JPH07122426A - 軟磁性めっき薄膜およびその製造方法 - Google Patents
軟磁性めっき薄膜およびその製造方法Info
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- JPH07122426A JPH07122426A JP5262354A JP26235493A JPH07122426A JP H07122426 A JPH07122426 A JP H07122426A JP 5262354 A JP5262354 A JP 5262354A JP 26235493 A JP26235493 A JP 26235493A JP H07122426 A JPH07122426 A JP H07122426A
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- H01F41/14—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波特性に優れたMoを含有する軟磁性め
っき薄膜とその製造方法を提供するものである。 【構成】 Moが2 wt%以上9 wt%未満の組成のMo含
有軟磁性層とMoが10 wt%以上のMoリッチ層の少な
くとも2組成以上のMo含有層が積層され、前者の層厚
が後者の層厚の5倍以上であること電気めっき薄膜とそ
の製造方法で、酒石酸イオンを含む浴から製造する点に
特長がある。
っき薄膜とその製造方法を提供するものである。 【構成】 Moが2 wt%以上9 wt%未満の組成のMo含
有軟磁性層とMoが10 wt%以上のMoリッチ層の少な
くとも2組成以上のMo含有層が積層され、前者の層厚
が後者の層厚の5倍以上であること電気めっき薄膜とそ
の製造方法で、酒石酸イオンを含む浴から製造する点に
特長がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド等の磁
気デバイスに使用される軟磁性めっき薄膜およびその製
造方法に関する。
気デバイスに使用される軟磁性めっき薄膜およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟磁性薄膜の特性として重要視されてい
るものに透磁率と比抵抗がある。パーマロイは優れた軟
磁性合金であるが比抵抗が小さく高周波回路で使用する
には問題があった。このため第3元素としてモリブデン
を添加したモリブデンパーマロイが古くから知られてい
る。たとえばFerromagnetism,D.Van Mostrand Company.
Inc.,Tronto(1951)にはバルクでのMoパーマロイの各種
の特性が例示されておりMo含有量の増加により比抵抗が
大きく上昇することがわかる。しかし、Mo10wt%以
上については述べられていない。
るものに透磁率と比抵抗がある。パーマロイは優れた軟
磁性合金であるが比抵抗が小さく高周波回路で使用する
には問題があった。このため第3元素としてモリブデン
を添加したモリブデンパーマロイが古くから知られてい
る。たとえばFerromagnetism,D.Van Mostrand Company.
Inc.,Tronto(1951)にはバルクでのMoパーマロイの各種
の特性が例示されておりMo含有量の増加により比抵抗が
大きく上昇することがわかる。しかし、Mo10wt%以
上については述べられていない。
【0003】このモリブデンパーマロイを薄膜磁気ヘッ
ド等の薄膜デバイスに使用するために薄膜化するための
製法として電着法は種々の特長から有効である。
ド等の薄膜デバイスに使用するために薄膜化するための
製法として電着法は種々の特長から有効である。
【0004】このためモリブデンパーマロイの電着方法
としては多くの研究がなされてきた。たとえばJournal
of applied electrochemistry 8(1978)41ページには酢
酸ニッケル、硫酸鉄、モリブデン酸ナトリウムを用いた
浴から広い範囲の組成のNiFeMo合金の電着が報告されて
いる。しかし、その磁気特性には全く触れておらず電流
密度pH、浴温等によるMo含有量の変化は僅かであっ
た。
としては多くの研究がなされてきた。たとえばJournal
of applied electrochemistry 8(1978)41ページには酢
酸ニッケル、硫酸鉄、モリブデン酸ナトリウムを用いた
浴から広い範囲の組成のNiFeMo合金の電着が報告されて
