JP3600681B2 - 磁性薄膜および磁性多層膜ならびに磁性薄膜の製造方法 - Google Patents

磁性薄膜および磁性多層膜ならびに磁性薄膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜磁気ヘッド、薄膜トランス等の磁気デバイス、特に高周波領域で使用される上記磁気デバイスに使用される磁性薄膜および磁性多層膜、ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜磁気ヘッド、薄膜トランス、薄膜インダクタ等の薄膜磁気デバイスの磁気コアに使用される磁性薄膜の特性として特に重要視されているものに透磁率μと、比抵抗ρがある。パーマロイは優れた磁性合金であるが比抵抗が20μΩcm程度と小さく高周波回路、特に数十MHz 以上の周波数で使用すると渦電流損失が大きくなり効率が大幅に低下してしまうという問題があった。より具体的には、このものを薄膜磁気ヘッドの磁気コアとして用いた場合には再生出力の低下、書き込み磁界の低減が生じ、また、薄膜トランスに用いた場合には変換効率の低下が生じていた。また、磁気コア内に磁化の分布が生じてしまうことも多々あり、この場合には特に問題となる磁気コアの一部分のみに高比抵抗の材料を用いて対処することもなされていた。
【0003】
ところで、磁性薄膜の高比抵抗化の実現ためには、後述するように第三元素を添加することが有効であること知られているが、軟磁性薄膜としてもう一つの重要な特性である飽和磁束密度を低下させてはならない。この飽和磁束密度を所定の値に保ちつつ、高比抵抗を実現することは実際に困難な問題であった。
【0004】
このような課題に対処するために本願に係る発明者らは、すでに電気化学および工業化学1995年6 月号473 ページに、第3元素としてモリブデンを添加することにより高比抵抗の膜が得られること、およびこの高比抵抗の膜と他の磁性膜とを積層して形成した軟磁気特性に優れた磁性多層膜を報告している。この膜の飽和磁束密度Bs は、0.71から0.62Tとやや低いものの、比抵抗は高く、40から300μΩcm程度であり、特に磁気特性が良い条件では60μΩcmであった。
【0005】
フェロマグネチズム(IEEE Press,D.Van.Nostrand Company)の150 ページにはNi−Fe 合金バルク材料にクロムを添加することで比抵抗が上昇することが開示されている。しかし、同時に飽和磁束密度が急激に低下してしまうことも示されている。例えば75%ニッケル− 鉄合金の比抵抗は20μΩcm以下であるが、クロムを5%添加すると比抵抗は約70μΩcmと約3.5倍にもなる。この反面、飽和磁束密度は11kGから7kGと約40%も低下している。
【0006】
めっき法によるNi−Fe−Cr合金磁性合金薄膜としては、ジャーナルオブエレクトロケミストリー誌、1995年1031ページに、Ni−Fe−Cr合金磁性薄膜を電解法により形成する旨の提案がなされている。しかしながら、磁性薄膜としての具体的な特性、比抵抗は開示されていない。またクロム含有量は2%から8.3%に及ぶが、飽和磁束密度はクロム未含有のパーマロイに比べて50%程度に低下している。
【0007】
一方、高比抵抗の材料としては薄膜抵抗体用材料の用途にNi−P−Cr 合金薄膜の研究も盛んである。例えば発明者らは1995年第4 回アジアサーフィスフィニシングフォーラムにおいて電解法により得られる高比抵抗のNi−Cr−P 合金を報告している。βアラニンを錯化剤として添加することで膜中に2.5wt%のクロムを共析することが可能となり1200μΩcmという非常に高い比抵抗値が得られている。しかし、磁性合金としての可能性は全く不明であった。
【0008】
