JPH07119035A - ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸と編物布帛及びその整経方法 - Google Patents
ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸と編物布帛及びその整経方法Info
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- JPH07119035A JPH07119035A JP5291449A JP29144993A JPH07119035A JP H07119035 A JPH07119035 A JP H07119035A JP 5291449 A JP5291449 A JP 5291449A JP 29144993 A JP29144993 A JP 29144993A JP H07119035 A JPH07119035 A JP H07119035A
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- polyolefin
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽くて水切れがよく、表面平滑性に優れ流水
抵抗を極力押さえた細デニールで弱撚の糸を提供するこ
と。 【構成】 単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦５、
その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１００デ
ニール以下で且つ撚回数が２００ＴＰＭ以下のポリオレ
フィン系長繊維フィラメント糸であって、損傷防止のた
めの集束剤で集束されたことを特徴とするポリオレフィ
ン系長繊維フィラメント糸。 【効果】 ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸は、
整経工程や編成工程でもフィラメント割れや糸切れ等の
損傷が無くする効用がある。
抵抗を極力押さえた細デニールで弱撚の糸を提供するこ
と。 【構成】 単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦５、
その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１００デ
ニール以下で且つ撚回数が２００ＴＰＭ以下のポリオレ
フィン系長繊維フィラメント糸であって、損傷防止のた
めの集束剤で集束されたことを特徴とするポリオレフィ
ン系長繊維フィラメント糸。 【効果】 ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸は、
整経工程や編成工程でもフィラメント割れや糸切れ等の
損傷が無くする効用がある。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系繊維と
その整経方法に関するものであり、更に詳しくはファン
デーションやスポーツの用途に使用されるポリオレフィ
ン系長繊維を素材とする糸、編物布帛、及びその整経方
法に関する。
その整経方法に関するものであり、更に詳しくはファン
デーションやスポーツの用途に使用されるポリオレフィ
ン系長繊維を素材とする糸、編物布帛、及びその整経方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、特にスポーツウェアーに使用
される編物を構成する繊維としては、その繊維の特性を
活かすべくポリアミド繊維やポリエステル繊維が広く使
用されており、特に身体へのフイット性、運動に際して
の伸縮性等を向上させるために、該繊維とポリウレタン
弾性繊維との交編による編物を使ったものが多く利用さ
れている。しかしながら、近年各種スポーツが盛んにな
り、競技大会などが頻繁に行われるに従って、その競争
も益々激しくなり、極めて僅差のスピード争いとなって
いる。
される編物を構成する繊維としては、その繊維の特性を
活かすべくポリアミド繊維やポリエステル繊維が広く使
用されており、特に身体へのフイット性、運動に際して
の伸縮性等を向上させるために、該繊維とポリウレタン
