JPH07120511A - デジタル位相計 - Google Patents
デジタル位相計Info
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- JPH07120511A JPH07120511A JP27018293A JP27018293A JPH07120511A JP H07120511 A JPH07120511 A JP H07120511A JP 27018293 A JP27018293 A JP 27018293A JP 27018293 A JP27018293 A JP 27018293A JP H07120511 A JPH07120511 A JP H07120511A
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- output
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ノイズを含んだ波形,或いは電圧,電流の振
幅に差があっても安定に動作し、正しい表示を行うこと
のできるディジタル位相計を実現する。 【構成】 入力電圧v,入力電流iがそれぞれ印加され
るレンジ増幅器A1、A2、その出力電圧が積分器
A5、A6を介して乗算されるアナログ乗算器X1、X
2よりなる自動ゲイン調整回路AGC、自動ゲイン調整
回路AGCの出力がそれぞれ与えられるゼロクロス・コ
ンパレータCOMP1、COMP2よりなるアナログ部
ANLと、測定周期規定回路9、前記測定周期規定回路
で得られる信号の時間幅T2を測定する第一のカウンタ
U3、位相角に対応した時間の積算値Σtを測定する第
二のカウンタU4、交流入力の位相角を算出する演算器
MCU、フリップ・フロップ回路FF4よりなり前記ア
ナログ部を構成する両ゼロクロス・コンパレータの出力
が加えられるロジック部LOGとを具備した。
幅に差があっても安定に動作し、正しい表示を行うこと
のできるディジタル位相計を実現する。 【構成】 入力電圧v,入力電流iがそれぞれ印加され
るレンジ増幅器A1、A2、その出力電圧が積分器
A5、A6を介して乗算されるアナログ乗算器X1、X
2よりなる自動ゲイン調整回路AGC、自動ゲイン調整
回路AGCの出力がそれぞれ与えられるゼロクロス・コ
ンパレータCOMP1、COMP2よりなるアナログ部
ANLと、測定周期規定回路9、前記測定周期規定回路
で得られる信号の時間幅T2を測定する第一のカウンタ
U3、位相角に対応した時間の積算値Σtを測定する第
二のカウンタU4、交流入力の位相角を算出する演算器
MCU、フリップ・フロップ回路FF4よりなり前記ア
ナログ部を構成する両ゼロクロス・コンパレータの出力
が加えられるロジック部LOGとを具備した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一周波数の2つの位
相差をデジタル手段を用いて測定するようにしたデジタ
ル位相計に関するものである。
相差をデジタル手段を用いて測定するようにしたデジタ
ル位相計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は本願出願人によって開発したデジ
タル位相計の回路構成図で、特願平4-215219号として出
願している。以下、本願発明を説明する前に、図3乃至
図5を用いてこの既出願の位相計について説明する。
尚、図3はその動作原理、図5はタイミング・チャート
を示す図である。図3の動作原理図において、交流電圧
vに対する電流iの進み又は遅れの位相角をφとし、こ
のφに対応した時間をt,測定周期数をnp,測定時間
をT2とし、測定時間T2内におけるt時間の合計値を
Σtとすると、 np・360° ◇ T2(◇は比例を表す) np・φ ◇ Σt(◇は比例を表す) の関係が成立するので、位相角φは φ=(Σt/np)=(Σt/T2)・360°(単位DEG) …(1) で表される。図4に示す既出願の位相計はΣtとT2を
測定することにより、(1)式の演算によって位相角φ
を求めるようにしたものである。
タル位相計の回路構成図で、特願平4-215219号として出
願している。以下、本願発明を説明する前に、図3乃至
図5を用いてこの既出願の位相計について説明する。
尚、図3はその動作原理、図5はタイミング・チャート
を示す図である。図3の動作原理図において、交流電圧
vに対する電流iの進み又は遅れの位相角をφとし、こ
のφに対応した時間をt,測定周期数をnp,測定時間
をT2とし、測定時間T2内におけるt時間の合計値を
Σtとすると、 np・360° ◇ T2(◇は比例を表す) np・φ ◇ Σt(◇は比例を表す) の関係が成立するので、位相角φは φ=(Σt/np)=(Σt/T2)・360°(単位DEG) …(1) で表される。図4に示す既出願の位相計はΣtとT2を
測定することにより、(1)式の演算によって位相角φ
を求めるようにしたものである。
【0003】図4において、v,iは端子2,4より加
えられる同一周波数の交流電圧,及び電流で、変成器P
T及びCTを介して増幅器1,3に与えられる。5,7
はコンパレータ(CMP)で、増幅器1,3の出力を所
定のレベルと比較してそれぞれ方形波信号S2,S3を
出力する。
えられる同一周波数の交流電圧,及び電流で、変成器P
T及びCTを介して増幅器1,3に与えられる。5,7
はコンパレータ(CMP)で、増幅器1,3の出力を所
定のレベルと比較してそれぞれ方形波信号S2,S3を
出力する。
【0004】8はクロックS1を出力する発振器、9は
前記の測定時間T2を入力電圧v,電流iの周期の整数
倍に同期させ、そのT2の下限値を規定する測定周期規
定回路で、プログラマブル・タイマーU1,フリップ・
フロップFF1,FF2,及びアンド・ゲートAND
1,AND2からなっている。MCUは演算器で、後述
するタイマー時間T1はこの演算器により予め設定さ
れ、プログラマブル・タイマーU1のトリガ端子TRG
に立ち上がりパルスが加えられると、そのOUT端子が
T1時間“ロウ”レベルになる様になっている。
前記の測定時間T2を入力電圧v,電流iの周期の整数
倍に同期させ、そのT2の下限値を規定する測定周期規
定回路で、プログラマブル・タイマーU1,フリップ・
フロップFF1,FF2,及びアンド・ゲートAND
1,AND2からなっている。MCUは演算器で、後述
するタイマー時間T1はこの演算器により予め設定さ
