JPH07121810B2 - 水酸化コバルト顔料およびその製造方法 - Google Patents
水酸化コバルト顔料およびその製造方法Info
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- JPH07121810B2 JPH07121810B2 JP167185A JP167185A JPH07121810B2 JP H07121810 B2 JPH07121810 B2 JP H07121810B2 JP 167185 A JP167185 A JP 167185A JP 167185 A JP167185 A JP 167185A JP H07121810 B2 JPH07121810 B2 JP H07121810B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は水酸化コバルト顔料に関し、さらに詳しく
は、青色から桃赤色に至る種々の鮮明な色彩を有する六
角板状の水酸化コバルト顔料に関する。
は、青色から桃赤色に至る種々の鮮明な色彩を有する六
角板状の水酸化コバルト顔料に関する。
六角板状の水酸化コバルトは、通常、コバルト塩をアル
カリ水溶液中で反応させて生成され、このようにして生
成される六角板状の水酸化コバルトの微結晶は、成長す
るとともに青色から桃赤色に連続的に色彩が変化するこ
とが従来から知られている。(化学大辞典(5)、第25
頁、共立出版株式会社発行) 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、この種の水酸化コバルト粒子は、粒子表面が
非常に活性なため空気中で酸化されやすく、空気中に取
り出すと酸化されて変色するという難点があり、この傾
向は、水酸化コバルトの粒子が微細化するほど顕著で、
均一で微細な六角板状の水酸化コバルト粒子の鮮やかな
青色から桃赤色に至る色彩が、酸化とともに褐色に変化
してしまう。またこの種の水酸化コバルト粒子は、磁性
材料の原料としても使用されるが、結晶粒子が不安定
で、磁性材料の原料として取扱い難い。
カリ水溶液中で反応させて生成され、このようにして生
成される六角板状の水酸化コバルトの微結晶は、成長す
るとともに青色から桃赤色に連続的に色彩が変化するこ
とが従来から知られている。(化学大辞典(5)、第25
頁、共立出版株式会社発行) 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、この種の水酸化コバルト粒子は、粒子表面が
非常に活性なため空気中で酸化されやすく、空気中に取
り出すと酸化されて変色するという難点があり、この傾
向は、水酸化コバルトの粒子が微細化するほど顕著で、
均一で微細な六角板状の水酸化コバルト粒子の鮮やかな
青色から桃赤色に至る色彩が、酸化とともに褐色に変化
してしまう。またこの種の水酸化コバルト粒子は、磁性
材料の原料としても使用されるが、結晶粒子が不安定
で、磁性材料の原料として取扱い難い。
この発明はかかる現状に鑑み種々検討を行った結果なさ
れたもので、コバルト塩をアルカリ水溶液中で不活性ガ
スを通気しながら反応させて六角板状の水酸化コバルト
を生成し、このアルカリ性懸濁液中に、不活性ガスを通
気しながらケイ素化合物の水溶液を混合し、さらに中和
して、ケイ素化合物を水酸化コバルト粒子表面に沈着さ
せ、水洗、濾過、乾燥して、シリカ被膜を六角板状の水
酸化コバルト粒子表面に形成することによって、反応生
成中の水酸化コバルトの結晶成長をコントロールして色
調を良好に制御かつ固定し、また水酸化コバルトの酸化
安定性を充分に改善して、青色から桃赤色に至る鮮明な
種々の色彩の水酸化コバルト顔料を得ると同時に、磁性
材料の原料としても安定なものとし、取扱いやすくした
ものである。
れたもので、コバルト塩をアルカリ水溶液中で不活性ガ
スを通気しながら反応させて六角板状の水酸化コバルト
を生成し、このアルカリ性懸濁液中に、不活性ガスを通
気しながらケイ素化合物の水溶液を混合し、さらに中和
して、ケイ素化合物を水酸化コバルト粒子表面に沈着さ
せ、水洗、濾過、乾燥して、シリカ被膜を六角板状の水
酸化コバルト粒子表面に形成することによって、反応生
成中の水酸化コバルトの結晶成長をコントロールして色
調を良好に制御かつ固定し、また水酸化コバルトの酸化
安定性を充分に改善して、青色から桃赤色に至る鮮明な
種々の色彩の水酸化コバルト顔料を得ると同時に、磁性
材料の原料としても安定なものとし、取扱いやすくした
ものである。
この発明において使用されるコバルト塩としては、コバ
ルトの硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、炭酸塩などの
水可溶性塩が好適なものとして使用され、これらのコバ
ルト塩を溶解した水溶液に、苛性ソーダ、苛性カリ等を
