JPH07124643A - 伸線及び巻取装置の速度制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】線のサイズに関係なく、巻取装置の満巻停止
時、伸線装置と巻取装置を同調停止させる巻取装置停止
制御システムを提供すること。 【構成】巻取装置の巻取ボビンの満巻により、伸線及び
巻取装置を停止させる際の速度制御方法において、巻取
装置に油圧制御によるディスクブレーキを設け、伸線装
置と巻取装置の間にダンサー装置を設置し、ダンサー装
置のダンサーロール位置及びその移動方向により前記油
圧制御をもって巻取装置のディスクブレーキを制御し、
伸線装置と巻取装置の同調停止を行う伸線及び巻取装置
の速度制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、伸線・巻取装置におい
て、伸線装置と巻取装置の同調停止を行う速度制御方法
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の伸線・巻取装置における、伸線装
置と巻取装置を同調停止させるための速度制御は、以下
のようなi)〜iii)の方式の連動によって行われていた。

【０００３】すなわち、i)伸線装置と巻取装置の間に設
けられたダンサー装置の上部ロールの軸と共軸回転する
カムが設けられている。ii) 一方、巻取装置はそれに付
属の空気圧力制御のディスクブレーキにより巻取速度及
び停止が制御される方式となっており、このディスクブ
レーキ制御の空気圧力は減圧弁により制御される。iii)
ディスクブレーキ制御の前記空気圧力調整減圧弁は、ダ
ンサー装置の上部ロールの軸と共軸回転する前記カムに
接触しており、カムの回転により減圧弁の開度が調節さ
れる。

【０００４】従って、従来の伸線・巻取装置における、
伸線装置と巻取装置を同調停止のための伸線及び巻取装
置の速度制御は、ダンサー装置の上部ロールの回転方
向、すなわちダンサーロールの昇降の方向により、カム
の回転を介して行われていた。しかしながら、１台の伸
線装置によって行われる線引きのサイズは１サイズでは
なく、複数のサイズの線引きが行われる。例えば、中物
伸線装置では原材料が６．３mmの線径の材料から複数個
のダイスを使用して、仕上げ線径が０．６５mmから３．
２mmの線径の線を製造する。

【０００５】異なったサイズの線を製造しても、巻取装
置の巻取ボビンの満巻により停止する場合には、巻取り
重量及び巻取り速度が一定であるため、巻取装置に掛か
る慣性力には変化はない。しかし、伸線装置に掛かる慣
性力は引抜く線のサイズにより大きく変化し、線のサイ
ズにより駆動モータの電源を遮断してから伸線装置が完
全に停止するまでの惰性運転時間には差がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】線のサイズにより伸線
装置が完全に停止するまでの惰性運転時間には差が生じ
るため、伸線装置と巻取装置を同調停止を実現するた
め、巻取装置の停止は線のサイズにより調整する必要が
ある。前記したように、巻取装置の停止時間の調節は、
伸線装置と巻取装置の間に設けられたダンサー装置の上
部ロールの軸と共軸回転するカムにより、それに接触し
ている空気圧力調整減圧弁の動きを調節して巻取装置の
巻取停止を制御する仕組みとなっているため、カムの形
状に依存する。

【０００７】このため、線のサイズが変わるとカムの形
状をそれに合わせる必要があるが、従来線のサイズに合
わせてカムの形状を決定して、伸線装置と巻取装置を同
調停止することは容易ではなかった。

【０００８】本発明の目的は、従来技術の欠点を解消
し、線のサイズに関係なく、巻取装置の満巻停止時、伸
線装置と巻取装置を同調停止させる巻取装置停止制御シ
ステムを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題は、巻取装置の
巻取ボビンの満巻により、伸線及び巻取装置を停止させ
る際の速度制御方法において、巻取装置に油圧制御によ
るディスクブレーキを設け、伸線装置と巻取装置の間に
ダンサー装置を設置し、ダンサー装置のダンサーロール
位置及びその移動方向により前記油圧制御をもって巻取
装置のディスクブレーキを制御し、伸線装置と巻取装置
の同調停止を行うことを特徴とする伸線及び巻取装置の
速度制御方法によって達成される。

【００１０】本発明の要旨は、前記巻取装置のディスク
ブレーキの油圧をダンサー装置のダンサーロール位置及
びその移動方向に応じて制御することによって、伸線装
置と巻取装置を同調停止させるものである。

