JPH07121613B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH07121613B2
JPH07121613B2 JP59230300A JP23030084A JPH07121613B2 JP H07121613 B2 JPH07121613 B2 JP H07121613B2 JP 59230300 A JP59230300 A JP 59230300A JP 23030084 A JP23030084 A JP 23030084A JP H07121613 B2 JPH07121613 B2 JP H07121613B2
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ion
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通治 安倍
勉 佐藤
裕 上田
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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はレーザ特に半導体レーザによる書込み記録に適
した光情報記録媒体に関する。
〔従来技術〕 従来、回転しているデイスク状の情報記録媒体にレーザ
光を照射して情報の記録再生を行なう情報記録再生装置
が知られている。そして、この種の情報記録装置に用い
られる情報記録媒体としては基板上に低融点金属または
低融点金属と誘電体とからなる記録層を設けたものなど
が提案されている。しかし、これらは保存性が悪い、分
解能が低い、記録密度が低い、コスト高になるなどの欠
点を有する。
そこで、本発明者等は種々検討の結果基板上に色素薄膜
を設けた場合に書き込み感度および反射率が向上し読み
出しのS/N比が高い記録媒体が得られることを見出し既
にそれを提案している。しかしながら、かかる記録媒体
は光および熱に対する安定性、記録後の再生光に対する
保存性などがまだ十分でないのが現状である。
〔目的〕
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであつて、その
主な目的は熱および光に対する保存性、再生光に対する
保存性などが改良された光情報記録媒体を提供すること
である。
〔構成〕
本発明者は上記目的について種々検討を行つた結果、光
情報記録媒体の保存性の向上には記録層を設ける基体の
材質ならびに記録層の構成成分の性状のみならず該成分
と基体材料との相互作用が影響することに着目し本発明
をなすに至つた。そこで、本発明の目的は記録層を設け
る基体としてアクリル系重合体層を用いること、該重合
体層に案内溝を設けること、記録層の構成成分として下
記一般式〔I〕の化合物および遷移金属錯体または該錯
体とカチオンとの塩を用いることにより達成することが
できる。ここで本発明でいう「アクリル系重合体」はア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体
を意味する。
一般式 ただし、Xは弗素、塩素、臭素および沃素からなる群よ
り選ばれたハロゲン原子を表わし、mおよびnは1〜4
の整数を表わし、そしてYは過塩素酸塩イオン、ベンゼ
ンスルホン酸塩イオン、p−トルエンスルホン酸塩イオ
ン、メチル硫酸塩イオンおよびエチル硫酸塩イオンから
なる群より選ばれたアニオンを表わす。
本発明の光情報記録媒体は基本的には表面に案内溝を有
するアクリル系重合体層上に上記一般式〔I〕の化合物
および遷移金属錯体またはそのカチオン塩を主成分とす
る記録層を設けたものである。さらに必要に応じて記録
層の上に保護層を設けてもよい。また、このようにして
構成された記録媒体をサンドイツチ構造にして使用する
こともできる。
上記一般式〔I〕の化合物を用いると記録媒体の耐熱性
が改良され特にハロゲン原子(X)をもたないものと比
較するとその傾向が顕著にあらわれる。その原因はいま
だ充分に解明されていないがインドール環およびインド
レニン環上のハロゲン原子(X)による電子吸引効果の
影響とカウンターイオン(Y )のイオン半径の大きさ
によるものと考えられる。さらにこの特定の化合物に遷
移金属錯体またはそのカチオン塩を組合せると記録媒体
の耐光性と再生光に対する保存性がさらに向上するとい
うことがわかつた。
本発明の上記一般式〔I〕の化合物はインドールおよび
インドレニン環上に1〜4個のハロゲン原子が存在し且
つカウンターイオンとしてハロゲンイオンが存在しない
という特徴を有するものである。なお、カウンターイオ
ンとしてハロゲンイオンが存在するものは分解速度が早
