JPH07121839A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH07121839A
JPH07121839A JP28454993A JP28454993A JPH07121839A JP H07121839 A JPH07121839 A JP H07121839A JP 28454993 A JP28454993 A JP 28454993A JP 28454993 A JP28454993 A JP 28454993A JP H07121839 A JPH07121839 A JP H07121839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electrode
magnetic head
electrode layer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28454993A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yamada
稔 山田
Yasuhiro Yabe
泰弘 矢部
Kenji Honda
賢治 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP28454993A priority Critical patent/JPH07121839A/ja
Publication of JPH07121839A publication Critical patent/JPH07121839A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気抵抗効果素子(MR素子)を使用した薄
膜磁気ヘッドにおいて、MR素子の上に形成される層の
膜厚を均一にし、電気的絶縁耐圧の低下を防ぎ、ギャッ
プ長を均一に設定できるようにする。 【構成】 下部ギャップ層11の上に三層構造のMR素
子12を形成する。MR素子12の上に絶縁層21a
を、下部ギャップ層11の上に絶縁層21bを同時に形
成し、MR素子12の両端部上面から下部ギャップ層1
1の表面にかけて、絶縁層21a,21bと同じ膜厚の
電極層13,13を形成し、絶縁層21aの幅寸法によ
りトラック幅Twを決める。その上に上部絶縁材料層2
2とシールド層4を形成すると、これらの層の膜厚は均
一になる。上部絶縁材料層22の膜厚が均一であるた
め、絶縁耐圧の低下を防ぐことができ、またギャップ長
Glを均一な値に設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば浮上式磁気ヘッ
ドなどとして使用される薄膜素子を使用した磁気ヘッド
に係り、特に磁気抵抗効果素子を覆う層を平坦化できる
ようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図11は、薄膜素子を使用した磁気ヘッ
ドの一例としてハードディスク装置用の浮上式磁気ヘッ
ドHを示している。この磁気ヘッドHのスライダ1は、
(イ)がディスク面の移動方向の上流側に向くリーディ
ング側で、(ロ)がトレーリング側である。スライダ1
のディスクに対向する面では、レール状のABS面1
a,1a,1bと、ABS面の間のエアーグルーブ1c
とが形成されている。そしてスライダ1のトレーリング
側の端面1dに薄膜素子2が設けられている。
【0003】図12は図11のXII−XII線断面の
拡大図であり、薄膜素子2の積層構造を示している。こ
の薄膜素子2では、スライダ1のトレーリング側端面1
dに例えばメッキパーマロイ(NiFe)による下部シ
ールド層3が形成され、この下部シールド層3と、同じ
くメッキパーマロイによる上部シールド層4との間に、
磁気抵抗効果素子(MR素子)を含む再生ヘッド層10
が設けられている。上部シールド層4の表面には上部コ
ア層5が形成され、上部シールド層4と上部コア層5と
の接続部5aをほぼ中心として平面状に螺旋形成された
コイル層6が設けられている。そして上部コア層5とコ
イル層6とが保護膜7により覆われている。上部シール
ド層4は下部コアとして機能し、この上部シールド層4
と上部コア層5との対向部がABS面1bに現れて、イ
ンダクティブ型記録ヘッドの磁気ギャップGが形成され
ている。
【0004】図13は、前記下部シールド層3と上部シ
ールド層4との間に形成された再生ヘッド層10の基本
的な構造を模式的に示すものであり、図12のXIII
矢視方向から見た拡大正面図である。図13に示すよう
に、再生ヘッド層10の基本的な積層構造では、下部シ
ールド層3の表面に非磁性体であるアルミナ(Al
23)の下部ギャップ層11が形成され、この下部ギャ
ップ層11上に磁気抵抗効果素子(MR素子)12が積
層されている。このMR素子12は三層構造であり、下
からSAL膜12a、非磁性材料のSHUNT膜12
b、磁気抵抗効果を有するMR膜12cが積層されて構
成されている。
【0005】MR素子12の両縁部上面から下部ギャッ
プ層11の表面にかけて、電極層13が形成されてい
る。この電極層13は、下層が反強磁性層(アンチフェ
ロー層;AF層)13aで、上層が導電層13bであ
る。さらに電極層13,13の表面はアルミナなどの上
部ギャップ層15により覆われ、その上部が前記上部シ
ールド層4となっている。この再生ヘッド層10では、
MR膜12cと、下部シールド層3または上部シールド
層4との間の距離によりギャップ長(Gl)が決められ
る。またトラック幅Twは、MR膜12cにおいて、電
極層13と13との間でセンス電流が流れる範囲により
