JPH07118629A - 蓄熱材 - Google Patents

蓄熱材

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JPH07118629A
JPH07118629A JP5286015A JP28601593A JPH07118629A JP H07118629 A JPH07118629 A JP H07118629A JP 5286015 A JP5286015 A JP 5286015A JP 28601593 A JP28601593 A JP 28601593A JP H07118629 A JPH07118629 A JP H07118629A
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JP
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heat
heat storage
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lino
latent heat
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JP5286015A
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English (en)
Inventor
Shiyouka Kou
錚▲か▼ 黄
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 50重量%以上のLiNO3 (硝酸リチウ
ム)および1〜6重量%の発核材を含有し、残部にMg
(NO3 2 ・6H2 O(硝酸マグネシウム六水塩)を
含有する蓄熱材。 【効果】 本発明によれば、潜熱発現量が40cal/g 以
上で使用温度域が70〜300℃に及ぶ蓄熱材が提供さ
れ、したがって従来、利用が不十分であった高温の燃焼
ガスの熱を、冬期間におけるエンジン吸気部の加熱、車
内の暖房や窓の霜取り等に有効利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は廃熱利用装置等に用いら
れる蓄熱材に関する。さらに詳しく言えば、内燃機関の
廃熱を、クーラント(冷却液)の上限の温度(〜100
℃)以上の高温度で蓄熱することのできる廃熱利用効率
の高い蓄熱材に関する。
【0002】
【従来技術】自動車用エンジン等の内燃機関において
は、ガソリンの燃焼エネルギーのうち駆動力として用い
られるのはその3分の1程度であり、通常はエネルギー
の約3分の2は有効利用されずに廃熱として無駄に捨て
られている。そこで、エンジン廃熱を蓄熱装置に保存
し、この熱を必要に応じて、例えば、車内暖房や窓ガラ
スの霜取りあるいはエンジン呼気部の予熱による燃費の
改善等に利用することが提案されている。特願平4-2608
47号にこうした蓄熱装置の例が記載されている。
【0003】蓄熱装置は、簡単に言えば、断熱容器内に
保持した蓄熱材に熱媒体を熱的に接触させて熱の保存及
び取出しを行なう装置である。蓄熱材は基本的には比熱
が大きい物質であればよいが、物質の相転移に際しては
潜熱の出入りがあるだけでそれ自体の温度変化がないこ
と、また、例えば融解潜熱は一般に比熱よりも大きい値
を示すことから、相転移に際して発現する潜熱の利用が
できればさらに効果的である。そこで近年では潜熱型蓄
熱材が各種提案されている。
【0004】潜熱型蓄熱材の例としては、Ba(OH)
2 ・8H2 O(融点:78℃、融解熱:70cal/g )や
Mg(NO3 2 ・6H2 O(融点:89℃、融解熱:
40cal/g )等の含水化合物が知られている。また、WO
89/09249 には硝酸マグネシウム水和物にアルカリ金属
硝酸塩またはアルカリ土類硝酸塩と組み合わせて使用し
た材料、特にMg(NO3 2 ・6H2 OとLiNO3
の9:1混合系が好適態様として記載されている。
【0005】しかし、上記の含水化合物のうちBa(O
H)2 ・8H2 Oは、融液が強アルカリ性であり有毒で
あるため蓄熱装置内での使用や取扱い上問題がある。一
方、Mg(NO3 2 ・6H2 Oは液性に問題はないも
のの融解熱が低く、特にLiNO3 の添加によって融解
熱が減少するという問題がある。例えば、上記の9:1
混合系では融解熱が36cal/g 程度に落ちてしまう。ま
た、いずれも、エンジンを冷却するための冷却液(クー
ラント)を介して熱を利用する、すなわち70〜90℃
での溶融・固化過程の潜熱を利用するものであり、より
高い温度(100℃以上)で熱を蓄熱するには適してい