無電解法によるNi−Cr−P 膜としては、電気情報通信学会論文誌1978/8、J61− C,No.8、517 ページに、薄膜抵抗体用材料としてクロムを最大3 %程度含んだ合金は温度等による抵抗変化率が小さいことが報告されている。同様に特開平2−129381号にはNi−Cr−P 系の2元または3元の合金電気めっき層を形成することが開示されている。クロム含有量は0.5%以内であり、抵抗値として0.02Ωから100 Ωの初期抵抗が可能であるとされているが、具体的にどのようにして変えるのかは開示されていない。また、当該公報における実施例の試料の抵抗値は21.21 から21.51 Ωと殆ど一定である。さらに特開平2−30790 号には鉄族元素(鉄の塩化物、コバルトの塩化物、ニッケルの塩化物の1 種もしくは2 種以上)とクロムの塩化物、次亜燐酸塩を含有するめっき浴を用いて合金を電着する方法が開示されている。しかしながら、これらの合金は磁性合金としての利用は全く考慮されていないためにクロム含有量が13から15at%と多く、このものはたとえば耐蝕性が良いことのみ着目されているにすぎない。
【0009】
また、無電解めっき法による磁性薄膜に関しては、表面技術誌1994年202頁〜206頁にNi−Fe−P合金系についての検討結果が報告されている。しかしながら、この報告では比抵抗に関しての言及はなく、もっぱら浴の安定性や軟磁気特性に注目しているのみである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような実情のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は比抵抗が極めて高く、かつ飽和磁束密度の低下が少なくて良好な磁気特性を有する磁性薄膜および磁性多層膜、ならびにそれらの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明は、Ni、FeおよびCoの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属と、リンと、炭素とを含むめっき法により成膜された磁性薄膜であって、前記リン含有量が2at%以上25at%以下であり、前記炭素含有量が0.1at%以上5at%以下であり、比抵抗が300μΩcm以上となるように構成される。
【0012】
本発明の好ましい態様として、前記磁性薄膜には、さらに窒素が含有され、その窒素含有率が1ppm以上5000ppm以下となるように構成される。
【0013】
本発明の好ましい態様として、少なくとも2種類以上の異なる組成の薄膜を積層した多層膜であって、少なくとも1層が上記記載の磁性薄膜からなるように構成される。
有率が1ppm以上5000ppm以下となるように構成される。
【0014】
また、本発明は、上記記載の磁性薄膜の製造方法であって、該方法は、Ni、Fe、およびCoの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属イオンと、次亜リン酸イオンおよび/または亜リン酸イオンと、アミノ基を有する有機化合物とを含有するめっき浴を用いて製造される。
【0015】
本発明の好ましい態様として、前記めっき浴中のアミノ基を有する有機化合物が、βアラニンおよび/またはジエチレントリアミンであるように構成される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
【0031】
本発明の磁性薄膜は、図1に示されるように基板10上に、無電解めっき法により成膜された磁性薄膜20であって、この磁性薄膜20は、主成分としてNi、FeおよびCoの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属と、P(リン)を含有している。磁性薄膜中のP(リン)の含有率は、2〜25at%、好ましくは、3〜20at%に設定される。このP含有量が2at%未満となると、良い軟磁気特性が得られなくなり、また、25at%を超えると飽和磁束密度Bsが急激に低下するとともにやはり良好な軟磁気特性が得られなくなるという不都合が生じる。
【0032】
磁性薄膜を形成する主成分となるNi、Fe、Coの含有量には特に制限はなく、目的とする特性が得られるように適宜設定される。例えば、Ni−Fe合金系でパーマロイ組成を作成する場合には、Niは70〜80at%、Feは15〜25at%とされる。Co−Fe合金で磁歪ゼロの組成を目標とする場合には、Coは80〜95at%、Feは5〜15at%とされる。
