の空気圧通路15cが形成されている。シャンク部15
bの側面に、空気圧通路15cの流入口が、また、電極
先端部15aの底面に、空気圧通路15cの流出口が設
けられており、空気圧通路15cの流入口には、管継手
25を介して、エアホース26が接続されている。
【0019】このエアホース26は、図1に示すよう
に、三方の管継手27に接続され、この管継手27から
レギュレータ28に接続され、かつ管継手27から供給
管29を介してエア源30に接続されている。この管継
手29の途中には空気圧センサ17が設けられている。
この空気圧センサ17は、例えば圧電センサ等を有して
なり、可動電極15の下部に穿設された空気圧通路15
c内の空気圧Pを検出して、検出圧力信号(電気信号)
Pとして出力する構成となっている。
【0020】この例の制御部18は、CPU(中央処理
装置)や、ROM、RAM等のメモリからなるソフトウ
ェア構成からなり、CPUは、ROMから読み込まれた
制御プログラムに制御されて、溶接ナット9の位置決め
不良・姿態不良を判定する処理を実行する。すなわち、
制御部18では、予め設定された第1の基準圧力PL又
は第2の基準圧力PH(PH>PL)と、空気圧センサ
17から入力される検出圧力信号Pとを比較すること
で、ワーク13上に供給配置された溶接ナット9の位置
決め不良・姿態不良を判定する。
【0021】次に、ナットフィーダ16は、固定電極1
4の斜め上方に設けられていて、溶接ナット9を下降さ
せてワーク13上の溶接箇所に供給する固定シュート1
6aと、この固定シュート16aの外周に摺動(スライ
ド)自在に外嵌されて、固定シュート16aからもらっ
た溶接ナット9をワーク13上の溶接箇所に配置するた
めの可動シュート16bと、可動シュート16b及び固
定シュート16aのそれぞれの一端側に取着された一対
の連結プレート16c,16cと、これらの連結プレー
ト16c,16c間に設置されたピストン16d及びシ
リンダ16eとから構成されている。
【0022】可動シュート16bの先端部は、溶接ナッ
ト9が縦方向に整然と供給されるように、略水平を向く
ように湾曲されていて、かつ、この先端部には、溶接ナ
ット9を落とし込む落下孔16fが設けられている。こ
の落下孔16fは、可動シュート16bが、スライドダ
ウンして、伸張したとき、固定電極14の上端面に設け
られているガイドピン22の直ぐ上方に、かつ、軸心を
共通にして配置されるようになされている。
【0023】次に、図3乃至図6を参照して、この例の
溶接装置の動作について説明する。まず、固定電極14
上に、ワーク(例えば自動車のフレーム部材)13を載
せ、ワーク13のナット溶接位置に穿設されたボルト挿
通孔に、固定電極14の上端面から突出するガイドピン
22を嵌め込んで位置決めする(図2参照)。次に、図
3(a),(b)に示すように、ナットフィーダ16の可
動シュート16bをスライドダウンさせてから、可動シ
ュート16bに沿って溶接ナット9を下降させて、可動
シュート16b先端部の落下孔16fから、固定電極1
4上面のガイドピン22に落とし込む。こうすると、溶
接ナット9の雌ねじ孔9bがガイドピン22に嵌合し
て、ワーク13のナット溶接位置に位置決めされる。
【0024】次に、エア源30から供給管29及びエア
ホース26を介して、可動電極15下部の空気圧通路1
5cに空気を供給しながら、可動電極15を下降させ
て、固定電極14上の溶接ナット9に当接させて、溶接
準備が完了する(図4のステップSP1)。
【0025】溶接準備が完了したら、制御部18は、ス
テップSP2へ進み、空気圧センサ17によって検出さ
れた空気圧Pが、予め設定された第1の基準値PLを越
えているか否かを判定する。
【0026】図5(a)に示すように、溶接ナット9が
ガイドピン22から外れた位置にセットされたときは、
空気圧通路15cの真下に溶接ナット9がないため、空
気圧通路15cは大きく開放されて,空気抵抗が比較的
小さくなるので、空気圧センサ17では、比較的低い圧
力値Pa(PL>Pa)が検出される。制御部18は、
ステップSP2において、空気圧センサ17から入力さ
れる検出圧力信号Paと第1の基準圧力PLとを比較判
定する。同図(a)の例では、PL>Paの判定結果が
得られるので、制御部18はステップSP3の処理に進
んで、直ちに、溶接作業の続行を中断する。これによ
り、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流が流