弾性繊維との交編による編物を使ったものが多く利用さ
れている。しかしながら、近年各種スポーツが盛んにな
り、競技大会などが頻繁に行われるに従って、その競争
も益々激しくなり、極めて僅差のスピード争いとなって
いる。
【０００３】その中でも特に水泳は、他のスポーツとは
異なり水中での競技のため、選手の着用する競泳用の水
着が、素材的に水に対してどのような影響力を与えるか
が、重要な問題となっている。競泳用の水着に対して
は、少しでもスピードを上げるために、抵抗力を極力小
さくすることが必要とされており、この点を最大の目標
に、これまで水着の素材、編織方法、デザイン、縫製上
等の観点から、より機能を充実すべく様々な研究がなさ
れているのが現状である。
異なり水中での競技のため、選手の着用する競泳用の水
着が、素材的に水に対してどのような影響力を与えるか
が、重要な問題となっている。競泳用の水着に対して
は、少しでもスピードを上げるために、抵抗力を極力小
さくすることが必要とされており、この点を最大の目標
に、これまで水着の素材、編織方法、デザイン、縫製上
等の観点から、より機能を充実すべく様々な研究がなさ
れているのが現状である。
【０００４】使用される素材についていうと、水着に使
用される繊維は、現在、ポリアミド繊維及びポリエステ
ル繊維が主体となっており、編織物、特に編物にした場
合のフィット性の問題から、これら二つの繊維とポリウ
レタン弾性繊維との交編によるものが多く利用されてい
る。
用される繊維は、現在、ポリアミド繊維及びポリエステ
ル繊維が主体となっており、編織物、特に編物にした場
合のフィット性の問題から、これら二つの繊維とポリウ
レタン弾性繊維との交編によるものが多く利用されてい
る。
【０００５】ところで、競泳用の水着として更に最適な
水着を開発するためには、水着用としていかなる特性を
持つ素材が本当に最適なのかを、もう一度見直して見る
ことが要請されてくる。このような立場で水着用布帛に
使われる繊維を見た場合、具備すべき性能の要件として
は、（１）軽いこと、（２）吸水性が極力小さいこと、
（３）伸長弾性率が優れていること、（４）表面の平滑
性に優れ流水抵抗が小さいこと、等が挙げられる。
水着を開発するためには、水着用としていかなる特性を
持つ素材が本当に最適なのかを、もう一度見直して見る
ことが要請されてくる。このような立場で水着用布帛に
使われる繊維を見た場合、具備すべき性能の要件として
は、（１）軽いこと、（２）吸水性が極力小さいこと、
（３）伸長弾性率が優れていること、（４）表面の平滑
性に優れ流水抵抗が小さいこと、等が挙げられる。
【０００６】このような要件のおおよそ全部を満足する
と考えられる最も適切な布帛としては、ポリオレフィン
系繊維を使った編地布帛が、好適なものとされており、
その中でも、単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦
５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１０
０デニール以下、撚回数が２００ＴＰＭ（ＴｗｉｓｔＰ
ｅｒ Ｍｅｔｅｒの略）以下の細デニールで弱撚のフイ
ラメント糸を使用した高密度な編物布帛に限って上記要
件を十分に満足している。したがって、このような細デ
ニール繊維で弱撚のフィラメント糸を使用した編物布帛
の試作が懸命になされている。
と考えられる最も適切な布帛としては、ポリオレフィン
系繊維を使った編地布帛が、好適なものとされており、
その中でも、単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦
５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１０
０デニール以下、撚回数が２００ＴＰＭ（ＴｗｉｓｔＰ
ｅｒ Ｍｅｔｅｒの略）以下の細デニールで弱撚のフイ
ラメント糸を使用した高密度な編物布帛に限って上記要
件を十分に満足している。したがって、このような細デ
ニール繊維で弱撚のフィラメント糸を使用した編物布帛
の試作が懸命になされている。
【０００７】しかし、細デニール繊維で弱撚のポリオレ
フィン系長繊維フィラメントを使用して編物布帛を製造
