JPH09252502A - 集電装置 - Google Patents

集電装置

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JPH09252502A
JPH09252502A JP6054996A JP6054996A JPH09252502A JP H09252502 A JPH09252502 A JP H09252502A JP 6054996 A JP6054996 A JP 6054996A JP 6054996 A JP6054996 A JP 6054996A JP H09252502 A JPH09252502 A JP H09252502A
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drive mechanism
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JP6054996A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Makino
和宏 牧野
Toshiaki Makino
俊昭 牧野
Kenji Kobayashi
健治 小林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速走行する電車の集電装置において、双方向
運行での空力騒音を低減し、架線インフラ設備の最大80
0mmの架線高さ変化に対応して、かつ架線不整を吸収
し、集電体に揚力が作用してもすり板を架線に一定力で
接触させ、集電性能を向上させることにある。 【解決手段】架線1に接触させて集電するすり板2と、
該すり板2をばね機構で支持する翼型集電体5と、該翼
型集電体5を絶縁用の支持碍子9を介して支持する力シ
リンダ機構10と、該機構10を動作させるコントロ−
ラ70とを有し、該力シリンダ機構10上に設けた3軸
ロ−ドセル11から出力する力信号値と、該力信号値を
該力シリンダ機構10の発生力目標値から差し引いた力
偏差値を小さくするフィ−ドバック力制御と、該発生力
目標値に対して該力信号値を希望の過渡応答特性で応答
させるフィードフォワード制御を同時に行うアクティブ
制御付集電装置で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速鉄道車両の低
騒音集電装置に係わり、特に高速電車に好適な集電装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、新幹線等の高速車輌の走行速度の
向上計画(270km/hから300km/h〜350km/h)に伴い、環境
騒音基準値(目標値75dB)を厳守すべく車外騒音値の大
幅な低減対策が要望されている。高速走行時には、車両
の屋根上に設置された複数個の集電装置から発生する空
力音が車外騒音において支配的であり、従来の防音壁等
による対策では目標値を満足しない傾向にある。そこ
で、集電装置の周囲に遮音カバーを設置し、集電装置付
近の走行風の流速を低下させて発生音自体を低減させる
効果と遮音の効果を持たせている。
【0003】しかし、遮音カバ−自体から生じる騒音が
無視できなくなり、騒音低減に限界が生じるとして、遮
音カバ−を改良した低騒音化集電装置の提案がなされて
いる。この低騒音化集電装置では、空気圧シリンダを用
いて集電装置を一定力で押し上げて架線に接触させ集電
させている。このような装置として、実開平5-25902号
公報、特開平5-68304号公報、特公平2-50681号公報、日
経メカトロニクス1992.5.4号(p22〜p40)及び、日本機械
学会(No.920-77)講習会教材(1992,p27〜p34)に記
載されているものがある。また、制御式集電装置とし
て、特開昭57−85502号、特開昭63-21402号、特
開平3-93402号、実開平5-68304号、実開平5-25902号公
報に開示されているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記低騒音化集電装置
や制御付集電装置では300km/h以上の速度で走行する場
合での集電体に作用する揚力が大きくなる。この揚力に
より架線に接触したすり板が上方向へ押し上げられ、す
り板と架線の間に作用する接触力を増大させる。この揚
力を小さくする集電体形状と、低騒音化する集電体形状
はトレードオフの関係にある。
【0005】本発明の目的は、屋根上に設置されたド−
ムから上方向に出る、すり板・翼型集電体・支持碍子に
揚力が作用して接触力が初期値より大きくなる場合にも
対応して、架線とすり板間の接触力変動を許容範囲に収
める接触力制御を行い、走行速度300km/h以上での集電
性能の向上を図る集電装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、架線に接触させて集電するすり板と、該す
り板をばね機構で支持する翼型集電体と、該翼型集電体
を絶縁碍子を介して支持する駆動機構と、該駆動機構を
動作させる制御装置とを配置した集電装置において、前
記駆動機構に設けた力検出器の出力する力信号値と該駆
動機構の発生力目標値の偏差を小さくするフィ−ドバッ
ク制御と、発生力目標値に対して該駆動機構の発生力を
希望の過渡応答特性で追従させるフィードフォワード制
御を同時に達成する2自由度制御器構造を有する集電装
置を備える。
【0007】更に、本発明では、上記力検出器は上記駆
動機構と絶縁碍子の間に設け、上下方向の力(接触力と
揚力)と、走行方向と平行の前後方向の力(抗力)とを
検出する、少なくとも2軸以上の力検出回路を備える。
【0008】更に、本発明では、上記フィ−ドバック力
制御は、前記力検出器の力信号値を入力信号として持
ち、上記駆動機構の周波数特性の逆モデル特性と、ロ−
パスフィルタ特性から構成される制御器で実現されるも
のとした。
【0009】更に、本発明では、前記駆動機構の発生力
目標値は、架線への接触力目標値から翼型集電体に作用
する揚力の推定値を引いた量とした。
【0010】更に、本発明では、上記揚力推定値は、翼
固有の形状特性と走行速度から求めた推定値、または上
記力検出器で検出した力から求めた推定値とした。
【0011】更に、本発明では、上記翼型集電装置の架
線接触面は、レ−ル面上より架線の最低高さ4500mmから
最高高さ5300mmまでの800mmを上下動作し、力制御用の
力シリンダ機構と、それを位置決めする位置シリンダ機
構を直列に配置した構造とした。
【0012】更に、本発明では、上記力検出器は、100k
gf以下の上下力を検出すると共に、100kgf以下の前後力
及び50kgfm以下のピッチングモ−メントを検出するもの
とした。
【0013】高速車両が高速走行することにより、屋根
上に設置された集電装置のすり板・翼型集電体・支持碍
子・導電ケ−ブルヘッド等は直接走行風にさらされる
が、構造表面で流れがはく離して空力騒音を増大させな
いように、集電装置の表面を平滑な形状とする。しか
し、このようにして形状を決定した翼型集電体には大き
な揚力が作用し、従来のばね・ダンパ支持では架線の押
し上げ量が過大になる。このため、架線とすり板の接触
力を規定範囲内に収める機能をもつ接触力制御機構が必
要である。
【0014】すり板部では、架線とすり板とが直接接触
して集電するために、すり板を板ばね機構で支持し滑ら
かに上下動作するように、すり板と板ばね機構による固
有振動数を10〜20Hzに設定し、架線のハンガ間隔と走行
速度に基因する加振周波数に対応して良好な架線追随を
可能とした。
【0015】翼型集電体と支持碍子は、前後対称な形状
に構成し、揚力特性や抗力特性を走行方向に依らず同一
とした。
【0016】駆動機構部では、位置シリンダに取り付け
たシリンダ変位検出器の検出量と、走行地点ごとに予め
決められた架線高さ目標値を用いて、車体屋根上に配置
した2本のシリンダ駆動機構を700mm同時動作させるこ
とにより、すり板を架線に接触するように位置決め動作
させている。
【0017】また、絶縁用の支持碍子と力シリンダ機構
間に取り付けた3軸ロ−ドセルによる上下力の検出量と
駆動機構の発生力目標値の偏差を小さくして、架線不整
と揚力発生による接触力変動を抑圧するフィ−ドバック
制御と、3軸ロ−ドセルで検出した前後力あるいはピッ
チングモーメントから求めた揚力推定値を接触力目標値
から差し引いた発生力目標値に対して、該駆動機構の発
生力を希望の過渡応答特性で追従させるフィードフォワ
ード制御とを同時に行う2自由度制御により力シリンダ
を駆動し、架線とすり板間の接触力制御を実施してい
る。
【0018】これらにより、架線外乱や翼型集電体の受
ける揚力にかかわらず、接触力と架線押し上げ量を規定
範囲内に収める機能を実現する。
【0019】以上より、高速車両の屋根上に搭載された
複数個のアクテイブ制御付集電装置では、ド−ム上に配
