JPH07118935A - 紡機用メタリックワイヤ - Google Patents

紡機用メタリックワイヤ

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JPH07118935A
JPH07118935A JP27208193A JP27208193A JPH07118935A JP H07118935 A JPH07118935 A JP H07118935A JP 27208193 A JP27208193 A JP 27208193A JP 27208193 A JP27208193 A JP 27208193A JP H07118935 A JPH07118935 A JP H07118935A
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JP
Japan
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coating layer
spinning machine
metallic wire
wire
chromium oxide
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JP27208193A
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English (en)
Inventor
Ritsuji Nakamura
律二 中村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 硬鋼線又は合金鋼線より形成された紡機用メ
タリックワイヤの少なくとも歯部の表面にクラスタ・ダ
イヤモンド微粒子を含んだ酸化クロムのコーティング層
を形成し、高周波誘導加熱等により短時間焼入れを行な
うことにより、上記コーティング層と母材の境界部に鉄
酸化物と酸化クロムの混合物層を形成してなる。 【効果】 高生産梳綿機でも長時間安定した操業がで
き、さらに、コーティング層の剥離が起き難いためメタ
リックワイヤの寿命を著しく延長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紡機の梳綿機や空気精紡
機等に用いられ、繊維損傷を防止し、耐摩耗性に優れた
紡機用メタリックワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紡機用メタリックワイヤは硬鋼線
や合金鋼線を用い、所定の形状に加工し、耐摩耗性を付
与するため、歯先のみに火炎焼入れを施し硬化処理を行
なっている。また、上記のメタリックワイヤに加え、更
に耐摩耗性を向上したものとして、歯先に超硬質金属を
溶射したものや硬質クロムメッキを施したものが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然るに火炎焼入れのみ
により耐摩耗性を付与したメタリックワイヤは、生産量
が40lbs/hrを超えると摩耗が急激に進み、繊維損傷が
増え寿命が短かいという問題がある。また、超硬質金属
を溶射したものは表面粗さが大きく、細番手繊維の紡出
では繊維損傷が多くなるという問題点もある。また、電
気メッキにより硬質クロムメッキを施したものは、メッ
キ層と母材との密着性が悪く剥離しやすいという問題点
や、メタリックワイヤの歯先にメッキが集中し、歯先先
端は花が咲いた状態のメッキ層となりやすく、前処理を
含めメッキ条件が難しいという問題点もある。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、メタリックワイヤの
耐摩耗性を向上すると共に、紡出繊維の損傷も減少させ
る紡機用メタリックワイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の紡機用メタリックワイヤは硬鋼線又は合金
鋼線より形成された紡機用メタリックワイヤの少なくと
も歯部の表面に耐摩耗性、低摩擦性に優れたクラスタ・
ダイヤモンド微粒子を含んだ緻密な酸化クロムのコーテ
ィング層を熱化学反応で形成し、その後、メタリックワ
イヤの歯部のみ高周波誘導加熱等により短時間焼入れを
行なうことにより、上記コーティング層と母材の境界部
付近に酸化クロムを拡散させ、鉄酸化物とクロム酸化物
との混合物層を形成してなり、また、上記コーティング
層の厚さを10〜40μm とし、さらにコーティング中
のクラスタ・ダイヤモンド微粒子の含有率を重量%で1
〜20%として低摩擦及び耐摩性のある平滑被膜を有す
るメタリックワイヤを形成したものである。
【0006】上記コーティング層の厚みは10μm 未満
では、耐摩耗性、低摩擦が充分発揮されず、また、40
μm を超えるとコーティング層にクラックが入り易くな
ると共に処理時間が長くなる。また、上記コーティング
層中のクラスタ・ダイヤモンド微粒子の含有率は1〜2
0重量%としたが、1%未満では十分な耐摩耗性が得ら
れず、20%を超えると平滑性に劣ることとなる。ま
た、コーティング後の焼入れは、出来るだけ酸化を抑え
るため、火炎焼入れよりも高周波誘導加熱による短時間
の焼入れが好ましい。さらに無酸化雰囲気中で加熱すれ
ばなお良い。
【0007】
【作用】本発明の紡機用メタリックワイヤは、図2に示