しようとすると、その製造工程中に糸切れ、フィラメン
ト割れ等を生じ繊維そのものが激しく損傷することが支
障となる。したがって、細デニール繊維で弱撚りのポリ
オレフィン系長繊維フィラメント糸を使用した高密度な
編物布帛は、製造が難しく製品として上市されていな
い。繊維の損傷が激しいと、そのことが、本来の水着の
備えるべき特性である上述したような吸水性、伸長弾性
率、表面の平滑性へ悪影響を及ぼすことになり、糸の機
能が低下するのである。特に平滑性が悪くなることで
は、競泳水着の最も重要な特性である流水抵抗が、増加
する問題が起きる。
フィン系長繊維フィラメントを使用して編物布帛を製造
しようとすると、その製造工程中に糸切れ、フィラメン
ト割れ等を生じ繊維そのものが激しく損傷することが支
障となる。したがって、細デニール繊維で弱撚りのポリ
オレフィン系長繊維フィラメント糸を使用した高密度な
編物布帛は、製造が難しく製品として上市されていな
い。繊維の損傷が激しいと、そのことが、本来の水着の
備えるべき特性である上述したような吸水性、伸長弾性
率、表面の平滑性へ悪影響を及ぼすことになり、糸の機
能が低下するのである。特に平滑性が悪くなることで
は、競泳水着の最も重要な特性である流水抵抗が、増加
する問題が起きる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題の解
決を意図したものである。即ち、本発明の目的とすると
ころは、軽くて水切れがよく、表面平滑性に優れ流水抵
抗を極力押さえた細デニールで弱撚の糸や編物を提供す
ること、そしてまた、そのための整経方法をも提供する
ことにある。
決を意図したものである。即ち、本発明の目的とすると
ころは、軽くて水切れがよく、表面平滑性に優れ流水抵
抗を極力押さえた細デニールで弱撚の糸や編物を提供す
ること、そしてまた、そのための整経方法をも提供する
ことにある。
【０００９】
【問題を解決するための手段】本発明者等はこのような
欠点の発生について鋭意検討した結果、該欠点を誘発す
る要因は、整経工程や製編工程において、細デニールで
弱撚りの原糸自体が有する強い帯電性と低い耐熱性によ
り、糸がガイド部で、糸切れ、フィラメント割れ等の損
傷を起こすことである点を突きとめた。
欠点の発生について鋭意検討した結果、該欠点を誘発す
る要因は、整経工程や製編工程において、細デニールで
弱撚りの原糸自体が有する強い帯電性と低い耐熱性によ
り、糸がガイド部で、糸切れ、フィラメント割れ等の損
傷を起こすことである点を突きとめた。
【００１０】即ちポリオレフィン繊維は帯電性が強いた
めに、単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦５、その
単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１００デニー
ル以下の細デニールで且つ２００ＴＰＭ以下の弱撚や無
撚のフィラメント糸を使用した場合、整経工程や編成工
程では、その帯電性によって原糸を構成するフィラメン
ト糸相互間で反発作用が生じ、糸にテンションがかけら
れた状態で各ガイド部を走行させる結果、顕著に糸にい
わゆるバラケや糸切れが発生するのである。
めに、単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦５、その
単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１００デニー
ル以下の細デニールで且つ２００ＴＰＭ以下の弱撚や無
撚のフィラメント糸を使用した場合、整経工程や編成工
程では、その帯電性によって原糸を構成するフィラメン
ト糸相互間で反発作用が生じ、糸にテンションがかけら
れた状態で各ガイド部を走行させる結果、顕著に糸にい
わゆるバラケや糸切れが発生するのである。
【００１１】また、ポリオレフィン繊維はそもそも融点
が低く熱に対する抵抗が弱いために、整経や編成工程に
於いて、糸の通過するガイド部での摩擦熱によりフィラ
メント糸の伸縮が起こり、溶融現象による糸切れ、及び
フィラメント割れが多発するのである。そして、本発明
者等は、このような損傷を少なくするためには糸に前も
ってある処理加工を施しておくことが必要であるという
