JPH07119780A - 回転ダンパー - Google Patents
回転ダンパーInfo
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- JPH07119780A JPH07119780A JP28622293A JP28622293A JPH07119780A JP H07119780 A JPH07119780 A JP H07119780A JP 28622293 A JP28622293 A JP 28622293A JP 28622293 A JP28622293 A JP 28622293A JP H07119780 A JPH07119780 A JP H07119780A
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- Japan
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- arm
- working chamber
- rotary damper
- orifice
- rotating body
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 小型で高トルクを発生させる。
【構成】 粘性オイル9を充填したハウジング2の作動
室5内に回転体6を設け、この回転体6には作動室5を
回転方向に前後に区画するアーム7を設け、該アームの
回転中心軸6a,6bを中心として反対側のアーム背部
と作動室内壁との間に、作動室5内の粘性オイル9が流
れ得るオリフィス10を形成する。
室5内に回転体6を設け、この回転体6には作動室5を
回転方向に前後に区画するアーム7を設け、該アームの
回転中心軸6a,6bを中心として反対側のアーム背部
と作動室内壁との間に、作動室5内の粘性オイル9が流
れ得るオリフィス10を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カップホルダー、灰
皿、小物入れ、リモコンケース、家電製品操作パネル等
に用いる開閉機構の動作を穏やかにする回転ダンパーに
関する。
皿、小物入れ、リモコンケース、家電製品操作パネル等
に用いる開閉機構の動作を穏やかにする回転ダンパーに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転ダンパーとしては、実開昭6
0−79032号公報に開示されたものがある。この回
転ダンパー21は、図10に示すように、ハウジング2
2の作動室23内に平板状の翼24を有する回転体25
を設け、回転体25の中心から突設した軸26をハウジ
ング22から外部に突出し、上記作動室23内に粘性オ
イル27を充填したものである。そして、回転体25が
回転したときに翼24がオイルから受ける剪断抵抗力を
軸26の回転トルクとして、減衰機能を発揮するように
構成されている。また、図11に示すように、粘性オイ
ル27を充填したハウジング22内に配置する回転体2
5について、その平板状の翼24を多段とし、これらの
多段の翼24を固定板28間に位置させる一方、翼24
と固定板28間の変形自由全長を感温変形素子29の変
化により制約して、外気温度の変化による制動力の変動
を吸収する構成のものも知られている(特開昭64−1
2150号公報)。
0−79032号公報に開示されたものがある。この回
転ダンパー21は、図10に示すように、ハウジング2
2の作動室23内に平板状の翼24を有する回転体25
を設け、回転体25の中心から突設した軸26をハウジ
ング22から外部に突出し、上記作動室23内に粘性オ
イル27を充填したものである。そして、回転体25が
回転したときに翼24がオイルから受ける剪断抵抗力を
軸26の回転トルクとして、減衰機能を発揮するように
構成されている。また、図11に示すように、粘性オイ
ル27を充填したハウジング22内に配置する回転体2
5について、その平板状の翼24を多段とし、これらの
多段の翼24を固定板28間に位置させる一方、翼24
と固定板28間の変形自由全長を感温変形素子29の変
化により制約して、外気温度の変化による制動力の変動
を吸収する構成のものも知られている(特開昭64−1
2150号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の回転ダンパーは、小型で高トルクを得ようとす
る構成としては不適当である。即ち、高トルクを出そう
とした場合、上記した図11の構成では長さ方向に翼2