決められる。
【0006】図14(A)〜(D)は、実際に行われて
いる従来の再生ヘッド層10の製造方法を工程順に示
し、図15は図14の各工程にて完成したものを示して
いる。図14(A)に示すように、最初に下部ギャップ
層11の表面に三層構造のMR素子12を積層し、MR
素子12の表面の中央部と、下部ギャップ層11の表面
にレジスト膜Rをパターン成膜する。次に図14(B)
に示すように、下部ギャップ層11とレジスト膜Rの表
面にAF層13aとなる材料をスパッタリング形成す
る。図14(C)に示すように、レジスト膜Rを除去し
てAF層13aをリフトオフ形成し、図14(D)に示
すように、その上から導電層13bをスパッタリング成
膜して電極層13を形成する。左右両側の導電層13b
と13bとの離間部分はイオンエッチングなどにより間
隔寸法が決められ、この間隔寸法がトラック幅Twとな
る。その後に、図15に示すように、上部ギャップ層1
5、上部シールド層4を積層し、さらに記録用磁気ギャ
ップGとなる絶縁層と上部コア層5,保護膜7などを積
層する。
【0007】図16(A)〜(D)は、再生ヘッド層1
0の製造方法の他の従来例を工程別に示し、図17はこ
の工程にて完成したものを示している。この従来例で
は、図16(A)に示すように、下部ギャップ層11の
表面にMR素子12を形成した後に、MR素子12の両
縁部上面から下部ギャップ層11表面にかけてレジスト
膜Rをパターン成膜する。図16(B)に示すように、
その上からアルミナなどの非磁性材料14をスパッタリ
ング成膜し、同図(C)に示すように、レジスト膜Rを
除去して、絶縁層14aと14bをリフトオフ成形す
る。次に、同図(D)に示すように、AF層13aと導
電層13bとから成る電極層13を連続スパッタリング
成膜する。MR素子12の上面に残った絶縁層14aの
幅寸法によってトラック幅Twが決められる。その後
に、図17に示すように、上部ギャップ層15と上部シ
ールド層4を成膜し、さらに記録用磁気ギャップGとな
る絶縁層や上部コア層5,保護膜7などを成膜する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の再生ヘッド層10の積層構造およびその製造方法に
は以下に示す問題がある。 (1)前記電極層13の膜厚は一般に1000オングス
トローム程度であるため、図15では、MR素子12と
電極層13との間に凹凸が形成され、図17ではトラッ
ク幅Twを決める絶縁層14aと電極層13との間に凹
凸が形成される。上部ギャップ層15は、この凹凸のあ
る部分の表面にスパッタリング成膜されるため、上部ギ
ャップ層15の膜厚寸法が変動することになり、例えば
図15と図17とでδで示す部分では上部ギャップ層1
5の膜厚寸法が非常に薄くなる。上部ギャップ層15の
実効耐絶縁膜厚は1500オングストローム程度である
が、δの部分では上部ギャップ層15の厚さが実効耐絶
縁膜厚の20〜30%程度(300〜450オングスト
ローム)まで薄くなってしまう。そのため電極層13と
上部シールド層4との間の電気的絶縁耐圧が設計値より
も大幅に低下する問題が生じる。
【0009】(2)図15と図17に示す従来例では、
トラック幅Twの範囲でのMR素子12と電極層13と
の凹凸段差により、上部ギャップ層15を平滑に形成す
ることができず、上部ギャップ層15の上面にも激しい
凹凸が形成されてしまう。そのため、上部ギャップ層1
5の上面に積層される上部シールド層4とMR素子12
の表面のMR膜12cとの間隔を均一に設定することが
困難になり、この間隔により決まるギャップ長Glのば
らつきが大きくなってしまう。
【0010】(3)この種の薄膜磁気ヘッドにおいて、
高密度記録信号の読取りを可能にするためには、上部ギ
ャップ層15の厚さ寸法をさらに薄くしてギャップ長G
lを短くしなくてはならないが、この場合に従来の構造
では、前記膜厚寸法δがさらに小さくなり絶縁耐圧がさ
らに低下し、またギャップ長Glの設定もさらに困難に
なる。
【0011】(4)上部ギャップ層15と上部シールド
層4のそれぞれの表面が凹凸になるため、上部シールド
層4の上に積層される上部コア層5も歪んだものとな
り、その結果図12に示す記録用の磁気ギャップGのば
らつきも大きくなる。
【0012】(5)図15に示す従来例では、図14
(D)の工程において、電極材料をスパッタリングした
後にイオンエッチングなどによりトラック幅Twを決め
る工程が必要になり、製造工程が非常に繁雑になる。
【0013】(6)図17に示す従来例では、絶縁膜1
4aによりトラック幅Twが決められるが、電極層13
をこの絶縁層14aの両縁部に重なるように形成した後
に、電極層13どうしをイオンエッチングなどにより分
離しなくてはならず、この場合の加工工程も繁雑にな
る。
【0014】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、MR素子の表面に形成される膜を平坦化して、均
一な厚さの上部ギャップ層を形成できるようにして、絶
縁耐圧の低下を防止し、また均一なギャップ長が得られ
るようにし、さらにその上に上部コア層などが形成され
る場合に、上部コア層などの平坦度も確保できるように
した薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供すことを
目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜磁気ヘ
ッドは、下部ギャップ層上に、磁気抵抗効果を有する薄