れることが、阻止されて、溶接不良の発生が事前に回避
される。
【0027】また、同図(b)に示すように、溶接ナッ
ト9の表裏が逆向きにセットされたときは、溶接ナット
9の裏面側に設けられた4箇所の爪状の突起部9aに可
動電極15の下端面が当たるので、可動電極15と溶接
ナット9との間に隙間26ができ、ここから空気が流出
するため、この場合も、空気圧センサ17では、比較的
低い圧力値Pb(PL>Pb)が検出される。制御部1
8は、ステップSP2において、空気圧センサ17から
入力される検出圧力信号Pbと第1の基準圧力PLとを
比較判定する。同図(b)の例では、PL>Pbの判定結果
が得られるので、制御部18はステップSP3の処理に
進んで、直ちに、溶接作業の続行を中断する。これによ
り、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流が流
れることが、阻止されて、溶接不良の発生が事前に回避
される。
【0028】次に、図6(c)に示すように、溶接ナッ
ト9がガイドピン22にセットされないナットレスの状
態となったときは、可動電極15の下端面がワーク13
に直接当接するするため、可動電極15の空気圧通路1
5cが塞がれて、空気抵抗が高い状態となり、このた
め、空気圧センサ17では、比較的高い圧力値Pc(P
c>PH>PL)が検出される。
【0029】制御部18は、まず、ステップSP2にお
いて、空気圧センサ17から入力される検出圧力信号P
cと第1の基準圧力PLとを比較判定する。同図(c)
の例では、Pc>PLの判定結果が得られるので、制御
部18はステップSP4の処理に進んで、今度は、空気
圧センサ17から入力された検出圧力信号Pcと第2の
基準圧力PHとを比較判定する。
【0030】同図(c)の例では、Pc>PHの判定結
果が得られるので、制御部18は、直ちに、ステップS
P5に移って、溶接作業の続行を中断する。これによ
り、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流が流
れることが、阻止されて、溶接不良の発生が事前に回避
される。
【0031】次に、同図(d)に示すように、溶接ナッ
ト9の位置決め及び向きが、正常状態のときは、溶接ナ
ット9の雌ねじ孔9aがガイドピン22に嵌まってい
て、溶接ナット9の爪状の突起部9bが、ワーク13に
接触し、可動電極15の下端面と溶接ナット9の表面が
当接する状態となっている。この状態のときは、可動電
極15の空気圧通路15c内の空気は、雌ねじ孔9aと
ガイドピン22との間の隙間、及び溶接ナット9の爪状
の突起部とワーク13との間の隙間を通って抜けるの
で、空気抵抗は、図5(a)の位置ずれ及び図5(b)
の表裏逆向きの状態のときよりは大きく、一方、図6
(d)のナットレスの状態のときよりは小さくなる。
【0032】したがって、空気圧センサ17では、適正
の圧力値Pd(PH>Pd>PL)が検出される。制御
部18は、まず、ステップSP2において、空気圧セン
サ17から入力される検出圧力信号Pdと第1の基準圧
力PLとを比較判定する。図6(c)の例では、Pc>
PLの判定結果が得られるので、制御部18はステップ
SP4の処理に進んで、今度は、空気圧センサ17から
入力された検出圧力信号Pdと第2の基準圧力PHとを
比較判定する。
【0033】同図(c)の例では、PH>Pcの判定結
果が得られる。つまり、この状態のときは、取付姿態及
び取付位置が正常であるため、ステップSP6へ進ん
で、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流を流
す(溶接実行)。この結果、爪状の突起部の箇所で、溶
接ナットとワーク13とが強く溶接される。
【0034】このように、この例の構成によれば、溶接
ナット9をワーク13に溶接取付する際、溶接ナット9
の取付位置不良を検知することができるだけでなく、溶
接ナット9の逆向きセット(姿態異常)を事前に検出す
ることができる。また、可動電極15の下部に穿設され
た空気圧通路15cによって、可動電極を冷却できるの
で、水冷に較べて、装置の手入れが、一段と楽である。
【0035】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上記実施
例では、溶接ナット9を溶接する場合について述べた
が、溶接ナットに限定されず、電気接点、プラグ、リン
グ、その他の突起のあるプロジェクション部品である限