4及び固定板28の板数を増やすことが考えられ、また
上記した図10の構成では回転体25の厚肉化等が考え
られるが、いずれも構造の複雑化、大型化が避けられな
い。この構造の複雑化という問題は、特に、ワンウエイ
機構が必要な場合に顕著なものとなる。また、360度
以上回転する構造であり、粘性オイル27が回転体25
の翼24と共廻りしてしまうために、高トルクが得にく
い。そこで、本発明は、小型で高トルクを得ることので
きる回転ダンパーを提供することを目的とする。
た従来の回転ダンパーは、小型で高トルクを得ようとす
る構成としては不適当である。即ち、高トルクを出そう
とした場合、上記した図11の構成では長さ方向に翼2
4及び固定板28の板数を増やすことが考えられ、また
上記した図10の構成では回転体25の厚肉化等が考え
られるが、いずれも構造の複雑化、大型化が避けられな
い。この構造の複雑化という問題は、特に、ワンウエイ
機構が必要な場合に顕著なものとなる。また、360度
以上回転する構造であり、粘性オイル27が回転体25
の翼24と共廻りしてしまうために、高トルクが得にく
い。そこで、本発明は、小型で高トルクを得ることので
きる回転ダンパーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内部に形成した作動室内に粘性流体を充填
したハウジングと、上記作動室内で回転する回転体と、
回転体の中心から突出して端部がハウジング外部に臨む
軸とを有する回転ダンパーにおいて、上記回転体には、
作動室を回転方向に前後に区画するアームを設け、該ア
ームの回転中心軸を中心として反対側のアーム背部と作
動室内壁との間に、作動室内の粘性流体が流れ得るオリ
フィスを形成した構成のものである(請求項1)。上記
アームにはラバープレートを端部が該アームから突出し
た状態で取り付け、このラバープレートの端部により作
動室の壁面とアーム間の隙間を閉塞した構成とすること
ができる(請求項2)。上記アームは軸方向に沿った溝
にて2つの支持アームに分け、両支持アーム間に端部が
アームから突出した状態でラバープレートを取り付け、
上記2つの支持アームは、一側の支持アームよりも他側
の支持アームの方の軸方向長さを小さく設定した構成と
することができる(請求項3)。
に本発明は、内部に形成した作動室内に粘性流体を充填
したハウジングと、上記作動室内で回転する回転体と、
回転体の中心から突出して端部がハウジング外部に臨む
軸とを有する回転ダンパーにおいて、上記回転体には、
作動室を回転方向に前後に区画するアームを設け、該ア
ームの回転中心軸を中心として反対側のアーム背部と作
動室内壁との間に、作動室内の粘性流体が流れ得るオリ
フィスを形成した構成のものである(請求項1)。上記
アームにはラバープレートを端部が該アームから突出し
た状態で取り付け、このラバープレートの端部により作
動室の壁面とアーム間の隙間を閉塞した構成とすること
ができる(請求項2)。上記アームは軸方向に沿った溝
にて2つの支持アームに分け、両支持アーム間に端部が
アームから突出した状態でラバープレートを取り付け、
上記2つの支持アームは、一側の支持アームよりも他側
の支持アームの方の軸方向長さを小さく設定した構成と
することができる(請求項3)。
【0005】
【作用】請求項1では、回転体のアームが作動室を回転
方向に前後に区画するように存在し、そのアーム背部と
作動室内壁との間に、作動室内の粘性流体が流れ得るオ
リフィスが形成されているので、回転体を一方向に回転
させようとすると、密閉された粘性オイルは回転方向前
側の区画Aから他の区画Bへ流れる外はなく、オリフィ
スを流路として流れることになる。したがって、回転体
が回転するとき、粘性流体の剪断力の外に、オリフィス
通過時の抵抗がプラスされる。したがって、この回転ダ
ンパーは、小型の構成ながら、粘性流体から大きな抵抗
力を受け、高いトルクでの減衰機能を発揮する。請求項
2では、上記アームにラバープレートを設け、作動室の
壁面との間の隙間をラバープレート端部によって塞いで
いるので、更に高いトルクでの減衰機能が得られる。請
求項3では、ラバープレートを支持している2つの支持
アームは面積が異なるので、大面積の支持アーム側から
押す場合にはラバープレートが湾曲し難く、したがって
比較的大きな抵抗力が得られ、一方、小面積の支持アー
ム側から押す場合には、ラバープレートが湾曲し易く粘
性流体が逃げ易いので、抵抗力は小さくなり、結果とし
て一方向にのみ抵抗力が大きいワンウエイ機能が得られ
る。
方向に前後に区画するように存在し、そのアーム背部と
作動室内壁との間に、作動室内の粘性流体が流れ得るオ