【００１１】ここで、巻取ボビンの満巻とは、巻取ボビ
ンに所定の巻量の線が巻取られたことを意味し、この所
定の巻量とは通常線のサイズによって変わらない。

【００１２】

【実施例】本発明の実施例を図１を用いて以下に説明す
る。ただし、本発明は以下の説明によって制限されるも
のではない。

【００１３】図１において、伸線装置１により線引きさ
れた線２はダンサー装置３の上部ロール３１及びダンサ
ーロール３２を通り、巻取装置の巻取ボビン４に巻取ら
れる。巻取ボビン４の巻量は、別に設けた検尺器または
タイマー（いずれも図示していない。）により計測さ
れ、巻量が満巻になると、伸線装置１のインダクション
モータ及び巻取装置の可変速モータを停止させる信号を
前記検尺器またはタイマーより発信し、伸線装置と巻取
装置は停止に入る。

【００１４】巻取装置の可変速モータの停止信号と同時
に電磁弁１０が作動し、エアマスター９に圧搾空気が供
給され、油圧に変換され、電磁バルブ８を通り、ディス
クブレーキ６が作動し、巻取装置の巻取ボビン４の回転
を制動する。

【００１５】一方、伸線装置１には制動をかけず、惰性
停止とする。伸線装置１が惰性回転して、線２に張力が
加えられている間は伸線装置１より線２が送り出されて
いる。

【００１６】この時、巻取装置の巻取ボビン４に制動が
かかり過ぎるとダンサー装置３のダンサーロール３２は
その下限位置の方向に動こうとする。この時、図１のＢ
で示される範囲にあり、かつ下限位置の方向に動こうと
している場合には、バルブユニットによりディスクブレ
ーキ６に作用している油圧を減圧する。

【００１７】油圧が減圧されると、ディスクブレーキ６
が弛み、ダンサー装置３のダンサーロール３２は上限位
置の方向に動こうとする。この時、ダンサーロール３２
が図１のＢで示される範囲にあっても、ダンサーロール
３２が上限位置の方向に動こうとしている場合にはバル
ブユニットは保持の状態となり油圧を保持する。

【００１８】ディスクブレーキ６が弛み過ぎて、巻取装
置の巻取ボビン４の巻取りが速くなり、線２が引張られ
てダンサーロール３２が図１のＡで示される範囲に入っ
た場合は、バルブユニットによりディスクブレーキ６に
作用している油圧を増圧して、巻取ボビン４に制動をか
ける。

【００１９】上述の動作を繰り返すことにより、巻取装
置の巻取ボビン４の巻取りを伸線装置１よりの線２の送
出しに同調させ、ガイドプーリ１３、ダンサープーリ３
１、３２より線２が外れることなく伸線装置と巻取装置
は同調停止する。

【００２０】

【発明の効果】上記説明より明らかなように、本発明の
伸線及び巻取装置の速度制御方法より伸線装置と巻取装
置は同調停止することにより、伸線装置の上りキャプス
タン以降に設けられたガイドプーリ、ダンサープーリ、
トラバースプーリから線が外れることなく、また線が断
線することなく、伸線装置と巻取装置は同調停止する。
従って、伸線装置と巻取装置の間に線を通し直す作業が
なくなり、線の断線による歩留りの低下も起こらない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の伸線及び巻取装置の速度制御システム
の系統図である。

【符号の説明】

１ 伸線装置 ２ 線 ３ ダンサー装置 ３１ 上部ロール ３２ ダンサーロール ４ 巻取ボビン ５ ブレーキ用ディスク ６ ディスクブレーキ ７ ポンプ ８ 電磁バルブ ９ エアマスター １０ 電磁弁 １１ 圧力調整弁 １２ コントロールボックス １３ ガイドプーリ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】巻取装置の巻取ボビンの満巻により、伸線
   及び巻取装置を停止させる際の速度制御方法において、
   巻取装置に油圧制御によるディスクブレーキを設け、伸
   線装置と巻取装置の間にダンサー装置を設置し、ダンサ
   ー装置のダンサーロール位置及びその移動方向により前
   記油圧制御をもって巻取装置のディスクブレーキを制御
   し、伸線装置と巻取装置の同調停止を行うことを特徴と
   する伸線及び巻取装置の速度制御方法。