り、この発明を適用できる。
【0036】また、上述の実施例では、固定シュートと
可動シュートとからなるナットフィーダを用いたが、こ
れに限定するものではなく、串刺し案内方式の供給ロッ
ドを用いるもの、磁石保持式の供給ロッドを用いるも
の、あるいは、これら以外のものでも良い。また、溶接
ナットの取付姿態不良・取付位置不良の判定手段として
は、ソウフトウェア構成であると、ハードウェア構成
(シーケンサによる制御、リレー制御)であるとを問わ
ない。
【0037】また、溶接ナットの取付姿態不良・取付位
置不良と判定されたときは、表示装置にメッセージ表示
したり、音声による警報を出して異常を作業員に知らせ
るようにしても良い。なお、図5及び図6には示しされ
ていないが、溶接ナット9の形状に異常がある欠損品の
場合も、可動電極15と溶接ナット9との間に隙間26
ができるため、図3(b)に示す原理で異常を検出でき
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、溶接ナット等の上下非対称のプロジェクション
部品をワークに溶接取付する際、プロジェクション部品
の取付位置不良を検知することができるだけでなく、プ
ロジェクション部品の逆向きセット(姿態異常)を事前
に検出することができる。また、可動電極の下部に穿設
された空気通路によって、可動電極を冷却できるので、
水冷に較べて、装置の手入れが、一段と楽である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるプロジェクション溶
接装置の構成を示す側面図である。
【図2】同溶接装置を構成する固定電極及び可動電極部
分の詳細を示す縦断面図である。
【図3】同溶接装置を構成するナットフィーダの作動状
態を説明するための説明図である。
【図4】同溶接装置を構成する制御部の動作処理手順を
示すフローチャートである。
【図5】同溶接装置の動作(溶接ナットの位置決め不良
・姿態不良検出動作)を説明するための説明図である。
【図6】同溶接装置の動作(溶接ナットの位置決め不良
・姿態不良検出動作)を説明するための説明図である。
【図7】従来のプロジェクション溶接装置を説明するた
めの概略縦断面図である。
【図8】従来の別のプロジェクション溶接装置を説明す
るための概略縦断面図である。
【図9】同従来技術の問題点を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
9 溶接ナット(プロジェクション部品) 9a 爪状の突起部(突起した被溶接部位) 9b 雌ねじ孔 13 ワーク 14 固定電極 15 可動電極 15a 電極先端部(先端部) 15c 空気圧通路 16 ナットフィーダ 17 空気圧センサ 18 溶接中止手段(制御部) 30 エア源(空気供給手段) P,Pa,Pb,Pc,Pd 検出圧力信号(検出
圧力) PL 第1の基準圧力(第1の基準値) PH 第2の基準圧力(第2の基準値)
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月31日(2000.1.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プロジェクション溶接装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶接箇所として
裏面側に爪状の突起部(プロジェクション)を有する、
溶接ナット等の被溶接部品(以下、プロジェクション部
品と称する)をワークに溶接取付するためのプロジェク
ション溶接装置に係り、詳しくは、プロジェクション部
品をワークに溶接取付する際、取付不良を事前に検出す
る機能を備えたプロジェクション溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の溶接ナットをワークに溶
接する装置として、固定電極と可動電極との間で溶接ナ
ットを加圧して電流を流し、抵抗溶接法により溶接する
プロジェクション溶接装置が知られている。すなわち、
図7に示すように、固定電極1上にワーク2を配置し、
ナットフィーダから供給されてきた、溶接ナット3を固
定電極1の中央部に設けられたガイドピン4に嵌合さ
せ、上下動する可動電極5で溶接ナット3を加圧し、両
電極1、5間に電流を流すことにより、溶接ナット3の
裏面側に設けられた4箇所の爪状の突起部3aが溶融さ
れてワーク2に溶接されるようになっている。なお、可