リフィスが形成されているので、回転体を一方向に回転
させようとすると、密閉された粘性オイルは回転方向前
側の区画Aから他の区画Bへ流れる外はなく、オリフィ
スを流路として流れることになる。したがって、回転体
が回転するとき、粘性流体の剪断力の外に、オリフィス
通過時の抵抗がプラスされる。したがって、この回転ダ
ンパーは、小型の構成ながら、粘性流体から大きな抵抗
力を受け、高いトルクでの減衰機能を発揮する。請求項
2では、上記アームにラバープレートを設け、作動室の
壁面との間の隙間をラバープレート端部によって塞いで
いるので、更に高いトルクでの減衰機能が得られる。請
求項3では、ラバープレートを支持している2つの支持
アームは面積が異なるので、大面積の支持アーム側から
押す場合にはラバープレートが湾曲し難く、したがって
比較的大きな抵抗力が得られ、一方、小面積の支持アー
ム側から押す場合には、ラバープレートが湾曲し易く粘
性流体が逃げ易いので、抵抗力は小さくなり、結果とし
て一方向にのみ抵抗力が大きいワンウエイ機能が得られ
る。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図3に示す回転ダンパー1は、ハウジン
グ2を構成するプラスチック製のハウジング本体3及び
プラスチック製のハウジングキャップ4を突き合わせて
作動室5を形成し、ハウジング2の作動室5内にプラス
チック製の回転体6を回転自在に配置して回転体6の棒
状アーム7により作動室5を前後に区画し、回転体6の
ハウジングキャップ4側にはシールリング板8を配置し
た構成である。
する。図1及び図3に示す回転ダンパー1は、ハウジン
グ2を構成するプラスチック製のハウジング本体3及び
プラスチック製のハウジングキャップ4を突き合わせて
作動室5を形成し、ハウジング2の作動室5内にプラス
チック製の回転体6を回転自在に配置して回転体6の棒
状アーム7により作動室5を前後に区画し、回転体6の
ハウジングキャップ4側にはシールリング板8を配置し
た構成である。
【0007】ハウジング本体3は、底を有する円筒状を
しており、内部には、段差部3aによって、シリコンオ
イル等の粘性流体9が入る作動室5を形成する凹部3b
がほぼ半円状に形成されている。正確には、図1に示す
ように、凹部3bは円形から弓形に除去した形状であ
る。回転体6は回転中心軸6a,6bからT字状に延在
する棒状アーム7を有しており、一側の軸6aはハウジ
ング本体3の凹部3bの底面に形成した穴内に遊嵌さ
れ、他側の軸6bは、シールリング板8の中央孔8a及
びハウジングキャップ4の中央孔4aを貫通して、ハウ
ジング2の外部に突出している。この外部に突出する軸
6bの部分は、扉体など減衰作動対象物の回転中心と空
転不能な状態で接続するため、図面の実施例では角柱状
に形成されている。
しており、内部には、段差部3aによって、シリコンオ
イル等の粘性流体9が入る作動室5を形成する凹部3b
がほぼ半円状に形成されている。正確には、図1に示す
ように、凹部3bは円形から弓形に除去した形状であ
る。回転体6は回転中心軸6a,6bからT字状に延在
する棒状アーム7を有しており、一側の軸6aはハウジ
ング本体3の凹部3bの底面に形成した穴内に遊嵌さ
れ、他側の軸6bは、シールリング板8の中央孔8a及
びハウジングキャップ4の中央孔4aを貫通して、ハウ
ジング2の外部に突出している。この外部に突出する軸
6bの部分は、扉体など減衰作動対象物の回転中心と空
転不能な状態で接続するため、図面の実施例では角柱状
に形成されている。
【0008】上記ハウジング本体3及びハウジングキャ
ップ4は、作動室5内に回転体6を配設するとともに粘
性流体9を充填した状態で、液密にシールされている。
凹部3b内に配設された回転体6は、凹部3bの深さに
ほぼ等しい軸方向厚さを有し、その棒状アーム7は、軸
6a,6bを中心として反対側の部分(アーム背部)
が、ハウジング本体3の段差部3aと非接触状態にあ
る。したがって、この棒状アーム7のアーム背部とハウ
ジング本体3の段差部3aとの間には、作動室5内部の
粘性流体9が流れ得るオリフィス10が形成される。回
転体6の回転角度位置いかんに拘わらず、常にオリフィ
ス10が形成されているようにする目的で、ハウジング
本体3の段差部3a及びアーム背部は相補的な円弧状に
形成されている。
ップ4は、作動室5内に回転体6を配設するとともに粘
性流体9を充填した状態で、液密にシールされている。
凹部3b内に配設された回転体6は、凹部3bの深さに
ほぼ等しい軸方向厚さを有し、その棒状アーム7は、軸