ない。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明は、内燃機関の廃熱
を、クーラントの沸点による制限を受けず、より高い温
度で蓄熱することができる利用効率が高い蓄熱材を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題解決に至る手段】本発明者らは、Mg(NO3
2 ・6H2 O−LiNO3 混合系の熱分析データを詳細
に解析し、図1に模式的に示すように加熱・冷却過程の
それぞれについて2つの潜熱発現ピーク(低温側ピーク
a,a´と高温側ピークb,b´の2つ。aとbは加熱
時の潜熱吸収ピーク、a´とb´は冷却時の潜熱放出ピ
ークである。)が存在することに着目した。そしてさら
に検討を行なった結果、(i) LiNO3 添加量が30重
量%を超えると上記ピーク間の温度差(Tb−Ta ,T
b'−Ta'。ここで、Ta ,Ta',Tb .Tb'は各ピーク
温度)が拡大し始めること、(ii)低温側ピークで発現す
る潜熱はLiNO3 の添加にしたがい単調に減少し続け
るが、高温側ピークで発現する潜熱はLiNO3 の添加
量が50重量%を超えると上昇に転じること、及び(ii
i) LiNO3 の添加量が50重量%を超えると高温側
ピーク温度が100 ℃を超えることを見出し本発明を完成
するに至った。
【0008】
【発明の構成】すなわち、本発明は、 (1)50重量%以上のLiNO3 (硝酸リチウム)お
よび1〜6重量%の発核材を含有し、残部にMg(NO
3 2 ・6H2 O(硝酸マグネシウム六水塩)を含有す
る蓄熱材。 (2)発核材がBa塩である上記(1)に記載の蓄熱
材、 (3)発核材がBaZrOである上記(2)に記載の
蓄熱材 を提供する。
【0009】本発明の蓄熱材は、Mg(NO3 2 ・6
2 Oを主成分としてLiNO3 を50重量%以上含
む。LiNO3 が50重量%未満であると、上述した潜
熱ピークの分裂が小さく本発明の効果がない。50重量
%以上であれば加熱・冷却過程のそれぞれ(半サイク
ル)において潜熱の合計量が概ね40cal/g を超え、ま
た、上記潜熱ピークのうち高温側ピーク温度(Tb .T
b')が100℃を超えるためである。LiNO3 は価格
が高いので、特に高温域(230℃以上)での使用が要
求される場合を除けば、LiNO3 含有量は90重量%
未満に抑えることが好ましい。具体的なLiNO3 含有
量は、使用温度域により後述の図2及び図3を参照して
決定することができる。例えば、140〜200℃の温
度域で使用する場合は、図2を参照してLiNO3 含有
量を70重量%とする。また、図3より、この場合の半
サイクルの潜熱発現量(従来の融解潜熱型蓄熱材におけ
る融解熱に相当)は50cal/g であることがわかる。
【0010】本発明で使用する硝酸マグネシウム六水塩
−硝酸リチウム及び発核剤の系においては、加熱過程の
高温側と冷却過程の高温側で、通常の過冷却現象とは異
なる現象が見られるという特徴が存する。発核剤によっ
て過冷却現象及び加熱・冷却サイクルの繰返しにおける
過冷却度のばらつきを狭い範囲に抑えることが可能にな
る。ここで発核材とは従来技術であげた各種融解潜熱型
蓄熱材において発核材として使用される物質を含み、具
体的にはアルカリ金属の塩またはアルカリ土類の塩であ
る。添加量は1〜6重量%とする。1%未満では添加の
効果がなく、6%を超えると上記混合系の特性に悪影響
を及ぼす。好ましい発核材はBa塩であり、より好まし
くはBaZrO3 である。
【0011】本発明で使用する蓄熱材は各成分を混合す
り合わせし、融点以上の温度に加熱後冷却して使用す
る。
【0012】本発明の蓄熱材は、融点が硝酸リチウムの
含有量に依存して、70〜 250℃の範囲にあるので、そ
の融点よりも高い温度で熱を保存することができ、特に
100℃以上の温度で好適に蓄熱することができる。具体
的には自動車エンジンの排気管からの高温の排気ガス
( 200〜 900℃)を熱源とする廃熱を直接利用すること
ができるため、約 200〜 400℃の温度で蓄熱材に熱を保
存し、特に冬期間の始動時におけるエンジン吸気部の加
熱、車内暖房等に有効利用することができる。蓄熱装置
としては、例えば、上記特願平4-260847号に記載の蓄熱
装置を用いることができる。
【0013】
【発明の具体的開示】参考例 Mg(NO3 2 ・6H2 OとLiNO3 を種々の割合
で均一混合し、得られた混合物を示差走査熱量計(DS
C)によって熱分析した。測定は、窒素気流中、アルミ
ニウムセルを用い、約2〜20mgの試料について、加熱
(加熱速度10℃/分)、最高温度での10分間保持、
