JPH07123505A - アクティブ制御付集電装置 - Google Patents

アクティブ制御付集電装置

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JPH07123505A
JPH07123505A JP5266892A JP26689293A JPH07123505A JP H07123505 A JPH07123505 A JP H07123505A JP 5266892 A JP5266892 A JP 5266892A JP 26689293 A JP26689293 A JP 26689293A JP H07123505 A JPH07123505 A JP H07123505A
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JP
Japan
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force
signal
current collector
contact force
control
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Application number
JP5266892A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Makino
俊昭 牧野
Katsuyuki Terada
勝之 寺田
Michio Sehata
美智夫 瀬畑
Morishige Hattori
守成 服部
Satoshi Yasui
敏 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、電車の高速走行により生じる
架線からの外力や変動揚力を抑制して、架線と集電部材
間に生じる接触力変動を低減することで、離線率を低減
し、集電性能を向上させるアクティブ制御付集電装置を
提供することにある。 【構成】集電装置10に設けられる力検出器7の検出結
果及び車上コントローラ5からの走行状態情報により状
態推定した接触力推定信号f^を接触力オブザーバ部2
3にて算出し、前記車上コントローラ5からの走行状態
情報により目標値指令部22で接触力目標値信号f*o
ptを求め、前記接触力オブザーバ部23により出力さ
れる外乱抑圧力推定信号fa^と接触力推定信号f^を
減算した力偏差量信号efを制御補償部21で算出した
後、該偏差量信号efに応じて前記集電装置10の押上
力を集電駆動機構6で制御するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速電車用集電システム
に係り、特に300km/h以上の速度で高速走行する
編成した電車システムに用いる低騒音化、低揚力化に好
適なアクティブ制御付集電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、新幹線等の高速電車の走行速度の
向上(270から300km/h〜350km/h)に
伴い、環境騒音基準値(目標値)を厳守すべく車外騒音
値の大幅な低減が要望されている。特に、編成した高速
電車の屋根上に設置された複数個の集電装置から発生す
る空力音が大きく、防音壁等による対策では目標値を満
足しない傾向にある。そこで、集電装置の周りに遮音壁
を設置し、集電装置に当たる空気流の流速を低下させる
と共に、流れの剥離を生じさせないような遮音カバ−を
設置している。
【0003】また、該カバ−等では限界が生じるとし
て、カバ−を用いない低空力、低騒音化集電装置の提案
がなされている。その低空力、低騒音化集電装置は集電
部材(舟体、支持体等)を昇降用空気シリンダ、又は昇
降用油圧シリンダにより架線に一定力で押し上げて、接
触集電させている。このような装置として、特公平2−
50681号公報、日経メカトロニクス 1992.
5.4号 第22頁から第40頁及び、日本機械学会
(No.920−77)講習会教材(1992年)第2
7頁から第34頁に記載されている。また、制御式集電
装置として、特開昭57−85502号、特開昭63−
21402号、特開平3−93402号公報に開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、高
速電車が300km/h以上の速度で高速走行すると、
離線が増えると共に、集電部材から生じる空力騒音も大
きくなり、環境基準値75dBを上回ることになる。こ
のため、騒音周波数の低下による聴感上の低騒音化と翼
形状を用いた大径寸法の集電部材を採用する必要が生じ
た。しかし、このような新形集電装置を用いると、架線
凹凸に伴う接触力が著しく大きくなると共に、集電部材
に作用する変動揚力が増大する傾向にあり、益々離線す
る頻度が増えて、高速電車用集電システムの集電性能が
悪化する問題点が生じてくる。例えば走行速度(v)に
より生じる架線の外力m1・z´´(m1は集電部材の質
量,z´´は架線の上下加速度(d2z/dt2)である。
ここで、記号「´」はd/dtの微分項を示すものであ
り、以下同様に記述する。)に対する接触力fの周波数
応答特性は、図12に示す集電装置の制御システムを用
いた応答計算(日本機械学会論文集C編54巻504
号,「接触力制御機構を有する集電装置」文献Aとす
る)によると、図13に示すような2つの共振ピ−クを
有する特性になる。図12では、目標値指令部22から
の指令信号と接触力推定部26からの検出信号の偏差信
号を減算器24、定常偏差補償部25に入力し、集電駆
動機構6を介して集電装置10を動作させている。この
時、外乱29が集電装置10に加わるため、図13(P
ゲイン,P位相)に示すように、図1の架線1と常時接
触して電力を集電している複数の集電装置10の集電部
材11は図中の点線で示したような大きな共振ピ−ク特
性により、架線1からの外力m1・z´´を受けて、大
きく振動する。この大きな振動が接触集電性能を低下さ
せる。よつて、この振動を低減するように集電駆動機構
6を上下動作させる押上力制御を行なう必要がある。ま
た、集電部材11に作用する接触力fは式(数1)で表
わされ、間接的に求められる。
