JPH07121761B2 - ピッキング指示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、外部からの物品取り出し要求を受けて、取
り出すべき物品の位置及び取り出し数量等を表示するピ
ッキング指示装置の改良に関する。

（従来の技術） 周知のように、傾斜した棚板を有し、その前面に面した
棚位置をそれぞれ別個の物品の収容位置とし、棚の傾斜
を利用して、前方の物品ケースを取り除くと後方の新し
いケースが前に出て来るような構造の流動棚システムが
普及している。このような流動棚システムは、例えば倉
庫等の物品保管場所に多数設置され、オーダーリストに
よって所定の種類の物品を所定の数量だけ作業員が次々
に取り出していく、いわゆるオーダーピッキングシステ
ムに広く利用されている。

ところで、従来のピッキング作業は、従業員がピッキン
グすべきリスト（伝票）を持ち、それに基づいて所定の
物品を所定数量取り出すようにしているため、作業時間
が長くかかり、作業能率の低下を招く等の問題を有して
いる。

そこで、近時では、棚の各物品収容位置にピッキング指
示器をそれぞれ設置し、コンピュータによる集中管理シ
ステムを用いて、取り出すべき物品の数量を自動的に表
示させるとともに、取り出し終了後は、上記ピッキング
指示器に内蔵されたリセットスイッチを操作することに
より、コンピュータに作業終了を知らせて、次の取り出
し数量の表示を行なうようにする流動棚システムの開発
が盛んに行なわれている。

しかしながら、流動棚システムにコンピュータによる集
中管理を施して、ピッキング作業の能率を向上させよう
とする技術には、まだまだ改良しなければならない点が
残されており、種々の点で使用者のニーズに十分に答え
得るような、ピッキングシステムの開発が強く要望され
ている。

すなわち、ピッキング指示器には、それぞれ自己の位置
を特定するためにアドレスが設定されるようになってお
り、コンピュータはアドレスによって所定のピッキング
指示器を指定して、数量表示を行なわせるようにしてい
る。このため、ピッキング指示器に対するアドレス設定
に誤りがあると、正確なピッキング指示が行なえなくな
るという問題が生じる。

特に、実際のピッキング作業中では、例えばピッキング
指示器が不良になった場合、作業を中断してピッキング
作業員が指示器の交換を行なうことが多々あり、このと
き不馴れなピッキング作業員によってアドレスの設定が
行なわれることになるので、アドレス設定に誤りが生じ
易くなるものである。

（発明が解決しようとする課題） 以上のように、従来の集中管理によるピッキングシステ
ムは、各物品収容位置に対応して設置されるピッキング
指示器のアドレス設定に誤りが生じ易く、正確なピッキ
ング作業の実行が阻害されるという問題を有している。

そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、ピッキング指示器に設定したアドレスを容易に確認
することができ、誤ったアドレスが設定されることを防
止し、ひいては正確なピッキング作業の実現を促進し得
る極めて良好なピッキング指示装置を提供することを目
的とする。

（課題を解決するための手段） すなわち、この発明に係るピッキング指示装置は、それ
ぞれが物品の収容される棚の各物品収容位置に対応して
配置されるもので、自己の位置を特定するためのアドレ
スを設定するアドレス設定部と、取り出すべき物品の収
容位置及び該物品の取り出し数量を表示する数量表示部
と、この数量表示部の表示をリセットするためのリセッ
トスイッチと、棚に収容された物品が数量表示部で表示
された数量に満たないとき操作する欠品スイッチとを備
え、外部からの物品取り出し要求を受けて取り出すべき
物品の収容位置を示すアドレス情報と該物品の取り出し
数量とを含むピッキングデータを出力する管理手段によ
って制御されるものを対象としている。そして、ピッキ
ングデータが受信されていない状態で、リセットスイッ
チと欠品スイッチとが共に操作されたとき、アドレス設
定部に設定されたアドレスを数量表示部に表示させるよ
うに構成したものである。