動電極5の内部には、水の循環流路6が設けられてお
り、溶接により発生させる熱を水で冷却するようになっ
ている。
【0003】ところが、ナットフィーダから供給される
溶接ナット3は、常に正しい位置にセットされるとは限
らず、ガイドピン4から外れた位置にセットされる場合
も起こり得る(ナットの位置ずれ)。このような場合、
この不備に気がつかずに、このまま溶接してしまうと、
使用不能の欠陥製品が製造されることになる。
【0004】そこで、従来、このような不都合を解消す
る手段として、特開平05−188157号公報に記載
のナットの検出装置が提供されている。同公報記載の検
出装置では、図8に示すように、ワーク(板材)2の他
方の片面側に、ワーク2に設けられた挿通孔2aと軸心
を共通にする態様で、溶接ナット3を位置決め配置し、
配置された溶接ナット3の雌ねじ孔3b内に、空気通路
7aが設けられたガイドピン7を挿入し、このガイドピ
ン7の周面部に設けられた噴出口7bから圧縮空気を噴
射し、この際の噴射抵抗を空気圧センサ8で検出して、
圧力が高いときには、噴出口7bが雌ねじ孔3bの内周
壁に閉塞されるので、溶接ナット3が有ると判断し、一
方、圧力が低いときは、噴出口7bが開放状態であるの
で、溶接ナット3が無いと判断する構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術では、溶接ナット3の有無については
確実に検出できるものの、図9に示すように、溶接ナッ
ト3の表裏(正逆)の向きについてまでは、検出するこ
とができないため、溶接ナット3は確実に溶接取付され
てはいるが、表裏が逆向き、つまり、爪状の突起部3a
が上向きになっている(姿体異常)、という事態の発生
を回避できない、という問題があった。このため、溶接
ナット3が、同図(b)に示すように、逆向きにセット
されたことに気がつかず、このまま自動溶接してしまう
と、溶接不良となり、欠陥製品が製造されることにな
る。とりわけ、自動車のフレームにこの種の溶接不良が
あると、大変危険である。
【0006】この発明は、上述の事情に鑑みなされたも
ので、溶接ナット等のプロジェクション部品をワークに
溶接取付する際、溶接ナットの姿態異常を事前に検出す
る機能を備えたプロジェクション溶接装置を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、固定電極と可動電極との間
にワークを供給し、このワークの被溶接箇所に、裏面に
突起した被溶接部位を有するプロジェクション部品をセ
ットし、該プロジェクション部品と前記ワークとを前記
固定電極と可動電極とで挟着状態にして溶接するプロジ
ェクション溶接装置に係り、前記可動電極の前記固定電
極側の少なくとも先端部には、その端面に一方の開口
を、その側面に他方の開口を有する空気通路が設けられ
ていることを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のプロジェクション溶接装置に係り、前記可動電極を
前記プロジェクション部品に当接して溶接する際に、前
記可動電極に設けられた前記空気通路に圧力空気を供給
する空気供給手段と、前記空気通路内の空気圧を検出す
るための空気圧センサと、該空気圧センサによって検出
された検出圧力データに基づいて、当該溶接の中止/実
行を制御する制御手段とを備えてなることを特徴として
いる。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載のプロジェクション溶接装置に係り、前記制御
手段が、前記プロジェクション部品が、前記ワークの被
溶接箇所に、表裏逆向きにセットされたときの、前記空
気圧センサによって検出された検出圧力データを受ける
と、当該溶接を中止させることを特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3記載のプロジェクション溶接装置に係り、前記制御
手段が、前記空気圧センサによって検出された検出圧力
が、予め設定された第1の基準値よりも低いときは、当
該溶接を中止させることを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項2又
は3記載のプロジェクション溶接装置に係り、前記制御
手段が、前記空気圧センサによって検出された検出圧力
が、予め設定された第2の基準値よりも高いときは、当
該溶接を中止させることを特徴としている。