いる。しかし、その磁気特性には全く触れておらず電流
密度pH、浴温等によるMo含有量の変化は僅かであっ
た。
【0005】またJournal of the electrochemical soc
iety(1965)64ページにはクエン酸を用いためっき浴から
成膜されたモリブデンパーマロイ膜の磁気特性について
記されている。
iety(1965)64ページにはクエン酸を用いためっき浴から
成膜されたモリブデンパーマロイ膜の磁気特性について
記されている。
【0006】また特公昭41-20686号もクエン酸を用いた
モリブデンパーマロイ膜をアルカリ溶液から成膜する方
法を開示している。この場合には電流密度を2A/dm2か
ら15A/dm2に変化するとMo含有量が9.36%から
5.50%に変化している。
モリブデンパーマロイ膜をアルカリ溶液から成膜する方
法を開示している。この場合には電流密度を2A/dm2か
ら15A/dm2に変化するとMo含有量が9.36%から
5.50%に変化している。
【0007】またUSSR特許418567号(1974)において使用
している浴もクエン酸を使用している。
している浴もクエン酸を使用している。
【0008】このようにクエン酸を添加した浴からバル
クと同等特性の薄膜を目指した研究は多いが安定して製
造することは困難で、かつ薄膜独特の新規な高特性を電
着法で得る試みは殆どなされていなかった。
クと同等特性の薄膜を目指した研究は多いが安定して製
造することは困難で、かつ薄膜独特の新規な高特性を電
着法で得る試みは殆どなされていなかった。
【0009】一方、軟磁性薄膜において多層化し中間層
として絶縁層や高比抵抗層を形成することで高周波特性
に優れた薄膜を得ることは広く知られている。同様に合
金膜の電解中に電位、電流密度を変化させて多層構造を
形成する手法も知られているが電位の大きく異なる合金
系に限られていた。
として絶縁層や高比抵抗層を形成することで高周波特性
に優れた薄膜を得ることは広く知られている。同様に合
金膜の電解中に電位、電流密度を変化させて多層構造を
形成する手法も知られているが電位の大きく異なる合金
系に限られていた。
【0010】具体的に標準電位で示すとNi(−0.2
4 V)、Fe(−0.44 V)は、Cu(+0.34
V)、Rh(+0.76 V)等とは大きく電位が離れて
おり多層化が可能なことが容易に類推される。しかしM
o(−0.20 V)はNiやFeやCoとは電位が近接
しており多層構造の形成は困難と見られていた。
4 V)、Fe(−0.44 V)は、Cu(+0.34
V)、Rh(+0.76 V)等とは大きく電位が離れて
おり多層化が可能なことが容易に類推される。しかしM
o(−0.20 V)はNiやFeやCoとは電位が近接
しており多層構造の形成は困難と見られていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、特性の優れたモリブデン含
有軟磁性多層めっき膜とそれを安定かつ安価に電着法に
より製造する方法を提供するものである。
情からなされたものであり、特性の優れたモリブデン含
有軟磁性多層めっき膜とそれを安定かつ安価に電着法に
より製造する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)の本発明により達成される。
(1)〜(3)の本発明により達成される。
【0013】(1)Ni、Fe、Coより選ばれる少な
くとも2種以上と2wt%以上9wt%以下のMoを含有する
軟磁性層と、Ni、Fe、Co,より選ばれる少なくと
も2種以上と10wt%以上のMoを含有するMoリッチ
層が積層されており、前記軟磁性層の層厚が前記Moリ
ッチ層の層厚の2倍以上100倍以下である軟磁性めっ
き薄膜。
くとも2種以上と2wt%以上9wt%以下のMoを含有する
軟磁性層と、Ni、Fe、Co,より選ばれる少なくと
も2種以上と10wt%以上のMoを含有するMoリッチ
層が積層されており、前記軟磁性層の層厚が前記Moリ
ッチ層の層厚の2倍以上100倍以下である軟磁性めっ
き薄膜。
【0014】(2)Ni、Fe、Coより選ばれる少な
くとも2種以上の金属イオンとMoイオンと有機酸イオ
ンとを含有する単一のめっき浴を用いて、 成膜時に電
流密度を変化させて上記1の軟磁性めっき薄膜を製造す
る方法において、前記軟磁性層を0.5A/dm2以上5A/d
m2未満の電流密度で成膜し、前記Moリッチ層を前記軟