（作用） 上記のような構成によれば、ピッキングデータが受信さ
れていない状態で、リセットスイッチと欠品スイッチと
が共に操作されたとき、アドレス設定部に設定されたア
ドレスを数量表示部に表示させるようにしたので、設定
したアドレスを容易に確認することができるため、誤っ
たアドレスが設定されることを防止し、ひいては正確な
ピッキング作業を実現させることができるものである。
また、物品の収容位置及び取り出し数量を表示する数量
表示部を、アドレスの表示に兼用しているため構成上も
有利である。

（実施例） 以下、この発明の一実施例について図面を参照して詳細
に説明する。第１図は、流動棚システム11を示してい
る。この流動棚システム11は、１個単位がベイと称され
ており、前方に傾斜するように設置された複数（図示の
場合は３つ）の棚12,12…を有している。そして、各棚1
2,12…には、その前面に種類別にケース13,13…に入れ
られた物品14,14…が載置されている。また、各ケース1
3,13…の後方には、それぞれ同じ物品14,14…のケース1
3,13…が配置されている。

ここで、上記物品14,14…は、棚12,12…の前面から取り
出すものであるが、１つのケース13が空になった場合そ
のケース13を取り除くと、後ろのケース13が傾斜によっ
て前に出て来るので、そこから次の取り出しを行なうよ
うになされている。また、物品14,14…の補給は、棚12,
12…の最後方に新しいケース13,13…を置くことにより
行なわれる。

ここにおいて、上記棚12,12…には、該棚12,12…に載置
されたケース13,13…にそれぞれ対応する位置に、ピッ
キング指示器15,15…が設置されている。このピッキン
グ指示器15,15…には、第２図に示すように、その略中
央部にピッキング数量を表示するための、４桁のデジタ
ル表示部16が設けられている。

また、このデジタル表示部16の両側には、該デジタル表
示部16の表示をリセットするためのリセットスイッチ17
と、棚12,12…に収容された物品14,14…がデジタル表示
部16で表示された数量に満たないとき操作する欠品スイ
ッチ18とが設置されている。さらに、ピッキング指示器
15には、その第２図中右端部にデジタル表示部16によっ
て数量表示が行なわれているときに点滅駆動される点滅
灯19が設けられている。

ここで、上記ピッキング指示器15には、その第２図中左
端部にアドレス設定部20が設けられている。そして、こ
のアドレス設定部20によって、各ピッキング指示器15,1
5…毎にそれぞれ固有のアドレスが設定可能となってお
り、このアドレスによって後述する集中管理システムが
所望のピッキング指示器15を指定して、数量表示等を行
なわせることができるものである。

また、上記アドレス設定部20は、ピッキング指示器15と
集中管理システムとの間における情報通信速度を、Ｈ
（ハイ）モードとＬ（ロー）モードとに選択的に切り換
える機能も有している。

ところで、上述した各ピッチング指示器15,15…は、そ
れぞれコンピュータによる上記集中管理システムによっ
て制御される。すなわち、この集中管理システムは、注
文された物品14,14…の種類及びその数量を示すデータ
（オーダーリスト）が入力されると、その物品14,14…
のはいったケース13,13…に対応する位置に設置された
ピッキング指示器15,15…をアドレス指定して、数量デ
ータ等を含むピッキングデータを出力する。

すると、取り出すべき物品14,14…に対応したピッキン
グ指示器15,15…のデジタル表示部16に、一斉に数量表
示が行なわれるとともに、該数量表示が行なわれたデジ
タル表示部16に付随する表示灯19が点滅駆動される。

このため、ピッキング作業員は、表示された数量に基づ
いて物品14,14…を順次ピッキングするとともに、１種
類の物品14に対して表示数量だけピッキング作業が終了
する毎に、その物品14に対応するピッキング指示器15の
リセットスイッチ17を操作する。

すると、リセットスイッチ17の操作された物品14に対応
したデジタル表示部16の表示がリセットされ、このよう
にして数量表示を行なっている全てのデジタル表示部16
がリセットされると、集中管理システムが次のオーダー
リストを受け付けるようになるものである。

なお、棚12上に載置された物品14の数量が、デジタル表
示部16で表示されている数量に満たない場合には、ピッ
キング作業員が欠品スイッチ18を操作する。すると、集
中管理システムは、当該物品14に欠品があったことを認
識し、欠品リストの作成や棚12への物品14の補給指示等
を行なうものである。