れ、プログラマブル・タイマーU1のトリガ端子TRG
に立ち上がりパルスが加えられると、そのOUT端子が
T1時間“ロウ”レベルになる様になっている。
【0005】U2は測定時間T2中の交流周期数npを
カウントする16ビットのバイナリ・カウンタで、AN
D1の出力が“ハイ”レベルの期間、電圧vのゼロ・ク
ロス数をカウントする。U3は前記の時間T2を測定す
る16ビットのバイナリ・カウンタで、端子Gが“ハ
イ”の期間,発振器8の発振クロックをカウントする。
U4は測定時間T2中における進み,または遅れ時間の
合計値Σtを測定する16ビットのバイナリ・カウンタ
で、RST入力が“ハイ”の時に発振器8の発振クロッ
クをカウントする。FF3は交流電圧vに対して電流i
の進み,遅れを判別するフリップ・フロップで、そのQ
出力は進み時“ハイ”,遅れ時“ロウ”レベルとなり、
カウンタU4のカウント方向を進み時アップ、遅れ時に
ダウン・カウントする。カウンタU2〜U4より得られ
る周期np,測定時間T2,進み,遅れの各データΣt
はそれぞれデータ・バスを介して演算器MCUに取り込
まれ、この演算器で(1)式の演算が実行され、位相角
φが求められる。
カウントする16ビットのバイナリ・カウンタで、AN
D1の出力が“ハイ”レベルの期間、電圧vのゼロ・ク
ロス数をカウントする。U3は前記の時間T2を測定す
る16ビットのバイナリ・カウンタで、端子Gが“ハ
イ”の期間,発振器8の発振クロックをカウントする。
U4は測定時間T2中における進み,または遅れ時間の
合計値Σtを測定する16ビットのバイナリ・カウンタ
で、RST入力が“ハイ”の時に発振器8の発振クロッ
クをカウントする。FF3は交流電圧vに対して電流i
の進み,遅れを判別するフリップ・フロップで、そのQ
出力は進み時“ハイ”,遅れ時“ロウ”レベルとなり、
カウンタU4のカウント方向を進み時アップ、遅れ時に
ダウン・カウントする。カウンタU2〜U4より得られ
る周期np,測定時間T2,進み,遅れの各データΣt
はそれぞれデータ・バスを介して演算器MCUに取り込
まれ、この演算器で(1)式の演算が実行され、位相角
φが求められる。
【0006】このような各部からなる装置の動作を図5
のタイミング・チャートを用いて以下に説明する。な
お、図5に於いて横軸は時刻を表す。ここで、図5の
(6)で示すタイマー時間T1は演算器MCUの初期設
定により終了している。演算器MCUの出力ポート操作
で、RSTを“ハイ”にして、カウンタU4及びFF
2,FF3のリセットを解除して測定を開始させる(時
刻)。
のタイミング・チャートを用いて以下に説明する。な
お、図5に於いて横軸は時刻を表す。ここで、図5の
(6)で示すタイマー時間T1は演算器MCUの初期設
定により終了している。演算器MCUの出力ポート操作
で、RSTを“ハイ”にして、カウンタU4及びFF
2,FF3のリセットを解除して測定を開始させる(時
刻)。
【0007】入力電圧vが加えられるCMP5の出力波
形S2を図5の(3)に、又電流iが加えられるCMP
7の出力波形S3を図5の(2)に示す。時刻後、C
MP5の最初の立ち上がり(時刻)でFF1のQ出力
が“ハイ”になり(図5の(5))、タイマーU1をト
リガする。タイマーU1はトリガが加えられると、最初
のクロックS1に同期してOUT端子の信号が“ロウ”
になる(図5の(6))。T1期間中はFF2はリセッ
ト状態が維持される(図5の(10))。
形S2を図5の(3)に、又電流iが加えられるCMP
7の出力波形S3を図5の(2)に示す。時刻後、C
MP5の最初の立ち上がり(時刻)でFF1のQ出力
が“ハイ”になり(図5の(5))、タイマーU1をト
リガする。タイマーU1はトリガが加えられると、最初
のクロックS1に同期してOUT端子の信号が“ロウ”
になる(図5の(6))。T1期間中はFF2はリセッ
ト状態が維持される(図5の(10))。
【0008】時刻から時間T1が経過し時刻になる
と、タイマーU1のOUT信号は“ハイ”になる(図5
の(6))。一方、この時FF1のQ出力は“ハイ”で
あるので(図5の(5))、AND2の2つの入力は共
に“ハイ”となる。従って、FF2のR信号は“ハイ”
となり(図5の(10))、FF2のリセット状態は解
除される。
と、タイマーU1のOUT信号は“ハイ”になる(図5
の(6))。一方、この時FF1のQ出力は“ハイ”で
あるので(図5の(5))、AND2の2つの入力は共
に“ハイ”となる。従って、FF2のR信号は“ハイ”
となり(図5の(10))、FF2のリセット状態は解
除される。
【0009】時刻でリセット状態が解除されたFF2
へ、時刻でCMP5からの信号S2の立ち上がりエッ
ジが加えられ、FF2のQ出力は“ハイ”,Qバー出力
は“ロウ”になる(図5の(8,9))。
へ、時刻でCMP5からの信号S2の立ち上がりエッ
ジが加えられ、FF2のQ出力は“ハイ”,Qバー出力
は“ロウ”になる(図5の(8,9))。
【0010】AND1は、FF1のQ出力(図5の
(5))とFF2のQバー出力(図5の(8))の論理
積演算を行っているので、AND1の出力S4は(図5
の(7))の波形となる。即ち、カウントイネーブル信
号S4は、図5の(7)で示す如く、時刻における信
号S2の立ち上がりエッジから、期間T1が終了した後
の信号S2の最初の立ち上がりエッジまでの期間T2に
おいて、“ハイ”となる波形となる。
(5))とFF2のQバー出力(図5の(8))の論理
積演算を行っているので、AND1の出力S4は(図5
の(7))の波形となる。即ち、カウントイネーブル信
号S4は、図5の(7)で示す如く、時刻における信
号S2の立ち上がりエッジから、期間T1が終了した後
の信号S2の最初の立ち上がりエッジまでの期間T2に
おいて、“ハイ”となる波形となる。
【0011】図3において、t1,t2,…,tnで示
す進み,又は遅れの時間は、入力電圧vが(+)で、電
流iが(−)の期間であるから、CMP7で得られる信
号S3をインバータINV2より反転させたものと、信
号S2とをAND3により論理積演算することで、図3
のt1,t2,…,tnに相当する期間(図5の
(3))“ハイ”となる信号S7が得られる。
す進み,又は遅れの時間は、入力電圧vが(+)で、電
流iが(−)の期間であるから、CMP7で得られる信
号S3をインバータINV2より反転させたものと、信
号S2とをAND3により論理積演算することで、図3
のt1,t2,…,tnに相当する期間(図5の