膜が含まれた磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子の
両縁部上面から下部ギャップ層上面にかけて延びる電極
層とが形成され、前記磁気抵抗効果素子の上面では、前
記電極層どうしの間隔を埋める絶縁層が形成されている
ことを特徴とするものである。
【0016】上記において絶縁層と電極層との厚さ寸法
の差が、電極層の厚さ寸法の20%以下であることが好
ましい。
【0017】また絶縁層とほぼ同じ厚さ寸法の電極層を
反強磁性層とした場合には、反強磁性層の上に導電層を
積層し、反強磁性層と導電層とにより実質的な電極層を
形成することが可能である。
【0018】さらに、下部ギャップ層上に、磁気抵抗効
果素子と分離された主電極層を形成し、前記電極層によ
り磁気抵抗効果素子と主電極層とを接続することも可能
である。
【0019】次に、前記薄膜磁気ヘッドは、以下の工程
により製造できる。 (イ)下部ギャップ層と磁気抵抗効果素子の表面に非磁
性材料層を形成する工程、(ロ)後に電極層を形成する
領域以外の領域にて前記非磁性材料層の上にレジスト膜
を形成する工程、(ハ)レジスト膜が形成されていない
領域の前記非磁性材料層を除去する工程、(ニ)非磁性
材料層が除去された領域および残されたレジスト膜の上
に電極材料を積層する工程、(ホ)レジスト膜とその上
の電極材料を除去する工程、
【0020】
【作用】上記手段では、磁気抵抗効果素子の両縁部上面
から下部ギャップ層の上面にかけて電極層が形成される
ものにおいて、磁気抵抗効果素子の上面にて、電極層ど
うしのギャップを埋める絶縁層が形成されている。よっ
てその上に積層される上部ギャップ層や上部シールド層
などは平坦に成膜される。そのため電極層と上部シール
ド層との電気的絶縁耐圧の低下を防止でき、また磁気抵
抗効果素子と上部シールド層とのギャップ長も均一にで
きる。上部シールド層の上面に、インダクティブ型記録
ヘッドが形成される場合には、この構成部材となる上部
コア層なども平滑に形成できるようになる。
【0021】また絶縁層と電極層との膜厚の差を電極層
の膜厚の20%以下とすることにより、絶縁耐圧の低下
を有効に防止できるようになる。
【0022】また、主電極層を磁気抵抗効果素子と分離
して設け、電極層により両者を接続する構造にすれば、
主電極層を比抵抗の小さい材料により構成することが可
能になり、電極層全体での電気的抵抗値を大幅に下げる
ことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明による薄膜磁気ヘッドの積層構造を示すものであ
る。この薄膜磁気ヘッドは、図11と図12に示したよ
うに、浮上式磁気ヘッドのスライダ1のトレーリング側
端面1dに積層されるものである。図1は、スライダの
ABS面1b側から見た拡大正面図である。また図7
(A)は電極層と絶縁層の成膜が完了した状態を示す平
面図、同図(B)はその正面図である。図1に示すよう
に、この薄膜磁気ヘッドは、スライダ1のトレーリング
側端面1dに例えばメッキパーマロイ(NiFe)によ
る下部シールド層3が形成され、その上にアルミナ(A
23)の下部ギャップ層11が形成されている。下部
ギャップ層11の上には、下からSAL膜12a、SH
UNT膜12b、MR膜12cが積層された三層構造の
MR素子12が形成されている。
【0024】MR素子12の両縁部上面から下部ギャッ
プ層11の上面にかけて、電極層13,13が形成され
ている。そしてMR素子12の上面においては、両電極
層13と13のギャップ部分を埋める絶縁層21aが形
成され、また両電極層13と13の左右外側の縁部にも
絶縁層21b,21bが連続して形成されている。両電
極層13,13と絶縁層21a,21b,21bは互い
にほぼ同じ膜厚寸法にて成膜されている。電極層13,
13と絶縁層21a,21b,21bの上には、アルミ
ナの上部絶縁材料層22が形成され、その上にメッキパ
ーマロイによる上部シールド層4が形成されている。こ
の実施例では、絶縁層21aの幅寸法によりトラック幅
Twが決められ、また絶縁層21aと上部絶縁材料層2
2の合計の膜厚によりギャップ長Glが決められてい
る。
【0025】上部シールド層4のさらに上面には上部コ
ア層5と保護膜7が形成され、上部シールド層4と上部
コア層5との間にインダクティブ記録ヘッドのギャップ
Gが形成されている。図1に示すように、MR素子12
の上面ではほぼ同じ膜厚の電極層13,13と絶縁層2
1aが密着して形成されているため、その上に積層され
る上部絶縁材料層22と上部シールド層4の膜厚は均一
で凹凸がほとんどなくなる。上部絶縁材料層22が均一
な膜厚に形成されているため、電極層13とシールド層
4との間の絶縁耐圧が低下することがなく、また前記磁
気ギャップGlも高精度に設定できる。また上部コア層
5も平滑に高精度に成膜することが可能であり、インダ
クティブ記録ヘッドの磁気ギャップGも高精度に設定で
きる。
【0026】ここで、電極層13,13は種々の層構造
が可能である。まず電極層13,13を、反強磁性材料
(AF材料)を主体としたAF層(アンチフェロー層)
のみにより構成することが可能である。この場合の電極
層13は、下から順にNiFe/FeMn/Taが積層
されたものとなる。ここでNiFeは下部ギャップ層1
1との密着のための層であり、Taは上部絶縁材料層2
2との密着のための層である。さらに、上記AF層の上
に導電層を積層し、AF層と導電層とにより電極層13
を形成することが可能である。この導電層としてはタン
グステン(W)、モリブデン(Mo)または金(Au)
などが使用される。図11に示す浮上式磁気ヘッドで