ここで、各ピッキング指示器15,15…は、それぞれ図示
しないマイクロコンピュータを内蔵しており、このマイ
クロコンピュータを介して集中管理システムと情報伝送
を行なっている。そして、このマイクロコンピュータ
は、集中管理システムから出力されるピッキングデータ
を受信していない状態で、リセットスイッチ17と欠品ス
イッチ18とが共に操作されたとき、第３図に示すよう
に、アドレス設定部20で設定したアドレスと情報通信速
度のモードとを、デジタル表示部16によって表示させる
ようになされている。

この場合、アドレスは、デジタル表示部16の第３図中右
側の２桁を用いて10進数で表示され、情報通信速度モー
ドは、デジタル表示部16の図中左側の１桁を用いて“H"
か“L"かで表示されるようになっている。

ここにおいて、上記集中管理システムは、第４図に示す
ように、コンピュータ21と集中制御部22とから構成され
ており、実際には、ｎ個の流動棚システム111,112〜11n
を時分割的に制御するように構成されている。この場
合、各流動棚システム111,112〜11nに設けられるピッキ
ング指示器151…,152…〜15n…に内蔵されたマイクロコ
ンピュータは、各流動棚システム111,112〜11n毎にブロ
ック制御部231,232〜23nで統括制御され、集中制御部22
を介してコンピュータ21とデータ交換を行なうようにな
されている。

以下、ピッキング指示器15に内蔵されたマイクロコンピ
ュータによる、アドレスと情報通信速度モードとの表示
に係る動作について、第５図に示すフローチャートを参
照して説明する。まず、開始（ステップS1）されると、
ステップS2で、ピッキング作業員は、ピッキング指示器
15に電源を投入する。すると、ステップS3で、ピッキン
グ指示器15に内蔵されたマイクロコンピュータのイニシ
ャライズが行なわれた後、ステップS4で、マイクロコン
ピュータは、集中管理システムから出力されるピッキン
グデータが受信されたか否かを判別する。

そして、ピッキングデータが受信されていれば（YE
S）、ステップS5で、マイクロコンピュータは、前述し
たように、受信されたピッキングデータに基づいてデジ
タル表示部16に数量表示を行なわせるとともに、点滅等
19を点滅駆動させる。その後、ピッキング作業が終了
し、ステップS6で、ピッキング作業員がリセットスイッ
チ17を操作すると、ステップS7で、マイクロコンピュー
タは、デジタル表示部16の数量表示及び点滅灯19の点滅
駆動を停止させる。

また、ステップS4でピッキングデータが受信されていな
い場合（NO）、ステップS8で、マイクロコンピュータ
は、リセットスイッチ17と欠品スイッチ18とが共に操作
されたか否かを判別する。そして、共に操作されていな
ければ（NO）、マイクロコンピュータは、ステップS4の
処理に戻り、共に操作されていれば（YES）、ステップS
9で、マイクロコンピュータは、アドレス設定部20で設
定された自己のアドレスと情報通信速度モードとを、第
３図に示したように、デジタル表示部16に表示させる。

その後、ステップS10で、マイクロコンピュータは、再
び集中管理システムから出力されるピッキングデータが
受信されたか否かを判別する。そして、ピッキングデー
タが受信されていれば（YES）、ステップS11で、マイク
ロコンピュータは、デジタル表示部16における自己のア
ドレスと情報通信速度モードとの表示を停止させ、ステ
ップS5の処理に戻される。

また、ステップS10でピッキングデータが受信されてい
なければ（NO）、ステップS12で、マイクロコンピュー
タは、デジタル表示部16における自己のアドレスと情報
通信速度モードとの表示をそのまま継続する。そして、
ステップS13で、ピッキング作業員によってリセットス
イッチ17及び欠品スイッチ18の少なくともいずれか一方
が非操作状態になされると、ステップS14で、マイクロ
コンピュータは、デジタル表示部16における自己のアド
レスと情報通信速度モードとの表示を停止させる。