【0012】また、請求項6記載の発明は、請求項2,
3,4又は5記載のプロジェクション溶接装置に係り、
前記制御手段が、前記溶接を中止したときは、表示又は
音声による警報が出される構成になされていることを特
徴としている。
【0013】また、請求項7記載の発明は、請求項,
3,4又は5記載のプロジェクション溶接装置に係り、
上記プロジェクション部品が、溶接ナットであることを
特徴とする。設けられていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の一実施例であるプ
ロジェクション溶接装置の構成を示す側面図、図2は、
同溶接装置を構成する固定電極及び可動電極部分の詳細
を示す縦断面図、図3は、同溶接装置を構成するナット
フィーダの作動状態を説明するための説明図、図4は、
同溶接装置を構成する制御部の動作処理手順を示すフロ
ーチャート、また、図5及び図6は、同溶接装置の動作
(溶接ナットの取付位置・姿態不良検出動作)を説明す
るために、取付位置、取付姿態の態様を示す図で、詳し
くは、図5(a)は、溶接ナットが位置ずれでセットさ
れている状態、図5(b)は、溶接ナット9が表裏逆向
きにセットされている状態、図6(c)は、溶接ナット
9がセットされていないナットレスの状態、また、図
(6d)は、溶接ナット9が正常姿態、正常位置にセッ
トされている状態をそれぞれ示す図である。
【0015】この例のプロジェクション溶接装置は、溶
接ナット9を自動車部品に溶接取付する装置に係り、図
1又は図2に示すように、機体10と、この機体10に
それぞれ取り付けられ、上下に相対応する態様で前方に
張り出す下部フレーム11及び上部フレーム12と、下
部フレーム11側に取り付けられ、ワーク13が載置さ
れる固定電極14と、上部フレーム12側に取り付けら
れ、上下動可能な可動電極15と、溶接ナット9をワー
ク13上の溶接箇所に供給配置するためのナットフィー
ダ16と、後述するように、可動電極15の下部内部に
設けられた空気通路15c内の空気圧を測定するための
空気圧センサ17と、この空気圧センサ17の出力に基
づいて,溶接ナット9の位置決め不良・姿態不良を判定
する制御部18とから概略構成されている。
【0016】上記固定電極14は、図1に示すように、
下部フレーム11に固着された固定電極取付部19の先
端に縦向きに固定されている。この固定電極14の上端
面中央部には、凹部20が設けられていて、この凹部2
0には、スプリングバネ21を介して、溶接ナット9を
位置決めするための、ガイドピン22が、上下動自在に
突設されている。
【0017】上部フレーム12の先端にはエアシリンダ
23が取り付けられ、このエアシリンダ23のピストン
に連結されて上下に駆動される可動体24に可動電極1
5が縦向きに固定されている。可動電極15と固定電極
14とは軸心を共通にして相対向して配置されていて、
固定電極14と可動電極15間に、図示せぬ電気回路を
通じて通電することにより、後述のようにプロジェクシ
ョン溶接を行う構成となっている。
【0018】可動電極15は、図2に示すように、電極
先端部15aとシャンク部15bとからなっていて、シ
ャンク部15bの下部を除く内部には冷却水通路15c
が設けられている。また、可動電極15の下部(すなわ
ち、シャンク部15bの下部から電極先端部15aの領
域)には、内部に空冷用及び溶接ナット9の姿態検出用
空気通路15cが形成されている。シャンク部15b
の側面に、空気通路15cの流入口が、また、電極先端
部15aの底面に、空気通路15cの流出口が設けられ
ており、空気通路15cの流入口には、管継手25を介
して、エアホース26が接続されている。
【0019】このエアホース26は、図1に示すよう
に、三方の管継手27に接続され、この管継手27から
レギュレータ28に接続され、かつ管継手27から供給
管29を介してエア源30に接続されている。この管継
手29の途中には空気圧センサ17が設けられている。
この空気圧センサ17は、例えば圧電センサ等を有して
なり、可動電極15の下部に穿設された空気通路15c
内の空気圧Pを検出して、検出圧力信号(電気信号)P
として出力する構成となっている。
【0020】この例の制御部18は、CPU(中央処理
装置)や、ROM、RAM等のメモリからなるソフトウ
ェア構成からなり、CPUは、ROMから読み込まれた
制御プログラムに制御されて、溶接ナット9の位置決め
不良・姿態不良を判定する処理を実行する。すなわち、
