JP2014101598A - 布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水加工を施さない場合においても半永久的に吸水する布帛、すなわち、着用時の汗をすばやく吸い取ることができ、快適性にも優れ、やわらかく、肌触りのよいインナーウエア、スポーツウエア等に好適に用いることができる布帛の提供。
【解決手段】S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を含み、かつ、JIS L0217 103 C法による洗濯30回後のJIS L1907 滴下法に準処した吸水性が10秒以下である布帛。
【選択図】なし

Description

本発明は吸水性を有する布帛に関する。より詳細には、本発明は、吸水加工を施さずに半永久的に吸水性を有し、吸水性に優れる為、着用時の汗をすばやく吸い取ることができ、快適性に優れ、さらに、柔らかく、肌触りも良いために、インナーウエア、スポーツウエア、寝具等に好適に用いることができる布帛に関する。
ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの合成繊維は、汎用素材としてインナーウエア、スポーツウエア等に使用されている。しかしながら、これらの合成繊維は、疎水性繊維であるため、特に肌周りの商品に使用する際には吸水加工が必要であり、洗濯を繰り返すと吸水性が低下するという問題点がある。特に、ユニフォームなどで使用される工業洗濯といわれる高温での洗濯では吸水加工剤の脱落が顕著であり、洗濯耐久性向上が求められている。
ポリエステルの吸水性を改善する方法として種々の検討が進められている。
例えば、以下の特許文献1では、ポリエステル繊維を吸水剤で処理した後、ハイドロゲルで被覆することにより、吸水性等を付与している。この方法では吸水剤が加工で付与されており、ハイドロゲルによる被覆を施しても吸水性の劣化は避けられず、洗濯を繰り返すと性能が低下してしまい、工業洗濯のような高温の洗濯ではさらに性能が低下する可能性がある。さらにハイドロゲルの被覆により、繊維の柔らかさを損なう虞もある。
また、以下の特許文献2では、ポリエステル繊維にアルカリ加工を施しているが、通常のポリエステルに加工しているため、洗濯耐久性のある吸水性を付与することはできていない。
特開平9−158049号公報 特開2005−200799号公報
本発明が解決しようとする課題は、吸水加工を施さない場合においても半永久的に吸水する布帛、すなわち、着用時の汗をすばやく吸い取ることができ、快適性にも優れ、やわらかく、肌触りのよいインナーウエア、スポーツウエア等に好適に用いることができる布帛を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた結果、特定のポリエステル糸を含む布帛に特定のアルカリ処理を施すことにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を含み、かつ、JIS L0217 103 C法による洗濯30回後のJIS L1907 滴下法に準処した吸水性が10秒以下である布帛。
[2]前記吸水性が2秒以下である、前記[1]に記載の布帛。
[3]前記ポリエステル繊維がエステル非形成性スルホン酸塩化合物を0.5〜5モル%含む、前記[1]又は[2]に記載の布帛。
[4]前記エステル非形成性スルホン酸塩化合物が、アルキルスルホン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の布帛。
[5]S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を含む布帛に、減量率1〜10%でアルカリ減量を施す工程を含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の布帛の製造方法。
[6]前記アルカリ減量は、アルカリ濃度1〜10g/L、90℃〜100℃でのアルカリ処理によるものである、前記[5]に記載の方法。
本発明の布帛は、吸水加工を施さない場合においても半永久的に吸水し、着用時の汗をすばやく吸い取ることができ、快適性に優れ、柔らかく肌触りがよいため、インナーウエア、スポーツウエア等に好適に利用可能である。
実施例1の編物の編組織を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の布帛は、S元素(硫黄元素)を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を含むことを特徴とする。S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維のとしては、例えば、エステル非形成性スルホン酸塩化合物を0.5〜5モル%含有するポリエステル繊維が挙げられる。
エステル非形成性スルホン酸塩化合物とは、スルホン酸塩化合物がポリエステルと直接エステル化反応し、重縮合してポリエステルを形成することなく、スルホン酸塩化合物を含有しているポリエステル繊維であり、スルホン酸塩化合物を0.5〜5モル%練り込んだマスターチップと通常のエチレンテレフタレート成分が95モル%以上のポリエステルチップを混合する方法で得られるポリエステル繊維や、重合時に直接、スルホン酸塩化合物を0.5〜5モル%を添加して得られるポリエステル繊維などが挙げられる。
