JPH07124634A - 押出加工用ダイス - Google Patents

押出加工用ダイス

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JPH07124634A
JPH07124634A JP29595993A JP29595993A JPH07124634A JP H07124634 A JPH07124634 A JP H07124634A JP 29595993 A JP29595993 A JP 29595993A JP 29595993 A JP29595993 A JP 29595993A JP H07124634 A JPH07124634 A JP H07124634A
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JP
Japan
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die
male die
hole
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JP29595993A
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Inventor
Koichi Igawa
高一 井川
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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  • Extrusion Of Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に高い精度で製造することができて経済
的であるとともに、押出圧力が従来のものよりも大幅に
低く、よって押出開始時の衝撃力等による撓みの発生や
割れ等が生ずることがなく、この結果製造時の高い寸法
精度を長期間にわたって保持することができて使用寿命
の長い押出加工用ダイスを得る。 【構成】 外観略方形の板状をなし、一端面32中央部
に突起部34が、またこの突起部の両側に位置する側面
35間に板状の嵌合部37が形成されたオスダイス31
と、本体42の一端面44中央部に突起部34との間で
素材を成形品形状に成形する型穴49が穿設された本体
より硬質材からなる入子43が配設され、かつ本体の入
子の両側部にオスダイスの嵌合部が嵌合する凹溝部51
が形成されたメスダイス41とを備えてなり、オスダイ
スとメスダイスとを一体化させた際に、オスダイスの両
側面35と流路の内壁面との間に型穴内に連通する素材
流路が形成されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば各種のアルミニ
ウム製熱交換器に用いられる偏平多穴チューブ等を押出
加工する際に用いて好適な押出加工用ダイスに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、各種の電気機器や自動車
等の機械部品を製造するに際しては、各種金属による押
出加工が用いられている。このうち、特にカーエアコン
用エバポレーター、コンデンサー、ラジエーター等の熱
交換器に用いられる各種のアルミニウム製熱交換用チュ
ーブを製造するにあたっては、素材であるアルミニウム
の融点が低いことから、上記押出加工が広く用いられて
いる。
【0003】このような押出加工は、例えば図5に示す
ように、先端部にダイス1を固定したコンテナ2の孔部
内に素材(ビレット)3を挿入し、このコンテナ2内の
ビレット3を加圧板(ステム)4によってダイス1に形
成された開口部5方向へ押圧して、上記開口部5内に形
成された一定の断面形状を有する隙間から上記素材を押
出すことにより、上記素材を隙間部によって画成された
一定の断面形状を有する部品に製造するものである。こ
の押出加工によれば、コンテナ2内に入れられたビレッ
ト3に圧縮力を作用させることにより、一段の変形で非
常に複雑な形状の製品を得ることができる。
【0004】図6は、このような押出加工によって成形
される、カーエアコン用エバポレーター、コンデンサ
ー、ラジエーター等のアルミ製熱交換器に用いられる偏
平多穴チューブ6の形状を示すものである。この押出偏
平多穴チューブ6の製造に好適な押出部材用ダイスとし
ては、従来より一体型ブリッジダイスおよびインサート
型ダイスが知られている。図7は、このうち一体型ブリ