6a,6bを中心として反対側の部分(アーム背部)
が、ハウジング本体3の段差部3aと非接触状態にあ
る。したがって、この棒状アーム7のアーム背部とハウ
ジング本体3の段差部3aとの間には、作動室5内部の
粘性流体9が流れ得るオリフィス10が形成される。回
転体6の回転角度位置いかんに拘わらず、常にオリフィ
ス10が形成されているようにする目的で、ハウジング
本体3の段差部3a及びアーム背部は相補的な円弧状に
形成されている。
【0009】回転体6は、その軸6bに外部から回転力
を加えることにより、図2に示すように、その棒状アー
ム7の一側が段差部3aの平坦面に当接する位置(回転
角度0゜)から出発して、棒状アーム7の他側が段差部
3aの平坦面に当接する位置(回転角度180゜)まで
回動することができる。このとき、作動室5内の粘性流
体9は棒状アーム7によって左右に区画され、図6
(b)に示すように、棒状アーム7が矢印Pの方向に回
動しようとするとき、回動先の区画A内にある粘性流体
9は圧縮されて、一部は矢印9aで示すようにオリフィ
ス10を通って区画Bに流れ、他の一部は矢印9bで示
すように作動室内壁面と該内壁面に対向した棒状アーム
7の軸方向端面との間に生じた隙間11を通って区画B
に流れる。
を加えることにより、図2に示すように、その棒状アー
ム7の一側が段差部3aの平坦面に当接する位置(回転
角度0゜)から出発して、棒状アーム7の他側が段差部
3aの平坦面に当接する位置(回転角度180゜)まで
回動することができる。このとき、作動室5内の粘性流
体9は棒状アーム7によって左右に区画され、図6
(b)に示すように、棒状アーム7が矢印Pの方向に回
動しようとするとき、回動先の区画A内にある粘性流体
9は圧縮されて、一部は矢印9aで示すようにオリフィ
ス10を通って区画Bに流れ、他の一部は矢印9bで示
すように作動室内壁面と該内壁面に対向した棒状アーム
7の軸方向端面との間に生じた隙間11を通って区画B
に流れる。
【0010】この区画Aから区画Bへの流れは、オリフ
ィス10において流路が強く絞られているため、非常に
強い抵抗力を回転体6の動きに対して与えることにな
る。つまり、回転体6が回動したときに、粘性オイルの
剪断力の外に、オリフィス通過時の抵抗がプラスされ
る。したがって、この回転ダンパー1は、小型の構成な
がら、回転体6が回転したときに棒状アーム7がオイル
から受ける大きな抵抗力を軸6a,6bの回転トルクと
して、減衰機能を発揮する。
ィス10において流路が強く絞られているため、非常に
強い抵抗力を回転体6の動きに対して与えることにな
る。つまり、回転体6が回動したときに、粘性オイルの
剪断力の外に、オリフィス通過時の抵抗がプラスされ
る。したがって、この回転ダンパー1は、小型の構成な
がら、回転体6が回転したときに棒状アーム7がオイル
から受ける大きな抵抗力を軸6a,6bの回転トルクと
して、減衰機能を発揮する。
【0011】図4,図5に他の実施例を示す。この第2
の実施例は、上記棒状アーム7に軸方向に沿って取付溝
7aを形成して2つの支持アーム7b,7cに分け、両
支持アーム7b,7c間に端部が棒状アーム7から突出
する状態でラバープレート12を取り付けることによ
り、図5に示すように、作動室5の内周壁面と棒状アー
ム7の先端面との間の隙間13を閉塞し、また、図6
(a)に示すように、作動室5の内壁面と棒状アーム7
の軸方向端面との隙間11を閉塞するようにしたもので
ある。
の実施例は、上記棒状アーム7に軸方向に沿って取付溝
7aを形成して2つの支持アーム7b,7cに分け、両
支持アーム7b,7c間に端部が棒状アーム7から突出
する状態でラバープレート12を取り付けることによ
り、図5に示すように、作動室5の内周壁面と棒状アー
ム7の先端面との間の隙間13を閉塞し、また、図6
(a)に示すように、作動室5の内壁面と棒状アーム7
の軸方向端面との隙間11を閉塞するようにしたもので
ある。
【0012】この様に構成すると、図5及び図6(a)
に示すように、棒状アーム7が大矢印Pの方向に回動す
るとき、回動先の区画A内にある粘性流体9は、その全
てが矢印9aで示すようにオリフィス10を通って区画
Bに流れる。したがって上記実施例よりも更に大きな抵
抗力の回転トルク、即ちダンパー力を得ることができ
る。
に示すように、棒状アーム7が大矢印Pの方向に回動す
るとき、回動先の区画A内にある粘性流体9は、その全
てが矢印9aで示すようにオリフィス10を通って区画
Bに流れる。したがって上記実施例よりも更に大きな抵
抗力の回転トルク、即ちダンパー力を得ることができ