エステル非形成性スルホン酸塩化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ウンデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。加工安定性の観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
ポリエステル繊維中にS元素を0.005〜0.5wt%含有することで、所定のアルカリ処理を行うだけで、吸水効果が得られ、洗濯を繰り返してもその効果がほとんど変わらない布帛となる。S元素の含有量が0.005wt%未満ではアルカリ処理後の吸水性の耐久効果が小さく、また、ポリエステル繊維中にS元素を0.5w%より多く含む場合には繊維の強度が低下し、紡糸が困難となる。ポリエステル繊維中のS元素は0.01〜0.45w%がより好ましく、0.015〜0.4wt%がさらに好ましい。尚、S元素を定量する方法としてはICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いる。
本発明の布帛に永久的な吸水効果を発揮させるためには、加工工程で特定のアルカリ処理を施すことが必要である。アルカリ処理の条件としては減量率を好ましくは1〜10%、より好ましくは1.5〜8%にすることが好ましい。S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維は通常のポリエステル繊維に比べアルカリ減量の速度が速いため、アルカリを低濃度に調整し、処理することが好ましい。減量率が1%未満の場合にはアルカリ処理による効果が小さく、吸水性の耐久性に劣る。減量率が10%以上の場合にはアルカリ減量が進みすぎるため、吸水性の耐久性に劣る。一旦形成された繊維表面の親水基成分が減量により落ちてしまうためと推定される。また、繊維表面に沢山のボイドが発生し、繊維強度が低下するため、好ましくない。減量率を1〜10%にするには、例えば、水酸化ナトリウムを1g/L〜10g/Lの濃度で90〜100℃で20分〜100分処理するアルカリ処理方法が好適に用いられる。特に好ましいアルカリ濃度は水酸化ナトリウム2g/L〜8g/Lの条件である。S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を所定のアルカリ条件で処理することにより、吸水加工を施さない場合でも耐久的な吸水性を得ることができる。耐久的とは、洗濯を繰り返しても吸水性の低下が起こり難いことをいう。洗濯の方法はJIS L0217 103法が好適に用いられ、洗剤は中性洗剤、弱アルカリ性洗剤等通常の洗剤が好適に用いられる。
本発明の布帛は、JIS L0217 103 C法による洗濯30回後の吸水性(JIS L1907 滴下法)が10秒以下である。洗濯30回後の吸水性は5秒以下が好ましく、2秒以下がより好ましい。本発明の布帛は該洗濯回数50回、100回後も吸水性を保持することができる。
また、本発明の布帛は工業洗濯時にも吸水効果を持続する効果に優れる。工業洗濯とはユニフォームなどの洗濯に適用されている家庭洗濯よりも厳しい条件での洗濯でJIS L1096 F−2に規定されている。本発明の布帛はJIS L1096 F−2による60℃30分の洗濯30後の吸水性も10秒以下である。
S元素を0.005〜0.5wt%含有したポリエステル繊維に、所定のアルカリ減量を行うことで、吸水効果が得られる理由については明確ではないが、アルカリ処理によって繊維表面の−SOH基、−COOH基などの親水基の表面濃度が相対的に高くなっていると推定される。
尚、本発明の布帛の繊維表面にはアルカリ処理条件により小さな穴やピットが少量見られる場合があるが、筋状の溝は観察されず、表面形態の変化により吸水性が発現したのではないと推定される。本発明はアルカリ減量を行っても筋状の溝などの発生が無いことから強度の低下率が小さい。
本発明の吸水性布帛は50℃で30分間、カチオン染料(kayacryl blue GRL)で染色した場合に布帛中のS元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維において染色前と染色後のK/Sの差が1.5以上であることが好ましい。通常、カチオン染料に染まるポリエステル繊維であっても、染色温度を90℃以上にする必要があるが本発明の布帛では非常に低温で染着が起こる。但し、本発明の布帛を一旦90℃以上でカチオン染料又は分散染料で染色した場合には、この温度条件でK/Sの差を1.5以上にすることはできない。
本発明の布帛はS元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を少なくとも布帛の片表面の25%以上、好ましくは40%以上に含まれることが望ましい。本発明の布帛を製品として使用する場合にはS元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維側を肌側に使用することが望ましい。
本発明の布帛を構成する際にはS元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維に通常のポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維等の合成繊維、あるいは、綿、レーヨン、キュプラ、アセテート等のセルロース繊維との混用が可能である。
本発明に用いる繊維の総繊度は約8〜約167デシテックス(dtex)が好ましく、約22〜約110dtexがより好ましい。単糸繊度も特に限定されないが、約0.5〜約2dtexが、肌触りや風合いの観点から、好ましい。