(3))“ハイ”となる信号S7が得られる。
【0012】AND4は発振器8の出力クロックS1
と、AND1の出力S4及びAND3の出力S7とを導
入して論理積演算をすることで、図5の(4)の波形を
出力する。即ち、AND4は図3に示すT2期間中にお
けるt1,t2,…,tnの各区間においてゲートを開
き、クロックS1をカウンタU4に加える。その結果、
このカウンタU4で図5の(4)に示すクロックS5の
総発生数Σtが計数される。尚、カウンタU4はFF3
のQ出力により計数方向が制御される。即ち、FF3の
Q出力が“ロウ”のとき”遅れ”でダウンモードとな
り、“ハイ”のとき“進み”でアップ・モードとなる
(図5の(1))。
と、AND1の出力S4及びAND3の出力S7とを導
入して論理積演算をすることで、図5の(4)の波形を
出力する。即ち、AND4は図3に示すT2期間中にお
けるt1,t2,…,tnの各区間においてゲートを開
き、クロックS1をカウンタU4に加える。その結果、
このカウンタU4で図5の(4)に示すクロックS5の
総発生数Σtが計数される。尚、カウンタU4はFF3
のQ出力により計数方向が制御される。即ち、FF3の
Q出力が“ロウ”のとき”遅れ”でダウンモードとな
り、“ハイ”のとき“進み”でアップ・モードとなる
(図5の(1))。
【0013】演算器MCUはT2期間が終了すると、カ
ウンタU4の出力データΣtを読出し、このΣtのMS
Bが“0”なら進み、“1”なら遅れを表すことにな
る。時刻の時に、FF2のQ出力が“ハイ”となり
(図5の(9))、演算器MCUに割り込みがかかる。
演算器MCUに割り込みがかかると、MCUは以下の処
理を行う。 カウンタU2のデータD2(np)を読み取り、内
部に取り込んだ後、U2をクリアする。 カウンタU3のデータD3(T2)を読み取り、内
部に取り込んだ後、U3をクリアする。 カウンタU4のデータD4(Σt)を読み取り、内
部に取り込む。 これらのデータを基にして(1)式の演算を行な
い、位相角φを求め、これを表示する。
ウンタU4の出力データΣtを読出し、このΣtのMS
Bが“0”なら進み、“1”なら遅れを表すことにな
る。時刻の時に、FF2のQ出力が“ハイ”となり
(図5の(9))、演算器MCUに割り込みがかかる。
演算器MCUに割り込みがかかると、MCUは以下の処
理を行う。 カウンタU2のデータD2(np)を読み取り、内
部に取り込んだ後、U2をクリアする。 カウンタU3のデータD3(T2)を読み取り、内
部に取り込んだ後、U3をクリアする。 カウンタU4のデータD4(Σt)を読み取り、内
部に取り込む。 これらのデータを基にして(1)式の演算を行な
い、位相角φを求め、これを表示する。
【0014】このような構成の位相計は汎用のロジック
ICで構成することができるので低価額で信頼性の高い
位相計として前記のように既に出願されているが、 1.入力電圧v,電流iが測定中に無入力になり、この
状態が継続する場合、割り込みが発生しないので、前回
の測定値を表示したままで、無入力表示に切り換わらな
い。 2.上記1で再び入力を入れた場合、測定時間中の位相
角に相当するクロックが欠けるので、最初の一回目の測
定値が大きな誤差となる。 3.動作限界以下の低周波が入力されたとき、カウンタ
がオーバーフローしてしまい、測定値が誤って表示され
るが、これはエラー表示にはならない。 等の問題があることがわかった。
ICで構成することができるので低価額で信頼性の高い
位相計として前記のように既に出願されているが、 1.入力電圧v,電流iが測定中に無入力になり、この
状態が継続する場合、割り込みが発生しないので、前回
の測定値を表示したままで、無入力表示に切り換わらな
い。 2.上記1で再び入力を入れた場合、測定時間中の位相
角に相当するクロックが欠けるので、最初の一回目の測
定値が大きな誤差となる。 3.動作限界以下の低周波が入力されたとき、カウンタ
がオーバーフローしてしまい、測定値が誤って表示され
るが、これはエラー表示にはならない。 等の問題があることがわかった。
【0015】そこで、本願出願人は、上記1〜3の問題
点を解決するために改良を施し、特願平5−90071
号「デジタル位相計」として別途出願している。図6は
特願平5−90071号で提案した回路構成図である。
以下この図6に付いて説明するが、図4と同一部分は図
4と同一符号を付してそれらの再説明はは省略する。図
6において、U31は測定時間T2を測定するキャリー
(CY)付きの16ビット・バイナリ・カウンタ、FF
4はフリップ・フロップ、OR1はオア・ゲートであ
る。カウンタU31のキャリー端子CYはFF4のクロ
ック端子に接続されている。FF4のD端子は“ハイ”
となっており、このFF4とFF2のQ出力端子はOR
1を介して演算器MCUのINT端子に接続され、又F
F4のQ出力端子は演算器MCUの入力ポート2に接続
されている。
点を解決するために改良を施し、特願平5−90071
号「デジタル位相計」として別途出願している。図6は
特願平5−90071号で提案した回路構成図である。
以下この図6に付いて説明するが、図4と同一部分は図
4と同一符号を付してそれらの再説明はは省略する。図
6において、U31は測定時間T2を測定するキャリー
(CY)付きの16ビット・バイナリ・カウンタ、FF
4はフリップ・フロップ、OR1はオア・ゲートであ
る。カウンタU31のキャリー端子CYはFF4のクロ
ック端子に接続されている。FF4のD端子は“ハイ”
となっており、このFF4とFF2のQ出力端子はOR
1を介して演算器MCUのINT端子に接続され、又F
F4のQ出力端子は演算器MCUの入力ポート2に接続
されている。
【0016】このような構成に係わる図6の位相計につ
いてその動作を図7のタイミング・チャートを用いて説
明すると次の如くなる。なお、図6の位相計の動作は基
本的には図4の回路と同じであるので、その同じ部分は
図7のタイミング・チャートに図5のタイミング・チャ
ートと同じ記号を付してそれらの再説明は省略する。
いてその動作を図7のタイミング・チャートを用いて説
明すると次の如くなる。なお、図6の位相計の動作は基
本的には図4の回路と同じであるので、その同じ部分は
図7のタイミング・チャートに図5のタイミング・チャ
ートと同じ記号を付してそれらの再説明は省略する。
【0017】 正常割り込みの場合。 図6におけるカウンタU31のキャリー出力CYは“ハ