溶解したアルカリ水溶液を混合し、不活性ガスを通気し
ながら反応させることによって、六角板状の水酸化コバ
ルト粒子が生成される。このように、コバルト塩をアル
カリ水溶液中で反応させるときは不活性ガスを通気しな
がら行うのが好ましく、不活性ガスを通気しないと鮮明
な色彩の六角板状の水酸化コバルトが得られない。不活
性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
ス、ネオンガス等が好ましく使用される。
ルトの硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、炭酸塩などの
水可溶性塩が好適なものとして使用され、これらのコバ
ルト塩を溶解した水溶液に、苛性ソーダ、苛性カリ等を
溶解したアルカリ水溶液を混合し、不活性ガスを通気し
ながら反応させることによって、六角板状の水酸化コバ
ルト粒子が生成される。このように、コバルト塩をアル
カリ水溶液中で反応させるときは不活性ガスを通気しな
がら行うのが好ましく、不活性ガスを通気しないと鮮明
な色彩の六角板状の水酸化コバルトが得られない。不活
性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
ス、ネオンガス等が好ましく使用される。
次いで、このようにして生成した六角板状の水酸化コバ
ルト粒子のアルカリ性懸濁液中に、混合して使用するケ
イ素化合物としては、オルトケイ酸ナトリウム、メタケ
イ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムおよび種々の組成
の水ガラスなどの水溶性ケイ酸塩が好適なものとして使
用される。これらの水溶性ケイ酸塩は水溶液として使用
され、前記の水酸化コバルトのアルカリ性懸濁液中に不
活性ガスを通気しながら混合させると、これらの水溶性
ケイ酸塩の共存によって、水酸化コバルトの結晶成長が
コントロールされ、さらに結晶の粒度分布が極めて狭く
なって、結晶粒子の粒径に依存する色調が青色から桃赤
色にかけて自在に調整された六角板状の水酸化コバルト
粒子が生成される。さらに、この水酸化コバルトのアル
カリ性懸濁液を中和して、ケイ素化合物を水酸化コバル
ト粒子表面に沈着させ、水洗、濾過、乾燥して、シリカ
被膜を六角板状の水酸化コバルト粒子表面に形成する
と、このシリカ被膜により外界からの作用が良好に抑制
されて、酸化安定性が改善され、色調に影響を与えるこ
となく、特定の鮮明な色彩で固定された、青色から桃赤
色にかけての種々の色彩の顔料が得られる。そしてこの
ようにして得られた顔料は、結晶粒子が安定で酸化安定
性に優れるため、磁性材料としても安定で取り扱いやす
い。
ルト粒子のアルカリ性懸濁液中に、混合して使用するケ
イ素化合物としては、オルトケイ酸ナトリウム、メタケ
イ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムおよび種々の組成
の水ガラスなどの水溶性ケイ酸塩が好適なものとして使
用される。これらの水溶性ケイ酸塩は水溶液として使用
され、前記の水酸化コバルトのアルカリ性懸濁液中に不
活性ガスを通気しながら混合させると、これらの水溶性
ケイ酸塩の共存によって、水酸化コバルトの結晶成長が
コントロールされ、さらに結晶の粒度分布が極めて狭く
なって、結晶粒子の粒径に依存する色調が青色から桃赤
色にかけて自在に調整された六角板状の水酸化コバルト
粒子が生成される。さらに、この水酸化コバルトのアル
カリ性懸濁液を中和して、ケイ素化合物を水酸化コバル
ト粒子表面に沈着させ、水洗、濾過、乾燥して、シリカ
被膜を六角板状の水酸化コバルト粒子表面に形成する
と、このシリカ被膜により外界からの作用が良好に抑制
されて、酸化安定性が改善され、色調に影響を与えるこ
となく、特定の鮮明な色彩で固定された、青色から桃赤
色にかけての種々の色彩の顔料が得られる。そしてこの
ようにして得られた顔料は、結晶粒子が安定で酸化安定
性に優れるため、磁性材料としても安定で取り扱いやす
い。
このように、水溶性ケイ酸塩の水溶液を、前記の水酸化
コバルトのアルカリ性懸濁液中に混合させるときは、不
活性ガスを通気しながら混合させるのがこのましく、不
活性ガスを通気しないと鮮明な色彩の六角板状の水酸化
コバルトが得られない。不活性ガスとしては、前記と同
様に、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオン
ガス等が好ましく使用される。
コバルトのアルカリ性懸濁液中に混合させるときは、不
活性ガスを通気しながら混合させるのがこのましく、不
活性ガスを通気しないと鮮明な色彩の六角板状の水酸化
コバルトが得られない。不活性ガスとしては、前記と同
様に、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオン
ガス等が好ましく使用される。
また、これらの水溶性ケイ酸塩水溶液を混合した水酸化
コバルトのアルカリ性懸濁液の中和は、このアルカリ性
懸濁液中に、炭酸ガスを吹き込むか酸を添加するなどの
方法で行われ、この中和が行われると、ケイ酸ゲルとし
て水酸化コバルトの粒子表面に沈着される。そして、こ
れを水洗、濾過後、乾燥すると、シリカ被膜が六角板状
の水酸化コバルト粒子表面に形成される。このように六
角板状の水酸化コバルトの粒子表面に形成されたシリカ
被膜は、外界からの作用を遮断する作用に優れるため、
酸化安定性が改善されるとともに、色調に影響を与える
ことなく色彩が特定の鮮明な色彩で固定される。従っ
て、六角板状の水酸化コバルト粒子の酸化安定性が向上
し、青色から桃赤色にかけての種々の鮮明な色彩の顔料
が得られ、また、結晶粒子が安定で酸化安定性に優れる
ため、磁性材料としても安定で取り扱いやすい。このよ
うなシリカ被膜の厚みは、均一な単分子層被膜に相当す
る厚み以上であることが好ましく、均一な単分子層被膜
を形成できないようでは、六角板状の水酸化コバルト粒
子の酸化安定性を充分に改善することができない。従っ
て、シリカ被膜の厚みは、約4Å以上であるのが好まし
く、添加組成で表せば、Si/Coの原子換算重量比で0.5重
量%以上とし、さらに1重量%以上とするのがより好ま
しい。
コバルトのアルカリ性懸濁液の中和は、このアルカリ性
懸濁液中に、炭酸ガスを吹き込むか酸を添加するなどの
方法で行われ、この中和が行われると、ケイ酸ゲルとし
て水酸化コバルトの粒子表面に沈着される。そして、こ
れを水洗、濾過後、乾燥すると、シリカ被膜が六角板状
の水酸化コバルト粒子表面に形成される。このように六
角板状の水酸化コバルトの粒子表面に形成されたシリカ
被膜は、外界からの作用を遮断する作用に優れるため、
酸化安定性が改善されるとともに、色調に影響を与える
ことなく色彩が特定の鮮明な色彩で固定される。従っ
て、六角板状の水酸化コバルト粒子の酸化安定性が向上
し、青色から桃赤色にかけての種々の鮮明な色彩の顔料
が得られ、また、結晶粒子が安定で酸化安定性に優れる
ため、磁性材料としても安定で取り扱いやすい。このよ
うなシリカ被膜の厚みは、均一な単分子層被膜に相当す
る厚み以上であることが好ましく、均一な単分子層被膜
を形成できないようでは、六角板状の水酸化コバルト粒
子の酸化安定性を充分に改善することができない。従っ
て、シリカ被膜の厚みは、約4Å以上であるのが好まし
く、添加組成で表せば、Si/Coの原子換算重量比で0.5重
量%以上とし、さらに1重量%以上とするのがより好ま
しい。
このようにして、ケイ素化合物を水酸化コバルト粒子表
面に沈着させ、水洗、濾過、乾燥して、シリカ被膜を六
角板状の水酸化コバルト粒子表面に形成する際の乾燥温
度は、0℃〜100℃の範囲内の温度にするのが好まし
く、乾燥温度が低すぎては乾燥効率が悪くなり(但し、
瞬間凍結乾燥法を取る場合は、乾燥効率上問題がない限
り、下限温度は、さらに下げてもさしつかえない。)、
高すぎては熱分解を起こす。
面に沈着させ、水洗、濾過、乾燥して、シリカ被膜を六
角板状の水酸化コバルト粒子表面に形成する際の乾燥温
度は、0℃〜100℃の範囲内の温度にするのが好まし
く、乾燥温度が低すぎては乾燥効率が悪くなり(但し、
瞬間凍結乾燥法を取る場合は、乾燥効率上問題がない限
り、下限温度は、さらに下げてもさしつかえない。)、
高すぎては熱分解を起こす。
このようにして得られる顔料の色彩は、前記したように
六角板状の水酸化コバルトの結晶粒子の粒径を種々に変
化させることによって種々に調整することができ、青色
から桃赤色にかけて種々の鮮明な色彩の顔料が得られ
る。またこの結晶粒子の粒度分布を極めて狭くすること
ができるため、色の彩度と明度を充分に高めることがで
き、鮮明な色彩で光沢に優れた顔料が得られる。また、
結晶粒子が安定で、酸化安定性が極めて良好であるた
め、磁性材料としても安定で取り扱いやすい。
六角板状の水酸化コバルトの結晶粒子の粒径を種々に変
化させることによって種々に調整することができ、青色
から桃赤色にかけて種々の鮮明な色彩の顔料が得られ
る。またこの結晶粒子の粒度分布を極めて狭くすること
ができるため、色の彩度と明度を充分に高めることがで
き、鮮明な色彩で光沢に優れた顔料が得られる。また、
結晶粒子が安定で、酸化安定性が極めて良好であるた
め、磁性材料としても安定で取り扱いやすい。
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例1 115gのKOHを水2.5中に溶解して、窒素ガスを通気した
ものと、240gのCo(NO3)2・6H2Oを水2中に溶解し
て窒素ガスを通気したものとを、温度60℃に保ち、窒素
ガスを通気しながら混合し、3時間撹拌して水酸化コバ
ルト粒子を充分に結晶成長させた。次いで、この懸濁液
