JP2896401B2 - 広帯域電力計 - Google Patents

広帯域電力計

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JP2896401B2 JP23000589A JP23000589A JP2896401B2 JP 2896401 B2 JP2896401 B2 JP 2896401B2 JP 23000589 A JP23000589 A JP 23000589A JP 23000589 A JP23000589 A JP 23000589A JP 2896401 B2 JP2896401 B2 JP 2896401B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、被測定信号の周波数が広帯域にわたり、デ
ィジタル演算処理を行う電力計に関する。
〔概要〕
本発明は、被測定信号の電圧信号および電流信号を入
力としてディジタル演算により電力を得る広帯域電力計
において、 測定結果の電力値が変化したときに、その電力値を零
にリセットするとともにそのときを初期値として複数M
回の繰り返しサンプリングおよび演算を行うことによ
り、 簡単な回路で所望の測定精度が得られ、しかも測定時
間を短くするものである。
〔従来の技術〕
従来から、被測定信号の電圧信号および電流信号をそ
れぞれ入力とする二つのディジタル・アナログ変換回路
を備え、時間の経過にしたがってその各出力を被測定信
号の周期より短い周期で繰り返しサンプリングおよび乗
算を実行し、その結果の平均値演算を行うマイクロ・プ
ロセッサを用いたデータ処理回路を備えた広帯域電力計
が知られている。このような装置では、ディジタル・ア
ナログ変換回路のサンプリング周波数が被測定信号の周
波数の整数倍でないと、第2図に示すように、被測定信
号の各周期毎にサンプリング周期との間に端数が発生し
てしまう。これは測定誤差の原因になる。
このため従来装置では、 サンプリング周波数を被測定信号の周波数の整数倍に
なるように追従させる、 サンプリング周波数を被測定信号の周波数に比べてき
わめて高く設定し端数の影響を小さくする、 ディジタル・アナログ変換回路によるサンプリングを
被測定信号の多数の周期にわたり繰り返して行い、これ
を記憶してその平均化処理を実行し端数の影響を小さく
する、 などの技術がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記〜に示す従来技術では、それぞれ測定精度を
向上することができるが、 上記については、測定器内で発生するサンプリング
周波数を被測定信号の周波数に追従させるために位相同
期発振器が必要であり、しかもその位相同期発振器は広
い周波数範囲にわたり追従動作する高級なものでなけれ
ばならない、 上記については、サンプリング周波数を高く設定す
ると高速のアナログ・ディジタル変換回路が必要にな
る、 上記については、サンプリングの繰り返しを多数回
行うので測定に要する時間が長くなる、 などの欠点がある。
本発明は、上記従来技術のおよびについては、基
本的に回路が高価になるのでこれを避け、上記につい
ての改良を行うものである。
さらに上記従来技術については、測定装置の動作中
は被測定信号の有無にかかわらず入力端子の電力値を演
算しているから、目的とする被測定信号が到来しはじめ
た直後の電力平均値はその前の入力雑音の誤差を含むこ
とになる。このため、被測定信号が到来しはじめてから
第一回の測定値は信用できない値として捨てることにな
り、これも測定に要する時間をむだに長くする原因にな
っている。
すなわち本発明は、サンプリング用のクロック信号周
波数が可変追従する必要がなく、高速のアナログ・ディ
ジタル変換回路を不要とし、簡単な回路を用いて、雑音
の影響を受けることなく、測定に要する時間を短縮する
ことができる広帯域電力計を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、被測定信号の電圧入力および電力入力をサ
ンプリングし、これを乗算する動作をM回繰り返してか
ら、そのM回の乗算結果について平均値を演算する装置
において、この演算結果である平均値を監視していてそ
の平均値が変化したときに、新たな被測定信号が入力し
たものとして、これまで演算していた平均値を零にリセ
ットするとともに、サンプリングおよび乗算の回数を初
期値に設定することを特徴とする。
すなわち本発明は、平均値が変化したことを検出する
手段と、この検出する手段の検出出力にしたがってその
平均値の記憶を零にリセットするとともに前記乗算させ
る手段の演算回数を初期値に設定する手段とを含むこと
を特徴とする。
本発明の装置では、測定装置内で発生するサンプリン
グ周波数は原則的に、発振周波数が安定な発振器を安価