【0033】
本発明における無電解めっき法により成膜された磁性薄膜は、比抵抗が300μΩcm以上、さらには1000μΩcm以上の膜物性を備えている。この比抵抗の上限値は、特に限定されるものではないが、通常、50000μΩcm程度とされる。その具体的製造方法の詳細については後述する。
【0034】
本発明の磁性薄膜の中には、さらに膜の比抵抗を大きくするための手段として、0.01〜1at%、より好ましくは0.02〜1at%のCr(クロム)を含有させることが好ましい。このCr含有量が、0.01at%未満となると、比抵抗が高くならず、また、1at%を超えると、飽和磁束密度Bsが低下すると同時にやはり良い軟磁気特性が得られないという不都合が生じてしまう。
【0035】
さらに本発明の磁性薄膜の中には、S、B、Sn、Ru、Au、Pd、Ag、Mn、Mo,In、Pb、Re、W、Zn、Zr、Rh及びPt等から選択される1種以上の元素を1at%以下の範囲で含有させることもできる。これにより、耐食性の向上や、磁歪の制御等が期待される。またこれらの元素を不純物として微量含有することも特に支障は認められないので安価な試薬の使用によるコストの低減も可能である。また、Cuを1〜5at%の範囲で含有させることでさらに透磁率の向上も期待できる。
【0036】
また、Mo、W、Sn、Mnを1〜5at%の範囲で含有させることで結晶化温度を上昇させることが可能であり、耐熱性を向上させるためには、これらの添加は特に好ましい態様となる。なお、これらの元素は、アモルファス磁性金属において結晶化温度を上げることが広く知られている。
【0037】
また磁気異方性を積極的に制御するために磁性薄膜の磁場中処理が有効である。磁性薄膜の処理としては回転磁場中や成膜時に直交磁界をかける直交磁場中熱処理が知られており共に効果がある。
【0038】
このような本発明の磁性薄膜20の厚さについては特に制約はないが、通常、100〜100000Å程度の範囲となるよう設定される。
【0039】
次に、本発明の磁性薄膜20を形成するための無電解めっき法について説明する。
【0040】
本発明では、Ni、Fe、Coより選ばれる少なくとも2つ以上の金属イオンと、次亜リン酸および/または亜リン酸イオンを含有するめっき浴が用いられる。また、さらに好ましい態様としてCrイオンが含有される。
【0041】
Ni、Fe、Coの各イオンの供給源は、硫酸塩、スルファミン塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物塩等の水溶性の塩から選択することが好ましい。めっき浴中の各金属イオン濃度は、目的とする膜の合金組成により適宜決定されるものであり、特に制限はないが、総金属イオン濃度が0.01〜5モル/リットル程度が好ましい。
【0042】
めっき浴には還元剤かつリンの供給剤として、次亜リン酸イオン、亜リン酸イオンが含まれる。溶解性が良くかつ安価な薬品を用いることが好ましく、これらのナトリウム塩、カリウム塩、酸が好適に用いられる。めっき浴中のリン化合物の濃度は、0.01〜0.5モル/リットル程度、好ましくは、0.1〜0.5モル/リットル程度である。また、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、三塩化チタン等の還元剤を用いることも可能である。この場合には上記リン系還元剤に加えてリン供給源としてリン酸等を用いることができる。
【0043】