イ”で(図7の(8))ある。その結果、FF4はトグ
ルされないので、FF4のQ出力は“ロウ”レベルとな
っている。FF2のQ出力が“ハイ”の場合、割り込み
がかかる。図4で説明した如く、時刻の時FF2のQ
出力は“ハイ”となり(図7の(6))、演算器MCU
に割り込みがかかる。この場合、演算器MCUはポート
2を読み込むと“0”なので、図4で説明した如く正常
割り込みの処理を行い、np,T2,Σtのデータを読
み込み、(1)式の演算を行う。
イ”で(図7の(8))ある。その結果、FF4はトグ
ルされないので、FF4のQ出力は“ロウ”レベルとな
っている。FF2のQ出力が“ハイ”の場合、割り込み
がかかる。図4で説明した如く、時刻の時FF2のQ
出力は“ハイ”となり(図7の(6))、演算器MCU
に割り込みがかかる。この場合、演算器MCUはポート
2を読み込むと“0”なので、図4で説明した如く正常
割り込みの処理を行い、np,T2,Σtのデータを読
み込み、(1)式の演算を行う。
【0018】 オーバーフロー割り込みの場合。 時刻でカウンタU31がオーバーフローしたようなと
き、カウンタU31のキャリーCY出力は図7の(8)
で示す如く発振器8の発振クロックの1個分“ハイ”→
“ロウ”となり、FF4をトグルする。その結果、FF
4のQ出力は“ハイ”となり、演算器MCUに割り込み
がかかる。この場合、演算器MCUはポート2を読み込
むと“1”なので、オーバーフローと判断し、演算器M
CUはオーバーフロー割り込み処理(カウンタU2〜U
4のダミー読み込みとクリア及びリードと、np,T
2,Σtのデータをゼロとする)を行う。
き、カウンタU31のキャリーCY出力は図7の(8)
で示す如く発振器8の発振クロックの1個分“ハイ”→
“ロウ”となり、FF4をトグルする。その結果、FF
4のQ出力は“ハイ”となり、演算器MCUに割り込み
がかかる。この場合、演算器MCUはポート2を読み込
むと“1”なので、オーバーフローと判断し、演算器M
CUはオーバーフロー割り込み処理(カウンタU2〜U
4のダミー読み込みとクリア及びリードと、np,T
2,Σtのデータをゼロとする)を行う。
【0019】なお、オーバーフロー時はnp,T2,Σ
tのデータがゼロなので、位相角φの演算ルーチンでゼ
ロによる割算となってエラーとなるので、この時は表示
を無入力,例えば……にするようにすればよい。
tのデータがゼロなので、位相角φの演算ルーチンでゼ
ロによる割算となってエラーとなるので、この時は表示
を無入力,例えば……にするようにすればよい。
【0020】図6の位相計においては、測定時間をカウ
ントするカウンターをキャリー出力付きのものにするこ
とにより、このキャリー出力による割り込みが,例えば
使用するカウンタを実施例のように16ビットのバイナ
リカウンタとし、カウント・クロックを20μSとした
場合、216×20μS=1.3secで得られる。無入
力乃至ほぼ0.7Hz以下の低周波入力の場合、演算器
MCUはこの割り込みにより無入力表示にすることがで
きるので、誤表示せず、正しい表示にする事が出来る。
ントするカウンターをキャリー出力付きのものにするこ
とにより、このキャリー出力による割り込みが,例えば
使用するカウンタを実施例のように16ビットのバイナ
リカウンタとし、カウント・クロックを20μSとした
場合、216×20μS=1.3secで得られる。無入
力乃至ほぼ0.7Hz以下の低周波入力の場合、演算器
MCUはこの割り込みにより無入力表示にすることがで
きるので、誤表示せず、正しい表示にする事が出来る。
【0021】このように改良された位相計においては、
汎用の部品で構成され、しかも測定中に無入力で終了,
或いは動作限界以下の低周波の入力でも誤動作せず、正
しい表示を行うことのできる。しかし、種々研究し,且
つ実験した結果、このように改良された「位相計」にお
いても、なお下記のような問題点が有ることが分かっ
た。
汎用の部品で構成され、しかも測定中に無入力で終了,
或いは動作限界以下の低周波の入力でも誤動作せず、正
しい表示を行うことのできる。しかし、種々研究し,且
つ実験した結果、このように改良された「位相計」にお
いても、なお下記のような問題点が有ることが分かっ
た。
【0022】即ち、図6の位相計に用いられるゼロクロ
ス・コンパレータ5,7にはヒステリシスのないものが
用いられているが、このようにゼロクロス・コンパレー
タにヒステリシスを付けない場合、測定対象の電力線に
は一般的に各種のノイズが含まれているので、このノイ
ズを含んだ波形によりゼロクロス点でコンパレータが激
しく切り換わることになり、ゼロクロス点に依存するこ
の方式の原理上、誤動作をしてしまう。このようにノイ
ズを含んだ波形でも誤動作しないようにする為に、ゼロ
クロス・コンパレータ5,7に単にヒステリシス付ける
と次のような問題が生じる。
ス・コンパレータ5,7にはヒステリシスのないものが
用いられているが、このようにゼロクロス・コンパレー
タにヒステリシスを付けない場合、測定対象の電力線に
は一般的に各種のノイズが含まれているので、このノイ
ズを含んだ波形によりゼロクロス点でコンパレータが激
しく切り換わることになり、ゼロクロス点に依存するこ
の方式の原理上、誤動作をしてしまう。このようにノイ
ズを含んだ波形でも誤動作しないようにする為に、ゼロ
クロス・コンパレータ5,7に単にヒステリシス付ける
と次のような問題が生じる。
【0023】即ち、被測定の電圧v,電流iの振幅は一
定ではなく、相互に差が有る場合にはv,iのそれぞれ
の変化量dv/dtが異なるので、例えば図8に示すよ
うに位相角が本来ゼロであるものが、スレッシホールド
(+Vth,−Vth)を超えてコンパレータ5,7の
出力が反転する点P1,p2になり、これをゼロクロス
点として認識するので位相角の誤差Φを持ってしまう。
定ではなく、相互に差が有る場合にはv,iのそれぞれ
の変化量dv/dtが異なるので、例えば図8に示すよ
うに位相角が本来ゼロであるものが、スレッシホールド
(+Vth,−Vth)を超えてコンパレータ5,7の
出力が反転する点P1,p2になり、これをゼロクロス
点として認識するので位相角の誤差Φを持ってしまう。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決したもので、ノイズを含んだ波形,或い
は被測定の電圧,電流の振幅に差があっても安定に動作
し、且つ汎用の部品で構成され、しかも測定中に無入力