る。
【0013】図7に示す第3の実施例は一方向の回転に
対して特に大きな抵抗力の回転トルクを得ることがで
き、逆方向の回転に対しては抵抗力が小さくなるように
したものである。この実施例も、棒状アーム7に軸方向
に沿って取付溝7aを形成して2つの支持アーム7b,
7cに分け、両支持アーム7b,7c間に棒状アーム7
から端部が突出する状態でラバープレート12を取り付
ける点は同じである。しかし、図4の場合と異なり、こ
の実施例では棒状アーム7の2つの支持アーム7b,7
cは、一側の支持アーム7bよりも他側の支持アーム7
cの方が、軸方向長さ及び半径方向の長さが小さくなっ
ている。
対して特に大きな抵抗力の回転トルクを得ることがで
き、逆方向の回転に対しては抵抗力が小さくなるように
したものである。この実施例も、棒状アーム7に軸方向
に沿って取付溝7aを形成して2つの支持アーム7b,
7cに分け、両支持アーム7b,7c間に棒状アーム7
から端部が突出する状態でラバープレート12を取り付
ける点は同じである。しかし、図4の場合と異なり、こ
の実施例では棒状アーム7の2つの支持アーム7b,7
cは、一側の支持アーム7bよりも他側の支持アーム7
cの方が、軸方向長さ及び半径方向の長さが小さくなっ
ている。
【0014】したがって、図8(a)に示すように、大
面積の支持アーム7b側から小面積の支持アーム7c側
へ向う方向に棒状アーム7が回動するときは、ラバープ
レート12は進行方向背面の大面積の支持アーム7bで
しっかりと支持されて殆ど湾曲しないため、粘性流体9
を逃すことなく全てをオリフィス10を通して他側の区
画へ流下させる。このため、図4の上記実施例と同様に
大きな抵抗力の回転トルクが得られる。
面積の支持アーム7b側から小面積の支持アーム7c側
へ向う方向に棒状アーム7が回動するときは、ラバープ
レート12は進行方向背面の大面積の支持アーム7bで
しっかりと支持されて殆ど湾曲しないため、粘性流体9
を逃すことなく全てをオリフィス10を通して他側の区
画へ流下させる。このため、図4の上記実施例と同様に
大きな抵抗力の回転トルクが得られる。
【0015】一方、図8(b)に示すように、小面積の
支持アーム7c側から大面積の支持アーム7b側へ向う
方向に棒状アーム7が回動するときは、ラバープレート
12は進行方向背面が小面積の支持アーム7cで支持さ
れるだけとなって湾曲が大きくなるため、圧縮された区
画側の粘性流体9は、その一部が、矢印14で示すよう
にラバープレート12を押し退けて他側の区画に流下す
ることとなる。したがって、この方向においては、上記
図8(a)の方向時よりも小さな抵抗力の回転トルクが
得られる。
支持アーム7c側から大面積の支持アーム7b側へ向う
方向に棒状アーム7が回動するときは、ラバープレート
12は進行方向背面が小面積の支持アーム7cで支持さ
れるだけとなって湾曲が大きくなるため、圧縮された区
画側の粘性流体9は、その一部が、矢印14で示すよう
にラバープレート12を押し退けて他側の区画に流下す
ることとなる。したがって、この方向においては、上記
図8(a)の方向時よりも小さな抵抗力の回転トルクが
得られる。
【0016】なお、図7に鎖線で示すように、大面積の
支持アーム7bに粘性オイルの通過する小溝15を設け
ると、図8(b)に示す回転方向時に粘性オイルが支持
アーム7bを通過しやすくなり、これによりトルクを更
に小さくすることができる。
支持アーム7bに粘性オイルの通過する小溝15を設け
ると、図8(b)に示す回転方向時に粘性オイルが支持
アーム7bを通過しやすくなり、これによりトルクを更
に小さくすることができる。
【0017】上記実施例では、棒状アーム7の回転範囲
が180゜である場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、棒状アーム7の作動室5
内に占める面積の割合を変えることにより、任意の回動
範囲の回転ダンパーを得ることができる。例えば図9に
示すように、棒状アーム7の作動室5内に占める面積を
大きくすることにより、90゜の範囲で回動する回転ダ
ンパーを構成することができる。そして、ハウジング2
外部に臨む軸6bの端面に角穴16を形成し、この角穴
16内に扉体の軸の端部を直接嵌合できるように構成す
ることもできる。この様に構成すると、回転体の軸6b
と扉体の軸とが一直線上に位置し、見栄えが向上し、ま
た、占有スペースも小さくて済む。なお、軸6b端面の
穴は、空転不能な形状であれば角穴に限定されるもので
はなく、例えば略小判形の穴でも良い。