ッジダイスの概略構造を示すものである。図7におい
て、このダイス7は、外観円柱状のもので、このダイス
7の複数箇所(図では4箇所)には、一端面から他端面
に向けて軸線方向に貫通する孔部8が穿設されている。
この孔部8は、ステムによって押出された素材を一定の
形状に成形加工する型穴を構成するものである。このよ
うな一体型ブリッジダイス7は、ダイス7に直接孔部8
が穿設されているため、例えば複数の孔部8が形成され
たダイス7の場合、このうちの一の孔部8が不良となっ
た場合でも、その不良の孔部8のみを交換することが不
可能である。このため、ダイス7そのものが不良となっ
て破棄せざるを得なくなり、きわめて不経済であるとい
う欠点がある。
【0005】そこで、上記一体型ブリッジダイスの問題
点を解決するものとして、上記インサート型ダイスが開
発された。図8〜図11に示すように、このダイス10
は、図6に示すアルミニウム製熱交換器に用いられる偏
平多穴チューブ6を押出加工するためのもので、ダイス
ホルダDに形成された貫通孔H…内に挿脱自在とされ
た、嵌合離脱自在な一対のメスダイス11とオスダイス
12とからなるものである。図9〜図11において、こ
のメスダイス11は、そのオスダイス12と対向する端
面の外周に、環状をなすメス側インロー部13が形成さ
れ、このインロー部13内の端面14に、平面形状が略
四葉状をなす凹部15が同心的に形成されている。そし
て、凹部15の中央部には、メスダイス11の中心軸線
に沿って一端から他端に向けて貫通する長楕円形状の孔
部16が穿設されている。この孔部16は、中心軸線に
沿って凹部15側に位置する押出用の型穴17と、この
型穴17に連通し、かつ開口幅が型穴17よりも広く形
成されてメスダイス11の他端面に開口する排出穴18
とからなるものである。また、上記端面14の上記凹部
15を囲む位置には、2つのねじ穴19と2つのピン穴
20とがそれぞれ軸線と対称位置に配設されている。
【0006】他方、オスダイス12は、メスダイス11
と対向する端面21の外周に、上記インロー部13と嵌
合するための段差状をなすオス側インロー部22が形成
されている。このオスダイス12の中央部には、複数の
突起片からなる櫛歯状の突起部23が端面21から突出
して形成されている。この突起部23は、メスダイス1
1の型穴17内に挿入されることによって上記型穴17
との間に製品形状となる間隙を画成するものである。そ
して、オスダイス12には、突起部23の両側面に沿う
ようにして、軸線方向に貫通してオスダイス12の両端
面に開口する貫通孔24、24が穿設されている。ま
た、これら貫通孔24、24の周囲には、上記メスダイ
ス11のねじ穴19およびピン穴20と協働して、両ダ
イス11、12の位置決めと回転防止を行なう、ねじ穴
25およびピン26が上記ねじ穴19とピン穴20とに
それぞれ対向して形成されている。
【0007】そして、これらオスダイス12およびメス
ダイス11は、突起部23を型穴17内に位置させて、
互いのインロー部13、22およびピン26をピン穴2
0にそれぞれ嵌合させることにより一体化され、ダイス
10が構成される。ここで、このダイス10には、オス
ダイス12の貫通孔24からメスダイス11の凹部15
を経て、型穴17と突起部23との隙間部に連通し、排
出部18に至る、押出加工のための素材流路が形成され
ている。
【0008】このようなダイス10によれば、ダイスホ
ルダDにおいて一のダイス10が不良となった場合は、
そのダイス10のみ、あるいはダイス10を構成するメ
スダイス11またはオスダイス12の一方のみを交換す
ればよいため、上記一体型ブリッジダイスに比べて経済
的であるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインサート型の押出加工用ダイスにあっては、以下
の様な各種の問題点があった。 (1)メスダイス11およびオスダイス12の形状が複
雑であるために、これらを加工するためには、マシニン
グ加工、熱処理、研磨、および放電加工やワイヤーカッ
ト等の種々の加工を必要とし、このため、特にフライス
盤、旋盤、マシニング機を用いた加工処理に多大の時間
を要するという問題があった。ちなみに、オスダイス1
2を製造するには、材料の加工開始から完成まで、段取
りを含めて約20の加工ステップ数が必要であり、その
加工に約10時間を要する。他方、メスダイスを製造す
る場合には、同様に約20の加工ステップ数が必要であ
り、約6時間を要する。加えて、耐摩耗性を高めるため
に、ダイス全体にチタンコーティング等の表面処理を施