は、電極層13がスライダ1のABS面1bに露出し、
ABS面と共に電極層13が研磨されるため、この場合
には導電層として機械的強度の高いタングステンを使用
することが好ましい。またタングステンとAF層との密
着性さらにはタングステンと上部絶縁材料層22との密
着のためにTaを含むものとし、電極層13が、下から
順にNiFe/FeMn/Ta/W/Taの層構造とす
ることが好ましい。また絶縁層21aと21bは、Ta
25や、Si−O系、Si−N系、Si−O−N系の材
料により形成される。
【0027】図7に示すように、この実施例では、下部
ギャップ層11の上面において、主電極層25,25が
MR素子12から分離して形成されている。MR素子1
2と主電極層25との距離(a)は1μm程度である。
そして前記電極層13,13によって、MR素子12と
主電極層25とが接続されている。図7(A)に示すよ
うに、絶縁層21aと21bは、それぞれ同じ非磁性材
料膜21の延長上にあり、MR素子12の左右から主電
極層25にかけて形成された矩形の溝26,26によ
り、21aと21bとに分離されているものである。ま
たこの溝26,26内に前記電極層13,13が形成さ
れている。
【0028】主電極層25,25は、MR素子12から
分離して形成されているため、その材料の選択範囲を広
くできる。すなわち主電極層25,25はスライダ1の
ABS面1bに露出しないため、タングステン(W)の
ように研磨作業に耐え得るような機械的強度の高い材料
を使用する必要がない。また主電極層25,25はAF
層とかならずしも接合させる必要がないため、反強磁性
材料のMnの拡散を考慮する必要はない。したがって主
電極層25,25は銅(Cu)を主体とし、Cr/Cu
/Crの層構造などにすることが可能である。Cuなど
を使用した主電極層25はWを主体としたものよりも電
気抵抗が非常に小さくなり、よって電極全体としての抵
抗を下げ、発熱を防止し、また消費電力を削減できる。
逆にいうと、主電極層25,25として電気抵抗の低い
材料を使用できるため、電極層13を比較的抵抗の高い
AF層(NiFe/FeMn)のみにより構成しても、
電極全体としての電気抵抗を従来よりも低くできる。前
述のように、MR素子12上の絶縁層21aと電極層1
3との膜厚はほぼ同じであるが、完全に同じ膜厚にする
ことは実際には不可能であるため、両膜厚寸法の差はあ
る程度許容できる。
【0029】図8は、絶縁層21aと電極層13との膜
厚寸法の差と絶縁耐圧との関係を測定した線図である。
図8の横軸は、両層の膜厚寸法差の比率を示し、縦軸は
絶縁耐圧(V)を示している。前記膜厚寸法の差の比率
は、図9に示すように、電極層13の膜厚寸法をtと
し、両膜厚の差をΔtとしたときに、Δt/t(%)で
表わしている。図9(A)に示すように、絶縁層21a
が電極層13よりも厚い場合に、Δt/tを(+)で示
し、同図(B)に示すように絶縁層21aの方が薄い場
合に、Δt/tを(−)で示している。図9に示すよう
に、絶縁層21aと電極層13との間に膜厚の差Δtが
あると、上部絶縁材料層22に(b)で示す凹部が形成
され、その分だけ、電極層13と上部シールド層4との
絶縁耐圧が低下する。そこで図8において絶縁耐圧を2
0V以上の水準に確保する場合には、Δt/tを±20
%まで許容できる。すなわちΔt/tの好ましい範囲は
20%以下である。
【0030】次に、図2ないし図7により、前記電極層
13と絶縁層21a,21bの成膜工程の一例について
説明する。図2(A)(B)に示すように、下部ギャッ
プ層11の表面に、三層構造のMR素子12を積層し、
またMR素子12とわずかに離れた位置に主電極層2
5,25を形成する。主電極層は例えばCr/Cu/C
r膜である。図2(B)に示すように、主電極層25,
25はその電気抵抗を小さくするために、膜厚を厚く形
成することが好ましく、主電極層25,25の膜厚はM
R素子12の膜厚よりも厚くなっている。図3(A)
(B)に示すように、下部ギャップ層11とMR素子1
2および主電極層25,25の上に、Ta25またはS
34またはSiO2などの非磁性材料膜21をスパッ
タリング成膜する。
【0031】次に図4(A)(B)に示すように、MR
素子12の両端部上面から主電極層25,25にかけて
の領域を残して、非磁性材料膜21の上にレジスト膜R
をパターン成膜する。その後に図5(A)(B)に示す
ようにRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)法
やプラズマ・エッチング法などにより、レジスト膜Rが
形成されていない領域での非磁性材料膜21を除去す
る。これにより非磁性材料膜21に矩形の溝26,26
が形成され、図5(B)の正面図では、MR素子12の
上に絶縁層21aが残り、下部ギャップ層11の表面に
は絶縁層21bが残る。
【0032】図6に示すように、レジスト膜Rが除去さ
れている領域およびレジスト膜Rの表面に電極層13の
材料をスパッタリング成膜する。この電極材料は、前述
のようにAF層のみにより電極層13が形成される場合
には、NiFe/FeMn/Taの構成の膜であり、A
F層と導電層とで電極層13が形成される場合には、N
iFe/FeMn/Ta/W/Taなどの層構造であ
る。これらの多層膜は連続スパッタリングされる。この
とき電極層の材料は絶縁層21a,21bとほぼ同じ膜
厚になるように制御する。そして、残っているレジスト
膜Rをその上の電極材料と共に除去することにより、図
7(A)(B)に示すように、MR素子12と主電極層
25,25との間を接続する電極層13,13と、これ