中に、窒素ガスを通気しながら1モルのNa4SiO4水溶液
を280ml注ぎ込み、よく撹拌しながら、炭酸ガスを通気
してNa4SiO4の加水分解を促進させ、生成した水酸化コ
バルトの粒子表面に徐々にケイ酸ゲルを沈着させた。水
溶液がpH8以下になったところで炭酸ガスの通気を止
め、純水で良く洗浄してから濾別して、60℃で乾燥し、
シリカ被膜で被覆された六角板状の水酸化コバルト顔料
を得た。このようにして得られた六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子は、鮮やかな赤桃色の色調を有し、光沢も
良好であった。またこの水酸化コバルト粉末粒子を窒素
ガス吸着法で調べた結果、粒子径は約0.1μm、厚みは
約200Åで、厚み約4Åのシリカ被膜を有する六角板状
の水酸化コバルトであった。
ものと、240gのCo(NO3)2・6H2Oを水2中に溶解し
て窒素ガスを通気したものとを、温度60℃に保ち、窒素
ガスを通気しながら混合し、3時間撹拌して水酸化コバ
ルト粒子を充分に結晶成長させた。次いで、この懸濁液
中に、窒素ガスを通気しながら1モルのNa4SiO4水溶液
を280ml注ぎ込み、よく撹拌しながら、炭酸ガスを通気
してNa4SiO4の加水分解を促進させ、生成した水酸化コ
バルトの粒子表面に徐々にケイ酸ゲルを沈着させた。水
溶液がpH8以下になったところで炭酸ガスの通気を止
め、純水で良く洗浄してから濾別して、60℃で乾燥し、
シリカ被膜で被覆された六角板状の水酸化コバルト顔料
を得た。このようにして得られた六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子は、鮮やかな赤桃色の色調を有し、光沢も
良好であった。またこの水酸化コバルト粉末粒子を窒素
ガス吸着法で調べた結果、粒子径は約0.1μm、厚みは
約200Åで、厚み約4Åのシリカ被膜を有する六角板状
の水酸化コバルトであった。
実施例2 実施例1における水酸化コバルト粒子の生成において、
反応温度を20℃とし、反応時間を3分間とした以外は実
施例1と同様にして水酸化コバルトを析出させ、さらに
実施例1と同様にしてシリカ被膜で被覆された六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子を得た。このようにして得ら
れた六角板状の水酸化コバルト粉末粒子は、鮮やかな青
色の色調を有し、光沢も良好であった。またこの水酸化
コバルト粉末粒子を窒素ガス吸着法で調べた結果、粒子
径は約0.05μm、厚みは約50Åで、厚み約5Åのシリカ
被膜を有する六角板状の水酸化コバルトであった。
反応温度を20℃とし、反応時間を3分間とした以外は実
施例1と同様にして水酸化コバルトを析出させ、さらに
実施例1と同様にしてシリカ被膜で被覆された六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子を得た。このようにして得ら
れた六角板状の水酸化コバルト粉末粒子は、鮮やかな青
色の色調を有し、光沢も良好であった。またこの水酸化
コバルト粉末粒子を窒素ガス吸着法で調べた結果、粒子
径は約0.05μm、厚みは約50Åで、厚み約5Åのシリカ
被膜を有する六角板状の水酸化コバルトであった。
実施例3 実施例1におけるケイ酸ゲルの被着処理において、1モ
ルのNa4SiO4水溶液280mlに代えて、1モルのK2SiO3水溶
液を280ml使用した以外は、実施例1と同様にして水酸
化コバルトの粒子表面にケイ酸ゲルを沈着させ、シリカ
被膜で被覆された六角板状の水酸化コバルト粉末粒子を
得た。このようにして得られた六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子は、鮮やかな青色の色調を有し、光沢も良好
であった。また、この水酸化コバルト粉末粒子を窒素ガ
ス吸着法で調べた結果、粒子径は約0.1μm、厚みは約2
00Åで、厚み約4Åのシリカ被膜を有する六角板状の水
酸化コバルトであった。
ルのNa4SiO4水溶液280mlに代えて、1モルのK2SiO3水溶
液を280ml使用した以外は、実施例1と同様にして水酸
化コバルトの粒子表面にケイ酸ゲルを沈着させ、シリカ
被膜で被覆された六角板状の水酸化コバルト粉末粒子を
得た。このようにして得られた六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子は、鮮やかな青色の色調を有し、光沢も良好
であった。また、この水酸化コバルト粉末粒子を窒素ガ
ス吸着法で調べた結果、粒子径は約0.1μm、厚みは約2
00Åで、厚み約4Åのシリカ被膜を有する六角板状の水
酸化コバルトであった。
実施例4 実施例1におけるケイ酸ゲルの被着処理において、1モ
ルのNa4SiO4水溶液280mlに代えて、1モルの水ガラス水