めっき浴中には、上記のイオンに加え、アミノ酸イオンすなわちアミノ基とカルボキシル基を共に有するイオン、例えば、βアラニン、グルタミン酸、αアラニン等が含有される。これらの中でも、特に、βアラニンを用いることが好ましい。このアミノ酸イオンの添加により、金属イオンが錯体を形成し安定した膜の形成が可能となると同時に高い比抵抗を有する膜が得られる。アミノ酸イオンの添加量は、金属イオン濃度に対するモル比が重要であり、金属イオン濃度に対して0.5倍以上、特に2倍以上のモル濃度が好ましい。当該モル比の上限値は特に具体的数値で限定されるものではなく、アミノ酸の溶解限度により必然的に規定されるものである。このアミノ酸の溶解度は、アミノ酸の種類、pHにより、異なるが概ね1〜10モル/リットル程度である。アミノ酸イオン添加量の絶対値としては、0.04モル/リットル以上、特に好ましくは、0.08モル/リットル以上である。しかもアミノ酸の溶解限度範囲内で溶解限度の近傍の添加量とすることが好ましい。アミノ酸イオンの添加量が、前記範囲未満であると十分な錯体形成が起こらず安定した合金膜が形成されないと同時に膜の比抵抗が所望の高い値にならない。この一方で、上限値は、多いほど好ましいが、溶解度を超えると、溶解性が十分でなくなり浴の白濁等が起こると同時に浴の粘度が上昇し作業性に問題が生じるため、溶解度の限界以下の使用に規制される。
【0044】
また、前記のアミノ酸イオンに変えて、カルボキシル基を有さずアミノ基を有する有機化合物、例えば、ジエチレントリアミン、ジエチルエチレンジアミン、イソブチルアミン、アミノブタノール、プロピルアミン等をめっき浴中に含有させることも好適な実施態様である。この中で、特に好ましいのはジエチレントリアミンである。また、この有機化合物は、アミノ酸イオンと併用してもよい。
【0045】
めっき浴のpH値は、4.0以上8.0未満、より好ましくは、4.5以上7.5以下である。pH値が4.0未満であると析出速度が低下し生産性が悪くなる。また、pH値が8.0以上となると、浴が不安定となると同時に成膜された膜の比抵抗が低くなり好ましくない。これは形成される錯体構造が異なるためと考えられる。ただし、ジエチレントリアミン等のアミノ基を有する有機化合物をめっき浴中に含有させる場合、めっき浴のpH値は、4.0以上10.0未満、より好ましくは、4.0以上9.5以下である。pH値がこの範囲を外れるやはり上記と同様の問題点が生じてしまう。
【0046】
めっき浴にはこの他に導電性向上のために塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等の導電助剤、サッカリン等の有機添加剤、ラウリル硫酸等の界面活性剤、ほう酸等を添加してもよい。特に、アンモニウムイオンは、鉄イオンと安定錯体を形成し、浴安定化に効果がある。さらに、有機酸またはその可溶性の塩、特に好ましくはクエン酸またはその塩を添加することでpHが高い場合でも鉄イオンの沈殿を防止できる。このような有機酸の添加量は金属イオン濃度の0.5倍から2倍程度が好ましい。有機酸の添加量が少ないと錯化が不十分となり、沈殿を起こしやすくなる。また、有機酸の添加量が多くなりすぎると浴の粘度が上昇して作業性が低下してしまう。
【0047】
また、めっき浴中にクロムイオンを添加することでより高い比抵抗の膜を得ることが可能となる。クロムイオンの添加量は、0.04〜0.8モル/ リットル程度、特に好ましくは、0.08〜0.3モル/ リットルである。この時の膜中Crの含有量は、前述したように、0.01〜1at%である。Crは安定化のためにアミノ酸で錯体化したクロム錯体を用いることが特に好ましい。このクロム錯体は、たとえばグリシン、βアラニン等と塩化クロム等の三価クロム溶液とを混合し、50〜90℃の温度中、1〜10時間放置して熟成することで得られる錯化クロムである。特に、βアラニンを用いることでクロムイオンの安定化と膜へのクロム共析が容易となる。
【0048】
上述してきた磁性薄膜は、無電解めっき法により形成される1層のみの膜を考えてきたが、さらにこの膜をも含めた多層の膜とすることもできる。すなわち、少なくとも2種類以上の異なる組成の薄膜を積層した多層膜において、その中の少なくとも1層が、上記の高い比抵抗値を有する本発明の磁性薄膜となるようにするのである。積層の数については、特に制限はなく、目的とする多層膜の特性が得られるように適宜、選定すればよい。
【0049】