を囲む非磁性材料膜21とがほぼ同じ膜厚にてリフトオ
フ形成される。図7の工程が完了した後に、上部絶縁材
料層22、上部シールド層4などが形成される。
【0033】なお、前記工程による電極層13がNiF
e/FeMnのAF層13aのみにより形成され、この
AF層13aが絶縁層21aと21bとほぼ同じ膜厚に
て形成される場合には、前述のようにAF層13aのみ
を電極層13としてもよいが、図10(A)(B)に示
すように、AF層13aの上に、例えばTa/W/Ta
となる導電層13bを別途に重ねて積層してもよい。こ
の場合、導電層13bの膜厚分だけ段差が生じるが、図
15や図17に示す従来例よりは、凹凸を小さくでき
る。また、図8に示す線図によれば、AF層13aと導
電層13bの膜厚寸法の合計と、絶縁層21aの膜厚と
の差の比率が20%以下であれば、絶縁耐圧はかなり高
いレベルに維持できることになる。
【0034】なお、前記実施例では、電極層13が、M
R素子12と主電極層25とを接続するものとなってい
るが、主電極層25がそのままMR素子12の表面に接
続されているものであっても、両主電極層25とのギャ
ップを埋める絶縁層21aをMR素子12の上面に設け
ることにより、前記実施例と同等の効果を得ることがで
きる。なお、上記実施例では図11に示すような浮上式
磁気ヘッドにおいてインダクティブ型記録ヘッドと併用
される場合を想定しているが、本発明による薄膜磁気ヘ
ッドの使用用途は浮上式磁気ヘッドに限られるものでは
なく、種々の磁気ヘッドとして実施可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、磁気抵抗効果
素子の上の層を平坦に形成できるため、磁気抵抗効果素
子とシールド層との絶縁耐圧の低下を防止でき、またギ
ャップ長Glも均一に形成できる。またシールド層の上
にインダクティブ記録ヘッドを形成する場合には、シー
ルド層を平坦にできるため、上部コア層などを歪むこと
なく形成できるようになる。
【0036】請求項2記載の発明では、絶縁層と電極層
との厚さ寸法の差の範囲を所定の比率以下とすることに
より、高レベルの絶縁耐圧を補償できる。
【0037】請求項3記載の発明では、絶縁層とほぼ同
じ厚さ寸法の電極層として反強磁性層を形成した場合
に、その上に導電層を形成することにより、電極層の抵
抗を下げることが可能である。
【0038】請求項4記載の発明では、磁気抵抗効果素
子と分離された主電極層が形成され、前記電極層により
磁気抵抗効果素子と主電極層とが接続されているため、
主電極層を電気抵抗の低い材料により形成でき、電極部
全体としての電気抵抗を下げることができる。
【0039】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜磁気ヘッドの実施例を示す拡
大正面図、
【図2】図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造工程を示すも
のであり、(A)は平面図、(B)は正面図、
【図3】図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造工程を示すも
のであり、(A)は平面図、(B)は正面図、
【図4】図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造工程を示すも
のであり、(A)は平面図、(B)は正面図、
【図5】図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造工程を示すも
のであり、(A)は平面図、(B)は正面図、
【図6】図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造工程を示す正
面図、
【図7】電極層と絶縁層の形成が完了した状態を示すも
のであり、(A)は平面図、(B)は正面図、
【図8】電極層と絶縁層との膜厚さの比率と絶縁耐圧と
の関係を示す線図、
【図9】(A)(B)は電極層と絶縁層との膜厚差を示
す説明図、
【図10】電極層の構造の他の実施例を示すものであ
り、(A)は平面図、(B)は正面図、
【図11】薄膜磁気ヘッドの使用例として浮上式磁気ヘ
ッドを示す斜視図、
【図12】図11のXII−XII線断面の拡大図、
【図13】図12のXIII矢視の拡大正面図、
【図14】(A)ないし(D)は電極層の製造方法の従
来例を示す工程別正面図、
【図15】図14の工程により製造された薄膜磁気ヘッ
ドの正面図、
【図16】(A)ないし(D)は電極層の製造方法の他
の従来例を示す工程別正面図、
【図17】図16の工程により製造された薄膜磁気ヘッ
ドの正面図、
【符号の説明】
1 スライダ 1a,1b ABS面 2 薄膜素子 3,4 シールド層 5 上部コア層 10 再生ヘッド層 11 下部ギャップ層 12 MR素子 12a SAL膜 12b SHUNT膜 12c MR膜、 13 電極層 13a 反強磁性層(AF層) 13b 導電層 21a,21b 絶縁層 Tw トラック幅 Gl ギャップ長

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部ギャップ層上に、磁気抵抗効果を有
    する薄膜が含まれた磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果
    素子の両縁部上面から下部ギャップ層上面にかけて延び
    る電極層とが形成され、前記磁気抵抗効果素子の上面で
    は、前記電極層どうしの間隔を埋める絶縁層が形成され
    ていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 絶縁層と電極層との厚さ寸法の差が、電
    極層の厚さ寸法の20%以下である請求項1記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 絶縁層とほぼ同じ厚さ寸法の電極層は、
    反強磁性層であり、この反強磁性層の上に、さらに導電
    層が積層されている請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 下部ギャップ層上に、磁気抵抗効果素子
    と分離された主電極層が形成され、前記電極層により磁
    気抵抗効果素子と主電極層とが接続されている請求項1
    ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 以下の工程により請求項1記載の薄膜磁
    気ヘッドを製造する方法、(イ)下部ギャップ層と磁気
    抵抗効果素子の表面に非磁性材料層を形成する工程、
    (ロ)後に電極層を形成する領域以外の領域にて前記非
    磁性材料層の上にレジスト膜を形成する工程、(ハ)レ
    ジスト膜が形成されていない領域の前記非磁性材料層を
    除去する工程、(ニ)非磁性材料層が除去された領域お
    よび残されたレジスト膜の上に電極材料を積層する工
    程、(ホ)レジスト膜とその上の電極材料を除去する工
    程、
JP28454993A 1993-10-19 1993-10-19 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 Pending JPH07121839A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28454993A JPH07121839A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28454993A JPH07121839A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07121839A true JPH07121839A (ja) 1995-05-12

Family

ID=17679894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28454993A Pending JPH07121839A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07121839A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0756269A2 (en) * 1995-07-28 1997-01-29 Read-Rite Corporation Variable gap magnetoresistive transducer and method of making the same
WO2000036594A1 (en) * 1998-12-16 2000-06-22 International Business Machines Corporation Read head with read track width defining layer that planarizes the write gap layer of a write head
US7580230B2 (en) 2006-10-24 2009-08-25 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetoresistive sensor having shape enhanced pinning, a flux guide structure and damage free virtual edges

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0756269A2 (en) * 1995-07-28 1997-01-29 Read-Rite Corporation Variable gap magnetoresistive transducer and method of making the same
EP0756269A3 (en) * 1995-07-28 1998-01-07 Read-Rite Corporation Variable gap magnetoresistive transducer and method of making the same
WO2000036594A1 (en) * 1998-12-16 2000-06-22 International Business Machines Corporation Read head with read track width defining layer that planarizes the write gap layer of a write head
GB2361801A (en) * 1998-12-16 2001-10-31 Ibm Read head with read track width defining layer that planarizes the write gap layer of a write head