このようにして、ステップS7の後またはステップS14の
後、ピッキング作業員は、ステップS15で、ピッキング
指示器15に対して電源断が要求されているか否かを判別
し、要求されていなければ（NO）、マイクロコンピュー
タをステップS4の処理に戻し、要求されていれば（YE
S）、終了（ステップS16）される。

上記実施例によれば、ピッキング指示器15に集中管理シ
ステムから出力されるピッキングデータが受信されてい
ない状態で、リセットスイッチ17と欠品スイッチ18とが
共に操作されたとき、アドレス設定部20で設定したアド
レスと情報通信速度のモードとを、デジタル表示部16に
よって表示させるようにしたので、設定したアドレスを
容易に確認することができるため、誤ったアドレスが設
定されることを防止し、ひいては正確なピッキング作業
を実現させることができるものである。

特に、棚12,12,……上における各物品14,14,……の収容
位置にそれぞれ対応して配置された複数のピッキング指
示器15,15,……のうち、ピッキングデータが受信されて
いない状態で、リセットスイッチ17と欠品スイッチ18と
が共に操作されたピッキング指示器15に対してのみアド
レスの表示が行なわれるので、アドレスの確認を行ない
たいピッキング指示器15だけを任意に選択して、そこに
設定されたアドレスを容易に確認することができる。こ
のため、例えば部分的にピッキング指示器15を交換した
場合やアドレスの変更を行なった場合等に、その交換や
変更を行なったその場で、そのピッキング指示器15に設
定したアドレスの確認を容易に行なうことができ、現場
におけるメンテナンス作業を容易化することができる。

また、アドレスと情報通信速度モードとの表示状態で
も、ピッキング指示器15にピッキングデータが受信され
たときは、自動的にピッキングデータに基づく数量表示
に切り換えられるので、ピッキング作業に何ら障害が及
ぼされることはない。さらに、リセットスイッチ17と欠
品スイッチ18とを共に操作することにより、アドレスと
情報通信速度モードとの表示状態に切り換えられるよう
にしたので、別途に専用の切換スイッチ等を設ける必要
がなく、構成を簡易にすることができる。

なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実
施することができる。

（発明の効果） 以上詳述したようにこの発明によれば、ピッキング指示
器に設定したアドレスを容易に確認することができ、誤
ったアドレスが設定されることを防止し、ひいては正確
なピッキング作業の実現を促進し得る極めて良好なピッ
キング指示装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係るピッキング指示装置の一実施例を
示すもので、第１図は流動棚システムを示す斜視図、第
２図はピッキング指示器の詳細を示す平面図、第３図は
同ピッキング指示器によるアドレスと情報通信速度モー
ドの表示形態を示す平面図、第４図は同ピッキング指示
器を制御するための集中管理システムを示すブロック構
成図、第５図は同実施例の動作を説明するためのフロー
チャートである。 11……流動棚システム、12……棚、13……ケース、14…
…物品、15……ピッキング指示器、16……デジタル表示
部、17……リセットスイッチ、18……欠品スイッチ、19
……点滅灯、20……アドレス設定部、21……コンピュー
タ、22……集中制御部、231〜23n……ブロック制御部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれが物品の収容される棚の各物品収
   容位置に対応して配置されるもので、自己の位置を特定
   するためのアドレスを設定するアドレス設定部と、取り
   出すべき物品の収容位置及び該物品の取り出し数量を表
   示する数量表示部と、この数量表示部の表示をリセット
   するためのリセットスイッチと、前記棚に収容された物
   品が前記数量表示部で表示された数量に満たないとき操
   作する欠品スイッチとを備え、外部からの物品取り出し
   要求を受けて取り出すべき物品の収容位置を示すアドレ
   ス情報と該物品の取り出し数量とを含むピッキングデー
   タを出力する管理手段によって制御されるピッキング指
   示装置において、前記ピッキングデータが受信されてい
   ない状態で、前記リセットスイッチと前記欠品スイッチ
   とが共に操作されたとき、前記アドレス設定部で設定さ
   れたアドレスを、前記数量表示部に表示させる表示切換
   手段を具備してなることを特徴とするピッキング指示装
   置。