知見を得た。本発明は、この様な知見を基に、完成を見
たのである。
が低く熱に対する抵抗が弱いために、整経や編成工程に
於いて、糸の通過するガイド部での摩擦熱によりフィラ
メント糸の伸縮が起こり、溶融現象による糸切れ、及び
フィラメント割れが多発するのである。そして、本発明
者等は、このような損傷を少なくするためには糸に前も
ってある処理加工を施しておくことが必要であるという
知見を得た。本発明は、この様な知見を基に、完成を見
たのである。
【００１２】即ち、本発明は、単繊維の繊度ｄ（デニー
ル）が１≦ｄ≦５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６で
ある繊度が１００デニール以下で且つ撚回数が２００Ｔ
ＰＭ以下のポリオレフィン系長繊維フィラメント糸であ
って、損傷防止のための集束剤で集束されたポリオレフ
ィン系長繊維フィラメント糸に存する。そして、上記の
ようなポリオレフィン系長繊維フィラメント糸で編成さ
れた編物布帛に存する。そしてまた、集束剤が、油剤８
％〜１２％、界面活性剤１％〜３％、帯電防止剤１％〜
３％を含有するものであるポリオレフィン系長繊維フィ
ラメント糸に存する。
ル）が１≦ｄ≦５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６で
ある繊度が１００デニール以下で且つ撚回数が２００Ｔ
ＰＭ以下のポリオレフィン系長繊維フィラメント糸であ
って、損傷防止のための集束剤で集束されたポリオレフ
ィン系長繊維フィラメント糸に存する。そして、上記の
ようなポリオレフィン系長繊維フィラメント糸で編成さ
れた編物布帛に存する。そしてまた、集束剤が、油剤８
％〜１２％、界面活性剤１％〜３％、帯電防止剤１％〜
３％を含有するものであるポリオレフィン系長繊維フィ
ラメント糸に存する。
【００１３】そしてまた、単繊維の繊度ｄ（デニール）
が１≦ｄ≦５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である
繊度が１００デニール以下で且つ撚回数が２００ＴＰＭ
以下のポリオレフィン系長繊維フィラメント糸を整経す
るに際し、該整経前に損傷防止のための集束剤付与工程
を設けたことを特徴とするポリオレフィン系長繊維フィ
ラメント糸の整経方法に存する。そしてまた、集束剤
が、油剤８％〜１２％、界面活性剤１％〜３％、帯電防
止剤１％〜３％を含有するものを使ったポリオレフィン
系長繊維フィラメント糸の整経方法に存する。
が１≦ｄ≦５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である
繊度が１００デニール以下で且つ撚回数が２００ＴＰＭ
以下のポリオレフィン系長繊維フィラメント糸を整経す
るに際し、該整経前に損傷防止のための集束剤付与工程
を設けたことを特徴とするポリオレフィン系長繊維フィ
ラメント糸の整経方法に存する。そしてまた、集束剤
が、油剤８％〜１２％、界面活性剤１％〜３％、帯電防
止剤１％〜３％を含有するものを使ったポリオレフィン
系長繊維フィラメント糸の整経方法に存する。
【００１４】本発明で使用するポリオレフィン系繊維と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等よりなる繊維
があるが、その中のいずれの繊維を使用してもよく、特
に制限はない。
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等よりなる繊維
があるが、その中のいずれの繊維を使用してもよく、特
に制限はない。
【００１５】ポリオレフィン系繊維のフィラメント糸の
太さとしては、いわゆる細デニールといわれるもので、
単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦５、その単繊維
数ｘが１０＜ｘ＜３６である繊度が１００デニール以下
のものである。もっとも、従来このような細デニール糸
が競泳用の水着として最適であったにもかかわらず、整
経工程や編成工程を経ると、損傷を生ずるところから、
どうしても製品にできなかったのである。
太さとしては、いわゆる細デニールといわれるもので、
単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦５、その単繊維
