JPH0712035U - 焼き肉用鍋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉の表面を過度に焦がすことなく、内部まで
均一に焼けると共に、調理中に肉から発生する肉汁を野
菜の味つけに利用することができる焼き肉用鍋を提供す
る。 【構成】 底面と該底面を囲む側壁とを有し、前記底面
は、中央部が上方に隆起する厚肉部として形成され、そ
の周囲が環状の溝として形成されている焼き肉用鍋。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、焼き肉用の鍋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来広く使用されている焼き肉用の鍋は、上下に抜ける細いスリットを多数形 成した格子状のもので、調理中に肉から生じた肉汁が下方へ滴下するようになっ ているものである。このほかに、焼き肉用ではないが、底面が平らに形成された 円形鍋もすき焼き等に使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

焼き肉は、一般に厚い鉄板上でゆっくりと焼く方が、内部まで均一に焼けて美 味であるが、上記従来の焼き肉用鍋は、全体的に肉厚がほぼ均一であり、底面の 肉厚もそれほど厚くなかったので、表面が焦げ易く、しかも表面が焦げても内部 まで十分に焼けていないことが多いので、味覚的に問題があるほか、火力の調節 も難しかった。また、従来の格子状の鍋は、肉を焼くには適しているが、野菜を 焼くには適しておらず、調理中に肉から発生する肉汁はそのまま捨てるようにな っていた。

【０００４】 そこで、本考案は、表面を過度に焦がすことなく、内部まで均一に焼けると共 に、調理中に肉から発生する肉汁を野菜の味つけに利用することができる焼き肉 用鍋を提供することを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は次のような構成を採用した。すなわち、本 考案にかかる焼き肉用鍋は、底面と該底面を囲む側壁とを有し、前記底面は、中 央部が上方に隆起する厚肉部として形成され、その周囲が環状の溝として形成さ れていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

この鍋は、底面の中央部が上方に隆起する厚肉部として形成されているので、 この部分で肉を焼けば、表面だけが過度に焦げることなく、内部までうまく焼く ことができる。また、この隆起部の周囲が環状の溝として形成されており、加熱 中に発生した肉汁がこの部分に溜るので、この部分で野菜を焼けば、肉汁が野菜 にしみ込んで野菜の味が良くなる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一つの実施例について具体的に説明する。図１、２は本考案の １実施例を表すもので、この焼き肉用鍋１は、鉄、鋼等の金属製で、平面視円形 に形成され、底面２の周囲に側壁部３が形成されている。

【０００８】 底面２は、中央部が上に隆起する円形の厚肉部４となっており、その周囲は平 らな底面５ａを有する円形の溝５となっている。厚肉部４の表面は、肉汁が溝５ 側へ流れ易いように、中心部が僅かに高く、外周部に近い方が徐々に低くなるよ うな緩やかな傾斜面（傾斜角θは１〜２度程度）となっている。また、厚肉部４ の外周部は洗浄に便利なように、角度α（αは約６０度）の傾斜面となっている 。厚肉部４の好ましい厚みは数ｍｍ乃至数十ｍｍで、この厚みが薄過ぎると、上 記表面をあまり焦がさずに内部まで均一に焼くという好ましい焼き加減を得るの が難しく、厚みが大き過ぎると鍋の重量が大きくなり、取扱に不便となる。

【０００９】 溝５の好ましい深さｄは数ｍｍである。また、溝５の幅は、鍋全体の大きさに もよるが、通常は数十ｍｍ、例えば３０ｍｍ乃至５０ｍｍである。溝５が狭過ぎ ると、鍋の重量を減らす効果が少なく、しかも野菜を焼くのに不便であり、広過 ぎると、肉を焼く厚肉部４の面積が小さくなり過ぎるので好ましくない。

【００１０】 側壁３の肉厚は強度的に十分であれば薄くてもよく、強度と重量の兼ね合いか ら、上方が薄く、底部が厚くなるように、また、コ−ナ−部の洗浄に便利なよう に、その内面に角度βをつけておくのが好ましい。側壁３の高さは、溝５に十分 な量の野菜を入れることができるよう、少なくとも前記厚肉部４よりも高くして おくのが好ましいが、余り高すぎると、重量が嵩み、洗浄が不便となるので、数 十ｍｍとするのが好ましい。

【００１１】 この焼き肉用鍋１は、中央の厚肉部４で肉を焼くことにより、容易に好ましい 焼き加減に焼き上げることができる。また、溝５の部分に野菜を入れて焼くこと ができるので、肉を焼く邪魔にならず、野菜に肉汁がしみ込んで、味が良くなる 。なお、底面下面は平らであるから、熱効率が良く、特に最近広く使用されるよ うになった電磁式の加熱装置に最適である。

【００１２】

【発明の効果】

以上に説明したように、本考案にかかる焼き肉用鍋は、中央部が厚肉部となっ ているので、この部分で肉を焼けば内部までうまく焼くことができるとともに、 その周囲に溝が形成されており、この部分に肉汁が溜るので、この部分で野菜を 焼けば、野菜が肉を焼く邪魔にならず、しかも肉汁を沁みさせて味を良くするこ とができるようになった。また、溝があるため、底面全体の肉厚を厚くしなくて もよいので、重量を極端に増加させることが防がれる。なお、図示例のように、 底面の下面側を平らに形成しておけば、中央部に厚肉部があることもあいまって 、電磁式の加熱装置での加熱を効率よく行うことができるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を表す平面図である。

【図２】そのＸ−Ｘ断面図である。

【符号の説明】

１ 焼き肉用鍋 ２ 底面 ３ 側壁 ４ 厚肉部 ５ 溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面と該底面を囲む側壁とを有し、前記
   底面は、中央部が上方に隆起する厚肉部として形成さ
   れ、その周囲が環状の溝として形成されていることを特
   徴とする焼き肉用鍋。