【0005】
【数1】 f=fx−m11´´−m33´´−fq =ayw´´+byw´ ・・・・・・・(数1) ここで、ywは架線1と集電部材11の変位偏差(y1-
z,z=z1-z2)である。また、aは架線1の等価質量、
bは架線1の等価減衰係数である。
【0006】図1に示した集電装置10の接触力fは、
集電部材11と集電駆動機構12の間に設けられた力検
出器7で検出した変動力信号fxから、振動する集電部
材11の慣性力m11´´,m33´´並びに駆動支持
部材12等に加わる変動揚力fqをそれぞれ差し引いた
力である。 又、接触力fは、集電部材11の変位y1
から架線1の変位zを差し引いた値ywを用いると、yw
´´とyw´の線形結合和で表わされる。 しかし、式
(数1)により算出した接触力fを直接測定してフィ−
ドバックし、接触力目標値f*との力偏差量に基づいて
押上力制御しても、図13に示したごとく、Fゲイン特
性,F位相特性のように若干低減されるが、架線外力m
1z´´や変動揚力fqに基因した共振特性を除去する
ことができない。この場合(文献Aの図6参照)、接触
力推定部26のフィ−ドバックゲインを大きくしている
ので、大きな押上力u(例えば、u=100f^)を必
要とし、押上力uに対する接触力fのゲイン特性が悪化
する。さらに、集電システム全体を考慮した場合、編成
した高速電車2上に搭載される先頭部の集電装置10と
複数の後位部の集電装置10では、それぞれに作用する
外力m1・z´´や変動揚力fqも異なるため、従来の
接触力目標値一定制御では架線1と集電部材11間に作
用する接触力fの変動を抑制することができず、離線率
を大幅に低減することができない。また、接触力fを直
接フィ−ドバック制御した従来方式の場合でも、外乱共
振特性(共振ピ−ク特性)を抑制することができないの
で、接触力fの変動を低減することができない等の問題
点が残されている。
【0007】本発明の目的は、編成した高速電車が高速
走行することにより生じる架線からの外力,変動揚力等
の外乱を抑制して、架線と集電部材間に生じる接触力変
動を低減することで、離線率を低減し、集電性能を向上
させるアクティブ制御付集電装置を提供することにあ
る。
【0008】本発明の他の目的は、同じ走行路線を走行
している複数の高速電車を運行管理する全体システムに
おける集電性能を向上させるアクティブ制御付集電装置
を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、違う走行路線を違う
走行速度で走行しても十分に集電性能がでるようにする
アクティブ制御付集電装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、可動支持機構に力作用検出器を取付け、該
検出器の出力信号を入力し、集電機構に作用する接触力
の力偏位量(f)と力変動量(fa)を状態推定し、それら
の値から制御量(r)を演算し、該制御量を前記駆動機構
に出力する前記制御装置を備える。
【0011】更に、本発明では、上記力作用検出器は集
電機構と可動支持機構との間に配置して、該集電機構に
作用する上下方向の力を少なくとも一つ以上の力検出器
により検出する構成とした。
【0012】更に、本発明では、上記力作用検出器は可
動支持機構に作用する加速度を検出する一つ以上の加速
度計と、該可動支持機構に作用する揚力を検出する揚力
検出器と、該駆動機構に作用する上下方向に作用する力
を検出する力検出器とから構成され、それぞれの検出信
号の線形結合和により算出される構成とした。
【0013】更に、本発明では、上記集電機構に作用す
る接触力の力偏位量(f)と力変動量(fa)は該力作用検
出器の出力信号と、該駆動機構の制御信号とを入力し、
推定出力する最小次元オブザ−バ手法により特性根を架
線外力と揚力の外乱の固有振動数で、高い減衰特性を有
するようにして算出されるものとした。
【0014】更に、本発明では、上記制御装置は、予め
設定した接触力の目標値信号から力偏位量(f)信号を減
算した力偏差量信号をフィ−ドバックして制御すると共
に、力変動量(fa)をさらに減算してフィ−ドフォワ−
ド制御した併合制御するものとした。
【0015】更に、本発明では、集電装置の走行位置と
走行速度を検出する手段と、可動支持機構に作用する変
動力とを検出する力作用検出器から成り、該走行位置と
該走行速度の検出信号の組合せにより算出される該接触
力の目標値信号を可変設定すると共に、該目標値信号と
該変動力検出信号から推定した接触力信号との力偏差量
信号を算出する状態推定手段と、該偏差量信号に応じて
駆動機構を調整する制御手段とを備える。
【0016】更に、本発明では、上記走行位置の検出手
段は複数台の高速車両を運行制御する列車運行管制装置
から車上制御装置に送受信される位置情報と、該車上制
御装置自身で検出した位置信号とを比較して、一致した
場合に走行位置信号として入力するものとした。
【0017】更に、本発明では、上記走行速度の検出手
段は複数台の高速車両を運行制御する列車運行管制装置
から車上制御装置に送受信する速度情報と、該車上制御
装置で検出した速度信号とを比較して、一致した場合に
走行速度信号としてを入力するとした。
【0018】更に、本発明では、上記走行速度の検出手
段は前記集電部材に作用する走行方向の風速を検出する
圧力センサと、該センサの検出信号を予め設定した圧力
−速度テ−ブルに変換した信号により算出するものとし
た。
【0019】更に、本発明では、上記接触力目標値信号
の算出手段は該走行位置信号により設定される位置変化
分の接触力目標値と、該走行速度信号により設定される
速度変化分の接触力目標値との線形結合和から算出する
ものとした。
【0020】更に、本発明では、上記検出手段と、前記
状態推定手段と、前記制御手段を含む制御装置と車上制
御装置を接続し、高速電車を運行管理する列車運行管制
装置からの走行情報を入力して動作するものとした。
【0021】更に、本発明では、上記集電機構を支持す
る可動支持機構の変位を検出する変位検出器と、該可動
支持機構に作用する変動力を検出する力作用検出器と、
車体屋根上に設けられて架線の上下変位を検出する一つ
以上の超音波検出器と、それらの検出器からの検出信号