いため記録媒体とした場合に耐熱性が低くなる傾向があ
るので適当でない。上記一般式の化合物の代表例をあげ
れば次のとおりであるがこれらだけに制限されるもので
はない。
また、本発明において上記一般式〔I〕の化合物と組合
せて用いられる遷移金属錯体またはそのカチオン塩の代
表例を以下にあげるがこれだけに制限されない。
1) アセチルアセトナートキレート系 (C−1) Ni(II)アクリルアセトナート (C−2) Cu(II)アセチルアセトナート (C−3) Mn(III)アセチルアセトナート (C−4) Co(II)アセチルアセトナート 2) ビスジチオ−α−ジケトン系 (C−5) ビス(ジチオベンジル)ニツケル (C−6) ビス(ジチオビアセチル)ニツケル (C−7) ビス(4−ジエチルアミノベンジルジチ
オ)ニツケル (C−8) ビス(4−ジメチルアミノベンジルジチ
オ)ニツケル 3) ビスフエニルジチオール系 (C−9) ビス(1,2−ジチオフエニル)ニツケル (C−10) ビス(1,2−ジチオ−3,6−ジメチルフエニ
ル)ニツケル (C−11) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリメチルフ
エエニル)ニツケル (C−12) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリメチルフ
エニル)ニツケル (C−13) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5,6−テトラメチ
ルフエニル)ニツケル (C−14) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5,6−テトラクロ
ロフエニル)ニツケル (C−15) ビス(1,2−ジチオ−3,6−ジクロロフエニ
ル)ニツケル (C−16) ビス(1,2−ジチオ−〔d〕−ベンゾフエ
ニル)ニツケル (C−17) ビス(1,2−ジチオ−3,6−メチル−〔d〕
−ベンゾフエニル)ニツケル (C−18) ビス(1,2−ジチオ−3−メチルフエニ
ル)ニツケル (C−19) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリクロロフ
エニル)ニツケル (C−20) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロロフ
エニル)ニツケル (C−21) ビス(1,2−ジチオフエニル)コバルト (C−22) ビス(1,2−ジチオフエニル)白金 (C−23) ビス(1,2−ジチオ−5−クロロフエニ
ル)ニツケル (C−24) ビス(1,2−ジチオ−4−メチルフエニ
ル)ニツケル また、これらの金属錯体はカチオンと塩を形成してもよ
く、たとえば下記の第4級アンモニウム塩をあげること
ができる。
(C−25) ビス(1,2−ジチオ−3−メチルフエニ
ル)ニツケルテトラブチルアンモニウム (C−26) ビス(1,2−ジチオ−4−メチルフエニ
ル)ニツケルテトラブチルアンモニウム (C−27) ビス(1,2−ジチオ−3−メチルフエニ
ル)ニツケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (C−28) ビス(1,2−ジチオ−4−メチルフエニ
ル)ニツケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (C−29) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリメチルフ
エニル)ニツケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (C−30) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリメチルフ
エニル)ニツケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (C−31) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリメチルフ
エニル)ニツケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)アン
モニウム (C−32) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリメチルフ
エニル)ニツケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)アン
モニウム (C−33) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロロフ
エニル)ニツケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)アン
モニウム (C−34) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリクロロフ
エニル)ニツケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)アン
モニウム (C−35) ビス(1,2−ジチオフエニル)コバルトテ
トラプロピルアンモニウム (C−36) ビス(1,2−ジチオフエニル)白金ジプロ
ピルジブチルアンモニウム (C−37) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロロフ
エニル)ニツケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (C−38) ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリクロロフ
エニル)ニツケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (C−38A) ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロロ
フエニル)ニツケルテトラブチルアンモニウム 4) サリチルアルデヒドオキシム系 ここに、R1およびR2は、アルキル基を表わし、Mは、N
i、Co、Cu、Pd、Pt等の遷移金属原子を表わす。
(C−39) Ni(II)o−(N−イソプロピルホルムイ
ミドイル)フエノール (C−40) Ni(II)o−(N−ドデシルホルムイミド
イル)フエノール (C−41) Co(II)o−(N−ドデシルホルムイミド
イル)フエノール (C−42) Cu(II)o−(N−ドデシルホルムイミド
イル)フエノール (C−43) Ni(II)2,2′−〔エチレンビス(ニトリ
ロメチリジン)〕−ジフエノール (C−44) Co(II)2,2′−〔エチレンビス(ニトリ
ロメチリジン)〕−ジフエノール (C−45) Ni(II)2,2′−〔1,8−ナフチレンビス
(ニトリロメチリジン)〕−ジフエノール (C−46) Ni(II)−(N−フエニルホルムイミドイ
ル)フエノール (C−47) Co(II)−(N−フエニルホルムイミドイ
ル)フエノール (C−48) Cu(II)−(N−フエニルホルムイミドイ
ル)フエノール (C−49) Ni(II)サリチルアルデヒドフエニルヒド
ラゾン (C−50) Ni(II)サリチルアルデヒドオキシム 5) チオビスフエノレートキレート系 ここに、Mは前記と同じであり、R3およびR4は、アルキ
ル基を表わす。また、Mは一電荷をもち、カチオンと塩
とを形成していてもよい。
(C−51) Ni(II)n−ブチルアミノ〔2,2′−チオ
ビス(4−tert−オクチル)−フエノレート〕〔Cyasor
b−UV−1084(アメリカン シアナミド カンパニーリ
ミテツド)〕 (C−52) Co(II)n−ブチルアミノ〔2,2′−チオ
ビス(4−tert−オクチル)−フエノレート〕 (C−53) Ni(II)−2,2′−チオビス(4−tert−
オクチル)−フエノレート〕 6) ヒドラジン−S−メチルジチオカルボキシレート
類 一般式 (C−54) R=C6H5 M=Ni (C−55) R=4−CH3OC6H4 M=Ni (C−56) R=4−NO2C6H4 M=Ni (C−57) R=2−NO2C6H4 M=Ni (C−58) R=C6H5 M=Co (C−59) R=4−CH3OC6H4 M=Co (C−60) R=C6H5 M=Pt (C−61) R=C6H5 M=Pd 7) 一般式 (C−62) N H H (C−63) N Cl H (C−64) N CH3 H (C−65) N CH3 CH3 (C−66) N CH3 Cl (C−67) C(CN) H H (C−68) C(CN) H C2H5 (C−69) C(CN) Br H 8) 一般式 上記金属錯体の中でビスジチオ−2−ジケトン類および
ビスフエニルジチオール類が特に好ましい。なお、遷移
金属錯体は一般式〔I〕の化合物に対し重量比で1/100
〜1/2程度加えられるが1/20〜1/3の重量比が好ましい。
本発明による記録層の形成には種々の方法が適用されう
るが一般式〔I〕の化合物自体昇華性が低いために蒸着
とかスパツタリングなどの方法は好ましくなく通常有機
溶媒を用いるコーテイング法を適用することが好まし
い。コーテイング法を適用する場合には本発明における
記録層は上記一般式〔I〕の化合物および遷移金属錯体