US6434814B1 (en) 1998-12-16 2002-08-20 International Business Machines Corporation Method of manufacturing a magnetic head including a read head with read track width defining layer that planarizes the write gap layer of a write head
GB2361801B (en) * 1998-12-16 2002-12-18 Ibm Read head with read track width defining layer that planarizes the write gap layer of a write head
US6519118B2 (en) * 1998-12-16 2003-02-11 International Business Machines Corporation Read head with read track width defining layer that planarizes the write gap layer of a write head
US7580230B2 (en) 2006-10-24 2009-08-25 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetoresistive sensor having shape enhanced pinning, a flux guide structure and damage free virtual edges

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000105906A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US7554763B2 (en) Magnetic head having an insulating layer comprised of an organic layer on an inorganic layer
US5675459A (en) Magnetoresistive head with improved insulation between a main electrode layer and a lower shield layer
JP2001155313A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US7209322B2 (en) Thin film magnetic head having toroidally wound coil
US4700252A (en) Magnetic thin film head
US6987644B2 (en) Thin film magnetic head including coil wound in toroidal shape and method for manufacturing the same
JP2002157707A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH07121839A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3349975B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US6550131B1 (en) Method for making a thin-film magnetic head
JP3034737B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH07114717A (ja) 薄膜磁気ヘッド
US20090236216A1 (en) Method of manufacturing thin film magnetic head
JP2001256611A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2002319110A (ja) 磁気シールド型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドとその製造方法
JP3128407B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2001250205A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JPH11232616A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッド及びその製造方法
JP3410032B2 (ja) 複合型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3297760B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法
JPH07302410A (ja) 複合型薄膜磁気ヘッド
JP2001084531A (ja) 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
JP4010702B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2002353538A (ja) 磁気検出素子、磁気検出素子の製造方法及び磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000523