より状態推定した接触力推定信号(f,fa)を算出す
る状態推定手段と、接触力目標値信号f*から該推定手
段により出力される該接触力推定信号(f,fa)を減
算した力偏差量信号を算出し、該偏差量信号に応じて該
駆動機構の制御力を調整する制御装置を備えるものとし
た。
【0022】
【作用】高速電車が300km/h以上の速度で高速走
行することにより、架線と複数のアクティブ制御付集電
装置間に作用する外力m1z´´(主に、10〜20H
z)や変動揚力fq(主に、1〜2Hz)は著しく大き
くなる。このため、架線とアクティブ制御付集電装置間
に作用する接触力fは大きく変動する。この接触力fの
変動が架線と集電部材間での常時集電を妨げる。そこ
で、アクティブ制御付集電装置を用いた場合では、対地
側(0V電位)で、可動支持機構と駆動機構間に配置した
力検出器で検出した変動力の検出信号fxと、集電駆動
機構を動作させる押上力uの制御信号efとを集電コン
トロ−ラ内の接触力オブザ−バ部に入力して、外乱抑圧
力信号fa^、接触力推定信号f^を逐次推定出力す
る。そして、目標値指令部で予め可変設定された接触力
目標値f*との力偏差量信号〔=k2(f*−f^)−f
a^〕を算出し、その力偏差量信号に対応した押上力u
の制御信号efで集電駆動機構を上下動作させる。これ
により、架線外力m1z´´や変動揚力fqに基因した
外乱(2つの共振特性)を抑制するような上下方向の押
上力uを作用させて、集電部材が架線に常時接触するよ
うにしている。このことは外乱が作用し接触力fが大き
く変動しても、集電部材が架線から離線しないように接
触力fの変動を小さい値に制御していることを示す。接
触力推定信号f^は、接触力fの振幅比を周波数の全領
域に渡り、低減するものである。また、外乱抑圧力信号
fa^は、接触力fの振幅比を共振または、加振周波数
域に低減するものである。
【0023】さらに、アクティブ制御付集電装置の走行
位置の情報信号及び検出信号と、走行速度の情報信号が
検出信号との組合せにより、接触力目標値f*を最適に
可変設定した接触力目標値f*optを算出して、上記
した最適力偏差量信号(=k2(f*opt−f^)−
fa^)を算出した後、その最適力偏差量信号に対応し
た押上力uの最適制御信号efoptで集電駆動機構を
動作させることにより、走行路線(架線設備,トンネル
等)や走行速度(力行,惰行等)の違いによる架線外力
1z´´の共振周波数域での振動振幅を小さくすると
共に、固有振動周期で発生する揚力fqの変動をさらに
低減している。これにより、偏成した高速電車システム
に搭載される複数個のアクティブ制御付集電装置は架線
と集電部材間での離線率を低減させ、全体の集電性能を
向上させることを可能にする。
【0024】
【実施例】以下、本実施例を図面を参照して説明する。
図2は、列車運行管制装置により複数の編成した高速電
車がレ−ル軌道上を走行する時の集電制御システムを示
している。複数の高速電車2がレ−ル軌道3上を編成し
て高速走行し、走行するための電力を架線1より複数の
集電装置10a,10bを介して、接触集電して得てい
る。列車運行管制装置30は編成した高速電車2のシス
テム運行を安全に行なうために、車上コントロ−ラ5と
送受信して走行情報(走行路線,走行位置,走行速度
等)を更新し、運行情報(運転速度パタ−ン,トンネ
ル,気象条件等)を車上コントロ−ラ5に与えている。
これにより、高速電車2の屋根上に搭載された複数の集
電装置10a,10bをアクティブ制御する集電コント
ロ−ラ20a,20bは、車上コントロ−ラ5を介して
その運行情報を入手する。集電コントロ−ラ20a,2
0bはその運行情報により、架線1からの電力を効率良
く得るために後述するアクティブ制御等を実施してい
る。
【0025】図1は、架線1,高速電車2,速度検出器
4,車上コントロ−ラ5,集電駆動機構6,力検出器
7,集電装置10,集電部材11,駆動支持部材12,
集電コントロ−ラ20,制御補償部21,目標値指令部
22,接触力オブザ−バ部23の機能配置関係を示して
いる。集電装置10は架線1に常時接触集電するのに必
要な集電部材11と、集電部材11を支える固いバネ機
構a13と、そのバネ機構a13に並列に設けられたダ
ンパ機構a14と、バネ機構a13とダンパ機構a14
を上下方向に動作させて支持する駆動支持部材12と、
駆動支持部材12を支持する高速電車2上の柔らかいバ
ネ機構b15と、そのバネ機構b15に並列に設けられ
たダンパ機構b16を介して、取り付けられて構成され
ている。集電駆動機構6は集電コントロ−ラ20からの
力偏差量の制御信号efにより駆動支持部材12に押上
力uを作用させて、押上げ動作を行なうものである。集
電コントロ−ラ20は、対地側(0V電位)で、集電部材
11に取り付けられた力検出器7で検出した出力信号を
アンプ回路8により増幅した変動力信号fxを入力する
と共に、集電駆動機構6への該制御信号efを同時に入
力した後、接触力推定信号f^を推定出力する接触力オ
ブザ−バ部23と、車上コントロ−ラ5からの走行情報
により、走行位置の情報信号と、走行速度の検出信号と
の組合せにより、接触力目標値f*を最適に可変設定す
る接触力目標値f*optを算出する目標値指令部22
と、目標値指令部22で設定された接触力目標値f*o
ptと接触力オブザ−バ部23で推定出力された接触力
推定信号f^や外乱抑圧力推定信号fa^の差を求め
て、該制御信号ef〔=k2(f*opt−f^)−fa
^〕を算出する制御補償部21から構成されている。力
検出器7は集電部材11と駆動支持部材12間に取り付
けられて、作用する変動力信号fxを検出するものであ
る。ここで、揚力9は集電部材11と、駆動支持部材1
2の集電装置10全体に加わり、高速電車2が図面上左
右方向に動く場合に発生する平均揚力と変動揚力の合計
力fqから成る。また、集電装置10は、集電部材11
の質量m1、駆動支持部材12の質量m3、バネ機構a1
3のばね定数k1、ダンパ機構a14の減衰定数c1、バ
ネ機構b15のばね定数k3、ダンパ機構b16の減衰
定数c3から成り、架線1の外力m1z´´と揚力fqを
受け、それにより変動する接触力fを低減するために、
アンプ回路8を介して得られる力検出器7の変動力信号