溶液を280ml使用した以外は、実施例1と同様にして水
酸化コバルトの粒子表面にケイ酸ゲルを沈着させ、シリ
カ被膜で被覆された六角板状の水酸化コバルト粉末粒子
を得た。このようにして得られた六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子は、鮮やかな青色の色調を有し、光沢も良
好であった。また、この水酸化コバルト粉末粒子を窒素
ガス吸着法で調べた結果、粒子径は約0.1μm、厚みは
約200Åで、厚み約4Åのシリカ被膜を有する六角板状
の水酸化コバルトであった。
ルのNa4SiO4水溶液280mlに代えて、1モルの水ガラス水
溶液を280ml使用した以外は、実施例1と同様にして水
酸化コバルトの粒子表面にケイ酸ゲルを沈着させ、シリ
カ被膜で被覆された六角板状の水酸化コバルト粉末粒子
を得た。このようにして得られた六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子は、鮮やかな青色の色調を有し、光沢も良
好であった。また、この水酸化コバルト粉末粒子を窒素
ガス吸着法で調べた結果、粒子径は約0.1μm、厚みは
約200Åで、厚み約4Åのシリカ被膜を有する六角板状
の水酸化コバルトであった。
比較例1 実施例1において、ケイ酸ゲルの被着処理を省いた以外
は実施例1と同様にして六角板状の水酸化コバルト粉末
粒子を得た。このようにして得られた六角板状の水酸化
コバルト粉末粒子は、酸化反応のため、安定な状態で空
気中に取り出すのが困難であった。
は実施例1と同様にして六角板状の水酸化コバルト粉末
粒子を得た。このようにして得られた六角板状の水酸化
コバルト粉末粒子は、酸化反応のため、安定な状態で空
気中に取り出すのが困難であった。
比較例2 実施例1において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例1と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま、空気中に取り出
すと、表面から酸化して鮮やかな桃赤色から徐々に褐色
に色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例1と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま、空気中に取り出
すと、表面から酸化して鮮やかな桃赤色から徐々に褐色
に色調が変化した。
比較例3 実施例1において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例1と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰囲
気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出すと、
鮮やかな桃赤色から徐々に褐色に色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例1と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰囲
気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出すと、
鮮やかな桃赤色から徐々に褐色に色調が変化した。
比較例4 実施例2において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例2と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま空気中に取り出す
と、表面から酸化して鮮やかな青色から徐々に褐色に色
調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例2と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま空気中に取り出す
と、表面から酸化して鮮やかな青色から徐々に褐色に色
調が変化した。
比較例5 実施例2において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例2と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰囲
気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出すと、
鮮やかな青色から徐々に褐色に色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は実施例2と同様にして六角板状の水酸化コバル
ト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状の