磁性層を成膜する電流密度の2分の1から20分の1の
電流密度で成膜する軟磁性めっき薄膜の製造方法。
くとも2種以上の金属イオンとMoイオンと有機酸イオ
ンとを含有する単一のめっき浴を用いて、 成膜時に電
流密度を変化させて上記1の軟磁性めっき薄膜を製造す
る方法において、前記軟磁性層を0.5A/dm2以上5A/d
m2未満の電流密度で成膜し、前記Moリッチ層を前記軟
磁性層を成膜する電流密度の2分の1から20分の1の
電流密度で成膜する軟磁性めっき薄膜の製造方法。
【0015】(3)前記有機酸は酒石酸である上記2の
軟磁性めっき薄膜の製造方法。
軟磁性めっき薄膜の製造方法。
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
に説明する。
【0017】本発明では湿式めっき法を用いて軟磁性薄
膜を形成する。本発明および本発明により製造されるの
軟磁性薄膜はNi、FeまたはCoの内の少なくとも2
種類以上の金属とMoを主成分とする。
膜を形成する。本発明および本発明により製造されるの
軟磁性薄膜はNi、FeまたはCoの内の少なくとも2
種類以上の金属とMoを主成分とする。
【0018】Moの含有量はその目的により大きく2つ
に大別される。すなわち優れた磁気特性を得るための磁
性層としては2〜9重量%、より好ましくは3〜6重量
%である。Mo含有量が前記範囲未満であると良い軟磁
気特性が得られず前記範囲を越えるとBsが低下すると
同時にやはり良い軟磁気特性が得られない。一方の絶縁
を目的とするMoリッチ層としての場合には10重量%
以上、より好ましくは15重量%以上である。前記範囲
未満であると比抵抗が大きくならず良い高周波特性が得
られない。
に大別される。すなわち優れた磁気特性を得るための磁
性層としては2〜9重量%、より好ましくは3〜6重量
%である。Mo含有量が前記範囲未満であると良い軟磁
気特性が得られず前記範囲を越えるとBsが低下すると
同時にやはり良い軟磁気特性が得られない。一方の絶縁
を目的とするMoリッチ層としての場合には10重量%
以上、より好ましくは15重量%以上である。前記範囲
未満であると比抵抗が大きくならず良い高周波特性が得
られない。
【0019】軟磁性層のNi、Fe、Coの含有量は特
に制限はない。目的とする特性が得られるように選択さ
れる。たとえはモリブデンパーマロイ組成を作成する場
合にはNiは70〜80重量%、Feは15〜25重量
%となる。Co−Fe合金で磁歪ゼロの組成を目標とす
る場合にはCoが80から95重量%、Feは5〜15
重量%となる。
に制限はない。目的とする特性が得られるように選択さ
れる。たとえはモリブデンパーマロイ組成を作成する場
合にはNiは70〜80重量%、Feは15〜25重量
%となる。Co−Fe合金で磁歪ゼロの組成を目標とす
る場合にはCoが80から95重量%、Feは5〜15
重量%となる。
【0020】絶縁層中のNi、Fe、Coの含有量も特
に制限はなく磁性層のように特定の組成を目標とする必
要性も小さい。
に制限はなく磁性層のように特定の組成を目標とする必
要性も小さい。
【0021】Mo含有量が1〜9重量%の磁性層厚はM
o含有量が10重量%以上のMoリッチ層厚の2倍以上
100倍以下、特に好ましくは10倍以上20倍以下で
ある。層厚比が前記範囲未満であると十分な絶縁効果が
得られず前記範囲を越えると透磁率やBsの低下が起こ
り好ましい磁気特性が得られない。また各層厚の絶対値
については特に制約はないが軟磁性層が50 Aから20
000 A程度となるように設計することが好ましい。
o含有量が10重量%以上のMoリッチ層厚の2倍以上
100倍以下、特に好ましくは10倍以上20倍以下で
ある。層厚比が前記範囲未満であると十分な絶縁効果が
得られず前記範囲を越えると透磁率やBsの低下が起こ
り好ましい磁気特性が得られない。また各層厚の絶対値
については特に制約はないが軟磁性層が50 Aから20
000 A程度となるように設計することが好ましい。
【0022】本発明では、めっき浴としてNi、Fe、
Coより選ばれる少なくとも2つ以上の金属イオンとMo
イオンと有機酸イオンを含有するめっき浴を用いる。N
i、Fe、Coの各イオンの供給源は硫酸塩、スルファ
ミン塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物塩等の水溶性の塩から
選択することが好ましい。Moはモリブデン酸アンモニ
ウムが特に好ましい。