またはそのカチオン塩を有機溶媒に溶解した溶液を案内
溝を有するアクリル系重合体層に塗布して形成すること
ができる。さらに、記録層の形成には安定剤、抗酸化
剤、難燃剤、界面活性剤、分散剤などを含有させてもい
が、バインダーは反射率を低下させる傾向があるので好
ましくない。塗布に用いる有機溶媒としては例えばメタ
ノール、メチレンジクロライド、1,2−ジクロロエタン
などをあげることができる。塗布はスプレーコーテイン
グ、スピンコーテイング、ローラーコーテイング、デイ
ツピングなどの慣用のコーテイング法によつて行なわれ
る。
記録層の膜厚(乾燥時)は、案内溝の凸部において200
Å〜2000Å好ましくは250Å〜800Åの範囲が適当であ
る。膜厚が200Å以下では吸収が小さく記録できず2000
Å以上では記録感度が低下し、さらにノイズが多くな
る。
本発明による記録層を設ける基体にはあらかじめ案内溝
が形成されていることが必要である。情報はらせん状ま
たは同心円状に記録されるが高密度記録のためにはこの
ピツチを小さくしていく必要がある。しかし、案内溝が
ないと軸ブレなどによつて記録トラツクが交叉するとい
つた不都合が生じる。案内溝は通常高いレベルに位置す
る凸部と低いレベルに位置する凹部とが交互に存在する
構造となつていて凹凸の高さは通常λ/12〜λ/4に調整
されている。また、凹部の幅は0.3μm〜1.2μm程度で
ありそのピツチは1.6μm〜2.4μm程度である。同時
に、トラツクアドレスやセクタアドレスといつた情報も
原盤作成時につくられる。
本発明における記録層の形成には通常有機溶媒によるコ
ーテイングが用いられることから、案内溝は該溶媒に不
溶であることと案内溝を構成する材料が記録層を構成す
る成分と相互作用がない(反応して分解しない)ことが
必要であるので案内溝はアクリル酸エステル重合体およ
びメタクリル酸エステル重合体で構成されているのが必
要であり、特に光硬化型のものが好ましい。
また、案内溝が形成されている基体としてはアクリル系
重合体層をそのまま用いてもよいしあるいは他の基板上
に案内溝を形成した層を用いてもよい。そのような基板
としては、プラスチツク、ガラス、金属、セラミツクな
どが用いられるが軽量で割れにくいことからプラスチツ
クが好ましい。
本発明で用いるアクリル系重合体の代表例としてはエチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリ
レート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、オクタデシルアクリレート、エトキシエチルアクリ
レート、フエノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフエー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ステアリル
アクリレート、ラウリルアクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペ
ンテニールアクリレートおよびそれぞれに対応するメタ
クリレートがあり、ジアクリレートおよびジメタクリレ
ートとしては1,3−プロパンジオールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピ
バリン酸エステル、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ビスオ
キシエチレン化ビスフエノールAジアクリレート、ビス
ジ(オキシエチレン化)ビスフエノールAジアクリレー
ト、ビスオキシプロピレン化ビスフエノールAジアクリ
レート、ビスジ(オキシプロピレン化)ビスフエノール
Aジアクリレート、3−メチルペンタンジオールジアク
リレート、ビス(アクリロキシメチル)トリシクロデカ
ンおよび上記それぞれのアクリレートに対応するメタク
リレートなどがありまたトリアクリレートおよびトリメ
タクリレートとして例えばトリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート
およびそれぞれに対応するメタクリレートならびにトリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートをあげるこ
とができる。また、4個以上の官能基を有するアクリレ
ートおよびメタクリレートとしては例えばジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタ
ンテトラアクリレートおよびペンタエリスリトールテト
ラアクリレートおよびそれぞれに対応するメタクリレー