置された翼型集電体、支持碍子、導電ケ−ブルヘッド等
から生じる空力騒音の低減を図ると共に、800mmの架線
高さ変化に対応した位置決め制御と、架線不整及び揚力
に起因する接触力変動を抑圧する接触力制御を同時に実
施し、集電性能を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本実施例を図面を用いて説
明する。図1、図2及び図3は、車体屋根上方向から見
た集電装置の斜視図、平面図及び側面図で、架線1、す
り板2、ド−ム3、翼型集電体5、力シリンダ機構1
0、位置シリンダ機構20等の配置構成を示している。
【0021】この構成では、架線1に対して接触しゅう
動し、架線1から電流を集電するすり板2と、(すり板
支持部の内部構造を図示していないが)このすり板を2
つの板ばね機構を介して2点支持するすり板支持機構
と、アルミ材からなる前後及び左右方向が対称で、かつ
薄型軽量の翼型集電体5と、その翼型集電体5を支持す
ると共に、架線・すり板と車体を電気絶縁する多数笠か
らなる軽量な支持碍子9と、その支持碍子9を支持して
架線1にすり板2が接触追随して集電するために必要な
接触力を制御する力シリンダ機構10と、その力シリン
ダ機構10を適当な高さに位置決めする位置シリンダ機
構20と、架線からの電力をすり板2、翼型集電体5等
を介して流すため、翼型集電体5の下方向に設けられた
可撓導電部材8と、その可撓導電部材8と接続し、すり
板2からの大電流を流し周囲と絶縁を図る導電ケ−ブル
ヘッド7と、その導電ケ−ブルヘッド7からの電流を
(図示していないが)車体へ供給する高圧ケ−ブルとから
なっている。
【0022】翼型集電体5は、図示したように前後対称
形状で幅1600mm、長さ300mm、高さ120mmの寸法を有し、
幅600mm、長さ80mmの平行型のすり板2を搭載してい
る。
【0023】導電ケ−ブルヘッド7は、支持碍子9の後
方にできる渦流れの影響をうけないように、支持碍子9
の真後ろからはずらして配置されている。
【0024】ド−ム3より上部に出るものは、すり板
2、翼型集電体5、支持碍子9、可撓導電部材8、導電
ケ−ブルヘッド7、駆動部カバ−6であり、できる限り
表面を平滑にして表面の圧力変動を小さくして、これら
から発生する騒音を小さくするようにしている。さら
に、絶縁距離(約300mm)を確保しつつ低騒音化を図る
ために、駆動部カバ−6の入るド−ム3の楕円形の穴を
長径500mm、短径250mmと極力小さくした。
【0025】また、翼型集電体5に可撓導電部材8の一
端を取付けるが、取付け部を回転支持することにより、
接触集電時の力シリンダの作動に対する悪影響を小さく
する。
【0026】力シリンダ機構10は、駆動部カバ−6の
中に配置されており、ド−ム3上に取り付けるための機
構固定座30(機構固定板31、取付け横棒32、取付
けリング材33、屋根取付け座34)と、油圧制御を実
施する力シリンダ機構10の可動筒体14と固定筒体1
5と、該可動筒体14を油圧動作させる油圧サ−ボ弁1
6とから構成されている。
【0027】また、位置シリンダ機構20は、力シリン
ダ機構10を前後二本のピストンロッド21で固定部材
17を介して吊り固定し、架線1の高さ変化に対して上
下方向に位置決めするピストンロッド21、ピストンヘ
ッド22、シリンダ変位計23からなっている。
【0028】図4及び図5は、力シリンダ機構の拡大断
面図(側面図)及び、油圧源50を含む油圧回路全体図
である。力シリンダ機構10は、多重筒からなる固定筒
体15と、その中を上下に動くピストン18と、そのピ
ストン18とボルト締結した固定台13及び可動筒体1
4と、ピストン18を上下動作させる作動油の流量と向
きを調整する油圧サ−ボ弁16と、固定台13上に取り
付けられる3軸ロ−ドセル(図示した上下方向の力と前
後方向の力とピッチングモーメントを検出する)と、ピ
ストン18の位置を検出するシリンダ変位計29から構
成されている。
【0029】また、力シリンダ機構10及び位置シリン
ダ機構20の油圧駆動回路40は、ピストン18のロッ
ド側とヘッド側とを結ぶブリ−ド弁41と圧力計42、
力用電磁チェック弁43、油圧サ−ボ弁16、位置用電
磁チェック弁48、比例弁47から構成されている。他
に、コントロ−ラ70に接続される変位アンプ44、動
歪アンプ45、サ−ボ弁駆動パワーアンプ46、電磁弁
駆動パワーアンプ49及び油圧源50から構成されてい
る。油圧源50は、作動油タンク58を始め油温センサ