が180゜である場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、棒状アーム7の作動室5
内に占める面積の割合を変えることにより、任意の回動
範囲の回転ダンパーを得ることができる。例えば図9に
示すように、棒状アーム7の作動室5内に占める面積を
大きくすることにより、90゜の範囲で回動する回転ダ
ンパーを構成することができる。そして、ハウジング2
外部に臨む軸6bの端面に角穴16を形成し、この角穴
16内に扉体の軸の端部を直接嵌合できるように構成す
ることもできる。この様に構成すると、回転体の軸6b
と扉体の軸とが一直線上に位置し、見栄えが向上し、ま
た、占有スペースも小さくて済む。なお、軸6b端面の
穴は、空転不能な形状であれば角穴に限定されるもので
はなく、例えば略小判形の穴でも良い。
【0018】また、上記実施例では作動室5の形状をほ
ぼ半円状に形成しているが、円を任意の角度で区切った
形状とすることができる。更に、オリフィスは回転体6
のアーム7に設けることもできる。
ぼ半円状に形成しているが、円を任意の角度で区切った
形状とすることができる。更に、オリフィスは回転体6
のアーム7に設けることもできる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転体のアーム背部と作動室内壁との間にオリフィスを
形成したので、回転体を回転させようとすると、密閉さ
れた粘性オイルはオリフィスを通って回転方向前側の区
画から他区画へ流れる。したがって、粘性オイルの剪断
力の外に、オリフィス通過時の抵抗が加わる。このた
め、小型の構成ながら、高いトルクでの減衰機能を発揮
する回転ダンパーが得られる。また、請求項2に記載の
発明によれば、上記アームにラバープレートを設けて作
動室の壁面との間の隙間をなくしているので、更に高い
トルクでの減衰機能が得られる。さらに、請求項3に記
載の発明によれば、ラバープレートを支持している2つ
の支持アームの面積を異ならせているので、大面積の支
持アーム側から押す回転方向の場合には比較的大きな抵
抗力が得られる。また、小面積の支持アーム側から押す
回転方向の場合には、ラバープレートが湾曲して粘性オ
イルが逃げるので、小さな抵抗力が得られる。したがっ
て、一方向においてのみ抵抗力が大きいワンウエイ機能
が得られる。
回転体のアーム背部と作動室内壁との間にオリフィスを
形成したので、回転体を回転させようとすると、密閉さ
れた粘性オイルはオリフィスを通って回転方向前側の区
画から他区画へ流れる。したがって、粘性オイルの剪断
力の外に、オリフィス通過時の抵抗が加わる。このた
め、小型の構成ながら、高いトルクでの減衰機能を発揮
する回転ダンパーが得られる。また、請求項2に記載の
発明によれば、上記アームにラバープレートを設けて作
動室の壁面との間の隙間をなくしているので、更に高い
トルクでの減衰機能が得られる。さらに、請求項3に記
載の発明によれば、ラバープレートを支持している2つ
の支持アームの面積を異ならせているので、大面積の支
持アーム側から押す回転方向の場合には比較的大きな抵
抗力が得られる。また、小面積の支持アーム側から押す
回転方向の場合には、ラバープレートが湾曲して粘性オ
イルが逃げるので、小さな抵抗力が得られる。したがっ
て、一方向においてのみ抵抗力が大きいワンウエイ機能
が得られる。
【図1】本発明の実施例に係る回転ダンパーの概略斜視
図である。
図である。
【図2】図1の回転ダンパーの回動範囲を示す平面図で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施例に係る回転ダンパーの分解斜視
図である。
図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る回転ダンパーの分解
斜視図である。
斜視図である。
【図5】図4の回転ダンパーの平面図である。
【図6】図4の回転ダンパーの粘性オイルの流れを示す
断面図である。
断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る回転ダンパーの回転
体の斜視図である。
体の斜視図である。
【図8】図7の回転ダンパーの粘性オイルの流れを示す
断面図である。
断面図である。
【図9】回動範囲を90度に設定した回転ダンパーの平
面図である。
面図である。
【図10】右半を断面にした従来の回転ダンパーの正面
図である。
図である。
【図11】従来の回転ダンパーの断面図である。