多層膜成膜方法としては、異なる2種類以上のめっき浴を用いて順に成膜していくDual Bath 方式や、同一めっき浴中で無電解めっき反応と電気めっき反応を交互に行う電流変調方式等が知られている。本発明においては特に磁性多層膜の少なくとも1層を電気めっき法により成膜させることが望ましい。すなわち、同一めっき浴中で、無電解反応による成膜と、電流を印加した電気めっきによる成膜を交互に行うことで多層膜作成が可能となる。図2は、この多層膜の状態を模式的に示したものであり、符号20が無電解反応による成膜した膜であり、符号25が電気めっきにより成膜した膜である。交互にそれぞれ、2層積層した例が示してある。
【0050】
電気めっき法を組み合わせる場合、電気めっき法による成膜時の電流密度は、0.5〜20A/dm 、特に好ましくは、0.5〜20A/dm の範囲で行うのがよい。電流密度が0.5A/dm 未満となると成膜速度が遅くなり、また20A/dm を超えると、水素発生反応が多くなり浴が不安定となってしまう。
【0051】
また、多層膜構造における各層の厚さについては特に制約はないが、通常、50〜20000Å程度となるように設計することが好ましい。多層膜(磁性多層膜)構造とすることで比抵抗と磁気特性のバランスをとることが可能となり、また磁区構造を変化させてバルクハウゼンノイズを減少させる効果も期待される。さらに、電気めっき法では電流密度を高く設定することで無電解めっきに比べて速い成膜速度が容易に得られることから生産性が向上する。
【0052】
上述してきた本発明の磁性薄膜が、なぜ高比抵抗となるのかは未だ明らかにされていない。一般に、電気めっき法により成膜されたNi−Cr−P 合金では、膜中のクロム含有量と比抵抗との関係は、バルクのNi−Fe−Cr合金と同様に比例関係にある。しかしながら、本発明の無電解めっきにより形成された膜は、クロム含有量がゼロでも1000μΩcm以上、またクロムが含有されれば含有量1at%以下でも4000μΩcm以上という、非常に高い比抵抗が得られ、クロム含有量と比抵抗の間には明確な関係は認められない。このため膜中に含有されるクロムでなく、浴中にあるクロムイオンの作用が重要で特異な構造の膜が成膜されるためと考えられる。クロム含有量0.01at%とは微量のクロムイオンを添加した浴から得られる膜に含まれているクロム含有量であり、めっき膜の組成分析に通常用いられる蛍光X線分析法のほぼ限界値である。またクロム含有量がゼロでも高い比抵抗が得られることから浴中に添加したアミノ酸イオン、特に、βアラニン、αアラニン、Lグルタミン酸あるいはアミノ基を有する有機化合物、特にジエチレントリアミン等が膜に共析し炭化物を形成している可能性も考えられる。炭化物は完全な結晶ではなく、不安定な準安定相としての形態であろう。また析出形態が柱状となり、その柱と柱の間を特に高比抵抗な組成物が充填している構造が形成されている可能性もある。ちなみに、膜中に含有される炭素量は、0.1at%〜20at%の範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜5at%の範囲である。この値が0.1at%未満となると、比抵抗値が高くならず、また、この値が20at%を超えると、析出速度が極端に低下し、生産性が大幅に低下すると同時に膜の飽和磁束密度の低下や、成膜のための浴が不安定になる傾向にあることがわかっている。膜中に含有される炭素量のコントロールは、浴に添加されるアミノ基を有する有機物の添加量、浴のpH、温度、攪拌等により可能である。
【0053】
ところで、本発明に用いられる添加剤はいずれも窒素および酸素を有している。そのため、磁性薄膜形成の析出時に、添加剤が電気分解されることで、膜中に窒素、および酸素も取り込まれる。磁性薄膜中に含有される窒素量は、1ppm〜5000ppmの範囲が好ましい。この窒素量が、1ppm未満となると比抵抗が上昇しないばかりか膜の軟磁気特性が悪くなってしまうという不都合が生じる。この窒素量が5000ppmを超えると成膜が困難となる。磁性薄膜中に含有される酸素量は、200ppm〜10000ppmの範囲が好ましい。この酸素量が、200ppm未満となると比抵抗が上昇しないばかりか磁性薄膜の飽和磁束密度が低下するという不都合が生じる。この酸素量が10000ppmを超えると成膜が困難となる。なお、窒素と酸素の共析は同じメカニズムであるため、それぞれの効果を分離して確認することは困難である。磁性薄膜中に共析される窒素と酸素量は、上記の炭素量と同様に添加剤の濃度、特に添加剤と金属イオン濃度の比、またはめっき浴のpH、温度、攪拌等により変化させることが可能である。