本発明に用いる繊維には、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、フェームドシリカ等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本発明の布帛に使用する繊維は、捲縮を有していてもよく、肌触りの観点から、捲縮伸長率が0〜150%が好ましい。尚、仮撚糸の捲縮伸長率は、下記条件にて測定したものである。
捲縮糸の上端を固定し、下端に1.77×10-3cN/dtexの荷重をかけ、30秒後の長さ(A)を測定する。次いで、1.77×10-3cN/dtexの荷重を取り外し、0.088cN/dtexの荷重をかけ、30秒後の長さ(B)を測定し、下記式(1)により捲縮伸長率を求める:
捲縮伸長率(%)={(B−A)/A}×100 (1)
本発明の布帛は織物でも、編み物でもよい。織物の場合の織組織としては、平織組織、綾織組織、朱子織組織、それらから誘導された各種変化組織を適用することができる。編み物の場合には、丸編み、経編みのいずれでもよく、編機としては、横編機やダブル丸編機、トリコット編機、ラッセル編機等を使用できる。使用する編機の編ゲージとしては約10〜約60GGが好ましい。編組織も特に限定されない。
本発明の編地の目付は特に限定されないが、約30〜約300g/mが好ましく、より好ましくは約50〜約250g/mである。
また、本発明の編地には吸水加工を施してもよい。吸水加工を施すことでより一層の吸水耐久効果が発揮される。特に工業洗濯での耐久性を上げるためには非常に有効である。
本発明の編地は、繊維製品の中でも衣料、特にスポーツウエアやインナー等の汗処理機能が必要な衣料用途に好適であるがこれに限定されず、アウターや裏地等の衣料や、シーツ等の寝具、さらには失禁パンツ等の衛生物品にも適用でき、好適な吸水効果を発揮する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。無論、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例で得た編地を、以下の方法で評価した。
(1)着用試験
S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維が表面に多く露出している面が肌面になるように作製されたシャツを着用し、30℃、50%RH環境の人工気候室にて10分間安静にした後に、大武・ルート工業社製トレッドミルORK−3000にて時速7kmで20分の走行運動を行い、再び10分間安静にした。走行運動前の肌触り、快適感、そして走行運動後のベタツキ感を、それぞれ、以下の評価基準に従い官能評価した:
○:肌触りや風合いが良い;快適である;ベタツキ感を感じない。
△:肌触りや風合いがやや悪い;やや不快である;ややベタツキ感を感じる。
×:肌触りや風合いが悪い;不快である;ベタツキ感を感じる。
(2)吸水性
JIS L1907 滴下法 の方法に準処した。
(3)洗濯処理
JIS L0217 付表1の103法に準処した。
(4)工業洗濯試験
JIS L1096 F−2中温ワッシャー法に準処した。
[実施例1]
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを15%練り込んだポリエステルチップと通常のエチレンテレフタレート成分が95モル%以上のポリエステルチップを混合し、紡糸することで、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2モル%含有する84dtex/36fのエステル非形成性ポリエステル繊維を得た。
28ゲージダブル丸編機を使用し、この糸の加工糸と84dtex/72fのポリエステル丸型断面加工糸とを図1に示す編組織(図中の丸数字は編成順を示す)に示すように給糸し、生機を得た。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて水酸化ナトリウム5g/Lで2℃/minの条件で昇温し、95℃で60分間アルカリ処理を施し、中和、水洗した。84dtex/36fのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む加工糸の減量率は2.8%であった。その後、130℃でのポリエステル染色、水洗を行い、ピンテンターにて、しわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付142g/m、厚み0.63mmの編地を得た。本編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、1秒と4秒であり、この編地を用いたシャツの着用試験ではやわらかく快適で、発汗後もベタツキ感がないという結果が得られた。
[実施例2]
重合時に直接、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2.5モル%を添加してポリエステルチップを得、このチップを紡糸することで56dtex/24fのエステル非形成性ポリエステル繊維を得た。
28GGのトリコット編み機を用いて、フロントに56dtex/24fのウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加したポリエステル丸型断面糸の加工糸、バックにポリウレタン糸44dtexを用いてハーフトリコット組織にて編地を編成した。80℃にてリラックス、精練を行い、190℃で熱セットを行い、液流染色機にて水酸化ナトリウム濃度6g/Lで2℃/minの条件で昇温し、95℃で60分間アルカリ処理を施し、中和、水洗した。減量率は4.2%であった。さらに130℃で染色、170℃で仕上げセットを実施して、目付188g/m、厚み0.60mmの編物を得た。本編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、1秒と2秒であり、この編地で作製したスパッツの着用試験ではやわらかく、快適で、発汗後もベタツキ感のないものであった。