数ｘが１０＜ｘ＜３６である繊度が１００デニール以下
のものである。もっとも、従来このような細デニール糸
が競泳用の水着として最適であったにもかかわらず、整
経工程や編成工程を経ると、損傷を生ずるところから、
どうしても製品にできなかったのである。
【００１６】また使用するポリオレフィン系繊維のフィ
ラメント糸の撚回数としては２００ＴＰＭ以下であり、
好ましくは３０ＴＰＭ〜１００ＴＰＭの範囲が良い。２
００ＴＰＭ以上になると編成された布帛表面の平滑性が
悪く、風合も硬目となり不適切な布帛となる。
ラメント糸の撚回数としては２００ＴＰＭ以下であり、
好ましくは３０ＴＰＭ〜１００ＴＰＭの範囲が良い。２
００ＴＰＭ以上になると編成された布帛表面の平滑性が
悪く、風合も硬目となり不適切な布帛となる。
【００１７】本発明で使用する集束剤は、フィラメント
糸に付与し、工程中で糸切れ等の損傷防止のためのもの
であり、繊維表面の摩擦抵抗を減ずる効果のあるもの
で、編み立てられて編地となった後布帛から通常の洗浄
処理により容易に除去できるものであればよい。即ち集
束剤は油剤、界面活性剤及び帯電防止剤を調合した水溶
液でなる。
糸に付与し、工程中で糸切れ等の損傷防止のためのもの
であり、繊維表面の摩擦抵抗を減ずる効果のあるもの
で、編み立てられて編地となった後布帛から通常の洗浄
処理により容易に除去できるものであればよい。即ち集
束剤は油剤、界面活性剤及び帯電防止剤を調合した水溶
液でなる。
【００１８】油剤としては、鉱物油、植物油、脂肪酸エ
ステル等があり、鉱物油としてはナフテン系、パラフィ
ン系等が有るが、中でも流動パラフィンが好適である。
また、界面活性剤としては、非イオンアニオン系のもの
であれば特に限定しない。また帯電防止剤としては、ア
ルキル酸エステル、あるいはそのアルカリ塩、硫酸化
油、イミダゾリン系化合物等一般的帯電剤が用いられる
が、その中でも、アルキルホスフェート系のものが優れ
た平滑性と帯電性を有し好適である。集束剤を該フィラ
メント糸に付与するにあたっては、通常使用されている
オイリング装置を利用することができる。
ステル等があり、鉱物油としてはナフテン系、パラフィ
ン系等が有るが、中でも流動パラフィンが好適である。
また、界面活性剤としては、非イオンアニオン系のもの
であれば特に限定しない。また帯電防止剤としては、ア
ルキル酸エステル、あるいはそのアルカリ塩、硫酸化
油、イミダゾリン系化合物等一般的帯電剤が用いられる
が、その中でも、アルキルホスフェート系のものが優れ
た平滑性と帯電性を有し好適である。集束剤を該フィラ
メント糸に付与するにあたっては、通常使用されている
オイリング装置を利用することができる。
【００１９】ここで、油剤は８％〜１２％（以下％は全
集束剤に対する各成分の重量％を表す）である。１２％
以上では整経後の編立時、シンカー針にカスが付着し、
又８％以下では平滑性が悪く、編成張力が掛かりフイラ
メント割れを起こす。また界面活性剤は１％〜３％であ
る。３％以上でも集束剤の安定には影響がなく、１％以
下では集束剤の乳化安定性が悪くなり、平滑集束効果が
劣る。また帯電防止剤は１％〜３％である。３％以上で
は、走行起電力は−３０〜６０Ｖの条件と変化せず、こ
れ以上の制電効果は望めない。また１％以下では、走行
起電力は−７０〜１００Ｖと制電効果が少なくフイラメ
ント割れを生ずる。
集束剤に対する各成分の重量％を表す）である。１２％
以上では整経後の編立時、シンカー針にカスが付着し、
又８％以下では平滑性が悪く、編成張力が掛かりフイラ
メント割れを起こす。また界面活性剤は１％〜３％であ
る。３％以上でも集束剤の安定には影響がなく、１％以
下では集束剤の乳化安定性が悪くなり、平滑集束効果が
劣る。また帯電防止剤は１％〜３％である。３％以上で
は、走行起電力は−３０〜６０Ｖの条件と変化せず、こ
れ以上の制電効果は望めない。また１％以下では、走行
起電力は−７０〜１００Ｖと制電効果が少なくフイラメ
ント割れを生ずる。
【００２０】また本発明の集束剤には乳化安定剤等を添
加しても差し支えない。良好な結果が得られるために
は、糸に対する該集束剤の付与量（重量）１〜８％の範
囲に調整するが、好ましくは１．５％〜３．５％が良