す必要があり、以上の結果からダイス製造費の高騰化を
招来するという問題があった。
【0010】(2)また、これらメスダイス11とオス
ダイス12とを一体化させるためのピン26、ピン穴2
0、ネジ穴19およびインロー部13、22等を嵌合精
度良く加工することが難しく、しかも構造が複雑である
ために熱処理によって発生する歪を完全に修正すること
が困難である。加えて、ダイス全体に上述したチタンコ
ーティング等の処理を施すと、貫通孔24やピン穴20
等を有して構造が複雑であるために、均一にコーティン
グすることが難しく、特にピン穴20のコーティングが
不均一となってピン穴20の精度が低下してしまう。こ
のため、メスダイス11とオスダイス12との高い位置
決め精度を保持することが難しく、よって製品の高い寸
法精度を確保することが難しいという問題があった。
【0011】(3)さらに、オスダイス12の貫通孔2
4の断面積が小さいために、いきおい素材の押出圧力が
高くなり、この高い押出圧力によってダイス10の全体
が撓んでしまうために、上記(2)の問題点と相俟っ
て、オスダイス12とメスダイス11との嵌合精度が低
下して、結果的に製品の寸法精度が低下してしまうとい
う問題があった。しかも、上記撓みは、押出後も残存し
てしまうために、ダイスの再組立てが困難となり、オス
ダイス12およびメスダイス11の位置決め精度が低下
してしまうとともに、さらに、オスダイス12とメスダ
イス11とのいずれか一方が不良となった場合に、不良
となった方を新品に交換しても、他方に上記撓みが依然
として残っているため、精度良く嵌合させるのは困難に
なってしまい、結局ダイスの使用寿命が短いという問題
もあった。
【0012】(4)加えて、長期間にわたって使用する
と、オスダイス12の突起部23やメスダイス11の型
穴17が摩耗して早期に製品の寸法精度が低下したり、
製品の表面に凹凸が生じたりしてしまうことから、これ
らの材質としては、熱間工具鋼やハイスピード鋼、超硬
合金などを用いることが好ましい。しかしながら、上記
オスダイス12およびメスダイス11は、比較的寸法が
大きく、かつその構造が複雑であるため、これらオスダ
イス12およびメスダイス11の全体を上述したような
硬度の高い材料で形成すると、これらの材料は脆いため
に、上記押出圧力が高いことと併せて、割れが生じ易く
なってしまうという問題があった。
【0013】本発明は、上記各種の課題を解決すべくな
されたもので、容易に高い精度で製造することができて
経済的であるとともに、押出圧力が従来のものよりも大
幅に低く、よって押出開始時の衝撃力等による撓みの発
生や、割れ、摩耗等が生ずることがなく、この結果、製
造時の高い寸法精度を長期間にわたって保持することが
できて使用寿命の長い押出加工用ダイスを提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の押出加工用ダイ
スは、外観略方形の板状をなし、一端面中央部に突起部
が形成されるとともに、この突起部の両側に位置する側
面間に板状の嵌合部が形成されたオスダイスと、本体お
よびこの本体より硬質材からなる入子を有し、本体の一
端面中央部に上記突起部が挿入されて該突起部との間で
素材を成形品形状に成形する型穴が穿設された上記入子
が配設され、かつ本体の入子の両側部にオスダイスの嵌
合部が嵌合する凹溝部が形成されたメスダイスとを備え
てなり、オスダイスの突起部をメスダイスの型穴内に位
置させ、オスダイスの嵌合部をメスダイスの凹溝部に嵌
合させることにより一体化されて、素材の流入路内に挿
入されることにより、オスダイスの両側面と流路の内壁
面との間に型穴内に連通する素材流路が形成されるよう
にしたものである。
【0015】ここで、上記オスダイスの側面には、上記
突起部側に向けて漸次板厚が薄くなる流れ込み部が形成
されていることが好ましい。また、上記メスダイスの本
体には、一端部が型穴に連通し、かつ他端部が本体の他
端面に開口することにより成形品が排出される第1の孔
部と、この第1の孔部と交差する方向に穿設され、一端
部が上記入子の底面に開口し、かつ他端部が上記本体の
他端面に開口する第2の孔部とが形成されていることが
好ましい。さらに、上記オスダイスおよび上記入子とし
て、ハイスピード鋼または超硬合金を用いれば好適であ
る。
【0016】
【作用】本発明に係る押出加工用ダイスによれば、特に
オスダイスの形状が方形の板状をなしているため構造が
単純で加工が容易であり、しかも熱処理による歪みを修
正することが容易であるため、よってこれを安価にかつ
極めて高い寸法精度で加工することができる。加えて、
耐摩耗性を高めるためには、上記オスダイスとメスダイ
スの入子のみにチタンコーティング等の処理を施せば充
分であるために、この点においても、従来のものと比べ
て安価に製造することが可能となる。
【0017】また、上記オスダイスを精度良く加工する
ことができる結果、メスダイスとオスダイスとの高い位
置決め精度を保持することができるため、結局製品にお
いて高い寸法精度を得ることができる。しかも、オスダ
イスの両側面と流路の内壁面との間に断面積の大きな素
材流路が形成されるため、素材の押出圧力が低く、よっ
てダイス全体の撓みが極めて小さいために、オスダイス
の加工精度が良いこととの相乗効果により、長期にわた
ってオスダイスとメスダイスとを高い精度で嵌合させる
ことができ、この結果高い寸法精度の製品を持続的に製
造することができる。
【0018】さらに、押出により高い摩擦力が作用する
上記オスダイスおよび入子のみを、熱間工具鋼やハイス
ピード鋼、超硬合金などによって成形することにより、
製品の形状に直接影響を及ぼすオスダイスの突起部およ
び入子の型穴の摩耗を低減化させることが可能となるた
め、使用寿命を延すことができて経済的であるととも
に、この観点からも長期間にわたって押出加工された製
品における高い精度を保持することができる。この際
に、オスダイスおよび入子は、形状寸法が従来のものよ
り小さく、かつこれらに作用する押出圧力が小さいため
に、上記オスダイスおよび入子に割れ等が生じるおそれ
がない。
【0019】また、上記オスダイスの側面に、上記流れ
込み部を形成すれば、押出圧力を一層低減化させること
ができ、さらに、上記メスダイスの本体に、互いに交差
する上記第1の孔部と第2の孔部とを形成すれば、点検
時等にメスダイスの他端面からこれらの孔部内に突出用
治具を挿入して入子を突き出すことにより、メスダイス
から入子を容易に取外すことが可能となる。
【0020】
【実施例】図1〜図4は、本発明の押出加工用ダイス
を、図6に示すアルミニウム製熱交換器用の偏平多穴チ
ューブ6を押出加工するものに適用した一実施例を示す
ものである。図1〜図4において、この押出加工用ダイ
ス(以下、ダイスと略称する。)30は、外観略長方形
の板状をなすオスダイス31と、外観略円柱状をなすメ
スダイス41とからなるものである。
【0021】図1に示すように、所定の板厚を有する板
状の上記オスダイス31は、ハイスピード鋼(SKH−
51)からなるもので、その一端面32の中央部には、
これから突出する段部33が形成されている。そして、
この段部33の中央部には、これからさらに櫛歯状に突
出する突起部34が形成されている。また、上記オスダ
イス31の上記端面32を挟む両側面35には、それぞ
れ上記突起部34側に向けて漸次板厚が薄くなる流れ込
み部36が形成されている。そして、この流れ込み部3
6の両側に位置する側面35間が、均一な板厚を有する
板状の嵌合部37、37とされている。
【0022】他方、図1〜図4に示すように、上記メス
ダイス41は、ダイス鋼(SKD−62)からなる本体
42と、この本体42より硬質材であるハイスピード鋼
からなる入子43とによって構成されたものである。上
記本体42は、外観略円柱状の部材で、上記オスダイス
31と対向する端面44には、所定の幅寸法で径方向に
貫通する溝部45が形成されている。この溝部45の底
面46の中央部には、長方形状をなす凹部47が形成さ
れており、この凹部47内に、上記入子43が嵌合され
ている。
【0023】この入子43は、上記凹部47内に嵌合し
てその上面が溝部45の底面46と面一をなす長方形の
板状に形成されたもので、その中央部には、溝部45の
延在方向と直交する方向に延びる貫通孔48が穿設され
ている。この貫通孔48は、入子の上面側に位置して、
上記突起部34が挿入され、該突起部34との間で素材
を偏平多穴チューブに成形する長楕円形状の型穴49
と、この型穴49に連通し、かつ開口幅が型穴49より
も広く形成されて入子43の下面に開口する排出穴50
とからなるものである。そして、この入子43は、木ハ
ンマ等による叩き込みにより、上記凹部47内に嵌合・
固定されている。
【0024】また、本体42の溝部45の両側に位置す
る端面44には、それぞれ上記溝部45より底浅で、か
つ溝部45と直交する方向に延びる凹溝部51、51が
その中心線を、型穴49の中心線と一致させて形成され
ている。他方、本体42の他端面52には、一端部が上