59、駆動モ−タ57、油圧ポンプ56、ク−ラ55、
逆止弁53、リリ−フ弁54、フィルタ52、チェック
弁51から構成され、油圧駆動回路40に圧油を供給し
ている。
【0030】図6に力シリンダ機構の2自由度制御系の
構成をブロック線図で示す。
【0031】この制御系は、制御性能向上の目的で、差
圧力制御系80の外側にこれと同様の構造をもつFz制御
系90を構成した。
【0032】差圧力制御系80は、差圧力応答モデルPp
r83、制御入力ufから差圧力観測値Fpまでの系Gs65
のノミナルモデルPpnの逆モデルPpn^(-1)(=1/Ppn)8
1、ローパスフィルタTp82で構成される。(ここで、^
は累乗を示す記号で、a^bはaのb乗を表す。以下、同じ)
Fz制御系90は、Fz応答モデルPzr93、差圧力指令値F
prからFz観測値Fzまでの系のノミナルモデルPznの逆モ
デル1/Pzn91、ローパスフィルタTz92で構成され
る。図中のGp60は差圧力Fpを入力としロードセル検出
力Fzを出力とする架線・パンタグラフ系である。
【0033】図7と図8に3軸ロ−ドセルの形状・構成
と検出回路図を示す。図7では、ロ−ドセル11の中心
を示す一点鎖線の左側が中心断面形状であり、右側が外
側形状である。中央上部の凹みに支持碍子9を嵌合させ
て締結し、下部を力シリンダ機構10の固定台13と結
合している。
【0034】図8は図7の上面図であり、上下力Fz、前
後力Fx、ピッチングモ−メントMxの3つの信号の検出回
路構成と、揚力推定値fq1*とfq2*の信号変換回路の構成
を示す。ロ−ドセル11に生じた歪みを動歪アンプ10
1、102、103で電圧に変換した後、制御盤104
内の揚力推定器105で前後力Fxまたはピッチングモ−
メントMxの信号を用いて揚力推定値をそれぞれ算出す
る。また、ロ−ドセルの最大検出値は、上下力は100kg
f、前後力は100kgf、ピッチングモ−メントは50kgfmと
した。
【0035】制御系の動作を説明する。本発明の制御対
象は油圧系と架線系にパラメータ変動とモデル化誤差が
存在し、さらにシリンダには摩擦力が発生し、パンタグ
ラフには揚力と架線外乱が加わる。これらを効果的に抑
圧して十分な制御性能を得るために、本発明の制御系の
構造は、油圧系の非定常性・非線形性の補償を担う差圧
力制御系と、シリンダの摩擦力や架線外乱等を抑圧して
接触力を制御する接触力制御系の階層構造をもつものと
する。
【0036】一方、本発明の制御系では、外乱を抑圧し
制御系を安定化するフィードバック性能と、目標値に対
して制御量を希望する過渡応答特性で追従させるフィー
ドフォワード性能が要求される。本発明では、フィード
バック性能とフィードフォワード性能が相互に依存せ
ず、それぞれに高度な性能を追求可能である2自由度制
御系を採用する。これを差圧力制御系と接触力制御系の
それぞれに適用する。2自由度制御系の実現構成は、外
乱オブザーバと目標値フィルタによるものにした。
【0037】差圧力制御系80から説明する。まず、シ
リンダ室内圧を圧力センサで検出し、以下のように、こ
れらにそれぞれのシリンダ室の受圧面積を掛けて差圧力
観測値Fpを求める。
【0038】Fp=Ahxph−Arxpr Ah:ヘッド側受圧面積 Ar:ロッド側受圧面積 ph:ヘッド側内圧 pr:ロッド側内圧 シリンダから外部に取り出されるシリンダの発生力は、
この油圧力にシリンダ内の摩擦力や、接触対象からの反
力の影響を受けたものになる。
【0039】この差圧力観測値Fpをノミナル逆モデル8
1へ入力し、前出力タイミングで出力された制御入力値
ufを引いて制御入力量相当の推定外乱dp'を求める。
【0040】ここで、ノミナルモデルPpnは、実測の周
波数特性の近似から Ppn=kpn/(1+Tpns) kpn:ノミナルモデルの直流ゲイン Tpn:ノミナルモデルの時定数 s :ラプラス演算子 とした。推定外乱dp'には、ノミナルモデルPpnに記述し
ていない特性であるモデル化誤差すなわち片ロッドシリ
ンダを含む油圧回路の非対称性・非線形性やパラメータ
変動分、圧力センサのノイズ、上部のパンタ系からの反
力に起因する成分等が含まれる。
【0041】この推定外乱dp'をローパスフィルタ82
に入力し、制御入力ufに戻すと制御系を不安定にする高
周波数成分を減衰させて、推定外乱dpを求める。
【0042】そして、次回差圧力目標値Fpr'値から推定
外乱dpを引いて次回制御入力とすることで、系に加わる