い。１．５％以下では整経時の糸走行において、テンシ
ョンによるフィラメント割れ及び毛羽が発生する。３．
５％以上では後の編成の際、編機のシンカーにカスが残
留し、毛羽、糸切れの発生の原因となる。
加しても差し支えない。良好な結果が得られるために
は、糸に対する該集束剤の付与量（重量）１〜８％の範
囲に調整するが、好ましくは１．５％〜３．５％が良
い。１．５％以下では整経時の糸走行において、テンシ
ョンによるフィラメント割れ及び毛羽が発生する。３．
５％以上では後の編成の際、編機のシンカーにカスが残
留し、毛羽、糸切れの発生の原因となる。
【００２１】本発明において対象とする編物布帛として
はメリヤス地、トリコット編地、ラッシェル編物等その
他いかなる編物布帛でもよく、その組織も限定されな
い。編物布帛として使用する場合は、他の繊維を素材と
する糸、例えば、ポリウレタン系繊維との組み合わせに
よる交編も十分可能である。更に本発明の編物布帛の使
用分野として、スパッツ、サポーター、タイツ、靴下等
の各種のスポーツ用のものの他、いわゆる軽量、湿潤堅
牢、速乾性を要求される商品に使用することができる。
尚、本発明に使用するポリオレフィン系繊維の着色は紡
糸後は困難なため原液着色糸を使用する必要がある。
はメリヤス地、トリコット編地、ラッシェル編物等その
他いかなる編物布帛でもよく、その組織も限定されな
い。編物布帛として使用する場合は、他の繊維を素材と
する糸、例えば、ポリウレタン系繊維との組み合わせに
よる交編も十分可能である。更に本発明の編物布帛の使
用分野として、スパッツ、サポーター、タイツ、靴下等
の各種のスポーツ用のものの他、いわゆる軽量、湿潤堅
牢、速乾性を要求される商品に使用することができる。
尚、本発明に使用するポリオレフィン系繊維の着色は紡
糸後は困難なため原液着色糸を使用する必要がある。
【００２２】本発明の整経方法は、整経工程の前にフィ
ラメント糸が損傷することがないように集束剤付与工程
を設けたものである。集束剤を付与することにより、整
経工程中にフィラメント糸が移動される過程で通過する
ガイド部での摩擦熱や帯電性が極力押さえられ、フィラ
メント割れや糸切れ等の損傷が無くなるのである。
ラメント糸が損傷することがないように集束剤付与工程
を設けたものである。集束剤を付与することにより、整
経工程中にフィラメント糸が移動される過程で通過する
ガイド部での摩擦熱や帯電性が極力押さえられ、フィラ
メント割れや糸切れ等の損傷が無くなるのである。
【００２３】
【作用】上記の如きポリオレフィン系長繊維フィラメン
ト糸は、整経工程や編成工程でもフィラメント割れや糸
切れ等の損傷が無くなる。また、ポリオレフィン系繊維
糸を素材とした編物布帛は、該素材表面には糸切れ、フ
ィラメント割れ等の損傷が認められない。一方、ポリオ
レフィン系長繊維フィラメント糸の整経方法は、集束剤
を整経前に付与しておくことにより、以後の整経工程
中、糸切れ、フィラメント割れ等の損傷を無くせる。
ト糸は、整経工程や編成工程でもフィラメント割れや糸
切れ等の損傷が無くなる。また、ポリオレフィン系繊維
糸を素材とした編物布帛は、該素材表面には糸切れ、フ
ィラメント割れ等の損傷が認められない。一方、ポリオ
レフィン系長繊維フィラメント糸の整経方法は、集束剤
を整経前に付与しておくことにより、以後の整経工程
中、糸切れ、フィラメント割れ等の損傷を無くせる。
【００２４】
【実施例】黒色に原液着色された４０ｄ／１２のポリプ
ロピレン繊維のフィラメント糸を、下記（Ａ１）の処方
で調合された集束剤が付与された直径３０ｍｍの金属ロ
ーラーを有するオイリング装置を使って、２００ｍ／ｍ
ｉｎの速度で集束剤の付与（付与量１．５％）を行っ
た。
ロピレン繊維のフィラメント糸を、下記（Ａ１）の処方
で調合された集束剤が付与された直径３０ｍｍの金属ロ
ーラーを有するオイリング装置を使って、２００ｍ／ｍ
ｉｎの速度で集束剤の付与（付与量１．５％）を行っ
た。
【００２５】集束剤の調合例（Ａ１） 〔以下全集束剤に対する各成分の重量％〕 鉱物油 ９％ 界面活性剤 ２％ アルキルホースフェート系帯電防止剤 ２．５％ 混合オイル ２％ 水 ８４．５％
【００２６】このようにして得られた原糸を整経し、そ
れと予め整経された４０ｄ／１２のポリウレタン弾性繊