で終了,或いは動作限界以下の低周波の入力でも誤動作
せず、正しい表示を行うことのできるディジタル位相計
を実現する事を目的にする。
の問題点を解決したもので、ノイズを含んだ波形,或い
は被測定の電圧,電流の振幅に差があっても安定に動作
し、且つ汎用の部品で構成され、しかも測定中に無入力
で終了,或いは動作限界以下の低周波の入力でも誤動作
せず、正しい表示を行うことのできるディジタル位相計
を実現する事を目的にする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力電圧v,
入力電流iがそれぞれ印加されるレンジ増幅器、これら
のレンジ増幅器の出力がX入力端子に加えられその出力
電圧が積分器を介してY入力端子加えられてX・Yの乗
算をそれぞれ行うアナログ乗算器よりなる自動ゲイン調
整回路、これら自動ゲイン調整回路の出力がそれぞれ与
えられるゼロクロス・コンパレータよりなり、電流入力
側の積分器の比較入力として電圧側自動ゲイン調整回路
の出力を加えるようにしたアナログ部と、測定時間を入
力交流の周期の整数倍に規定する測定周期規定回路、キ
ヤリー出力付きで前記測定周期規定回路で得られる信号
の時間幅T2を測定する第一のカウンタ、この時間幅T
2内において進みまたは遅れの位相角に対応した時間の
積算値Σtを測定する第二のカウンタ、前記第一と第二
のカウンタで得られたデータから交流入力の位相角を算
出する演算器、及び前記第一のカウンタのキヤリー出力
端子がそのクロック入力端子に接続されその出力を前記
演算器の入力ポートに接続してなるフリップ・フロップ
回路よりなり、前記アナログ部を構成する両ゼロクロス
・コンパレータの出力が加えられるロジック部とを具備
したものである。
入力電流iがそれぞれ印加されるレンジ増幅器、これら
のレンジ増幅器の出力がX入力端子に加えられその出力
電圧が積分器を介してY入力端子加えられてX・Yの乗
算をそれぞれ行うアナログ乗算器よりなる自動ゲイン調
整回路、これら自動ゲイン調整回路の出力がそれぞれ与
えられるゼロクロス・コンパレータよりなり、電流入力
側の積分器の比較入力として電圧側自動ゲイン調整回路
の出力を加えるようにしたアナログ部と、測定時間を入
力交流の周期の整数倍に規定する測定周期規定回路、キ
ヤリー出力付きで前記測定周期規定回路で得られる信号
の時間幅T2を測定する第一のカウンタ、この時間幅T
2内において進みまたは遅れの位相角に対応した時間の
積算値Σtを測定する第二のカウンタ、前記第一と第二
のカウンタで得られたデータから交流入力の位相角を算
出する演算器、及び前記第一のカウンタのキヤリー出力
端子がそのクロック入力端子に接続されその出力を前記
演算器の入力ポートに接続してなるフリップ・フロップ
回路よりなり、前記アナログ部を構成する両ゼロクロス
・コンパレータの出力が加えられるロジック部とを具備
したものである。
【0026】
【作用】このような本発明では、レンジ増幅器の出力と
ゼロクロス・コンパレータの間にそれぞれ挿入された自
動ゲイン調整回路を備え、電流側自動ゲイン調整回路の
比較入力として電圧側自動ゲイン調整回路の出力を接続
することにより、ゼロクロス・コンパレータとしてヒス
テリシス特性のあるものを用いることができる。
ゼロクロス・コンパレータの間にそれぞれ挿入された自
動ゲイン調整回路を備え、電流側自動ゲイン調整回路の
比較入力として電圧側自動ゲイン調整回路の出力を接続
することにより、ゼロクロス・コンパレータとしてヒス
テリシス特性のあるものを用いることができる。
【0027】
【実施例】以下図面を用いて本発明を説明する。図1は
本発明に係わる位相計の一実施例を示した回路構成図で
ある。図1において、v,iは端子2,4より加えられ
る同一周波数の交流電圧,及び電流を示すもので、それ
ぞれレンジ増幅器A1,A2に加えられて増幅される。
X1,X2はそれぞれアナログ乗算器(以下、単に乗算
器という)で、両乗算器の一方の入力端子Xにはレンジ
増幅器A1,A2の出力が加えられている。A3,A4
は乗算器X1,X2によりスケールダウンしたレベルを
最終的に所望のレベルに増幅する為の増幅器、A5,A
6はそれぞれ抵抗R1,R2とコンデンサC1,C2,
及び出力レベル設定用の可変抵抗器VR1で構成した積
分器である。可変抵抗器VR1は積分器A5,A6の出
力電圧E3v,及びE3iが所望のレベルになるように
調整するものである。積分器A5の出力端は乗算器X1
のY入力端に接続され、積分器A6の出力端はダイオー
ドD1を介して乗算器X2のY入力端に接続されてい
る。ダイオードD1は乗算器X2のY入力として(+)
入力が加わらなくする為のもので、仮に(+)入力が加
わるとフイードバックが逆になり、収束しなくなる。
本発明に係わる位相計の一実施例を示した回路構成図で
ある。図1において、v,iは端子2,4より加えられ
る同一周波数の交流電圧,及び電流を示すもので、それ
ぞれレンジ増幅器A1,A2に加えられて増幅される。
X1,X2はそれぞれアナログ乗算器(以下、単に乗算
器という)で、両乗算器の一方の入力端子Xにはレンジ
増幅器A1,A2の出力が加えられている。A3,A4
は乗算器X1,X2によりスケールダウンしたレベルを
最終的に所望のレベルに増幅する為の増幅器、A5,A
6はそれぞれ抵抗R1,R2とコンデンサC1,C2,
及び出力レベル設定用の可変抵抗器VR1で構成した積
分器である。可変抵抗器VR1は積分器A5,A6の出
力電圧E3v,及びE3iが所望のレベルになるように
調整するものである。積分器A5の出力端は乗算器X1
のY入力端に接続され、積分器A6の出力端はダイオー
ドD1を介して乗算器X2のY入力端に接続されてい
る。ダイオードD1は乗算器X2のY入力として(+)
入力が加わらなくする為のもので、仮に(+)入力が加
わるとフイードバックが逆になり、収束しなくなる。
【0028】CMP1,CMP2はゼロクロス・コンパ
レータ、SW1,SW2はFET等で構成され、スレッ
シホールドレベル(±Vth)を切り換える為のスイッ
チである。RE1,RE2は演算増幅器2段による絶対
値回路等で構成した全波整流回路、F1,F2は全波整
流回路RE1,RE2の出力のリップルを除去する為の
平滑回路である。乗算器X1の出力端Wは増幅器A3を
介してゼロクロス・コンパレータCMP1の(−)入力
端に接続されると共に、全波整流回路RE1と平滑回路
F1の直列回路を介して積分器A5の(−)入力端子に