水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰囲
気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出すと、
鮮やかな青色から徐々に褐色に色調が変化した。
比較例6 実施例3において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例3と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま空気中に取り出
すと、表面から酸化して鮮やかな青色から徐々に桃色に
色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例3と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま空気中に取り出
すと、表面から酸化して鮮やかな青色から徐々に桃色に
色調が変化した。
比較例7 実施例3において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例3と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰
囲気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出す
と、鮮やかな青色から徐々に桃色に色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例3と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰
囲気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出す
と、鮮やかな青色から徐々に桃色に色調が変化した。
比較例8 実施例4において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例4と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま空気中に取り出
すと、表面から酸化して鮮やかな青色から徐々に桃色に
色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例4と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子は、そのまま空気中に取り出
すと、表面から酸化して鮮やかな青色から徐々に桃色に
色調が変化した。
比較例9 実施例4において、六角板状の水酸化コバルト合成時、
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例4と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰
囲気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出す
と、鮮やかな青色から徐々に桃色に色調が変化した。
およびケイ酸ゲルの被着処理時の窒素ガスの通気を省い
た以外は、実施例4と同様にして六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子を得た。このようにして得られた六角板状
の水酸化コバルト粉末粒子の、洗浄、濾過を窒素ガス雰
囲気下で行い、室温で真空乾燥後、空気中に取り出す
と、鮮やかな青色から徐々に桃色に色調が変化した。
各実施例および比較例から明らかなように、六角板状の
水酸化コバルト粉末の粒子表面にシリカ被膜を形成せず
に得られたもの(比較例1)は、六角板状の水酸化コバ
ルト粉末を安定な状態で空気中に取り出すのが難しく、
六角板状の水酸化コバルト合成時、およびケイ酸ゲルの
被着処理時の窒素ガスの通気を省いたときは、そのまま
空気中にとりだした場合(比較例2,4,6および8)はも
ちろんのこと、洗浄、濾過を窒素ガス雰囲気下で行い、
室温で真空乾燥後、空気中に取り出した場合(比較例3,
5,7および9)でも六角板状の水酸化コバルト粉末粒子
の鮮明な桃赤色および青色が褐色および桃色に変化する
のに対し、実施例1ないし4で得られた六角板状の水酸
化コバルト粉末粒子は、鮮やかな桃赤色および青色の色
調を有し、光沢も良好で、色調の変化は全くなく、この
ことからこの発明によれば、安定で鮮明な種々の色彩を
有する水酸化コバルト顔料が得られることがわかる。ま
た、実施例1ないし4で得られた六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子は、結晶粒子が安定で酸化安定性も良く、
磁性材料の原料としても取扱いやすいものであることが
わかる。
水酸化コバルト粉末の粒子表面にシリカ被膜を形成せず