外乱を抑圧する。
【0043】フィードバック性能は以上の構成で実現さ
れるが、制御系の安定性の確保のためにはTp/Ppnが安定
プロパであることが必要であり、定常偏差をゼロにする
ためにはローパスフィルタの直流ゲインが1であること
が必要である。ローパスフィルタの周波数特性は、調整
パタメータをカットオフ周波数のみにして設計を容易に
するために Tp=1/(1+Tpps)^2 Tpp=1/(2πfcp):Tpの時定数 s :ラプラス演算子 fcp:カットオフ周波数[Hz] (^は累乗を示す記号でa^bはaのb乗を表す)とした。しか
し、上記の制約を満たせば特に制限されるものではな
い。ローパスフィルタのカットオフ周波数fcpは、実験
により、制御系の安定性と制御性能のトレードオフから
決定する。
【0044】その結果、圧力センサのノイズの影響を抑
えつつ、片ロッドシリンダと油圧回路の非対称性・非線
形性や、上部のパンタ系からの反力等を補償できる。す
なわち、信頼性を確保しつつ、差圧力制御系を安定化・
高性能化できる。
【0045】このフィードバック制御が理想的に機能し
た場合、差圧力目標値Fpr’から差圧力観測値Fpへの応
答特性はノミナルモデルPpn相当に固定される。そこ
で、差圧力目標値Fpr’はPpr/Ppnを通過して得られたも
のとし、Ppr/Ppnの入力信号Fprを新たに差圧力目標値と
して、FprからFpまでの周波数特性を応答モデルPprと一
致させるようにする。すなわち、後述のFz制御系から
は、差圧力制御系の周波数特性はPprに固定されている
ように見える。ただし、Pprは、Ppr/Ppnが安定プロパで
あり、直流ゲインが1となるように選ぶ。例えば、ここ
では、 Ppr=1/(1+Tprs) とした。
【0046】以上により、フィードバック性能の設計と
は独立に差圧力目標値応答特性を追求することができ
る。
【0047】次に、上記の差圧力制御系を内部に包含す
るFz制御系の動作を説明する。パンタ接触力制御の本来
の目的は、架線とすり板の接触力を、入力される外乱に
かかわらず、ある許容される変動幅の中に収めることで
ある。しかし、直接の制御量である接触力は、架線電位
が高いために一般に観測不可能である。そこで、制御帯
域である2Hz以下の周波数域では接触力fと本発明におけ
るロードセル検出力Fzがほぼ等しいことを利用し、ロー
ドセル検出力Fzをその目標値Fzrに追従させることで間
接的に接触力を制御することを考える。目標値Fzrは後
述の揚力を考慮した目標値設定の影響で変動値となるこ
と、シリンダ摩擦力や架線外乱にかかわらず定常偏差を
小さくしたいことから、差圧力制御系と同様の構成の2
自由度制御系を、差圧力制御系の外側に構成する。
【0048】まず、ロードセルにかかる上下方向の力Fz
を検出する。このロードセル検出力Fzをノミナル逆モデ
ル91へ入力し、前回計算されたFpr''を引いて差圧力
目標値Fpr''相当の推定外乱dz'を求める。ここで、ノミ
ナルモデルPznは、実測の周波数特性の近似から Pzn=kzn/(1+Tzns) kzn:ノミナルモデルの直流ゲイン Tzn:ノミナルモデルの時定数 s :ラプラス演算子 とした。
【0049】推定外乱dz'には、ノミナルモデルPznに記
述していない特性、すなわちパラメータ変動分やシリン
ダの摩擦、上部のパンタ系・車体からの外乱力、ロード
セル検出信号に混入するノイズ等が含まれる。
【0050】この推定外乱dz'をローパスフィルタTz9
2に入力し、差圧力目標値Fprに戻すと制御系を不安定
にする高周波数成分を減衰させて、推定外乱dzを求め
る。
【0051】そして、次回差圧力目標値Fzr'値から推定
外乱dzを引いて次回差圧力目標値とすることで、Fz制御
系に加わる外乱・パラメータ変動を抑圧する。
【0052】差圧力制御系と同様に、制御系の安定性の
確保のためにはTz/Pznが安定プロパであることが必要で
あり、定常偏差をゼロにするためにはローパスフィルタ
Tzの直流ゲインが1であることが必要である。ローパス
フィルタの周波数特性は、調整パタメータをカットオフ
周波数のみにして設計を容易にするために Tz=1/(1+Tzzs)^3 Tzz=1/(2πfcz) s :ラプラス演算子 fcz:カットオフ周波数[Hz] とした。しかし、上記の制約を満たせば特にそのクラス
が制限されるものではない。ローパスフィルタのカット
オフ周波数fczは、実験により、制御系の安定性と制御
性能のトレードオフから決定する。
【0053】このフィードバック制御が理想的に機能し
た場合、差圧力制御系の外側に入力されるシリンダの摩
擦力や架線外乱や車体外乱を抑圧され、ロードセル検出
力目標値Fzr’からロードセル検出力Fzへの応答特性は
ノミナルモデルPzn相当に固定される。そこで、差圧力
目標値Fzr’はPzr/Pznを通過して得られたものとし、Pz
r/Pznの入力信号Fzrを新たに差圧力目標値として、Fzr
からFzまでの周波数特性を応答モデルPzrと一致させ
る。ただし、Pzrは、Pzr/Pznが安定プロパとなるように
選ぶ。例えば、ここでは、 Pzr=1/(1+Tzrs) とした。
【0054】以上により、フィードバック性能の設計と
は独立に、目標値応答特性を向上させることができる。
すなわち、制御系の安定性や架線外乱抑圧性能等を損な
わず、希望の過渡応答特性を設計し、実現できる。
【0055】次に、ロードセル検出力目標値Fzrの設定
機能を説明する。翼型集電体に作用する揚力fqと架線と
すり板の接触力fは、絶縁碍子の下のロードセルでは、
それぞれが分離されて観測されない。すなわち Fz= f−fq であり、もし集電体に揚力が発生していれば、Fzを接
触力目標値frに偏差なく制御しても実際の接触力fは次
式のように揚力分fqだけ大きくなる。
【0056】f = Fz(=fr) + fq 揚力をFz観測値のみから演算により分離することは困難
であるので、揚力の存在下での接触力制御の実現には、
Fz値以外からの実揚力fの推定と、この推定値(fq*)を考
慮した発生力目標値Fzrの設定が必須となる。
【0057】まず、発生力目標値Fzrの設定は、上式よ
り Fzr= fr−(fq*) とする。
【0058】続いて揚力推定機能を説明する。第一の推
定方法は、走行風の流速vが走行速度v'と等しいことを
仮定して、予め実験により求めた流速vと揚力fqの関係
を用いるものである。すなわち、ある翼形状の集電体に
ついて fq=αxv^2 なる特性を実験により求めておき、走行速度v'より (fq*)=αxv'^2 と推定する。
【0059】第二の推定方法は、集電体に作用する抗力
fdと揚力fqの関係が既知であると仮定して、抗力fxから
揚力fqを推定するものである。走行速度v'と走行風の流
速vが一致しない場合、特に、トンネル内走行や対向す
れ違い時にも有効な推定方法である。すなわち、 fq=αxv^2 fx=βxv^2 なる特性を実験により求めておき、 (fq*)=α/βxfx と推定する。
【0060】第三の推定方法は、集電体に作用するピッ
チングモーメントMxと揚力fqの関係が既知であると仮
定して、ピッチングモーメントMxから揚力fqを推定す
るものである。第二の推定方法と同様に走行速度v'と走
行風の流速vが一致しない場合にも有効な推定方法であ
る。すなわち、 fq=αxv^2 Mx=βxv^2 なる特性を実験により求めておき、 (fq*)=α/βxMx と推定する。
【0061】図6に示す信号mgは、力シリンダより上部
の重量分相当の差圧力値であり、図9、図10は、図6
の2自由度制御系の周波数特性と、走行実験での時間波
形である。図9は、発生力目標値Fzrに対する接触力f
の周波数特性を示す。
【0062】図10は、2自由度制御を施したアクティ
ブ制御付集電装置を走行台車に乗せて走行させ、架線と
すり板を接触させて翼型集電体に実揚力が加わった場合
の制御効果を示す時間波形である。実線Aは、揚力推定
値を常にゼロとした場合、鎖線Bは揚力推定値を使用し
た場合の、発生力目標値Fzrと力シリンダ11のストロ
−クz2の時間波形である。
【0063】本発明により、屋根上に設置されたド−ム
から上に出るアクティブ制御付集電装置のすり板、翼型
集電体、支持碍子、導電ケ−ブルヘッド等から発生する
空力騒音を低減すると共に、翼型集電体に作用する揚力
と、架線とすり板間に生じる接触力変動を範囲内に抑制
することができるので、300km/h以上での集電性能の向
上させることができる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、双方向運行での空力騒
音を低減でき、架線高さ変化に対応し、架線不整や翼型
集電体に作用する揚力等の外乱影響下ですり板と架線の
接触力変動を規定範囲内に抑制し、集電性能を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアクティブ制御付集電