Coより選ばれる少なくとも2つ以上の金属イオンとMo
イオンと有機酸イオンを含有するめっき浴を用いる。N
i、Fe、Coの各イオンの供給源は硫酸塩、スルファ
ミン塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物塩等の水溶性の塩から
選択することが好ましい。Moはモリブデン酸アンモニ
ウムが特に好ましい。
【0023】めっき浴中の各金属イオン濃度は目的の膜
の合金組成により決定され特に制限はないが、総金属イ
オン濃度が0.05から5 mol/l程度が好ましい。
の合金組成により決定され特に制限はないが、総金属イ
オン濃度が0.05から5 mol/l程度が好ましい。
【0024】めっき浴中には、これらのイオンに加え、
有機酸イオンが含まれる。特に酒石酸イオンが好まし
い。この酒石酸イオンによりそれぞれの金属イオンが錯
体を形成し安定した成膜が可能となる。特に酒石酸を用
いることでと電流密度によるMo含有量の変化を大きく
することが可能となる。酒石酸イオンはロッシェル塩、
酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等の水溶性の塩を用
いる。酒石酸イオンの添加量は総金属イオンの0.1倍
モル以上、特に好ましくは0.2倍モルである。
有機酸イオンが含まれる。特に酒石酸イオンが好まし
い。この酒石酸イオンによりそれぞれの金属イオンが錯
体を形成し安定した成膜が可能となる。特に酒石酸を用
いることでと電流密度によるMo含有量の変化を大きく
することが可能となる。酒石酸イオンはロッシェル塩、
酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等の水溶性の塩を用
いる。酒石酸イオンの添加量は総金属イオンの0.1倍
モル以上、特に好ましくは0.2倍モルである。
【0025】酒石酸イオンの量が前記範囲未満であると
十分な錯体形成が起こらず安定した合金膜が形成されな
い。
十分な錯体形成が起こらず安定した合金膜が形成されな
い。
【0026】めっき浴のpHは好ましくは3.0〜6.
0、より好ましくは3.5〜5.0である。pHが前記
範囲未満であると析出速度が低下し前記範囲を越えると
電流密度による組成変化が小さくなり多層膜が形成され
ない。これは形成される錯体構造が異なるためと考えら
れる。
0、より好ましくは3.5〜5.0である。pHが前記
範囲未満であると析出速度が低下し前記範囲を越えると
電流密度による組成変化が小さくなり多層膜が形成され
ない。これは形成される錯体構造が異なるためと考えら
れる。
【0027】めっき浴にはこの他に導電性向上のために
塩化アンモニウム等の導電助剤、サッカリン等の有機添
加剤、ラウリル硫酸等の界面活性剤を添加しても構わな
い。
塩化アンモニウム等の導電助剤、サッカリン等の有機添
加剤、ラウリル硫酸等の界面活性剤を添加しても構わな
い。
【0028】軟磁性層を成膜時の電流密度は0.5 A/d
m2以上5 A/dm2未満であり特に好ましくは1.0 A/dm2
以上3 A/dm2未満である。前記範囲未満であるとBsが
低下し磁気特性も劣化する。一方、前記範囲を越えると
水素発生反応が多くなり浴が不安定となる。
m2以上5 A/dm2未満であり特に好ましくは1.0 A/dm2
以上3 A/dm2未満である。前記範囲未満であるとBsが
低下し磁気特性も劣化する。一方、前記範囲を越えると
水素発生反応が多くなり浴が不安定となる。
【0029】絶縁を目的とするMoリッチ層はその2分
の1から20分の1、特に好ましくは8分の1から15
分の1の電流密度で成膜される。前記範囲未満であると
析出速度が遅く前記範囲を越えると膜の比抵抗が低下す
る。
の1から20分の1、特に好ましくは8分の1から15
分の1の電流密度で成膜される。前記範囲未満であると
析出速度が遅く前記範囲を越えると膜の比抵抗が低下す
る。
【0030】それぞれの層の層厚は電流密度と印加時間
により制御される。単純な場合には電流密度が10倍に
なれば成膜速度も10倍となる。
により制御される。単純な場合には電流密度が10倍に
なれば成膜速度も10倍となる。
【0031】また層数は3層以上特に好ましくは5層以
上とする。前記範囲未満では絶縁層の目的を達成できな
い。
上とする。前記範囲未満では絶縁層の目的を達成できな
い。
【0032】さらに多層膜構造とすることで磁区構造を
変化させバルクハウゼンノイズを減少させる効果も期待