制御部18では、予め設定された第1の基準圧力PL又
は第2の基準圧力PH(PH>PL)と、空気圧センサ
17から入力される検出圧力信号Pとを比較すること
で、ワーク13上に供給配置された溶接ナット9の位置
決め不良・姿態不良を判定する。
【0021】次に、ナットフィーダ16は、固定電極1
4の斜め上方に設けられていて、溶接ナット9を下降さ
せてワーク13上の溶接箇所に供給する固定シュート1
6aと、この固定シュート16aの外周に摺動(スライ
ド)自在に外嵌されて、固定シュート16aからもらっ
た溶接ナット9をワーク13上の溶接箇所に配置するた
めの可動シュート16bと、可動シュート16b及び固
定シュート16aのそれぞれの一端側に取着された一対
の連結プレート16c,16cと、これらの連結プレー
ト16c,16c間に設置されたピストン16d及びシ
リンダ16eとから構成されている。
【0022】可動シュート16bの先端部は、溶接ナッ
ト9が縦方向に整然と供給されるように、略水平を向く
ように湾曲されていて、かつ、この先端部には、溶接ナ
ット9を落とし込む落下孔16fが設けられている。こ
の落下孔16fは、可動シュート16bが、スライドダ
ウンして、伸張したとき、固定電極14の上端面に設け
られているガイドピン22の直ぐ上方に、かつ、軸心を
共通にして配置されるようになされている。
【0023】次に、図3乃至図6を参照して、この例の
溶接装置の動作について説明する。まず、固定電極14
上に、ワーク(例えば自動車のフレーム部材)13を載
せ、ワーク13のナット溶接位置に穿設されたボルト挿
通孔に、固定電極14の上端面から突出するガイドピン
22を嵌め込んで位置決めする(図2参照)。次に、図
3(a),(b)に示すように、ナットフィーダ16の可
動シュート16bをスライドダウンさせてから、可動シ
ュート16bに沿って溶接ナット9を下降させて、可動
シュート16b先端部の落下孔16fから、固定電極1
4上面のガイドピン22に落とし込む。こうすると、溶
接ナット9の雌ねじ孔9bがガイドピン22に嵌合し
て、ワーク13のナット溶接位置に位置決めされる。
【0024】次に、エア源30から供給管29及びエア
ホース26を介して、可動電極15下部の空気通路15
cに空気を供給しながら、可動電極15を下降させて、
固定電極14上の溶接ナット9に当接させて、溶接準備
が完了する(図4のステップSP1)。
【0025】溶接準備が完了したら、制御部18は、ス
テップSP2へ進み、空気圧センサ17によって検出さ
れた空気圧Pが、予め設定された第1の基準値PLを越
えているか否かを判定する。
【0026】図5(a)に示すように、溶接ナット9が
ガイドピン22から外れた位置にセットされたときは、
空気通路15cの真下に溶接ナット9がないため、空気
通路15cは大きく開放されて,空気抵抗が比較的小さ
くなるので、空気圧センサ17では、比較的低い圧力値
Pa(PL>Pa)が検出される。制御部18は、ステ
ップSP2において、空気圧センサ17から入力される
検出圧力信号Paと第1の基準圧力PLとを比較判定す
る。同図(a)の例では、PL>Paの判定結果が得ら
れるので、制御部18はステップSP3の処理に進ん
で、直ちに、溶接作業の続行を中断する。これにより、
可動電極15と固定電極14との間に溶接電流が流れる
ことが、阻止されて、溶接不良の発生が事前に回避され
る。
【0027】また、同図(b)に示すように、溶接ナッ
ト9の表裏が逆向きにセットされたときは、溶接ナット
9の裏面側に設けられた4箇所の爪状の突起部9aに可
動電極15の下端面が当たるので、可動電極15と溶接
ナット9との間に隙間26ができ、ここから空気が流出
するため、この場合も、空気圧センサ17では、比較的
低い圧力値Pb(PL>Pb)が検出される。制御部1
8は、ステップSP2において、空気圧センサ17から
入力される検出圧力信号Pbと第1の基準圧力PLとを
比較判定する。同図(b)の例では、PL>Pbの判定結果
が得られるので、制御部18はステップSP3の処理に
進んで、直ちに、溶接作業の続行を中断する。これによ
り、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流が流
れることが、阻止されて、溶接不良の発生が事前に回避
される。
【0028】次に、図6(c)に示すように、溶接ナッ
ト9がガイドピン22にセットされないナットレスの状
態となったときは、可動電極15の下端面がワーク13