冷却(冷却速度10℃/分)、20℃で10分保持のサ
イクルを4回繰返して行なった。結果は微分して解析
し、各半サイクル毎の潜熱発現ピーク温度及び潜熱発現
量を調べた。結果を平均して図2及び図3に示す。
【0014】図2にはLiNO3 含有量に対する潜熱発
現ピーク温度(図1のTa ,Ta',Tb .Tb')の変化
をグラフにして示す。図中、○でプロットされた線は加
熱過程における潜熱発現ピーク温度(Ta とTb )、△
でプロットされた線は冷却過程における潜熱発現ピーク
温度(Ta' とTb')を示す。また、破線は低温側ピー
ク温度(Ta とTa')、実線は高温側ピーク温度(Tb
とTb')であり、LiNO3 含有量が30重量%を超え
ると、両者の差が大きく拡大していくことがわかる。
【0015】図3にはLiNO3 含有量に対する潜熱発
現量(半サイクル分、すなわち、従来型の融解熱に相
当)の変化をグラフにして示す。図中、○でプロットさ
れた線は加熱過程における潜熱発現(吸熱)量、△でプ
ロットされた線は冷却過程における潜熱発現(発熱)量
を示す。LiNO3 含有量>50重量%の部分では、破
線によって低温側ピーク(a とa')における潜熱発現量
を、実線によって高温側ピーク(b とb')における潜熱
発現量を示す。一点鎖線は両者の合計量である。図に示
されるように、LiNO3 含有量が50重量%を超える
と低温側ピークにおける潜熱発現量が急速に減少し、一
方で高温側ピークにおける潜熱発現量が急速に増大して
いくことがわかる。また、両者の合計量は40cal/g を
超えている。
【0016】実施例1〜4および比較例1〜3 表1に示す組成の蓄熱材を製造し、凝固点、潜熱量、繰
返し安定性および過冷却度について測定した。結果もま
とめて表1に示す。表に示されるように、LiNO3
Mg(NO3 2 ・6H2 Oおよび発核材からなる3成
分系の構成においては、LiNO3 の成分が50%以上
になると過冷却度がマイナスになる。すなわち、凝固点
が融点よりも逆に大きくなる。この結果、予想の温度で
潜熱量を取り出せるだけでなく、逆転した分の顕熱量も
増加することができる。さらに低温側のピークがあるた
め熱媒体をさらに暖めることができる。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、潜熱発現量が40cal/
g 以上で使用温度域が70〜300℃に及ぶ蓄熱材が提
供される。したがって、従来、利用が不十分であった高
温の燃焼ガスの熱を、冬期間におけるエンジン吸気部の
加熱、車内の暖房や窓の霜取り等に有効利用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Mg(NO3 2 ・6H2 O−LiNO3
合系の熱分析結果を模式的に示したグラフである。
【図2】 LiNO3 含有量に対する潜熱発現ピーク温
度の変化を示すグラフである。
【図3】 LiNO3 含有量に対する潜熱発現量の変化
を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50重量%以上のLiNO3 (硝酸リチ
    ウム)および1〜6重量%の発核材を含有し、残部にM
    g(NO3 2 ・6H2 O(硝酸マグネシウム六水塩)
    を含有する蓄熱材。
  2. 【請求項2】 発核材がBa塩である請求項1に記載の
    蓄熱材。
  3. 【請求項3】 発核材がBaZrO3 である請求項2に
    記載の蓄熱材。
JP5286015A 1993-10-20 1993-10-20 蓄熱材 Pending JPH07118629A (ja)

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JP5286015A JPH07118629A (ja) 1993-10-20 1993-10-20 蓄熱材

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JP (1) JPH07118629A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000328049A (ja) * 1999-04-09 2000-11-28 Modine Mfg Co 抑制剤を含む相変化物質およびその製造方法
JP2017071670A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 パナソニック株式会社 潜熱蓄熱材及びそれを用いる蓄熱システム

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