接続されている。又、乗算器X2の出力端は増幅器A4
を介してゼロクロス・コンパレータCMP2の(−)入
力端に接続されると共に、全波整流回路RE2と平滑回
路F2の直列回路を介して積分器A6の(−)入力端子
に接続されている。積分器A6の(+)入力端子は前記
平滑回路F1の出力端に接続されている。
レータ、SW1,SW2はFET等で構成され、スレッ
シホールドレベル(±Vth)を切り換える為のスイッ
チである。RE1,RE2は演算増幅器2段による絶対
値回路等で構成した全波整流回路、F1,F2は全波整
流回路RE1,RE2の出力のリップルを除去する為の
平滑回路である。乗算器X1の出力端Wは増幅器A3を
介してゼロクロス・コンパレータCMP1の(−)入力
端に接続されると共に、全波整流回路RE1と平滑回路
F1の直列回路を介して積分器A5の(−)入力端子に
接続されている。又、乗算器X2の出力端は増幅器A4
を介してゼロクロス・コンパレータCMP2の(−)入
力端に接続されると共に、全波整流回路RE2と平滑回
路F2の直列回路を介して積分器A6の(−)入力端子
に接続されている。積分器A6の(+)入力端子は前記
平滑回路F1の出力端に接続されている。
【0029】IF1,IF2は、FET或いはトランジ
スタ等で構成したインタフェース回路で、それぞれゼロ
クロス・コンパレータCMP1,CMP2の出力が加え
られている。これらのインタフェース回路はコンパレー
タCMP1,CMP2の出力のアナログレベルをそれぞ
れロジックレベルに変換する為のものである。このイン
タフェース回路IF1,IF2の出力端はそれぞれスイ
ッチSW1,SW2を介してコンパレータCMP1,C
MP2の(+)入力端に接続されると共に、ロジック回
路LOGに接続されている。ロジック回路LOGは先に
説明した図6のロジック部分と全く同一の回路構成であ
るので、このロジック回路の説明及び動作の説明を省略
する。次に、本発明によって付加したアナログ回路部分
ANLの動作を説明する。
スタ等で構成したインタフェース回路で、それぞれゼロ
クロス・コンパレータCMP1,CMP2の出力が加え
られている。これらのインタフェース回路はコンパレー
タCMP1,CMP2の出力のアナログレベルをそれぞ
れロジックレベルに変換する為のものである。このイン
タフェース回路IF1,IF2の出力端はそれぞれスイ
ッチSW1,SW2を介してコンパレータCMP1,C
MP2の(+)入力端に接続されると共に、ロジック回
路LOGに接続されている。ロジック回路LOGは先に
説明した図6のロジック部分と全く同一の回路構成であ
るので、このロジック回路の説明及び動作の説明を省略
する。次に、本発明によって付加したアナログ回路部分
ANLの動作を説明する。
【0030】被測定入力v,iはそれぞれ増幅器A1,
A2を介して乗算器X1,X2のX端子に加えられてい
る。乗算器X1,X2のY端子には積分器A5,A6の
出力が加えられている。このように入力が加えられてい
る乗算器X1の演算式はw=(X・Y)/10であるの
で、乗算器X1の出力e2=(e1・E3)/10とな
り、増幅器A3の出力e3は、 e3=−e2・A=−(e1・E3/10)・A …(1) となる。同様に、増幅器A4の出力e3’は e3’=−e2’・A=−(e1・E3/10)・A …(2) となる。
A2を介して乗算器X1,X2のX端子に加えられてい
る。乗算器X1,X2のY端子には積分器A5,A6の
出力が加えられている。このように入力が加えられてい
る乗算器X1の演算式はw=(X・Y)/10であるの
で、乗算器X1の出力e2=(e1・E3)/10とな
り、増幅器A3の出力e3は、 e3=−e2・A=−(e1・E3/10)・A …(1) となる。同様に、増幅器A4の出力e3’は e3’=−e2’・A=−(e1・E3/10)・A …(2) となる。
【0031】積分器A5とA6はそれぞれ一対の抵抗と
一対のコンデンサを有し、二段傾斜の積分特性を持つも
のである。即ち、入力が大きい時には傾斜が急になり、
入力が小さくなるに従って傾斜が緩くなる動作を行う。
平滑回路F1の出力をE1,平滑回路F2の出力をE
1’、可変抵抗器VR1より得られる電圧をE2とする
と、v側の積分器A5の入力eiはei=E2−E1,
i側の積分器A6の入力はei=E1−E1’となる。
全波整流回路RE1,RE2と、平滑回路F1,F2に
はそれぞれその内部構成のC・Rにより時定数を有し、
e3とE1間,e3’とE1’間にはそれぞれtdの遅
れを有する。
一対のコンデンサを有し、二段傾斜の積分特性を持つも
のである。即ち、入力が大きい時には傾斜が急になり、
入力が小さくなるに従って傾斜が緩くなる動作を行う。
平滑回路F1の出力をE1,平滑回路F2の出力をE
1’、可変抵抗器VR1より得られる電圧をE2とする
と、v側の積分器A5の入力eiはei=E2−E1,
i側の積分器A6の入力はei=E1−E1’となる。
全波整流回路RE1,RE2と、平滑回路F1,F2に
はそれぞれその内部構成のC・Rにより時定数を有し、
e3とE1間,e3’とE1’間にはそれぞれtdの遅
れを有する。
【0032】ここで、乗算器X1と積分器A5、乗算器
X2と積分器A6はそれぞれ自動ゲイン調整回路(以
下、AGC回路という)を構成しているが、以下乗算器
X1と積分器A5で構成される電圧v側のAGCv回路
について図2の波形図を基にしてその動作を説明すると
次のごとくなる。被測定入力vが図2の(イ)のの部
分で示す如く小さい場合(電源オン直後からの場合で説
明)、平滑回路F1の出力E1は最初からゼロであるの
で、積分器A5に加えられる電圧eiは(+)に大であ
り、その結果積分器A5は急傾斜で積分を開始し、その
出力電圧E3vは(ニ)図で示す如くなる。乗算器X1
のY入力にはこの電圧E3vが加えられているので、増
幅器A3の出力電圧e3は前記した(1)式の結果によ
り、図2の(ロ)で示す如く推移する。
X2と積分器A6はそれぞれ自動ゲイン調整回路(以
下、AGC回路という)を構成しているが、以下乗算器
X1と積分器A5で構成される電圧v側のAGCv回路
について図2の波形図を基にしてその動作を説明すると
次のごとくなる。被測定入力vが図2の(イ)のの部
分で示す如く小さい場合(電源オン直後からの場合で説
明)、平滑回路F1の出力E1は最初からゼロであるの
で、積分器A5に加えられる電圧eiは(+)に大であ
り、その結果積分器A5は急傾斜で積分を開始し、その