1 回転ダンパー 2 ハウジング 3 ハウジング本体 3a 段差部 3b 凹部 4 ハウジングキャップ 4a 中央孔 5 作動室 6 回転体 6a,6b 軸 7 棒状アーム 7a 取付溝 7b,7c 支持アーム 8 シールリング板 8a 中央孔 9 粘性流体 10 オリフィス 11 隙間 12 ラバープレート 13 隙間
Claims (3)
- 【請求項1】 内部に形成した作動室内に粘性流体を充
填したハウジングと、上記作動室内で回転する回転体
と、回転体の中心から突出して端部がハウジング外部に
臨む軸とを有する回転ダンパーにおいて、上記回転体に
は、作動室を回転方向に前後に区画するアームを設け、
該アームの回転中心軸を中心として反対側のアーム背部
と作動室内壁との間に、作動室内の粘性流体が流れ得る
オリフィスを形成したことを特徴とする回転ダンパー。 - 【請求項2】 アームにはラバープレートを端部が該ア
ームから突出した状態で取り付け、作動室の壁面とアー
ム間の隙間をラバープレート端部により閉塞したことを
特徴とする請求項1に記載の回転ダンパー。 - 【請求項3】 アームは軸方向に沿った溝にて2つの支
持アームに分け、両支持アーム間に端部がアームから突
出する状態でラバープレートを取り付け、上記2つの支
持アームは、一側の支持アームよりも他側の支持アーム
の方の軸方向長さを小さく設定したことを特徴とする請
求項1に記載の回転ダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28622293A JPH07119780A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 回転ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28622293A JPH07119780A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 回転ダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07119780A true JPH07119780A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17701552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28622293A Pending JPH07119780A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 回転ダンパー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07119780A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007205533A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Kayaba Ind Co Ltd | ロータリダンパ |
JP2012042026A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Oiles Corp | 回転ダンパ及びこの回転ダンパを具備した車輌用シート |
JP2012047311A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Oiles Corp | 回転ダンパ及びこの回転ダンパを具備した車輌用シート |
-
1993
- 1993-10-22 JP JP28622293A patent/JPH07119780A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007205533A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Kayaba Ind Co Ltd | ロータリダンパ |
JP2012042026A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Oiles Corp | 回転ダンパ及びこの回転ダンパを具備した車輌用シート |
JP2012047311A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Oiles Corp | 回転ダンパ及びこの回転ダンパを具備した車輌用シート |
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