トをあげることができる。上記エステル類の中でジアク
リル酸エステル類が架橋性などの点で好ましく、特にビ
ス(アクリロキシ)トリシクロデカンは記録層との相互
作用が小さく好ましいものである。
また、本発明におけるアクリル系重合体層を形成するに
あたつては上記エステル類の他に必要に応じて既知の光
重合開始剤(例えばベンゾインエーテル類)、増感剤
(例えばアミン類)、貯蔵安定剤(例えば第4級アンモ
ニウムクロライド)などを用いることができる。光重合
開始剤はアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルのモノマー100重量部に対して0.05から10重量部の範
囲好ましくは0.2から5重量部の範囲で用いられる。増
感剤はモノマー100重量部に対して0.01〜5重量部の範
囲で含有させるのが好ましい。また、貯蔵安定剤はモノ
マー100重量部に対して0.001〜2重量部の範囲で含有さ
せるのが好ましい。
本発明の光情報記録媒体は基本的には案内溝を有する基
体上に記録層を設けたものであるが、さらに目的に応じ
て記録層の上に保護層を設けることができる。保護層は
キズ、ホコリ、汚れなどからの保護および記録層の化学
的安定性の向上を目的として設けられ、膜厚は0.1μm
以上好ましくは50μm以上が適当である。また、保護層
の材料としては例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド系
樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴ
ムなどの高分子材料、無機化合物例えばSiO2、MgF2、Si
O、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど、金属または半金属層例え
ばZn、Cu、S、Ni、Cr、Ge、Se、Cd、Ag、Alなどを用い
ることができる。
また、本発明における記録層は基体上の片面または両面
に設けてもよいし、さらにこの記録媒体を一対とし記録
層が内側になるように配置したいわゆるサンドイツチ構
造にしてホコリやキズがつかないようにすることもでき
る。また、サンドイツチ構造において記録面の対面に基
板に用いられる材料を用いて保護板とすることができ
る。ただし、この保護板は記録層側の基板が不透明な場
合には透明であることが必要である。
次に、図面を参照して本発明の光情報記録媒体の構成を
例示する。
第1図に示すように、本発明の記録媒体の一つの例は基
板1上に案内溝を有するアクリル系重合体層2が設けら
れさらにその上に記録層3が設けられたものである。基
板1と重合体層2との間にはアンカーコート層などが存
在していてもよい。
第2図は本発明による記録媒体のもつとも好ましい構成
であるいわゆるサンドイツチ構造を示す。これは第1図
に示すような構成の記録媒体を記録層3が内側になるよ
うに基板1と対向させスペーサ4を使用して封入一体化
させたものである。対向する基板1は単なる基板でもよ
いしあるいはその上に記録層を設けたものでもよい。ま
た、別の態様として第2図に示すようにエアサンドイツ
チ構造とせずに、第1図の構成の記録層3をカバーする
ように保護板を設けた単板構造にすることもできる。
本発明における案内溝の形成には従来のインジエクシヨ
ン法などを適用できるのが情報の正確な書込み読出しが
可能な案内溝を基板上に形成させるためには以下に説明
するような方法を用いることが好ましい。
まず、第3図に示すように表面に転写すべき案内溝(凹
凸パターン)11が形成されている型(スタンパー)12を
用意する。この型の材質は一般的にはニツケル、クロム
またはこれらの合金などであり必要に応じて表面硬化な
どの処理がしてあるものであるが、紫外光に透明な例え
ば石英ガラスが望ましい。次に、第4図に示すように型
12の上に本発明の上記エステル類を主成分とする重合性
組成物13を適用し、その上に基板1を重ね合せた後活性
線を照射して重合性組成物13を光硬化させる。活性線の
光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
キセノンランプ、メタルハライドランプ、カーボンアー
ク、紫外用けい光灯などが用いられる。活性線照射後、
第5図に示すように型12を剥離すると型12の案内溝(凹
凸パターン)11が正確に転写された重合体層13′が基板
1上に残る。
〔実施例〕
以下に比較例とともに実施例を掲げて本発明をさらに説
明するが、本発明はこれらの実施例によつて限定される
ものではない。
実施例 1 1,6−ヘキサンジオールアクリレート97重量%とベンゾ
インイソプロピルエーテル3重量%とからなる重合性組