出力電圧E3vは(ニ)図で示す如くなる。乗算器X1
のY入力にはこの電圧E3vが加えられているので、増
幅器A3の出力電圧e3は前記した(1)式の結果によ
り、図2の(ロ)で示す如く推移する。
【0033】増幅器A3の出力e3は全波整流回路RE
1及び平滑回路F1を介してフイードバックされる。こ
のフイードバックにより、積分器A5の入力電圧eiが
小さくなるとこの積分器の出力E3vの傾斜は緩くな
り、電圧eiは増幅器A3の出力電圧e3vに対する遅
れtdをもって電圧eiの極性が反転する。増幅器A3
の出力電圧e3の変化分に対して、平滑回路F1の変化
分を小さくすることにより、ループはやがて収束し、e
3,ei及びE3はそれぞれ図の如くなる。
1及び平滑回路F1を介してフイードバックされる。こ
のフイードバックにより、積分器A5の入力電圧eiが
小さくなるとこの積分器の出力E3vの傾斜は緩くな
り、電圧eiは増幅器A3の出力電圧e3vに対する遅
れtdをもって電圧eiの極性が反転する。増幅器A3
の出力電圧e3の変化分に対して、平滑回路F1の変化
分を小さくすることにより、ループはやがて収束し、e
3,ei及びE3はそれぞれ図の如くなる。
【0034】次に、被測定電圧vの値が大きくなり、増
幅器A1の出力e1が図2(イ)ので示す如くフルス
ケール値(FS)になった場合について説明する。乗算
器X1のX入力がステップ状に増加するので、増幅器A
3の出力電圧e3は図2の(ロ)の如くなる。積分器A
5の入力電圧eiは(−)に大となり、積分器A5は急
傾斜で積分を開始し、積分器出力E3vは(ニ)図で示
す如くなる。以後はで説明した動作と同様になり、ル
ープが収束する。
幅器A1の出力e1が図2(イ)ので示す如くフルス
ケール値(FS)になった場合について説明する。乗算
器X1のX入力がステップ状に増加するので、増幅器A
3の出力電圧e3は図2の(ロ)の如くなる。積分器A
5の入力電圧eiは(−)に大となり、積分器A5は急
傾斜で積分を開始し、積分器出力E3vは(ニ)図で示
す如くなる。以後はで説明した動作と同様になり、ル
ープが収束する。
【0035】以上の如く、電圧側AGC回路が動作し、
積分器A5と乗算器X1で構成されるAGCv回路の作
用により、増幅器A3の出力電圧e3vは被測定入力v
の大小に係わらず、一定の値が得られる。ここで、平滑
回路F1の出力電圧E1が電流入力i側のAGCi回路
における積分器A6の(+)入力に加えられて比較基準
となつているので、電流入力i側は電圧E1に追従して
収束する。即ち、e2=e2’,e3=e3’,E1=
E1’となる。従って、交流の変化量dv/dtは電圧
入力v側と電流入力i側とで等しくなる。
積分器A5と乗算器X1で構成されるAGCv回路の作
用により、増幅器A3の出力電圧e3vは被測定入力v
の大小に係わらず、一定の値が得られる。ここで、平滑
回路F1の出力電圧E1が電流入力i側のAGCi回路
における積分器A6の(+)入力に加えられて比較基準
となつているので、電流入力i側は電圧E1に追従して
収束する。即ち、e2=e2’,e3=e3’,E1=
E1’となる。従って、交流の変化量dv/dtは電圧
入力v側と電流入力i側とで等しくなる。
【0036】次に、ゼロクロス・コンパレータCMP
1,CMP2の動作に付いて説明する。増幅器A3の出
力電圧e3(e3’)が(−)側から増大し、e3>+
Vth(e3’>+Vth’)に達すると、インターフ
ェース回路IF1(IF2)を介してコンパレータCM
P1(CMP2)より得られるロジック・レベルは
(H)となり、スイッチSW1(SW2)を−Vthに
切り換える。一方、増幅器A3の出力電圧e3(e
3’)が(+)側から減少し、e3<−Vth(e3’
<−Vth’)に達するとインターフェース回路IF1
(IF2)より得られるロジック・レベルは(L)とな
り、スイッチSW1(SW2)は+Vthに切り換えら
れる。
1,CMP2の動作に付いて説明する。増幅器A3の出
力電圧e3(e3’)が(−)側から増大し、e3>+
Vth(e3’>+Vth’)に達すると、インターフ
ェース回路IF1(IF2)を介してコンパレータCM
P1(CMP2)より得られるロジック・レベルは
(H)となり、スイッチSW1(SW2)を−Vthに
切り換える。一方、増幅器A3の出力電圧e3(e
3’)が(+)側から減少し、e3<−Vth(e3’
<−Vth’)に達するとインターフェース回路IF1
(IF2)より得られるロジック・レベルは(L)とな
り、スイッチSW1(SW2)は+Vthに切り換えら
れる。
【0037】以上説明したように、増幅器A3(A4)
の出力電圧e3(e3’)が一定した大きな値とするこ
とが出来るので、ゼロクロス・コンパレータCMP1,
CMP2としてヒステリシス・コンパレータを用いるこ
とができ、しかも大きめのヒステリシスを付けることが
可能となり、(ノイズレベル<ヒステリシス値)とする
ことが出来る。その結果、ノイズによる誤動作を無くす
ことができる。 また、コンパレータCMP1,CMP
2のスレッシホールド電圧+Vth,−Vthを共通に
する事で、v側とi側のゼロクロス認識のレベルが等し
くすることができ、図8で説明したヒステリシスの不一
致による位相角誤差を無くすことができる。
の出力電圧e3(e3’)が一定した大きな値とするこ
とが出来るので、ゼロクロス・コンパレータCMP1,
CMP2としてヒステリシス・コンパレータを用いるこ
とができ、しかも大きめのヒステリシスを付けることが
可能となり、(ノイズレベル<ヒステリシス値)とする
ことが出来る。その結果、ノイズによる誤動作を無くす
ことができる。 また、コンパレータCMP1,CMP
2のスレッシホールド電圧+Vth,−Vthを共通に
する事で、v側とi側のゼロクロス認識のレベルが等し
くすることができ、図8で説明したヒステリシスの不一
致による位相角誤差を無くすことができる。
【0038】なお、ヒステリシス±Vthはコンパレー
タCMP1,CMP2の回路と分離した別の基準電圧に
より生成すると、スレッシホールド・レベルを安定化す
る事ができ、周波数が高くても(dv/dtが大き
い)、精度良く位相角を測定することができる。
タCMP1,CMP2の回路と分離した別の基準電圧に
より生成すると、スレッシホールド・レベルを安定化す
る事ができ、周波数が高くても(dv/dtが大き
い)、精度良く位相角を測定することができる。
【0039】このように、ノイズに影響されないゼロク