に製作できる周波数に固定する。
サンプリングおよび乗算の回数Mについては、これを
固定的に設定してもよいが、所望の測定精度に応じてこ
の回数Mを操作によりあるいは外部信号により可変に設
定することができる。
平均値が変化したことを検出する手段は、単純に前回
に演算された平均値と、新たに演算された平均値とを比
較し、その差が所定値以上であれば変化したとすること
もできるが、変化に要した時間を加味して、時定数回路
を用いて変化を検出することが望ましい。具体的にはデ
ィジタル型の低域濾波器を用いその出力が変化すること
を検出することがよい。
〔作用〕
本発明では、回路を簡単化するためにサンプリングお
よび乗算のためのクロック信号周波数を少なくともその
測定については、安価に回路を構成でき安定に動作する
周波数(例えば1MHzに)固定する。したがってサンプリ
ング周波数は被測定周波数の整数倍になるとは限らず、
一般に第2図で説明したような端数が生じる。この端数
の影響はサンプリングおよび乗算を繰り返すことにより
小さくなる。
平均値を演算するための要素となるサンプリングおよ
び乗算を繰り返す回数Mを小さくとると、測定精度は悪
くなるが結果を短時間で得ることができる。一方、回数
Mを大きくとると、測定精度は良くなるが結果を得るま
でに要する時間が長くなる。所望の測定精度にしたがっ
てこの回数Mを固定的にあるいは選択可能に設定する。
これにより測定精度に応じて測定結果を得るまでの時間
を最小の時間にすることができる。
さらに、測定装置が動作状態にある限り平均値の演算
は繰り返し実行されている。すなわち、サンプリングご
とに平均値の演算は次々に行われており、サンプリング
ごとにメモリに格納される電圧値および電流値の乗算デ
ータを用いてM回分のサンプリングの平均値が演算され
ている。この測定結果である平均値が変化したことを検
出した場合は、そのときに新たな入力があったものとし
て、それまでに積算されているメモリ内容を零にリセッ
トするとともに、サンプリングおよび乗算の回数を初期
値すなわちM回に設定して測定を開始する。したがっ
て、被測定信号の入力がはじまった時点から正しい測定
を開始することができる。測定開始直後の測定結果を捨
てる必要がないから、実質的に結果を得るまでの時間を
短縮することができる。
〔実施例〕
第1図は本発明実施例装置のブロック構成図である。
この装置は、周波数が広範囲にわたる被測定信号が入力
する電圧入力端子11および電流入力端子21と、この電圧
入力端子11の信号および電流入端子21の信号をそれぞれ
入力とし、それぞれアナログ処理を行う二つの入力回路
13および23と、この入力回路13および23の各出力をそれ
ぞれ入力とする二つのアナログ・ディジタル変換回路15
および25と、この二つのアナログ・ディジタル変換回路
15および25の各サンプリング出力を乗算する乗算手段を
含むデータ処理回路31と、このデータ処理回路31の出力
を表示する表示回路35および印字その他の外部出力端子
37とを備える。
前記データ処理回路31は、プログラム処理を実行する
マイクロ・プロセッサ(第1図には特に図示せず)を含
み、このマイクロ・プロセッサは、前記乗算手段を含
み、この乗算手段に時間の経過とともに変化する二つの
アナログ・ディジタル変換回路のサンプリング出力を複
数M回にわたり繰り返し乗算させる手段と、そのM回の
乗算結果を記憶する手段と、その記憶する手段に記憶さ
れたM回の乗算結果の平均値を演算する手段とを含む。
ここで本発明の特徴として、このデータ処理回路に
は、演算された結果である電力平均値の変化を検出する
手段を設け、この手段により変化が検出されたときに
は、複数M回を計数するための計数値(ここではmとす
る)を自動的に零に設定するとともに、これまでに演算
された結果の平均値を同じく自動的に零にリセットする
手段を設ける。さらに、前記回数Mを操作によりまたは
外部信号により設定変更する手段を含む。
演算された結果である電力平均値の変化を検出する手
段は、この実施例では次のように構成された。すなわ
ち、各サンプリング毎にアナログ・ディジタル変換回路
15の出力に現れるディジタル電圧値Vmとディジタル・ア
ナログ変換回路25の出力に現れるディジタル電流値Amと
の積 Vm×Am を演算し、その結果をメモリに累積加算してゆき、mが
Mに等しくなったときにその累積加算された値を(M+
1)で割り平均値を求める。このメモリ内容をディジタ
ル型の低域濾波器に供給し、その低域濾波器の出力に変
化があったか否かを検出する構成とした。すなわち被測
定入力に平均電力がほぼ一定である信号が印加されてい
るときには、この低域濾波器の出力にはほぼ一定の値が
送出されている。被測定入力に変化があり、新たな値が
供給されると、この低域濾波器の出力がその時定数に応