すように、コーティング層と母材の境界部に鉄酸化物と
酸化クロムの混合物層が形成されているため、コーティ
ング層の剥離を抑制する作用をなす。また、クラスタ・
ダイヤモンド微粒子を含んだ酸化クロムのコーティング
層は高硬度で、平滑被膜を有するので高生産紡出におい
ても長期間安定した操業ができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の紡機用メタリックワイヤの一
実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】図1に示すように、硬鋼線材を用いて圧延
加工により縁部1を形成し、打抜きにて歯部2を有する
テーカインワイヤを構成する。次に、梳綿機にテーカイ
ンワイヤを容易に巻付け出来るように中間焼鈍を施した
後、ブラスト加工を施す。上記テーカインワイヤの縁部
1をマスキングして、歯部2のみ平均粒子径30〜10
00オングストロームのクラスタ・ダイヤモンド微粒子
3を含んだ無水クロム酸中に浸漬し、引上げたあと55
0℃で30分間焼成する。この浸漬と焼成の工程を5回
繰り返し、クラスタ・ダイヤモンド微粒子3を含んだ酸
化クロムのコーティング層4を被覆形成する。
【0010】その後、N2 ガス雰囲気中でテーカインワ
イヤの歯部2を高周波誘導加熱で焼入れ処理を行なう。
上記焼入れ処理を行なうことにより、図2に示すように
コーティング層4と母材5の間に酸化クロムが拡散し、
鉄酸化物とクロム酸化物との混合物層6を得ることがで
き、しかも、母材5はマルテンサイト組織を形成して本
発明の紡機用メタリックワイヤを構成する。
【0011】なお、本発明の紡機用メタリックワイヤは
上記のテーカインワイヤのほか、コーミングワイヤ、シ
リンダ用メタリックワイヤ等あらゆるメタリックワイヤ
に用いられる。また、図2の要部拡大模式図に示すクラ
スタ・ダイヤモンド微粒子3を含む酸化クロムのコーテ
ィング層4は厚さが10〜40μm で、硬度Hv1500
〜2000と高硬度であり、鉄酸化物とクロム酸化物と
の混合物層6は厚さが0.5〜1.0μm であり、マルテン
サイト組織となった母材5は硬度がHv700以上であ
る。またクラスタ・ダイヤモンド微粒子は平均粒子径が
30〜1000オングストロームのものを用いることが
できるが、この範囲未満では粒子同士が凝集し易く、ま
た、この範囲をこえるとコーティング層からの脱落が早
くなる。
【0012】次に、メタリックワイヤの耐摩耗性を比較
するために下記の紡出条件により従来のメタリックワイ
ヤBと本発明のメタリックワイヤAの性能比較の曲線図
を図3に示す。 紡出条件 ラップ :綿40番手ラップ シリンダ回転数:300r.p.m. ドッファ回転数: 40r.p.m. 紡出ゲレン :350gr/6yd
【0013】図3より明らかなように、本発明の紡機用
メタリックワイヤAは従来のメタリックワイヤBに比較
しネップ管理限界までのカード生産量を50%以上多く
することができ、良好な梳綿作用を長く維持することが
でき、耐摩耗性が著しく向上することがわかる。
【0014】
【発明の効果】本発明の紡機用メタリックワイヤは上記
構成よりなり、表面のコーティング層は高硬度(Hv15
00〜2000)であり、かつクラスタ・ダイヤモンド
微粒子はさらに高硬度であり、また平滑で低摩擦である
ので、生産量が40lbs/hr以上の高生産梳綿機でも、長
期間安定した操業ができ、さらに、コーティング層の剥
離が起き難いためメタリックワイヤの寿命を著しく延長
することができる。しかも、細番手繊維の紡出でも繊維
損傷が少なく、葉カス等の夾雑物の付着も少ない等、優
れた効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡機用メタリックワイヤを示し、(A)
は正面図、(B) は側面図である。
【図2】同要部拡大模式図である。
【図3】本発明と従来のメタリックワイヤの性能比較の
曲線図である。
【符号の説明】
1 縁部 2 歯部 3 クラスタ・ダイヤモンド微粒子 4 コーティング層 5 母材 6 混合物層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬鋼線又は合金鋼線より形成された紡機
    用メタリックワイヤの少なくとも歯部の表面にクラスタ
    ・ダイヤモンド微粒子を含んだ酸化クロムのコーティン
    グ層を形成し、上記コーティング層と母材の境界部に鉄
    酸化物と酸化クロムの混合物層を形成したことを特徴と
    する紡機用メタリックワイヤ。
  2. 【請求項2】 上記コーティング層の厚さが10〜40
    μm である請求項1記載の紡機用メタリックワイヤ。
  3. 【請求項3】 上記コーティング層中のクラスタ・ダイ
    ヤモンド微粒子の含有率を重量%で1〜20%としてな
    る請求項1記載の紡機用メタリックワイヤ。
JP27208193A 1993-10-29 1993-10-29 紡機用メタリックワイヤ Pending JPH07118935A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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