される。
変化させバルクハウゼンノイズを減少させる効果も期待
される。
【0033】なお本発明の磁性層の厚さは目的により適
宜決定すれば良い。
宜決定すれば良い。
【0034】さらに本発明の磁性合金にはC、S、P、
B、Cr、Sn、Ru、Au、Pd、Ag、Mn、I
n、Pb、Re、W、Zn、Zr、Rh及びPt等から
選択される1種以上の元素を3重量%以下含有すること
で耐食性向上、磁歪制御等も期待される。またこれらの
元素を不純物として微量含有することも特に支障は認め
られないので安価な試薬の使用によるコスト低減も可能
である。
B、Cr、Sn、Ru、Au、Pd、Ag、Mn、I
n、Pb、Re、W、Zn、Zr、Rh及びPt等から
選択される1種以上の元素を3重量%以下含有すること
で耐食性向上、磁歪制御等も期待される。またこれらの
元素を不純物として微量含有することも特に支障は認め
られないので安価な試薬の使用によるコスト低減も可能
である。
【0035】またCuを2〜6重量%含有することでさ
らに透磁率の向上も可能である。
らに透磁率の向上も可能である。
【0036】また磁気異方性を積極的に制御するために
磁場中処理が有効である。軟磁性薄膜の処理としては回
転磁場中や成膜時と直交磁界をかける直交磁場中熱処理
が知られており共に効果がある。
磁場中処理が有効である。軟磁性薄膜の処理としては回
転磁場中や成膜時と直交磁界をかける直交磁場中熱処理
が知られており共に効果がある。
【0037】
【実施例および比較例】以下にその具体的実施例および
比較例を示し本発明を説明する。
比較例を示し本発明を説明する。
【0038】基板はNiFeを500 Aスパッタし下地
膜としたガラスを用い、600 Oeの直流磁界中で一軸
異方性を付与しながら総膜厚がほぼ1 μmとなるように
成膜をおこなった。
膜としたガラスを用い、600 Oeの直流磁界中で一軸
異方性を付与しながら総膜厚がほぼ1 μmとなるように
成膜をおこなった。
【0039】浴組成(1リットル当り) 硫酸ニッケル 330 g 硫酸鉄 4.8 g モリブデン酸アンモニウム 3 g ロッシェル塩 113 g ほう酸 25 g 塩化アンモニウム 15 g サッカリンナトリウム 2 g 成膜条件 浴温 40℃ pH 4.3 電流密度 0.05 A/dm2から10
A/dm2 陽極 TiPt板 磁界強度 1kOe 成膜後異方性制御を目的に成膜時の磁場印加方向と直交
する方向に2kOeの磁界を印加しながら250℃1時間
の真空熱処理を行った。
A/dm2 陽極 TiPt板 磁界強度 1kOe 成膜後異方性制御を目的に成膜時の磁場印加方向と直交
する方向に2kOeの磁界を印加しながら250℃1時間
の真空熱処理を行った。
【0040】透磁率は8の字コイル法を用い30MHzに
て測定し膜組成はIPCで比抵抗は4端子法で、保磁
力、BsはVSMで評価した。膜厚は段差法で多層膜の
全厚を膜厚とした。
て測定し膜組成はIPCで比抵抗は4端子法で、保磁
力、BsはVSMで評価した。膜厚は段差法で多層膜の
全厚を膜厚とした。
【0041】
【表1】
【0042】上記の結果をもとにたとえば0.1 A/dm2
と1.0 A/dm2を順次印加し成膜することで特性の優れ
た軟磁性薄膜が得られることがわかる。
と1.0 A/dm2を順次印加し成膜することで特性の優れ
た軟磁性薄膜が得られることがわかる。
【0043】最初に1.0 A/dm2で300 秒間成膜し
た後0.1 A/dm2で300 秒間さらに1.0 A/dm2で
300 秒間成膜したところ5000 A−4.8Mo−
NiFe/500 A−15.0Mo−NiFe/500
0 A−4.8Mo−NiFeの3層膜が形成された。こ
れを実施例1とした。
た後0.1 A/dm2で300 秒間さらに1.0 A/dm2で
300 秒間成膜したところ5000 A−4.8Mo−
NiFe/500 A−15.0Mo−NiFe/500
0 A−4.8Mo−NiFeの3層膜が形成された。こ
れを実施例1とした。
【0044】同様に各種の電流密度で成膜時間を増減し
て表2に示す各種の構造の多層膜を作製した。
て表2に示す各種の構造の多層膜を作製した。
【0045】
【表2】
【0046】なお、表2において(5000 A−3.8
Mo−NiFe/500 A−13.0Mo−NiFe)
とは5000 Aの3.8重量%のMoを含有する軟磁性
層の上に500 Aの13.0重量%のMoを含有する絶
縁層(Moリッチ層)が形成されていることを示す。ま