維糸を使用し、２８ゲージトリコット機（カールマイヤ
ー社製）にて編織をして交編の編物布帛を得た。得られ
た編物布帛を通常の精練、リラックス、乾燥、ヒートセ
ット等の処理を行うことにより、黒色に着色されたコー
ス１１０、ウェール７０からなる編物布帛を得た。
れと予め整経された４０ｄ／１２のポリウレタン弾性繊
維糸を使用し、２８ゲージトリコット機（カールマイヤ
ー社製）にて編織をして交編の編物布帛を得た。得られ
た編物布帛を通常の精練、リラックス、乾燥、ヒートセ
ット等の処理を行うことにより、黒色に着色されたコー
ス１１０、ウェール７０からなる編物布帛を得た。
【００２７】整経時の状態は、糸バラケも糸切れもなく
ガイド部の通過もスムーズであり、又編立て時（編成
時）状態は、シンカー針にカスも付かず、糸バラケも糸
切れもなく極めて良好に編成が進んだ。編物布帛を調べ
たところ、糸切れ等の損傷が全くなく高品位のものであ
った。
ガイド部の通過もスムーズであり、又編立て時（編成
時）状態は、シンカー針にカスも付かず、糸バラケも糸
切れもなく極めて良好に編成が進んだ。編物布帛を調べ
たところ、糸切れ等の損傷が全くなく高品位のものであ
った。
【００２８】
【比較例】黒色に原液着色された４０ｄ／１２のポリプ
ロピレン繊維のフィラメント糸を下記（Ｂ１，Ｂ２，Ｂ
３）の如く集束剤の調合比を変えた場合以外は実施例と
同様な方法で処理し、編物布帛を得た。
ロピレン繊維のフィラメント糸を下記（Ｂ１，Ｂ２，Ｂ
３）の如く集束剤の調合比を変えた場合以外は実施例と
同様な方法で処理し、編物布帛を得た。
【００２９】集束剤の調合例（Ｂ１） 鉱物油 ５％ 界面活性剤 ０．５％ アルキルホースフェート系帯電防止剤 ２．５％ 混合オイル ２％ 水 ９０％
【００３０】集束剤の調合例（Ｂ２） 鉱物油 １５％ 界面活性剤 ２．５％ アルキルホースフェート系帯電防止剤 ２．５％ 混合オイル ２％ 水 ７８％
【００３１】集束剤の調合例（Ｂ３） 鉱物油 ９％ 界面活性剤 ０．８％ アルキルホースフェート系帯電防止剤 ０．５％ 混合オイル ２％ 水 ８７．７％ 整経時の状態、編立て時の状態及び編立てられた後の編
物布帛の状態においてのそれぞれの結果を表１に示す。
物布帛の状態においてのそれぞれの結果を表１に示す。
【表１】
【００３２】
【発明の効果】上記の如き本発明のポリオレフィン系長
繊維フィラメント糸は、整経工程や編成工程でもフィラ
メント割れや糸切れ等の損傷が無くする効用がある。ま
た、そのポリオレフィン系繊維糸を素材とした編物布帛
は、該素材表面には糸切れ、フィラメント割れ等の損傷
が認められない高品質なものであり、競泳水着として使
用した場合、水切れがよく、表面平滑性がよく流水抵抗
が極力小さいものとなった。この編物布帛はスパッツ、
サポーター、タイツ各種のスポーツウェアーまたは、靴
下、シューズ等、軽量、湿潤堅牢、速乾性を要求される
商品にも使用することができ、その利用範囲を格段に拡
大できる。一方、ポリオレフィン系繊維糸の整経方法
は、集束剤を整経前に付与しておくことにより、以後の
整経工程中、糸切れ、フィラメント割れ等の損傷を無く
すことができる。
繊維フィラメント糸は、整経工程や編成工程でもフィラ
メント割れや糸切れ等の損傷が無くする効用がある。ま
た、そのポリオレフィン系繊維糸を素材とした編物布帛
は、該素材表面には糸切れ、フィラメント割れ等の損傷
が認められない高品質なものであり、競泳水着として使
用した場合、水切れがよく、表面平滑性がよく流水抵抗
が極力小さいものとなった。この編物布帛はスパッツ、
サポーター、タイツ各種のスポーツウェアーまたは、靴
下、シューズ等、軽量、湿潤堅牢、速乾性を要求される
商品にも使用することができ、その利用範囲を格段に拡
大できる。一方、ポリオレフィン系繊維糸の整経方法
は、集束剤を整経前に付与しておくことにより、以後の
整経工程中、糸切れ、フィラメント割れ等の損傷を無く
すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ０３Ｄ 15/00 Ａ 7199−3Ｂ Ｄ０４Ｂ 21/00 Ｂ // Ｄ０６Ｍ 101:20
Claims (5)
- 【請求項１】 単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦
５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１０
０デニール以下で且つ撚回数が２００ＴＰＭ以下のポリ
オレフィン系長繊維フィラメント糸であって、損傷防止
のための集束剤で集束されたことを特徴とするポリオレ
フィン系長繊維フィラメント糸。 - 【請求項２】請求項１記載のポリオレフィン系長繊維フ
ィラメント糸で編成されたことを特徴とする編物布帛。 - 【請求項３】集束剤が、油剤８％〜１２％、界面活性剤
１％〜３％、帯電防止剤１％〜３％を含有するものであ
ることを特徴とする請求項１又は２記載のポリオレフィ
ン系長繊維フィラメント糸。 - 【請求項４】 単繊維の繊度ｄ（デニール）が１≦ｄ≦
５、その単繊維数ｘが１０≦ｘ≦３６である繊度が１０
０デニール以下で且つ撚回数が２００ＴＰＭ以下のポリ
オレフィン系長繊維フィラメント糸を整経するに際し、
該整経前に損傷防止のための集束剤付与工程を設けたこ
とを特徴とするポリオレフィン系長繊維フィラメント糸
の整経方法。 - 【請求項５】集束剤が、油剤８％〜１２％、界面活性剤
１％〜３％、帯電防止剤１％〜３％を含有するものを使
ったことを特徴とする請求項４記載のポリオレフィン系
長繊維フィラメント糸の整経方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29144993A JP3296644B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸と編物布帛及びその整経方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29144993A JP3296644B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸と編物布帛及びその整経方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07119035A true JPH07119035A (ja) | 1995-05-09 |
| JP3296644B2 JP3296644B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=17769018
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29144993A Expired - Fee Related JP3296644B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | ポリオレフィン系長繊維フィラメント糸と編物布帛及びその整経方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3296644B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09173672A (ja) * | 1995-12-27 | 1997-07-08 | Teijin Ltd | クッション性椅子 |
| JP2021025156A (ja) * | 2019-08-05 | 2021-02-22 | ミツカワ株式会社 | 原着丸編地 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP29144993A patent/JP3296644B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09173672A (ja) * | 1995-12-27 | 1997-07-08 | Teijin Ltd | クッション性椅子 |
| JP2021025156A (ja) * | 2019-08-05 | 2021-02-22 | ミツカワ株式会社 | 原着丸編地 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3296644B2 (ja) | 2002-07-02 |
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