ロス・コンパレータCMP1,CMP2の出力がロジッ
ク回路LOGに加えられ、このロジック回路は図6で説
明した如く動作し、これにより電圧vと電流iの位相角
φを測定することができる。
ロス・コンパレータCMP1,CMP2の出力がロジッ
ク回路LOGに加えられ、このロジック回路は図6で説
明した如く動作し、これにより電圧vと電流iの位相角
φを測定することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル位相計におけ
る入力回路部を、レンジ増幅器の出力とゼロクロス・コ
ンパレータの間に自動ゲイン調整回路をそれぞれ挿入
し、電流側の自動ゲイン調整回路の比較入力として電圧
側自動ゲイン調整回路の出力を接続するように構成した
ので、ゼロクロス・コンパレータとしてヒステリシス特
性のあるものを用いることができ、その結果ノイズを含
んだ入力波形或いは被測定の電圧・電流入力の振幅に差
があっても、安定して、且つ誤差が少なく、しかも汎用
の部品で構成され、測定中に無入力で終了,或いは動作
限界以下の低周波の入力でも誤動作せず、正しい表示を
行うことのできるデジタル位相計を実現する事が出来
る。
る入力回路部を、レンジ増幅器の出力とゼロクロス・コ
ンパレータの間に自動ゲイン調整回路をそれぞれ挿入
し、電流側の自動ゲイン調整回路の比較入力として電圧
側自動ゲイン調整回路の出力を接続するように構成した
ので、ゼロクロス・コンパレータとしてヒステリシス特
性のあるものを用いることができ、その結果ノイズを含
んだ入力波形或いは被測定の電圧・電流入力の振幅に差
があっても、安定して、且つ誤差が少なく、しかも汎用
の部品で構成され、測定中に無入力で終了,或いは動作
限界以下の低周波の入力でも誤動作せず、正しい表示を
行うことのできるデジタル位相計を実現する事が出来
る。
【図1】本発明の位相計に係わる一実施例を示した回路
構成図である。
構成図である。
【図2】図1の位相計の動作を説明する為のタイミング
・チャートである。
・チャートである。
【図3】本発明の位相計の動作原理を説明するための波
形図である。
形図である。
【図4】本発明の位相計を説明する為の回路構成図であ
る。
る。
【図5】図4の位相計の動作を説明する為のタイミング
・チャートである。
・チャートである。
【図6】本発明の位相計を説明する為の回路構成図であ
る。
る。
【図7】図6の位相計の動作を説明する為のタイミング
・チャートである。
・チャートである。
【図8】図6の位相計の動作を説明する為の図である。
A1,A2 レンジ増幅器 X1,X2 アナログ乗算器 A5,A6 積分器 RE1,RE2 全波整流回路 F1,F2 平滑回路 AGC 自動ゲイン調整回路 CMP1,CMP2 ゼロクロス・コンパレータ 9 測定周期規定回路 U2〜U4 カウンタ MCU 演算器 FF4 フリップ・フロップ v 交流電圧 i 交流電流
Claims (1)
- 【請求項1】入力電圧v,入力電流iがそれぞれ印加さ
れるレンジ増幅器、これらのレンジ増幅器の出力がX入
力端子に加えられその出力電圧が積分器を介してY入力
端子加えられてX・Yの乗算をそれぞれ行うアナログ乗
算器よりなる自動ゲイン調整回路、これら自動ゲイン調
整回路の出力がそれぞれ与えられるゼロクロス・コンパ
レータよりなり、電流入力側の積分器の比較入力として
電圧側自動ゲイン調整回路の出力を加えるようにしたア
ナログ部と、 測定時間を入力交流の周期の整数倍に規定する測定周期
規定回路、キヤリー出力付きで前記測定周期規定回路で
得られる信号の時間幅T2を測定する第一のカウンタ、
この時間幅T2内において進みまたは遅れの位相角に対
応した時間の積算値Σtを測定する第二のカウンタ、前
記第一と第二のカウンタで得られたデータから交流入力
の位相角を算出する演算器、及び前記第一のカウンタの
キヤリー出力端子がそのクロック入力端子に接続されそ
の出力を前記演算器の入力ポートに接続してなるフリッ
プ・フロップ回路よりなり、前記アナログ部を構成する
両ゼロクロス・コンパレータの出力が加えられるロジッ
ク部とを具備したデジタル位相計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27018293A JPH07120511A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | デジタル位相計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27018293A JPH07120511A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | デジタル位相計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07120511A true JPH07120511A (ja) | 1995-05-12 |
Family
ID=17482673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27018293A Pending JPH07120511A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | デジタル位相計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07120511A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011064494A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Yokogawa Electric Corp | コリオリ流量計および周波数測定方法 |
-
1993
- 1993-10-28 JP JP27018293A patent/JPH07120511A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011064494A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Yokogawa Electric Corp | コリオリ流量計および周波数測定方法 |
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