た、たとえば(1000 A−8.8Mo−NiFe/1
50 A−15.5Mo−NiFe)×10は(1000
A−8.8Mo−NiFe/150 A−15.5Mo−
NiFe)構造の膜が10回積層されていることを示
す。ただし、最上層のMoリッチ層は不要であり、形成
してない。
Mo−NiFe/500 A−13.0Mo−NiFe)
とは5000 Aの3.8重量%のMoを含有する軟磁性
層の上に500 Aの13.0重量%のMoを含有する絶
縁層(Moリッチ層)が形成されていることを示す。ま
た、たとえば(1000 A−8.8Mo−NiFe/1
50 A−15.5Mo−NiFe)×10は(1000
A−8.8Mo−NiFe/150 A−15.5Mo−
NiFe)構造の膜が10回積層されていることを示
す。ただし、最上層のMoリッチ層は不要であり、形成
してない。
【0047】その透磁率とBsの結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】この結果から本発明の効果は明確である。
【0050】
【発明の効果】本発明の軟磁性めっき薄膜は、層間絶縁
性に優れたMoリッチ層と軟磁性層が交互に積層された
多層膜構造になっているので、高周波特性に優れてい
る。
性に優れたMoリッチ層と軟磁性層が交互に積層された
多層膜構造になっているので、高周波特性に優れてい
る。
【0051】また、本発明の方法によれば、単一のめっ
き浴を用いて、電流密度を交互に変えるだけの簡単な成
膜プロセスで、高周波特性の優れた軟磁性めっき薄膜を
安定で、安価に製造することができる。
き浴を用いて、電流密度を交互に変えるだけの簡単な成
膜プロセスで、高周波特性の優れた軟磁性めっき薄膜を
安定で、安価に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 Ni、Fe、Coより選ばれる少なくと
も2種以上と2wt%以上9wt%以下のMoを含有する軟磁
性層と、 Ni、Fe、Co,より選ばれる少なくとも2種以上と
10wt%以上のMoを含有するMoリッチ層が積層され
ており、 前記軟磁性層の層厚が前記Moリッチ層の層厚の2倍以
上100倍以下である軟磁性めっき薄膜。 - 【請求項2】 Ni、Fe、Coより選ばれる少なくと
も2種以上の金属イオンとMoイオンと有機酸イオンと
を含有する単一のめっき浴を用いて、 成膜時に電流密
度を変化させて請求項1の軟磁性めっき薄膜を製造する
方法において、 前記軟磁性層を0.5A/dm2以上5A/dm2未満の電流密度
で成膜し、 前記Moリッチ層を前記軟磁性層を成膜する電流密度の
2分の1から20分の1の電流密度で成膜する軟磁性め
っき薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記有機酸は酒石酸である請求項2の軟
磁性めっき薄膜の製造方法。
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US6183881B1 (en) | 1998-08-04 | 2001-02-06 | Fujitsu Limited | Magnetic thin film and method for forming the same |
KR100757759B1 (ko) * | 1998-12-14 | 2007-09-12 | 후지쯔 가부시끼가이샤 | 자성 재료와 그것을 이용한 자기 헤드 및 자기 기록 장치 |
WO2015007384A1 (de) * | 2013-07-15 | 2015-01-22 | Fachhochschule Kaiserslautern | Verfahren zur herstellung magnetischer funktionsschichten, magnetischer schichtwerkstoff sowie bauelement mit einem magnetischen schichtwerkstoff |
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1993
- 1993-10-20 JP JP26235493A patent/JP3431238B2/ja not_active Expired - Fee Related
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