fxを検出し、集電駆動機構6からの押上力uを作用さ
せている。
【0026】図3は、図1に示した集電装置,集電コン
トロ−ラ,集電駆動機構を組み込んだアクティブ制御付
集電装置の機器構成図である。集電部材11a,11b
は二つ設けられ、図面の左右方向に対して揺動しても、
常時架線1に接触するように二点支持されている。集電
コントロ−ラ20は高速電車2の屋根上のカバ−の中に
設置されている。集電駆動機構6は集電コントロ−ラ2
0からの該制御信号efにより動作する空圧シリンダか
らなり、該シリンダの先端に取り付けたリンク機構19
を上下方向に動作させている。可動電極支持柱18は駆
動支持部材12、整風カバ−17等と結合され、案内軸
受51を介して上下動作するように構成されている。ま
た、集電装置10の下部構造では架線1から25,00
0Vの高電圧で、かつ200Aの高電流の電力を集電す
るために、リンク機構19と、駆動支持機構12間に電
気絶縁部材54が取り付けられている。駆動支持部材1
2と集電部材11間に作用する変動力を検出するため
に、力検出器7が絶縁部材52、53間にサンドイッチ
構成で取り付けられている。駆動支持部材12、リンク
機構19では、図番号を取っていないが、下台座,上台
座,碍子等で囲まれ、この空間にドライエアー等を常時
供給することにより、高電位を有する部材とリンク機構
19等との電気絶縁を図っている。
【0027】図4は、図3に示したアクティブ制御付集
電装置の制御ブロック線図を示す。目標値指令部22は
集電性能評価部41と、走行情報部42と、環境情報部
43との出力信号等を加え合わせる加算器24とから構
成され、接触力目標値f*を最適に可変設定して、最適
接触力目標値f*optを算出する。走行情報部42は
車上コントロ−ラ5を介して得られる列車運行管制装置
30からの運行指令(例えば、走行路線、走行速度等)
を入力し、最適接触力目標値の走行位置による位置変化
分f*posや最適接触力目標値の走行速度による速度
変化分f*velを算出する。環境情報部43は同様
に、環境指令(例えば、天候、時刻等)による接触力目
標値f*cを調節する。最適接触力目標値f*optは
fc*とf*posとf*velの線形結合和となる。
ここで、集電性能評価部41は集電装置10を介して架
線1の電力を集電する電流値を検出し、最適接触力目標
値f*optを設定して、アクティブ制御した時のf*
opt、離線率等を累積記憶する機能を有する。
【0028】制御補償部21は加算器24、定常偏差補
償部25(定常補償ゲインk2)等からなり、目標値指
令部22で設定された最適接触力目標値f*optと、
接触力オブザ−バ部23で推定出力された接触力推定信
号f^と、外乱抑圧力推定信号fa^との差を求めて算
出した該制御信号ef〔=k2(f*opt−f^)−f
a^〕を集電駆動機構6に入力する。
【0029】接触力オブザ−バ部23は接触力推定部2
6,外乱補償ゲイン部27,状態量推定部28から構成
されている。外乱補償ゲイン部27は外乱抑圧力推定信
号fa^を算出するために、外乱29等を含んだ状態量
推定部28の出力信号(y1,y1´,y3,y3´,z,
z´,z´´,z´´´)に次のような重み関数の外乱
補償ゲインk1(a1〜a8)を掛けて設定する。 a1=268,500,a2=−268,500,a3=−
28,650,a4=−1,212,a5=0,a6=29,
850,a7=45,a8=0 接触力推定部26は外乱29を含む状態量推定部28の
出力信号(y1,y1´,y3,y3´,z,z´,z´
´,z´´´)から接触力推定信号f^(式(数2))
を算出する。ここで、aは架線1の等価質量、bは架線
1の等価減衰係数である。
【0030】
【数2】 f^=〔ak11/(m1+a)+ak13/(m1+a) +(bm11´−ac11´)/(m1+a) +ac13/(m1+a)−bm1z´/(m1+a) −am1z´´/(m1+a)〕 ・・・・・・・・・・(数2) 状態量推定部28は力検出器7で検出した変動力信号f
xと、押上力uに相当する該制御信号efとを入力し、
最小次元オブザ−バ手法により状態推定して、集電部材
11、駆動支持部材12、架線1等の上下変位、上下速
度等の8つの状態量y1,y1´,y3,y3´,z,z
´,z´´,z´´´を出力する。最小次元オブザ−バ
手法(Gopinathの手法)による状態量算出に関
しては「オブザ−バ」コロナ社(1988年)の第21
頁〜第32頁に記載されている。ここで、状態方程式を
式(数3),(数4)に示す。
【0031】
【数3】 d/dt(P)=(A−L^C)×P+B×U+L^×Fx ・・・・・・(数3)
【0032】
【数4】 fa^=k1×P ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数4) ここで、Pはオブザーバーの推定状態量(y1^,y1
´,y3^,y3^´,z^,z^´,z^´´,z^´
´´),Fxは力検出器の入力スカラ、Aは8×8マト
リックス、L^は1×8ベクトル、Cは1×8ベクト
ル、Bは8×1ベクトル、k1は外乱補償ゲインであ
る。そこで、集電装置10系の8つの特性根は複素数平
面上(−0.128,j±12.34),(−1.21
2,j±121.84),(−1.88,j0),(−
23.69,j0),(−27.67,j±98.1
9)であるので、状態量推定部28の7つのオブザ−バ
特性根を複素数平面上で次の様に設定した。すなわち、
式(数3)、(数4)のマトリックス(A−L^c)の
根を設定することである。
【0033】(−6.0,±j12.34),(−2
3.69,j+0),(−27.67,j±98.1
9),(−60,j±121.84) これから分かるように,外乱29に依存する2つの特性
根(−0.128,j±12.34),(−1.21
2,j±121.84)の減衰特性が上がるように設定
している(ζ=0.01⇒0.44)。
【0034】次に、接触力オブザ−バ部を用いて外乱抑
圧力のアクティブ制御する方法について説明する。ま
ず、架線1、揚力9等の外乱29を含む集電装置10の
状態方程式は次の様に表わされる。
【0035】