記貫通孔48に連通し、かつ他端部が該他端面52に開
口することにより成形品が排出される第1の孔部53
と、この第1の孔部53と直交する方向に穿設され、一
端部が凹部47の底面に開口し、かつ他端部が他端面5
2に開口する第2の孔部54とが形成されている。
【0025】そして、このダイス30は、オスダイス3
1の突起部34をメスダイス41の型穴49内に位置さ
せ、上記オスダイス31の嵌合部37をメスダイス41
の凹溝部51に嵌合させるとともに、さらにオスダイス
31の段部33をメスダイス41の溝部45間に嵌合さ
せて一体化されることにより構成されている。以上の構
成からなるダイス30は、前述したダイスホルダの素材
の流入路とされる貫通孔内に挿入されて、偏平多穴チュ
ーブ6の押出加工に使用される。この際に、上記オスダ
イス31の上記両側面35、35と上記ダイスホルダの
貫通孔の内壁面との間には、上記突起部34と型穴49
との間隙に連通する素材流路が形成されている。また、
押出加工時にオスダイス31に作用する押出圧力に対し
て、上記嵌合部37と凹溝部51との嵌合により、オス
ダイス31の回転方向および型穴49と直交する方向へ
の移動が阻止され、段部33と溝部45との嵌合により
上記オスダイス31の型穴49に沿う方向への移動が阻
止される。
【0026】このようなダイス30によれば、オスダイ
ス31の形状が長方形の板状をなしており、貫通孔等が
形成されていないために構造が単純であり、機械加工が
容易であるとともに熱処理による歪みの修正が簡単にで
きるため、よってこれを安価にかつ極めて高い精度で製
作することができる。加えて、耐摩耗性を高めるために
は、上記オスダイス31とメスダイス41の入子43の
みにチタンコーティング等の処理を施せば充分であるた
め、従来のものより一層安価に製造することが可能とな
る。
【0027】また、上記オスダイス31のみならずこれ
が嵌合する凹溝部51をも精度良く加工することができ
るため、オスダイス31とメスダイス41とを高い位置
決め精度で一体化することができる。しかも、オスダイ
ス31の両側面35と流路の内壁面との間に断面積の大
きな素材流路が形成されるため、素材の押出圧力が低
く、よってダイス30全体の撓みが極めて小さいため
に、これらの相乗効果により、長期にわたってオスダイ
ス31とメスダイス41とを高い寸法精度で嵌合させる
ことができ、よって高い寸法精度の製品を長期にわたっ
て製造することができる。
【0028】さらに、押出により高い摩擦力が作用する
上記オスダイス31および入子43のみに、ハイスピー
ド鋼を用いているので、製品の形状に直接影響を及ぼす
オスダイス31の突起部34や入子43の型穴49の摩
耗を低減化させることができ、よってダイス30の使用
寿命を延すことかできて経済的であるとともに、この観
点からも長期間にわたって押出加工された製品における
高い寸法精度を保持することができる。この際に、入子
43は凹部47内に嵌合されており、しかもオスダイス
31は、形状寸法が従来のものより小さく、かつこれら
に作用する押出圧力が小さいために、上記オスダイス3
1や入子43に割れ等を生じるおそれがない。
【0029】また、上記オスダイス31の側面35に、
流れ込み部36を形成しているので、押出圧力を一層低
減化させることができる。さらに、上記メスダイス41
の本体に、互いに交差する上記第1の孔部53と第2の
孔部54とを形成しているので、図4に示すように、点
検時等にメスダイス41の端面52側からこれらの孔部
53、54内に突出用治具55を挿入して入子43の底
面を押圧することにより、メスダイス41の凹部47内
から入子43を容易に取外すことが可能となる。
【0030】なお、上記実施例の説明においては、ダイ
ス30を素材の流入路としてダイスホルダの貫通孔内に
挿入した場合について説明したが、これに限るものでは
なく、例えば直接素材圧入用のプレス機内に組込むこと
により、オスダイス31の上記両側面と上記プレス機の
内壁面との間に、型穴内に連通する素材流路を形成する
ようにしても同様の作用効果を得ることができる。ま
た、上記実施例では、本発明を偏平多穴チューブを押出
加工するダイス30に適用した例について説明したが、
他の各種電気機器や自動車部品等の押出加工に用いられ
るダイスにも、同様に適用可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の押出加工
用ダイスは、外観略方形の板状をなし、一端面中央部に
突起部が形成されるとともに、この突起部の両側に位置