成物を石英スタンパー上に滴下し、この上にアンカーコ
ート層としてアクリル系コート(富士ハード1878−藤倉
化成)を塗布したアクリル基板を重ね合せた後、2μm
ピツチで幅1μm、深さ0.13μmの案内溝を形成したス
タンパー側より高圧水銀灯(80W/cm)を用いて26cmの距
離から2分間照射して光硬化させた。次に、アクリル基
板をスタンパーからゆつくり引き離すと案内溝が基板上
に形成された。
このようにして形成された案内溝の上に、前掲例示化合
物(D−1)0.7重量%および前掲例示錯体(C−7)
0.1重量%の1,2−ジクロルエタン溶液を塗布し乾燥後厚
さ500Åの記録層を設けた。次に、この記録層をアクリ
ル板と対向させ厚さ1mmのスペーサと熱硬化型エポキシ
接着剤とを用いて第3図に示すようなエアサンドイツチ
構造を形成させた。
この記録媒体に波長790nmの半導体レーザを用い線速1.2
4m/sec、ビーム径1.6μmで0.7MHzの信号を記録した。
これを再生したところ54dBのC/Nが得られた。
次に、この記録媒体を500Wのタングステン光下に24時間
放置した後再び信号を再生したところ53dBのC/Nが得ら
れた。さらに、これとは別にこの記録媒体を60℃、90%
の恒温恒湿槽に3000時間保存した後、再び信号を再生し
たところ51dBのC/Nが得られた。
実施例 2〜33 以下の表に示す処方にしたがつて実施例1と同様にして
各記録媒体を作製して評価を行いその結果を以下の表に
まとめて示す。
比較例 1〜10 以下の表に示す処方にしたがつて実施例1と同様にして
各記録媒体を作製して評価を行いその結果を以下の表に
まとめて示す。表においてA−1、A−2およびA−3
の化合物は以下の一般式で表わされる。
比較例 11 アクリル系重合体による平坦な下地層を設けた基板に、
実施例1と同様にして記録層を形成した。これに情報を
2μmピツチで記録したがトラツク交叉が発生して信号
を読み出せなかつた。
比較例12 実施例1において、アクリル基板およびその上に形成さ
れた1,6−ヘキサンジオールアクリレート硬化物の代わ
りに、スパンタを金型にセットし、ポリカーボネート樹
脂を射出成形することにより得られた基板を用い、同様
の色素を塗布して記録媒体を得られたが、スパンタより
転写した微細な溝が消えてしまい、アドレス情報、案内
溝情報が消失した。
これに信号を記録したところ、記録ピット列が交錯して
しまい、再生ができなかった。
比較例13 実施例1のアクリル基板の代わりに、ポリカーボネート
板を用い、同様の方法で溝を転写し、記録媒体を得た。
これに信号を記録したところ、信号のうねりが大きく
(被屈折大なため)C/Nは46dBしか得られなかった。
〔効 果〕
本発明の光情報記録媒体は記録感度が高いばかりでなく
また熱および光に対してきわめて安定であるので保存性
が高くしたがつて書き込んだ情報の経時変化も少ないか
ら書き込み情報の変化もなく正確な情報を読み取ること
ができさらに製造も容易であるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の光情報記録媒体の構成例
を示す断面図でありそして第3図ないし第5図は案内溝
の形成法の1例を示す説明図である。 1……基板、2……案内溝を設けた重合体層、3……記
録層、4……スペーサ、11……案内溝、12……スタンパ
ー、13……重合性組成物、13′……重合体層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 上田 裕 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭59−171046(JP,A) 特開 昭59−85791(JP,A) 特開 昭59−78341(JP,A) 特開 昭59−55794(JP,A) 特開 昭59−67092(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に案内溝を有するアクリル系重合体層
    上に、一般式 (式中、Xは弗素、塩素、臭素および沃素からなる群よ
    り選ばれたハロゲン原子を表わし、mおよびnは1〜4
    の整数を表わし、そしてYは過塩素酸塩イオン、ベンゼ
    ンスルホン酸塩イオン、p−トルエンスルホン酸塩イオ
    ン、メチル硫酸塩イオンおよびエチル硫酸塩イオンから
    なる群より選ばれたアニオンを表わす)で表わされる化
    合物および遷移金属錯体または該錯体とカチオンとの塩
    を含む記録層を有することを特徴とする、光情報記録媒
    体。
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