【数5】 d/dt(X)=A×X+B×U+D×W ・・・・・・・・・(数5)
【0036】
【数6】 f=C×X+E×W ・・・・・・・・・・・・・(数6) ここで、Xは状態量(y1,y1´,y3,y3´,z,z
´,z´´,z´´´)ベクトル,Uは押上力の制御入
力スカラ,fは接触力の出力スカラ,Wは外乱の入力ス
カラ,Aは8×8マトリクス,Bは8×1ベクトル,C
は1×8ベクトル,Dは8×1ベクトル,Eは1×8ベ
クトルである。
【0037】また、定常偏差補償部25の状態方程式は
次の様に表わされる。
【0038】
【数7】 d/dt(Q)=F×Q+G(f*opt−f^) ・・・・・(数7) ここで、Qは定常偏差補償部25の出力状態量(1×
1)ベクトル,Fはスカラ定数,Gはベクトル定数,
(f*opt−f^)は力偏差量制御信号の入力スカラ
である。
【0039】式(数5)〜(数7)より、最適接触力目
標値f*optと接触力fの全体状態方程式と押上力u
は次の様に表わされる。k1は外乱補償ゲイン,k2は定
常補償ゲインである。
【0040】
【数8】
【0041】
【数9】
【0042】
【数10】 u=k1×X^+k2×Q =k2(f*opt−f^)−fa^ ・・・・・(数10) これにより、変動力信号fxと押上力uの該制御信号e
fを接触力オブザ−バ部23に入力して得たfa^,f
^から外乱を抑圧する押上力uの該制御信号ef(式
(数10))を集電駆動機構6に入力することで接触力
fを低減することが可能となる。この時用いる外乱補償
ゲインk1と定常補償ゲインk2を適切に選択して、アク
ティブ制御した場合のシミュレ−ション計算結果につい
て説明する。
【0043】図5は、外乱が付加された時の接触力の周
波数応答特性を示す計算結果である。図中、点線(Pゲ
イン,P位相)が制御しないパッシィブの場合であり、
実線(Aゲイン,A位相)が上述した外乱抑圧を行なっ
たアクティブ制御の場合である。アクティブ制御の場合
では、図中の実線に示したような周波数特性(Aゲイン
特性)となり、点線で示した共振特性(Pゲイン特性)
に比べると、駆動支持部材12に加わる揚力9の平均大
きさ(135N)を約1/3(46N)に低減してお
り、これに初期押付力54Nを加えて平均接触力fを1
00Nとなるように抑圧することができる。また、位相
特性(A位相)も位相が進んで良好になっている。
【0044】図6は、架線外力m1z´´に対する接触
力fの周波数応答特性を示す計算結果である。この結果
より、走行速度vに依存した架線外力m1z´´(2つ
の共振特性を有する外乱)が集電装置10に加わって
も、架線1と集電部材11間に作用する接触力fは小さ
な変動応答をするだけである。
【0045】図7は、接触力オブザ−バ部で算出した力
検出器による変動力信号fxに対する推定状態量(y1
^,y1´^,y3^,y3´^,z^,z´^,z´´
^,z´´´^)の各々の周波数応答特性を示す。図
中、(a)〜(h)はy1,y1´,y3,y3´,z,z
´,z´´,z´´´等の推定状態量のゲイン特性であ
り、逆共振点を有する特性になっている。特に、集電部
材11、駆動支持部材12、架線1の上下変位y1^、
3^、z^はその様になつている。よつて、接触力オ
ブザ−バ部23では、これらの諸特性に外乱補償ゲイン
1及び定常補償ゲインk2を掛けて、fa^及びf^を
それぞれ出力している。
【0046】続いて、図1及び図4に示した集電装置を
集電コントロ−ラでアクティブ制御する動作フロ−チャ
−トを図8,図9及びその制御指令の特性を図10,図
11を用いて説明する。
【0047】まず、図8の外乱抑圧のアクティブ制御の
手順では、電源が投入されるとステップ(a)の初期設
定がなされる。以下、図示したステップ(b)〜(h)
の動作が実施される。
【0048】ステップ(b),(c)…車上コントロ−
ラ5からアクティブ制御する最適接触力目標値f*op
t信号を入力し、制御設定がOKかどうかを確認する。
【0049】ステップ(d)…力検出器7で集電装置1
0に作用する上下方向の変動力信号fxを高精度に検出
する。
【0050】ステップ(e)…集電駆動機構6の押上力
uに相当する力偏差量制御信号efを入力する。
【0051】ステップ(f)…接触力オブザ−バ部23
で演算し、fa^とf^を算出する。外乱抑圧力信号f
a^は、状態量推定部28に入力した変動力信号fxと
力偏差量制御信号efを最小次元オブザ−バ手法により
状態推定した推定状態量(y1^,y1´^,y3^,y3
´^,z^,z´^,z´´^,z´´´^)をもと
に、外乱補償ゲイン部27での外乱補償ゲインk1(a1
=268,500,a2=−268,500,a3=−2
8,650,a4=−1,212,a5=0,a6=29,8
50,a7=45,a8=0)を掛け、線形結合した値で
ある。接触力推定信号f^は状態量推定部28からの該
推定状態量を接触力推定部26に入力し、式(数2)に
より算出する値である。
【0052】ステップ(g)…ステップ(b)で求めた
最適接触力目標値f*optと、ステップ(f)で求め
た接触力推定信号f^をフィードバックして、力偏差量
制御信号(f*opt−f^)を求めた後、定常偏差補
償部25を介して求められるk2(f*opt−f^)
からフィードバック制御する。その値に外乱抑圧力推定
信号fa^を引いて、押上力u(式(数10))の力偏
差量制御信号efを算出し、フィ−ドフォワ−ド制御す
る。すなわち、このステップでは接触力推定信号f^に
よるフィードバック制御と、外乱抑圧力推定信号fa^
によるフィードフォワード制御する併合制御を行なって
いる。
【0053】ステップ(h)…ステップ(g)で算出し
た力偏差量制御信号efを空圧又は、油圧のアクチュエ
−タから構成される集電駆動機構6へ出力させること
で、集電装置10に上下方向の押上力uを作用させて、
アクティブ制御を実施する。
【0054】次に、ステップ(b)で設定する最適接触
力目標値f*optの算出方法について、図9に沿っ
て、以下の手順ステップ(o)〜(t)により説明す
る。
【0055】ステップ(o)…列車運行管制装置30か
らの走行情報(走行路線,走行位置,走行速度等)や運
行情報(運転速度パタ−ン,トンネル,気象条件等)を
車上コントロ−ラ5を介して入力する。その時、車上コ
ントロ−ラ5では自分自身で検出した位置信号及び速度
信号とを比較して、一致した場合に走行位置信号及び走
行速度信号として出力している。
【0056】ステップ(p)…検出した走行位置によ
り、最適接触力目標値f*optの位置変化分f*po
sを算出する。例えば、図10に示すようにトンネル突
入区間,トンネル通過区間,明かり区間A,明かり区間
B等により、集電装置10に作用する外乱29が異なる
ため、f*posを可変設定している。
【0057】ステップ(q)…ステップ(p)と同様
に、検出した走行速度vにより、最適接触力目標値f*
optの速度変化分f*velを算出する。例えば、図
11に示すように走行速度vが変化するにつれて、f*
velを可変設定するようにしている。v1の時にf
1、v2の時にfv2としている。
【0058】ステップ(r)…ステップ(p),(q)
で設定したf*posとf*velを用いて、最適接触
力目標値f*opt(=f*c+f*pos+f*ve
l)を算出し、設定する。ここで、f*cは環境情報部
43で、環境指令により設定される接触力目標値であ
る。例えば、気象条件(晴、雨等)により、f*cを可
変設定する。晴天の場合ではf*cをgだけやや大きく
する。逆に、雨天の場合ではf*cをgだけやや小さく
する。
【0059】このように、図1の実施例において、複数
の集電装置に作用する外乱に基づいた外乱抑圧力制御を
施すことにより、集電装置に作用する共振特性を抑制
し、接触力変動を低減すると共に、走行位置及び走行速
度の変化に応じて、接触力目標値を最適設定すること
で、接触力を低減することができる。
【0060】本発明の第二の変形実施例を図14に示
す。図14では、図3に示した構成と同じであるが、力
検出器7が駆動支持部材12に結合された絶縁リンク部
材54と、リンク機構19との間に取り付けられ、対地
側(0V電位)で作用する変動力信号fxを検出するよう
にされている。その力検出器7の変動力信号fxは力検
出器ケ−ブル55、アンプ回路8を介して集電コントロ
−ラ20に入力されている。また、整風カバ−17内に
おける集電部材11a、11bと駆動支持部材12間の
導電特性が良くなるように導電部材56を配置してい
る。従って、対地側(0V電位)に力検出器を配置して変動
力を検出しているので、ノイズ等による影響が少なくな
り、検出精度が良好になるので、接触力推定信号f^や
外乱抑圧力信号fa^をより精度良く状態推定すること
ができる。本実施例によれば、力検出器の配置により、
外乱の状態推定がより精度良く行われるので集電装置に
作用する接触力変動を低減するという安定性が向上する
効果がある。
【0061】本発明の第三の変形実施例では、図15に
示すように、該集電コントロ−ラ20の内部にノッチフ
ィルタ40を設け、走行速度vにより設定されるノッチ
フィルタ40の反共振特性を制御補償部21からの出力
信号に重畳させて、集電駆動機構6に出力させる。従っ
て、走行速度vにより作用する揚力fq等の外乱共振特
性を抑制することができる。本実施例によれば、走行速
度に基因した外乱の共振特性を抑制することができるの
で、接触力変動をさらに低減するという効果がある。
【0062】本発明の第四の実施例では、図16に示す
ように、目標値フィ−ドフォワ−ド部60を設け、目標
値指令部22から出力される接触力目標値f*optの
変更に対して早く追従することと、接触力オブザ−バ部
23で設定する外乱補償ゲイン部27の外乱補償ゲイン
1を可変設定するように構成している。従って、トン
ネル等の走行位置により最適接触力目標値f*optを
算出して設定出力した後のフィ−ドバック制御特性が向
上すると共に、揚力変化に伴って生じる外乱を抑圧する
フィ−ドフォワ−ド制御特性を向上する。本実施例によ
れば、走行位置変化に基因して設定する最適接触力目標
値、外乱変化による追従特性を早くすることができるの
で、制御遅れが小さくなり、接触力変動を早く低減する
という効果がある。
【0063】本発明の第五の実施例では、図17に示す
ように、編成車両システムにおける集電コントロ−ラ2
0a〜20dと車上コントロ−ラ5を接続し、集電装置
10の各々の制御情報を送受信すると共に、架線1から
の電力を高電圧電線70、スイッチ71を介して車上電
力線72に送るのに必要なスイッチ71切り換え操作を
行っている。この場合、集電装置10a、10bを上
げ、集電装置10c、dを下げる等の操作指令を集電コ
ントロ−ラ20a〜20dから出力している。
【0064】さらに、図18に示すように、集電動作を
行っている集電装置10a、10bの最適接触力目標値
f*optAとf*optBは力検出器7の変動力信号
fxと駆動支持部材12に取り付けられた変位計80の
変位y3を入力し、信号処理部91と力算出部92を介
して得られる。従って、走行方向の前にある集電装置1
0bのf*optBが求められると共に、集電装置10
aのf*optBも求められる。誤動作等でそれらの目
標値が大幅に異なることを避けるために、集電コントロ
−ラ90B、90A間でお互いにチェックしている。す
なわち、f*optA 〉f*optBになるようにし
ている。本実施例によれば、各々の集電装置を制御して
いる集電コントロ−ラ間で相互チェックしているので、
力検出器等が故障または一時動作不良に対して対応がで
き、装置の信頼性が向上するという効果がある。
【0065】本発明の第六の実施例では、図19に示す
ように、揚力センサ101とロ−ドセル104と変位セ
ンサ107を駆動支持部材12の下部に取付け、その出
力信号を各々の揚力検出器102、力検出器105、変
位計108の変換器に入力し、その出力信号fq,f
x,y3,y3´´を集電コントロ-ラ20の接触力オブ
ザ-バ部23に入力している。接触力オブザ−バ部23
では、fq,fx,y3´´から接触力推定信号f^を
状態推定している。その時、駆動支持部材12の変位y
3が基準変位y0より等しいか小さければf^を可変設定
し、そうでなければf^を一定値に設定している。ま
た、揚力センサ101、ロ−ドセル104、変位センサ
107等の動作状態をバックチェックして正常であれば
表示器103,106,109が点灯し、異常であれば
点滅するようにしている。従って、集電装置10を接触
力制御して、常に架線に対して集電部材11を押し当て
すぎないように施すことができる。本実施例によれば、
外乱の状態推定がより精度良く行われ、集電装置に作用
する共振特性を抑制し、接触力変動をさらに低減でき、
かつ集電装置が接触力制御しすぎて架線にダメ−ジを与
えることがなくなり、検出器等の故障表示を実施してい
るので、集電装置全体の信頼性が向上するという効果が
ある。
【0066】本発明の第七の実施例では、図20に示す
ように、制御補償部21でf^を入力することにより0
より大きい場合(f^〉0)か、0以下(f^〈0)かを
判断器110で判別し、スイッチ111により接触力制
御部112か、変位制御部113にするかを切り換え
る。これにより、架線1に集電部材11が常時接触して
集電するように接触力制御を行い、力偏差量制御信号e
f[=k2(f*opt−f^)−fa^]を設定する
か又は、離線した後早く接触するように変位制御を行っ
て、変位制御信号el[=k0・y4]を設定する。従っ
て、その制御信号elにより離線した場合での集電復帰
を早くすることができる。本実施例によれば、架線と接
触している集電部材の集電性能を向上させ、ア−ク騒音
を低減できるという効果がある。
【0067】本発明の第八の実施例では、図21に示す
ように、集電部材11の変位y1を検出する変位センサ
120と、高速車両2の屋根上に設けられて架線1の上
下変位z1,z2を検出するふたつの超音波センサ12
1、122を用いて、それぞれの出力信号を集電コント
ロ−ラ20に入力し、式(数1)より接触力推定信号f
^を状態推定し、接触力目標値信号f*optから該推
定手段により出力される該f^を減算した力偏差量信号
efを算出し、該efに応じて集電駆動機構6の駆動力
を制御する。これにより、高電圧がかかる集電部材での
上下変位を検出する安定性が少し落ちるが、架線との接
触力fを高精度に検出することができる。本実施例によ
れば、架線と接触している集電部材の接触力変動を低減
させ、集電装置の集電性能をさらに向上させるという効
果がある。
【0068】以上述べたような変形実施例のほかに、走
行時間帯がほぼ同じで、かつ同じ走行路線を高速電車が
走行した場合では、列車運行管理装置、車上コントロ−
ラを介して、後方を走行する高速電車に搭載された複数
の集電装置の接触力制御パタ−ンを、前方を走行する高
速電車に搭載された複数の集電装置の接触力制御パタ−
ン情報と同じか少し補正をかけることもできる。特に、
センサ等が故障した場合に実施されることがある。
【0069】
【発明の効果】編成した高速電車が高速走行することに
より、架線と集電部材間に生じる大きな接触力変動を低
減し、離線率を低減することにより、全体の集電性能を
向上させることができる。他の効果は、同じ走行路線を
走行している複数の高速電車を運行管理する全体システ
ムにおける集電性能をも向上させることができる。他の
効果は、違う走行路線を違う走行速度で走行しても十分
に集電性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す集電装置のアクティブ
制御構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す全体の集電制御システ
ム図である。
【図3】本発明の一実施例を示すアクティブ制御付集電
装置の機器構成図である。
【図4】本発明の一実施例を示す集電制御ブロック線図
である。
【図5】本発明の一実施例を用いて計算した接触力の周
波数応答特性図である。
【図6】本発明の一実施例を用いて計算した架線外力に
対する接触力の周波数応答特性図である。
【図7】本発明の一実施例を用いて計算した推定状態量
の周波数応答特性図である。
【図8】図1に示す実施例の動作手順を示すフロ−チャ
−トである。
【図9】図1に示す実施例の動作手順を示すフロ−チャ
−トである。
【図10】図9に示す実施例の走行位置による接触力目
標値特性設定図である。
【図11】図9に示す実施例の走行速度による接触力目
標値特性設定図である。
【図12】従来例を示す集電制御ブロック線図である。
【図13】従来例を用いて計算した接触力の周波数応答
特性図である。
【図14】本発明の第二の実施例を示す機器構成図であ
る。
【図15】本発明の第三の実施例を示す集電制御ブロッ
ク線図である。
【図16】本発明の第四の実施例を示す集電制御ブロッ
ク線図である。
【図17】本発明の第五の実施例を示す編成車両システ
ムの集電システムである。
【図18】本発明の第五の実施例を示す接触力目標値信
号算出図である。
【図19】本発明の第六の実施例を示す集電制御ブロッ
ク線図である。
【図20】本発明の第七の実施例を示す離線の制御ブロ
ック線図である。
【図21】本発明の第八の実施例を示す接触力の検出方
法を示す図である。
【符号の説明】
1……架線、2……高速電車、5……車上コントロ−
ラ、6……集電駆動機構、7……力検出器、10……集
電装置、11……集電部材、12……駆動支持部材、1
9……リンク機構、20……集電コントロ−ラ、21…
…制御補償部、22……目標値指令部、23……接触力
オブザ−バ部、25……定常偏差補償部、26……接触
力推定部、27……外乱抑圧ゲイン部、28……状態量
推定部、30……列車運行管制装置、41……集電性能
評価部、42……走行情報部、43……環境情報部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 守成 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 安井 敏 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺り板と、摺り板を架線に接触させて集電
    する集電機構と、該集電機構を車体の架台に対して支持
    する可動支持機構と、該可動支持機構を上下方向に変位
    動作させる駆動機構と、該駆動機構を制御する制御装置
    から成るアクティブ制御付集電装置において、前記可動
    支持機構に力作用検出器を取付け、該検出器の出力信号