に直接当接するするため、可動電極15の空気通路15
cが塞がれて、空気抵抗が高い状態となり、このため、
空気圧センサ17では、比較的高い圧力値Pc(Pc>
PH>PL)が検出される。
【0029】制御部18は、まず、ステップSP2にお
いて、空気圧センサ17から入力される検出圧力信号P
cと第1の基準圧力PLとを比較判定する。同図(c)
の例では、Pc>PLの判定結果が得られるので、制御
部18はステップSP4の処理に進んで、今度は、空気
圧センサ17から入力された検出圧力信号Pcと第2の
基準圧力PHとを比較判定する。
【0030】同図(c)の例では、Pc>PHの判定結
果が得られるので、制御部18は、直ちに、ステップS
P5に移って、溶接作業の続行を中断する。これによ
り、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流が流
れることが、阻止されて、溶接不良の発生が事前に回避
される。
【0031】次に、同図(d)に示すように、溶接ナッ
ト9の位置決め及び向きが、正常状態のときは、溶接ナ
ット9の雌ねじ孔9bがガイドピン22に嵌まってい
て、溶接ナット9の爪状の突起部9aが、ワーク13に
接触し、可動電極15の下端面と溶接ナット9の表面が
当接する状態となっている。この状態のときは、可動電
極15の空気通路15c内の空気は、雌ねじ孔9bとガ
イドピン22との間の隙間、及び溶接ナット9の爪状の
突起部9aとワーク13との間の隙間を通って抜けるの
で、空気抵抗は、図5(a)の位置ずれ及び図5(b)
の表裏逆向きの状態のときよりは大きく、一方、図6
(d)のナットレスの状態のときよりは小さくなる。
【0032】したがって、空気圧センサ17では、適正
の圧力値Pd(PH>Pd>PL)が検出される。制御
部18は、まず、ステップSP2において、空気圧セン
サ17から入力される検出圧力信号Pdと第1の基準圧
力PLとを比較判定する。図6(c)の例では、Pc>
PLの判定結果が得られるので、制御部18はステップ
SP4の処理に進んで、今度は、空気圧センサ17から
入力された検出圧力信号Pdと第2の基準圧力PHとを
比較判定する。
【0033】同図(c)の例では、PH>Pcの判定結
果が得られる。つまり、この状態のときは、取付姿態及
び取付位置が正常であるため、ステップSP6へ進ん
で、可動電極15と固定電極14との間に溶接電流を流
す(溶接実行)。この結果、爪状の突起部の箇所で、溶
接ナットとワーク13とが強く溶接される。
【0034】このように、この例の構成によれば、溶接
ナット9をワーク13に溶接取付する際、溶接ナット9
の取付位置不良を検知することができるだけでなく、溶
接ナット9の逆向きセット(姿態異常)を事前に検出す
ることができる。また、可動電極15の下部に穿設され
空気通路15cによって、可動電極を冷却できるの
で、水冷に較べて、装置の手入れが、一段と楽である。
【0035】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、プロジェ
クション部品は、溶接ナットに限定されず、電気接点、
プラグ、リング、その他の突起のあるものである限り、
この発明を適用できる。
【0036】また、上述の実施例では、固定シュートと
可動シュートとからなるナットフィーダを用いたが、こ
れに限定するものではなく、串刺し案内方式の供給ロッ
ドを用いるもの、磁石保持式の供給ロッドを用いるも
の、あるいは、これら以外のものでも良い。また、溶接
ナットの姿態異常・位置不良の判定手段としては、ソウ
フトウェア構成であると、ハードウェア構成(シーケン
サによる制御、リレー制御)であるとを問わない。
【0037】また、また、セットされた溶接ナットが姿
態異常・位置不良と判定されたときは、表示装置にメッ
セージ表示したり、音声による警報を出して異常を作業
員に知らせるようにしても良い。なお、図5及び図6に
は示されていないが、溶接ナット9の形状に異常がある
欠損品の場合も、可動電極15と溶接ナット9との間に
大きな隙間ができるため、異常を検出できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、溶接ナット等の上下非対称のプロジェクション
部品をワークに溶接取付する際、プロジェクション部品
の取付位置不良を検知することができるだけでなく、プ
ロジェクション部品の逆向きセット(姿態異常)を事前
に検出することができる。また、可動電極の下部に穿設
された空気通路によって、可動電極を冷却できるので、
水冷に較べて、装置の手入れが、一段と楽である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるプロジェクション溶
接装置の構成を示す側面図である。
【図2】同溶接装置を構成する固定電極及び可動電極部
分の詳細を示す縦断面図である。
【図3】同溶接装置を構成するナットフィーダの作動状
態を説明するための説明図である。
【図4】同溶接装置を構成する制御部の動作処理手順を
示すフローチャートである。
【図5】同溶接装置の動作(溶接ナットの位置決め不良
・姿態不良検出動作)を説明するための説明図である。
【図6】同溶接装置の動作(溶接ナットの位置決め不良
・姿態不良検出動作)を説明するための説明図である。
【図7】従来のプロジェクション溶接装置を説明するた
めの概略縦断面図である。
【図8】従来の別のプロジェクション溶接装置を説明す
るための概略縦断面図である。
【図9】同従来技術の問題点を説明するための図であ
る。
【符号の説明】 9 溶接ナット(プロジェクション部品) 9a 爪状の突起部(突起した被溶接部位) 9b 雌ねじ孔 13 ワーク 14 固定電極 15 可動電極 15a 電極先端部(先端部) 15c 空気通路 16 ナットフィーダ 17 空気圧センサ 18 制御手段(制御部) 30 エア源(空気供給手段) P,Pa,Pb,Pc,Pd 検出圧力信号(検出
圧力) PL 第1の基準圧力(第1の基準値) PH 第2の基準圧力(第2の基準値)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 昇一 群馬県太田市西新町126番地の1 東亜工 業株式会社内 (72)発明者 北島 一夫 群馬県太田市西新町126番地の1 東亜工 業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定電極と可動電極との間にワークを供
    給し、このワークの被溶接箇所に、裏面に突起した被溶
    接部位を有するプロジェクション部品を供給して溶接す
    るプロジェクション溶接装置であって、 前記可動電極の前記固定電極側の少なくとも先端部に
    は、その端面に一方の開口を、その側面に他方の開口を
    有する空気通路が設けられていることを特徴とするプロ
    ジェクション溶接装置。
  2. 【請求項2】 前記可動電極を前記プロジェクション部
    品に当接して溶接する際に、前記可動電極に設けられた
    前記空気通路に圧力空気を供給する空気供給手段と、前
    記空気通路内の空気圧を検出するための空気圧センサ
    と、該空気圧センサが圧力異常を検出したとき、当該溶
    接を中止する溶接中止手段とを備えてなることを特徴と
    する請求項1記載のプロジェクション溶接装置。
  3. 【請求項3】 前記プロジェクション部品が、少なくと
    も表裏逆向きにセットされたときに、前記圧力異常の検
    出がなされるように構成されていることを特徴とする請
    求項2記載のプロジェクション溶接装置。
  4. 【請求項4】 前記空気圧センサによって検出された検
    出圧力が、予め設定された第1の基準値よりも低いとき
    は、前記プロジェクション部品の取付姿態又は取付位置
    が異常であるとされることを特徴とする請求項2又は3
    記載のプロジェクション溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記空気圧センサによって検出された検
    出圧力が、予め設定された第2の基準値よりも高いとき
    は、前記プロジェクション部品の取付姿態又は取付位置
    が異常であるとされることを特徴とする請求項2又は3
    記載のプロジェクション溶接装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力異常のとき、表示又は音声によ
    る警報を出すように構成されていることを特徴とする請
    求項2,3,4又は5記載のプロジェクション溶接装
    置。
  7. 【請求項7】 前記プロジェクション部品が、溶接ナッ
    トであることを特徴とする請求項,3,4又は5記載の
    プロジェクション溶接装置。
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