じて変化する。このとき上記メモリ内容を零にリセット
して、さらに上記mを0としてそこから新たな測定を始
める。この低域濾波器および低域濾波器の出力を検出す
る回路は、いずれもマイクロ・プロセッサの内部にプロ
グラムにより構成されるので図面には特に表示しない。
二つのアナログ・ディジタル変換回路15および25、デ
ータ処理回路31に供給されるクロック信号は、クロック
信号発生回路33より供給され、その周波数はそれぞれ固
定に設定されている。この実施例では1MHzである。
第3図にデータ処理回路31に内蔵されるマイクロ・プ
ロセッサの要部動作をフローチャートで示す。すなわ
ち、この装置は1サイクルの測定を開始するとその始め
にその前に測定した結果である電力平均値が変化したか
否かを検出する。変化が検出されると、前記計数値mを
零に設定し、さらに記憶されている平均値を零にリセッ
トする。この状態で、逐次入力する二つのアナログ・デ
ィジタル変換回路15および25からの電圧サンプリング値
Vmおよび電流サンプリング値Amを乗算しこれを記憶す
る。この動作を時間の経過にしたがって変化するサンプ
リング値についてM回実行する。M回の乗算を終える
と、記憶した乗算結果から平均値を演算し、これを測定
結果として表示する。表示を実行すると再び第3図の開
始に戻りこの動作を繰り返す。
このようにして本発明の装置では、所望の測定精度に
応じて必要とする最短の時間で測定結果を得ることがで
きる。
上記実施例ではクロック信号の周波数を固定とした
が、クロック信号の周波数を2つあるいは3つなど少数
設けておき、これを切換えて使用するように構成するこ
とができる。その場合には測定精度を可変とする装置を
実現することができる。一つの例として上記のクロック
信号周波数1MHzのほかに2MHzのクロック信号周波数を設
けておきこれを利用者が切換えて使用するように構成す
る。この構成により、2MHzを選択したときには測定精度
をほぼ±0.5%まで向上することができる。選択できる
クロック信号周波数の数をあまり多くしても実用的な意
味がなく装置が高価になってしまう。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、可変周波数の
発振器を利用することなく、また高速のアナログ・ディ
ジタル変換器を利用することなく、安価の回路素子を用
いて、精度の高い広帯域電力計を実現することができ
る。本発明の装置では、時間の経過にしたがって被測定
信号の繰り返しサンプリングを実行するが、特に要する
時間は測定精度に応じて合理的に定まり、必要最低限の
時間に設定することができるから、測定に要する時間を
全体として短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例装置のブロック構成図。 第2図は被測定信号とサンプリング周期の関係を説明す
る図。 第3図は本発明実施例装置のデータ処理回路の要部動作
を示すフローチャート。 11…電圧入力端子、13…入力回路、15…アナログ・ディ
ジタル変換回路、21…電流入力端子、23…入力回路、25
…アナログ・ディジタル変換回路、31…データ処理回
路、33…クロック信号発生回路、35…表示回路、37…出
力端子。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定信号が入力する電圧入力端子および
    電流入力端子と、この電圧入力端子の信号および電流入
    端子の信号をそれぞれ入力とする二つのアナログ・ディ
    ジタル変換回路と、この二つのアナログ・ディジタル変
    換回路の各サンプリング出力を乗算する乗算手段を含む
    データ処理回路とを備え、 前記データ処理回路は、前記乗算手段に時間の経過とと
    もに前記二つのアナログ・ディジタル変換回路のサンプ
    リング出力を複数M回にわたり繰り返し乗算させる手段
    と、そのM回の乗算結果を記憶する手段と、その記憶す
    る手段に記憶されたM回の乗算結果の平均値を演算する
    手段とを含む 広帯域電力計において, 前記データ処理回路には、前記平均値が変化したことを
    検出する手段と、この検出する手段の検出出力にしたが
    って前記平均値を零にリセットするとともに前記乗算さ
    せる手段の演算回数を初期値に設定する手段と を含むことを特徴とする広帯域電力計。
  2. 【請求項2】前記Mを外部から設定する手段を備えた請
    求項1記載の広帯域電力計。
  3. 【請求項3】前記変化したことを検出する手段はディジ
    タル型の低域濾波器を含む請求項1記載の広帯域電力
    計。
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