[実施例3]
実施例2で用いた56dtex/24fのウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加したポリエステル丸型断面糸を経緯方向に配糸して、平織物を作製した。80℃にて精練を行い、190℃で熱セットを行い、液流染色機にて水酸化ナトリウム濃度4g/Lで2℃/minの条件で昇温し、95℃で60分間アルカリ処理を施し、中和、水洗した。減量率は3.8%であった。さらに130℃で染色、170℃で仕上げセットを実施して、目付67g/m、厚み0.39mmの織物を得た。本織物のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、1秒と4秒であり、この織物から得たウエアの着用試験ではやわらかく、快適で、発汗後もベタツキ感のないものであった。
[実施例4]
84dtex/36fのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2モル%含有するポリエステル丸型断面糸の代わりに、84dtex/36fのドデシルスルホン酸ナトリウムを2モル%含有するポリエステル丸型断面糸を用いた以外は実施例1と同様にして、目付130g/m、厚み0.57mmの編地を得た。この編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、2秒と6秒であり、この編地を用いたシャツの着用試験ではやわらかく快適で、発汗後もベタツキ感がないという結果が得られた。
[実施例5]
染色時に吸水加工として、高松油脂(株)のSR1000を2wt%加えた他は実施例1と同様にして、目付144g/m、厚み0.66mmの編地を得た。この編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、1秒と1秒であり、この編地を用いたシャツの着用試験ではやわらかく快適で、発汗後もベタツキ感がないという結果が得られた。
[比較例1]
84dtex/36fのデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを15%練り込んだポリエステルチップを用いたポリエステル丸型断面糸の加工糸の代わりに84dtex/36fのポリエステル丸型断面糸の加工糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、目付153g/m、厚み0.70mmの編地を得た。この編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、180秒以上と180秒以上であり、この編地を用いたシャツの着用試験では発汗時にベタツキ感があったという結果が得られた。
[比較例2]
アルカリ処理における水酸化ナトリウム濃度を0.5g/Lにした以外は、実施例1と同様にして、目付150g/m、厚み0.69mmの編地を得た。この編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、180秒以上と180秒以上であり、この編地を用いたシャツの着用試験では発汗時にベタツキ感があったという結果が得られた。
[比較例3]
アルカリ処理における水酸化ナトリウム濃度を13g/Lにした以外は、実施例1と同様にして、目付127g/m、厚み0.56mmの編地を得た。この編地のJIS L0217 付表1の103法とJIS L1096 F−2中温ワッシャー法での洗濯30回後の吸水性は、それぞれ、180秒以上と180秒以上であり、この編地を用いたシャツの着用試験では発汗時にベタツキ感があったという結果が得られた。
Figure 2014101598
本発明に係る布帛は、吸水加工を施さない場合においても半永久的に吸水し、着用時の汗をすばやく吸い取ることができ、快適性に優れ、柔らかく肌触りがよいため、インナーウエア、スポーツウエア等に好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を含み、かつ、JIS L0217 103 C法による洗濯30回後のJIS L1907 滴下法に準処した吸水性が10秒以下である布帛。
  2. 前記吸水性が2秒以下である、請求項1に記載の布帛。
  3. 前記ポリエステル繊維がエステル非形成性スルホン酸塩化合物を0.5〜5モル%含む、請求項1又は2に記載の布帛。
  4. 前記エステル非形成性スルホン酸塩化合物が、アルキルスルホン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の布帛。
  5. S元素を0.005〜0.5wt%含有するポリエステル繊維を含む布帛に、減量率1〜10%でアルカリ減量を施す工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の布帛の製造方法。
  6. 前記アルカリ減量は、アルカリ濃度1〜10g/L、90℃〜100℃でのアルカリ処理によるものである、請求項5に記載の布帛の製造方法。
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