する側面間に板状の嵌合部が形成されたオスダイスと、
本体およびこの本体より硬質材からなる入子を有し、本
体の一端面中央部に上記突起部が挿入されて該突起部と
の間で素材を成形品形状に成形する型穴が穿設された上
記入子が配設され、かつ本体の入子の両側部にオスダイ
スの嵌合部が嵌合する凹溝部が形成されたメスダイスと
を備えてなり、オスダイスの突起部をメスダイスの型穴
内に位置させ、オスダイスの嵌合部をメスダイスの凹溝
部に嵌合させることにより一体化されて、素材の流入路
内に挿入されることにより、オスダイスの両側面と流路
の内壁面との間に型穴内に連通する素材流路が形成され
るようにしたので、容易に高い精度で製造することがで
き、経済的であるとともに、押出圧力が従来のものより
も大幅に低く、よって押出開始時の衝撃力等による撓み
の発生や、割れ、摩耗等が生ずることがないために、特
にオスダイスと入子とをハイスピード鋼や超硬合金等で
成形すれば、長期間にわたって製造時の高い組立寸法精
度を保持することができる。この結果、ダイスの使用寿
命が長く、よって高い寸法精度の製品を長期にわたって
安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイスの一実施例を示す分解斜視図で
ある。
【図2】図1のII−II線視断面図である。
【図3】図1のIII−III線視断面図である。
【図4】図1の底面図および突出用治具を示す斜視図で
ある。
【図5】従来の押出加工機を示す概略断面図である。
【図6】押出加工によって成形される偏平多穴チューブ
を示す端部の斜視図である。
【図7】従来の押出加工用ダイスを示す斜視図である。
【図8】従来の他の押出加工用ダイスの使用状態を示す
斜視図である。
【図9】図8のダイスを示す分解斜視図である。
【図10】図9のX−X線視断面図である。
【図11】図9のXI−XI線視断面図である。
【符号の説明】
6 偏平多穴チューブ 30 ダイス(押出加工用ダイス) 31 オスダイス 32 端面 34 突起部 35 側面 36 流れ込み部 37 嵌合部 41 メスダイス 42 本体 43 入子 44、52 端面 49 型穴 51 凹溝部 53 第1の孔部 54 第2の孔部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外観略方形の板状をなし、一端面中央部
    に突起部が形成されるとともに、上記突起部の両側に位
    置する側面間に板状の嵌合部が形成されたオスダイス
    と、 本体およびこの本体より硬質材からなる入子を有し、上
    記本体の一端面中央部に、上記突起部が挿入されて該突
    起部との間で素材を成形品形状に成形する型穴が穿設さ
    れた上記入子が配設され、かつ上記本体の上記入子の両
    側部に、上記オスダイスの嵌合部が嵌合する凹溝部が形
    成されたメスダイスとを備えてなり、 上記オスダイスの突起部を上記メスダイスの型穴内に位
    置させ、上記オスダイスの嵌合部を上記メスダイスの凹
    溝部に嵌合させることにより一体化されて、上記素材の
    流入路内に挿入されることにより、上記オスダイスの上
    記両側面と上記流路の内壁面との間に、上記型穴内に連
    通する素材流路が形成されるようにしたことを特徴とす
    る押出加工用ダイス。
  2. 【請求項2】 上記オスダイスの上記側面には、上記突
    起部側に向けて漸次板厚が薄くなる流れ込み部が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の押出加工用
    ダイス。
  3. 【請求項3】 上記メスダイスの本体には、一端部が上
    記型穴に連通し、かつ他端部が上記本体の他端面に開口
    することにより成形品が排出される第1の孔部と、この
    第1の孔部と交差する方向に穿設され、一端部が上記入
    子の底面に開口し、かつ他端部が上記本体の他端面に開
    口する第2の孔部とが形成されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の押出加工用ダイス。
  4. 【請求項4】 上記オスダイスおよび上記入子は、ハイ
    スピード鋼または超硬合金からなることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の押出加工用ダイス。
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