【0054】
特に、本発明の磁性薄膜は、無電解めっきによる成膜のため、凹凸のある面上にも均一な成膜が可能であると同時に、300μΩcm以上、特に、1000μΩcm以上、さらには4000μΩcm以上の高い比抵抗の膜が連続して成膜可能である。電気めっきでは成膜された膜の電気抵抗が高いとそれが成膜の障害となり成膜時の電圧が上昇して成膜困難となる。しかし、無電解めっき成膜では表面での反応のため超高比抵抗膜でもなんら支障無く連続成膜が可能となる。
【0055】
本発明で得られる磁性薄膜および磁性多層膜(膜全体)の比抵抗は、上述のごとく300μΩcm以上、特に1000μΩcm以上である。1000μΩcm以上の高い比抵抗の金属磁性薄膜を得ることは、従来の方法では非常に困難であったが本発明により容易に実現可能となった。
【0056】
また、本発明で得られる磁性薄膜および磁性多層膜の保磁力Hcは、3Oe以下、特に、0.01〜3Oe、さらに好ましくは、1Oe以下、特に、0.01〜1Oeである。保磁力Hcが、3Oeを超えると高い透磁率が得られない。
【0057】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0058】
(実施例1〜4および比較例1)
ガラス基板を、アルカリ脱脂処理、硝酸中和処理、およびフッ酸エッチング処理した後に、さらに塩化スズ、塩化パラジウムによる触媒化処理を行った。
【0059】
このような処理を行った基板をめっき浴中に浸漬させて、磁性薄膜の形成を行った。磁性薄膜の成膜に際しては、対向永久磁石により600Oeの直流磁界中で一軸異方性を付与しながら総膜厚がほぼ1μmとなるように成膜をおこなった。用いた浴組成および成膜条件は、下記表1に示す通りである。なお、表1中の『クロム錯体』は、塩化クロム0.8モル/リットル濃度の溶液と、βアラニン3.2モル/リットル濃度の溶液を混合し、80℃に2時間保持して熟成したものである。クロム錯体の添加量は含まれるクロムイオンのモル数で示した。
【0060】
【表1】
Figure 0003600681
これら磁性薄膜サンプルの膜組成および膜特性を下記表2に示す。
【0061】
【表2】
Figure 0003600681
表2中、透磁率μは、8の字コイル法を用い30MHz にて測定し、比抵抗ρは4端子法で、保磁力Hcおよび飽和磁束密度BsはVSM(vibrating samplemagnetometer) で評価した。膜厚は段差法で測定した。膜組成は蛍光X線分析法で原子番号9以上の元素について測定した。また、膜中の炭素含有量は炭素硫黄分析装置にて、別途定量分析を行った。
【0062】
表1および表2の結果より、本発明の磁性薄膜は、飽和磁束密度の低下を抑えたまま、非常に高い比抵抗を有していることがわかる。透磁率も極めて高いことがわかる。
【0063】
次に、前記表1の実施例4の浴組成において、浴組成中の次亜リン酸ナトリウムの濃度を種々変えて、成膜実験を行うことによって、磁性薄膜内のP(リン)含有率を種々変えたサンプルを作製し、このP(リン)含有率が膜特性に及ぼす影響を調べた。
【0064】
結果を下記表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0003600681
表3の結果より、磁性薄膜のP(リン)含有率が2.0〜25.0at%の範囲で本発明の良好な膜特性が得られることがわかる。
【0066】
次に、前記表1の実施例4の浴組成を基本浴組成とし、浴中のpHを種々変えて、成膜実験を行うことによって、種々の磁性薄膜サンプルを作製し、pHが成膜速度および膜特性(特に、比抵抗)に及ぼす影響を調べた。
【0067】
結果を下記表4に示す。
【0068】
【表4】
Figure 0003600681
表4の結果より、pHが、4以上8未満の範囲で本発明の良好な膜特性が得られることがわかる。
【0069】
次いで、前記表1の実施例4の浴組成において、浴組成中のβアラニンの濃度を種々変え、(βアラニン/金属イオン)の比を変化させて成膜実験を行うことによって、種々の磁性薄膜サンプルを作製し、(βアラニン/金属イオン)の比が膜特性に及ぼす影響を調べた。
【0070】
結果を下記表5に示す。
【0071】
【表5】
Figure 0003600681
表5の結果より、浴中の(βアラニン/金属イオン)の比が0.5以上の範囲で本発明の良好な膜特性(特に、比抵抗)を有する磁性薄膜が得られることがわかる。
【0072】
(実施例5および比較例2〜4)
ガラス基板の上に、下地膜としてCuを500Å厚さにスパッタ形成し、このものを磁性薄膜形成用基板とし、必要に応じて行われる電気めっき時には白金板を陽極に用い、下記表6に示されるめっき浴組成、めっき条件で、基板上に磁性薄膜を成膜した。膜厚は、ほぼ1μmとなるようにめっき時間を定めた。
【0073】
【表6】
Figure 0003600681
これら磁性薄膜サンプルの膜組成および膜特性を下記表7に示す。
【0074】
【表7】
Figure 0003600681
表7中、膜特性の測定方法は前述したとおりである。ただし、比抵抗は下地膜のCu(銅)の比抵抗実測値である2.1μΩcmを考慮しつつ計算して、当該めっき膜自体の比抵抗を求めた。
【0075】
表6および表7の結果より、本発明の磁性薄膜は、飽和磁束密度の低下を抑えたまま、非常に高い比抵抗を有していることがわかる。透磁率も極めて高いことがわかる。
【0076】
(実施例6)
上記実施例2と同様のめっき浴組成および浴条件を用い、間欠的に電解を行うことで、無電解めっきにより形成された膜および電解めっきにより形成された膜を交互に積層した磁性多層膜を作製した。用いた基板および電気めっきのための電流密度条件は比較例4と同様とした。すなわち、電気めっきの際の電流密度は5A/dm とし、3秒間電流を印加して電気めっきでの成膜を行い、その後、4秒電流を流さず無電解反応による成膜が起こるようにし、これを繰り返して多層膜を得た。得られた多層膜の組成、構造は、[ 50Å 66Ni−14Fe−20P−0.1Cr/ 450 Å 63Ni−17Fe−18P−2.0Cr] ×20であった。なお、[50 Å 66Ni−14Fe−20P−0.1Cr/ 450 Å 63Ni−17Fe−18P−2.0Cr] ×20とは50Å厚さの66at%Ni,14at%Fe,20at%P,0.1at%Cr 合金膜と、450Åの63at%Ni−17at%Fe−18at%P−2.0at%Cr 合金層が20回積層されていることを示す。おおよその成膜速度は、無電解めっき時には15Å/秒で、電気めっき時には150 Å/秒であり、無電解めっきのみに比べて短い時間で所望の膜厚が得られた。
【0077】
このようにして得られた多層膜の比抵抗は、1050μΩcmと比較的高く、保磁力Hc=0.5Oe、透磁率μ=3500、飽和磁束密度Bs=0.65Tとバランスのとれた特性が得られることが確認された。
【0078】
(実施例7〜13および比較例5〜6)
ガラス基板上にスパッタ法により50Åの白金薄膜を形成し、触媒層とした。この基板をめっき浴中に浸漬させて、磁性薄膜の形成を行った。磁性薄膜の成膜に際しては、対向永久磁石により600Oeの直流磁界中で一軸異方性を付与しながら総膜厚がほぼ1μmとなるように成膜をおこなった。用いた浴組成および成膜条件は、下記表8および表9に示す通りである。
【0079】
【表8】
Figure 0003600681
【0080】
【表9】
Figure 0003600681
これら磁性薄膜サンプルの膜組成および膜特性を下記表10および表11に示す。
【0081】
【表10】