    を入力し、前記集電機構に作用する接触力の力偏位量
    (f)と力変動量(fa)を状態推定し、それらの値から制
    御量rを演算し、該制御量rを前記駆動機構に出力する
    前記制御装置を備えることを特徴とするアクティブ制御
    付集電装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のアクティブ制御付集電装
    置において、前記集電機構と前記可動支持機構との間に
    配置して、該集電機構に作用する上下方向の力を少なく
    とも一つ以上の力検出器により検出することを特徴とす
    るアクティブ制御付集電装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のアクティブ制御付集電装
    置において、前記力作用検出器は前記可動支持機構に作
    用する加速度を検出する一つ以上の加速度計と、該可動
    支持機構に作用する揚力を検出する揚力検出器と、前記
    駆動機構に作用する上下方向に作用する力を検出する力
    検出器とから構成され、それぞれの検出信号の線形結合
    和により算出されることを特徴とするアクティブ制御付
    集電装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のアクティブ制御付集電装
    置において、前記集電機構に作用する接触力の力偏位量
    (f)と力変動量(fa)は前記力作用検出器の出力信号
    と、前記駆動機構の制御信号とを入力し、推定出力する
    最小次元オブザ−バ手法により特性根を架線外力と揚力
    の外乱の固有振動数で、高い減衰特性を有するようにし
    て算出されることを特徴とするアクティブ制御付集電装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項4に記載のアクティブ
    制御付集電装置において、前記制御装置は、予め設定し
    た接触力の目標値信号から力偏位量(f)信号を減算した
    力偏差量信号をフィ−ドバックして制御すると共に、力
    変動量(fa)をさらに減算してフィ−ドフォワ−ド制御
    した併合制御することを特徴とするアクティブ制御付集
    電装置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のアクティブ制御付集電装
    置において、前記検出手段と、前記状態推定手段と、前
    記制御手段を含む制御装置と車上制御装置を接続し、高
    速電車を運行管理する列車運行管制装置からの走行情報
    を入力して動作することを特徴とするアクティブ制御付
    集電装置。
  7. 【請求項7】集電装置の走行位置と走行速度を検出する
    手段と、可動支持機構に作用する変動力とを検出する力
    作用検出器から成り、該走行位置と該走行速度の検出信
    号の組合せにより算出される該接触力の目標値信号を可
    変設定すると共に、該目標値信号と該変動力検出信号か
    ら推定した接触力信号との力偏差量信号を算出する状態
    推定手段と、該偏差量信号に応じて駆動機構を調整する
    制御手段とを備えることを特徴とするアクティブ制御付
    集電装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のアクティブ制御付集電装
    置において、前記走行位置の検出手段は複数台の高速車
    両を運行制御する列車運行管制装置から車上制御装置に
    送受信される位置情報と、該車上制御装置自身で検出し
    た位置信号とを比較して、一致した場合に走行位置信号
    として入力することを特徴とするアクティブ制御付集電
    装置。
  9. 【請求項9】請求項7に記載のアクティブ制御付集電装
    置において、前記走行速度の検出手段は複数台の高速車
    両を運行制御する列車運行管制装置から車上制御装置に
    送受信される速度情報と、該車上制御装置で検出した速
    度信号とを比較して、一致した場合に走行速度信号とし
    てを入力することを特徴とするアクティブ制御付集電装
    置。
  10. 【請求項10】請求項7に記載のアクティブ制御付集電
    装置において、前記走行速度の検出手段は前記集電機構
    に作用する走行方向の風速を検出する風速センサと、該
    センサの検出信号を予め設定した風速−速度テ−ブルに
    変換した信号により算出することを特徴とするアクティ
    ブ制御付集電装置。
  11. 【請求項11】請求項7又は請求項8又は請求項9に記
    載のアクティブ制御付集電装置において、前記接触力目
    標値信号の算出手段は該走行位置信号により設定される
    位置変化分の接触力目標値と、該走行速度信号により設
    定される速度変化分の接触力目標値との線形結合和から
    算出することを特徴とするアクティブ制御付集電装置。
  12. 【請求項12】請求項7に記載のアクティブ制御付集電
    装置において、前記検出手段と、前記状態推定手段と、
    前記制御手段を含む制御装置と車上制御装置を接続し、
    高速電車を運行管理する列車運行管制装置からの走行情
    報を入力して動作することを特徴とするアクティブ制御
    付集電装置。
  13. 【請求項13】集電機構を支持する可動支持機構の変位
    を検出する変位検出器と、該可動支持機構に作用する変
    動力を検出する力作用検出器、車体屋根上に設けられて
    架線の上下変位を検出する一つ以上の超音波検出器と、
    それらの検出器からの検出信号より状態推定した接触力
    推定信号(f,fa)を算出する状態推定手段と、接触
    力目標値信号f*から該推定手段により出力される該接
    触力推定信号(f,fa)を減算した力偏差量信号を算
    出し、該偏差量信号に応じて該駆動機構の制御力を調整
    する制御装置を備えることを特徴とするアクティブ制御
    付集電装置。
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