装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示すアクティブ制御付集電
装置の平面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すアクティブ制御付集電
装置の側面図である。
【図4】本発明の一実施例に用いている力シリンダ機構
の拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施例に用いている油圧駆動回路図
である。
【図6】本発明の一実施例に用いている力シリンダ機構
の制御ブロック線図である
【図7】本発明の他の実施例に用いている3軸ロ−ドセ
ルの側面図である。
【図8】本発明の他の実施例に用いている3軸ロ−ドセ
ルの検出回路図である。
【図9】本発明の一実施例に用いている力シリンダ機構
の周波数特性図である。
【図10】本発明の一実施例に用いている力シリンダ機
構の制御効果図である。
【符号の説明】
1……架線、2……すり板、3……ド−ム、5……翼型
集電体、7……導電ケ−ブルヘッド、9……支持碍子、
10……力シリンダ機構、11……3軸ロ−ドセル、1
2……シリンダ変位計、16……油圧サ−ボ弁、20…
…位置シリンダ機構、30……機構固定座、40……油
圧駆動回路、42……圧力センサ、44……変位アン
プ、45……動歪アンプ、46……サ−ボ弁アンプ、5
0……油圧源、70……コントロ−ラ、80……差圧力
ル−プ回路、90……力フィ−ドバック回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架線に接触させて集電するすり板と、該す
    り板をばね機構で支持する翼型集電体と、該翼型集電体
    を絶縁碍子を介して支持する駆動機構と、該駆動機構を
    動作させる制御装置とを配置した集電装置において、前
    記駆動機構に力検出器を設け、該駆動機構の発生力目標
    値と該力検出器の出力信号の偏差を小さくするフィ−ド
    バック制御と、発生力目標値に対して該駆動機構の発生
    力を希望の過渡応答特性で追従させるフィードフォワー
    ド制御を同時に達成する2自由度制御器構造を有するこ
    とを特徴とする集電装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記力検出器は、前記
    駆動機構と絶縁碍子の間に設けられ、上下方向の力と、
    走行方向と平行の前後方向の力とを検出する、少なくと
    も2軸以上の力検出回路からなることを特徴とする集電
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記フィ−ドバック力
    制御は、前記力検出器の力信号値を入力信号とし、前記
    駆動機構の周波数特性の逆モデル特性とロ−パスフィル
    タ特性から構成される制御器で実現されることを特徴と
    する集電装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記駆動機構の発生力
    目標値は、架線への接触力目標値から翼型集電体に作用
    する揚力の推定値を引いた量とすることを特徴とする集
    電装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記揚力推定値は、翼
    固有の形状特性と走行速度から求めた推定値、または前
    記力検出器で検出した前後方向の力から求めた推定値で
    あることを特徴とする集電装置。
  6. 【請求項6】請求項1おいて、前記駆動機構は、力制御
    を分担させる力シリンダ機構と、力シリンダ機構の上下
    方向の位置決めを分担させる位置シリンダ機構を直列に
    配置した構造をもち、前記翼型集電装置の架線接触面を
    レ−ル面上より架線の最低高さ4500mmから同最高高さ53
    00mmまでの800mm間で上下動作させることを特徴とする
    集電装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記力検出器は、100k
    gf以下の上下力を検出すると共に、100kgf以下の前後力
    及び50kgfm以下のピッチングモ−メントを検出すること
    を特徴とする集電装置。
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