Figure 0003600681
【0082】
【表11】
Figure 0003600681
表8〜表11の結果より、本発明の磁性薄膜は、非常に高い比抵抗を有していることがわかる。透磁率も極めて高いことがわかる。
【0083】
(実施例14〜17および比較例7)
前記実施例1と同様の前処理を行ったガラス基板を用い、このものをめっき浴中に浸漬させて、磁性薄膜の形成を行った。
【0084】
磁性薄膜の成膜に際しては、対向永久磁石により600Oeの直流磁界中で一軸異方性を付与しながら総膜厚がほぼ1μmとなるように成膜をおこなった。用いた浴組成および成膜条件は、下記表12に示す通りである。また、一部の試料については真空熱処理炉にて300℃、1時間の熱処理を行った。
【0085】
【表12】
Figure 0003600681
これらの磁性薄膜サンプルの膜組成および膜特性を下記表13に示す。なお、表13中、膜中の窒素および酸素の含有量は溶解法にて定量分析を行った。
【0086】
【表13】
Figure 0003600681
上記表12および表13の結果より、本発明の磁性薄膜は、高い比抵抗と低い保磁力を有していることがわかる。透磁率も極めて高いことがわかる。なお、ジエチレントリアミンを添加剤として用いた磁性膜について300℃の熱処理を行うと、比抵抗の低下は見られるが、低下後であっても、依然として300μΩcm以上の高い比抵抗を有していることが確認された。
【0087】
以上の結果から本発明の磁性薄膜は非常に高い比抵抗、高い透磁率が得られ、かつ飽和磁束密度の低下が小さいことがわかり本発明の効果は明確である。
【0088】
【発明の効果】
本発明の磁性薄膜および磁性多層膜は、極めて高い比抵抗を示す膜であり、且つ低保磁力であることから高周波での透磁率が高い。また、本発明による磁性薄膜は無電解めっきにより成膜されるため、いわゆる電解では成膜できない極めて高い比抵抗膜の連続成膜が可能となる。さらに電気めっきおよび無電解めっきをを併用して多層化した多層磁性薄膜は、成膜速度も速く生産性に優れかつ特性のバランスのとれた磁性膜となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性薄膜の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の磁性多層膜の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…基板
20…磁性薄膜(無電解めっき法による)
25…磁性薄膜(電気めっき法による)

Claims (5)

  1. Ni、FeおよびCoの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属と、リンと、炭素とを含むめっき法により成膜された磁性薄膜であって、
    前記リン含有量が2at%以上25at%以下であり、前記炭素含有量が0.1at%以上5at%以下であり、比抵抗が300μΩcm以上であることを特徴とする磁性薄膜。
  2. 前記磁性薄膜には、さらに窒素が含有され、その窒素含有率が1ppm以上5000ppm以下である請求項1に記載の磁性薄膜。
  3. 少なくとも2種類以上の異なる組成の薄膜を積層した多層膜であって、少なくとも1層が請求項1または請求項2に記載の磁性薄膜からなることを特徴とする磁性多層膜。
  4. 請求項1または請求項2に記載の磁性薄膜の製造方法であって、該方法は、Ni、Fe、およびCoの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属イオンと、次亜リン酸イオンおよび/または亜リン酸イオンと、アミノ基を有する有機化合物とを含有するめっき浴を用いてなる磁性薄膜の製造方法。
  5. 前記めっき浴中のアミノ基を有する有機化合物が、βアラニンおよび/またはジエチレントリアミンである請求項4に記載の磁性薄膜の製造方法。
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