に得られたもの(比較例1)は、六角板状の水酸化コバ
ルト粉末を安定な状態で空気中に取り出すのが難しく、
六角板状の水酸化コバルト合成時、およびケイ酸ゲルの
被着処理時の窒素ガスの通気を省いたときは、そのまま
空気中にとりだした場合(比較例2,4,6および8)はも
ちろんのこと、洗浄、濾過を窒素ガス雰囲気下で行い、
室温で真空乾燥後、空気中に取り出した場合(比較例3,
5,7および9)でも六角板状の水酸化コバルト粉末粒子
の鮮明な桃赤色および青色が褐色および桃色に変化する
のに対し、実施例1ないし4で得られた六角板状の水酸
化コバルト粉末粒子は、鮮やかな桃赤色および青色の色
調を有し、光沢も良好で、色調の変化は全くなく、この
ことからこの発明によれば、安定で鮮明な種々の色彩を
有する水酸化コバルト顔料が得られることがわかる。ま
た、実施例1ないし4で得られた六角板状の水酸化コバ
ルト粉末粒子は、結晶粒子が安定で酸化安定性も良く、
磁性材料の原料としても取扱いやすいものであることが
わかる。
Claims (2)
- 【請求項1】六角板状の水酸化コバルト粒子表面に、シ
リカ被膜を形成してなる水酸化コバルト顔料 - 【請求項2】コバルト塩をアルカリ水溶液中で不活性ガ
スを通気しながら反応させて六角板状の水酸化コバルト
粒子を生成し、次いで、この水酸化コバルトのアルカリ
性懸濁液中に不活性ガスを通気しながらケイ素化合物の
水溶液を混合し、中和して、水酸化コバルト粒子表面に
ケイ素化合物を沈着させ、しかる後、水洗、濾過、乾燥
して、六角板状の水酸化コバルト粒子表面に、シリカ被
膜を形成することを特徴とする水酸化コバルト顔料の製
造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP167185A JPH07121810B2 (ja) | 1985-01-09 | 1985-01-09 | 水酸化コバルト顔料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP167185A JPH07121810B2 (ja) | 1985-01-09 | 1985-01-09 | 水酸化コバルト顔料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61163123A JPS61163123A (ja) | 1986-07-23 |
JPH07121810B2 true JPH07121810B2 (ja) | 1995-12-25 |
Family
ID=11507978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP167185A Expired - Lifetime JPH07121810B2 (ja) | 1985-01-09 | 1985-01-09 | 水酸化コバルト顔料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07121810B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000211971A (ja) * | 1999-01-26 | 2000-08-02 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 熱電素子材料及びその製造方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5057299A (en) * | 1989-12-08 | 1991-10-15 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Method for making beta cobaltous hydroxide |
US5866273A (en) * | 1990-03-20 | 1999-02-02 | The Boeing Company | Corrosion resistant RAM powder |
-
1985
- 1985-01-09 JP JP167185A patent/JPH07121810B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000211971A (ja) * | 1999-01-26 | 2000-08-02 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 熱電素子材料及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61163123A (ja) | 1986-07-23 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |